2021.07.12
4月上旬にお邪魔させて頂いてから早3ヶ月。
使い始めた様子を見させてもらいにHさんのところにお邪魔してきました。
玄関入ると突きあたりに見えるキッチンが宝石箱のようによい印象なのは前回と同じでしたが、Hさんらしさがそこかしこに見えてすてきなキッチンになっておりました。
ただ、この季節柄、板が伸びちゃって延びちゃって・・。
引き出しが閉まりにくくなっているということで、次回ちょっとお手入れさせて頂いてその時にたくさん写真を撮らせて頂くことに。
すみません、しばらくご不便お掛けします。
「大丈夫ですよ。開け閉めできなくなっちゃったわけではないですし、見に来てれるみんなもこのキッチンをとてもよく言ってくださるの。」と、うれしそうにお話してくださいました。
「やっぱりこの湿気の多い季節だからでしょうかね、先日の雨のすごかった時も駅前の川があと少しであふれるくらいまで増水しちゃって怖かったのですよ。」
そうですよね、木も水もいろんなものが季節に合わせて生き生きしますよね。
2021.07.11



本日は、朝から伊藤さんの最後の仕上げに入ってくださっていてそれが終わりましてからTさんにお引渡し。
今回は1週間の期間を頂いてのキッチンリノベーションでした。工事期間中は作業がしやすいようにとご自宅を空けてくださったため、まだお子さんも小さいのでいろいろご不便をお掛けしたと思います。
Tさんありがとうございました。
悩んだタイルの色柄、貼り方もとても美しいです。
そして、伊藤さんにも今回大変お世話になりました。
あうんの呼吸できれいにまとめて頂けるというのは本当に頼もしくありがたいことです。
なかなかお見せすることの少ないシンク下の納まりですが、とても美しい。
(私たちのキッチンは、水漏れなどの何か故障があっても見やすいように、パネルなどで配管を隠すことなくほぼこのままにしちゃっています。)
2021.07.10
今日は汗が流れ続ける暑さでしたね。
でもお天気に恵まれたのは幸いでした。
その中でノガミ君とヒロセ君にMさんの本棚の設置に出かけてもらいました。
本棚のようなオープンの家具はシンプルな分、見せ方がなかなか難しいのです。
変に板が二重三重に重なっちゃうと野暮ったく見えるのですが、板を重ねないように作ると、現地で接着して組み立てていくことになるので、何かあった時に外せなくなっちゃう。
できれば造り付け家具でも万一の場合は外せるようにしたいなと考えているのです。
それで今回は3分割で制作して、左右上下に同じくらいの隙間を見ておいて、あとでチェリー材で埋める形で制作しました。
この写真だと分かりづらい部分でありますが、次回お伺いする機会ができましたら、その様子なども確認しておこうと思います。
Mさん、ありがとうございました。
私は中目黒まで。
土曜日となるとやはりこのような状況下でも人が多く感じますね。
人の気持ちがあふれる通りは見ていて温かで安心になりますが、安心とは裏腹に病が広がっていくのだとしたら、この状況でこれからどう過ごしてゆけば良いのか考えさせられますね。
Hさんといろいろお話している時間は有意義で楽しく、すてきな家具になりそうです。
気持ちを静かに、過ごす時間を大切に考えながら、どうしてゆけば良いのかと汗をだらだら流しながらぽつぽつと思うのです。
2021.07.09

家具材でもなかなか材が入りにくくなり始めていて、今回ようやく手に入ったナラ材を使って作らせて頂きました。
色の濃淡の幅が広い材達でしたので、あまりバラつきを出さないように上から下に向かって濃淡が緩やかに変化しているような木取りにしたことで、木の自然な色や表情がよく分かる仕上がりとなりました。
ホワイトオイルを擦り込む仕上げにしているので、素地に近いような印象で仕上がっています。
天板はコーリアンのアッシュコンクリートで全体的に少し彩度を抑えた印象で仕上がりました。
2021.07.08


そして、昨日と今日と取付工事を行なっていた代々木のTさんのところ。
昨日はお天気予報を見ながらハラハラしておりましたね。
戸建の2階のキッチンで、階段はオーソドックスに回り込んでいるタイプの階段。屋内からはかなり厳しい搬入になると思われるので、バルコニーからの想定で考えているのですが、この雨じゃなあ・・と寒川を出た時には困っておりましたが、現地につくころには雨もほぼ上がり、作業を始めて間もなく晴れ間が出てきました。
よいおこないよいおこない。
そして、元スタッフで今は一人でとてもたくましく頑張ってくれているコバヤシ君も取付に参加してくれて、制作を担当したワタナベ君と私とヒロセ君の4人で頑張って、ステンレスカウンターから始まってガスオーブンやガゲナウの食洗機をどうにか上げることができました。
内装工事はいつも頼もしいkotiの伊藤さんにお願いしてありましたので、無事に段取りは済んでおりましたので、あとは工房で組み上げた通りにうまくこの場所で組んでいくのです。ここからは3人にお任せして昨日の作業をひと通り済ませ、本日再びワタナベ君とヒロセ君とで作業に入ってもらって無事に設置が完了。
壁を挟み込むステンレスカウンターと言う少し変わった納まりの今回のキッチン。あとは伊藤さんのほうで少し特徴のあるタイルを張ってくれたり、つなぎ工事をして頂ければ工事完了の予定。
また週末にお邪魔させて頂きますね。

ちなみにTさんの以前のキッチンはこのような感じでした。
2021.07.08


やっとDさんのところにお伺いすることができましたね。3年越しです。
今月初め、「食洗機のドアが少し歪んでしまったようで・・」と大変久しぶりにご連絡を頂きまして、お伺いしてきたのです。
で、「お久しぶりです、Dさん。」とうれしい再会もつかの間いろいろと調べていくとどうやら私たちの手に負えないので、ASKOを取り扱うツナシマ商事さんに来て頂くことになりまして、本日その点検作業を行なったのでした。
原因はドアパネルのバランスの調整が取れていなくてドアが少し傾いてしまっていたということで、そのあたりの調整方法を教えて頂いて、無事に完了。
「実は食洗機だけではなくて、このデルタの水栓もちょっと不具合があったのですよ。でもそれは私が選んだ水栓ですので、イマイさんに連絡することなく、直接お店に連絡して部品を交換することで直ったんです。」
そうでしたか・・、いろいろありがとうございます。
Dさんのお話を聞かせて頂いて、いろいろと勉強になりました。
スタッフさんが点検作業をしてくれている間に、テーブルでこすりつけてしまったというサイドパネルの引っかき傷を布とアイロンを使って修復。
無垢のパネルだと結構深く見える傷もふんわりも戻るのです。
この復元作業は結構派手で、アイロンで水蒸気がじゅわーって蒸気を上げながら音を立てるので、板が割れちゃうんじゃない!?って皆さんおっかなびっくり見ていてくださるのですが、そのあと丁寧に拭いて磨いて蜜蝋やオイルを塗ると、ほとんど分からなくなりました。
「わー、うれしい。ありがとうございます!」
「それと、今日はイマイさんが撮影してくださるということで植木屋さんに相談したらこのドウダンツツジを選んでくださったのです。」とお嬢さんを寝かしつけた後に枝ぶりを整えてくださって。
楽しく使っている様子がよく分かりました。
何かあればこういうふうに駆け付けられる距離はやはり良いです。
また何かあればいつでもお声掛けくださいね。
それから、暮らしている様子の写真を制作例に追加しましたので、よろしければご覧になってくださいね。
「ストーリーテラー」町田 D様
2021.07.06

サッシが入っちゃうと搬入できなくなるから、ということで監督さんや大工さん皆さんにご協力いただいて天板を搬入したのが2月の半ばでした。
そして、4月の終わりに天井との納まりが関わってくるということで吊戸棚だけを取り付けまして、その間に階段とくっついちゃう玄関収納や壁と同化するような洗面収納とカウンターの追加工事をご依頼頂いて、本日ようやくカウンターとその下のキャビネットが設置できて無事に完了しました。
これだけ長い間現場に出入りしていたことは今までなかなかありませんでしたね。いろいろと大変良い勉強になりました。
あとはソファを設置して完了の予定です。
2021.07.05
今回掲載11回目の記事は、キッチンの床材についてのお話です。キッチンや家具のご相談をいただく時に床材のお話が出る機会が多いです。オーダーキッチンを検討されるお客様は、リビングから見たキッチンダイニングのインテリアの繋がりや一体感を重視されている方が多い印象があります。お家全体の予算がありますので、そのバランスの取り方も難しいところですが。
日刊Sumaiの他のライターさんも床材のついて書かれている方がいらっしゃいますので、見た目・インテリアの視点から、使用感の視点から、合わせて読むと参考になると思います。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
日刊Sumai → 住まい → 住まいのお役立ち情報 → 家づくり → 「キッチンの床に無垢材を使うと汚れが気になる?プロに聞きました」
写真はキッチンではありませんが我が家の赤松の床です。家族みんななるべく家では裸足で過ごしたいという希望がありました。節があると硬いのでなるべく無いようにしてもらいました。針葉樹は柔らかいので傷がつきやすいですが脚は疲れにくいです。また、空気を含むので冬場も冷たくなりにくいから床暖房を入れないのならお勧めだということで選びました。設計士さんの言う通りでした。自宅のオープンハウスをした際にも、「この床材は何ですか?床材はどういう風に決められましたか?」と必ずご質問を受けました。皆さん気になるポイントですよね。Instagramなどで見るおしゃれなお家は広葉樹の床のお宅が多い印象ですね。会社のショールームの床も松を使っていますので、気になる方はご参考にしてください。
2021.07.01

とても懐かしい印象の戸建て住宅に住むKさんご家族。
いろいろな形を探しながらも皆さんの温かな気持ちがそのまま表れたようなキッチンになりました。
お時間ございましたら、ぜひご覧頂けるとうれしいです。
2021.07.01
「チェリーとステンレスのオーダーキッチン」
茅ケ崎 K様
design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

