まいにちありがとうの家具

2021.06.30

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もうすぐで6年が経つ所沢のUさんのお宅に再び訪問させて頂いたのは、桜が少しずつ散り始めた頃でしたね。
6年前に(奥様の)お母さんのところに作らせて頂いたテレビボードはだいぶ色濃くなっていて、「孫たちがいたずらするから少しずつ傷んじゃったのですよ。」とおっしゃっていたので、この納品に合わせて凹んだ部分は面取りしてきれいに仕上げ直しました。
今日も6年前と同じくアキコと納品です。
お土産には採れたてのきゅうりとナス。今回のメインのお仕事である2階の子世帯のダイニングにこのベイマツのキャビネットを納品させて頂きました。
こちらは(ご主人の)お母様に毎日きちんと気軽にありがとうとご挨拶させて頂くための家具。
隣にあるずっと愛着を持って使ってきたベイマツのカップボードの風合いにはまだ及びませんが、オイルを塗って丁寧に使ってゆくと、いつの間にか隣同士良い色になっているはず。
ツマミも真鍮を磨いて仕上げたものですので、良い色になっていきます。
時間を経ることは素晴らしいことと思えますよね。
Uさん、ありがとうございました。

ナラのダイニングテーブル

2021.06.30

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先日のキッチンに引き続き、昨日は追加でご依頼頂いていたダイニングテーブルを納品しました。
これでM様の家具の設置はすべて完了。
来週から下旬にかけては以前荷揚げした4メートルを超えるステンレス天板のキッチンの設置と、キッチン周りのリノベーションを行なうお二方のお宅に伺う予定になっていて、その準備で工房内はたいへん慌ただしくなっております。
キッチンもきれいにクリーニング済みでしたので、写真を撮らせて頂きました。
サッシ枠に入り込んでさらにはオーブンなどがある家電タワーとの仕切になるサイドパネルにつながっていくカウンターの様子や、バイブレーションで仕上げた扉とレンジフード、食器棚のほうは、大量のケーブル類が格納されている分電盤が入っていたり、冷蔵庫の上にエアコンも組み込まれたりと難しい納まりばかりでした。
無事に納まって良かったよかった。

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大雪山のナラ

2021.06.27

先日納品が終わった大きなキッチン。
今回初めて安多化粧合板さんの「大雪山のナラ」を使わせてもらったのですが、とても美しい表情でしたね。
突板にもいろいろと見せ方があるのだなあと勉強になったお仕事でもありました。
今回追加でお話を頂いたダイニングテーブルも同じく「大雪山のナラ」でと、ご相談を頂いて形になりつつあります。
これが納品されたらすべて完了となります。

にぎやかと言えば

2021.06.27

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昨年の自動鉋盤を最初にこのところ機械を入れ替えることが多くなっています。
私自身実際の制作作業から離れて、このところはもっぱら打ち合わせや設計のほうになっているので、どのくらい機械がくたびれているのかみんな伝手に聞いていたのですが、もうだいぶ年を取っていたのですね。
私が下で作業をしている当時からパネルソーのおもりがドカンという音を立てながら動く時期もあったし、となるメーカーさんの依頼で知らずに金属をカットすることになって刃軸が曲がってしまったこともありました。
思えば私がこの仕事を初めて3~4年くらいの頃にやってきた以前の市川のパネルソーはそろそろ四半世紀が経つのでした。
交換備品が手に入りにくくなったことと、メンテナンス性も勝手が悪い部分があることを考えて、田中のパネルソーに。
あわせて、角ノミも軸が曲がってきて、こちらの調整も一度ばらしてみないと何とも言えない部分がありまして、思い切って交換することに。各ノミは初代の工房(門沢橋にあった頃)のものなのでもう40年近く経つのでしょうか。
新しいものは油圧式で動作が軽いというのを今さらながら知ったのでした。
そして、今は横切り盤の調整をお願いしていて、静岡から鈴木機械さんがやってきてくださって、にぎやかに入れ替えていってくださいました。
大事に使っていきます。

ごろごろ

2021.06.27

最近ゴロゴロしてばっかり。
駐車場の上で鳥が子育てしていて、中からもピーピー子供たちの鳴く声とかつかつせわしなく動く親の音が聞こえておりました。
彼も気が付いているはず。
最近は、またツバメもやってきているようです。
にぎやかですね。

学び家

2021.06.26

「タモ板目のキッチンカウンター収納と食器棚のオーダー」

浦和 S様

design:Sさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

リビングから見た様子。建具も最初は交換するかどうかのお話が出ていたそうですが、建具枠も関わってくるので変えるとなると大掛かりな工事になるので、このままにすることに。濃い色がどのように見えてしまうか気にされていましたが、床を変えたことで全体的に明るい調子になったので、かえって濃い差し色が映える印象になりました。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

途中で追加でご依頼頂いたダイニングテーブルはしっかりした作りしたいということで、タモよりも堅いナラ材で制作しました。これで、食器棚とキッチンカウンター、ダイニングテーブルとが明るい磯見になって部屋全体が整いましたね。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

フローリングは最初樹脂シート仕上げ(もしくはうす突板ウレタン塗装仕上げだったかな?)のものになりそうだったのですが、他を削減してもここはコストを掛けたほうが良いと思いますとお話させて頂いて無垢のフローリングに。やはり足触りが違って、心地いいのですよね。塗装もウレタン塗装が厚めの塗膜になっているタイプだとひんやりしたり、あとは長く使っているとべたつきを感じたり。無垢のもののほうがそうなっても自分で磨いたり手入れしやすかったりするので、ぜひ、とSさんにはお話させて頂いたのでした。やはりそうしてよかったですね。

「今井様。
今回、築19年マンションの居住中、夏休み前半を利用して水廻り3箇所のリフォームを計画中です。
これを機によくあるマンションのキッチンカウンターを解体し、流し台の反対側→リビングから見ますと、換気扇裏側から流し台の裏側まで(約2m48cm)に、A4縦のファイリングスペース(引戸または観音扉)と換気扇裏側の壁あたりにワークスペース(ノートパソコン)を生み出したいと思っております。
まだ検討段階で案が固まっておりませんが、原案を2パターン添付させていただきます。
テーブルの位置は縦置き、横置き、こちらも答えは出ておりませんが、父子男子3人の廊下からソファまでの導線を考えるとテーブルはこの向きなのかな?と思案中です。
(可能でしたら、アドバイスをいただけるとうれしいです。)

さて、お見積をいただきたいものは、上記のものと食器棚です。
キッチン背面の食器棚は、冷蔵庫横の壁から計りますと幅163~165cmです。
吊り戸棚込の金額をお願いします。
今のところ、ナラ材を使用したいのですが、床、建具がチョコレート色で、相性を心配しておりましたが、昨日届きましたカタログを拝見しましたら、近いものがありましてかなり参考になりました。

