Sさんのダイニングテーブル:スタッフ カナイ君の制作日記

2019.02.09

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今回製作させて頂いたテーブルの一番の特長は、脚がテーパーがついていて上から下にかけて先細りになっている形状です。
製作に取り掛かる前にその意図を聞いたのですが、いつもはテーパーを付ける形の場合は、脚と幕板を面一(ツライチ=平らにすること)にすることが多いのですが、今回はお客様のイメージもあって、脚だけがすっきり見えるような形にしたい、のだそうです。
そこで、今回は幕板を脚よりも少し内側に入れることで脚だけが強調するような形にして、さらにはそのテーパーの加工を脚の上端まで、すなわち天板にくっつく部分まで傾斜させたいということでした。
面一にする場合は、脚と幕板をくっつける導突部分は90度の加工でよいのですが、今回の形の場合は幕板の導突部もその傾斜角度に合わせています。
その加工が、通常道突部分は一つの寸法が決まっていればぐるっと加工ができるのですが、傾斜がある場合は、1面ずつ鋸を入れる角度が違ってくるので、ひと手間があり気を使う部分でした。
脚部と幕板をつなぐ四隅は、いつものように隅木で固定してテーブル全体の歪みを防止をして安定性を確保しております。
また、幕板の内側各所に、天板を木駒で固定するための差込用穴の加工をして、その穴に用意した木駒を差し込んで天板を固定する仕組みにしています。これは、天板の伸縮に対応しやすくするための細工で、差込穴と木駒とのクリアランスをとることで季節によって動く天板にストレスを与えないようにしています。
また、細かいディテールとしては、天板は角を10アールで丸くして、天板、脚部共に45度で面寸法3ミリの面取り加工をしています。
なんとなく、少し前のiPhoneのディーテールに近いという感じでしょうか。

食器棚のオーダー「シナとバスウッドの背面収納」

2019.02.08

自邸の家具が少しずつ形になってきました。
シナとバスウッドを使った背面収納です。その自邸の確認のために福原さんかなぐやの太田さんも本日いらしてくださいました。
遠路はるばる訪ねてくださってありがとうございました。
福原さんとかなぐやさんもよくよく聞くとお仕事でのつながりがあったりして、うれしく狭い世の中です。
真鍮の可能性のお話しと福原さんが手がける形の確認をして、すこしずつ我が家が前に進んでいくのが分かります。
ここでは、皆さんに実生活の様子を見て頂きながら、私たちの家具のかたちを見てもらえるような場所にしていきたいのです。
そのためには、私の愛すべき人たちの協力が必要なのです。

テーブルのオーダー「ナラの円卓」

2019.02.08

先日、お引越しが終わったというNさんのところにようやくナラ板目材を使った円卓を届けることができました。
肘掛椅子がきちんと入るように足が5本足になっているのが、少し変わった形となっています。
これからNさんがオイルで塗装をして頂いたら完成。
残るは同じくナラ板目の無垢材を使って作った背面収納の扉と引き出しを取り付けるのみ。
大工さんが作った箱に扉と引き出しをつけるのです。

オーダーキッチン「ナラの節アリ材を使ったキッチンとアイランドカウンター」

2019.02.07

20190207002懐かしく趣のある集合住宅。Kさんのリノベーションはそういうすてきな場所。近くの小道には映画館があって海も波音が聞こえるくらいすぐそばにあって逗子は豊かな場所。
節のあるナラ材を使ったキッチンとアイランドカウンターも表情豊かに仕上がりました。
アイランドカウンターの天板だけは節のある材だと、汚れやゴミがたまっちゃうので、きれいな表情のナラ板目材を使っています。

