
オレンジクリームチーズタルト
2026.08.20
ハル「今度の日曜日さ、お母さん仕事?」
私「うん、お客さん来るから会社行くよ。」
ハル「その日さ、キッチン使ってもいい?ケーキ一緒に作りたくて。」
私「いいよ。誰が来るの?」
ハル「〇〇○。」
私「!?○〇〇君来るの?うちに!」
〇〇○君とはハルがお付き合いしているという男性。 ついにこの日が来たのかとドキドキ。
早速家族みんなの予定を確認。その日は日曜日でダイスケさんも一緒に会社で打ち合わせ、次女チイは午前中オープンキャンパスへ出かけるという。 午後2時ごろには家に着いちゃうよね。それまでに作り終わるのかしら。姉の彼氏が家に来るなんて、きっと居心地が悪いんじゃないかなあ。
私も兄妹だったので、兄が初めて彼女を連れてきた日には、そうか、この家族もいつかバラバラになるのかと感じたものでした。 ダイスケさんにも伝えると、「やだ~、まだ会いたくないよ~。」と急に女っぽい口調になっちゃっていましたが、、、。
ハルのこと好きになってくれた人に散らかった家に住んでるんだなとは思われたくないですから、 前日の夜はキッチン周りとおトイレを念入りにお掃除をしました。
当日、お打ち合わせは無事終了。 携帯を見るとチイからすでに数件のLINEメッセージが、
チイ「まだきっと家にいるよね。用事終わっちゃったのだけど。」
チイ「お母さん何時頃帰ってくるの?」
私「 図書館かカフェでお茶すれば。」
チイ「 えー。家帰っちゃダメかな。 」
私「こんにちは〜ってニコニコしながらそのまま部屋に行けばいいじゃん。」
チイ「 えー。 」
というやりとりが続き、結局家に帰ったチイ。 後からハルに話を聞くと、 日傘でがっつり顔を隠しながら「こんちわー。」と言いながら急ぎ足で階段上って部屋に行ったそうです。(笑)恥ずかしいですものね。
さて次は、私の番。
車を運転しながら、どうしようかな、なんて言おうかなと考えていたら家に到着。
「ただいま~。」と玄関に入ると、何かを焼いている甘いいい匂いと共に聞こえる聞きなれない話声と玄関には見慣れないスニーカー。
おお。
キッチンと玄関の間の引き戸を開けると、ハルから借りたであろう縞々のエプロンを付けた彼がキッチンを挟んで向こう側に立っている。
「母さん、おかえり~。」とハル。
彼「こんにちは。お邪魔しています。ハルカさんとお付き合いさせていただいてます、○○と申します。はじめまして。」
おお。すごくしっかり挨拶してくれる!
私「はじめまして、ハルカの母です。お会いできてうれしいです。」
と言い、洗面所で手洗いうがいをしてから2階の部屋へ向かいました。
キュウ~~~~~とする気持ちをチイの部屋に行き、太ももをポクポクさせてもらながら紛らわせました。
(ああいうあいさつでよかったのかな、と聞き耳立てていたチイに聞いたらOKとのことだったので一安心。)
ケーキが完成するまでしばらくかかるということで、1時間位2階の部屋にいて、
「完成したから一緒に食べる?」と聞かれたけど、なんだか照れくさいし、ふたりの邪魔しちゃいけないし、お断りして、ふたりが食べ終わって、家を出たのを見送ってからいただきました。
冷蔵庫を開けて完成したオレンジタルトを見せてもらうと、とてもきれいで、いい香り。
多めに淹れておいたからというコーヒーと共にいただきました。
ハルチイ二人ともナッツアレルギーがあるので、外であまり買って食べる機会のないタルト。生地はサクサクで、クリームチーズのフィリングもオレンジと合わさりさっぱりしていてとてもおいしい。
上手にできて、よかったね。そう思えたのでした。
オレンジだってすぐわかる甘い香りだけど、すぐ消えてなくなるさわやかさ。
ハルに彼ができてから明らかに家にいる時間が減ってきたある日、
「お母さんはおねえに彼ができて、寂しいと思わないの?」とチイ。(普段口数が少ないのですが、こういう時ははっきり物を言う子で、時々驚くのです。)
私「寂しいって言っちゃあそうなのだけど、うれしくもあるのだよね。家族以外の人でもハルのこと好きって思ってくれる人いるんだってわかったから。」
チイは黙って聞いていましたが、
よいことなのだよ。そう自分にも言い聞かせたのでした。
夜ダイスケさんに報告しながら夕食後にタルトを出すと、
「へ~、すごいね、おいしい。いい子そうでよかったね。でもまだ会いたくはないな~、別に。」とのことでした。
ちなみに、母にもこのことを話した時にダイスケさんと初対面の時のことを聞いてみると、
母「確か、バイクで家のそばまで来ることがあって、あんたがダイちゃんが来るって言ってたから、ちょっと外出て見たら、バイクの横に立ってペコってしてた時が初めてじゃなかったかしら。」と、今年82歳になるのにちゃんと覚えていました。
ダイスケさん「結婚するまでちゃんとあいさつしたことなかったと思う・・。」とのことでした。
それは・・、あまりよくなかったですねえ。
きちんと挨拶してもらえるとうれしかったので、やはり大事なことだなと思いました。
そんな夏のある日の我が家の出来事でした。
