路地から

「アルダー板目材と人工大理石コーリアンとステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

上永谷 S様

design:Sさん
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:Sさん

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

リビングから望む。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

玄関を入ってすぐこの空間になります。

「お世話になります。Sです。先日はお忙しい中、私達のために時間を割いてくださりありがとうございました。
木のキッチンを実際に見て、その存在感に正直圧倒されました。
そして、ほんの数時間あのお部屋にいただけなのに、帰るころにはとっても愛着がわいていました。
木の力ってすごいのだと実感した一日でした。」

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

今回はシンプルなシンク。サイズも標準の450mm×750mmの深さ190mmにしています。

先日、キッチンカタログのご応募を頂いたSさんがこのショールームのキッチンを見に来て下さったのです。
やはり実物を見て頂くことが一番分かってもらいやすいです。
物静かなSさん。丁寧に私たちのキッチンを見ていってくださったのですが、それほど気に入ってもらえていたのですね。ありがとうございます。
そのあとの打ち合わせで一つのプランが決まり、それを元に細かい部分の形を考えていくことになりました。
それから、Sさんの住まいにお邪魔させて頂いて、現場監督さんを交えて打ち合わせを行い、形も決まり、工事の流れも決まり、いよいよご新居の着工です。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

シンクの下はゴミ場を個置くスペース。

「イマイさん、私たちの家の工事で一番大変なのは、搬入かも知れないのですが大丈夫でしょうか・・。特に階段の上り下りが・・。」
と気遣ってくださるご主人。
今までも、大変な搬入をどうにかやり遂げることができているので、おおよその状況をお聞きして、大丈夫ですよ。とお伝えしていました。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

シンクの手前にはコンセントをつけています。アイランドタイプだと、調理中に家電(ミキサーなど)を使いたい時に、ここにコンセントがあると便利ですものね。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

食器洗浄機は、ASKO。前面パネルタイプなので、扉を閉めちゃうと、食器洗浄機なのか収納なのか分からないシンプルさ。幅60cmで手前にフルオープンするので、かなりの大容量です。

でも、実際に現場を見に行くとなかなか大変そう・・。
Sさんの建築場所は、横浜の上大岡に抜ける道の途中にあるのですが、丘と言うよりは山を登った中腹あたりに開けた住宅街の中でして、車が途中で通れない路地のような道が山腹を走っているのです。
現場の近くまでは車を乗り寄せられるのですが、そこからは手運び。
設置当日は運よく雨に降られることもなく、スタッフみんなで搬入したので、手運びで手早く往復して思っていたよりもスムーズに進みました。
あとは、車が入れない路地に建っているので、誰に邪魔されるわけでもなく、自分たちのペースでゆったりと取付を進めて、無事に1回目の設置完了。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

こちらはコンロ側キッチン。今回は、こちらのトップはデュポン社のコーリアン「カメオホワイト」を使っています。人工大理石なら直接天板の上で、お菓子やパンを作ることもできますので。コンロはリンナイのデリシアグリレ。五徳が大きいところが人気です。

そして、お引き渡し間際に、製作を担当したムラカミ君に引き出しや扉を付けに行ってもらって、これですべて終わりました。
あとは、Sさんに塗装をお伝えするのみです。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

コンロの下は、スライドワイヤーシェルフ。このシェルフは、取り外してそのまま水洗いできるのが良いところです。

お引き渡しが済んで間もなくのタイミングでお邪魔させて頂きます。
奥様もご主人も塗装をするとあって、今までの物静かな印象はどこかに行ってとてもアクティブな服装と表情で。
一つずつ作業を進めていくそのお二人の姿を見ていると、そうかやっぱり木が好きなんだなあ、ってあらためて思いました。
打ち合わせでは、物静かな印象があって、なかなかそのイメージが分かりにくい部分もあったりしたのですが、「大変です!」って言いながらも木の表面にやすりをかけるご主人や丁寧に塗料を塗り込んでいく奥様の様子を見ているととてもうれしくなりました。
きっと素敵な場所になります、ここは。
また、お引越しされたらお邪魔させてくださいね。レクチャーが終わって、塗装の半ばであとはお二人にお任せして、私はそうお伝えして帰ってきたのです。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

コンロの隣の引き出しの様子。その1。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

コンロの隣の引き出しの様子。その2。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

コンロの隣の引き出しの様子。その3。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

コンロの隣の引き出しの様子。その4。

それから、半年以上が経った頃、あらためてお邪魔させて頂いた様子が最初の写真たちです。
Sさんとの思い出でよく思い出されるのは、プランがある程度決まってきた時に、施工会社の緑建設の監督の上田さんと3者で打ち合わせしましょうと言う時でした。
Sさんの仕事帰りの時間に合わせて、もうすっかり日も沈んであたりがも静かになってきていた19時にSさんのお住まいにお伺いする予定だったのですが、うっかりSさんのその当時のお住まいのお部屋番号をお聞きするのを忘れてしまって、そのマンションの前で寒さにぶるっとしながらどうにか部屋番号が分かった(マンションの下でいろいろと調べていたら30分くらい遅刻してしまいました・・。すみません・・。)あとに、Sさんに案内されたこじんまりしたダイニングで大きな体の上田さんと物静かなでほっそりとしたSさんご夫婦が座る様子を見て、とても気持ちが温かになった思い出があります。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

カウンターに並ぶ食材たち。シールのタグがとても良い。

こうして、できあがったキッチンを拝見させて頂くと、言葉にはできなかった思いが形になってあの温かな空間がここに表れているなあって感じたのです。

アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

こちらは吊戸棚の様子。


アルダーとカバとステンレスとコーリアンのセパレートキッチン

吊戸棚の扉。ガラスを押さえる押し縁のディテールは、このような納まりが最近気に入っています。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン/人工大理石 デュポンコーリアン「ビスク」
扉・前板 カバ板目突板練り付け/アルダー無垢材
本体外側 カバ板目突板練り付け/アルダー無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Sさんが施工)

アルダーとステンレストップのシンク側アイランドキッチン

価格:460,000円(制作費、塗装は施主様施工、設備機器は別途)

アルダーとコーリアントップのコンロ側キッチンと吊戸棚

価格:790,000円(制作費、塗装は施主様施工、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は150,000円から)

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