これからタイルが張られて、低い天井用のレンジフードがついたら完成。
これから陽気が少しずつ良くなってきますね。

リビングボードのオーダー「ナラのリビングボード」

2019.02.06

先週に引き続き、本日はNさんのリビングの家具の設置工事です。
前回のダイニングはノガミ君が担当して、今回のリビングはコバヤシ君が担当。
前回の経験を踏まえて、コバヤシ君の用意周到な準備のおかげで、雨模様で作業がしづらい日ではありましたが、古い家具の解体は順調に終わり、設置のほうも予定していたよりもスムーズに進んだのでした。
不思議な形をしているのには訳がありますが、それは今度また別のところでお話ししましょうね。
明日は残作業として、コバヤシ君とワタナベ君とで家具と壁のすき間を塞いだら、作業は完了の予定。
並行してカナイ君、ノガミ君、カイ君は逗子のKさんのところにキッチンの設置に行く予定。私は、根岸の馬の博物館へ今年の作業の打ち合わせ。
みんなで頑張るのです。

オーディオボードのオーダー「ナラ節アリ材を使ったオーディオ用キャビネット」

2019.02.05

4年前に、ご縁があって蔦谷好位置さんから音響用の基材やレコードを収納する棚をご依頼頂いたのでした。
「この度、この家具を場所を移して使いたいです。」ということで、あのスタジオからはそのままだと搬出できない形でしたので、その移設のお手伝いをしてきました。
棚と一緒に当時お渡ししたあの合板!もきちんと飾ってくださっていて、うれしいではありませんか。
物つくりの大切さを教えてくれた良い時間を思い出しました。

心地のよさ :家具屋の家づくり

2019.02.05

お家づくりが始まって、時々次女チイと現場を見に行ったりしています。
いつも「どうぞ。」と笑顔で迎え入れてくれる大工のコンドウさん。
作業台の写真を撮らせていただきました。
建設中ですが、いついっても心地がいいのです。きっといいお家ができるよって思えるのです。
コンドウさんのお人柄と、お仕事ぶりなのでしょうね。とてもうれしくてありがたいのです。
私達も、そう思ってもらえるように頑張っていかないと、と思うのです。

食器棚のオーダー「ブラックウォールナット柾目の食器棚」

2019.02.02

20190202002ご相談初期のころに手掛かりになるようにと描いたスケッチ。

雰囲気のある壁の色によく馴染むようにと、ブラックウォールナットを表面に使って、内部は少し濃いグレーでまとめました。
とても良い印象にまとまったOさんの食器棚です。
今回は実現しませんでしたが、カウンターに真鍮のバイブレーション仕上げを施したものを使おうというお話、この先どこかで実現させてみたいと思うのでした。
Oさん、本日はありがとうございました。

ダイニング収納のオーダー「ナラ板目のダイニング収納」

2019.02.01

海の近く、ソラの近く」のKさんから始まって、「私のキッチン」のNさん、「懐かしくも新たな気持ちで」のKさんとLUCCAつながりでキッチンを作らせて頂いたのが懐かしく、このたび新たに皆さんのお友達のNさんのところのダイニングとリビングに家具を作らせて頂けることになりました。
うつくしいご縁。
そして、ほどなくして最初のきっかけを作ってくれたKさんからご連絡が。長らく留守にしていた海の近くの家に戻ってくるとのお知らせ。
ああ、うつくしいご縁。

でも、取付工事はなかなか大変。
今までくっついていた家具を外してから新しい家具を取りつけるのですが、その家具がどうやって固定されているか分からず、試行錯誤しながらどうにか取り外しまして、(私はここで会社へ。)そのあとはノガミ君、コバヤシ君、ワタナベ君が難儀しながら水平と垂直を探りながら、どうにか設置完了。
夜遅くまでお邪魔致しました。

来週はもっと大きなリビングの家具です。
一日で終わるかな。

本棚のオーダー「ナラ柾の本棚」

2019.01.31

13年ぶりです、Mさんにお会いするのは。
ハルカが生まれる前に作った家具はまだ元気に活躍していて、あの時建築を学んでいたお嬢さんは既にお子さんも生まれて、Mさんはおばあちゃんに。
でも話しぶりは13年前と変わらなくてうれしいことです。

