チェリーのL型キッチンに会いに

Category : 日記「自由な手たち」

2023年7月4日

2年前にコーリアンとブラックチェリーを使ったL型キッチンを、そして昨年にはサクラを使ったベッドフレームを作らせて頂いたSさんから、久しぶりにご連絡を頂きました。

「あのときに相談させて頂いていた階段下の収納をそろそろお願いしたいと考えておりまして。それと、キッチン計画当初に食洗機を入れるかもというお話をさせて頂いていましたが、そろそろそれも実行したいと思っているのです。」

ということで、アキコもぜひSさんの暮らしの様子を見てみたい、ということで二人で打ち合わせにお邪魔してきました。

「オイルは時々塗っておりまして。」というSさん。とてもよい色ツヤになっていてお二人がきちんと楽しんで暮らしている様子がよく分かってうれしくなったのでした。

Sさん、写真家として活躍されている方なので、私はゴソゴソとカメラを引っ張り出して撮らせてもらったのですが、プロの人に見られていると思うと急に汗が出てくるのですが、どうにかこの暮らしの良さを撮っておきたかったのです。

階段下の収納というとどこか響きづらい形ですが、またSさんの感覚の良さが表れた形になるはずで、楽しみでもあり、気が引き締まる思いも大きいです。

頑張りましょう。

チェリーのペニンシュラキッチンとカップボード

Category : 日記「自由な手たち」

先ほどのMさんのお住まいから歩いて15分くらいの距離のところで、ノガミ君とヒロセ君とタケイシさんがチェリーのキッチンとカップボードの設置を行なっておりました。

最近は、この湘南地域でオーダーキッチンのご相談を頂く機会が多くなってきまして、私たちも近くで仕事ができることがとてもうれしいのです。

今回は、葉山のtentlineさんからお声掛け頂いてこのお仕事を担当させて頂くことになりました。とても表情の良いチェリーの板が入りましたので、こうしてきれいに仕上がりました。小振りなハンドルはHORIさんの真鍮磨き仕上げのものをクライアントのTさんがとても気に入ってくださって。

チェリーと真鍮の年経た様子が楽しめる形になりました。

またお引き渡しの時に全体像が見えるのが楽しみです。

カバのリビングボード

Category : 日記「自由な手たち」

Mさんのリノベーションは2回に分けて行なうということで、私たちの納品は前回終わっていまして、この度後期の工事の打ち合わせを行なうタイミングで、「イマイさん、よかったら写真撮影にいらっしゃいますか、Mさんもぜひとおっしゃっていて。」とecomoの担当のKさんからご連絡を頂きまして、昨日お邪魔させて頂きました。

梅雨の合間の大変お天気の良い中をお伺いしたものですので、シャツの色が変わるくらい大汗かきながらお邪魔してしまい失礼いたしました・・。

もともと、リビングは突きあたりの食器棚兼飾り棚だけを作らせて頂く予定だったのですが、お伺いしてお話を進めるうちに右手のカウンター下収納の在り方もどうあったらよいのかとお話が膨らんでこのような形にまとまりました。

形をイメージすることって難しいですから、ってMさんもおっしゃっていて、お話をすることで、どこの場所をどのように使いたいか暮らしかたの動作がイメージできると、家具の形もより思い描きやすくなります。

できあがった家具がもう自然にそこにあるように見えるのは、ずっと思い描いていたからなのですね。

玄関の扉もとても明るくなってよい印象です。

また、何かご相談がありましたらいつでもお声掛け頂けたらうれしく思います。

オーダーキッチンの制作例を追加しました

Category : 日記「自由な手たち」

2023年7月1日

吊戸棚の印象

作る人、使う人の思いが一つになって心地よい空間ができあがる、という言葉をそのまま体現したかのようなキッチンを作らせて頂きました。

継ぐものたちへ」茅ヶ崎 K様

よろしければご覧いただければうれしく思います。

吊戸棚の印象

継ぐものたちへ

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

「シーザーストーンとナラランダム張り突板のキッチンと吊戸棚」

茅ヶ崎 K様

design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:Kさん

ナラランダム張り突板とシーザーストーンのオーダーキッチン全体の様子
バルコニー側から見たキッチンの全体像。今回は、万代建材さんにナラの突板を作ってもらっています。ランダム張りにするために6尺の単板を3つに分けて、Kさんのご希望で縦目張りにしたものを作りました。
ナラランダム張り突板とシーザーストーンのオーダーキッチン全体の様子
洗面室側から見たキッチン全体像。扉や引き出しをインセットに見せて、且つボーダーのラインをデザイン的に入れています。このボーダーは手掛けの役割を兼ねています。すべてが引き出しだからできるデザインです。

キッチンカタログのお申し込みをくださった後にうれしい感想のメールをくださったKさん。

「フリーハンドイマイ様
お世話になっております。
先日、カタログをお送りいただきましたKと申します。
冊子を拝読し、イマイさんのモノ作りの姿勢に共感いたしました!
現在設計中の新居にて、設計士である兄と相談した結果、キッチンと一部家具もお願いできたら、と考えております。
予算や方向性、スケジュールなどがうまくあえば、是非ともお願いしたいと思っております。
一度、ショールームにお伺いさせていただくこは可能でしょうか。
このような時期ですので、メールやオンラインのやり取りでもこちらは大丈夫です。
施工場所は、茅ヶ崎市で、現在は近くの仮住まいに暮らしています。
ご検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします。」

吊戸棚オープン部分の仕上げの印象
洗面室はこの写真の左手にあって、右側は冷蔵庫とカップボードを隠すための壁があるので、キッチン入り口はこのように小さなスペースから垣間見られるようになっています。ですのでリビングダイニングから見ると、キッチンの奥はいったいどのようになっているのだろうと、興味深く思わせてくれるキッチンのエントランスなのです。
吊戸棚の扉を閉めた部分とオープン棚の部分の仕上げの違い
まずは吊戸棚。今回は、海外の家具でよく見られる印象にしましょう、ということで、表面はシンプルな無地単色で仕上げ、内部に木目を表すという見せ方にしたのです。木目が見えるキャビネットを無地単色の板と扉で囲う、という見せ方にしたのです。また、アウトセットではその表現が乏しく見えてしまいそうなので、インセットで納めています。

そう、ちょうどこの頃はコロナ禍でいろいろな活動が制限されていた時期でもありました。
カタログの中に私のモノ作りの姿勢が書かれていたっけ?なんて、だいぶ前に作ったものですので、うろ覚えになってしまっているところがあったりするのですが、書いてあるのはアキコが書いたくるみ餅のエピソードと、食器棚のご相談を頂いていろいろと相談に載っているうちにもう1件の家具屋さんでお願いする形でも大丈夫ですよってなってしまって、最終的にはいろいろと悩みを聞いてあげただけのおじさんになってしまったエピソードくらいだったような気がします。
そのようなカタログでも、私たちのオーダー家具やオーダーキッチンの在り方に共感していただけてとてもうれしくありがたいことです。

吊戸棚のオープン部分の印象
吊戸棚内部は、キッチン表面材と同じナラのランダム張り突板で仕上げています。
吊戸棚の扉を開けた様子
扉を閉めると隠れてしまう部分は、材料のコストを抑えるためにシナ合板で仕上げています。ちなみに今回はKさんが塗装を行なうので、ホワイトの部分はシナ合板で作って納品しているのです。このホワイトのペンキ塗装とナラのオイル塗装の塗り分けがきれいになるかちょっと心配しておりましたが、とてもきれいな仕上がりですばらしい。
ハーフェレの面付リング付きのダウンライト
棚下灯はハーフェレのLOOXを使っています。Kさんのリクエストで、面付リングを使った形で仕上げていますが、今まで使ったことがなかったので、なるほど良い印象です。

そうして、さっそくこちらにいらしてくださることになったのでした。
Kさん、雑誌のライターとエディターのお仕事をされていて、今のお住まいも掲載されている雑誌を拝見させて頂くと、とても魅力的な暮らしかたで、ご主人とお二人で自分たちで作り出したものや緑に囲まれた暮らしをされていている様子がよく映っておりました。
この雰囲気を実現できる形を考えないとね、とちょっと緊張するのでした。
そして、実際にKさんご夫婦にお会いしてみると、肩の力の抜けたとても自然体のお二人で、ひたすらに物作りが好きで、作られる素材もまた愛おしむ様子がよく伝わってくるとても素敵なお二人でした。
「うん、よいねよいね、君が思う形を考えていったらよいよ。」と奥様の広がる思いもご主人が受け止めて、こうして優しい空間ができあがっていくのだなあと、実感させてくれるやり取りだったのです。

アリアフィーナのサイドフェデリカを採用
レンジフードはコストを抑えるために、在庫が安く手に入れたということで今回のような壁付けキッチンの場合は、通常はフェデリカをつけるところを、サイドフェデリカをつけているのです。もちろん、壁の奥に油煙が回り込まないように久保田工務店さんのアイデアで壁を付加しています。

そして、ここから奥様の思いがどんどん膨らんでいきます。
「夫には、とにかく「私らしい」ものを。と言われており、私らしいとは何か、あらためて考えさせられております・・(笑)
「高級」なものではなくて「本物」がいいと思っており、自然が作ったものの価値を大事にしたい。
そういう意味で、イマイさんの考え方や文章を書かれる発信の仕方に、ものすごく共感しているので、何とか制作をお願いしたいと思っております。」

シーザーストーン「シイタケ」の印象
天板はシーザーストーンの「シイタケ」というカラー。厚み20ミリのものをKさん自身で探してきてくれました。今回はキッチンの長さが3500ミリほどあるので、シーザーストーンの制作長さを超えてしまうため、2分割で制作しています。
シーザーストーンとナラの表面材の印象
INAXのタイルの表情が同じ焼き色のものがないように思えて、とても個性豊かでこの空間によく合っているのです。ちなみにタイルを張る範囲はKさんいろいろと悩んでいらっしゃって、写真奥の左側はキッチンの奥行きと揃えましたが、ガスコンロがある右側は、キッチンの手前まで油が跳ねることがあるので、バルコニーのサッシまで張り伸ばして油が飛んでも掃除しやすいようにしたのでした。