ダイニングから見たキッチン全体の様子。リノベーション前は突きあたりのこげ茶色の扉と周りの壁の境が分かりづらいくらい暗さだったのです。手前のペニンシュラタイプのカウンターがあるところにもともとキッチンと対面カウンターがあって、さらに吊戸棚があったので、キッチンが独立した部屋のようになっていたのですね。それでリビングからの光がほとんど入らない間取りになっていました。

こちらは夕方にお邪魔させて頂いた時の様子。奥にもカップボードが見えますね。たしかナラ柾を使ってラッカーで赤茶色に仕上がっていたのでした。その色の印象がこの家にあっていてとても良いとおっしゃっていたKさんご家族の意見を踏まえて、全体の素材を選びました。ただ着色仕上げは私自身あまり望んでいないこともあって、次第にあの色に近づいていけるようにと、ブラックチェリーを使うことにしたいのです。色焼けが早い樹種なので、すぐに色は追いつくでしょう。

こちらはキッチンの奥から見た様子。レイアウトとしては、今までダイニング側に向いていたキッチンを反対向きにしたことで作業空間を広げることができたいと思います。キッチンと作業台や冷蔵庫との間の通路が少し狭いのですが、それを改善しようとすると、壁を大きくいじらないといけなくなりそうでしたので、今ある壁構造の中で何か最適なのかをみんなで考えていったのでした。
「はじめまして。Kと申します。
両親と娘(私)夫婦+子供2人の6名家族です。
築30年になる一戸建て住宅、1階キッチンのリフォームを考えております。
私の実家でもあるキッチンがいろいろと不備が出てきたため、ぼんやりとキッチンリフォームを考えていた時に友人から、遊びに行ったお宅のキッチンが素敵だった、寒川の方にある会社らしいとの話を聞き、ウェブから検索させていただきました。
ホームページを拝見し、とても素敵な雰囲気だったのでいろいろと想像を巡らせておりましたが、ついに水栓の調子が悪くなり、本格的にリフォームを進めることにいたしました。
現在はⅡ型(セパレートタイプ)ですが、L型もしくはI型+アイランド(小さめの作業台)をイメージしています。
リフォーム会社も決めておらず詳細は未定なのですが、カタログをいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。」
Kさんからキッチンカタログを希望されるメールを頂きました。
ちょうどこの頃、湘南T-SITEさんからお誘いを頂いて、キッチンの展示を行なうお話が進んでいて、なかなか慌ただしい時期だったのを思い出します。
さっそくKさんにお送り致しました。
このカタログ、作り始めてからもう9年も経つのですね。自分でもびっくり。
現在はVol.1とVol.2という2冊を作っていて、それを皆さんにお送りしているのですが、内容がカタログというには何だか曖昧な中身だったVol.1をもう少し資料としてみんなに読んでもらえるようにと、昨年の5月に刷新して、その2冊を皆さんにお渡ししています。
最初の頃はほぼ手作りでして、原稿をWordで作って(今でもWordですが)それをコピー機に読み込ませて、両面印刷できるように編集して(コピー機素晴らしい)、少し厚めの紙を購入して、A3用紙で50部くらい印刷しては
それを折ってA4の冊子にして、ホッチキスで止めて、真ん中あたりの紙が出っ張っちゃうのをカッターで裁断して、とすべて手作業でしたね。
ありがたいことに応募してくださる方が増えて在庫がなくなってくると、ああ、刷らなくちゃと思いながらちまちま作っておりました。(結構指が痛くなるのです。)
ある時、印刷屋さんにお願いしたほうがいろいろとメリットがあることが分かり、(もっと早くに気が付ければよかった・・)今では原稿の作成だけを行なう形でやっておりますが、相変わらずちまちまと作り続けて9年が経ったのですね。時間が経つのは早い。
あれからいろいろなキッチンを作らせて頂いているので、また新しいものを作らないといけないなと思いながらも、なかなかはかどらない日々でございます。
基本的にウェブサイトの内容をコンパクトにまとめただけですので目新しいことは特にないのですが、(私とアキコの小話が載っていることくらいが新しい部分でしょうか。)私たちのキッチンが気軽に皆さんに見てもらえたらと思って、地域を問わず皆さんにお送りしているのですが、実際にキッチンを作らせて頂ける範囲としては、私たちが通える距離までのご対応とさせて頂いているので、と奥は北海道や沖縄県からもご応募があって実際に作らせて頂くことは難しいところが少し残念なところでもあります。でもそれを見てもらって良いキッチンになったらうれしいなあと思いましたら、今日もちまちまお送りしております。

最初のスケッチ。キッチンとアイランドカウンター、そして、食器棚のイメージや配置が決まってきた頃です。

はじめの頃はアイランドカウンターが付く壁の横にあるガス暖房やインターフォンをいろいろ動かそうかと考えていた時もありました。
そうして、カタログをお送りしてまもなくKさんからご連絡を頂きました。
「フリーハンドイマイ様
先日カタログをお願いした茅ヶ崎のKです。
早々に送っていただきありがとうございました。
ホームページでも何回も拝見していましたがカタログを見て、やはりイマイさんのキッチンにしたいと思っております。
家は積水ハウスで建てており、今までのメンテナンスも積水リフォームさんにお願いしておりました。
ですので、積水リフォームにも相談、見積をお願いする予定です。
ただ今回のリフォームは、家全体というよりキッチンのリフォームがメインですので、もし見積だけでも可能であればイマイさんが懇意にされている工務店さんなどご紹介いただけますでしょうか。
キッチンのイメージはわいているのですが、現在の壁をどのくらい変更(壁をなくす、動かすなど)していいものなのか、もっといいレイアウトがあるのではないかと素人にはわからないこともあり、まだ漠然としている状態です。今後どのように進めたらよいのかも含めご相談したいと思っております。
よろしくお願いいたします。」

キッチン全体の様子。奥に勝手口があるのが幸いでした。このキッチンスペース自体がかなりコンパクトなので、勝手口を出た先もゴミの収納場所として充てたりと、室内だけでなく、この空間全体でうまく使えるようにあれこれ思案したのです。

吊戸棚の様子。吊戸棚の戸は引き戸です。通路が狭いので、開き扉にすると、お母様とT子さんが一緒に建ったりすると開け閉めの際にかなり窮屈になりそうでしたので。特にお二人とも背が高いのでより圧迫感を感じることになりそうなので、そういう時は引き戸が使いやすいですよね。開けっ放しにして使うこともできますので。

中はこのような感じ。引き戸は特に金物は使わずに戸の下に戸車を入れるだけのシンプルな構造。

今回はレンジフードとガスコンロはまだ交換して間もないということでしたので、そのまま活用することに。伊藤さんがきれいに磨いてくれたおかげで見違えるほどきれいになりました。そのレンジフードの上には同じチェリー材でパネルを作っています。

引き戸の下はオープン棚。

そのオープン棚ですが、左側はちょうどシンクの真上に来ます。手元が暗くなったり、圧迫感が出るので、シンクの上にこのくらいの高さまで下げた棚を設けることは少なかったりします。

しかし、棚面をパイプにすることで水切り棚のように使っているのです。これから洗ってすぐに塗れたものもここで乾かすことができますので。

手元照明としては棚の中に埋め込む形ではなく、後付けタイプの素朴だけれど野暮ったくないデザインの照明。どこか懐かしい印象になりました。そしてその奥には調理道具を引っかけておけるようにステンレスのパイプをつけています。
うれしいご相談です。
私たちがこうであったら良いなというお仕事の形です。
私たちは家具やキッチンは作ることができても家作りまではもちろんできません。そうなるといつもいろいろな設計士さんや工務店さんにお世話になるのですが、ときにはいつも一緒に仕事をしている設計士さんや工務店さんとできたら、あうんの呼吸で楽しいだろうなと思っていたのです。
そこでまずはKさんのイメージを知りたいと思いました。どういう室内空間が好みなのか、どんなキッチンが好きなのか。形はいろいろありますが、まずはその人の持っている空気を知りたいのです。
そして、個人的には茅ケ崎という場所もありましたし、ちょうど渡した自宅を建てて間もなかったこともあって、自宅を設計してくれた茅ヶ崎在住のMA設計室の福原さんにお願いしたいなと思っていたのです。
さらにはKさんのメールの中に中村好文さんのお名前が挙がっていたこともあって、少しご縁のある福原さんならKさんのキッチンを快適な形にしてくれるのではないかと思ったのです。
そこで、まずは福原さんにも相談しましたら快く引き受けてくださって、一緒に打ち合わせにいらして頂けることになったのでした。

こちらはキッチンの様子。今回、キッチンは通路幅をきちんと確保しなければいけないかったので、奥行き60センチとコンパクトなキッチンにしています。食洗機も奥行60センチ対応のパナソニックのものにしまして、正面がグレーになってしまうので、ちょっと淋しいなと思いまして、DIY的なやり方で、チェリー材をつけたのです。

シンク周りの印象。水栓はお母様の希望もあって、リクシルのナビッシュ。センサー付きなので使いやすいと好評でした。

シンク前には長いステンレスのハンガーパイプをつけています。ごみを捨てる時にタオルが邪魔になったら、カーテンのようにすっと横にずらしましょう、という使い方。それからシンク前のチェリーの板に黒っぽいスジがついているのが見えますでしょうか。あれは洗剤が垂れてそのまま乾いてしまったため、チェリー材のタンニンと反応して黒くなってしまったものです。レモン汁を擦り込むと中和されて色が目立たなくなるのです。ちょうど反対面のカウンターでもそういった黒いシミができてしまったので、Kさんにメンテナンス方法をお伝えして、きれいにすることができました。そういうふうに使っていくとだんだんとその人なりの良い印象になっていくのです。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