ハウスメーカーさんとの次回打ち合わせは、3月8日に予定しておりますので、できることとできないことの確認を致しますね。
なお予算の関係上、お願いいたします内容の優先順位としましては、「①A4キャビネット&ワークスペース」「②食器棚」となります。
ざっくりなご説明で情報が不足していることと思いますので、後日お電話にてお話させていただきたく存じます。ご都合の悪い時間帯などありましたらお知らせください。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらがリフォーム前の入居当時の様子。少し前のマンションはこの濃い色につやのある仕上げが流行っていましたね。


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頂いた2つのパターン。キッチンの対面カウンターの部分に収納を作るか、西面の壁ぞに収納を作るか・・。暮らしの動線によって使い勝手が大きく変わってきますね。

Sさんからメールをいただきました。
これは、家具のご相談というよりも暮らしかたのご相談ですね。
そうなると、漠然とイメージしているものが本当にその人のその家族の思い描く暮らしとなるかどうか、そしてそれが予算に見合った形となるかどうかいろいろとお話ししないといけないことがあるのです。

「S様。
フリーハンドイマイの今井大輔です。
さっそくのご連絡ありがとうございます。
今回リフォームにてご検討されているのは、オーダーキッチンではなく、「A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク」と「食器棚」の2台の家具をご検討くださっているということですね。ありがとうございます。

デスクを使われるのはご家族のどなたになるか、A4サイズのものはご家族どなたのものをしまうことが多くなるのかによって、レイアウトも変わってくるのではないかと思っております。
例えば、デスクをメインに使うのはご主人になるなどご家族お一人がメインで使う場合は、1枚目の写真のようにキッチンの背面に収納をデスクと収納をつける形でも良いかと思いますが、
ご家族皆さんで共有する場合は、壁に接する形のほうが使いやすいかもしれません。
また、ご家族皆さんで使う場合は、スペースが許すなら可能でしたら収納とダイニングテーブルは離して、ぐるりと回れるようにして、
どこからでも収納にアクセスしやすいかたちでさらに開け閉めしやすいように引き戸になっていると使いやすいかもしれません。
コスト優先で考えるなら開き扉が一番加工手間が掛からないので費用を抑えることができます。また、少し変わった方法として、引き出しに吊り下げ式にしてファイルをしまうお客様もいらっしゃいます。

皆さんのいろんな考え方があると思いますので、またその作り方によって大きく費用も変わってくると思われます。
可能でしたら、簡単なものでも構いませんのでスケッチを描いて、それを写真に撮ってお送りいただければ幸いです。
食器棚についても、扉の形状や引き出しの有無、家電をどのように置きたいかなど具体的に書いて頂けますと幸いです。
その内容を基に製作金額を見積もってみたいと思います。

また、ファイル収納やデスク、食器棚の場合は、リフォーム後の工事でも大丈夫ですので、ハウスメーカーさんの仕上げやすい方法でリフォームを行なって頂いて、そのスペースに合わせて私たちのほうで家具を設計できますので、
特に家具に合わせてお部屋を調整して頂いたりしなくても大丈夫だと考えております。
(オーダーキッチンの場合は、配管の方法や設備機器について、施工が難しいレイアウトや導入が難しい機器もあったりしますので確認が必要と考えておりますが、収納家具でしたら大丈夫です。)
それでは、ご検討くださいますようよろしくお願い致します。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

食器棚の吊戸棚についているオープン棚部分。奥に見えるのは私たちの小さなものづくりのイベント「クレミル」で作ったクリスマスツリー。

いつも長々とメールをしてしまうことが多いのですが、これはもちろんSさんの暮らし方を想像しながら描いたものでありますが、それと同時に自分のためでもあったりして、自分の中でその人に形をどのように考えていきたいかを書き出している作業でもあります。
それと、確認事項をきちんと書いておくとあとで忘れがちになっちゃっても見返せますので。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

食器棚のイメージは「つたえる楽しさむずかしさ」のTさんのイメージを参考にしながら組み立てていきました。引き出しが多いかたちなのです。

「イマイ様、説明下手ですみません。
◆A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク
◆食器棚
ご依頼はこの2点のお見積り金額です。
A4縦については子供の塾のファイリングで、4教科分の保存ボックスが2名分と本などです。各ボックスから毎日取り出したり、しまったりを繰り返します。
宿題はダイニングテーブルでします。テーブルはリフォームを機に買い替える予定で考えています。(テーブル横幅170cm前後、商品未決定)
LAN配線、電話配線、文具類も片付けます。
作業スペースではノート型PCを週末のみ夫または子供が使用します。
食器棚は添付画像が希望に近いです。(取手はご相談)
キッチン流し台横、廊下側にニッチを作ります。
収納の続きで全面ナラ材にするパターン、もしくは壁紙で仕上げるパターンにする場合は底面と背面をナラ材で仕上げたいです。
この辺りはハウスメーカーさんとのご相談が必要になってきますよね。
昨日いただいたイマイさんのメールを読み進めますと、真摯に向き合ってくださることが伺え、とても安心しました。
まずは、私が頭の中にある考えや、形にできないもの、空間で考えられないもの、書き出してお伝えしてみようと思います。
少しお時間いただきますね。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

一番左上部はトースターをしまうスライドテーブル。このテーブル使いやすいのですが、やはり一長一短あって、今までに引き出し忘れて使ってしまったという方もいらっしゃって、そうなると上面の木がひび割れちゃったりするので、カウンターの上に余裕があればなるべくでしたら上に置くほうが良いかなあと・・。もしくは使う時だけ上にあげて使うとか。炊飯器だとコードがくるくる巻けるのでそれも使いやすいのですが、トースターだとコードもぶらぶらしちゃうからその都度動かすのは手間ですので、そのあたりは皆さんの暮らし方、見せ方といつも相談しながら決めております。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

その下は深めの引き出し。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

一番下は混酸をしまうバスケット。この根菜バスケットも意見が分かれますね。この場所だと使いやすいというかたと、もっと冷えた場所(玄関など)に置く方が持ちが良いからというかたと。皆さんの暮らし方がよく分かっておもしろい。ですので、マンションにお住まいの方はこの形が比較的多かったりします。

はじまり、はじまり。
Sさんとの長い長い旅が始まります。

だんだんとSさんご家族の様子が目に浮かんできますね。
ここまでご意見を頂いた中から私が言えることは私が自分の家族を持って暮らしてきたその内容です。
具体的には子供の勉強机は小学校のうちは要らないかなと思っていること、リビングに作るデスクをきちんと活用するにはきちんとした計画がないと難しいと感じていること、収納を作っても使いにくい位置に作ると、機能的に使えなくなると思うこと、奥行の狭い家具の場合には引き出しを設ける必要があるかどうかはその人の暮らし方によること、などなど思うことをお伝えしていきます。
(それぞれの思いはきっとどこかの制作例に書いたことがあることばかりです。もしよかったら皆さん見付けてみてくださいね。)
そのよい部分、良くない部分、自分で思うこと、皆さんから教わったこと、すべてを伝えて、その中からそこで暮らし人、家族にとって必要なことを選んで頂くことで形はおのずと決まっていきます。

