Nさんのダイニングボード:スタッフ ノガミ君の制作日記

2019.02.23

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今回の家具は、既存の家具を取り外して、そこに新しい家具を納めるというものでした。
窓枠に合わせて柱を立てたり壁から出ているガス管の位置を開口にしたりと、ちょっとしたリフォームのような感じでしたので、思うように形にしやすい新築と違って、その設置場所の状況に合わせる加工も多く、取付がうまくいくのか心配なところもありました。
実際に取付に行くとやはり細かい調整も必要で、まずは既存の家具を解体することに少し手間取ってしまいました。私たちが作る家具は、基本的にあとからお部屋に付けることが多いため、何かあった時も取り外せるように作っています。お引越しで家具を持っていきたいってお客様もいらっしゃいましたし。でも一般的に造り付け家具となると、その言葉通りに造り付けてしまっていることが多く、今回のNさんのこの家具もどこのビスを外せば家具が取り外せるのかがが分かりづらくて、実際には仕上げ材をはがさないとビスが出てこない部分もあったりして、この場所で組み立てて、この場所で仕上げたのだということがよく分かりました。ですので、外すためには玄能で叩いて仕上げ材をはがして壊さなければ外せなくて、少し淋しくなる作業を繰り返しながら解体していったのでした。
そして、いよいよ新しい家具の据え付けですが、今回は壁がS1工法(というのだそうです。)といって、コンクリートに直接断熱材のスタイロフォームが貼られている構造でしたので、家具を固定する下地を作らなければならず、また、壁と床の水平垂直が出にくい部分があったりして、組み上げては微調整をするために下ろして、という作業を繰り返しまして、だいぶ時間はかかってしまってNさんには遅くまで気を使わせてしまったのですが、どうにか無事にきれいに納めることができました。
今回のダイニングの家具設置の5日後には、リビングボードの取付があって実際に使用し始めたダイニングボードの様子を見ることができたのですが、まるで以前からそこにあったかのようにNさんの家や生活に馴染んでいるように見えて、うれしく思いました。