経年変化

2015.04.16

本日、目黒のTさんがオーディオボードの製作途中の様子を見に来て下さいました。
さて、どんな色にしようかな。と言う部分は実物を見てから決めましょう、ということにしていたのです。
一目見て頂いて、「おぉ、格好良い。」とうれしそうにうなずいてくださいました。
続いて入ってきたご友人のTさん(お二人ともTさん)も「おぉ、すごい。」とうれしそう。
そのあとにオーディオにまつわるいろいろなお話を聞かせて頂いたり、私たちのスピーカーを聞いてくださったりして、最後に「イマイさん、工房も見せて頂いても良いでしょうか。私そういうところ見るのが楽しみで。」
と言うことで、ご案内。
ここでこんなふうに家具を作っているのです、とご説明している間もTさんうれしそうに手押し鉋の写真を撮ったりして。
そして、不意に目に留まった作業台。
「おぉ、これは良いですね!」と。
「?」
それは24mmのラワンベニヤ。スタッフ一人一人のワークデスクとしてそのベニヤを敷いて使っているのですが、その印象がとても良いのだそうです。
「いやあ、こういうのって味があるじゃないですか。出そうと思って出せるものではないですから。」
ではではということで、プレス用に長年使ってきたの傷んだ合板やルーター加工の際に敷いている厚いベニヤを見て頂くと、お二人とも声を揃えて「おぉ、格好良い。」と。
ルーターの跡がついて半円になったり、放射状のミゾがついたりした板を見て、「そのまま飾りたいくらいです。」と。
私たちには、ただの作業用の板にしか思えなくても、見方を変えるとそこにできた跡やキズがその時間を表していてそこに深い味わいを感じてもらえるのでしょう。
「もし、この合板で良ければ差し上げますよ。だいぶ傷んで使いづらくなってしまいましたので。」
「本当ですか、それはうれしいです。」
と、お二人とも目をキラキラさせていらっしゃいました。
そのように本日はとてもうれしく、とても興味深い時間だったのです。

写真は、Tさんが写真を加工して、イメージに近い色を施してくださったもの。
この印象に近づくように仕上げます。今しばらくお待ちくださいませ。