今回キッチンカウンターの奥は30ミリほど立ち上げる形にしました。この形を通称バックガードと呼んでいます。バックガードを作る場合は、ステンレス板を折り曲げて上方に延ばすので、バックガードが無い場合はタイル目地やコーキングに水が掛かったまま放置していると劣化してしまう可能性がある部分でも、水が浸みこむことがないので安心な作りとなります。最初はキッチンの手前にも水が流れないような水返しをつけるかどうかも検討しましたが、手前にうっかり水が流れることは少ないだろうということで、返しはつけませんでした。

今回、キッチンのサイズが2260ミリくらいとかなりコンパクトになったので、コンロ下の引き出しは右壁いっぱいに広くして使いたいということで、調味料用の引き出しはこの小さなものにしています。

コンロ下の引き出しの様子。

コンロ下の引き出しの様子。
お話が変わりますが、ちょうどその週末から湘南T-SITEで「湘南料理道具市」が始まりました。
このあたりに住む皆さんによく知って頂きたいという思いで参加させて頂けることになったこのイベントですが、いろいろと考えていくうちに10年前に今の形にできあがった工房2階の展示室をこれを機に新しくしようという話が出てきたのです。それならば、ステンレスを使ったキッチンも魅力的だけれど、思いきって自分が好きな形でキッチンを表現してみたいと思いまして、道具市で展示させて頂くキッチンは少し懐かしい(少し昔のツヤのない石の台所のような印象)感じに仕上げたのでした。
そのキッチンやイベントの様子をKさん突然お母様と一緒に見に来て下さって、いろいろと楽しそうに話をされていったのでした。
なるほど、いろいろとおもしろそうなキッチンになりそう。
そういう印象を持って福原さんと一緒にKさんのところまで後日打ち合わせに伺わせて頂きました。

こちらがペニンシュラ型のカウンター。キッチン側とダイニング側の両側から収納できるようにしています。そして、一番重要だと考えていたのが、今までほこりをかぶって対面カウンターの隅に置かれていた通信機器をこの中にキチンtのしまえるようにしたい、ということでした。

ダイニング側の引き出しの様子。文房具ケースになっていますね。

ダイニング側の引き出しの様子。薬箱になっていますね。

そして、ここに通信機器。もともとは別の壁についていたのですが、この位置にコンセントを移設して、ホコリが付きにくいように収納してしまいました。たしょうWifiの感度が悪くなりますので、1階専用のルーターが入っていて、2階にも中継器を置けるような電気・電話工事をしてもらいました。 リモートで自宅で仕事をされる機会も多いご主人からも強い要望があったので、中継器を入れることで途切れることなくスムーズに回線がつながるようになったということです。

通信機器の上はノートパソコンや様子などPC関連のものが閉まるようにしています。

反対の左側は書類がしまわれています。

引手は懐かしい印象を出せるようにと考えてみました。
積水さんで建てられたというそこかしこに懐かしい印象の戸建て住宅。
さっそくダイニングに案内させて頂きました。
かなり広い家なのですが、何というかダイニングがうーん、狭い。(ごめんなさい、Kさん)
今までもいろいろなリビングダイニングを拝見させて頂きましたが、やはりだんだんと年を重ねてくると、増えたものを片付けることが大変になってくるのですよね。私も両親を見ていて時々そう思う時もあったりします。片づけるという気持ちを持ち続けることもなかなか大変だと思います。
で、主役は娘さんのT子さん。娘さんと言ってもわたしたちに年代が近いのでとてもお話の間隔が近くて何となくご近所さんのところにお茶を飲みに来てしまった感じ。
それで、この徐々に積み重なっていくものたちを整理したいことと、くたびれてしまったキッチンがいよいよ水栓が壊れ始めてしまったということで私たちを呼んでくださったのでした。

キッチン側面の様子です。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

一番下は扉です。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

お母様は必ずガスでご飯を炊きたい、ということで、ガス栓を設置。美味しいですものね。私が高校生でアルバイトをしていたお店でもご飯は必ずガス炊飯でした。
ただ一つ、お話を進めていくと難しい点がありました。
ツーバイフォーで建てられた空間だったのです。
以前にもそういう作りの空間をリノベーションできるかというお話が何度かありましたが、そのたびに設計士さんに相談すると「ツーバイフォーですか・・。」となぜか声が小さくなっていくのでした。
私自身、情けないことに建築にあまり詳しくない部分もあったりして、よく聞く「ツーバイフォー」がどうして困難なのかがはっきりとは分かっていない部分がありました。
それで、今回同席してくれた福原さんとその点を含めていろいろと相談することに。
いろいろ現地を見聞きしながら検討していくと、「ツーバイフォー」とは壁面全体で耐力を作る構造なので、リノベーションでの間取りの変更がかなり難しいのだそうです。
私としては、Kさんの今までのお話を聞くと、ぜひ福原さんの空間や空気感を感じてもらえたらうれしいなと思っていたのですが、空間構成を変えることが難しいとなると、できるのは内装で印象や生活スタイルを変えてゆくことでした。
そうなると設計士さんとして醍醐味を味わって頂くことも難しくなるのでした。
「イマイ君なら内装でKさんのイメージや暮らしかたの希望を実現させることはできると思うから大丈夫だよ。楽しみにしていますよ。」といつも兄のように(居ませんが)支えてくれる福原さんの言葉を聞いて、私自身気持ちに整理をつけて福原さんの代わりにキッチン全体の印象作りを担当させて頂くことになりました。
ただ、内装の作り方など建築的な納まりは私には分からないので、ここはいつも一緒に仕事をさせて頂いている設計士兼現場施工を請け負ってくださるkotiさんにお願いすることになりました。
kotiの伊藤さんは、以前にご自宅のキッチンを作らせて頂いたりしていて、あうんの呼吸というと大げさですが、とても親身に相談に載ってくださるので仕事がしやすいのでした。
そこでまずは間取りを変えることなく、ダイニングキッチンをどのようにしたらKさんご家族にとって使いやすいのかをKさんと、時々お母さんも一緒に打ち合わせていきました。

こちらは食器棚の様子。食器棚とキッチンの吊戸は少し離れてはいますが、微妙な距離感を保っているので、印象をまとめたいと思いまして、チェリーの引き戸の高さをキッチンの吊戸棚と食器棚とで高さを揃えています。言われて初めて「なるほど。」と思えるくらいのことなのですが、このラインを通せたことで結構まとまりが出たのではないかと自画自賛しております。

上部の引き戸の様子。この食器棚左側面に触れている針は当初からの梁で、これがキッチン入り口を支える大事な構造になっています。
まず、このダイニングに来て思ったのはキッチンがとても暗かったのです。
キッチンとは壁を挟んだ部屋のリビングは庭先からの日差しがたっぷり入るのでレースを掛けていてもとても明るく心地良いのですが、壁一枚があることで、光はもちろん回り込んでこないので、昼間でも蛍光灯をつけないと手元が暗いほどなのでした。
そこで、構造の強度を変えることなく壁を抜ける部分を伊藤さんと考えて、まずはダイニングに向いて付いていたキッチンを反対の壁に向けることにして、もともとついていたキッチン上の吊戸棚とその吊戸棚がついていた壁を取り払うことにしたのです。
壁を取る代わりに梁を補強しましたが、以前よりも明るい空間に変えることができました。
また、そのキッチンの手前についていたキッチン対面カウンターが大きすぎてダイニングを圧迫していました。それがダイニングが狭く感じる要因でしたので、キッチンを撤去する際にカウンターも撤去して、代わりに今までなかった作業スペースを確保するためにペニンシュラタイプの下が収納になっている作業台を設けたのです。
これで広く明るいキッチンにすることができました。

食器棚下の様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。

引き出しの様子。根菜たち。最初はキッチンのペニンシュラのカウンターの扉部分にしまおうかというお話が出ていたのですが、結果的にはここに居ります。
で、その時にお母さんとお話になったエピソードがあります。
まずリノベーションは解体することから始めます。
伊藤さんと大工さんのお二人で、キッチン周りを手早く解体されて、まもなく解体が終わるかなという頃に、キッチンがきれいに納まるかどうかを確認するために現場を訪れました。
「イマイさん、Kさんがちょっとご相談があるそうなのですよ。」と伊藤さん。
別室で過ごされていたKさんにお声掛けすると、「イマイさん、もう工事が始まっているのに、こんなタイミングでごめんなさいね。実は母からお願いがあるそうなのです。」と。
「いや、別に私はいいんだけれどもったいないじゃない。まだきれいな板だし、今までここで使ってきた思いもあるから、新しい間取りでもどこかで生かせないものかしらと思って。でもあなた(T子さんのこと)が要らないっていうのならいいのよ。」とお母様。
「ええ、さっき要るって言ったじゃないの。どっちなの。」とT子さん。
何だか楽しそうです。
そこに伊藤さんもやってきてくれて、「じゃあ、せっかくだから少し使えるように考えてみます。」とお伝えして、構造上動かしづらかった電話のモジュラージャックがそのまま残ることになったので、その場所に電話が置けるような小さなカウンターを作ることにしたのです。
「伊藤さん、すみませんがここに下地を入れておいていただけますか。インロウで固定する小さなカウンターにしようと思いまして。」ということで、そのキッチンカウンターを一度預からせて頂いて、小さく長さをカットして、カット面を正面の木口の面取りのデザインと揃えて塗装も揃えて、最初からこのサイズだったかのようにして壁の隅っこに取り付けさせて頂きました。
そのできあがりを見たお母様。
「あら、これがあのカウンターだったの。全然気が付かなかったわ。てっきり捨てちゃったのかと思っていたのよ、ほほほ。」と。
「もう、何言ってるの、お母さん。」とT子さん。
やっぱり楽しそうです。
そのようなわけで、お父様とお母様がこの長く過ごされたこの場所の空気感は残しつつ、私やT子さんの好きな好文さんの印象(私の思う印象は、素朴で、材やテイストにとらわれず、その使う人が気持ち良い形を提案してくださるという印象。そして少し懐かしい印象。)を大切にキッチンを作らせて頂きました。