その打ち合わせの中で、面白かったことがありました。
instagramというスマートフォンのアプリがありますね。私もよく見ているのですが、その中でとても素敵な海外のインテリアが紹介されていることがあります。
いつかどこかでそのエッセンスを取り入れられたらよいかと思って、これは気になるというものはクリップしておくのですが、そのクリップしていたものがKさんといろいろと一緒で、なるほど、同じ方角を向いて家具作りを進められそうだとうれしくなったのでした。
Kさんもここでなら自分の形を本当に実現できるのでは、と思ってくださったみたいで、さらにいろいろと思いが膨らんでいくのでした。

食器棚部分の引き出しの様子
一番左の引き出し上段の様子。
鍋をしまう深めの引き出し
一番左の最下段の引き出しの様子。この引き出しの上に見えるのは内引き出し。
内引き出し部分の印象
その内引き出しを開けた様子。

途中でKさんからうれしい言葉を頂くこともありました。
「余談ですが、今井さんのキッチン紹介のエピソードを日々ちょろちょろ読んでは、感動しています。
キッチンて、人の人生を写すものなんですね。
みなさんが、イマイさんのキッチンを通じて元気になっていくような様子まで読み取れて、家族や夫婦のカウンセラーのようだなとも、思いました。
書籍になりそうです。」

ありがたいです。雑誌のライティングや編集のお仕事をされている方にこのように言ってもらえるなんて。
私自身が常々思っているのは、いろいろな物事には理由があって成り立っているので、私たちが考える上では、その形になるために、そのコストになるためにはきちんとした理由があって、その人が望んでいるその形にも何かの憧れや期待といった理由があって、それが分かれば形は自然とまとまってくるものと思っております。
それは、その人の時間の過ごし方だったり、体の動かし方だったり、一緒に暮らす家族との時間の過ごしかたや日々の移ろう様子を見つめる時間の持ち方だったり。
その思いを聞かせて頂くことで、私が気付くことがあって、本人がさらに気づくことがあったりして、形はおのずとまとまっていくと考えております。
そういう風に自然に生まれる形は、印象こそ控えめでもその本人にはとてもしっくりする形になると思っております。

シーザーストーンとクリンスイ「F924」
キッチンの水栓器具は、クリンスイの「F924」。吐水口の先端で、シャワーと通常吐水の切り替えができるタイプの水栓です。
シーザーストーンとステンレスシンクの納まり
シンクはコストを抑えるためにシンプルなプレスシンク。トヨウラの「N760ZW」を採用しています。またそのシンクの納め方は、シンクと開口部をメンイチに揃える納め方。

そうしてお話は進んでいったのでした。

うれしいことがいくつかありました。
出会いと発見をKさんのこのお仕事を通じていただけたことです。
今回、表面材を無垢材で作る形で進めていたのですが、なかなかコストの調整が難しく、どのような表情にするかを悩んでいたのでした。
そのようなときにinstagramで知り合うことができた万代建材さんが私たちのような小さな工房の相談に載ってくださって、とても良い表情の突板を作っていただけることになったのでした。
もう一つが、地元でなかなか出会うことのなかった工務店さんと知り合えたこと。
茅ヶ崎の久保田工務店さんは今回Kさんを通じて初めてお会いすることができたのですが、これほど近くに素敵な工務店さんがあることを全く知らなかったのでした。
高校時代まではこのあたりは自転車で通り過ぎることもあったのに、だからなおさらうれしかったのです。
そういううれしいことが続きながらお話は進んでいきます。

シンク下の引き出しの様子
シンク下は大きな引き出しが1段。
シンク下奥の給排水立ち上がり部分の様子
シンク下奥の給排水スペース。私たちが作るキッチンの場合は、この給排水スペースを1段高さを上げて、配管にストレスがかからないような作りすることが多いのです。
引き出しの手掛けのデザイン
ボーダーの部分はこのように手をかけるくぼみをつけています。

「ツキ板の件、ありがとうございます!!
うれしくて胸がいっぱいです・・・。
目指したいものと予算の狭間で、色々と着地点を探さねばならないなか、こうして、良いご提案をしてくださること、本当にありがたいです。
久保田さんも本当に素敵なかたで、イマイさんにお会いできたことをとても喜んでおられました。
実は私の心の中のプロジェクトテーマというのがあって、私の兄も含めですが、今回お世話になるかたが2代目3代目というかたばかりなんです。
家族を大切にされながら、これまでの常識にとらわれず、「いいもの」を追求しているひとばかりだと気がつきました。
2階には絨毯を採用するのですが、その制作をされているのも、堀田カーペットさんという大阪の会社2代目の、素敵なかたです。
自分の中にそういうプロジェクトテーマをもったら、モノ選びに迷ったときに、すんなり選べるようになりました。
キッチン前に採用したいINAXのタイルも、フランクロイドライトが帝国ホテルを作るときに、日本のタイルを使いたいと常滑の職人に作らせたものが今も残っていることを知って採用しました。これもまた、INAXを生んだ親子の物語で・・・。
すみません、ついつい長くなりましたが・・・
そんな気持ちで付き合っていただけたら、うれしいです。
兄からも、イマイさんに出会えたのが始まりだね、と言われました。
本当に、ありがとうございます。」

そう、お兄さんもお父様と一緒にお仕事をされている設計士さんで、今回のKさんのご新居はお兄様の設計なのです。
株式会社 SuKA建築設計事務所
http://www.suka-ar.com/

食洗機の正面パネル
ここは食洗機が格納されているところ。
食洗機の正面パネル
開けるとこのような感じ。
食洗機はASKOのオートオープンタイプ
ASKOのマイナーチェンジしてオートオープン機能が選べるようになったDFI645を組み込んでいます。庁とこの時期は、ミーレもボッシュも食洗機が欠品していたので、ASKOだけが手に入るというちょっと変わった状況でした。

「うれしいお話をお聞かせくださいましてありがとうございます。
INAXのタイルを見た時にとても良い色だなと思いまして、キッチンの突板の表情も普通のものよりももう少しクセがあってもすてきだなあと思ってしまいまして。
実際に合板に張られて突板合板になるともう少しきれいな表情になってしまうと思いますが、いつもの突板よりは表情が豊かに仕上がりそうで楽しみです。
堀田カーペットさん、私もとても好きでして我が家のリビングにFisherman’s Courtを敷いています。
とても触り心地が良くてサラッとしているので、夏でも気持ち良いのです。
堀田カーペットさんも、今回突板を探してくれた万代建材さんもたしかインスタグラムがきっかけで知ったのだったと思います。
すてきな思いを持ついろいろな人たちとこうして気軽につながることができるようになったというのはすばらしいことです。
良いご縁というのは、きちんとつながっていくのですね。
良い形ができるように頑張ります。」

「イマイさま
ありがとうございます。
堀田さんのカーペット、既に使われていらっしゃるのですね。
堀田さんにもお伝えします!
万代建材さんは、とても大きな材木屋さんなのですね。
美しい木を見つけてくださり、本当にありがとうございます。
いまから楽しみでなりません。
私の役割は、家を通じて、たくさんのクラフトマンをご紹介することだと思っていますので、何かの折りに、皆さんの役に立てるよう、わたしも頑張ります。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」

ガス機器の隣の引き出し
食洗機右隣の引き出し上段。
ガス機器の隣の引き出し
食洗機の右隣の引き出し下段。ここは2段が一体になった引き出しになっています。
ガス機器の隣の引き出し
下段は調味料ボトルが入れられるような高さを確保していますが、今のところはオイルガードのような背の高いものがしまわれています。

こうして、キッチン作りが始まったのでした。
今回のキッチンのデザインで面白いところは海外の家具でよく見かけるように表面は無地単色で内部に木目の表情を生かした仕上げにする部分と、特徴的なインセットの見せ方にする部分がありました。
このインセットの見せ方は、以前、内田雄介さん設計の「やさしい毎日」のOさんのキッチンでも取り入れた見せ方です。
今回はそこに水平のラインも入るデザインで、どのような形になるのかが楽しみなのでした。

制作を担当したのはノガミ君。
頭を悩ませながらもきれいにまとめていってくれました。,br> 複雑そうに見えるキッチンキャビネットよりも、扉のある部分とない部分で見せ方が変わるため作りが複雑な吊戸棚がなかなか大変なのでした。

ガスコンロとガスオーブンの様子
ガス機器の印象。こちらはバルコニー側のキッチンエントランスになり、リビングダイニングから見るとこのような表情が見えるのです。ちなみにオーブンはビルトインオーブンレンジの「NDR514EST」。

キッチンの設置では、今回天板にはシーザーストーンの厚み20ミリのものを採用しているので、かなりの重量があるため搬入が少し心配だったのですが、久保田さんのご配慮でとてもスムーズに進めることができました。
これが2階だったらちょっと設置は難しかったかもしれませんが・・。
タイルとの取り合いも、クリアランスに余裕を見てくれていたので、無事に設置することが完了。
あとは、設備屋さんやガス屋さん、電気屋さんにつなぎの作業を行なって頂いて、そのあとKさんが塗装を行なって頂いて完了ですね。

ガスコンロはノーリツのプラスドゥ
ガスコンロはノーリツのプラスドゥ。

「イマイさま
お世話になっております。
キッチンの設置、ありがとうございました。
上質な家具を見ているようで、本当に感動しました。
こんなに美しいのだから、空間を全開にオープンしてご披露できないのがちょっと残念、と夫に話したら、奥に歩いて来て、特別な空間がワッて現れるほうが、もっと驚きがあっていいよ!と、言ってくれました。
細部まで見惚れてしまうほど、丁寧に作ってくださり、本当にありがとうございます。」

そう、Kさんのキッチンは半分ほど閉じた空間で、リビングダイニングからはちらっとしか見えない間取りになっていて、それもまた良い印象で。
こもって何かをこしらえる楽しさとみんなで調理する楽しさを共有できるキッチンになりました。