そして、一番思うのは「格好つけた形」にはしたくないなあと思うのです。もちろん、頂いた選択をただ組み合わせるだけではちぐはぐな形になってしまうことがありますので、そこは私なりに整えるのですが、見た目を優先して考えた形ではなくて、使い方を考えてできあがった形にしたいと思うのです。そしてその方が美しい。
その人にとって使いやすい形になると、暮らしかたが心地よくなります。
気分よく過ごす時間が持てます。
家具の良いところは、できあがった形の美しさだけではなく、やはり心地よい時間や空間を与えてくれることが大きいのではないかと思うのです。

そして、そういうふうにいろいろな自分や家族の仕草やクセ、好みや動きを考えることは家具の形を考えるためだけではなく、そこで暮らすかたちを見つめ直すことにもつながるのです。
・・・この家具がここに来るならこういうふうに暮らしていきたいな、それにはあれはここには不要で、代わりにこれがここには必要。
そうするとその時間がこの時間に充てられるかも・・。
というように。

そう言うやり取りをさせて頂いているうちに、だんだんとSさん、いろいろなことを調べ始めるのでした。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

中央の引き出しの一番上は作業ができるようなテーブル。カウンターと同じ高さにはならないので少し低めになりますが、やはりカウンターだけだと作業するのに狭いという皆さんには好まれる形です。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらはその下の引き出し。おもしろいのは上の方と下のほうでスライドレールを変えているところ。こちらはヨコ面につける通常のベアリングタイプのレール。ソフトクローズはしません。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

その下の引き出し。ここもベアリングレール。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

ここからは底面付けのソフトクローズレール。引き出しの内寸サイズを調整する意味もあるのですが、重いものが入ることと下の方の引き出しはしゃがんで使うよりも腰を屈めて使うことになることを考えると、軽く開け閉めできて最後は自然にきちんと閉まってくれるものが良いという選択です。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらもソフトクローズレールの引き出し。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

同じくソフトクローズレールの引き出し。

「今日は風はあるものの、お天気がよく爽やかな日です。
家事をしながら、あれこれ案が浮かんでは消えます。
何が便利なのか、使い安いのか。
保存boxのこと、いっそのことカウンター左端にbox8個置き来客時にしまうと、カタチがシンプルでよいのかな。。
タモやナラの色ですが、焦げ茶色のフローリングとのマッチングはどうだろう。
床を張り替えた方が更にマッチするのかな。どう仕上げたいかですかね。
考えるのも楽しい作業です。
ではでは、よろしくお願いいたします。」

今までもSさんのような考え方をされる皆さんはいらっしゃいました。
そういう人たちに出会えるのって本当に素晴らしいことなのです。
メールで打ち合わせを重ねてお会いできたのは数回くらいですが、とても貴重な時間でした。
「イマイさん、あたしね、ここをこういう形の引き出しにすると、きっとこうやって取り出すようになると思うのです。そうすると、家族の誰かがここに座っているときっと使いづらいだろうと思うのです。」
「キッチンの側面にニッチのような空間を設けてまで本を置くことにどのくらい意味があるのか考えました。その分廊下も狭くなるのになぜここに必要なのだろうって。」
「食器棚の引き出しはいつものみなさんとは違って、浅く段を増やしたいのです。いろいろ考えたのですが、その分スライドレールの厚みや引き出しの底の板の厚みが増えることになっても、自分にとっては段数が多いほうが使いやすいと思えるのです。」
思い出すだけでもいろいろなことが浮かびます。

しまいには、
「イマイさんはそうおっしゃってくださったのですが、やはり私はここをこうしたいのです。そうすると、ほらこうなるでしょう。」
なるほどっ!
立場が入れ替わってしまいました。
以前の皆さまでもこういう感じでしたね。
こういうふうになると、私はその家で暮らしているわけではないのに、まるで皆さんと一緒に暮らしているかのような体感があって、それがまた私の忘れることのない知識になっていきます。
そういう皆さんの意見で今の私たちの家具ができあがっていると言っても良いくらい、皆さんの体験が今に活かされていたりします。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

今回のポイントとして、内部は明るめのグレーのマット仕上げの化粧板を使っています。一般的にはホワイトを使うことが多く、時々棚板などはそのように別の色のものを使うこともあるのですが、引き出しまで他の色にするとコストが高くなるのです。白いものはメーカーのほうで厚み15ミリの材が用意されているのですが、他の色になるとその厚い板作りからしないといけない。また小口材も少量しか使わないのに取り寄せると無駄が多く出てしまう。そこで今回はグレーの化粧板を使っていますが、小口材は外側面と同じタモ材で仕上げることで少しコストダウンを図っています。でもかえってこの方がとても印象よく見えるのでした。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

ゴミ箱は最近よく使われるケユカのアロッツ。この形が進化したようなゴミ箱も最近見かけるようになりました。それを教えてくれたのも他のお客様だったりします。いろいろ勉強しなければいけないことはたくさんあるのです。

「中古マンションを購入した時はまだ下の子が生まれたばかりで、私に余裕がなく、壁紙だけ張り替えての入居となりました。
私たちにとっては水廻りのリフォームが今となり、このタイミングでイマイさんの家具に出会えたことはどんなにうれしかったことでしょう!
自分のこれまで、これからの生活を考慮しながら必要とする家具について、イマイさんとのやりとりをはじめ、向き合っている時間がとても勉強になり、楽しい時間となっております。」
それでもSさんはこう思ってくださっている。自分は家具や空間に向き合えて学んでいるのは私自身だったりわけですので、私がむしろSさんに感謝しなければいけませんね。

その様な感じでやり取りを繰り返しまして(メール数えるとトータルで150通くらいになっておりました。)ようやく制作が始まります。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

キッチン対面のカウンター収納の要である家族の書類をしまう場所。来客時はこのようにしまっています。普段は開けておくのだそうです。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

開けるとこのような感じ。扉は上に向かって開いてさらに本体内に収納できる形。収納扉金物はいつものような手作りなので、多少遊びがありますが、使い勝手は良く特に問題なく使えています。さらに下の板は手前にスライドする形。これで書類を上から取り出しやすくしています。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

書類収納の下にはちょうどマルチメディアコンセントがありますので、ここにケーブルなどがごちゃごちゃとするルーターなどを収納しています。

今回はリノベーションに絡めて家具の制作を行なうということで、進め方としては収納の天板となるキッチンの対面カウンターの材を先に私たちのほうで用意して、それを大工さんにつけてもらい、そのまま木工事を進めて頂く。そして、石膏ボードなどが張られて採寸ができる頃にあらためてお伺いしてその寸法に合わせて家具の制作に取り掛かる、という流れで進んでいきました。
まずは、長いタモ材を積み込んで浦和のマンションの五階まで。少し前に作られたマンションなのですが、ホールや廊下がとても広くとられていて、搬入で苦労することなく無事室内に。
お世話になる大工さん(お父さんと息子さんでされていてとても良く印象のお二人でした。)にご挨拶させて頂き、施工方法も打ち合わせさせて頂いて、まずはその日は工房に戻ります。
しばらくのちに壁ができあがったという連絡を監督さんから頂いて、再び浦和まで。
予定通りの寸法で壁を作ってくださっていたので、無理なく家具は制作できそうです。
ということで、ここから制作開始。
対面カウンターは下の収納があって初めてしっかりする作りなので、あまり制作に長時間を使っていられないわけですが、いつものように形が複雑でして、制作を担当したノガミ君も苦労しながら作業を進めています。
こうしてできあがった形を見るととてもシンプルなのですが、形を考えることも形を作り出すこともそこに辿り着くまでが大変な苦労なのです。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

