クルミとステンレスバイブレーションのキッチンと背面食器収納

2017.10.31

もうキッチンを設置してから1年ちょっと経つのですね。
埼玉から鵠沼に住まいを移したYさんは設計士さん。お仕事をしながらご自宅を設計して、埼玉からこの湘南にたびたび通っては、ようやく昨年に自宅が完成したのでした。
最初は奥様からご相談頂いていたので、このショールームにいらっしゃった時はとても口数少なく、どんなお仕事をされているのかが分かりづらい(笑)印象でしたが、お話を進めていくうちに設計さんと言うよりは職人さんのような立ち位置でいろいろとキッチンのお話を進めていったのでした。
そして、その感慨深い形ができあがって納品したのが昨年の夏。
「覚悟はしていましたが、湘南の湿度は予想以上です。」と汗をかきながらニコニコされていたのが懐かしい。
そのYさんからこの夏に相談されていたのがダイニングテーブル。でも私たちが作るのではなく、Yさんが自分で作るのです。
みんなが作業していない日曜日に1日中、腰をかがめてプレーナーを掛けて、ヤスリを掛けて、大きなタモの天板を仕上げていました。
そして、本日その荷揚げだったのです。
とにかく大きな天板でしたので、コバヤシ君とノガミ君と3人で伺い、Yさんも交じって4人がかりでエイやっと無事荷揚げ完了。
あとは大工さんに道具を借りて脚を仕上げるのだそうです。
「今日、加工しに行ってもいいかな。」と奥様に相談。
Yさんの穏やかな笑顔は家作りを楽しんでいるんだなあと思いながら、帰ってまいりました。
また、天板ひっくり返す時にお邪魔しますね。
その時にピカピカのテーブルとよい色になったキッチンの様子を再び拝見させてください。

明日も物作りを楽しんでいる3人が東からやってきます。
楽しみです。

そのほかのクルミのキッチンたちの様子もこちらからご覧になれます。
クルミを使ったキッチンたち

雨の鎌倉でランチとシュトーレン

2017.10.29

20171029001年末のイベント「クレミル」に向けて、鎌倉由比ガ浜のマザーズカフェさんで打ち合わせ。
今年も日曜日のランチを担当して頂くのです。
そして、念願のウスダさんのシュトーレン!
「シュトーレンの件はもう少しお返事をお待ちください。自分の納得のいくものができるかどうか。」と以前お話しされていたのです。
今日、「ふたつのものを食べ比べてみてくれる?」と言われ、試食させていただきました。
どちらもとても魅力的な味で、食べているとドキドキしてしまいます。ああ、おいしい。外は台風で大雨ですが、もう気分はクリスマス。
今年出品していただくことになりました!みんなにもドキドキしてもらいたいなあ。
食べるものを作り出すのも、道具を作り出すのも生まれる喜びは、とても興味深くて何よりも楽しみ。

今年のクレミルに向けて

2017.10.26

あと1か月ほどで、クレミルの季節になりますね。
詳細は11月に入ったらお知らせしようと思うのですが、今年は12月2日(土)~10日(日)で開催する予定です。
そのうちの数日間でいくつかのワークショップを開く予定です。
まずは例年通り、工房を開放して、大人も子供もみんなで作る木工教室。今年は端材を使った木のお皿だけではなく、ライトやお子さんと作る小さなデスクなども考えておりますのでお楽しみに。
そして、もう一つの楽しみとして、jardimさんのシルバーリングを作るワークショップも開催します。
素材をカットして、ロウ付けして、ハンマーで打ってオリジナルの形を作る。
その場で自分で指輪が作れちゃうなんてすばらしいじゃないですか。
ビバ、ものづくり!
今日はその一つずつの工程や作業時間、どんな加工ができるかなどを、jardimの石井さんが工具を持って説明に来てくれました。
ありがとうございます。
私はいつか木とシルバーを組み合わせたリングを作ろうと考えているところです。
フフフ、今から楽しみなのです。

ウェブサイト更新

2017.10.25

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチンご実家の2階を改装して、ナラの節アリ材を使ってキッチンと食器棚を作らせて頂いたFさんの記事と、

クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード懐かしい匂いのするマンションを改装して、そこに住むご家族のようにリズムのある空間が生まれたMさんの記事と、

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチンいつもお仕事でお世話になっている設計士さんの自邸のリノベーションでスマートな表情とは違った横顔が見えたOさんの記事の3つのお話を掲載しました。
もし、よろしければご覧になってください。

自分達の家になってきた

2017.10.25

「ナラ節アリ材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

小平 F様

design:Fさん
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチン全体の様子。昔の間取りをそのまま生かして部分解体したということもあり、昔のキッチンサイズに比べて今回はもう少し奥行を取ったので、勝手口に少しキッチンが掛かっちゃうのもその人らしさ。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

私は使い込まれている様子って好きです。ピカピカおろしたての家具はもちろんきれいなのですが、何というか匂いがないのがどこか白々しくて、だってそこではみんなが毎日暮らしていて、人それぞれの美しさや可笑しさや喜びが見え隠れしているはずなのに、それが映らないのはちょっと帰って淋しく映るわけです。


節アリオーク材の吊戸棚と背面収納

こちらは食器棚。最初は、この家具だけのご相談だったのですが、お話が広がったことで空間にも広がりができたように思えます。

「現在住んでいる家が、28年経ちキッチン&洗面所のリフォームの打ち合わせ中です。
食器棚も愛着の持てる、使い続けていきたいと思うようなものに変更しようと思い、ご連絡させていただきました。
ホームページで拝見した「眺めているだけで」川口 Y様のようなキッチンのバックカウンターと吊り戸棚のような形がまさに理想なんです。
手掛け扉で、とてもすっきりと見えるところが気に入っています。
【カウンター】
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引き出しが4つから5つぐらい、あとは観音開き。
収納が多いい方がいいので、高さは90センチぐらいでいいかな?と思っています。
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【吊り戸棚】
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使いやすいよう天井までつけないようにしたいのですが、今より物を少し減らさないと入らなさそうで、片付けをしているところです。
現在の吊り戸棚の高さが天井から90センチあり、高いところは届きにくいため、不便を感じています。
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木の種類は、ナラ材やタモ材が気になります。理想は無垢材なのですが、予算の都合上、難しいかもしれません。
木造2階建で、階段が狭いため、2階にシステムキッチン(これから変更予定)を入れる際には、庭側からロープで搬入する事もあるかもしれませんと、工務店さんには言われています。
工事が年明け、2月下旬から3月下旬を予定しています。
丁寧にお仕事をされているようで心苦しいのですが、納期についても可能かどうかお伺いできればと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。」

と、Fさんからご相談のメールを頂きました。
これから冬に差し掛かろうとする季節でした。
食器棚でしたら、リフォームが終わったあとの御日私後に設置工事に入る形になると思いますので、まだ2か月~3カ月ありますので十分間に合います。
さっそくそのようなことをお返事させて頂きました。

シンクの洗剤ポケット

シンクには丸いバー付の洗剤ポケット。「ブラシを立てたり、フックを掛けたりする方バーが上のほうが良い。」「洗剤のポンプが押しにくくなるので、バーは下の方が良い。」皆さんいろんな意見があります。

「早々にご返信ありがとうございます。
食器棚はシステムキッチンと一緒に、4つのショールームで見てきたのですが、どうも家電みたいな感じが好きになれませんでしたので、
フリーハンドイマイさんの図面とお見積りを楽しみにしております。」