調味料用の引き出しの様子
右端上段の調味料用の引き出し。
調味料用の引き出しの様子
右端下段の調味料用の引き出し。

さて、今回は塗装をKさんご家族皆さんで行なうということで、オイル塗装の部分はターナーのエシャオイルで、オフホワイトの部分はベンジャミンムーアの塗料を使うということになりました。仮住まいからほど近いところにベンジャミンムーアのブランドショップがあるということで塗り方の指導も受けてきて、さっそく開始です。
ご自身で塗装を行なう場合は、まず扉や引き出しの外し方を覚えてもらって、さらに取り付け方も覚えてもらってから、ざらつきがある部分は研磨して塗装をしていきます。
こういうキッチンを使うための一通りの作業をしてもらうことで住み始めてからも不安がない、という声を頂くことも多く、ご自身で塗装をするというのは暮らしていくうえでよい方法の一つなのかもしれませんね。
ご主人が朝早くに予定が入ってしまったということで、奥様とお嬢さんで作業を進めていきます。
なかなかお嬢さんの手際が良いのは素晴らしい。
最初の塗り方と拭き取り方の指導をして、あとの作業は皆さんに行なって頂きます。できれば今日と後日で2回塗って頂くことで色ツヤがとてもよく仕上がるはずのですので、大変ですが頑張ってくださいね。

そうして、無事に塗装が完了して、すべて終わったというところで、ASKOの食洗機にエラーが・・。
立て続けに今回一緒に納品させて頂いたミーレの洗濯機と乾燥機にエラーが・・。
ちょうどこの時期はコロナで家電の流通がうまくいっていない時期で、またマイナーチェンジした食洗機でこの時期だけちょっとした不具合が続いていたのでした。
どの家電もすぐにメーカーさんが駆けつけてくださって対応してくださり、無事に良品になることができて、これですべて完了。

オイル塗装の準備
これは吊戸棚を塗装するときの様子。何しろ養生が一番大変なのです。今回は特に塗分けが多いので、Kさんしっかりそのあたりをやってくれました。
オイル塗装の準備
こちらはキッチンキャビネットの様子。引き出しはすべて外して塗装を行ないます。ですので、引き出しの取り外し方、取り付け方をお伝えするところから塗装指導は始まるのです。また、食洗器やガスコンロが入って塗りにくくなってしまう部分はあらかじめ塗っておきます。

この時期から半年ほど経った頃、コロナも少し落ち着いてきて、Kさんのところではお母さまたち身内の皆さんが集まってお祝いが開かれるというタイミングでお声掛けいただきました。
オープンハウスから早くも1年が経っていましたね。
お邪魔させて頂いた時間には、もうオーブンがフル回転して、食事の準備を整えているところでして、ちょうどあわただしい時間に(私にとってはキッチンを使う様子がよく見ることができてとても勉強になる時間に)お伺いすることができたのでした。
オイルもペンキもどちらもきれいに塗られていて、特に吊戸棚のオイルとペンキの切り替え部分もきれいに塗り分けられていて、さすがに物作りが好きなだけはあるきれいな仕上がりになっていました。
結構上に並べちゃうのですと言っていたコンロ周りの様子もきれいにKさんらしい印象が良く表れていて、とても良い空間になっておりました。
最後にようやくお兄さんともご挨拶ができました。
今まで積み重ねてきたものを引き継いでいる皆様とこうしてKさんはつなげてくださいました。
このお仕事は私たちにとってひとつのKさんからのエールのように思えて、あらためてうれしくなったのです。
ありがとうございました。

みんなでオイル塗装をしている様子
ご主人が来るまでは、奥さんとお嬢さんがてきぱきと作業を進めるのです。
天板 クォーツストーン「シーザーストーン」
前板・扉 ナラランダム張り突板(キッチン)/ペンキ塗装仕上げ(吊戸棚)
本体外側 ナラランダム張り突板
本体内側 ポリエステル化粧板/シナ合板
塗装 オイル塗装仕上げ
キッチン仕上げ

シーザーストーンとナラランダム張り突板のキッチンと吊戸棚

価格:1,460,000円(制作費のみ、塗装費、設備機器費用は別)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は180,000円から)

オーダーキッチン・オーダー家具の制作例を追加しました

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月30日

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン

大変久しぶりにオーダーキッチンとオーダー家具の制作例を追加いたしました。

MA設計室の福原さんと久しぶりに一緒のお仕事をさせて頂き、トーンの柔らかなキッチンとテレビボードを作らせて頂きました。

「影ゆらゆら」 茅ヶ崎 Y様

タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード

タモ材を使って少し懐かしい色合いに仕上げたベッドサイドボード。デスクも備えた形はTさんの素敵なアイデアでした。

「文末カラー」 磯子 T様

チェリーのペニンシュラキッチンに会いに

Category : 日記「自由な手たち」

HITOMA design officeさんからお声掛け頂いてYさんからオーダー頂いたチェリーのペニンシュラキッチン。

「Yさんのところに伺うのですがもしよかったら今井さんもいらっしゃいますか。」とお声掛け頂いて、ちょうど棚板を1枚追加で制作依頼を頂いていたので、その納品を兼ねて私とアキコとでお邪魔させてもらいました。

到着すると、何やら大人数。植木屋さんが剪定の作業に入っているところに、工務店さんが最初のメンテナンスに入っていて、さらにはHITOMAさんも甘利さんと太田さんだけではなくて人が多いぞ。

実はHITOMAさんも作品集として写真撮影にいらしたのだそうです。

ふだんは自分のお店を切り盛りしている奥様もこの大人数に慌ただしくされる中でも皆さんににこやかに気配りされていてすばらしい。

「散らかってしまっているので、もし要らないものがあったら自由に避けてくださいね。」

ということで、これはみなさんの邪魔になってはいけないと、慌てて先にYさんの暮らしの様子を撮らせて頂いたのでした。

Yさんお二人の印象そのままのような笑顔のキッチンになっておりました。

ナラのキッチンバックカウンターとキッチンのお化粧

Category : 日記「自由な手たち」

平成建設さんからのご依頼で、Sさんのところにバックカウンターとキッチン周りを共材で仕上げる工事を行なってきました。

よく食器棚の印象をシステムキッチンのカラーに揃えるというお話を聞きますが、リビングのカラーに食器棚を合わせるほうが、リビングから見た空間全体がまとまるように思えます。

今回はシステムキッチンの周りを同じ材で囲うことで、リビングから見た時の印象がよりまとまって見えるようになりました。

今までにもそのような見せ方で家具を作らせて頂いたお客様は多いので、もし興味がありましたらお読みいただけるとうれしいです。

おおきな役割」深沢 Hさん

整えて」大倉山 Tさん

おばさま」町田 Iさん

おとうさん」茅ヶ崎 Wさん

ロックなあなた」横浜 Nさん

学び家」浦和 Sさん

心地よさのモノサシ」川崎 Iさん

夢見たほんわかしたキッチン」横須賀 Hさん

タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード

文末カラー

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, タンス、チェスト、ワードローブのオーダー

2023年6月29日

「タモ板目とデスク付きサイドボード」

磯子 T様

design:Tさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:daisuke hirose

タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード
全体の印象。もともとは古いこげ茶色の整理タンスとシンプルな白いデスクが置かれている場所でした。ここをきれいに整理してまとめたいというのが今回のTさんのご要望でした。
タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード
ほど良く日焼けして飴色になりつつあるメープルのフローリングとシナ合板の建具という明るい寝室。もともと持っていた整理ダンスはこげ茶色のつやのあるウレタン塗装の懐かしい印象でした。そこで今回制作するならば明るい色にしたいという思いがTさんにありました。ただ素地の色のままでは若々しすぎるので、もう少し工夫した色にしたいというところでありました。お話変わりますが、今回オーディオを置くためのボードでもありまして、そのためのマルチメディアコンセントがちょうどこの家具の奥の右下にありまして、そこから電源を確保したのですが、なるべくケーブルが這う様子を隠したい、ということで、背板を手前に付加して配線経路を確保して、普段はレコードを置くスペースになっているのです。

「フリーハンドイマイさま。
初めまして、横浜市磯子区に住むTと申します。
寝室の家具(洋服タンス+テーブル+オーディオラック)をフルオーダーで作成願いたくメールいたしました。
どのような手順で進めるのがよろしいかしら?
家具のおおよそのイメージというか具体的なオーダーはできていますが、あまりにも限定してしまうのも、、、と思い。
ご相談させてくださいませ。」

とTさんからメールを頂きました。

ベッドサイドボードのスケッチ
Tさんから頂いたファーストプラン。折り畳みデスクというデザインはこの時からありました。これをうまく使いやすく、使い続けやすくするためにはどうするかが一つのテーマでもありました。

「あまりに限定してしまうのも」というところがちょっと難しそうな感じだなあと思いながらも、「よろしいかしら」と文末に書かれているのを耳に聞いたときに、面白くなるかもしれないなあとも思ったものでした。
ただ、私の家具作りの方法としては、あまり自分の形を押し付けたくない(なんていうとつたない提案ばかりが偉そうにと思ってしまいます)わけでして、というか形を作るための手がかりになるようなきっかけが欲しいものですので、まずは皆さまからなるべく具体的なイメージを教えて頂くことにしております。

サイドボード端部の納まりの様子
今回の形のポイントの一つである側板の小口の印象。半円に面取りして、角を留で納めることで、優しい印象だけれどもきちんとエッジが出た形にすることができました。この丸みのあるデザインは最初はロの字型にして、地板の小口もあらわそうか悩んだのですが、Tさんの希望で今回は門型のデザインにしています。

余談ですが、先日もテレビで東京都庁を設計した丹下健三さんの特集を見ていたのですが、あの2本の巨大な塔の意匠は、ゴシック建築の代表であるノートルダムの鐘塔を引用しつつ、ガラスの配置は古来の格子の形を引用したというお話をされていて、あの建築ができた当時の私は、「おお、ボルテスVの足のようだ・・。」なんて子供じみて思っていたのですが、そのような引用がいかに深い思いを持ってなされていたのかを、ナレーターの方がお話しされているのを見て、やはり形には理由があるのだよね、と「白岳 しろ」を片手にうんうんうなずいておりました・・。

引き出し内部の様子
引き出しの中は主にご主人と奥様の衣類収納です。
掘り込み手掛けのディテール
久しぶりに手掛けのアップ。これはツバのない手掛け。下面はツバのある手掛けのデザインになっています。

そのようにTさんにはお伝えしまして数日、とても丁寧な図をお送りいただいたのでした。
とても分かりやすい、けれどもちょっと難しそう、というのが正直な感想でした。
作り自体はそれほど複雑なものではないので問題はないのですが、その機能的な形を作ることで、果たしてずっとその形のまま使っていくことができるだろうか、という思いがあったのです。

タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード
今回の形の要であるデスク部分。

私はもともと父が始めたこの工房を継いできたのですが、入社当時は、変わった形のお店の家具ばかりを作っていたのでした。
それからだんだんと住宅の家具を手掛ける機会が増えてきたのですが、シンプルな形というよりはちょっと個性的な形の家具も多かったのです。
特に男性が考える家具は、なかなか機構に凝っていて、「ここをこうするとこういう風にも使える」「これを外せるようにしておいて、こちらまで持ってきて使うこともできる」「将来的にこういう風にしておくことで分けて使える」というように形が複雑になっていくこともありました。
反対に、「ここはこれしかしまわないから、あのサイズプラス5ミリで大丈夫」などギリギリのかたち(というのでしょうか)を求めるかたもいらっしゃいました。
それでその家具はどうなるかというと、もちろんそのまま機能的に使ってくださっている形も多いのですが、半分近くは当初の使い方から変わってしまっていたり、可動式にしていた部分は動かすことなく使われていることが多かったりします。
やっぱりね、動いたり、合体したりって楽しいんですよ。
ボルテスVの合体シーンなんで子供心に毎回見るたびにワクワクしていましたからね。
そうか、ここが首の付け根になるのか、胴体はくるっと回って後部から腕と合体するのかー、なんて。

だから、形を考えているときってすごくワクワクするのですが、実際にそれを使い続けるかどうかはまた別なのだなあと、この仕事で30年近く経てきた自分にはそう思えるのです。
Tさんのイメージにも折り畳み式のデスクがありました。
この部分がどうかなあ、と思っていたのでありました・・。
そのうえで、まずはその形のまま制作するとどのくらいの金額になるのかをお伝えしたのでした。

タモの少しアンティークな印象のデスク付きベッドサイドボード
結局、当初の案で椅子をしまえるようにと考えていた部分は、レコードを置くスペースに変わったのでこのような小ぶりな椅子を部屋の隅に置いて、この場所だけではなく多目的に使える椅子として置いておくことになったのでした。

「イマイさま
おはようございます。ご回答ありがとうございます。
そうですね、家全体が明るいので(建具関係もフラッシュ仕上げ)濃い目といってもお値段と相まって抑え目にしたいな、と考えています。
ちなみに、お送りした私のオーダー画はあくまでもこちらの『希望』ですので、今井さまのアイデアや家族(妻)の意見も聞きながらと思っています。
また、申し訳ないことですが(まだ詳しくは決めてはいないんですが)他社家具制作屋さんでもご提案頂ければ、、、と思っています。
まずはメールでのやり取りで進めさせて頂きご依頼が決まったところで上記の今井さまのアイデアなど本格的な対面式でのお話し合いが良いかしら?」

折り畳みデスクに使用した真鍮丁番
折り畳みデスクの丁番は、真鍮製で開けた時と閉じている時のどちらもフラットなおさまりになる丁番にしています。
折り畳みデスクに使用した真鍮丁番
開けたときはこのような感じ。この丁番はとても美しく使いやすいのですが、構造上軸が2本あるので、開け閉めに多少クセがあります。慣れてしまえば問題ないので今回は美しさ優先。

「T様
フリーハンドイマイの今井大輔です。
お世話になります。
さっそくのご連絡ありがとうございます。
制作に掛かる費用や減額の内容については昨日までにお伝えした範囲で、それ以上の大きな増減はあまり出ないと思われますので、あとは細かい具体的なご要望をお伺いしながら、T様の希望する形に近づけられるように努めたいと考えております。
いつもは私のほうからアイデアを出したり、デザインを考えたりするということはなくて、皆さんのご要望をお伺いしましてから、その内容が整うようにまとめていく、という方法で形を作って言っております。
そこで、T様のおっしゃいますようにまずはメールで細かいご要望(*)を頂けたら、その内容をまとめながらどのような形でどのくらいの金額になるかをあらためてお伝えしたいと思います。

*たとえば、
・先日の写真のように縁を見せるデザインにしたい、その縁は丸めたい、もしくは斜め内側に傾斜しているようにしたい ・取っ手は木製ではなく、金属が良い
・脚はやはりデザイン的につけたくて、角ばった形よりも丸い脚が良い、脚の高さはロボット掃除機が入るくらいの○○センチが良い
・タンスの大きさと搬入経路を考えると分割して作ってほしい

などなど、具体的なご要望を頂ければと思います。
そのご要望をまとめ直して形でご依頼頂けます場合は、直接お会いしてお話をお伺いしながら形を決めてゆく進め方が良いかと考えております。
もしくは、昨日までにお伝えした金額の範囲でご依頼頂けます場合で、メールのやり取りだと時間が掛かってしまうので、直接お話しながら決めてゆきたいということでしたら、この私たちのショールーム、もしくはT様のご自宅にお伺いして打ち合わせすることも可能ですので、お申し付けください。
また、他の家具屋さんと比較して頂くことは、その形を作るうえでの適正な金額を知るとても良い機会だと思いますので、遠慮なくお話を進めて頂ければと思います。
それでは、ご検討くださいますようよろしくお願い致します。」

ということで、時間をとって考えてくださることになりました。

折り畳みデスクを全開した様子
開いた天板は下の引き出しが受けてくれる構造。
折り畳みデスク下の引き出し
その下の引き出しの様子。ここはデスクとして使うときのものが収納されます。

それから3か月後、Tさんがこちらにいらして頂けることになりました。
いらしてくださったときのことはもう事細かには覚えていないのですが、Tさんを一目見た印象はとても包容力のある方のように思えて(私の思う包容力のある人というのは兄や姉のような印象を抱かせてくださる人のことを言うのです。兄も姉もいませんが)、なんというか思いをそのまま伝えてしまってよいという気がして、先ほど書いたような思いはひと通りお伝えしたような気がします。
Tさんもかえってその素朴な印象に好感を持ってくださったのか、そのままご依頼頂けることになったのでした。
でき上った形は、ほぼこの時にお話しした内容そのままでしたが、色の見せ方、引き出しの深さなどは、その後細かく打ち合わせをさせて頂いて、ご自宅にお伺いするときに最終決定しましょう、ということになったのでした。

折り畳みデスクを全開した様子
横から見た感じ。ちなみに今回は引き出しの底につけるソフトクローズタイプのレールではなく、昔からある側板につける一般的なベアリングレールを採用しています。コストダウンということもあるのですが、底付けすると底上げしないといけないため、収納量が減ってしまうということもあり、「食器棚のような繊細さはいらないので、ゆっくり閉まらなくて大丈夫です。」というTさんのご要望でこのレールを採用しています。

さて、Tさんの住む磯子の土地、私にはどこかなじみ深く、この近くの馬の博物館には昔のお仕事でしょっちゅう出入りしていましたので、この丘陵地帯がなつかしかったのでした。
駅に降りて、Tさんに「ちょっと分かりづらいところに建っております。」と言われていた通りに、たしかに通り過ぎそうになりながら、急な坂道を登っていくとふと開けたところに少しモダンな戸建て住宅が建っていてそこがTさんのご自宅でした。
なるほど。
しかし、ここに来るまでには人しか通れないほどの道ばかりだったぞ、どうしようか・・。

そんな不安な思いを抱えて、さっそく現地確認。
おや、どこか懐かしい仕上がりの室内です。
採寸を終えて、お茶を頂きながらお話を伺うと、この家は中村弘文さんのお弟子さんが建てられた家だそうで、建具のおさまりやキッチンのおさまりなどがすべて見たことのある優しい質感でできていたのでした。
(むかし、建築設計の仕事をしている友人の福原さんの住まいが好文さんの建てた戸建て住宅の一角でしたので、このおさまりは懐かしかったのでした。)
なるほど、この家に家具を置かせて頂けるのは光栄だなあ。
そんなうれしい気持ちで帰ってきたのですが、相変わらず搬入のことが頭に引っかかっておりました。
帰り際にTさんが「こちらからはある程度車で近づけますので。」と案内していただいたルートも少しは距離がありそうですが、頑張りましょう。

折り畳みデスクを全開した様子
実際に使用している様子をTさんが送ってくださいました。

形がまとまりましていよいよ制作に取り掛かるのですが、今回は形の複雑さは軽減されましたが、机のちょっとだけ複雑な機構や追加でご相談いただいたアンプケースなど変わった内容もありましたので、段取りよく進めていきます。
それとは別に難しい部分がもう一つありまして、それが塗装の色です。
最近は着色することが少なくなり、その樹種本来の色のままで仕上げるクリア色での仕上げが多くなってきましたが、やはりお部屋の印象が好きな家具の印象に合わせた色にされたい、という声も少なからずあります。
Tさんもブラックウォールナットの色が抜けてチークの色に近づいたような明るめの色を希望されていました。
ただ、ここでブラックウォールナットを使うと、使い始めてしばらくは重厚感のある色のままになってしまいますし、チークを使うとかなりの高額になってしまう。
そこで木目重視というよりも色味重視ということで、比較的コストを抑えられるタモ材を使って色を入れましょう、ということになったのでした。
ただ、オイルでチークのような(しかもヨーロピアンチークのような)赤みのあるチークの色になるオイル塗料は少ないのです。
そのまま塗ると派手になっちゃうことが多かったりして。
そこで、今回は、下塗り、中塗り、上塗りで色を変えながら、また拭き取りの具合も調子を見ながら、この色に仕上げていったのでした。
その色もTさんに気に入ってもらえましたので、ほっとしたのです。

折り畳みデスクがたたまれているときの内部の様子
こちらは折り畳み天板の様子。収納されているときはこのような感じ。端っこの角材が天板をフラットにして、且つ天板を受ける引き出しが引っ込まないようなストッパーになっています。
デスク天板が開いているときの内部の様子
天板を引き出しているときはこのような感じ。ここも背板を付加していて奥の配線穴から電源が取れるようにしていて、さらにはコンセントも増やしています。天板委も同じく配線穴とコンセントを設置しています。

さて、心配だった納品ですが、その日は私は予定が入ってしまっていて立ち会えなかったのですが、みんなには「歩くよ、けっこう歩くよ。場合によっては荷揚げもするよ。」と事前に強く伝えていたおかげが、戻ってきたノガミ君からは「時間はかかっちゃいましたけれど、Tさんが搬入の先導をしてくれたり、お昼ご飯をご用意くださったりといろいろご準備してくださいましたおかげで順調に納まりました。」ということでさらに胸をなでおろすることができたのでした。