浅い奥行の収納に対して引き出しが必要なのかどうか悩むところでもあります。浅いのなら奥のものもそれほど取り出しにくいわけではないですし、引き出しにすると家具本体の中にさらに小さな小箱をスライドレールを使って作ることになるので、その分、容積が小さくなってしまうわけですから。それでも、Sさんにとって家族それぞれが使う引き出しは大切だということで、上段に横に並べて引き出しを作る形にしました。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

下は開き扉の収納。可動棚の木口にタモが張ってあるのが分かりますでしょうか。かわいくなりすぎなくてとても上品な印象に仕上がっています。

そして、うれしいことにこの2台の家具を作らせて頂いている途中で、最初は別で考えていたダイニングテーブルまでご依頼頂けることに。
でも、Sさん。作らせて頂いたのはとてもシンプルなテーブルでしたがその形にだ取りつくまでは自分の中で気持ちを整理して、そのテーブルがある意味をきちんを整理されていました。
それってこだわりではなくて、暮らしが心地よく感じられる実感を得るために必要な作業なのです。
ひとつずつがそうあってほしいという願いでできた形は本当に幸せなのだと思うのです。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

カウンターはタモの幅接ぎ材。大工さんが丁寧に設置してくれたおかげで、あとから付けた家具との納まりも具合よく行きました。そして、この家具のもう一つの要であるブックラック。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

このブックラックをつけるということはその分、廊下の通路幅が狭くなる、ということです。それでもここにお兄ちゃんたちが良く手に取る本を置くこと、読書の習慣が付いたら良いな、という思いが伝わってきます。玄関から真っすぐリビングに向かう間取りなので、玄関開けるとこのブックラックがほんのり目に入る様子もまた良いのでした。

Sさん、うれしい言葉をくださいました。
「音楽はドレミファソラシドしかない音階で多様なメロディを生み出し人の人生に影響を与えます。
家具は板1枚から、これまた多様なカタチを造り出し、その人の生活に毎日寄り添います。
自分の好きなテイストの家具屋さんを自分で見つけ出して、整った我が家での生活はどれだけ快適なことか♪ ふふふ
病気をしまして、出産が遅くなり、息切れしながら49歳の育児真っ只中、それを日々支えてくれる家具と45歳の経験豊富な家具屋さんがいるのは安心です。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。」

そうそう、クレミルにもいらしてくださいましたね。
「木工教室とは」
https://www.freehandimai.com/?p=20807

タモ板目とステンレスバイブレーションの食器棚

価格:680,000円(制作費・塗装費)

タモのキッチンカウンター収納

価格:740,000円(制作費・塗装費)

ナラ柾目のダイニングテーブル

価格:310,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は60,000円から、取付施工費は100,000円から)

渡ってきた風

2021.06.26

「ブラックウォールナットのテレビボードと本棚のあるデスクのオーダー」

練馬 J様

design:Jさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:iku nogami

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Jさんから頂いたテレビボードのスケッチ。


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Jさんから頂いた本棚のスケッチ。

「フリーハンドイマイ御中
はじめまして。「オーダー家具」で検索して御社ウェブサイトを拝見しました。
お見積の依頼です。
最初は市販の家具で、思っていたのですが、扉の仕様など思うようにならないところがあり、オーダーをメインにやっていらっしゃる数社にも問い合わせて決めることにしました。
他社様へもお声かけしています旨、ご了承下さい。色々相談できる、経験豊富なところがよいなあと思っています。

○住所:東京都練馬区の新築マンション
○引き渡し:2017年1月17日
○希望納期:2017年1月20日ごろ(応相談)
○内覧会:12月予定

(1)TVボード[予算:40万くらい]
壁の幅が狭く、結構制限があります。
図を作成しましたのでご確認下さい。こちらについては、打ち合わせで色々お話させていただき、よく考えて決めたいなあと思っています。

[収納物(上置き含む)]
・サウンドバー:SONY[HT-ST9]
・テレビ:SONY[KJ-X8500D]
・PC:サイズW207XH464XD504mm(※ケーブル除く)
・HDDレコーダー
・PS4
・Jcomモデム
・ルーター
・空きがあればゲーム機とリモコンなど

サウンドバーはTV前でも構いませんが、TV鑑賞に干渉しないことと全体の高さを抑えたいと思っていますので、良い形がありましたらご提案いただければ幸いです。
添付の図は案でして、素人考えですのでこちらを基に一旦お見積をいただき、打ち合わせでつめていきたいと思います。

・扉:ルーバー
・素材:ウォールナット(無垢材)
・背板は必要でしょうか? なければ穴の位置も考えなくてよいし、色々やりやすいように思います。(図は背板のあるものです。一部optionとしてない形の記載があります。)
・サウンドバーの段には荷重に耐えるための支えを記載しています。不要でしたら削除可、他の形がよいようでしたら変更可です。
・ボードの下部は50mm取っていますが、巾木の実寸に合わせていただければと思います。
・パソコンはTVの後ろに置きますが、スタンドの上部に置く形になるので、何かしら台が必要になると思います。こちらも併せてご提案いただければ幸いです。(今回のお見積には含めなくても構いません)

(2)本棚&デスク[予算:20万くらい]
図を添付します。ケーブルを通す穴が必要になると思っています。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

テレビボードの全体の様子。家電はすべて黒でまとめられているので、とても引き締まった印象に仕上がりました。ウーファ部分はお隣がしないように床に直に置けるような作りにして、サウンドバーはテレビの下から正面に向かって音が回り込むような配置で。テレビの後ろも工夫されてできているのですよ。


ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

本棚の全体の様子。本棚もとてもシンプルな形。天板の身板目無垢材の幅接ぎで仕上げていまして、他は板目突板で仕上げております。間取りが少し変わった形をしていて、この本棚デスクを設置するためにあるような場所に見えてしまいます。