はい、頑張って良いかたちを考えましょう、と思っていたところ、再びメールが届きました。

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

Fさんに教えて頂いたシンク下のスチールラック。ケユカさんで取り扱っているそうで、こういう使いやすい小物を利用することで、より使いやすい場所になっていきますね。

「食器棚の納期は間に合うということをお伺いしているのですが、キッチンのお見積りもお伺いしたく、ご連絡させていただきました。
リフォーム工事の時期についてですが、2月下旬から3月下旬に2階建(2世帯住宅)の、1階部分の耐震工事とそれに伴う1階のシステムキッチンの交換です。
築30年経っているので、2階のシステムキッチンも交換しようかという話になりいろいろショールームを見て回りました。
あまり気に入ったものはないけれど、どうしたものかと思っていたところ偶然こちらを見つけ、器棚の方のお見積りをお願いさせていただきました。
フリーハンドイマイさんにお願いすると、素敵なキッチンになりそうなのですが、納期的に予算的に厳しいのかなと思いつつも、まだ諦めきれず、、、
キッチンの方もお見積りをお願いできればと思い、再度メールさせていただきました。
イメージも添付いたします。」

パナソニックのK7深型面材取付

こちらが、パナソニックの一番新しいタイプの食器洗浄機K7。上部の黒い部分が操作盤になっていて、低温蒸気も直接正面に出にくくなっているとてもすっきりしたタイプ。

うれしいご連絡でした。では、頑張って考えますね。
ちょうど毎年の12月に開いているイベント「クレミル」の時期でしたので、本来なら工期も決まっているので急がなければならないのですが、少しお時間を頂きましてプランと御見積を作りお送り致しました。
その内容を見て頂いて、まずは私たちのショールームにキッチンなどを見に来て下さることになりました。
ちょうどクレミルは終わってしまったのですが、実際に使っているキッチンを見て頂ければどのような形のものになるかが分かりやすいです。

fja022

Fさんから届いたキッチンのスケッチ。その人が良く分かってうれしいのです。


カトラリー用引き出し

キッチンの引き出しの様子、その1。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチンの引き出しの様子、その2。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチンの引き出しの様子、その3。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチンの引き出しの様子、その4。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチンの引き出しの様子、その5。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

キッチンの引き出しの様子、その6。

表面に木がそのまま使われているキッチンなんて、昔はね、きっと当たり前のことでしたのに、システムキッチンが普及するにしたがって、表面がお掃除しやすいようにコートされた素材が一般的になってくると、「木のままだとカビが生えちゃう」「まな板のように黒くなっちゃう」「お手入れが大変」というイメージがついてしまうようになったのですね。
良いことも悪いこともひとはそれぞれ工夫して今に辿り着いているわけです。
昔は木を切って、削って1枚の板を作って、それを大きな板にして、箱にして、家具にしてきたわけです。
その時に出てきたデメリットを改善できるようにと良い使いやすいものを工夫して生んできたのです。そうして生まれたものは良い面もあれば悪い面もあります。
そういう新素材が生まれたことで、元の素材が見直される。すべては人が作り出してきたもので、どれも良い面と悪い面があって、自分の中できちんと優劣を決めて選択するのはよいのですが、それを人に押し付けるように進めることは良くないわけで。
今の時代は、そういう意味でいろんなものを対等に見られる世の中になったと思います。良い、悪いを咀嚼して、その中で自分が必要なものを選ぶことをしやすい世の中になったと思います。
先日も友人の設計士さんとお話をしていて、少し昔にそのかたのご自宅に作らせて頂いたキッチンは天板がナラの無垢材でした。シンクはさすがにステンレスのオーバーシンクにしましたが、水が跳ねるあたりももちろんナラの木です。
そして、オイル仕上げです。
私でさえ、なかなか勧めることができない仕上げです。設計士さんと言うこともあって、いろいろ知って、いろいろと覚悟したうえで作った形です。
「表面はガサガサになってきましたが、黒ズミとかはまだまだつかないですよ。」とにこやかにおっしゃってくださいました。
それでもなかなか覚悟の入る仕上げですので、まだ私自身からは皆さんにお勧めするのは難しいのですが、そういう選択もできる世の中になったのだなあとあらためて思うのです。
だから、キッチンが家具ではなく、装置と言うか設備と言うか、そのように見えてしまうことが淋しく感じる方々は、「汚れたり、多少反りが出たりしても、やっぱり木の温かみがほしいです。」といってお声掛けしてくださる。
うれしいことです。

節アリナラ材

節アリ材の表情。こちらはまだおとなしい。

そして、さっそくFさんご家族がいらしてくださいました。
私たちが普段どういうふうに家具を作っているか、どの場所にどんな素材を使うか、どんな仕上げ方があるかなど私たちができることをいろいろお話させて頂きました。
そのいろいろなことを知って頂いたうえでどのような形にされたいのか、あらためてお話を伺うのです。
今までと変わらない形のままのかたもいらっしゃれば、全然違う方向に話が進んでいくかたもいらっしゃいます。
楽しいですね。
「引き出し」とか「扉」とか「お鍋をしまう」とかいろいろと描かれた積み木を一度バァッとバラまいて、好きなものを積み上げていく感覚です。
その積み上げ方がいびつだと倒れちゃうので、そこを倒れないようにうまく整えていくのが私の仕事です。
できあがった積み木はカラフルで、独創的な形。
一見、同じように見えても他にはない独創的な発想が見え隠れしています。
そういうふうにしながら、「イマイさん、どうしたら良いでしょう。」「ここはこうすると良いかもしれませんね。」とキャッチボールを繰り返して、積み木はきちんと積まれていきました。
Fさんがご夫婦でウェブデザインのお仕事をされているからでしょうか。
積み木の積み立てかたは、丁寧で順序良くスムーズに決まっていったのでした。

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

吊戸棚の中の様子。

でもね、Fさんが最初にこちらにいらして下さった時に思ったのが、ご主人の目力が強い。そして物静か。
奥様が、順序良くお話を組み立てて、私がその間に選択肢を示したり、形をまとめたりして、その途中でほんの少しだけご主人がアドバイスをしてくださりながらお話は進んでいったのですが、Fさんにはまだ赤ちゃんがいらっしゃるということで、長く続いた打ち合わせの途中で授乳の時間になってしまいました。
(結構お母さんたちはたくましくて、もちろんショールームの隣の部屋に移って、布を掛けて授乳されるのですが、時には目の前でパサッと掛けてそのまま授乳しながら打ち合わせを進めるかたもいらっしゃって、私のほうがドキドキしてしまう。)
そのようなわけで、奥様が隣の部屋に移られている間、今までメインで主に奥様とお話して頂け、と言うこともあって、ご主人とどうお話していこうかといろいろ思い巡らすのですが、何しろ目力が強い。かえってご主人の視線のほうがドキドキしてしまうくらい。
物静かな方ですので、どんなお仕事をされているのかこの時はまだ分からず、何となくキッチンの工事の流れなど実務的な部分をお話しているところで奥様が戻ってこられました。
すみませんが、ホッとしてしまいました。

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚の引き出しの様子、その1。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚の引き出しの様子、その2。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚の引き出しの様子、その3。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚の引き出しの様子、その4。