Tさん、今回は魅力的な形を作らせて頂くことできました。ありがとうございました。

オリジナルアンプケース
このアンプに被さっている黒いケースも今回作らせて頂いたもの。もともと組み込むタイプのアンプのようで上や側面のメカ部分がむき出しになるのでそれをきれいにカバーしたいということでした。
オリジナルアンプケース
鋼板で作って黒くメラミン焼付塗装で仕上げているのですが、もしも経年変化で足元の素地が出てしまって、木と触れて鉄焼けになるとよくないということで、タモの角材を加工した脚をつけています。

タモ板目とデスク付きサイドボード

価格:710,000円(制作費・塗装費)

 

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は30,000円から)

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン

影ゆらゆら

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

「クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチンとテレビボード」

茅ヶ崎 Y様

design:MA設計室fukuhara/daisuke imai
planning:MA設計室fukuhara/daisuke imai
producer:iku nogami/daisuke hirose
painting:haraki tosou

クォーツストーン「ビコストーン」キッチンワークトップ
リビングから見た様子。この右隣が玄関なので、玄関を開けるとこの空間が現れます。真っ白ではない優しいグレーの印象が目に入ってくるのです。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのシンク側アイランドカウンター
シンク側アイランドカウンターの様子。今回、室内の壁をベンジャミンムーアの色に合わせて塗装して仕上げてあり、その色に合わせて、キッチンや家具もすべて表面は同じグレー(ほんのり暖色系のグレー)に塗装して仕上げています。天板は、ビコストーンというクォーツストーンを厚み45ミリで仕上げています。シンクはコーナー7Rのステンレスプレスシンク。シンク前には、タオルバーの隣に小さなコンセントがついたシンプルなデザイン。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
Yさんがキッチンに立った様子。リビング側はそのままカウンターテーブルとして使えるようなデザインになっています。

建築設計の仕事をしている福原正芳さんとは、もう四半世紀(一度この言葉を言ってみたかったのです。25年ですね。)のお付き合いです。
私が10代の終わりに通った専門学校「ICSカレッジオブアーツ」で出会ったのがきっかけです。
もともと人見知りなので、なかなかいろいろなことを話せる友人はできないだろうと思っていたのですが、ここで出会った人たちは今でも仕事やそれ以上でのお付き合いができていてうれしいご縁なのであります。
そして、当時大学生で、さらにこの学校にも通っていた彼には、いろいろな良い影響を頂くことができて、今の自分の家具つくりの在り方のもとにもなっているといっていいくらい魅力的な人物です。
そして、卒業するころに、いつか福原さんの家のキッチンを私が作って、わが家を福原さんが設計するという願いはきちんと実現できました。

【福原さんの家】
よく食べてよくたべる

【私の家】
私のアトリエ、まずはキッチン

キッチン推薦はKWCのKW0151102700R
水栓器具はKWC社の吐水レバーが特徴的な水栓。
シンク下の引き出しの様子。引き出しのレールはハーフェレのノヴァプロスカラ
シンク下の引き出しの様子。今回引き出し金物はすべてハーフェレ社のもので、こちらのような一般的な引き出しはノヴァプロスカラを採用しています。
シンク下の引き出しの様子。引き出しのレールはハーフェレのノヴァプロスカラ
こちらはシンクした最下段の引き出し。
シンク右横はカトラリー用の引き出し
シンク右隣の上段はカトラリー用の引き出しになっています。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
その下左側は、タッパーを活用して引き出しのようにして使う収納に。
アイランドカウンターの恥には引き出し収納式のごみ箱を備えています
一番右端は引き出し式のごみ箱になっています。

その彼からあらためて「キッチンや家具の相談をしたいんだよね。」と言われたのがこのYさんのお話でした。
すごくモダンな暮らしをされている家があるのを彼がこの茅ケ崎に越して間もなくから思っていたのだそうです。
そのお住まいの主が実は福原さんの家のそばに越してきていて暮らしていらっしゃったことを知った時な福原さんも驚いたそうですが、何よりも福原さんの仕事をいつの間にか見ていてくださって、「あなたは設計のお仕事をされていらっしゃるのよね。実はリノベーションをお願いしたいのよ。」と唐突に声をかけてもらえたことがそれはもううれしい出来事だったようです。
「見ていてくれる人はいるんだねえ。」としみじみ言っていましたっけ。

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
カウンターテーブルの印象。とてもやさしい明かりが下りてきているのです。

福原さんと仕事をするときは、家具の設計自体も福原さんがほとんどできちゃいますので、私はあまり口出しをしないで、細かい納まりなどを検討していくという部分を担当するので、Yさんの佇まいや暮らし方は福原さんを通じてしか知ることがなく、工事完了までには2回ほどお会いできただけでしたが、Yさん、とてもモダンな考えを持っていらっしゃる方、というかさっぱりした考え方をお持ちで、「必要なものだけあればよくて、それは特に大きくこだわることなく、気持ちよく使えることが一番。」という印象に見えたのでした。

「ものをしまうところは一般的なサイズがあれば、あとはしまい方を工夫するから大丈夫よ。」という感じでした。 ただ、使っていて心地よいサイズ感って必ずありまして、それは福原さんがきちんと知っているので、その感覚を私は頂きながら、実際に作るための数値化していく、という作業でした。

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
全体の印象とコンロ側の壁付けキッチンの全容。今回は背面のパネルもクォーツストーンで制作し、さらに吊戸棚の奥に照明を組み込むかなり複雑な納まりになっています。そして、扉は手掛けをつけないで、すべてプッシュ式の扉になっているかなりミニマルなデザインです。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
右奥の収納部は家電がしまわれていて、スライドして引き出せるような形にしています。
ガスコンロはリンナイの4口コンロ「RD641STS」
そして、中央部が加熱調理スペース。今回は魚焼きグリルのないリンナイの4口コンロ、RD641STSを採用しています。その下には、ミーレのオーブンを導入しています。

そのさっぱりした印象は家具の意匠にもよく表れていて、私が主体で考えちゃうと、もっと小口が現れた形になったり、木目の表情を大きく出したりしそうですが、今回は主に「白」。でもただ白いのではなく、少しトーンが落ちて、よく見るとグレーがきちんと入った「白」。いうのは簡単だけれど、難しい色だったのです・・。
形がシンプルに見えるほど、実はそのための構造が複雑だったりするわけで、今回も1枚の板を隠すために構造を工夫したりと、塗装の色以上に作りも大変だったのです。
さらには、築40年経つ集合住宅をほぼスケルトンにしてリノベーションを行なったのですが、壁の立ち具合や床の不陸までは取り切れないので、そのあたりをうまく収めるのがまた大変な作業でした。
施工業者であるエスエスさん(実は13年前にキッチンを納品したIさん「morning sun」を施工していた工務店さん。あの頃から年賀状のやり取りをさせて頂いていて、今回一緒にお仕事させて頂くことになったのでした。)も頭を抱えながらもきれいに仕上げてくださって、こうして落ち着いたトーンの落ちた白い空間ができあがったのでした。

ガスコンロ周りの引き出しの様子
下の引き出しの様子。上段は浅い引き出し。
ガスコンロ周りの引き出しの様子
下段は深い引き出しですが、内引き出しが隠れております。
ガスコンロ周りの引き出しの様子
そのうち引き出しの様子。
ガスコンロ周りの引き出しの様子
オーブン横の小さな引き出し。
ガスコンロ周りの引き出しの様子。こちらはハーフェレのフレームバスケット「コンフォートⅡ」
オーブン横の小さな引き出しの下段はハーフェレのフレームバスケット「コンフォートⅡ」を採用しています。
ガスコンロ周りの引き出しの様子。こちらはハーフェレのフレームバスケット「コンフォートⅡ」
こちらも同じくフレームバスケット「コンフォートⅡ」。

無事にお引き渡しが行なわれて、お引っ越しも無事に済んでようやくYさんときちんとお話ができるタイミングがやってきました。
福原さんがこの仕事の当初から言っていた、道路から室内を見ると目に留まったというこのモダンなソファ(名前を忘れてしまいました)がリビングにきちんと納まっていて、「このソファが収まる空間にできたことはうれしいことです。」とYさんと福原さん。
以前の家を出払ってしまって、この集合住宅に移った時にはソファが入らなくてずっと預けたままだったそうで、この空間は念願だったのだそうです。

ガスコンロ周りの引き出しの様子
一番左端の引き出しの様子。下に滑り止めを敷いていて、開けると調理道具が整然とまるで美術館の展示品のように並べられているところが気持ちよい。
ガスコンロ周りの引き出しの様子
その下の引き出しの様子。
ガスコンロ周りの引き出しの様子
一番下の引き出し。

そして、「影がきれいに映るのよね。」とYさん。
以前のここは、普通にリフォームされたままの状態で住んでいらっしゃったので、キッチンや床や壁の色はそれなりの色で散らばっていたのですが、今回はこの色でまとまっているからか、それぞれのものが暮らしの動作がきちんとよく分かる。
「そうでしょう。」とうれしそうに福原さん。

よいお仕事をさせて頂きまして、ありがとうございました。

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのテレビ台兼下足入れ
キッチンに立った時に見える玄関とリビングを仕切るテレビボード兼下足入れとなる家具。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのテレビ台兼下足入れ
下足入れはこのような感じ。細かいものをしまう引き出しを備えていて、あとは靴を入れるスペース。ちょっと変わっているのは、写真には写っていないのですが、テレビの下に収納されているBDレコーダーが下足入れ側から出し入れするようになっているという点。福原さんらしい複雑な設計。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのテレビ台兼下足入れ
リビングから見えるとこのような感じ。テレビは壁掛けになっていて、その下に目地が見える部分が小さな扉になっていて、そこを開けるとレコーダーが顔を出す。また、この家具はものすごく重いのですが、福原さんがどうしても実現させたいということで、下が抜けたデザインになっているのです。
クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン
Yさんがおっしゃっていた影は本当にやさしく映っておりました。
天板 クォーツストーン「ビコストーン」
前板・扉 ウレタンホワイト塗装仕上げ
本体外側 ウレタンホワイト塗装仕上げ
本体内側 ポリエステル化粧板
塗装 ウレタンホワイト塗装仕上げ
キッチン仕上げ