今回もあの時と同じナラ柾目を使った家具でした。

職場体験学習

2019.01.29

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今日は町の中学2年生の男子2人が職場体験に来てくれました。
K君とH君が来てくれたのですが、H君のお兄ちゃんも3年前にうちに職場体験に来てくれたそうで、担当するのも同じコバヤシ君だったようで、すごい偶然に驚きました。
学校の方針とは少し異なるのかもしれませんが、毎回伝えていることがあります。
将来木工の道を選ばなければ、工房に来て家具作りの一部を体験するなんて、人生の中でもうないことだと思う。
学校の授業の中で来たのかもしれないけど、折角の機会なのだから、普段何気なく使っている家具がどういう過程を経て出来上がっているものなのかを実際に手を動かして体験してほしい。それがわかるだけでも、身の周りの物の見方が変わってくると思うよ、と。
午前中は実際の作業を手伝ってもらい、午後は、コバヤシ君が木工の色々な工程を時間内で楽しんでもらえるようにと無垢材でペン立てを作る作業をしてもらいました。2人とも上手に作っていました。
出来上がって、「楽しかったです。」とペン立てをリュックに入れず手に持ったまま、学校に戻っていきました。
無事に終えてよかったです。来てくれてありがとう。
さて、うちの長女ハルは明日から2日間幼稚園へ職場体験に行きます。普段経験できないことを色々と学んできてほしいです。

キッチン収納の形を考える :家具屋の家づくり

2019.01.27

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仕事柄、皆さんの色々な収納の形を見せていただいてきました。どれもすてきな形ばかりで、「製作例をたくさん見てるからすぐ決まるのでは?」と思われるかもしれませんが、みなさんが出した答えの形だけを見ても、それが自分の家の新しい間取りには必要なのものなのかを考えるとよく分からなくなってしまいます。
途中でまたわからなくなってしまわないように順番に考えていくことにしました。

設計士さんと家の間取りを考えていく中でキッチンの形が決まりました。
形はペニンシュラ。
キッチンとバックカウンターと食器棚を作ることが決まりました。
・オーブンレンジ・トースター・炊飯器を置くオープンな棚はほしい
・引き戸が好き
・天板はステンレス
・シナ材が好き
・ガスを使いたい
・高さは90cm
はじめからある要望をまず伝え、それ以外の部分を収納にした図面をおとうさん(イマイダイスケです)に書いてもらいました。
次に、何をどこにしまってどうすれば自分にとって使いやすいキッチンになるのかを考えます。ここが1番大変なのですが。
今まで我が家に集まったもの達、今持っているものを全部活用できているわけではありません。使う頻度・その物の重さもあります。
取り出しやすくなったら使うのかそうじゃないのか・どう判断すればいいかよくわからなくなってしまいました。
まず、新居でも使うものを決める作業をしないと収納の大きさと形は決められません。
こういう時は整理収納のプロの人のアドバイスをいただこうということで、野中幸子さん の講座を受けた時を思い出し、いただいた資料を見返してみました。チャート式になっているので読み込まなくてもどうすればいいかをすぐ見直せるので大変助かりました。
まず、「全部出す。」
ダイニングテーブルの上に出してみました、我が家の鍋・フライパン・土鍋たち。
1500×900のスペースいっぱいです。
整理収納作業の順番は
(1) 全部出す (2) 1年以内に使っているかいないか (3)目的別に分ける (4) 使う場所に収納する と大きく分かれるそうです。
いきなり(4)を考えようとするからわからなかったのかと、まず今自分のいる位置がわかるだけでも助かりました。
新居でも使いたいもの、結婚した時からずっと持っているけど、これからも使わないなと思われるもの…などなど。
記憶なんて曖昧なもので、「え?これ持ってた?」なんて物も出てくるわけです。
収納場所をオープン棚にするのか、引き出しにするのか、スライドワイヤーシェルフにするのかなど、収納の形と場所を考えていかなくてはいけません。
それぞれの重さと大きさを調べることにしました。
1番重いものは、OIGENの鉄鍋で高さが17cmで重さは5キロありました。
1番高さがあるものは、佐久間さんの炊飯土鍋と平和の圧力鍋が21cmでした。
新居でも使う調理道具が収納に収まるのかどうか、テーブルにマスキングテープを貼って大きさを確認しながら、シュミレーションしていき、収納の形と場所を決めていきました。

