オーダー製作例

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア

おおきな役割

深沢 H様

design:icaa(アイシーエーアソシエイツ)
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami/gaku suzuki/yasukazu kanai
painting:masakane murakami/gaku suzuki/yasukazu kanai

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
こちらが今回メインに作らせて頂いた2階のキッチン背面の壁面収納。右壁の冷蔵庫上の棚板から、左の階段に掛かる収納まで壁ピッタリで作ったのです。左の収納の幅を階段の幅に合わせる必要があったので、一番右の冷蔵庫上の棚板で調整できるような細工をしています。

icaaさんから、大きな家具のご相談を頂いていたのでした。
通常、設計事務所さんとのお仕事をさせて頂く時は、設計士さんが考えるその家のトータルバランスがあるので、あまりお客様にお会いすることは少なく、その設計士さんとどうやって政策を進めていくかを考えることが多いのですが、icaaさんの考え方は、家のデザインが整っていることも重要だけれど、家具が機能しないといけないので、きちんと使いやすい形を一緒に考えていく、と言うスタンスで考えてくださっています。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
使った素材は、加藤さんのイメージに合わせて、ナラ柾目(まっすぐな木目)の突板を使っています。そして、そこに少し茶色で着色して、チークのような色合いにして、黒いハンドルで引き締めた印象にしています。

ですので、icaaの皆さんとお話をすると、家具の細かい部分まで直接打ち合わせができるからとても助かります、と言って頂けて、私も大変うれしく助かっているのです。
今回ご相談頂いたHさんの家具も最初は加藤さんと打ち合わせをしていましたが、具体的な部分の検討に入るに従って、お客様と直接お話をしましょう、ということになりました。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
この格子は、ここにエアコンを入れる予定でつけています。ただ当面は入れないということで、この家具の大きなポイントになっています。

そして、Hさん登場。
とてもおおきなご主人をはじめ、お母様と奥様の賑やかにお話しする様子に加えて、元気なちびっ子3兄弟と、とても朗らかなご家族でした。
それで、いろいろとお話をしていくわけです。
「ここはこういう使い方も良いですが、こういう使い方もできます。」
「この素材を使うとこんな感じになります。」
「ここはこういうふうにしたほうが良いでしょう。」
どんなことができるかその可能性をお伝えして、それを良くかみくだいて頂いて、自分の今の暮らしと照らし合わせ、どういう方向にするかを決める。それで、ひとつの形にまとまっていく。
ところところで、ご主人が「コストアーップ!(笑)」と冗談交じりの掛け声が入りながら。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
もう一つの格子がここ。背面収納の下のほうにあります。

それで、コストが上がってしまっても使いやすい形にしなければ、作ること自体意味を失ってしまう、ということでおおよその形はまとまったのですが、自分が本当に必要な部分は何かをもう一度ご自宅に戻られてから検討して頂いて、今度は私たちのショールームで打ち合わせすることになりました。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
開けると、ゴロゴロと根菜たち。通気性を良くした根菜収納です。白いワイヤーバスケットを引き出して使います。

そして来て頂いて、私たちのキッチンの仕上がりや木の印象を見て頂くうちに。「いいね、決めた、決めた。」と奥様の目がキラキラし出しました。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
その隣には炊飯器をしまうスライドテーブルや米びつをしまうキャスター付きのボックス。

そうして、お母様のミニキッチンとリビングの収納を兼ねた大きな壁面収納と、そして、ご主人と奥様とお子さんたちが住む2階の大きなキッチンの壁面収納、そして、両方の部屋にダイニングテーブルと、椅子、そして、キッチンをカバーするように突板でパネルを立てると言った造作までご依頼頂くことになったのでした。
これはこれは気持ちがより引き締まります。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
そして、キッチンのほうは、目隠しになる壁を大工さんがぐるりと立てて、そこをタイルで囲んだら、最後に私たちがパネルを立てて完成。これでリビングから見ると、ナラ柾の一体感が生まれました。

今回の製作は、現場の建築工事がかなり立て込んでいたこともあって、図面で寸法を出した状態で、いわば見切り発車の状態で製作が始まった部分があったため、実際に納まるかどうかとても不安な部分がありました。通常私たちの仕事は、後付け造作家具という、すでにできあがったお部屋のサイズピッタリに合わせて製作することが多いため、その設置場所のサイズは事前にきちんと把握できるのですが、今回は、大工さんの木工事と並行して家具も作り始めなければいけなかったのでした。
しかも、窓枠と絡めて建築と家具多一体になっているように見せる納まりがあったりして、よりシビアな形に・・。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
こちらは最後にご依頼頂いたダイニングチェア。背もたれを低くしているので、テーブルの下にきちんとしまうことができるの特長。今回は大きなご主人の体型に合わせて、基準のサイズから一回り大きくして、黒い革を張ることで印象をまとめています。当初は同じナラ材を使おうかと迷ったのですが、コストのことと重量のことを考えて、アルダー材を使いました。これなら女性でも軽く片手で持ち上げることができます。

でもまあ、あとは設置の時にうまく対応するしかない、と決めて、逃げられない寸法の部分はある程度余裕をもって現場で調整できるように加工をしておくことに。
そして、いよいよ、取付の日。
都心の狭小地を生かして作ったお宅なので、搬入も大変な部分はありましたが、無事に荷揚げすることができて、出しにくかった床のレベルも調整することでクリアし、一番大変だと考えていた2階のキッチン背面の壁面収納も、照明の取り回しもうまくいって、無事設置できたのでした。ほぅ。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
そして、ちょっと変わったダイニングテーブルの脚。この写真ではあまり良く映っていないのですが、テーブルの一辺をキッチンのパネルに固定して、反対面は1本脚で支える構造に。かなり弱い構造になるので、この脚をひと工夫しています。それはテーブルを下から覗くと分かるのです。

その後も細かい部分をあたらめて伺って無事にお引き渡し。
実は納期的に間に合わなかった椅子の打ち合わせにあらためてお伺いした時も、大変感謝して頂いて、「もう、何でもイマイさんに聞いておかないと。」と奥様。
そして、賑やかなちびっ子たちまで、「イマイさん、イマイさん。」と合唱してくれて。
こういうふうに頼りにされるのはとてもうれしいのでした。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
こちら1階のお母様のお部屋。一部屋で全てが揃うようにとまとめたのがこの家具の形です。メインの食事は、2階でみんなで採るので、簡単に調理ができる広さののキッチンと、テレビボードをコンパクトにまとめています。そして、加藤さんのイメージは、白とこげ茶のコントラスト。高さのレベルでうまく色を分けて製作しています。

そして、最後の椅子の納品。
「最初は椅子まではお願いするつもりは叶ったのですけれどね。打ち合わせの時に座らせて頂いたあの椅子の印象がとても気に入ってしまって、それで、今回サイズオーダーでお願いさせて頂きました。お店で売られている椅子よりも少し高く思いましたがやっぱり頼んで良かったって思っています。加藤さんの作ったこの家はもちろん大切ですが、この家具たちがあって、この場所があるって気がします。この家にとって、この家具たちやイマイさんの存在が大きな役割になっているのですよ。ありがとうございました。」
いえ、こちらこそありがとうございました。とても楽しい時間でした。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
天板は、白い人工大理石で、扉などは細かいエンボスが入ったマットな仕上げの化粧板を使っています。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
小さくてシンプルなシンクはもちろん特注で作っています。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
もうちょっと作業台を広くしたいな、と言う時のためのスライドテーブル。

オークを使ったキッチン背面収納とテーブル、アルダーのチェア
扉を開けるとこのような感じ。

費用については、お問い合わせ下さいませ。

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