ナラ柾のテレビボード

2017.07.31

「あの、茅ヶ崎のFと申します。覚えていらっしゃいますか。」とご年配の男性の声。もちろん覚えております。
なかなか興味深い形を作らせていて頂いたFさんでした。
2006年にテレビボードとダイニングテーブルを作らせて頂いてからもう11年になります。
「実は水槽のポンプが故障して水があふれてしまって、その時に家具の表面を傷めてしまったのです。」
というご連絡を頂いて、メールで症状を聞かせて頂き、水槽のお水というとカビかなぁ、カビだと導管に入っちゃうと取れないよなぁ、と心配していたのですが、ちょっとそういう言う感じの黒みとは違うようで、「それならレモンをかければ消えるかもしれません。」とお伝えすると、ほとんど消えてくれたようで。ただ、レモンを掛けたところが脱色したほうに色が抜けてしまったということで、本日メンテナンスを兼ねてお邪魔させて頂きました。
とてもきれいに使ってくださっていて、家具たちのそういう姿を見るとうれしくなります。
私の両親と変わらないくらいのお二人ですが、とてもお元気で自分でいろいろな細工もやってしまうくらいですので、その白化した部分をオイルできれいに戻す方法を実践してお伝えしました。
「いきなり自分でやるのは躊躇しちゃって。これで分かりましたので、時間を見つけてやってみます。」

このFさんが住むマンションは、とても思い出深いマンションで、ここに住むYさんMさん、Sさんなどいろいろな皆さんの家作りの手伝いをさせて頂きました。
もうみんな10年以上も前のお話ですが、ここに来るとね、気持ちが戻ります。
いろんな緩急の移ろいのなかでいろんな人に出会って助けられて今があるのだって、懐かしい人に会うたびに思うのです。