素材は無垢材を考えていますが、見栄え以外の違いが判りません。突板との違い、突板の利点がありましたらご教示いただけますでしょうか。
不明な点などありましたらご連絡下さい。
どうぞよろしくお願い致します。」
私たちの家具作りではいろいろな素材を使うことが多いのですが、主に突板を使ってキッチンや家具を作ることが多いです。それは制作にかかるコストが大きく違ってくることが大きな要因ですが、無垢材は製材したあとでも調湿を繰り返すため、どうしても木の動きを抑えにくい部分もあったりします。
もちろん突板を使って制作してもそのように動くことももちろんあります。
それが木の良いところであり自然な表情でもあるのですが、生活していくうえで使い勝手に支障が出てしまうこともあったりします。
床暖房が設置された空間や暖炉のある空間だったり、エアコンの風が大きく当たる場所に設置されていたりすると、木の表と裏とで大きく湿度が変わってきます。
以前によく乾燥された材と思ってショーケースを作ったことがありまして、それをパン屋さんに納品したのですが、パンの釜の熱気だったのでしょうか。
納品して数か月で、「急にガラスが割れました。」と言われてしまって見に行くと材が縮んでガラスを圧迫していたということもありました。
私の見る目が良くなかったもので、作り直させて頂いた苦い経験があったりするのですが、木はそれほど動きますので、なるべく使いやすさと作りやすさとその場所に合わせて、適材適所と心掛けて作るようにしております。
そう考えると、うすい無垢材を積層して反りや歪みを抑える工夫が施された突板をメインに考えていくと不便が起きにくいのではないかと考えているのです。
その代わりに、耐久性が必要な天板や、交換可能な扉や引き出しの前板などは突板よりももっとダイナミックな木の動きというのでしょうか(決して迫力があるわけではないのですが、その木が過ごしてきた時間が木目に現れているようなその表情や動き)が分かるように表部分に無垢材を使うという形で作らせて頂くことも多いです。

かえって、突板はそのように反り歪みが少ないように整えられた材ですので表情も整ったもので作られていることが多いのです。
ですので、同じ表情が連続してできているものが一般的な突板となります。
幅20センチ~30センチくらいの1枚の単板(うすくスライスした無垢材で辺材から心材のグラデーションが良く出てとても良い表情のものです。)をうまく色柄合わせるように心材を主に使って幅90センチや幅120センチの板を作っていくのですが、きれいな表情であるがゆえに整然としすぎてしまうと感じることもあります。
最近は、「クラフト」という意識が高まっていて、整然とした表情よりも木の個性が出ているような表情を好む方も増えてきました。そのためか、節がある素材が好まれたり、反りや歪みが一つの表情と捉えてくださる方もいらっしゃいます。
と、いろいろな見せ方があるのですが、今回のJさんの家具はブラックウォールナットの板目(木目が山なりになっている材)の整然と並んでいる一般的な張り方の突板を使って作ることになりました。
そのような感じでここまで長々とは描かなかったのですが、私なりのスケッチを添えて、作り方と金額をお知らせしたメールをお送りしたのでした。

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あらためて送らせて頂いたテレビボードのスケッチ。


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あらためて送らせて頂いた本棚のスケッチ。

そうしましたら、「今回は別の家具屋さんにお願いすることにしました。」というお返事でした・・、あら、残念です。
やはり価格差が大きかったようで、私たちの努力不足ですね。
金額では他社さんよりも高くなってしまうことが多かったりして、残念な気持ちでお断りのご連絡を頂く皆さんも今までいらっしゃいましたので。
でも、相見積というのは良いことだと思います。特にオーダー家具やオーダーキッチンというものはなかなかコストが分かりづらい部分もありますので、いろいろなメーカーさんを比較してそれぞれの得手不得手をよく理解して頂いた上で判断して頂くというのは良い選択方法だと思うのです。
そのようなわけで今回は残念ですが、そのメーカーさんとはインスタグラムでフォローしあっていたこともあったので、安心してお任せできるところだと思ったのでした。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

細かいデザインの考え方として、本体の手前に扉や引き出しをつける形(アウトセット)と、本体の内側に扉や引き出しをつける形(インセット)と大別されます。個人的には少し古風に見えるようなインセットが好きですが、今回は本体の手前に扉が付く形。この場合、正面に見える側板の前面と扉面に揃えるかどうかでも印象が変わってくるのですが、今回はそのまま奥に引っ込んだ形。天板だけは扉よりも少し出す形にすることで、奥行の印象がまとまって見えるようにできたと思います。

ところが数日後、あらためてJさんからご連絡が。
どうも素材について意見の相違があったようで、イメージと異なる形になってしまうということからそのメーカーさんへの依頼はお断りして、あらためて私たちに連絡が届いたのでした。
紆余曲折というのはあるものですね。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

納品直後の様子。テレビが置かれて隠れてしまっているのですが、天板の上にはコの字の台が置かれています。 これはテレビのベースに干渉しないようにしつつ、パソコン本体をテレビの奥に隠してしまうための台なのです。不思議なアイデアです。

それで再びお話を進めさせて頂けることになったのですが、マンションの内覧会の予定日をお知らせ頂くともう既にほかの予定を入れてしまっていたものですから、内覧会以外に入室するのは難しいだろうからやはり対応可能な他社さんとでお話を進めて頂いたほうが良いのではないだろうかと少し心配しておりましたら、どうやら再内覧の日でも私たちも入室可能ということになりまして、無事に家具を作らせて頂けることになったのでした。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

こうなるとパソコンが置かれていることは分かりませんね。今回の格子扉は格子の幅が13ミリ、隙間が7ミリという見せ方にしています。裏面にはホコリが入りにくいようにアクリルを入れた形にしています。もちろんリモコンは効きますよ。

で、最初にJさんから頂いたスケッチをご覧頂くと分かるのですが、ご主人は外国人さんで(国名をお聞きし忘れてしまった・・)今回のメインのデザインはご主人が行なっています。ですので、何となくお部屋の印象が海外から吹いてきた風のように洗練された印象に映ります。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

扉を開けた時の印象。キーボードやAV機器がきちんとしまえるサイズで設計しています。

形はとてもシンプルです。
機器類をしまう部分はガラスや格子のデザインを希望されていて、今回は格子扉に。
先ほどのお話に戻りますが、「格子扉も突板で作るのですか。」と聞かれることがあります。
突板合板は積層してできているものなので、細かな部材作りには強度不足だったりします。そこで、格子扉やガラスを囲う框扉は無垢材で作っているのです。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

先ほどのお話に合ったように天板だけは扉よりも少し手前に出した形の納まりの様子。また手掛けの印象はこのような感じです。

オープンスペースにはウーファとサウンドバーが入るので、印象が引き締まって見えます。
本棚もスケッチや図面を見ると味気ないくらいにシンプルなのですが、こうしてそこで暮らす人の物々が入ると洗練されて目に映ります。
こうして、シンプルで美しい形になりました。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

テレビの背面の様子。

「イマイ様お世話になっております。
ご連絡が遅くなりましてすみません。
日曜日の午後は家にいることが多いので、お近くにいらっしゃることがありましたら是非ご連絡下さい。
木目の美しさをとても気に入っています。大切に使っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。」
Jさんご家族にもこうして気に入って頂けてとてもうれしく思うのです。

ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

こちらは本棚。本棚を作る時にこういうふうに縦の仕切り板を入れるかどうかを皆さんにお聞きします。 広く使いたい、ということで仕切り板をなくす形ももちろんありますが、そうなると多少板がたわんだりします。また、今回のようにサイズが決まったものばかりを入れる場合は仕切り板が無くても良いかもしれませんが、右はB5、左はA4などのサイズを変えた形でフレキシブルにしまいたい、という場合は、仕切り板を入れることで左右の棚の高さを変えることができるので、使い勝手は良くなります。見た目は多少賑やかになりますが。