整理収納の資料と今までの経験から収納を考えていきますが、いつまでに図面ができあがってなくてはいけないのでしょうか?
着工、もしくは上棟です。
上棟後すぐに設備屋さんが床下に配管していくために、図面が必要になります。洗面台も同じだそうです。
引き出しの深さなどはまだ変更可能ですが、工程によっては、上棟後すぐに製作に掛からないと間に合わない現場もあるので、基本的に上棟後は変更ができなくなります。
お家作りで考えることはキッチン収納だけではありません。9月下旬に契約・地鎮祭を終え、「11月末に上棟予定だよ。」とおとうさんにプレッシャーをかけられながら、こどもを習い事に連れて行っている間にも図面を持って歩き考えたりして、やっと11月に入ってから決まったような感じでした。(笑)
今までオーダーしてくださった皆様も、こういう風に色々と考えて出来上がってできた形なのかと思うと、製作例の一つ一つが素晴らしいなぁすごいなぁとしみじみ感動してしまいました。
自分の図面は書き込みすぎていて載せられるようなものではないので、キッチンが完成した時に写真とともにお伝えしていきたいと思います!

HUDSONSさんのShoe Loungeへ

2019.01.27

いろいろとご縁がありまして、以前に「姉妹で作る家」大磯のKさんのところでお世話になりましたプラスマイズミアーキテクトさんにお声掛け頂きまして、ハドソン靴店さんのラウンジで使う家具を作らせて頂くことになりました。
代表の村上さんとのお話は、自分の中をあらためて探索するような気持ちで形を見つける自問自答の作業の繰り返しで、マイズミさんに手助け頂きながらどうにか形をまとめることができたのでした。
春から製作に取り掛かる予定です。

Sさんのキッチンと食器棚:スタッフ コバヤシ君の制作日記

2019.01.26

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今回特に気を付けたことは、キッチンのリビング側の鴨居と敷居の長さが2540mmの長さがあったので、木口に練り付けていくのために2人がかりで作業していきました。
また、この扉は無垢材の表情を出すことと反りを抑えることを考慮して、無垢材と合板を合わせて作る少し特殊な方法で製作しているのが特長です。
背面収納(食器棚)の扉も同じく無垢材と合板をプレスしているのですが、こちらの引き出しの前板は無垢そのままで仕上げているので、木取りの方法が異なるため、きれいに木目を通すことに気をつけていきました。
(プレス時、板はぎ、切り回しの時に手掛けの無垢と隙間等を計算しながら加工していきました。)
それと、食器棚の天板がステンレスと無垢のカウンターが並ぶ形になるので、材が多少動いても柔軟に適応できるように、バックガードを欠き取る加工して差し込むようにしています。
できあがりはとても良い表情にまとめることができましたので、大変満足しています。

はじめさんの発酵食作り・手前味噌づくりの日でした

2019.01.21

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今週のはじまりは、小さいお子様の泣き声や、味噌玉を保存容器に叩き入れる音で賑やかなショールームでした。
金曜日に続いて、発酵食の塩麴・醤油麹・甘酒とお味噌を作るはじめさんの教室でした。
「こんなに簡単にできちゃうんですね。」という発酵食を作る方々と、「結構大変だ~。」と大豆を潰す作業をする方々の差が印象的でしたが、生麹の柔らかい匂いが漂ういい時間でした。作業の合間に先生とするお話しも楽しみの一つで、お勉強になるお話も色々聞けるのでいいですよね。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。はじめさん、お疲れさまでした。
皆様の作られたものがご家庭でおいしいものになりますように。できあがりが楽しみですね。