節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚の引き出しの様子、その5。

そうして、ひとつの形にほぼまとまった頃、一度Fさんのご自宅を拝見させて頂くことにしました。
さっそくお邪魔させて頂くと、リビングには作業着のスタッフさんが3名すでにいらしゃっていました。
住友林業ホームテックさんです。
最近は住友林業さんの現場でお仕事させて頂き機会がたまたま重なっておりまして、大手のハウスメーカーさんでも私たちのような小さな家具屋の参加を認めてくださるところがうれしかったりするのです。
大きな組織になると、やはり規約外のメーカーが入ったりすることがなかなか難しかったりすることが多いですので。
「こんにちは、お世話になります。」
それぞれみなさんにご挨拶させて頂くと、今ちょうど横浜で住友林業ホームテックさんで設計をされているMさんのご自宅のリフォーム工事をおこなっているのですが、そのMさんをご存知のかたもいらっしゃって、仕事がしやすい環境になりまして、これは大変助かります。
だいぶ使い込まれたキッチンを囲んで、どの部分を解体してどの部分を新しくしていくか、その新しくするにあたって、古い部分との整合性をどう保つか。リフォームは何となくパズルのような意識を持って臨んでいくのだなあ、と思うのです。
おおかた打ち合わせも終わって、「それでは、今日の内容をもう一度まとめて図面に反映させますね。」と言うところで、再び素材についていろいろ考えることに。
当初はナラの板目材を使う形で考えておりました。
でも、Fさんのお宅にお邪魔させて頂いて、ダイニングテーブルをふと見ると、節がドンとは言っている荒々しい表情の仕上がりだったのです。
「テーブルは節がある仕上げなのですね。」
と、たずねてみると、やはりFさんのいろんな思いがあって、特にこの節がある表情はご主人が強く望んだものだったそうです。
それでは、キッチンと食器棚もそうしましょうか、と言うことになり、すべて節のある表情でまとめることになったのです。
ここに来てようやくご主人の好みが分かったこと、それがこの日一番の収穫でした。
そのようなわけでFさんの思いと、住林さんのそれをかなえるための努力の中に私もねじ込んでもらって、キッチンはスムーズに納めることができそうな具合に進んでいくのでした。

節アリナラ材とステンレスヘアライントップのキッチン

食器棚下の扉の中の様子。こういう置き方があるのだなあと、とても勉強になりました。

さっそく工房に戻り、まずは癖のある節アリ材の段取りです。
あえて使っている節アリ材ですが決して良材とは言えない部分も多く、挽いてみて初めて良い表情や悪い性質などが分かってくることも多いのです。
キッチンとなると、ほかの業者さんとの関わりも出てくるので、材の良し悪しで納期がずれたりしてはいけないので、早めに材の段取りをしておきます。
そして、節のある突板(どうやって作るのだろう)を使えることも分かってきたので、そちらも遠方の突板屋さんから取り寄せておりますので早めに段取りをしておきます。
準備が整えば、Fさんの思いがたくさん詰まってはおりますが形は比較的シンプルでしたので、製作は順調に進みます。
ご実家のリフォームも順調に進んで予定通りに2階のキッチンまわりの壁の木工事が終わる頃に設置工事に入らせて頂きました。
ホームテックさんがきちんと段取りしてくださっていて、その日の作業は私たちだけ。
キッチンのキャビネットや天板は階段から上がらず、バルコニーを使って屋外から搬入する形になり、さらには雨にも降られそうでしたので、2階に家具のパーツたちをバラバラと並べさせて頂いて、とても作業しやすく対応してくださったのでした。ありがとうございました。
リフォームと言うこともあって、床や壁の調整が難しい部分がありましたが、どうにか無事に設置完了。
今回初めて導入した操作盤の見えないパナソニックの食器洗浄機もきれいに納まり、無事お引き渡しとなりました。

後日、Fさんからお便りを頂きました。

「昨日はわざわざ遠くまでお越しいただき、本当にありがとうございました。
細かい扉の調整をしていただき、また炊飯器の蒸気の対策が聞けて安心しました。
炊飯器の蒸気も、一ヶ月に一度くらいの頻度でオイルでお手入れしていけば、木がコーティングされるんですね。
本来予定していたバックの食器棚に戻して使ってみます。
子供も居てバタバタしていたので、使ってみた感想やお伝えきれなかったことを・・・と思い、メールしました。
イマイさんのキッチンにして本当に良かった、と日々実感しながら使っています。
リフォームの際に、キッチンの一般的なショールームを5箇所まわっても、夫婦でこれが良いねというものに巡り合えずにいました。
「オーダーキッチン」で検索して、ホームページをみる毎日。
たくさんのキッチン屋さんがあるのも初めて知りました。
リフォームでタイトなスケジュールの中で焦り始めた頃、たまたまイマイさんを見つけることができました。
作例がたくさん載っていて、人それぞれに寄り添って作ってくれそう、また、希望の形に近い作例があり、キッチンと食器棚の費用ものっていたところに惹かれました。
そうでないと、旦那さんを説得できないので・・・(笑)
お忙しい中、希望のスケジュールに合わせて製作していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

オーク無垢の木の表情、木の手触り(引き出しを開けるたびに嬉しくなります)、人の手で作られたと感じながら使えるところ、引き出しのサイズ感(コンロ脇の2段の引き出し、調味料入れも使いやすいです)、など、どこをとっても素敵なキッチンにしていただき、本当にありがとうございました。
この度、新しくキッチンを作っていただき、自分たち夫婦の家になってきたと嬉しく思っています。
本当にありがとうございました。」

うれしい言葉がたくさん詰まっておりました。
ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 節アリナラ無垢材
本体外側 節アリナラ突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

ナラ節アリ材とステンレスのキッチン

価格:770,000円(制作費・塗装費、設備機器費用は別)

ナラ節アリ材の食器棚

価格:600,000円(制作費・塗装費)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は120,000円から)

踊るように

2017.10.25

「ナラ柾目材とステンレス磨き仕上げのオーダーキッチン」

横浜 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai/kouhei kobayashi
painting:yasukazu kanai/kouhei kobayashi

クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

こちらがご主人が熱望していたリビングボード。クルミの板目と差し色としてブラックウォールナットを使っています。天板にもブラックウォールナットを入れたのはある条件があったため・・。


ステンレス400仕上げのカウンターとナラ柾を使ったキッチン

こちらが奥様のスペースのキッチン。リビングとは印象を大きく変えて、「よく食べてよくたべる」の茅ヶ崎Fさんの印象がお気に入りと言うことで、ナラ柾目をホワイトオイルで塗って仕上げています。


ナラ柾のキッチンと食器棚

そして、キッチンの向かい側には食器棚。こちらもナラ柾目ホワイトオイル仕上げ。奥様のアトリエのような印象になりました。


クルミのミラー付き玄関収納

Mさんの家に入って一番に目につく玄関収納。クルミの無垢材で作った扉の表情がとてもきれいなのです。森の中の洞窟に入ったら、温かく火が炊かれていたって感じなのです。

キッチンの相談をしたいのです。と言う、電話の向こうから聞こえる声は、この人は建築業界で働いている人だなと言うことが分かる声でした。
専門用語を話された、と言うはなく家を作ることにおいて、作る人の話を聞けて、さらに自分の意見を率直に伝えてくださる、そういうのってやっぱりもの作りを知らないとできない姿勢で、それが受話器の向こうから感じられたのでした。
メールではなく直接お話したいという印象は、何だか自分のイメージが混とんとしてきてしまった、という自分が思い描いてきたものに迷いが出てきてしまった風情ではなく、また、何を必要としているのか自分でも分からないのです、というこれからの取り掛かりを知りたい、と言う印象でもなく、会って話をすることで、自分の考えを前に進めたいのです、と言う何というか飾りのないしっかりとした口調だったのです。