「あら、これがあのカウンターなの、気が付かなかったわ。」とお母様が要っていたカウンターが写真の一番右端に電話が載っているところのものになります。良い位置に良い大きさで残すことができました。
キッチンの設置も終わり、あとは伊藤さんのほうの仕上げ工事が少しという頃にT子さんからもうれしいご連絡を頂きました。
「フリーハンドイマイ 今井様
いつもお世話になっております。
本日、ほぼ工事が終了しました。
やっぱりあっちの方がよかったかな、もっとこうすればよかったかな・・と、正直いろいろ考えてしまっていたのですが、先ほどシートなども外されて全体が見えたらそれが一気に吹き飛んだと言いますか、やっぱりこれでよかったと思うキッチンでした!
新しいキッチンの収納はよく考えてゆっくりやろうと話しているので、まだ次回お会いできる時も落ち着いてないかもしれません。笑
打ち合わせの内容がころころ変わったり、工事が始まったのにまだ迷ったりと、本当に本当にご迷惑をおかけしております。
伊藤様にも大変お世話になり(明日もいらっしゃいますが)いろいろと無理を聞いていただきました。
とても丁寧に仕事をしてくださり感謝です。
伊藤様をご紹介してくださりありがとうございました。
最後の仕上げ工事もよろしくお願いいたします。」
それと今回はキッチンの工事と一緒に一緒に2階のお子さんたちの部屋をきれいにして、お姉ちゃんとお兄ちゃんが個室を持てるようにそれぞれの個室を作ったりと、キッチンから始まって、いろんなところまで手を加えさせて頂いて、心地の良い新たな風が通る空間ができあがったのでした。
「フリーハンドイマイ 今井様
お世話になっております。
本日もありがとうございました。
あれからレモンをかけてみましたら、作業台のシミも洗剤のシミもビックリするほどきれいに落ちました。
お手入れ方法も教えていただきましたのでメンテナンスしながら丁寧に、かつ、気持ちよく使い込んでいきたいと思います。
さっそくホームページの写真を拝見しました。
なんだか素敵に撮っていただき恐縮です。
母に、素敵に写っていると教えると、実際に素敵じゃない!と申しておりました。
それから、最後にお願いしたまな板は、ある時から母は使わなくなってしまって後悔していたようなので生まれ変わり喜んでいました。
また困ったことなどありましたらご連絡させていただきます。
それでは今後ともよろしくお願い致します。」

こちらは、削り直しをお願いされたまな板。削っていたら、目印が取れちゃったので、何となく思えている感じで、かぶとお魚を焼きペンで描いてみました。せっかくなので、お魚はひれにスジを書き加えてあります。また、持ち手も粉をふいていたので、一度外したらコンパウンドで研磨したら結構きれいになったのでした。
そういえば、まな板をお届けした時にお茶を頂きながら、T子さん、このようなお話をしてくださいました。
2020年11月11日の日記より「Kさんのチェリーのキッチンふたたびみたび」
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・・・なぜKさんが私たちにキッチンのオーダーをくださることになったのかお話してくださいました。
「幼稚園のママ友だちで集まった時にリフォームのお話になったのです。もともとこの家を建てた工務店さんに依頼する方法もあったのだと思うのですが、その友だちの話を聞いていると、遊びに行く家々のキッチンが寒川の家具屋さんがどうやら作ったらしいよ‥、という話になって。興味もあったし、何度もその家具屋さんが登場するなんてミステリアスでして。
ちょうどその頃から母がここをきちんとリフォームしたい、っていう話は出ていたのです。
それで私もその家具屋さんを調べてみたら、あぁいいなあと思えたのです。
父はやはり建てたところに依頼することが安心、っていう気持ちはあったようですが、私自身、以前に少しキッチンの仕事に携わっていたこともあって工務店さんと相性にどこか疑問を感じていたところもあったので、良いところがあったらと思っていた時にイマイさんを知ってその魅力を感じたのです。」
とてもうれしいお言葉。
たしかに茅ヶ崎では以前に何件も魅力的なみなさんのキッチンを作らせて頂きました。
みんなどこかでつながっているのだなあ。
そういうふうにいろいろなところでのご縁があって今があるのです。
大変ありがたいことです。
Kさん、また何かありましたらいつでもお声掛けください。
これからもよろしくお願い致します。
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ミステリアスな家具屋はすてきだねえ。
キッチン仕上
| 天板 |
ステンレスヘアライン |
| 扉・前板 |
チェリー板目突板 |
| 本体外側 |
チェリー板目突板 |
| 本体内側 |
ポリエステル化粧板 |
| 塗装 |
オイル塗装仕上げ |
チェリーとステンレスヘアラインのI型キッチンと吊戸棚
価格:1,100,000円(制作費・塗装費、設備機器費用は別)
チェリーの作業台
価格:520,000円(制作費・塗装費)
チェリーの食器棚
価格:510,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は180,000円から)
2021.06.30




もうすぐで6年が経つ所沢のUさんのお宅に再び訪問させて頂いたのは、桜が少しずつ散り始めた頃でしたね。
6年前に(奥様の)お母さんのところに作らせて頂いたテレビボードはだいぶ色濃くなっていて、「孫たちがいたずらするから少しずつ傷んじゃったのですよ。」とおっしゃっていたので、この納品に合わせて凹んだ部分は面取りしてきれいに仕上げ直しました。
今日も6年前と同じくアキコと納品です。
お土産には採れたてのきゅうりとナス。今回のメインのお仕事である2階の子世帯のダイニングにこのベイマツのキャビネットを納品させて頂きました。
こちらは(ご主人の)お母様に毎日きちんと気軽にありがとうとご挨拶させて頂くための家具。
隣にあるずっと愛着を持って使ってきたベイマツのカップボードの風合いにはまだ及びませんが、オイルを塗って丁寧に使ってゆくと、いつの間にか隣同士良い色になっているはず。
ツマミも真鍮を磨いて仕上げたものですので、良い色になっていきます。
時間を経ることは素晴らしいことと思えますよね。
Uさん、ありがとうございました。
2021.06.30

先日のキッチンに引き続き、昨日は追加でご依頼頂いていたダイニングテーブルを納品しました。
これでM様の家具の設置はすべて完了。
来週から下旬にかけては以前荷揚げした4メートルを超えるステンレス天板のキッチンの設置と、キッチン周りのリノベーションを行なうお二方のお宅に伺う予定になっていて、その準備で工房内はたいへん慌ただしくなっております。
キッチンもきれいにクリーニング済みでしたので、写真を撮らせて頂きました。
サッシ枠に入り込んでさらにはオーブンなどがある家電タワーとの仕切になるサイドパネルにつながっていくカウンターの様子や、バイブレーションで仕上げた扉とレンジフード、食器棚のほうは、大量のケーブル類が格納されている分電盤が入っていたり、冷蔵庫の上にエアコンも組み込まれたりと難しい納まりばかりでした。
無事に納まって良かったよかった。





2021.06.27
先日納品が終わった大きなキッチン。
今回初めて安多化粧合板さんの「大雪山のナラ」を使わせてもらったのですが、とても美しい表情でしたね。
突板にもいろいろと見せ方があるのだなあと勉強になったお仕事でもありました。
今回追加でお話を頂いたダイニングテーブルも同じく「大雪山のナラ」でと、ご相談を頂いて形になりつつあります。
これが納品されたらすべて完了となります。
2021.06.27

昨年の自動鉋盤を最初にこのところ機械を入れ替えることが多くなっています。
私自身実際の制作作業から離れて、このところはもっぱら打ち合わせや設計のほうになっているので、どのくらい機械がくたびれているのかみんな伝手に聞いていたのですが、もうだいぶ年を取っていたのですね。
私が下で作業をしている当時からパネルソーのおもりがドカンという音を立てながら動く時期もあったし、となるメーカーさんの依頼で知らずに金属をカットすることになって刃軸が曲がってしまったこともありました。
思えば私がこの仕事を初めて3~4年くらいの頃にやってきた以前の市川のパネルソーはそろそろ四半世紀が経つのでした。
交換備品が手に入りにくくなったことと、メンテナンス性も勝手が悪い部分があることを考えて、田中のパネルソーに。
あわせて、角ノミも軸が曲がってきて、こちらの調整も一度ばらしてみないと何とも言えない部分がありまして、思い切って交換することに。各ノミは初代の工房(門沢橋にあった頃)のものなのでもう40年近く経つのでしょうか。
新しいものは油圧式で動作が軽いというのを今さらながら知ったのでした。
そして、今は横切り盤の調整をお願いしていて、静岡から鈴木機械さんがやってきてくださって、にぎやかに入れ替えていってくださいました。
大事に使っていきます。
2021.06.27
最近ゴロゴロしてばっかり。
駐車場の上で鳥が子育てしていて、中からもピーピー子供たちの鳴く声とかつかつせわしなく動く親の音が聞こえておりました。
彼も気が付いているはず。
最近は、またツバメもやってきているようです。
にぎやかですね。
2021.06.26
「タモ板目のキッチンカウンター収納と食器棚のオーダー」
浦和 S様
design:Sさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

リビングから見た様子。建具も最初は交換するかどうかのお話が出ていたそうですが、建具枠も関わってくるので変えるとなると大掛かりな工事になるので、このままにすることに。濃い色がどのように見えてしまうか気にされていましたが、床を変えたことで全体的に明るい調子になったので、かえって濃い差し色が映える印象になりました。

途中で追加でご依頼頂いたダイニングテーブルはしっかりした作りしたいということで、タモよりも堅いナラ材で制作しました。これで、食器棚とキッチンカウンター、ダイニングテーブルとが明るい磯見になって部屋全体が整いましたね。