ブラックウォールナットの本棚とテレビボード

デスクの様子。天板の下には小さな引き出しを設けています。このくらいのサイズの天板でしたら良いのですが、もっと大きなデスクに引き出しをつけたい、というお話を頂くこともあります。つけることはできるのですが、長い目で見ると天板を倉しっかりした無垢材で作っても多少中央に向かって板はたわむのです。だから引き出しの代わりにしっかりとした幕板を入れたいなあと、そういうご相談が来ると私は思ってしまうのです。そして、幕板をつけつつ、小さな引き出しをつけてしっかり強度が確保できる形をきちんと考えておかないといけないな、といつも思うのです。

ブラックウォールナットのテレビボード

価格:480,000円(制作費・塗装費)

ブラックウォールナットの本棚のあるデスク

価格:350,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は35,000円から、取付施工費は30,000円から)

日刊Sumaiに記事が掲載されています。

2021.06.25

今年の2月から始まったダイスケさんのライター活動(!?)。早くも今回で11記事目になりました。
今回のテーマは「オーダー家具の魅力は自由度の高さだけではない。作り手が考えるメリットとは」です。
自分はオーダー家具屋で働いているのでどういうものかわかっていますが、知らない方・一生オーダー家具とは無縁の生活を送る方々もいらっしゃるわけです。以前小物を持って青空マーケットに参加していた時に自己紹介すると「え?オーダー家具ってどういうことですか?」と聞かれたこともよくありました。興味がある方は是非読んでみてくださいね。
日刊Sumai → 暮らし → インテリア・雑貨 →  記事「オーダー家具の魅力は自由度の高さだけではない。作り手が考えるメリットとは」
「今井さんが書いた記事、全部まとめて読んでみたい!」という熱い思いを持った方は日刊Sumai のサーチ欄で今井大輔と検索すると出てきます。よろしくお願いします。
写真は、Nさんのお家に作らせていただいたカップボードとTV台を兼ねた家具です。暮らし始めた頃家族でお招きいただいた時の写真です。すてきな暮らしをされていました。お元気でしょうか。

ようやく、ひとまず完了。

2021.06.24

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先月の半ばにスタートしたこの大きなキッチンの設置工事。
あの時はこのステンレスカウンターたちが無事にこの場所に搬入できるかどうか心配しておりましたね。
あの日は足場を部分的解体してもらってどうにか搬入ができて、本体の設置もできたのでした。
そのあとにその本体を固定してからでなければ壁と床を仕上げることができないということで、私たちの作業後にいよいよ床のモールテックスも塗られて、壁のシナベニヤも張られて、仕上げに入らせて頂ける状態になったのが先週のできごと。

コンパクトな空間にかなりのボリュームの形が設置されることと、他の職人さんも出入りが激しい勝手口のそばに設置されることもあったりして、設置場所はなかなか足の踏み場が無くなってきておりました。
むかしまだこの仕事を手伝い始めたばかりの頃によく父の後ろについて、店舗の現場に出入りしていた頃を思い出しちゃうくらい。
その中で2日間かけて、ノガミ君とヒロセ君が仕上げてくれたおかげで、どうにか先が見えてきました。
そして、その時は来週(今でいうと一昨日)の新たな問題にドキドキしていたのです。

今回私たちのほうで用意させて頂いたリープヘルの冷凍冷蔵庫、実際に届いたものを見てみると、私たちの幌付きのトラックには高すぎて入らないし、重量も120kgあると書かれていたりして、たいへん気持ちがざわついていたのでした。(よく見てみたら「分割して運びます。」となっていたのと、トラックも無事に借りることができて気持ちが和らいだのですが)こうして現場を見てみると、うーん、勝手口からは入らないよね、もしかしたら玄関からも入らないかも・・、と、やはり不安な気持ちのまま一昨日現場に向かったのでございます。

そうしましたら、もう先に左官屋さんが一生懸命外回りを仕上げているところでした・・。
左官屋さんも作業量とスケジュールの調整が難しいくらいのボリュームで今日まで作業が掛かってしまったということで、他の職人さんも「うちも作業止まっちゃったなあ。うーん、そうか、どうしようかなあ・・。」なんて職人さんたちが軒先で思案していて、しまいには「こりゃあ左官屋さんもみんなにこう近くで見られちゃ仕事やりづらいよね。」「はははっ、もうこういうのも慣れてますよ。」なんてみんなで笑顔になっちゃって気分が高揚したりして・・。
でも、笑っていても今日は作業できないので、その日は一度工房に戻りまして、現場を見てきた時に出ていた細かい問題点も一緒に持ち帰ってその準備をすることで明日の作業に備えることにしたのでした。
そして、いよいよ昨日、現場の皆さんの手も借りながら、たいへん重たい冷蔵庫と冷凍庫を無事に運び入れることができたのでした。
その後、細かい部分で難題が出たりしましたが、その都度うまく解決しながらようやく設置が完了。
みんなが頑張ってくれたおかげでどうにか終わらせることができました。

良かったよかった。

父の日のアマンドショコラ

2021.06.21

「おとうさんよくアーモンドチョコ食べてるじゃん。だから今回それを作ってみた。試食できないからお母さん味見してみて。」とハル。
土曜日家に帰ると外国のお菓子みたいに保存瓶いっぱいのアマンドショコラがありました。ハルはナッツアレルギーがあるので、異常が出てないか心配でしたが大丈夫でした。ちゃんとカリっとしっかりキャラメリゼされてて美味しくできていてすばらしいね。試食して断面を見せると、「6回やってその厚みか。」とハル。私も一度だけ昔作ったことがありましたが、このチョコをアーモンドの周りに付ける作業が結構大変だった覚えがあります。おとうさんが「へ~。」と言いながら数粒ずつ食べている姿が微笑ましかったです。
さて、JCチイはというと恒例のお手紙ということでしたが、渡しそびれたようで、「今日渡す。」とのことでした。チイのメッセージカードも独特のセンスでコラージュされていて面白くて好きなのですが、毎年恒例になってきた「ハルが何か作ってチイはお手紙。」という流れ。実はチイも作ってみたいけどやり辛いのかしらと気になりだしました。私も小さい頃そうでした。二つ上の兄が小さい時から器用で、リンゴの皮を剥くのも、絵を描くのも上手で、兄の次にやっても大して褒めてもらえないという思いがありました。そう思っていないといいのになぁと少し心配になってきたので、今度お話してみようと思います。そんな父の日なのでした。

JKには二口コンセント!?

