風が違うんですよ。

2026.02.21

私たちの工房は、なるべく火曜日と木曜日は定時で仕事を終えましょう、と心掛けていて、とても慌ただしい時ではない限りはなるべくこの心掛けで過ごしているのです。

それを始めたのは数年前からかな。

アイはだいたい夜通し外に居て、朝私が工房にやってくるタイミングで必ず帰ってきてご飯を食べる。そして、みんなが工房にやってくる頃に出かけていく。

そうして夕方、アキコが家に戻るタイミングで(なぜかアイはアキコが苦手なようです)工房に戻ってくる。そこで一度ご飯を食べて1時間ほどくつろいだらまた日が沈んだ後は出かけてしまう。

そうして、21時ごろに再び戻ってきて・・と1日のうちに2時間ほどしか一緒に居る時間がない。

その、「夕方に一度ご飯を食べたらプイッと出かけてしまったあとに帰ってくるのが何時になるのか分かりづらい。」というのが時にもどかしくなってしまって、そのまま帰っちゃっても良いのだろうけれど何となく心配で。

それならその時間を使って走ろうかな、と思って始めたのが夕方ジョギングです。

工房そばの倉見駅の裏から厚木駅のそばまで自転車道がつながっていて、そこを往復すると12.6キロらしい。これを週に3回続ければ、私は夜のお酒と一緒にまんべんなくポテトチップスが食べられる。

そう思って始めたわけですが、その肝心のきっかけとなったアイがとうとう居なくなってしまったよ。
それならば、早く家に戻ってそこから走れば良いじゃないか、と何度も思うのだけれどいまだに工房から走り続けている。

それはね、工房と家とでは風が違うんですよ。

夏は南風が吹いていて、帰りの向かい風が汗を冷やしてくれて心地良い。

冬は北風が吹いていて、帰りの追い風が体をほんのりと温めながら前に進めてくれる。

そののんびりした感じが好きで、工房からのジョギングは今でもどうにか続いているのです。

それにね、どうしてここから走っているのって聞かれたら、「風が違うんですよ。」って言いたいじゃない。

なんて思うのだけれど、いまだに走って工房に戻ってきた後に、事務所への階段を上ってくるアイの足音と、アルミ戸をカリカリひっかく音が聞こえるような気がしてしまって。風をはらんだ植木の葉が戸を撫でているだけなのだけれどね。