フローリングは最初樹脂シート仕上げ(もしくはうす突板ウレタン塗装仕上げだったかな?)のものになりそうだったのですが、他を削減してもここはコストを掛けたほうが良いと思いますとお話させて頂いて無垢のフローリングに。やはり足触りが違って、心地いいのですよね。塗装もウレタン塗装が厚めの塗膜になっているタイプだとひんやりしたり、あとは長く使っているとべたつきを感じたり。無垢のもののほうがそうなっても自分で磨いたり手入れしやすかったりするので、ぜひ、とSさんにはお話させて頂いたのでした。やはりそうしてよかったですね。
「今井様。
今回、築19年マンションの居住中、夏休み前半を利用して水廻り3箇所のリフォームを計画中です。
これを機によくあるマンションのキッチンカウンターを解体し、流し台の反対側→リビングから見ますと、換気扇裏側から流し台の裏側まで(約2m48cm)に、A4縦のファイリングスペース(引戸または観音扉)と換気扇裏側の壁あたりにワークスペース(ノートパソコン)を生み出したいと思っております。
まだ検討段階で案が固まっておりませんが、原案を2パターン添付させていただきます。
テーブルの位置は縦置き、横置き、こちらも答えは出ておりませんが、父子男子3人の廊下からソファまでの導線を考えるとテーブルはこの向きなのかな?と思案中です。
(可能でしたら、アドバイスをいただけるとうれしいです。)
さて、お見積をいただきたいものは、上記のものと食器棚です。
キッチン背面の食器棚は、冷蔵庫横の壁から計りますと幅163~165cmです。
吊り戸棚込の金額をお願いします。
今のところ、ナラ材を使用したいのですが、床、建具がチョコレート色で、相性を心配しておりましたが、昨日届きましたカタログを拝見しましたら、近いものがありましてかなり参考になりました。
ハウスメーカーさんとの次回打ち合わせは、3月8日に予定しておりますので、できることとできないことの確認を致しますね。
なお予算の関係上、お願いいたします内容の優先順位としましては、「①A4キャビネット&ワークスペース」「②食器棚」となります。
ざっくりなご説明で情報が不足していることと思いますので、後日お電話にてお話させていただきたく存じます。ご都合の悪い時間帯などありましたらお知らせください。」

こちらがリフォーム前の入居当時の様子。少し前のマンションはこの濃い色につやのある仕上げが流行っていましたね。

頂いた2つのパターン。キッチンの対面カウンターの部分に収納を作るか、西面の壁ぞに収納を作るか・・。暮らしの動線によって使い勝手が大きく変わってきますね。
Sさんからメールをいただきました。
これは、家具のご相談というよりも暮らしかたのご相談ですね。
そうなると、漠然とイメージしているものが本当にその人のその家族の思い描く暮らしとなるかどうか、そしてそれが予算に見合った形となるかどうかいろいろとお話ししないといけないことがあるのです。
「S様。
フリーハンドイマイの今井大輔です。
さっそくのご連絡ありがとうございます。
今回リフォームにてご検討されているのは、オーダーキッチンではなく、「A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク」と「食器棚」の2台の家具をご検討くださっているということですね。ありがとうございます。
デスクを使われるのはご家族のどなたになるか、A4サイズのものはご家族どなたのものをしまうことが多くなるのかによって、レイアウトも変わってくるのではないかと思っております。
例えば、デスクをメインに使うのはご主人になるなどご家族お一人がメインで使う場合は、1枚目の写真のようにキッチンの背面に収納をデスクと収納をつける形でも良いかと思いますが、
ご家族皆さんで共有する場合は、壁に接する形のほうが使いやすいかもしれません。
また、ご家族皆さんで使う場合は、スペースが許すなら可能でしたら収納とダイニングテーブルは離して、ぐるりと回れるようにして、
どこからでも収納にアクセスしやすいかたちでさらに開け閉めしやすいように引き戸になっていると使いやすいかもしれません。
コスト優先で考えるなら開き扉が一番加工手間が掛からないので費用を抑えることができます。また、少し変わった方法として、引き出しに吊り下げ式にしてファイルをしまうお客様もいらっしゃいます。
皆さんのいろんな考え方があると思いますので、またその作り方によって大きく費用も変わってくると思われます。
可能でしたら、簡単なものでも構いませんのでスケッチを描いて、それを写真に撮ってお送りいただければ幸いです。
食器棚についても、扉の形状や引き出しの有無、家電をどのように置きたいかなど具体的に書いて頂けますと幸いです。
その内容を基に製作金額を見積もってみたいと思います。
また、ファイル収納やデスク、食器棚の場合は、リフォーム後の工事でも大丈夫ですので、ハウスメーカーさんの仕上げやすい方法でリフォームを行なって頂いて、そのスペースに合わせて私たちのほうで家具を設計できますので、
特に家具に合わせてお部屋を調整して頂いたりしなくても大丈夫だと考えております。
(オーダーキッチンの場合は、配管の方法や設備機器について、施工が難しいレイアウトや導入が難しい機器もあったりしますので確認が必要と考えておりますが、収納家具でしたら大丈夫です。)
それでは、ご検討くださいますようよろしくお願い致します。」

食器棚の吊戸棚についているオープン棚部分。奥に見えるのは私たちの小さなものづくりのイベント「クレミル」で作ったクリスマスツリー。
いつも長々とメールをしてしまうことが多いのですが、これはもちろんSさんの暮らし方を想像しながら描いたものでありますが、それと同時に自分のためでもあったりして、自分の中でその人に形をどのように考えていきたいかを書き出している作業でもあります。
それと、確認事項をきちんと書いておくとあとで忘れがちになっちゃっても見返せますので。

食器棚のイメージは「つたえる楽しさむずかしさ」のTさんのイメージを参考にしながら組み立てていきました。引き出しが多いかたちなのです。
「イマイ様、説明下手ですみません。
◆A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク
◆食器棚
ご依頼はこの2点のお見積り金額です。
A4縦については子供の塾のファイリングで、4教科分の保存ボックスが2名分と本などです。各ボックスから毎日取り出したり、しまったりを繰り返します。
宿題はダイニングテーブルでします。テーブルはリフォームを機に買い替える予定で考えています。(テーブル横幅170cm前後、商品未決定)
LAN配線、電話配線、文具類も片付けます。
作業スペースではノート型PCを週末のみ夫または子供が使用します。
食器棚は添付画像が希望に近いです。(取手はご相談)
キッチン流し台横、廊下側にニッチを作ります。
収納の続きで全面ナラ材にするパターン、もしくは壁紙で仕上げるパターンにする場合は底面と背面をナラ材で仕上げたいです。
この辺りはハウスメーカーさんとのご相談が必要になってきますよね。
昨日いただいたイマイさんのメールを読み進めますと、真摯に向き合ってくださることが伺え、とても安心しました。
まずは、私が頭の中にある考えや、形にできないもの、空間で考えられないもの、書き出してお伝えしてみようと思います。
少しお時間いただきますね。」

一番左上部はトースターをしまうスライドテーブル。このテーブル使いやすいのですが、やはり一長一短あって、今までに引き出し忘れて使ってしまったという方もいらっしゃって、そうなると上面の木がひび割れちゃったりするので、カウンターの上に余裕があればなるべくでしたら上に置くほうが良いかなあと・・。もしくは使う時だけ上にあげて使うとか。炊飯器だとコードがくるくる巻けるのでそれも使いやすいのですが、トースターだとコードもぶらぶらしちゃうからその都度動かすのは手間ですので、そのあたりは皆さんの暮らし方、見せ方といつも相談しながら決めております。

その下は深めの引き出し。

一番下は混酸をしまうバスケット。この根菜バスケットも意見が分かれますね。この場所だと使いやすいというかたと、もっと冷えた場所(玄関など)に置く方が持ちが良いからというかたと。皆さんの暮らし方がよく分かっておもしろい。ですので、マンションにお住まいの方はこの形が比較的多かったりします。
はじまり、はじまり。
Sさんとの長い長い旅が始まります。
だんだんとSさんご家族の様子が目に浮かんできますね。
ここまでご意見を頂いた中から私が言えることは私が自分の家族を持って暮らしてきたその内容です。
具体的には子供の勉強机は小学校のうちは要らないかなと思っていること、リビングに作るデスクをきちんと活用するにはきちんとした計画がないと難しいと感じていること、収納を作っても使いにくい位置に作ると、機能的に使えなくなると思うこと、奥行の狭い家具の場合には引き出しを設ける必要があるかどうかはその人の暮らし方によること、などなど思うことをお伝えしていきます。
(それぞれの思いはきっとどこかの制作例に書いたことがあることばかりです。もしよかったら皆さん見付けてみてくださいね。)
そのよい部分、良くない部分、自分で思うこと、皆さんから教わったこと、すべてを伝えて、その中からそこで暮らし人、家族にとって必要なことを選んで頂くことで形はおのずと決まっていきます。
そして、一番思うのは「格好つけた形」にはしたくないなあと思うのです。もちろん、頂いた選択をただ組み合わせるだけではちぐはぐな形になってしまうことがありますので、そこは私なりに整えるのですが、見た目を優先して考えた形ではなくて、使い方を考えてできあがった形にしたいと思うのです。そしてその方が美しい。
その人にとって使いやすい形になると、暮らしかたが心地よくなります。
気分よく過ごす時間が持てます。
家具の良いところは、できあがった形の美しさだけではなく、やはり心地よい時間や空間を与えてくれることが大きいのではないかと思うのです。
そして、そういうふうにいろいろな自分や家族の仕草やクセ、好みや動きを考えることは家具の形を考えるためだけではなく、そこで暮らすかたちを見つめ直すことにもつながるのです。
・・・この家具がここに来るならこういうふうに暮らしていきたいな、それにはあれはここには不要で、代わりにこれがここには必要。
そうするとその時間がこの時間に充てられるかも・・。
というように。
そう言うやり取りをさせて頂いているうちに、だんだんとSさん、いろいろなことを調べ始めるのでした。

