
渋墨のキッチン
2025.12.08
ノガミ君が手掛けているMさんのキッチンがおおかた組みあがってきました。
キッチン自体は複雑な形状ではないのですが、この上に載るコーリアンが結構シビアな納まりだったり、プロペラファンを囲う覆い部分も今回は吊戸棚に合わせて作ったりと細かい部分で手が込んでいます。
そして、今回初めて使う塗料(と呼んでよいのかどうか)がこの渋墨です。
柿渋と松煙を配合してできた昔ながらの塗料で、木の持つ個性で黒みが増していきます。ただ、実際に突板に塗ってみると墨が内部まで含侵しにくい部分があったので、墨をより定着させるために上からオイル塗装を施す形でほど良い光沢のある仕上がりになっています。
ただ、出隅の部分などはこすれていくとだんだんと色が薄らいでいくので、そのあたりが良い味となるかどうか、塗り増しすべきかどうか今後の経過を見ていく必要がありそうです。
それでも吊戸棚のクリアオイルとキッチンの渋墨のコントラストはとても興味深い印象に仕上がりましたので、完成が楽しみです。