「ありがとうございます。それでは、一度キッチンを見にいらして下さい。」
そうお伝えしてまもなくMさんご夫婦がいらっしゃいました。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

キッチンシンクの様子。右奥に洗剤ポケットを設け、ポケットの下の方にバーをつけています。

「こんにちはー。」とさわやかに入ってこられたMさん。
まるで、映画「beyond the sea」で、ボビー・ダーリンを演じたケヴィン・スペイシーのように軽やかなステップを踏むような仕草でにこやかに奥様と笑顔でうなずきあって入ってこられたのです。
(実際はそうじゃなかったかもしれませんが、私にはそう映ったのでした。)

「はじめまして、Mさん。」
「はじめまして、イマイさん。んー、いいねぇ、こういう印象。やっぱりオーダーのキッチンは素晴らしいよね。」とお二人の足取り軽やかに、ぐるりとショールームを見渡してそうおっしゃってくださいました。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

磨き仕上げが使い込まれた様子。この良さは実際に目の当たりにしないと分からないかなあ。

「ありがとうございます。よろしければ、詳しいお話をお聞かせくださいますか。」
「おぉ、そうですね。」
と席について見せてくださったのは、ある室内の家具で少し変わった家具でした。
「こういう家具をリビングに置きたいのです。実は今リフォームを考えておりまして、実は自分で設計をしているのですが、家具のことをいろいろ探すうちにイマイさんのことを知ったのです。そして今日見たらやっぱりキッチンも良いなと思いまして。」
うれしい言葉を頂きながら打ち合わせを進めていきました。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

キッチンの引き出しの様子、その1。


調味料用引き出し

キッチンの引き出しの様子、その2。調味料用の引き出しの底には掃除しやすいようにステンレスを張っています。


調味料用引き出し

ちょっと広めに作った調味料用の引き出しとボトル用の引き出しは、使い道が多いのです。

ご主人が考えていたのは、2色の木を使った家具で、ちょっと華々しい印象。
私たちの考える形はまったくゼロから作っていくものですが、その取り掛かりは何かの形に突き動かされて生まれるものが多いのです。デザインと言うと聞こえは派手やかに聞こえるかもしれませんが、その作用と言うものはその必要とする場所、人、事にうまくフィット(と言うニュアンスでしょうか)させることです。
作家さんとは違って、ひらめきや秀でたうつくしさへの感覚を研ぎ澄ませて表現するのではなく、与えられた条件をうまく組み立てて、その結果、その答えを必要とするところに整えていくことが大きな仕事だと思っております。
言い訳かも知れませんが、だから私は「全てお任せします。」と言われることがとても苦手で、そうなってしまうともうイメージがグルグルグルグルと頭を巡るだけで何もそこから抜け出てこないのです。
皆さんから提示されるカードに記されたヒントを一つずつ拾い集めていくことのほうがよほどしやすく、楽しみやすいのです。
そのようなわけで、リビングの家具のイメージもMさんが持って来て下さった雑誌の切り抜きからスタートするのでした。
その形は赤茶色の木とこげ茶色の木でできたその家具の印象をMさんの部屋にどのように合わせていくか、それを考えていきます。染色で赤茶色に表現することをどう思うか、素材が赤茶色いものを用いることをどう思うか、古いマンションと言う限られた搬入スペースで、長い天板をどう納めるか、そしてMさんの使いたい形をそこにどう落とし込むかな、パズルのように提示されたカードを、Mさんと一緒になんだかんだと言いながら、うまく並べてゆくのです。
よし、どうにかひとつにまとまりましたね。
「俺はもう済んだよ。あとは君のキッチンだね。」
と、ケヴィンはニンマリ。(敬称略)

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

リンナイのデリシアグリレとコンベックの組み合わせ。

続いて奥様。

今回のキッチンは、開けたリビングとつながる場所ではなく、キッチンと言う独立した場所に作るキッチンです。見せられるような作りにするのではなく、奥様が使いやすく、好きな印象を組み込むことにしたのでした。

コンロ脇に土鍋を置く

何故、調味料の引き出したちが少し幅が広かったかと言うと、この黒い丸々した土鍋を置くスペースがここに欲しかったから。Mさんは土鍋でご飯を炊くのですが、土鍋を使いやすい位置に置いておきたい、っていう思いがずっとあったのだそうです。

イメージは、「よく食べてよくたべる」の福原さんのキッチン。
福原さんらしい柾目の落ち着いた印象のあのキッチンを表現したいのだそうです。濃いめのリビングと淡い色のキッチン。どんな対比になるか楽しみです。
そして今回初めて使う磨き仕上げの天板。
「そもそもヘアラインもバイブレーションもピカピカよりも傷が目立たないようにできた表情なので、傷は確かに目立ちにくいですが、汚れが落ちにくい部分があるって何かにあったのを聞いたのです。」と、奥様。
私もちょうどそのころ同じような話を聞きました。
結局研磨したラインの中に油や水あかが入ると取れにくかったりします。また研磨してしまえば削り落とせるのですが、磨き仕上げにしてあれば汚れは染み込みにくいのです。
「キズはいずれつくものですし、そういう経年変化は気にしません。それよりも掃除がしやすいほうが良いです。」
と言うことで、400番の磨き仕上げの天板にすることになったのです。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

吊戸棚下にはLEDのダウンライトを組み込んでいます。

どちらの家具も楽しみな形になりそうです。
そうお話するうちに、玄関収納もお願いしたい、と言うことになりまして、玄関からリビングへ、そして、部屋の奥にあるキッチンへと視線が移る場所に私たちの家具を導入させて頂けることになりました。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

レンジフードの幕板もキッチンの素材と合わせて、ナラ柾ホワイトオイル仕上げ。

おおかた形も決まって、いよいよ工事が着工。解体が終わったタイミングで現場にお伺いしました。
たしかに古いマンションで、エレベーターもすこしゆっくり動くタイプのちょっとコンパクトなもの。
ちょっと搬入が大変かもしれないなあ。

ステンレス400仕上げのカウンタートップとナラ柾を使ったキッチン

食器棚の吊戸棚には、本がずらっと。食器をしまうスペースと言うよりは本棚になっています。


ナラ柾ホワイトオイル仕上げの食器棚

オーブンはガスオーブンを使うので、温めたりする簡単な調理用に専用のコンパクトなレンジを置いています。


ナラ柾ホワイトオイル仕上げの食器棚

天板はナラ柾目無垢材。


ナラ柾ホワイトオイル仕上げの食器棚

食器棚の引き出しの様子、その1。


ナラ柾ホワイトオイル仕上げの食器棚

食器棚の引き出しの様子、その2。


ナラ柾ホワイトオイル仕上げの食器棚

食器棚の扉を中の様子。カセットコンロなどの少し大きなものは引き出しにしまうよりこのように扉を開けて棚板に置くほうが、シンプルなしまい方、取り出し方ができるし、コストも抑えられます。