中央の引き出しの一番上は作業ができるようなテーブル。カウンターと同じ高さにはならないので少し低めになりますが、やはりカウンターだけだと作業するのに狭いという皆さんには好まれる形です。

こちらはその下の引き出し。おもしろいのは上の方と下のほうでスライドレールを変えているところ。こちらはヨコ面につける通常のベアリングタイプのレール。ソフトクローズはしません。

その下の引き出し。ここもベアリングレール。

ここからは底面付けのソフトクローズレール。引き出しの内寸サイズを調整する意味もあるのですが、重いものが入ることと下の方の引き出しはしゃがんで使うよりも腰を屈めて使うことになることを考えると、軽く開け閉めできて最後は自然にきちんと閉まってくれるものが良いという選択です。

こちらもソフトクローズレールの引き出し。

同じくソフトクローズレールの引き出し。
「今日は風はあるものの、お天気がよく爽やかな日です。
家事をしながら、あれこれ案が浮かんでは消えます。
何が便利なのか、使い安いのか。
保存boxのこと、いっそのことカウンター左端にbox8個置き来客時にしまうと、カタチがシンプルでよいのかな。。
タモやナラの色ですが、焦げ茶色のフローリングとのマッチングはどうだろう。
床を張り替えた方が更にマッチするのかな。どう仕上げたいかですかね。
考えるのも楽しい作業です。
ではでは、よろしくお願いいたします。」
今までもSさんのような考え方をされる皆さんはいらっしゃいました。
そういう人たちに出会えるのって本当に素晴らしいことなのです。
メールで打ち合わせを重ねてお会いできたのは数回くらいですが、とても貴重な時間でした。
「イマイさん、あたしね、ここをこういう形の引き出しにすると、きっとこうやって取り出すようになると思うのです。そうすると、家族の誰かがここに座っているときっと使いづらいだろうと思うのです。」
「キッチンの側面にニッチのような空間を設けてまで本を置くことにどのくらい意味があるのか考えました。その分廊下も狭くなるのになぜここに必要なのだろうって。」
「食器棚の引き出しはいつものみなさんとは違って、浅く段を増やしたいのです。いろいろ考えたのですが、その分スライドレールの厚みや引き出しの底の板の厚みが増えることになっても、自分にとっては段数が多いほうが使いやすいと思えるのです。」
思い出すだけでもいろいろなことが浮かびます。
しまいには、
「イマイさんはそうおっしゃってくださったのですが、やはり私はここをこうしたいのです。そうすると、ほらこうなるでしょう。」
なるほどっ!
立場が入れ替わってしまいました。
以前の皆さまでもこういう感じでしたね。
こういうふうになると、私はその家で暮らしているわけではないのに、まるで皆さんと一緒に暮らしているかのような体感があって、それがまた私の忘れることのない知識になっていきます。
そういう皆さんの意見で今の私たちの家具ができあがっていると言っても良いくらい、皆さんの体験が今に活かされていたりします。

今回のポイントとして、内部は明るめのグレーのマット仕上げの化粧板を使っています。一般的にはホワイトを使うことが多く、時々棚板などはそのように別の色のものを使うこともあるのですが、引き出しまで他の色にするとコストが高くなるのです。白いものはメーカーのほうで厚み15ミリの材が用意されているのですが、他の色になるとその厚い板作りからしないといけない。また小口材も少量しか使わないのに取り寄せると無駄が多く出てしまう。そこで今回はグレーの化粧板を使っていますが、小口材は外側面と同じタモ材で仕上げることで少しコストダウンを図っています。でもかえってこの方がとても印象よく見えるのでした。

ゴミ箱は最近よく使われるケユカのアロッツ。この形が進化したようなゴミ箱も最近見かけるようになりました。それを教えてくれたのも他のお客様だったりします。いろいろ勉強しなければいけないことはたくさんあるのです。
「中古マンションを購入した時はまだ下の子が生まれたばかりで、私に余裕がなく、壁紙だけ張り替えての入居となりました。
私たちにとっては水廻りのリフォームが今となり、このタイミングでイマイさんの家具に出会えたことはどんなにうれしかったことでしょう!
自分のこれまで、これからの生活を考慮しながら必要とする家具について、イマイさんとのやりとりをはじめ、向き合っている時間がとても勉強になり、楽しい時間となっております。」
それでもSさんはこう思ってくださっている。自分は家具や空間に向き合えて学んでいるのは私自身だったりわけですので、私がむしろSさんに感謝しなければいけませんね。
その様な感じでやり取りを繰り返しまして(メール数えるとトータルで150通くらいになっておりました。)ようやく制作が始まります。

キッチン対面のカウンター収納の要である家族の書類をしまう場所。来客時はこのようにしまっています。普段は開けておくのだそうです。

開けるとこのような感じ。扉は上に向かって開いてさらに本体内に収納できる形。収納扉金物はいつものような手作りなので、多少遊びがありますが、使い勝手は良く特に問題なく使えています。さらに下の板は手前にスライドする形。これで書類を上から取り出しやすくしています。

書類収納の下にはちょうどマルチメディアコンセントがありますので、ここにケーブルなどがごちゃごちゃとするルーターなどを収納しています。
今回はリノベーションに絡めて家具の制作を行なうということで、進め方としては収納の天板となるキッチンの対面カウンターの材を先に私たちのほうで用意して、それを大工さんにつけてもらい、そのまま木工事を進めて頂く。そして、石膏ボードなどが張られて採寸ができる頃にあらためてお伺いしてその寸法に合わせて家具の制作に取り掛かる、という流れで進んでいきました。
まずは、長いタモ材を積み込んで浦和のマンションの五階まで。少し前に作られたマンションなのですが、ホールや廊下がとても広くとられていて、搬入で苦労することなく無事室内に。
お世話になる大工さん(お父さんと息子さんでされていてとても良く印象のお二人でした。)にご挨拶させて頂き、施工方法も打ち合わせさせて頂いて、まずはその日は工房に戻ります。
しばらくのちに壁ができあがったという連絡を監督さんから頂いて、再び浦和まで。
予定通りの寸法で壁を作ってくださっていたので、無理なく家具は制作できそうです。
ということで、ここから制作開始。
対面カウンターは下の収納があって初めてしっかりする作りなので、あまり制作に長時間を使っていられないわけですが、いつものように形が複雑でして、制作を担当したノガミ君も苦労しながら作業を進めています。
こうしてできあがった形を見るととてもシンプルなのですが、形を考えることも形を作り出すこともそこに辿り着くまでが大変な苦労なのです。

浅い奥行の収納に対して引き出しが必要なのかどうか悩むところでもあります。浅いのなら奥のものもそれほど取り出しにくいわけではないですし、引き出しにすると家具本体の中にさらに小さな小箱をスライドレールを使って作ることになるので、その分、容積が小さくなってしまうわけですから。それでも、Sさんにとって家族それぞれが使う引き出しは大切だということで、上段に横に並べて引き出しを作る形にしました。

下は開き扉の収納。可動棚の木口にタモが張ってあるのが分かりますでしょうか。かわいくなりすぎなくてとても上品な印象に仕上がっています。
そして、うれしいことにこの2台の家具を作らせて頂いている途中で、最初は別で考えていたダイニングテーブルまでご依頼頂けることに。
でも、Sさん。作らせて頂いたのはとてもシンプルなテーブルでしたがその形にだ取りつくまでは自分の中で気持ちを整理して、そのテーブルがある意味をきちんを整理されていました。
それってこだわりではなくて、暮らしが心地よく感じられる実感を得るために必要な作業なのです。
ひとつずつがそうあってほしいという願いでできた形は本当に幸せなのだと思うのです。

カウンターはタモの幅接ぎ材。大工さんが丁寧に設置してくれたおかげで、あとから付けた家具との納まりも具合よく行きました。そして、この家具のもう一つの要であるブックラック。

このブックラックをつけるということはその分、廊下の通路幅が狭くなる、ということです。それでもここにお兄ちゃんたちが良く手に取る本を置くこと、読書の習慣が付いたら良いな、という思いが伝わってきます。玄関から真っすぐリビングに向かう間取りなので、玄関開けるとこのブックラックがほんのり目に入る様子もまた良いのでした。
Sさん、うれしい言葉をくださいました。
「音楽はドレミファソラシドしかない音階で多様なメロディを生み出し人の人生に影響を与えます。
家具は板1枚から、これまた多様なカタチを造り出し、その人の生活に毎日寄り添います。
自分の好きなテイストの家具屋さんを自分で見つけ出して、整った我が家での生活はどれだけ快適なことか♪ ふふふ
病気をしまして、出産が遅くなり、息切れしながら49歳の育児真っ只中、それを日々支えてくれる家具と45歳の経験豊富な家具屋さんがいるのは安心です。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。」
そうそう、クレミルにもいらしてくださいましたね。
「木工教室とは」
https://www.freehandimai.com/?p=20807
タモ板目とステンレスバイブレーションの食器棚
価格:680,000円(制作費・塗装費)
タモのキッチンカウンター収納
価格:740,000円(制作費・塗装費)
ナラ柾目のダイニングテーブル
価格:310,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は60,000円から、取付施工費は100,000円から)
2021.06.26
「ブラックウォールナットのテレビボードと本棚のあるデスクのオーダー」
練馬 J様
design:Jさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:iku nogami