クォーツストーンとウレタンホワイト塗装仕上げのセパレートキッチン

価格:2,280,000円(制作費、塗装費のみ、設備機器費用は別)

ウレタンホワイト塗装仕上げのテレビボード

価格:540,000円(制作費、塗装費)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は60,000円から、取付施工費は240,000円から)

ブラックチェリーのサイドボード

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月27日

先日、このチェリーのサイドボードを納品させて頂いた際に、追加でご相談いただいていたカトラリーケースをお持ちしました。

「イマイさん、そのまま食卓に持ち運べるようにしたいのですよ。」とWさん。私の父と同じ年くらい方からこのようなご依頼を頂けるのはうれしいです。

「おう、いいね、よい形だね。」息子に話をするような感じなのでしょうかね。

今日は、アキコもぜひ拝見したい、ということで一緒に伺わせて頂きました。

写真を撮らせて頂いている間に隣の部屋からにぎやかな声が。娘に話をしているような感じなのでしょうね。

吊戸棚をあとから作る

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月26日

今から12年前にキッチンを作らせて頂いたことがきっかけでお付き合いさせて頂いているkotiの伊藤さん。

無垢の部分はアルダー材を使って作り、突板部分はアルダーがほとんど出ていないということでシルバーハート(イタリアンウォールナット)という樹種で作ったのでした。

こちらは5年前に使っている様子を拝見させて頂いた時の様子。

今回、ものが増えてきたこととキッチンの使い勝手が変わってきたこともあって、「吊戸棚をつけたいのです。」とご相談いただいて作らせて頂きました。

それと一緒に食器棚の天板にもステンレスを張ったらだいぶ印象が変わりましたね。

先日、「無事に取付できましたよ。」と写真付きでご連絡を頂きました。

伊藤さん、これからもよろしくお願い致します。

レンジフードのお掃除:家具屋の自宅

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月28日

自宅見学に合わせてレンジフードのお掃除もしました。

我が家は、大みそかの大掃除の時ではなく、油が柔らかい気温の高い季節に換気扇掃除をすることにしていまして、約9か月ぶりのお掃除となりました。

アリアフィーナのサイドフェデリカの連動センサーなしのタイプを使っています。

とてもシンプルな構造で、メンテナンスしやすいですね。

整流板、オイルパック、ファン手前の枠、ファンを外します。

汚い画像を失礼します…。

オイルパックに油は溜まらず、整流板に溜まるのは我が家だけでしょうか…。

ドライバーを使わないと外せないステンレスの枠を外すか外さないか迷うところだと思いますが、

整流板に油が落ちていたら外して掃除する必要があると思います。ここにも油がたまっているからです!

接続の部分が、落ち着いて構造をよく見ればすぐできるのですが、ドライバーでネジを外したそばから油が垂れ始めるので、慌ててガチャガチャやってぼたぼたコンロ周りが油だらけになってしまいますので、下の部分を新聞紙敷いて養生してから作業を始めましょう。

今回は、なるべくお水を使わないというテーマでお掃除してみました。

油汚れを拭き取るのに、使い古したフェイスタオルを8分の1に切っておいたものを4枚分の32枚は使いました。その後、台所洗剤で洗いきれいにしました。

ゴミが出るか、汚水が出るか悩ましいですね。お掃除をどちらが環境に負担が少ないのでしょうか。

お掃除をする度に毎回考えることです。皆様もそうではないでしょうか。

換気扇掃除が終わりパーツを戻したら、必ず試運転をしましょう。

きちんと着いていないと異音がしますので、いざ使うお料理中よりも、この時に気づいた方がよいと思います。

外すときにスマホで撮影しておけば確実ですが、大体両手を使う作業ばかりですので、やりづらいです。構造がシンプルですので、一度手を動かせば覚えられると思います。

続けて、本体周りはダスキンのステンレスクリーナーで汚れと拭き目がなくなるまで拭きました。

オープンキッチンの間取りだとレンジフードの汚れも目につきやすいですので、お掃除しやすいものだと助かりますね。

どなたかがお掃除する時の参考になればと思います。

ナラとステンレスのセパレートキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月26日

日曜日に群馬県の藤岡市にナラのセパレートタイプのオーダーキッチンを納めたIさんのところにお邪魔してきました。

前回の打ち合わせの時はのんびりと八高線に揺られてきたものですから、意外と近いのだなあなんて思っておりましたが、こうして車で訪ねてみると、「おやっ、あと35分で薄井軽井沢」だって。そうか、これほど遠かったのですね。10年以上前、そして数年前にも軽井沢でお仕事させて頂いたことがあったので、なんとなく見慣れた風景が通り過ぎていく様子を感じておりました。そういえばこの秋から冬にかけても軽井沢にキッチンを納品させて頂く予定ですので、またこの景色が白くなってくるころにやってくるのです。

藤岡のあたりは前回来た時もそうでしたがとてもゆったりした時間が流れているように思えて、(実際電車もゆったりした時刻表でした)歩いているだけで気持ちがのびやかになったものでしたっけ。数か月前を懐かしみながら、たどり着くと日本家屋の印象が現れました。

「こんにちは。」

今日はアキコと二人でお邪魔させていただきました。

彼女がステンレスのお手入れ方法を説明している間に細かいメンテナンスを行なって、そのほかのお手入れ方法や使い方についてあらためてご説明して、これですべて完了ですね。

「イマイさんのことは、ピンタレストで最初に知ってから、家作りを始める前なのにいろいろと見させてもらっていたのです。」とにこやかに奥様。

私はてっきり今回キッチンのお話をくださった無垢スタイル建築設計さんからのご紹介かと思っておりましたら、その2年も前に私たちのキッチンカタログのお申し込みをくださっていて。そんなことはすっかり忘れておりまして・・、それほど長く思われていたのはうれしいことだとアキコとホクホクしたのでした。

玄関にある風除室のような空間やら三和土の土間やら上がると間もなくキッチンを抜けていく動線やら縁側があるような間取りがとても気持ちの良い空間。そういえば、最初に打ち合わせにいらしてくださったときにご主人が袴をはいていらっしゃったっけ。

「そうでした、イマイさんに次お願いしたいって思っていたものがあるのでした。また時期が来ましたらお声かけさせて頂きたいと思います。」

お二人のたたずまいがそのままこの空間によく表れていて、心地よい時間を過ごさせて頂きました。

ありがとうございました。

椅子の脚を切る

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月22日

この題名だけを見るとマイナスなイメージがありますが、喜ばしいことなのです。
お子さんの体が大きく成長されたということなのですから。

写真奥の水玉模様の座面の椅子は同じ形のショールームの椅子で、
手前の椅子がKさんのお孫さんの為にと以前オーダーいただいたものをお預かりしたものです。

(制作当時の記事を探したのですが…。Kさん、見つからずすみません。)
足置きを外して埋め木をして、足の長さを13cmほど切りました。
なんだか、「僕はもう大人用の椅子になったのさ。」という風にも見えますね。
これからもお子さんの食卓での時間を支えてあげてね。

足置きに使っていた部材は、Rがありデザイン的にもきれいで、後ろ側は平面が出ているので、きれいに拭いてから壁につけて、花瓶や鉢の台にしても良いと思います。

椅子は安価でデザインも豊富に売られているものも多く、その時々でサイズを替えて買い替えることもできると思うのですが、「毎日一緒に暮らしてきた。」という年月をいとおしく感じるものもありますよね。

それが、時計だったり、カバンだったり、洋服だったり、食器だったり、家具だったり、

人それぞれで面白いなと思います。ただ、長く使うためにはメンテナンスが必要で、それには費用が必要です。それが難しくて断念してしまうこともあると思います。難しいですよね。

そんな中、今回このように声をかけていただき、これからもお使いいただけるなんて。Kさん、ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

スライドワイヤーシェルフ収納

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月21日

今回の自宅見学に合わせて普段なかなかできないお掃除しました。その内のひとつがスライドワイヤーシェルフです。

我が家のキッチンのコンロ下は、スライドワイヤーシェルフを3段使った収納です。
お客様でもコンロ下をガスオーブンは付けない方・オープン収納にする方はこの形を選ばれる方は多いです。私は木のまな板をここに収納したかったので選びました。
調理器具に埃がつくのを気にされたり、見た目が好きでない方は他の引き出し収納にされます。

引き出しを戻すときに振動で鍋が揺れ、「ガシャン」という音が気になるという方もいらっしゃいます。確かに夜はここの引き出しを静かに閉めるように気をつけています。

Instagaramno投稿時に動画を載せております。音を確認したいかたはこちらをどうぞ。

ここに収納しているものは、乾燥させたいもの(まな板やボールなど)、火の元にすぐ出せるフライパン類です。
1番重いものは、OIGENの鉄鍋重さ5㎏・高さ17cm、揚げ物鍋(汚れ、失礼します。)高さ約19cmのものでした。これを1番下の段に収納し、あとは、フライパン類が納まるようにと各棚の高さを決めていきました。

HAFELE社の幅60cmのものを使っていて、ワイヤー収納というと色々なメーカーさんからも出てバスケットの形になっているもの等もありますが、形があるということは掃除の仕方も工夫が必要になりますので、メンテナンスの仕方も考えて一番シンプルなものを選びました。
フレームが太く曲がりも大きく接合部位に段差がないので、なべ底の油がフレームについたりしていても拭き取りやすいです。
丸洗いもできます。(大きめのシンクでないと洗いづらいと思います…。) 

まず、収納しているものを全部ダイニングテーブルに出します。(この時、五徳の汚れが鍋底に付いているとダイニングテーブルも汚れてしまいますので、新聞紙など紙を敷いておくとよいと思います。写真は敷いていないと思ったかた、そうです、自分の失敗から学んだことでございます…。)

フレームを引き出して持ち上げて外し、使い古した布でこびりついた埃混じりの油汚れを拭き取ってから台所用洗剤で洗います。


引き出しスペースの庫内も固く絞った布巾で拭きました。底面に、焦げ混じりの汚れが落ちていましたが、乾燥していたので、拾うだけで取れました。
はじめ油っぽい匂いがしていた庫内がしなくなった気がします。空気が篭りがちな梅雨時期にお掃除ができてよかったです。