「こんにちは、失礼します。」
紺色のパリっとした背広を着たケヴィンは、腕組みをしながら軽やかに現場の皆さんに的確な指示を出しておりました。(敬称略)
「あ、Mさん、こんにちは。」
「おぉ、イマイさん、こんにちは。こちらイマイさん。今回キッチンと家具を作ってくれる家具屋さん。」
照れくさいですが、そう皆さんに紹介してくれました。
でも、そう照れてもいられないので、監督さんの挨拶をかわして家具をどう納めるか、コンクリート内に通せない配線立をどう取り回せて、家具とどう納めるか、キッチンの配管もどう納めるか、いろいろとお話をしていきます。

クルミのリビングボードとナラ柾のキッチン

リビングからキッチンを眺めた様子。

何しろまだ解体したてなので必要な壁も立っていないし、あるのは大工さんが引いてくれた地墨だけ。
ここから寸法を拾ってほしい、と言われるのだけれど、今までなかなかそれできれいに納まったことが少なくて、なるべく壁が立ってからもう一度寸法を測りたいのですが、リフォームで製作する家具も手が込んでいるということもあり、このタイミングから製作を始めないと、難しそう。

クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

リビングボードの両端の扉は、開き勝手を一般的な開きからと反対にしています。これはMさんの提案で、壁に向かって開くと、壁も扉も傷になりやすいし、透明なクッションを壁に貼るのも味気なくて、とのこと。興味深い考え方で勉強になります。


クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

奥様もご主人もたくさんの本をお持ちなのです。

ところで、Mさんは住友林業ホームテックさんで設計をされています。
住林さんのお仕事は、以前「子供を呼ぶ声」でお世話になったので、しっかりしたお仕事を確認しているし、私たちの家具の寸法を優先して、壁を立ててくれるということですので、解体してどうしても調整が難しい部分のみ寸法を修正して、無事に進められることが分かりました。
ありがとうございます。
現場の工程を確認したあと、さっそく工房に戻って図面を修正し、製作の段取りに入りました。

クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

差し色として使ったブラックウォールナット。もともとは雑誌に載っていた家具の場合だと、家具の本体の小口だけ濃い色になっていて、目地を濃く見せるためのポイントとして使われていたのですが。


クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

今回、Mさんのマンションは少し古い建物で、エレベーターも小さく、間取りからして天板を1枚の長さで作ると搬入ができない、と言うこともあって、このブラックウォールナットの部分で分割して作ったのです。


クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

そして、この材の使い分けかたのおかげでセンターが印象的なスペースになったのです。

今回はクルミとブラックウォールナットの2樹種を使った家具になりますので、早めに段取りしておかないと材料の確保も難しくなります。
また今回のハンドルは、大好きな「かなぐや」さんのものを使うのですが、オリジナルで作って頂くサイズのものがあったりして、いろいろ必要なものを揃えていきます。
リフォームで台数が多い現場だと納期がタイトになってくるので、こうしてバタバタするのであります。

クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

また、写真では分からないのですが、今回コンセントを増設するためのケーブルをこの家具の後ろにずっと這わせています。壁が躯体、と言うこともあって、ケーブルを壁内に埋め込めなかったためです。そのケーブルが家具内に露出しないように家具の背板をふかして、壁との間に空間を作ってケーブルを這わせているのですが、AV機器収納部だけはしまうコンポーネントを考えると奥行が必要、と言うことで、外からは見えないのですが、内部はかなり変則した形になっているのです。


クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

Mさんがお持ちのコンポは2台大きなものがあります。それをここにしまう形にしたのですが、デザインは統一させたい、と言うことで、扉を閉めた時に下の引き出しと同じバランスになるように設計しています。


クルミとブラックウォールナットを使ったリビングボード

引き出しはこのような感じです。

そうしてできあがり次第納品へと進めていくのですが、今回は時期を融通して頂いたこともあって、一度にまとめて運ぶことができたのでした。
心配だった古いエレベーターにどうにか長い天板が入って搬入も終わったし、いよいよ設置工事です。
躯体の不陸もどうにかなりそうで、既存の吊戸棚で使用していた吊ボルトもそのまま活用できそうだし、配管の位置はちょっとだけずらす必要が出できましたが、2日間かけて、キッチン、食器棚、リビングボード、玄関収納のすべてがきちんと必要とされた場所に納まりました。
どの家具もきれいに納まってひと安心。
これであとは無事にお引き渡しをするのみです。

クルミのミラー付き玄関収納

そして、宙に浮いた玄関収納。この家具の位置のバランスをMさんはずっと考えていて、左右は壁が同じ量だけ見えて、下はブーツが入るくらいのスペースを取った形で取り付けました。


クルミのミラー付き玄関収納

そして、室内側の側面は鏡梁にしています。鏡だけにすると急に印象が冷たくなってしまうので、きちんと枠を回したデザインに。


クルミのミラー付き玄関収納

家の顔にしたい、と言うことで、表情豊かなクルミの板目材を接いで扉を作っています。無垢だと当然木が動いてくるので、裏面にはステンレスの反り止めを入れています。


クルミのミラー付き玄関収納

引き出しの印象。

そうして、無事にお引き渡しが終わり、ご新居で新年を迎えたMさんのところにあらためて挨拶にお伺いしたのでした。
季節はもっとも空気が乾燥している2月。
「やはり無垢材ですから、少しは動いて空いたりした部分はありますが、大丈夫ですよ。問題なく使えています。」とMさん。
ブラックウォールナットとクルミの象嵌のように見せている部分も狂いなく使えていました。
キッチンはもちろんカウンターはすり傷があちこちについていますが、ヘアーラインやバイブレーションとは違った光沢と使い込んだ具合は、良い風合いなのでした。
お掃除もしやすいということで、とても気分よく使ってくださっている様子が分かりました。

かなぐやさんの真鍮つまみ

かなぐやさんのつまみ。こちらは玄関に使った「真鍮つまみ六角柱」。


かなぐやさんの真鍮つまみ

かなぐやさんのつまみ。こちらは玄関に使った「真鍮すな目つまみねじれ六角錐」。


かなぐやさんの真鍮ハンドル

こちらはキッチンに使った「真鍮とって六角棒コの字」をもとにしたタオル掛けをオリジナルで作って頂きました。一つずつ丁寧に作っている作家さんだからできる形はどれもうれしいくらいに美しい。

こういう家具たちの姿が見られるのはうれしいことです。
Mさん、お邪魔しました。
また何かあればいつでもお声掛け下さい。

キッチン仕上
天板 ステンレス400番磨き仕上げ
扉・前板 ナラ柾目突板練り付け
本体外側 ナラ柾目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル「ホワイト」塗装仕上げ

ナラ柾目材とステンレス磨き仕上げのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

ダイニングテーブルの納品

2017.10.24

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「納品ありがとうございました。」というメールと共にIさんが先日納品したテーブルの組み立て中の写真、イスと照明と合わせた写真を送ってくださいました。
担当したコバヤシ君に伝えると「気づきませんでした。」と言っていましたが、それだけ集中していたっていうことかな。
喜んでいただいてよかったね。頼もしいです。
Iさん、わざわざありがとうございます。そのお気持ちがありがたいです。
ローズカラーのセブンチェアと、Iさんが形を考えられたチェリー材のデザインテーブルの組み合わせ、すてきですね。