リビングボードのオーダー「ナラのリビングボード」

2019.01.24

20190124002Sさんのリビングとダイニングに収納を作らせて頂きました。前回作らせて頂いた食器棚とのつながりを考えて、シンプルな形にまとまりました。
食器棚を作った時からずっとコのリビングをどう使っていくと良いかを悩んでいました。大きなワンルームのような間取りになっているので、玄関から廊下がワンクッションになっていますが、廊下の引き戸を開けると、奥のキッチン前が目に入ってきて、もう少し気持ちの仕切りがあると良いかな、というお話を続けていたのです。
そこで考えていたのは、最初はもう少し華やかなイメージだったのですが、結果としてこういうさり気ないかたちにまとまりました。この質素な印象で暮らしを支えてくれる姿が良いです。
ここに住む人の色が見えやすいですものね。

ベッドのオーダー「ホワイトアッシュとバスウッドのベッド」

2019.01.20

201901200012頭のどっしりしたパグとたしかすぐ逃げられちゃったけれど大きなネコも居たっけなあ。みんなで一緒にここで寝るんだそうです。マットレスの間は彼らの通り道なのだそうです。
館山まで、カナイ君、コバヤシ君、ノガミ君が無事にSさんのもとにこのフレームを届けてくれました。

ちょうどみんなが戻るころ、Sさんからも連絡が届きました。
「この度はありがとうございました。
たいへんステキなベッドでうれしいです。無事、ルンバも使えました。設置に来てくださった皆さんも丁寧な作業をして下さって感謝しています。 ご縁がありましたら、またお願い致します。」

ありがとうございました。

はじめさんの「身体に優しい発酵食ランチ作り&ママ交流会と離乳食ぱくぱくセミナー」の日でした

2019.01.18

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新年最初のショールームイベントは、Hug Babyのはじめさんのクラスでした。昨年からはじめさんのクラスは何度か開いていただいていますが、
時々撮影をさせていただく時に聞こえてくる講義内容も、「へぇ~。」と思うことばかりで、改めて食の分野は本当に奥が深いのだなと感じました。そして、匂い。この匂いを深く吸い込んだだけでも健康になれるのではないだろうかという位のいい匂い。幸せな気持ちになれます。
打ち合わせの時に見て触るだけのキッチンを活かしていただいてとてもうれしいのです。
すてき時間をありがとうございました。
続いて、来週月曜日は手前味噌づくりの日です。ご予約された皆様、当日お待ちしております!

壁面収納のオーダー「ブラックウォールナットの壁面飾り棚」

2019.01.17

20190117003201901170022019011700420190117005先月、家具を設置したOさんのところに追加で製作した刀の鍔を掛ける台をお持ちしました。これで完成。
「家具を作るってこういうことなのですね。家具はもちろん、イマイさんも設置に来てくださった皆さんもとてもすてきです。」
おお。

飾りたかったというブロンズ像もきちんと納まっていて、その隣には、少し照れながらご紹介してくださいました、お母さまが語ってくれたという生まれ育った山口県の昔話を絵本にしたというご自身の著書「ちゃっくりかき」。
「ふふふ、お恥ずかしいのですが、私が書かせて頂いたのです。イマイさん、もしよかったら、ぜひお子さんにお贈りくださいな。」とうれしいお話。
「ぜひ、読ませて頂きます。まずは私が。」
とうれしいお土産を頂きまして、ホクホクしながら帰ってまいりました。