Jさんから頂いたテレビボードのスケッチ。

Jさんから頂いた本棚のスケッチ。
「フリーハンドイマイ御中
はじめまして。「オーダー家具」で検索して御社ウェブサイトを拝見しました。
お見積の依頼です。
最初は市販の家具で、思っていたのですが、扉の仕様など思うようにならないところがあり、オーダーをメインにやっていらっしゃる数社にも問い合わせて決めることにしました。
他社様へもお声かけしています旨、ご了承下さい。色々相談できる、経験豊富なところがよいなあと思っています。
○住所:東京都練馬区の新築マンション
○引き渡し:2017年1月17日
○希望納期:2017年1月20日ごろ(応相談)
○内覧会:12月予定
(1)TVボード[予算:40万くらい]
壁の幅が狭く、結構制限があります。
図を作成しましたのでご確認下さい。こちらについては、打ち合わせで色々お話させていただき、よく考えて決めたいなあと思っています。
[収納物(上置き含む)]
・サウンドバー:SONY[HT-ST9]
・テレビ:SONY[KJ-X8500D]
・PC:サイズW207XH464XD504mm(※ケーブル除く)
・HDDレコーダー
・PS4
・Jcomモデム
・ルーター
・空きがあればゲーム機とリモコンなど
サウンドバーはTV前でも構いませんが、TV鑑賞に干渉しないことと全体の高さを抑えたいと思っていますので、良い形がありましたらご提案いただければ幸いです。
添付の図は案でして、素人考えですのでこちらを基に一旦お見積をいただき、打ち合わせでつめていきたいと思います。
・扉:ルーバー
・素材:ウォールナット(無垢材)
・背板は必要でしょうか? なければ穴の位置も考えなくてよいし、色々やりやすいように思います。(図は背板のあるものです。一部optionとしてない形の記載があります。)
・サウンドバーの段には荷重に耐えるための支えを記載しています。不要でしたら削除可、他の形がよいようでしたら変更可です。
・ボードの下部は50mm取っていますが、巾木の実寸に合わせていただければと思います。
・パソコンはTVの後ろに置きますが、スタンドの上部に置く形になるので、何かしら台が必要になると思います。こちらも併せてご提案いただければ幸いです。(今回のお見積には含めなくても構いません)
(2)本棚&デスク[予算:20万くらい]
図を添付します。ケーブルを通す穴が必要になると思っています。

テレビボードの全体の様子。家電はすべて黒でまとめられているので、とても引き締まった印象に仕上がりました。ウーファ部分はお隣がしないように床に直に置けるような作りにして、サウンドバーはテレビの下から正面に向かって音が回り込むような配置で。テレビの後ろも工夫されてできているのですよ。

本棚の全体の様子。本棚もとてもシンプルな形。天板の身板目無垢材の幅接ぎで仕上げていまして、他は板目突板で仕上げております。間取りが少し変わった形をしていて、この本棚デスクを設置するためにあるような場所に見えてしまいます。
素材は無垢材を考えていますが、見栄え以外の違いが判りません。突板との違い、突板の利点がありましたらご教示いただけますでしょうか。
不明な点などありましたらご連絡下さい。
どうぞよろしくお願い致します。」
私たちの家具作りではいろいろな素材を使うことが多いのですが、主に突板を使ってキッチンや家具を作ることが多いです。それは制作にかかるコストが大きく違ってくることが大きな要因ですが、無垢材は製材したあとでも調湿を繰り返すため、どうしても木の動きを抑えにくい部分もあったりします。
もちろん突板を使って制作してもそのように動くことももちろんあります。
それが木の良いところであり自然な表情でもあるのですが、生活していくうえで使い勝手に支障が出てしまうこともあったりします。
床暖房が設置された空間や暖炉のある空間だったり、エアコンの風が大きく当たる場所に設置されていたりすると、木の表と裏とで大きく湿度が変わってきます。
以前によく乾燥された材と思ってショーケースを作ったことがありまして、それをパン屋さんに納品したのですが、パンの釜の熱気だったのでしょうか。
納品して数か月で、「急にガラスが割れました。」と言われてしまって見に行くと材が縮んでガラスを圧迫していたということもありました。
私の見る目が良くなかったもので、作り直させて頂いた苦い経験があったりするのですが、木はそれほど動きますので、なるべく使いやすさと作りやすさとその場所に合わせて、適材適所と心掛けて作るようにしております。
そう考えると、うすい無垢材を積層して反りや歪みを抑える工夫が施された突板をメインに考えていくと不便が起きにくいのではないかと考えているのです。
その代わりに、耐久性が必要な天板や、交換可能な扉や引き出しの前板などは突板よりももっとダイナミックな木の動きというのでしょうか(決して迫力があるわけではないのですが、その木が過ごしてきた時間が木目に現れているようなその表情や動き)が分かるように表部分に無垢材を使うという形で作らせて頂くことも多いです。
かえって、突板はそのように反り歪みが少ないように整えられた材ですので表情も整ったもので作られていることが多いのです。
ですので、同じ表情が連続してできているものが一般的な突板となります。
幅20センチ~30センチくらいの1枚の単板(うすくスライスした無垢材で辺材から心材のグラデーションが良く出てとても良い表情のものです。)をうまく色柄合わせるように心材を主に使って幅90センチや幅120センチの板を作っていくのですが、きれいな表情であるがゆえに整然としすぎてしまうと感じることもあります。
最近は、「クラフト」という意識が高まっていて、整然とした表情よりも木の個性が出ているような表情を好む方も増えてきました。そのためか、節がある素材が好まれたり、反りや歪みが一つの表情と捉えてくださる方もいらっしゃいます。
と、いろいろな見せ方があるのですが、今回のJさんの家具はブラックウォールナットの板目(木目が山なりになっている材)の整然と並んでいる一般的な張り方の突板を使って作ることになりました。
そのような感じでここまで長々とは描かなかったのですが、私なりのスケッチを添えて、作り方と金額をお知らせしたメールをお送りしたのでした。

あらためて送らせて頂いたテレビボードのスケッチ。

あらためて送らせて頂いた本棚のスケッチ。
そうしましたら、「今回は別の家具屋さんにお願いすることにしました。」というお返事でした・・、あら、残念です。
やはり価格差が大きかったようで、私たちの努力不足ですね。
金額では他社さんよりも高くなってしまうことが多かったりして、残念な気持ちでお断りのご連絡を頂く皆さんも今までいらっしゃいましたので。
でも、相見積というのは良いことだと思います。特にオーダー家具やオーダーキッチンというものはなかなかコストが分かりづらい部分もありますので、いろいろなメーカーさんを比較してそれぞれの得手不得手をよく理解して頂いた上で判断して頂くというのは良い選択方法だと思うのです。
そのようなわけで今回は残念ですが、そのメーカーさんとはインスタグラムでフォローしあっていたこともあったので、安心してお任せできるところだと思ったのでした。

細かいデザインの考え方として、本体の手前に扉や引き出しをつける形(アウトセット)と、本体の内側に扉や引き出しをつける形(インセット)と大別されます。個人的には少し古風に見えるようなインセットが好きですが、今回は本体の手前に扉が付く形。この場合、正面に見える側板の前面と扉面に揃えるかどうかでも印象が変わってくるのですが、今回はそのまま奥に引っ込んだ形。天板だけは扉よりも少し出す形にすることで、奥行の印象がまとまって見えるようにできたと思います。
ところが数日後、あらためてJさんからご連絡が。
どうも素材について意見の相違があったようで、イメージと異なる形になってしまうということからそのメーカーさんへの依頼はお断りして、あらためて私たちに連絡が届いたのでした。
紆余曲折というのはあるものですね。

納品直後の様子。テレビが置かれて隠れてしまっているのですが、天板の上にはコの字の台が置かれています。 これはテレビのベースに干渉しないようにしつつ、パソコン本体をテレビの奥に隠してしまうための台なのです。不思議なアイデアです。
それで再びお話を進めさせて頂けることになったのですが、マンションの内覧会の予定日をお知らせ頂くともう既にほかの予定を入れてしまっていたものですから、内覧会以外に入室するのは難しいだろうからやはり対応可能な他社さんとでお話を進めて頂いたほうが良いのではないだろうかと少し心配しておりましたら、どうやら再内覧の日でも私たちも入室可能ということになりまして、無事に家具を作らせて頂けることになったのでした。

こうなるとパソコンが置かれていることは分かりませんね。今回の格子扉は格子の幅が13ミリ、隙間が7ミリという見せ方にしています。裏面にはホコリが入りにくいようにアクリルを入れた形にしています。もちろんリモコンは効きますよ。
で、最初にJさんから頂いたスケッチをご覧頂くと分かるのですが、ご主人は外国人さんで(国名をお聞きし忘れてしまった・・)今回のメインのデザインはご主人が行なっています。ですので、何となくお部屋の印象が海外から吹いてきた風のように洗練された印象に映ります。

扉を開けた時の印象。キーボードやAV機器がきちんとしまえるサイズで設計しています。
形はとてもシンプルです。
機器類をしまう部分はガラスや格子のデザインを希望されていて、今回は格子扉に。
先ほどのお話に戻りますが、「格子扉も突板で作るのですか。」と聞かれることがあります。
突板合板は積層してできているものなので、細かな部材作りには強度不足だったりします。そこで、格子扉やガラスを囲う框扉は無垢材で作っているのです。

先ほどのお話に合ったように天板だけは扉よりも少し手前に出した形の納まりの様子。また手掛けの印象はこのような感じです。
オープンスペースにはウーファとサウンドバーが入るので、印象が引き締まって見えます。
本棚もスケッチや図面を見ると味気ないくらいにシンプルなのですが、こうしてそこで暮らす人の物々が入ると洗練されて目に映ります。
こうして、シンプルで美しい形になりました。

テレビの背面の様子。
「イマイ様お世話になっております。
ご連絡が遅くなりましてすみません。
日曜日の午後は家にいることが多いので、お近くにいらっしゃることがありましたら是非ご連絡下さい。
木目の美しさをとても気に入っています。大切に使っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。」
Jさんご家族にもこうして気に入って頂けてとてもうれしく思うのです。

こちらは本棚。本棚を作る時にこういうふうに縦の仕切り板を入れるかどうかを皆さんにお聞きします。 広く使いたい、ということで仕切り板をなくす形ももちろんありますが、そうなると多少板がたわんだりします。また、今回のようにサイズが決まったものばかりを入れる場合は仕切り板が無くても良いかもしれませんが、右はB5、左はA4などのサイズを変えた形でフレキシブルにしまいたい、という場合は、仕切り板を入れることで左右の棚の高さを変えることができるので、使い勝手は良くなります。見た目は多少賑やかになりますが。