お祝い

2017.10.21

20171021002先日、オーダーキッチングランプリでグランプリを頂いたお祝いと言うことで、お施主さんのMさんご夫婦が素敵な席をご用意してくださいました。
旅行好きでお酒好きなお二人の作る料理はなんというか温かくて、なんというかピッタリな味で、大変楽しい席でした。
このMさんの家を設計されたMさんの同級生でもあるハイランドデザインの高橋さんご家族ともいろんな話ができて、また一つ楽しみが増えました。
ああ、だいどころよ。
とてもとてもうれしい時間でした。

アメリカンチェリーのダイニングテーブル

2017.10.20

20171020002設計のお仕事をされているIさんから依頼されていたアメリカンチェリーのダイニングテーブル、本日納品でした。
この量感はなかなか写真では伝わりにくいです。
どっしりと優しい印象と言うのでしょうか。
こまめにオイルをすり込んで1、2年経った先の表情がどのように豊かになっているか今から楽しみです。

ホワイトオークとコーリアンのキッチン

2017.10.18

2017101800220171018004一昨日と昨日は、澄んだ水で有名な柿田まで朝から出掛けたのです。
ついこの前までは作業着来て現場でテキパキ動き回っていたのに、すらっと可愛らしい姿で今度は設計する立場で現場にやってくるのですから、平成さんの皆さんは頼もしいのです。
今回のYさんのキッチンはかなり形が入り組んでおりまして、工房で組み上げていたカナイ君の表情からもその大変さが良く伝わってきたのでした。
でも、今日に至るまでにいろんなところできちんと段取りができていたおかげで、どうにか二日間で作業は完了。
私は初日はその足で柿田から今度は富士川のほうまで。
こちらでも、大きなキッチンと背面収納を作らせて頂く予定で、うまく進められるようにだいぶ前から静岡支店に通ったり、沼津の本社に通ったりしながら段取りを進めてきました。
いよいよスタートですね。
この先も年明けまで大きなお話が続いておりますので、何か小さな石につまずいて、転んでしまわないように二足先を見ながら、一足先を進んでいくことに慣れないとね。
頑張っていきます。

ギターを弾く時に座る椅子

2017.10.18

Iさんの椅子がようやく完成。
もともと柔らかめの素材ですが、本革なので座り続けることで、ふんわりした座り心地になってくると思いますが、下地のウレタンはそれほど柔らかくしていないので適度な弾力で座り続けられるはずです。
背もたれは、クッションを取り外せるように同じ革でベルトを作って固定しています。
ギターを弾く時にギターが下がらないように片足を上げるために床からちょっと上がった位置に脚掛けがついています。
素材はチェリー。1年後には革と同じ色になってくるのです。

DailySupplyShop SSSを訪ねて

2017.10.17

SKALのシキナミさんが風変わりですてきな場所に、LPACKのお二人と一緒に楽しいことを始めたって聞いて、使わなくなってしまったワークデスクを持ってお邪魔してきたっていうお話を以前に書いたかどうか忘れてしまったのですが、またシキナミさんから楽しそうな呼びかけを頂いてお邪魔してきたのでした。
敷波さんと小田桐さんと中嶋さんの3人が集まって始まっているDailySupplyShop SSS
このお店兼アトリエがあるショッピングセンターのような場所は昔私が住んでいた団地にのなかにもきちんとありました。

いちょう団地と言う横浜と大和の境にある大きな団地群の中のいつもベランダから養豚場の匂いが漂う南側の団地に私は高校生の半ばまで住んでおりました。
団地の中が通学路で、歩いて1分もしないで友達と遊べる私たちにとっては、住む場所と遊ぶ場所と学ぶ場所が一緒くたになった場所でした。
「じゃあ、ローゼン行こうぜ。」ローゼンは相鉄ローゼン。手前のお菓子屋さんで遠足の前はいつもお菓子を買っていましたね。
「OK行こうぜ。」OKストアの向かいの建物の2階におもちゃ屋さんと本屋さんがあって、そこに挟まれる形で所せましとゲームの筐体が並べられていて、ファンタジーゾーンやスペースハリアーや源平討魔伝に楽しそうに興じる友達の友達を後ろから眺めるような子供でした。
本屋さんではジャッキーチェンの映画のシリーズが全部そろっていて、ナウシカの単行本を買ったのもここだったかな。
そんな少し華やかな北側のショッピングセンターとはちょっと違って、南側にはいちょうショッピングセンターがありました。
「ショッピング行こうよ。」と言うとここに行こうという合図ですね。
母に連れられて当時はまだ何となく生臭かった境川を渡って大和側のいちょう団地を過ぎたところにあるのが通称ショッピング。
床屋さん、パン屋さん、八百屋さん、魚屋さん、そして大好きなお肉屋さん。
ここで母がお肉を注文すると、おなかの大きな男の人がそんなに素早く動けるんだーと子供心に感心するくらいテキパキとお肉を茶色い紙に包んで、その上からベーコンのような柄の紙でさらに包んで、それをビニル袋に入れて渡してくれるのでした。
それから、揚げたてのメンチカツを買って。
床屋さんにも何度か行ったかなあ。

親子で来るのがショッピングで、友達と行くのがローゼンやOKだったような気がする。
そのショッピングはとてもいろんないい匂いがして、みんなの話声であふれていて、時には魚屋さんがうるさかったりして。
そういう時代でした。
SSSの3人が目指しているのはそういうコミュニケーションから生まれるつながり。日用品を買い物するだけではなく、お話することで暮らしが広がって、しまいにはとても素敵なことの始まりにつながったりして。
そういう自然と静かに何かがポツポツと生まれる場所を作っていくっていうお話を聞いてきたのです。
私たちも少しずつお手伝いできることがありそうで、楽しみがひとつ増えました。
小田桐さんが淹れてくださったコーヒーをいただきながら温かい想いも頂いてまいりました。

3人の思いがもっと詳しくここに書かれております。
今までにない日用品店をつくる

タモとステンレスバイブレーション仕上げのキッチンと背面収納

2017.10.15

201710150022017101500320171015004201710150052017101500620171015007Sさん、こんにちは。
Sさんが気に入った設計さんがピーズさんで、Sさんが気に入ったキッチンが私たちのキッチン。
「ピーズさんは雑誌で見かけてすてきな設計をされるなって思って、それで訪ねたのです。」
「イマイさんはしばらく前からネットでお見かけしていて、今思うとどうやってイマイさんを見つけたか思い出せないのですが・・(笑)、ピーズさんにイマイさんのキッチンを入れたいってお話したら、「知っていますよ!」って。偶然って面白いです。」とご主人。
ふむふむ、Sさんご夫婦とお話していると、同じような空気を感じました。だから、きっとピーズさんと私たちを嗅ぎ当てたのでしょう。(笑)
「それから、主人を見ているとイマイさんと似ているって、ピーズサプライさんの社長さんがおっしゃっていたのです。」と、奥様がにこやかに。
なるほど、井上さんなら言いそうです。(笑)

あらためてお茶をいただきながらぐるりとお部屋を眺めます。
良い場所です。二人のお嬢さんが喜々としてキッチンに立ってくれる様子が目に浮かびます。
あぁそれから、施工前の写真を撮っておけばよかった。
元の家の雰囲気も素敵だったのです。森の中にある小屋のような感じで。涼しくて澄んだ空気で満たされているような感じの場所でした。
しかし、今度のここは温かいね。
シチュー(と言うか山で採れた根菜をコトコト煮込んでできたもの)の香りするいつもほかほかした空気で満たされている感じ。