スライドワイヤーシェルフ選ぶか悩まれているかた、そして、お使いのかたで、これからお掃除をされるかたのご参考になればと思います。

ブラックチェリーのL型キッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月19日

富里のUさんのキッチンの様子を見にお邪魔してきました。

「なかなか時間が取れなくて、ようやく先日オイルを塗りました。」とおっしゃっていたUさん。

「たいへんだろうなあ、と決めてかかっていて、なかなか腰が重かったのですが、始めて見るととても楽しかったのですよ。主人は手伝ってくれなかったけれど(笑)」

塗ったり拭いたりする作業ってなんだか気持ちが落ち着くから楽しく感じられるのです。それに、チェリーもクルミもオイルが入るだけで表情が全く変わって深みが出るところがまた楽しい。

よい感じに仕上がりましたね。

今日はアキコと私とで二人でお邪魔させて頂き、私はオイル塗装の確認と細かな調整をして、アキコはステンレスカウンターのお手入れ方法をお知らせして、はい、これですべての作業が完了ですね。

ご友人からのプレゼントがきっかけで集め始めたトーベ・ヤンソンが描くキャラクターたち(ムーミンたちですね)のマグカップに、鮮やかな北欧色した食器や小物たち。

「ずっと好きで集めてきていて、いつかそれを飾れる場所がほしいって思っていて。キッチンもこの家を建てた当初からどこかしっくりきていなくて、8年ほどかけてようやく自分の形ができあがりました。」とUさん。

ちなみに緑のタイルが貼られているキッチンが当初のキッチン。今回はそのキッチンを取り払って、L型のチェリーのキッチンを作らせて頂いたのでした。

それと一緒に、玄関に入って丸見えになっていた靴を置く集成材でできたオープン棚にクルミ材で框組した扉に籐を張って、目隠しさせて頂いたのでした。

今回はキッチンを作らせて頂いたわけですが、Uさんと最初の打ち合わせで出ていたお話は、キッチンやリビングという部屋をどう使っていくかという部屋の使い方。キッチンがダイニングを分断しているようなレイアウトだったので、食事も含めてすべての時間がリビングで過ごす形になっていたのですが、そのリビングがこのログハウスという個性もあって、外からの視線がすこし気になるところでもあったそうで、このキッチンの形を変えれば、心地よいダイニングが作れるのではとずっと考えていたのだそうです。

今回こうして、ダイニングの形が心地良く整理されたので、今度はリビングの使い方がきっともっと心地良くなる工夫が出てくるはずです。長い時間が掛かりましたが、暮らしは少しずつ代えがたい楽しみを見つけて楽しく良くなっていくのです。

どちらもとても良い印象でした。ありがとうございました。うれしかったです。

自宅見学への準備:家具屋の自宅

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月15日

ダイスケさんの家着、ユニクロのタンクトップを着て手摺の塗り直し中のダイスケさん。元々つやなしだと思っていたら、つやありで、仕上がりが変わりました。日頃見ているようで見ていないものですね。ふたりして。
赤松の床。一番ひどい凹みは、プジョーのペッパーミルを落としてできたもの。(犯人私。)
熱湯かけて少しは膨らみましたが…。
高温で、スチームMAXでやってみましたが、凹みは全部は治りませんでした…。気が向いたら、埋め木をしてくれるそうです。
ペニンシュラキッチンの我が家。シンクの端に洗い物かごを置いてます。
洗いかごを外すと。汚い画像を失礼します。しばらく掃除をしていないとこうなります…。
カルキの汚れが付くのはいつもここだけなのです、お箸立てがあるからですかね。一番水分連れてしまっているのでしょうか…。
困った時のダスキンのステンレスクリーナー。どのくらいまで落とせるか使ってみました。
表面の白い汚れは落ちましたが、カルキの凸凹は残ってしまいましたので、重曹を振りかけて落としました。

自宅見学のお話をいただいたので、一日お休みをいただいて、ダイスケさんとお家の中で気のなるところをきれいにしていました。

お庭の草むしり、お風呂の網戸・換気扇、トイレ、シンク回りの掃除、とメダカ鉢のお水の交換をしました。

ダイスケさんは、ランプシェードの掃除、階段の手すりのペンキが剥げているところの塗り直し(洗濯物を部屋干しするときにここに下げるので、塗料が剥げてしまうのです。)、床の凹みの補修をしてくれました。

丸一日あればもう少しできるのかなと思いましたが、時間はあっという間で、キッチンのお掃除は当日午前中に取り掛かることにします。

見に来てくださる方に心地よくご覧いただけるようにという目的でお掃除をしていましたが、

見学当日まで、どきどきする気持ちを和らげる効果もあるのだなと実感しています。

まずは自分たちにとって心地よい場所でないとおかしいですものね。

ホワイトオークの書斎の家具とアイランドキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月11日

来月に大きな納品が控えていて今はみんなでその制作に取り掛かっているところで、今月の納品は少ないのですが、その中でもとても大がかりなKさんのキッチンと家具。先日はその設置工事でした。

よくブログの中でも搬入のことを書くのですが、どのような家具でも工夫すると制作することはできるのですが、その形を設置場所までスムーズに運べるかどうかはいつも悩ましいところです。

今回のKさんの書斎の家具は、久しぶりに壁面一面を使った大きな形になりましたが、ある程度分割して運び込めることと、1階ということもあって心配はしておりませんでしたが、アイランドキッチンのほうは2階に設置するということと、天板がセラミックストーンのデクトンでしかも裏打ちの無いデクトンそのままでの搬入。(割れないかしら)さらにキッチンのキャビネットはホワイトオークということで、重量が心配だったのでした。さらには、設置日当日はかなりお天気が荒れるという予報が出ていて、もう1週間も前から悶々としていたのでした。

今回の話はシキナミさんが声をかけてくださったのですが、シキナミさんが連れてきてくださるお客様は個性的な皆様が多くて、今回は美術館の館長さん。ここにはお一人で住まわれて、「ふだんはそんなに料理なんてしないのだけれどね。」ということでしたが、それでも気持ちの良い形を取り入れたい、ということでこの形になったのですが、難しいのは、デクトンとキャビネットのサイドパネルとバックパネルの納まりです。

打ち合わせに私たちのショールームを見に来て下さった時にオリーブグリーンという天然石と、サイドパネル、バックパネルのホワイトオークの納まりをとても気に入ってくださったのでした。ですので、Kさんのキッチンも同じような見せ方で、サイドパネルとバックパネルはトメで接合し、その木口をカウンタートップから見えるようにしたのです。

さらに、その打ち合わせの時に、ショールームのキッチンは天然石のカウンタートップからサイドパネル、バックパネルが10ミリほど出っ張った納まりにしているのですが、「この出っ張りを平らにもできるの?できるならその方がリビング側からもお皿とか取りやすそうだよね。」とKさん。シキナミさんも「それすてきですね。」と二人でうんうん。

これはなかなかシビアな納まりだなあ、と不安に思うなか、「ではそれでいきましょう。」と、その木口を出っ張らせないでツライチで納めることになったのでした・・。(よく分からない、という方はぜひショールームにいらして下さいね)となると現場で組んでいくのはかなり大変ですので、工房である程度固めた状態で作り込んで運ぶことになるのですが、これが重い。

当日までお天気予報をじっと見つめていると、雨がだんだんと前に向かってきているではないですか、ということに気が付きまして、工事前日の好天めがけて搬入だけ先に行なうことにしたのでした。

三郷までの道のりはなんだか雲の多い空模様でしたが、到着する頃には汗ばむくらいの日差しが顔を出しました。

さて、デクトンは割れないように木枠でしっかりと固めておいたので、また、Kさんの2階に上がる階段が直線の階段でしたので、どうにか屋内から荷揚げすることが無事にできたのですが、問題はキャビネット・・。

屋内からはどうにも無理でしたので、当初の予定通りにバルコニーを使うことにしたのです。足場が掛かっているということでそれならかえって揚げやすいかと思ったのですが、キャビネットが大きすぎて足場を越えられなくてバルコニーの下にさえ辿り着けない・・。

そこで、みんなで悩んだ挙句、少し離れた駐車場から続いている用水路の脇をあやうく足を踏み外しそうになりながらも、男4人で頭の上に抱えて(「いやあ、インスタ映えする姿ですよー。」とヒロセ君が言っておりました)よちよちと進むことでどうにかバルコニーの下までたどり着くことができたのでした。ここまでが一番悩みの種でしたので、そこからは部分的に足場を崩して、エイヤッとどうにか揚げることができて、無事に搬入完了。

その日は、翌日の段取りを済ませて、翌日から泊りがけでノガミ君、ワタナベ君、ヒロセ君が作業に臨んでくれました。

キッチンのほうは荷揚げの大変さに比べて、組立のほうは工房で一度組み上げているので、スムーズに完了。

1階の書斎の家具のほうがなかなか大変。壁一面となると、ちょっとした傾きが右端と左端とで大きく変わってくるわけです。レーザー当てながら、その不陸を調整しながら、ようやく昨晩きれいに仕上げて戻ってきてくれました。「かなり調整が大変でした。」と3人とも疲れた様子でしたが、無事に終わったことでホッとした表情も見せながら報告してくれたのでした。

Kさんの蔵書やお酒がきれいにしまわれる日はもうすぐです。

4年経ちました。

Category : 日記「自由な手たち」

2023年6月10日

少し前のことになりますが、NHK「人と、暮らしと台所」の冬の放送が終わりましたね。春休み頃でしたでしょうか。
放送時間に観るのは難しいので、一緒に観たいと思う番組は録画して貯めておいて、ダイスケさんと一緒におしゃべりしながら見る時間がふたりの休日の楽しみなのです。

「キッチンとバックカウンターの間が92cmは体の大きい我が家では狭く感じるだろうね。」
「このステンレス天板は磨き仕上げだ。
キズは目立つけど、手垢は1番目立たないのだよ。」
「カウンターの無垢の前板は反っちゃってるね。あまりこの人は気にしてなさそうだな。」
「七輪か火鉢いいね、なんでも美味しく焼けそう。欲しいね。」
「みんなレンジフードの上に物置いたり、周りにぶら下げたりしてるね。メーカーさんからはやめてくださいって言われているのだけど‥。」