2021.06.16

洗面所のコンセント。どこにいくつつけようか?皆さん悩まれるポイントかと思います。
我が家は鏡に向かって右側に二口つけました。
以前のマンションの洗面台は左側についていて、家族みんな右利きの我が家では、ドライヤーをかける時にコードが体の前を上下する様に毎回ちょっとイライラしていたのです。
新居に暮らし始めて、ここのコンセント一口でもよかったのかなぁと当初思っていたのですが、長女がJKとなった今では、二口あってもよかったのだと実感しています。
小学校・中学校の間は校則も厳しいので、朝の髪形セットなんてゴムで縛って終わりでした。JKになると25mmのカールアイロンとストレートアイロンが加わりました。
収納場所を考えなくてはいけないので物を増やしたくなく、初め買うのを渋りましたが、「この髪型はその2つのヘアアイロンがないと再現できない。今あるやつではできなかった。」とハルにプレゼンされ、どうせ買うならちゃんと使用感を確認して買おうということで、ドンキホーテに行き、主要メーカーの物をそれぞれ試しました。同じ径でもメーカーごとにグリップの固さ、大きさ、長さが異なり、使用感を確認するのは必要なことだなと感じました。ハルが気に入ったものはモッズヘアのもの。同じ系統の家電は色を統一した方がごちゃごちゃ見えず、今あるドライヤーが白なので同じ色にしました。お気に入りの道具が手に入って、毎朝洗面所で活躍しています。娘の見た目が整って気分よく登校していく姿は親もうれしいですからね。

もし、ここが一口でも必要時に電源タップをつければ済む話なのですが、家づくりの時、その時の暮らし方でしか必要なものはわからないです。もしもの時を考えていったら物は増えてしまいますし。後に合わなくなっても後悔しないで済むポイントはその物が持つデザイン性でしょうか。
あとは、「あんなことできたんだ、知らなかった!」と後から気づくことですよね。でも、全部事前に把握することなんて無理ですし、物もどんどん新しいものが出てきます。我が家はこれでよかったんだと思えるポイントがひとつでもあればいいと思います。年齢を重ねる毎に必要なものは変わり暮らし方は変わっていくものですから。

お久しぶりです、Oさん。

2021.06.14

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内田雄介さん設計の調布の住宅。
1年半ぶりになってしまいました、Oさん、こんにちは。
「本当はね、コロナのこの状況じゃなければ、もっとキッチンを整理するのに買い揃えたいものもあるのですけれど、かかりつけのお医者さんからも不用意に出歩かないように強く言われちゃってますのでね。」とお母さん。
「でもね、とても心地よく使わせて頂いていますよ。」
「昔からいろいろ作るのが好きだったのでね、特にこのコンロのグリルがとても重宝していて。とても美味しく焼けるからオーブンレンジよりもこっちのほうが出番が多くなっているのですよ。」
ふむふむ、そうなのですね。我が家ではアキコがここをそれほど活用していなかったように思えるから、もっと楽しみが広がるかも・・。
今日は、ステンレス天板のお手入れと浄水器の点検にお邪魔したのですが、どちらも問題なく使えていて、どこもかしこもきれいに使ってくださっているから、見ていて気持ちの良いものです。
「息子とお嫁さんとみんなでここに立つ機会が多いけれど、ギュウギュウになることなくてとても快適に使えています。イマイさんにお願いできてよかったですよ。」
とうれしそうにおっしゃってくださるお母さんの笑顔に元気を頂いてまいりました。
並んだあちこちの様子を見ていると、楽しそうな様子が分かりますものね。

Kさんのチェリーのカップボードに会いに

2021.06.13

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「Kさんこんにちは。」
木の壁というのはなかなかめずらしく、ちびっ子たちにとってはhomeというよりもplaygroundのようでしょうか。
Kさんとお話しているあいだずっと元気にみんなで走り回っていました。
それほど気持ちが良い場所でしたね。
ただ、そこかしこが木ですから通気良くしておかないとカビにもなりやすいですし、板は動き続けますから。
そういういろいろなお話をさせて頂いて、お手入れの方法をお伝えして(おじさんに何しにているの?何の写真撮るの?うわぁ、蜂蜜の匂いずっとするねぇ。と遊びの合間に質問しに来るちびっ子たち)、これでひと段落ですね。
木と暮らしていくことはとても気持ちが豊かになります。
でも人との付き合いと同じように気にかけてあげてお互いが心地良くいられるように工夫して暮らしていかなければいけません。
でもそんなに気張る必要もなくて、何気なく触れてみて「あっ、ザラっとしてきたかな。」「水がかかってしまっているから拭いてあげよう」
何気なく良く見てあげて一緒に楽しく年を重ねていくのです。

「昔はね、履かなくなったストッキングに米ぬかを入れて床を毎日磨いたの。大変たっだのよ。」今から14年ほど前に小さな台をご依頼くださったAさんのお母さんがおっしゃっていた言葉。

お父さんとお母さんが手入れする姿を見て、ちびっ子たちもきっとまねしていってくれるはずです。楽しみですね。

Kさん、お久しぶりです。

2021.06.10

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大塚という駅にはいろいろご縁があって、ヘアーサロンの悠雅さんには木製パーテーションを作らせて頂いたり、看板を作らせて頂いたりと、一番古いお付き合いの方がいらっしゃったり、カルトナージュの先生をされているKさんのご自宅にテレビボードを作らせて頂いたり、今では中華料理のお店「大塚中華Keiwa」で美味しい料理を出されているIさんの自宅にキッチンを作らせて頂いたり、となんででしょうね。寒川からは結構遠いのですが、大塚駅から歩いて10分くらいの半径に知り合うことができた方々がいらっしゃるっておもしろい。
そして、今日のKさんも同じくその半径。
4年前にマンションのリノベーションをさせて頂いて、そのあとも少しずつご相談を頂いていたりしましたが、今回とても久しぶりにリビングを整理したいというお話を頂いてお邪魔してきました。
4年前はね、お子さんたちがまだまだ小さくて部屋の中が賑やかでしたが、すっかり落ち着いた感じになって、キッチンやダイニングの収納やデスクも良い印象になっていました。
新しい家具のお話をさせて頂きながら、キッチンたちのお手入れの方法などを説明させて頂いて、ああ、懐かしいなあ。
そして、このあたりはむかし祖父母が住んでいた町が近いこともあって、懐かしい下町のにおいがするんです。
ああ、いいなあ。

懐かしい人に会うとうれしくなります。

Iさんこんにちは

2021.06.08

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昨年のクリスマスに設置したIさんのキッチン。
やっと再会。
何というのかしら。もうスタジオのようです。
お菓子をきちんと作るための道具たち。
Iさんが悩みに悩んだシンクはみごとに使いやすそうで、卓上の食洗機はルンバと一緒にご主人に愛されながらここに居て。
ここから出てくるお料理見るのはきっと子供たちの楽しみだろうなあ。

昔、小さい時のことをよく思い出す音があるのです。
あの食器が片づけられるカチャカチャする音。
家族みんなで時々外食するのはとても楽しみで、当時は横浜のはずれの団地に住んでいたのですが、そこから大和まで父が運転する車に乗って「ケルン」という名前の洋食屋さんに連れて行ってもらうのが楽しみだったのです。
そこでいつも注文するのはベーコンがぐるりと巻かれたハンバーグ。
とても小さな細長くてうす暗いお店だったような。
でもここが大好きでここに来ると必ずそれを食べていたっけ。
カリッとしたベーコンは不器用にナイフとフォークで食べているうちにハンバーグからほどけて、いつも最後まで一緒に食べられないなあって思っておりました。
そして、その料理が出てくるまでが待ち遠しい。
先にお料理を食べ終わった人たちの笑い声が聞こえたりして、その中でウェイターさんが食器を下げる音がカチャカチャとなりで響いている。
奥の厨房でもカチャカチャ響いている。
時折お肉がおいしそうに焼けた香りが席のほうまで漂ってくる。
私のハンバーグかな・・、でもそれはきっとお隣さんのお料理で、またそのそばでカチャカチャ食器が鳴る音がする。
カチャカチャがふと止んだ時、ジュゥっという音をさせながらいよいよハンバーグがやってくる。
「鉄板が熱いから気を付けてね。」というおじさんの言葉はあまり耳に入らないで目の前のベーコンが巻かれたハンバーグの大きさににこにこする。
だから、カチャカチャする音が好きなのです。
もう40年近く前のお話。お店は無くなっちゃったけれど、頭の中でハンバーグはいつでも焼けているのです。