期待

2017.10.14

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先日に続き、中学校野球部の優勝旗を壁に取り付けてきました。
旗の周りのフリンジは有志の保護者の方々の手でとてもきれいにしっかり縫い付けられていました。今日の設置作業までわざわざ見守りに来ていただいて、ありがとうございます。
校長・教頭先生のご希望通り、校舎入り口の正面の壁にしっかり固定させていただきました。
「いいですね~。」とみんなで見ていると、顧問の先生が小さい声で、
「この旗を外す時にはどうすればいいですかね?」
「裏の金具を外すのですが、その時に言っていただければやりに来ますよ。来年の夏頃ですかね?」
「いや、12月に大会があって、その大会も優勝すると旗があるので、まだ、わからないですけど。」
いいですね~。期待があるってすてきなことです。
いつでも必要な時には声をかけてください。

節アリナラ材とホワイトマット仕上げの化粧板を使ったキッチン

2017.10.12

2017101200220171012003キッチン表面に白いマットな化粧板をメインに用いたKさんのキッチンと背面収納を設置をしてきました。
ナラは床に使われているチークに合わせて少し色をつけて、化粧板は細かい凹凸のあるエンボス仕上げのものでとてもやわらかい表情。
まだ工事も半ばですので全容は見えにくいのですが、とても優しい印象の素材使いにまとまったのではないかと思っております。
できあがりが楽しみです。

アメリカンチェリーの食器棚

2017.10.09

201710090012017100900220171009004201710090038月に取付を行なったYさんのチェリーとステンレスを使った食器棚。
先日、お引越しが終わってひと段落されたということでご挨拶にお邪魔してきました。
この前抱きかかえられていた赤ちゃんがもう歩いて一生懸命お父さんとお母さんに話して伝えようとしている。
早いです。

Yさんと最初にお会いしたのは、まだYさんがIさんだったころで、小さな(と言っては失礼ですね。)、コンパクトな賃貸住宅に住まわれていた3年前のことでした。雑誌で見かけたカップボードを自分の好みに少し合わせて作ってほしいというご依頼でした。
その頃は、華奢でおっとりしたイメージがあったのですが、今ではすっかりお母さん。(もちろんすらっとし印象は以前のままですね。)納品後まもなくYさんとご結婚されて、お二人の食器棚のなっていったのが、その3年前の冬。

チェリー材のカップボード

今年になって戸建てを立てることになったと言うことで久しぶりにお会いして、みんなすっかりチェリー色。

さりげなく

2017.10.05

すごくさりげないことなのかもしれないのですが、Eさんから「食器棚の横の冷蔵庫の上にやっぱり戸棚を作りたいのです。」とお話を頂いた時にはもうわたくしは形の迷路に迷い込んでおりました。
当時の食器棚の様子
お待ちしておりました。

ただシンプルに吊戸棚をつければそれで良いのかもしれませんが、それだと寂しい気持ちがしたのは私だけなのかもしれません。それでもその思いはぬぐい切れずにEさんにお勧めしたのは、隣り合う引き戸と連続するような形の提案でございました。小口を見せたいけれど見せすぎるのも嫌ですし、壁の立ち方が多少良くない部分をどうにか吸収したいところでもありますし・・。
ですので、扉が閉まっている分には本当に分かりづらいことなのですが、壁にぴったり合わせるために見えない部分で汗をかいた形になったのでした。
とても小さな家具ですが、そこにつまった思いにカイ君はとても勉強になってくれたと思っております。
自分で言って良いのかどうか、こういうところの良さってなかなかひと目では分かりにくい美しさがあって、フッと視線が通り過ぎたあとに、オヤッと思ってくれたら幸いです。
今日は、この吊戸棚のほかに元からその場所にくっついていたかのように、その隙間にはまり込んでしまったコルクが貼られた扉がある細長い収納棚も一緒に設置させて頂きました。
Eさんとは、いろいろ考えると奥様が結婚される前にそのお母様からご依頼を頂いたことがきっかけで始まったご縁ですが、もう二人のお子さんがはしゃぎまわる賑やかで明るい家庭になっているのを見ると、私もだんだんと小さな字が見えにくくなってきたのかなあと思うこの頃であるのです。

大きなタモの額縁

2017.10.05

野球部の優勝旗を飾る額縁を中学校に搬入してきました。
有志の野球部の保護者の方達に集まっていただいて、旗の回りのフリンジの止め方と位置を決めて穴あけをして、
針と糸で固定する作業をお願いして、私達は先に帰らせていただきました。
旗の固定が終わったら、また額にはめて飾る場所に置きに来ますね。
「元々、優勝旗はなかったんですよ。でも、数年前かな、頑張ったんだから、みんなで旗をもらえたら子供たちもうれしいんじゃないかって。
市内の野球部顧問がお金出し合って用意したんですよ。優勝の帯の学校名もちゃんと刺繍なんですよ。」
「来年、返したくないですね~、この旗。」
にこやかにお話しされる先生とお母さん達がうれしそう。
応援のあるなしで結果は変わらないのかもしれないけど、その結果に納得いくかいかないかは、それまでの取り組み方で違うと思います。
本人と仲間と先生と家族と。
関わった人たちの話している様子が、楽しそうなのはいい時間を共有できているからなのですね。
そのお手伝いができてよかったです。ありがとうございます。
教頭先生から、「いや~立派な額ですね~。野球のバットと同じタモの木を使うなんて、さすがだな~。」と言っていただきましたが、
実は偶然なのでした(笑)。

相模大野アートクラフト市2017に出展します

2017.10.03

イベントシーズンの秋ですね。
私達が久しぶりに出展するマーケット「相模大野アートクラフト市」も約1ヶ月後に迫ってまいりました。
11/5 日曜日 11時〜16時まで、相模大野駅 デッキ会場 292番ブースに居ますので、ぜひ遊びに来てくださいね!
そして、今年を締めくくる工房での恒例イベント「クレミル」開催日を決定しました。
12/2土曜日〜12/10日曜日までの9日間で開催します。
詳細は追ってお知らせしますので、楽しみにお待ちくださいね!
多くの方々に遊びに来ていただけたら嬉しいです。
よろしくお願い致します!
写真はウォルナット材のレターラック「kamikae-waku」を製作中のカイ君です。

運動会と演奏会

2017.10.01

土曜日は、だるまを運んで、踊って、走る次女を見守り、
日曜日は、ホールでホルンを演奏する長女の姿を初めて見て、またひとつできることを増やして前に進んでいる娘に感動して、
そんな週末でした。

おとうさんなのです

2017.10.25

「クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」

三島 O様

design:Oさん
planning:Oさん/daisuke imai
producer:yasugkazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami
painting:yasukazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

リビングから見たキッチンの様子。クルミの色のばらつきを出すというこの印象がとても良くまとまっております。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

玄関から見ると、キッチンが見渡せるという大きな一つのスペースになっているのが特徴の間取り。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

バルコニー側から見た様子。

私が知っているOさんって、もっとスマートな印象でした。お施主さんとお話する様子も私に設計のニュアンスを説明する時の様子も曇りなくスムーズに説明してくれる頼もしい人、と言う印象だったのです。
でもね、実は違いましたね。(笑)