ただしい声をした鳥

2019.01.16

ある夜、淋しい夢を見たような気がして流れた涙を伝う感触と、その淋しさで大きく肩をふるわせながら目を覚ましたタルベルの佇む窓辺に、深い夜でもはっきりとした青い羽根をもった低くただしい声をした鳥がやってきてこういうのでした。
「タルベル、私も淋しい夢を見ました。一人になってしまって、風と一緒に飛んでいくみんなの後を追いかけて、夜のなかを飛んでいたのです。
やがて空が白んでくるころ、ふと気が付くと私のほうがずっと先を飛んでいました。
強い思いは自分の目をくらましてしまうこともありますが、自分を大きく前に向かわせてくれます。私はあの夜、危うく大きな空の向こうに落ちてしまうところでしたが、お日様が私の目を覚ましてくれて、皆のもとに戻ることができました。あなたが見た淋しさは、きっとあなたを強くしてくれますよ。」

青い羽根が朝日を浴びてまるで銅色に輝き始めた正しい声の鳥のさえずりを心地よく聞いていたタルベルは見つめていた西の空からただしい声をした鳥のほうに顔を向けるとこう言いました。
「ありがとうございます。気持ちが正しくなりました。ごきげんよう、さようなら。」

ただしい声をした鳥は、この冬が終わりを告げて春がやってくることを教えてくれたのでした。
タルベルはもう居ません。

内引き出し

2019.01.14

20190114002おしゃべり」のFさんのキッチンにうち引き出しをつけてほしいと頼まれまして、その取付に伺ってきました。ガスコンロにラインを合わせることで、シンクまですっとした印象になって美しいのですが、引き出しが深くなってしまうのです。
そこで、内引き出しをつけましょう、ということで、せっかく作るのですからトレイになるような形にしましょう、アガチス材で作ったトレイに手を掛けるところをくりぬいて、かんざしにブラックウォールナットを差したら、良いかたちになりました。
そのあとは、Fさんが手掛けるご友人宅のリノベーション煮てキッチンを担当させてもらえそうということで、Oさんファミリーがいらしてくださって、Fさんのリビングで日が暮れるまでキッチンのご相談。Fさんが実際に自分のキッチンを使う様子を交えながらお話しするのはやはりうんうんと納得してもらいやすい。
アトリエもそうしてゆきたいなあ、とOさんのキッチンと自分の場所を重ね合わせながら時間が過ぎてゆくのでした。

オーダーキッチン「オークのペニンシュラキッチンとバックカウンター」

2019.01.13

20190113003201901130012昨年の9月にキッチンを設置したSさん。11月に無事にお引渡しを終えて、ご新居での暮らしがひと段落したこの頃、ご挨拶にお伺いしてきました。
電車に揺られて3時間。物静かな町から、これから賑やかな朝を迎えようとする町を抜けて静かな住宅街につく頃、電車の中の乗客もほとんど乗り下りてしまった頃、Sさんの住む静かな町につきました。
「天板を20㎜手前に出して頂いた部分はやはり正解でした。洗い物をしていても水は木に付かないし、ここで生地をこねたりするのですが、今まではよくその粉が引き出しの中に入ってしまったりしたのですが、それも無くなりましたので。」
と、Sさんがお話ししてくださいました。
うれしいですね。
皆さんの言葉が私たちに力を与えてくれます。

前に進むよ

2019.01.12

昨年末からいろんな方面で活躍されている方々の家作りにかかわらせて頂ける機会を頂いております。
知らないかたちが目の前で広がることは純粋に楽しいです。
頂いた課題を工房に持ち帰って練り直していると、なるほどおもしろい。
驚きと喜びです。
春を迎えて初夏が顔を出すころには、また魅力的な形がいくつも現れていることでしょう。

オーダーキッチン「チェリーのアイランドキッチン」

2019.01.11

2019011100220190111003お料理教室を開きたいって言っていたSさんのキッチン。だいぶ遅くなってしまったので、写真が暗くてキッチンの魅力が伝わりにくい本日。代わりにそのスケッチも載せましょう。最初のイメージから細かな納まりが変わってますが、Sさんの気持ちは変わりませんよ。