ステンレスヘアラインとナラ板目のキッチン背面カップボード

2026.09.27

先日、マイズミさんのご依頼で制作した一辺が斜めになっているキッチンの型取りも緊張しましたが、それ以上に緊張して、型板ベニヤが汗で色が変わるくらいの緊張感をもって臨んだHさんの食器棚の取付は無事に終わったのでした。

天板はステンレスヘアラインの5.0ミリの板の下に意匠的に合板を見せるという形で、それがアルミサッシの凸凹に合わせて差し込むというのは、型板を実測しながらも本当にうまくいくのだろうか、このくらいの逃げ寸法では差し込む時にはもしかしたらつっかえてしまうのではないだろうか・・、と取付初日を迎えるまでは天板を見るたびに胸が苦しくなった私でした。

そしてその初日、下のキャビネットを設置していよいよ天板だということになり、4人みんなでスルスルと差し込んで下げていってうまくはまった時は、ああもうこれですべてがうまくいくと心の中で泣いたのでした。

その後の作業もいくつか難しい部分がありましたが、制作を担当したワタナベ君をはじめとして3人がうまく進めてくれたおかげで無事に完了。

そして今日、あらためてその完成した様子を拝見するために、型板ベニヤを持って採寸に出掛けた時にはアキコにも手伝ってもらっていたので、その苦労の成果をぜひ見たいということで、二人でHさんにご挨拶に伺ったのでした。

元々は配管を隠すために天井が下がっていて、さらにAEGのビルトインオーブンの奥行に合わせた大きな食器棚で、白色は空間の広がりを持たせてくれたのですが、どこかキッチンスペースに圧迫感を感じていたのだそうです。

17年ここを使い続けてそれをもう少し明るく開放的なキッチンに変えたいと思い始めた時に、Hさんが私たちを見つけてくださいまして、今回のカップボードの制作をご依頼くださいました。

「コンクリートと配管が見える印象、そしてオールステンレスのキッチンという無機質な印象に、ナラの生き生きとした表情が心地よく温かみを与えてくれました。」と、にこやかにとても気に入ってくださった様子をお二人からお伺いすることができて、私たちは再び心の中で泣いたのでした。