天板が浮いているように見せるデザインのキッチン

天板をすこし浮かせるような印象にしたいのです。と言われて、ラバロックは、板そのままの厚みである12mmで見せて、裏打ちする合板をすこし内側に入れることで、浮いた印象にしています。


キッチンのかんざし

浮いている印象はこんな感じ。また、側板と背面の板は角の部分は留めで接合しているのですが、木が動いてしまうことがないように補助的にビスで固定しているのですが、そのビス隠しとして、かんざし風に見せてみました。


洗剤ポケット

シンクは洗剤ポケットをつけています。


水切りプレート

水切りプレートをカウンタートップよりも低い位置に置きたい、と言うことで、今回はプレートを受けるリブをつけたシンクを作りました。

「今度自宅のキッチンをイマイさんにお願いしたいと思っているのです。」
平成建設さんのショールームでお客様との打ち合わせを終えたあとに、設計のOさんがぽつりとそう言ったのです。
「わぁ、それはうれしいです。どんな形になるか楽しみですね、いつもで声をかけてください。」
Oさんは設計の要の人。
今まで平成建設さんのいろいろなお客様の家具やキッチンを作らせて頂きましたが、それぞれの設計担当の皆さんがOさんをお兄さんのように頼っている。
そのような人から「キッチンを作ってほしい。」と言われたら、それはうれしいものです。
どんな形になるのだろう。

ステンレスの家具コンセント

コンセントはステンレスのカバーをつけたJIMBOのNKシリーズのブラック。


シンク下にまな板を置くためのステンレスパイプ

シンクの下には、パイプを渡していて、そこにまな板を置けるようにしました。フックを掛けてぶら下げて使うこともできます。

そういうスタートからしばらくして、原案を見せてもらいました。
以前に作らせて頂いた同じく三島のOさんの時のレイアウトをOさんは気に入っていて、同じようなセパレートの雰囲気でキッチンを考えているということでした。
そして、そののちにこちらまで打ち合わせにいらして頂いたのです。
この時に奥様と一緒に来られて、いろいろと打ち合わせをして、Oさんと同じくチェリーで作る方向でお話が進んでいたのでした。
そして大まかな形が決まって解体も始まった頃、Oさんが悩み始めたのでした。

ASKOのD5556XXLの大きな食器洗浄機

食器洗浄機はASKOのD5556XXLという大型のものを導入。

そうか、設計を専門としている人でも直前で悩んでしまうのだなあ、なんて思っていて、あらためて打ち合わせをしまして、その時にお話に上がったのが、「豊かな色」のGさんのクルミと人工大理石コーリアン「ラバロック」の組み合わせ。少し色があせたような印象に見えるこの組み合わせですが、皆さんからとても良い評判でして、やはりインテリア業界の上の方にいらっしゃるGさんは表現が豊かなのだなあといつも思わされるのでした。
その印象に魅かれたOさん、チェリーからクルミへとキッチンをまとめ直し、追加でお話し頂いていた洗面収納も同じくクルミでまとめて、いよいよ製作開始なのでした。
その前に、現地確認です。

クルミの家電収納部

コンロ側キッチンの右端は家電収納タワーになっています。


格子扉のある吊戸棚とレンジフード幕板

レンジフードもキッチンと一体に見えるように幕板をクルミで作りました。


リンナイMYCHOICEガラストップ

リンナイのドロップインのガラストップタイプ。

三島の楽寿園の近くに立つ趣のあるマンションが現場です。
古い規約があって、工事の時間が限定されていてエレベーターも隔階止まりだったりして、少し工夫して作業する必要がありそうです。
寸法は平成さんですので、いつも通りに私たちの寸法に合わせてくださるということで大変助かります。
特に問題なく進みそうで、廊下から見える富士山が「大丈夫、うまく納まるよ。」って言っているのが聞こえました。

クルミの格子扉

レンジの下は格子扉にしています。そのわけは・・。


炊飯器用スライドテーブル

炊飯器をしまっているので、保温にしている時も熱を逃がしたい、と言うOさんのご要望なのです。


クルミの乾物収納

それに合わせて、こちらの缶、瓶収納部も格子のデザインにして、この部分の最上部の戸棚の扉も格子にしています。

リノベーションですので納期が少しタイトです。でも無垢材を多く使うので材の段取りは早めに進めておきましょう。
コーリアンもシンクもオリジナルなので、すぐにできあがるものではありません。みんな全部きちんと作っているのです。ビバ!もの作り。
ステンレスの高橋さんが作ってくれたシンクをコーリアンの加工場に送ってもらったら、加工屋さんがシンクのサイズに合わせた開口をきちっと出してくれて、きれいに磨いて私たちの工房に送ってくれるのです。
その間に、養生しておいたクルミを製材して、扉やパネルを接いでいきます。
本体はクルミの突板で作って、引き出しは掃除しやすく化粧板で段取りして、徐々にその形が見えてきます。
今回読みにくかったのが、リンナイのドロップインタイプのガラストップのものをOさんが採用したこと。今回このタイプを初めて導入するので、納め方に少々不安があったのです。
また、キッチンに比べて洗面がコンパクトな家具の割に細工が複雑だったりして、ようやく完成した時にはホッとひと安心。製作を担当したコバヤシ君も大きくやり遂げた感のある背中でした。

コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

コンロの下はスライドワイヤーシェルフ。


コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

スライドワイヤーシェルフは、引き出せて、そのまま持ち上げると取り外して洗えるので使い勝手が良いのです。


クルミ無垢材のキッチンサイドガード

コンロ側のカウンターの左端には冷蔵庫と接するのですが、冷蔵庫の戸間の隙間に物が落ちちゃうと取りにくい、と言うことで、側板を少し上に立ち上げています。

そうして、設置工事。
作業時間が限られていることもあって、早めに出発したら、時間を間違えて1時間早く着きすぎちゃってせっかく大人数で似たのに待ちぼうけ・・。
みんな、ごめんなさい。
しばらくして監督さんが来て下さって、いよいよ搬入開始。物量が多いので、通行の邪魔にならないようにエントランスに積み上げてはエレベーターで最寄りの階に降ろしては階段で搬入の繰り返し。
どうにか搬入を無事に終えて、ちょっと込み合っている現場でいよいよ作業開始です。
キッチンは時間は掛かりましたが2日間かけて無事に終わって、洗面のほうはいろいろと現場で調整が必要な部分が出てきて、一度パーツを持ち帰って加工することもありましたが、無事に完了。
あとはお引き渡しの後にお引越しを待つばかりですね。

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

吊戸棚内部の様子。


引き出しにフキンをしまう

コンロ側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その2。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その3。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その4。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その2。

約半年かけて、プラン作りから納品までが行なわれたOさんの自邸リノベーション。
その間もずっとスマートでやっぱりキッチンと仕事ができる人は格好良いなあと思っていたのですが、お引っ越し後にあらためてお邪魔させて頂いた時は、キリっとした表情と言うよりも優しいお父さん。
そうか、Oさんもお父さんなのだなと思うと、今までの肩の力がふっと抜けるような気がしたのでした。

クルミランダム張り

節があったり、白太を入れたり、きれいにばらつきを出すのは意外に難しかったりするのです。

キッチン仕上
天板 コーリアン「ラバロック」
扉・前板 クルミ板無垢材
本体外側 クルミ板目無垢材/クルミ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。