何の素材で、どこの機器を使って、どこどこのメーカーでとかは関係なく、
暮らす人たちがそのキッチンでどう過ごしているのかを伝えているから、皆さん違っていて魅力的で、面白いのだなぁと思います。

ダイスケさん「結婚して60年だって。うちら言えるかな。86歳まで生きてないと言えないよ。」
私「すごいね。60は無理でも、50年なら76歳でしょ。そこは気をつけていけば目指せるんじゃない。」
ダイスケさん「そうか、言えたらいいよね。」

なんて話もしました。
その言葉をダイスケさんから聞けたことがなんだかとてもうれしかったのです。
惚れた女の弱み‥ですかね。(笑)

5月で丸4年経った我が家の台所。
お客様には、「年に一回はメンテナンスできたらいいですね。」と伝えていますが、特別なことは一度もしてなくて‥、
オイル塗装のキッチンなのですが、
シンク側のサイドパネルは、洗い物のたびに水気を拭き取ることと、
みんなでキッチンを囲んで作業をした時には、周りの表面と扉の内側まで汚れていないか点検して、すぐ固く絞った布巾で水拭きをしています。
扉側で汁物をこぼすと内側まで入り込みシミになりますので要注意です。

そこさえ気をつければ、特別メンテナンスをする時間を作らなくても見た目のきれいさは保てると思います。

設計士の福原さんから自宅見学の予定が入りました。ありがとうございます。
「なんだか気持ちがいいところだな。」と感じてもらえるように、お掃除して、整えていきたいと思います。

ナラのキッチンカウンター

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2023年6月5日

Oさんからご相談頂いていたキッチンカウンターを日曜日に納品してきたのでした。

制作を担当したのはタケイシさん。彼女なりにいろいろと悩みながらもこうしてきれいな形を作れるようになりましたね。

「Oさんがドウダンツツジを飾るこの場所ができるのがとても楽しみだったのです、とおっしゃってくださいました。」とうれしそうに報告してくれました。

1年ちょっと前までは訓練校生だったわけですから、その以前に少し経験があったとはいえ、1年ちょっとでこうしてきちんと家具を作ることができる人になれるというのはすごいことだと思うわけです。

ずっと昔に工房に来られた方が、「家具って板を切って組んでいくだけじゃないのですね。」とおっしゃっていました。

そうなのです。板を作る準備から始めるのが家具作り。それこそ何もないところからこうして一つの形になっていくのですから、私たちは見慣れた作業に見えても、初めて見る人にとっては魔法のように思えることもある。素敵なことじゃないですか。

Oさんは、以前にキッチンを作らせて頂いた「心地よさがひとめで分かりました。」のKさんのお友達ということでご紹介下さったのでした。

Oさんがリノベーションして住まわれるマンション、実はこのKさんのお住まいのすぐ近くで、またすぐそ場のマンションにお住いのYさんの食器棚を作らせて頂いた時に、よく目に留まって、とても雰囲気のあるマンションのファサードが気になっていたのです。

こうして入らせてもらうとやはりとても雰囲気のある心地良いところでした。

最近は、鎌倉や大磯、茅ケ崎などこの湘南のそこかしこからお声掛け頂くことが多く、今日も鎌倉にご新居を建てるというSさんがなかなか難しそうなキッチンのご相談にいらっしゃいました。

心地良いのですよね、暮らしやすいのですよね。

Wさんのサイドボードを制作して:ヒロセ君の制作日記

Category : 日記「自由な手たち」

今回はブラックチェリー無垢材を使用したサイドボードを担当させて頂きました。

四台製作し二台を背中合わせにして二カ所の場所に設置するそうです。

ここまでふんだんに無垢材を使用して作らせて頂ける機会というのはなかなか無く、私達の工房では珍しい製作物になります。

無垢材を扱う際、私達の工房では「粗取」という作業を行います。通常、製作を始める一週ほど前、長く時間を取る必要があるものですと数ヶ月前にやったりする作業です。

粗取とは、一枚の板から使用するサイズより少しだけ大き目に切り分け、再び乾燥させる事により、切り分けられたサイズでの木の反りやねじれが出ないか、木の動きを見る作業です。

そして、粗取期間を経て落ち着いた木を使用する寸法に製材しています。

勿論、無垢材なので時期や天候によって生じる木の収縮や、反り等を避けきる事は出来ませんが、無垢材でのリスクを少しでも減らせればと考えております。

その無垢材なのですが、工場には丸太を割った荒木の状態の物が工場に運ばれてきます。原木の丸太を帯鋸で割った面はザラザラで反りやねじれもでている板です。

割れている部分を切り落としたり、白太の部分を挽き落としたり、反りやねじれを製材していくと使用できる巾や長さも全て異なってきます。

勿論の事ですが、無垢材は同じ樹種でも木の表情は全て違く、一枚として同じ柄や色味のものはありません。

完成した時に前板や前板上部の手掛け、扉、オープン部分の棚や背板など、家具を見た時に少しでも良く見える様、そして違和感の無い仕上がりになる様、予め使用する板の色味や柄を選別し、どこに使用するかを細く決めていきました。この作業も非常に悩み苦労した点となりましたが、やはり完成した時の雰囲気にも影響する重要なポイントだと考え慎重に割り付けていきました。

本格的に製作を開始してから納品予定までは1ヶ月程。なかなかタイトなスケジュールなので遅れを取らぬように一週間毎の作業予定を考え取り組みましたが、四台製作するという事と、どの部材にも様々な加工がある為、作業時間の読みづらさが非常に難しい点になりました。そして数物の為、何か一つでもミスをしてしまうと多くの時間と材料を無駄にしてしまうかもしれないという緊張感の続くなかでの製作となりました。

完成した形では見えないのですが、背板は9mm厚で本実はぎになっていたり、扉や棚には反りを抑える為に、はしばめ加工が施されています。脚部分に関しましても、勾配が付いていたり、Rの部分があり中々思うように捗らず、非常にやりごたえのあるもので、今回の家具製作は私1人の力では到底出来るものでは無く、応援で来てくれていたコバヤシ君をはじめ、スタッフのみんなにも手を借してもらったお陰で完成させる事ができたと思います。

製作期間中は、緊張感もありましたし、頭も手もフル回転で作業にあたっていましたので、正直楽しみながら製作をできる程の余裕は無かったのですが、完成した際には、最善を尽くせた仕事ができたたのではないかと思えました。

そして、納品させて頂いた後の今となっては、すごく楽しく、大変良い経験、勉強をさせて頂けたと思っております。

W様、ありがとうございました。

まだできたばかりの淡いピンク色の状態もすごく良いのですが、時間と共に色合いも変化し、深みを増し、この家具達がどのようになっていくのか大変興味があるところですね。

タモのL型キッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2023年5月30日

「いやあ、イマイさん。とても勉強になりましたよ。」とTさんはそう言ってくださいましたが、何しろすべてを教わったのは私たちのほうです。

形を作ることの美しさを、この仕事を通じてたくさん教えて頂きました。

とても優しい光がフワッと入り込んでくるキッチンはこうしてできあがりました。

そして、どこかで見たことがあるような形、と思ってくださった皆さんは、なるほど、いつも私たちをよく見てくださってありがとうございます。

平成さんの皆さんとTさんご夫婦が私の自宅を見学にいらして下さった時に、いろいろなところを気に入ってくださったのです。食器棚のレイアウトだったり、アキコが選んだタイルだったりと。

その様子を見て、設計を担当してくださったSさんとNさんはこのキッチンがある空間を大切にしたいって考えてくださって、私たちにとってはたいへんうれしいお仕事だったのです。

そして、今日がそのお引渡でした。

現場監督のOさんも「今回は鉋の刃がかなりすり減りました。」と、とてもうれしそうな表情。鴨居も敷居もとても丁寧に仕上げられていたり、手すりも釿(ちょうな)で仕上げた名栗仕上げだったり、ひとつひとつがきちんと作った形です。

そして、個人的にすごく好きだったのは塗り壁の出隅に施されたタモの保護材というのかな、その壁の角が傷まないように据え付けられた木片がとても美しかったのです。とてもさり気ない形なのですけれどね。すごく当たり前にそこに在って。

何といえばよいのかな。

ここにあるものは何も特別な形をしているわけではないのですが、小さなものまですべてがきちんと手が加えられていて美しいのでした。

塗り替えのご依頼を頂いたキャビネットも良い表情はそのまま残して、古く傷んでいた塗装を剥がして新たにラッカーを吹き直しました。

「良いね、よいね。」とうれしそうなTさん。

「あとね、ここにはこの絵を置きたいんだ。」とリ・ウーファンさんの作品をおもむろに運んでこられました。

「ここの大きな画面をこの絵の場所にしてね・・。」とうれしそうにお話しされるTさん。

奥様もお嬢様もうれしそう。

前庭にはちょうど今作業をしているところだという稲の苗がずらっと置かれていて、「そうだ、イマイさん!ジャガイモ獲れたから持って行って。まずは塩ゆでにして食べてみてね。」と袋いっぱいのお土産まで頂いてしまいまして。

そこは、暮らしのありのままが美しく歌っているような場所だったのです。

キッチンカウンター下収納

Category : 日記「自由な手たち」

2023年5月27日

最近新しいキッチンや家具を見ていると丸みを帯びたデザインが多いと思いませんか。
柔らかさと、その丸みにデザインの特徴を感じ、新しく見えてすてきですよね。

でも、どこか懐かしさも感じて制作例を見返していると、以前作らせていただいた形にも似ていると思いました。
ファッションもそうですが、キッチンや家具の形も20年位で流行が巡っているのかもしれませんね。
対面カウンターの角のRに合わせて作らせていただいた収納カウンターたちのご紹介です。
Website→家具・キッチン制作例→「リビングボード」欄でご覧いただけます。

1枚目の写真
【きわだつ】

2枚目の写真


【ゆるやかな家具たち】

3枚目の写真


【さあ、あそぼう】

4枚目の写真


【やさしい街路】

5枚目の写真


【ずっと前から】

6枚目の写真

【ゆめ膨らむ】

7枚目の写真


【かちりとあてはまる】

*制作例の最後にご本人の了承を得られた方のみ金額を掲載しております。当時のものになりますので、現在の金額を知りたい方はメールでお問い合わせください。