美味しいだろうなあ。

ブラックウォーとナットのテレビボードとチェリーのダイニングテーブル

2021.06.06

先日お届けしたNさんの家具。今回は運送屋さんに配送をお願いしたので、まだ納品時の様子も確認できていなかったので、本日ようやくその様子を拝見させて頂くことができました。
「大変満足しておりますよ。部屋が広くなったように思えますし。お願いしてよかったです。ただ、ちょっと時計の文字盤が反射しちゃうんですね。このあたりは私もちょっと考えてみますね。」
エンジニアでもあるNさんはそううれしそうにおっしゃってくださいました。

「ここまでピッタリに納まると思っていなかったので、こういうふうに見えるとこのテレビの上もブラックウォールナットの戸棚を作りたくなりますね。またいろいろ考えてみます。」
そうおっしゃって頂けて、ありがとうございます。
またお声掛け頂けるのを楽しみにしております。

お久しぶりです。

2021.06.06

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先日、5年前から少しずつピースにうまくあてはまるように家具の制作をご依頼頂いているOさん。
ちょっと引き出しがガタついてしまったということでそのメンテナンスに伺ってきました。
変わらないですね。変わったのはお子さんがあっという間に大きくなったくらいでしょうか。暮らしかたがあの頃からそのまま丁寧に時間だけを紡いできた、という感じでしょうか。
そういう空気でしたね。
Oさん、またお声掛け頂ける時が来るのを楽しみにしております。

家具屋の自宅:お庭ごはん

2021.06.06

DSC_9083「みんなで早く動いて消えてる写真にしようぜ。」ということで、コンロにピントを合わせていたのですが、私も笑っちゃったので結局全部ボケちゃいました。チイが一番効果が出てますね、さすが。ハルの親分感、笑。)
DSC_9096
週末、「焼肉食べたいね。」「土日のどちらか焼肉にしようか。」「おとうさんも早く帰れそうだからお庭でする?」「日曜日は雨予報だよ。」「じゃあ土曜日の夜にしよう。」ということで、土曜日の夜は小さいお庭で大きい家族が揃って焼肉をしました。
ご近所の方々すみません。ご迷惑をおかけしました。
一応虫よけスプレーは用意していましたが、まだ蚊に悩まされずにお外で3時間ほど過ごすことができました。
日も長くなったので、まだ明るい18時頃スタートして、いろいろ焼いてお腹いっぱいになったら、お外の灯りを消してキャンドルをつけてしばらくお外でぼーっと過ごしていました。ただお庭でご飯を食べただけなのですが、特別感があって心地いい時間を過ごせた気がします。普段無口な次女チイも色々お話ししてくれました。(お姉ちゃんが途中から友達と話し始めちゃったからかしら。でもうれしい。)お出かけできない日々が続いているのでいい気分転換になりました。

ネコ階段にもなる収納:伝えられなかった形

2021.06.04

お客様から頂いた納品した家具の使っている様子の写真です。Yさんのお気に入りが詰まっている様子が伝わってきて、微笑ましいです。すてきな写真をありがとうございました。もう5年ほど前のお話になりますでしょうか。
なぜ今このお話になったかというと、Websiteの製作例には載せていない家具なのです。
製作例に載せている家具やキッチンとそうでないものの違いは、納品後にお宅訪問に伺わせていただき、使っている様子の写真をWebsiteに掲載してもよいかどうか伺って、許可をいただいた方を順番に載せていっています。その方のオーダーをいただいて出来上がった形ですから、使っている様子に勝るものはありません。家具は収納ですから、物が入っていないとその形の魅力が写真では伝わりづらいです。
ですので、納品後に伺えていない方々のものは載っていないのです。すみません。納品時のブログには載せていたと思いますが。
先日ダイスケさんと、写真データを整理していて何件か見つけました。すてきな形をご紹介できていないのは残念なので、これから「伝えられなかった形」シリーズとしてご紹介していけたらと思います。

5年2か月

2021.06.01

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昨日からお伝えしていますが、スタッフカイ君が退職しました。5年と2か月、ここで家具やキッチンを作り続けてくれました。カイ君は立ち止まってよく考えてから行動するタイプのようで、初めはその立ち止まっている時間が、「わかっているのかな?大丈夫かな?」と見ていて不安になる時もありましたが、作り上げる家具の形と共にそれが彼のペースなのだと分かると頼もしくなってきましたね。すばらしいね。お疲れさまでした。
本当はこのお話は2年前から出ていたのです。
カナイ君がここを退職する時に、「実は僕も…。」とお話があって、(この時が一番驚いたので今は何ともないのです、とか言って。笑)スタッフ4人の職場で2人同時にいなくなられるのは先の仕事の予定も入っていたので厳しく、時期を半年ずらして7月まではここで働いてもらえるように調整してもらいました。そしてコロナ禍の影響で、今度は就職先が受け入れるのが厳しい状況になってしまったということで、向こうが受け入れられるような状態になるまではここでお仕事を続けていくということになり、今回のタイミングになったのでした。もう、一度心が動いたら止められないですからそのまま受け入れるというのが私達の方針です。まだ若いし、長い人生ですから、いろいろな経験を積んで頑張っていってくださいね。今は、ひとつのことを極めているというよりも、これもできてあれもできるという多才な人の方が重宝されている印象があるので。(大変だよなぁ…。)
辞めていくスタッフにはうちの会社で働いていてどうだったかと意見を聞いているのですが、(全部本当のことは言えないでしょうけど、一応。)カイ君がすてきなことを教えてくれました。「家具やキッチンを納品していて感じていたんですけど、お客様と接している時に、ちゃんとひとりの人間として接してくれている方々ばかりで、ただ家具を運んできた人っていう感じではなく、ちゃんと迎えてくれている感じがして、いいお客様ばかりで、その方たちに喜んでいただけて僕もうれしかったです。」と。私とダイスケさんも普段お話しているのです、お客様との出会いに恵まれているよねと。そうでなければ多分これまで続けられていないよねと。それをカイ君も肌で感じていたのだと分かってとてもうれしかったです。私達スタッフ一同に対して温かい気持ちで接してくださりありがとうございます。カイ君が製作を担当した家具やキッチンも私達できちんとサポートしていきますのでご安心ください。これからの私達もよろしくお願いいたします。