デスクの様子。天板の下には小さな引き出しを設けています。このくらいのサイズの天板でしたら良いのですが、もっと大きなデスクに引き出しをつけたい、というお話を頂くこともあります。つけることはできるのですが、長い目で見ると天板を倉しっかりした無垢材で作っても多少中央に向かって板はたわむのです。だから引き出しの代わりにしっかりとした幕板を入れたいなあと、そういうご相談が来ると私は思ってしまうのです。そして、幕板をつけつつ、小さな引き出しをつけてしっかり強度が確保できる形をきちんと考えておかないといけないな、といつも思うのです。
ブラックウォールナットのテレビボード
価格:480,000円(制作費・塗装費)
ブラックウォールナットの本棚のあるデスク
価格:350,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は35,000円から、取付施工費は30,000円から)
2021.06.25
今年の2月から始まったダイスケさんのライター活動(!?)。早くも今回で11記事目になりました。
今回のテーマは「オーダー家具の魅力は自由度の高さだけではない。作り手が考えるメリットとは」です。
自分はオーダー家具屋で働いているのでどういうものかわかっていますが、知らない方・一生オーダー家具とは無縁の生活を送る方々もいらっしゃるわけです。以前小物を持って青空マーケットに参加していた時に自己紹介すると「え?オーダー家具ってどういうことですか?」と聞かれたこともよくありました。興味がある方は是非読んでみてくださいね。
日刊Sumai → 暮らし → インテリア・雑貨 → 記事「オーダー家具の魅力は自由度の高さだけではない。作り手が考えるメリットとは」
「今井さんが書いた記事、全部まとめて読んでみたい!」という熱い思いを持った方は日刊Sumai のサーチ欄で今井大輔と検索すると出てきます。よろしくお願いします。
写真は、Nさんのお家に作らせていただいたカップボードとTV台を兼ねた家具です。暮らし始めた頃家族でお招きいただいた時の写真です。すてきな暮らしをされていました。お元気でしょうか。
2021.06.24



先月の半ばにスタートしたこの大きなキッチンの設置工事。
あの時はこのステンレスカウンターたちが無事にこの場所に搬入できるかどうか心配しておりましたね。
あの日は足場を部分的解体してもらってどうにか搬入ができて、本体の設置もできたのでした。
そのあとにその本体を固定してからでなければ壁と床を仕上げることができないということで、私たちの作業後にいよいよ床のモールテックスも塗られて、壁のシナベニヤも張られて、仕上げに入らせて頂ける状態になったのが先週のできごと。
コンパクトな空間にかなりのボリュームの形が設置されることと、他の職人さんも出入りが激しい勝手口のそばに設置されることもあったりして、設置場所はなかなか足の踏み場が無くなってきておりました。
むかしまだこの仕事を手伝い始めたばかりの頃によく父の後ろについて、店舗の現場に出入りしていた頃を思い出しちゃうくらい。
その中で2日間かけて、ノガミ君とヒロセ君が仕上げてくれたおかげで、どうにか先が見えてきました。
そして、その時は来週(今でいうと一昨日)の新たな問題にドキドキしていたのです。
今回私たちのほうで用意させて頂いたリープヘルの冷凍冷蔵庫、実際に届いたものを見てみると、私たちの幌付きのトラックには高すぎて入らないし、重量も120kgあると書かれていたりして、たいへん気持ちがざわついていたのでした。(よく見てみたら「分割して運びます。」となっていたのと、トラックも無事に借りることができて気持ちが和らいだのですが)こうして現場を見てみると、うーん、勝手口からは入らないよね、もしかしたら玄関からも入らないかも・・、と、やはり不安な気持ちのまま一昨日現場に向かったのでございます。
そうしましたら、もう先に左官屋さんが一生懸命外回りを仕上げているところでした・・。
左官屋さんも作業量とスケジュールの調整が難しいくらいのボリュームで今日まで作業が掛かってしまったということで、他の職人さんも「うちも作業止まっちゃったなあ。うーん、そうか、どうしようかなあ・・。」なんて職人さんたちが軒先で思案していて、しまいには「こりゃあ左官屋さんもみんなにこう近くで見られちゃ仕事やりづらいよね。」「はははっ、もうこういうのも慣れてますよ。」なんてみんなで笑顔になっちゃって気分が高揚したりして・・。
でも、笑っていても今日は作業できないので、その日は一度工房に戻りまして、現場を見てきた時に出ていた細かい問題点も一緒に持ち帰ってその準備をすることで明日の作業に備えることにしたのでした。
そして、いよいよ昨日、現場の皆さんの手も借りながら、たいへん重たい冷蔵庫と冷凍庫を無事に運び入れることができたのでした。
その後、細かい部分で難題が出たりしましたが、その都度うまく解決しながらようやく設置が完了。
みんなが頑張ってくれたおかげでどうにか終わらせることができました。
良かったよかった。
2021.06.21
「おとうさんよくアーモンドチョコ食べてるじゃん。だから今回それを作ってみた。試食できないからお母さん味見してみて。」とハル。
土曜日家に帰ると外国のお菓子みたいに保存瓶いっぱいのアマンドショコラがありました。ハルはナッツアレルギーがあるので、異常が出てないか心配でしたが大丈夫でした。ちゃんとカリっとしっかりキャラメリゼされてて美味しくできていてすばらしいね。試食して断面を見せると、「6回やってその厚みか。」とハル。私も一度だけ昔作ったことがありましたが、このチョコをアーモンドの周りに付ける作業が結構大変だった覚えがあります。おとうさんが「へ~。」と言いながら数粒ずつ食べている姿が微笑ましかったです。
さて、JCチイはというと恒例のお手紙ということでしたが、渡しそびれたようで、「今日渡す。」とのことでした。チイのメッセージカードも独特のセンスでコラージュされていて面白くて好きなのですが、毎年恒例になってきた「ハルが何か作ってチイはお手紙。」という流れ。実はチイも作ってみたいけどやり辛いのかしらと気になりだしました。私も小さい頃そうでした。二つ上の兄が小さい時から器用で、リンゴの皮を剥くのも、絵を描くのも上手で、兄の次にやっても大して褒めてもらえないという思いがありました。そう思っていないといいのになぁと少し心配になってきたので、今度お話してみようと思います。そんな父の日なのでした。
2021.06.16
洗面所のコンセント。どこにいくつつけようか?皆さん悩まれるポイントかと思います。
我が家は鏡に向かって右側に二口つけました。
以前のマンションの洗面台は左側についていて、家族みんな右利きの我が家では、ドライヤーをかける時にコードが体の前を上下する様に毎回ちょっとイライラしていたのです。
新居に暮らし始めて、ここのコンセント一口でもよかったのかなぁと当初思っていたのですが、長女がJKとなった今では、二口あってもよかったのだと実感しています。
小学校・中学校の間は校則も厳しいので、朝の髪形セットなんてゴムで縛って終わりでした。JKになると25mmのカールアイロンとストレートアイロンが加わりました。
収納場所を考えなくてはいけないので物を増やしたくなく、初め買うのを渋りましたが、「この髪型はその2つのヘアアイロンがないと再現できない。今あるやつではできなかった。」とハルにプレゼンされ、どうせ買うならちゃんと使用感を確認して買おうということで、ドンキホーテに行き、主要メーカーの物をそれぞれ試しました。同じ径でもメーカーごとにグリップの固さ、大きさ、長さが異なり、使用感を確認するのは必要なことだなと感じました。ハルが気に入ったものはモッズヘアのもの。同じ系統の家電は色を統一した方がごちゃごちゃ見えず、今あるドライヤーが白なので同じ色にしました。お気に入りの道具が手に入って、毎朝洗面所で活躍しています。娘の見た目が整って気分よく登校していく姿は親もうれしいですからね。
もし、ここが一口でも必要時に電源タップをつければ済む話なのですが、家づくりの時、その時の暮らし方でしか必要なものはわからないです。もしもの時を考えていったら物は増えてしまいますし。後に合わなくなっても後悔しないで済むポイントはその物が持つデザイン性でしょうか。
あとは、「あんなことできたんだ、知らなかった!」と後から気づくことですよね。でも、全部事前に把握することなんて無理ですし、物もどんどん新しいものが出てきます。我が家はこれでよかったんだと思えるポイントがひとつでもあればいいと思います。年齢を重ねる毎に必要なものは変わり暮らし方は変わっていくものですから。
2021.06.14


内田雄介さん設計の調布の住宅。
1年半ぶりになってしまいました、Oさん、こんにちは。
「本当はね、コロナのこの状況じゃなければ、もっとキッチンを整理するのに買い揃えたいものもあるのですけれど、かかりつけのお医者さんからも不用意に出歩かないように強く言われちゃってますのでね。」とお母さん。
「でもね、とても心地よく使わせて頂いていますよ。」
「昔からいろいろ作るのが好きだったのでね、特にこのコンロのグリルがとても重宝していて。とても美味しく焼けるからオーブンレンジよりもこっちのほうが出番が多くなっているのですよ。」
ふむふむ、そうなのですね。我が家ではアキコがここをそれほど活用していなかったように思えるから、もっと楽しみが広がるかも・・。
今日は、ステンレス天板のお手入れと浄水器の点検にお邪魔したのですが、どちらも問題なく使えていて、どこもかしこもきれいに使ってくださっているから、見ていて気持ちの良いものです。
「息子とお嫁さんとみんなでここに立つ機会が多いけれど、ギュウギュウになることなくてとても快適に使えています。イマイさんにお願いできてよかったですよ。」
とうれしそうにおっしゃってくださるお母さんの笑顔に元気を頂いてまいりました。
並んだあちこちの様子を見ていると、楽しそうな様子が分かりますものね。