カジュアル
「ナラ節アリ材とコーリアンのオーダーキッチン」
鵠沼 M様
design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi
節のあるナラ材と人工大理石の組み合わせのキッチンか・・。どんな感じになるのだろう。
Mさんとお話を進めていくにつれて、まとまってきた素材の印象。今までにない形になりそうでしたので、楽しみであると同時に不安でもあったのでした。
「はじめまして。WEBで拝見し初めてメールさせていただきます。
現在、横浜市港南区で賃貸マンションに住んでおりますが湘南地域あたりで戸建住宅を検討しています。
とは言いましても、まだ検討し始めたばかりで、土地から探して新築を建てるか、中古物件を購入してリノベーションするか、ハウスメーカーにするか、建築事務所を探すかさえも決まっていません。
ただ、キッチンだけはどうしてもこだわりがあってオーダーキッチンにしたいと考えています。
いずれは、料理教室ができたらいいなと思っていますので、キッチンと同じ材質の6人掛け程度のテーブルも検討しています。
製作例を何度も拝見して、とても素敵で理想的なキッチンがたくさんあってカタログをお送りいただければと思いご連絡させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。」
そのキッチンカタログは、みなさんにお渡ししております。
ここから近くに住んでいらっしゃる方でも、北海道や沖縄など私たちが実際にキッチンを作って届けることができない地域の皆様にも今後の参考になれば良いなと思って。
どのあたりの地域まで対応するのですか、ってよく聞かれるのですが、それは私たちが通える距離がひとつの基準になります。
キッチンも家具もやっぱり道具なのです。使っていればくたびれるし、それ以上になると壊れちゃうことだってあります。ついた汚れが落ちづらかったり、木の表面がガサガサになることもあります。
そうなった時に、「じゃあ、今度お伺いしますね。」って言って気軽に伺える距離でなくてはいけないなぁと思っているのです。
うちのキッチンは絶対に壊れないし、新しいままでずっと使い続けられますっていうものではありませんので。(笑)
そうなった時に、交通費がたくさん掛かって、修理費用が大きくなっちゃったら、私たちにとっても大変ですし、使う人にとってはもっと大変なことです。
工務店さんが地元に根付いて仕事をしているように、家具も本来は自転車でみんなのおうちに通えるくらいの距離感だったら、すごく良いのでしょうけれどなかなかそうはいきません。
だから、私たちが車で3~4時間くらいで通える距離までがとても良い距離だと感じているのです。
それ以上遠くになってしまう皆様には、このカタログを参考にして頂いてお近くの家具屋さんを訪ねてもらえるとうれしいなと思っているのです。
そして、Mさんのご新居を建てる場所は藤沢ということで、私たちの工房の近くになります。このくらいの距離だと何かあってもすぐに駆け付けられますね。さっそく準備をしてカタログをお送りしました。
それから、4か月後・・。
「カタログをお送り頂いてから随分と時間が経ちましたが、できましたら一度お伺いして見積もりをお願いしたいと思っています。
先日、土地の契約決済が終わり、工務店も決まり、設計もだんだん現実的になっている状態です。
メーカーのシステムキッチンも色々と検討したのですが、やはり何だか違う。。。感じです。」
と言うメールを頂いたのでした。
計画は未定ということだったので、カタログをお送りしたまでで、いつかお声掛け頂けたらうれしいなあと何となしに考えていたのですが、これほど早くお声掛け頂けるとは、大変ありがたく思っております。
そして、さっそくMさんがこちらにいらして頂けることになったのでした。
いろいろとお話を聞かせて頂くと、Mさんはどこか乾いた風が吹き抜けるような印象のキッチンをイメージされていたのです。
キッチンの木目は塗りつぶして使っているうちに色褪せていく感じ。なかなか良い印象です。
それがお話を重ねるうちに、ペンキ仕上げから節のあるナラ材を使う形に、イメージが変わっていきました。そこに人工大理石の天板を載せて。
どんな形になるか楽しみではありますが、不安ももちろんありました。
節アリ材を使うということは、突き板ではなかなか表現できないものなので、無垢材を主に使った形でキッチンを作っていくのですが、無垢材ですからもちろん木は動きます。
特にこの湘南地域は、みなさんが思っている以上に湿度が高い地域です。
今までも梅雨の時期になるといつの間にか扉の表面がうっすらと白くなっていて何かと思って拭き取ってみるとカビだったり、家を建築しているそばから家の角が黒ずんできたり、パネルが思っている以上に伸びてしまってカウンターを押し戻して変形させてしまったり、と言うお話を頂いていろいろ頭を悩ませることが多かったのです。
Mさんのところでは、大きな扉は大きく動いてしまう可能性があるので、表と裏に厚み5mmくらいの無垢を使って内部に合板を使うハイブリッドな作りにしたのですが、あとの引き出しの前板やキャビネットの外部はほぼ無垢材。動かないといいな。
さいわい、Mさんの家は川からは近かったのですが、海から少し離れていたことと、風通しの良い間取りだったこともあって大きな動きが出ることなくお引き渡しすることができたのでした。
それも、今回初めてお世話になったビルダーであるハウスゼロさんの考えた気持ちの良い間取りが良い結果を生んでくれたのだと思います。適度に乾いた風が抜けるこの場所に立つとホッと安心したのでした。
そのハウスゼロのオーナーの大浦さんは、その風貌もそうですが、どちらかというと建築士さんというよりは親方という感じ。(笑)
最初に現場で打ち合わせた時も墨つぼで床に住み出ししてくれた姿は、まさに親方。
私はいつも初めてお会いするビルダーさんたちが多いので、いつも最初のご挨拶の時は何となく身構えてしまうことが多いのですが、大浦さんのオープンな印象はとても頼もしく、各業者さんとの連携もうまく取ってくださってとても気持ちよくお仕事をさせていただくことができたのでした。
株式会社 Houseゼロ
http://www.house-zero.com/
お引き渡し後、しばらくしましてから、Mさんのキッチンの様子を見せていただきにお邪魔致しました。
「イマイさん、私また仕事を復帰するので、もう少し落ち着いたら教室を始める準備をしたいと思います。その時はまたお声かけしますので遊びにいらしてくださいね。」とおっしゃっていたのですが、時間が経つのは早いものです。
いつの間にかその教室がオープンしていたのです。
「ご無沙汰しております。
ゴールデンウィークも終わり、日中はすっかり夏の日差しですね。そろそろワンコの散歩も厳しい今日この頃です。時々、今井さんのFacebookに登場する素敵なキッチン達を拝見していますが他人事ながら何だかワクワクします。
自分もあんな素敵なキッチンを作っていただいておきながらまた新しいのを見ると「いいないいな~」っと思うものです(笑)
さて、恥ずかしながらご報告を。
自宅キッチンでの料理教室をOPENしました。まだまだ、お友達が生徒様っというレベルですが何とか頑張ってゆこうと思っております。
もし、機会があれば身にいらして下さいね。
よろしくお願いいたします。」
さてどんな教室になっているか今から楽しみです。実は今度お邪魔させていただくのです。
&mando
https://mand2016.jimdo.com/
お会いできるのを楽しみにしております。
天板 | 人工大理石 デュポンコーリアン「グレイシアホワイト」、人工大理石シンク 吉本産業HS800 |
---|---|
扉・前板 | ナラ節アリ無垢材 |
本体外側 | ナラ節アリ無垢材 |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Mさんが施工) |
ナラ節アリ材とコーリアンのアイランド型オーダーキッチン
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。
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