Nさんのラウンドテーブル:スタッフ カナイ君の制作日記

2019.09.24

_dsc3010_dsc2087_dsc2090今回製作を担当させて頂いたのはNさんのラウンドテーブルです。
天板が円ということで、普通の四角のテーブル板よりも切り回しや木端・木口の仕上げに手間が掛かるのです。
なぜかというと、四角テーブルの天板の場合は、パネルソーという大型の鋸で直線にカットできるので、それでカットしてから木端・木口を鉋がけして、面取り加工をすれば終わるのに対して、ラウンドテーブルの場合は、何度かに分けてカットしていくのです。
まず、一度ジグソーという刃の厚い鋸を使って、四角い板を仕上げ寸法よりも数ミリ大きめに丸く切り出します。ここの加工はジグソーではなく帯鋸で加工する職人さんもいるようですが今回は直径が大きいこともありますので、ジグソーで切り出していきます。
そのあとに、直径1300mmにカットできるように作ったラワンベニヤの治具を天板に仮止めしてそれにならってルーターで丸く削っていくのです。
ちなみにルーターを運ぶ方向は時計と逆回転。そうしないと、刃の回転と同調して、腕ごと持っていかれて大怪我してしまうのです。
できあがる家具は穏やかに見えてもその加工はかなり大胆で危険と隣りあわせだったりしますので、常に緊張の毎日です。
それから、ルーターでカットした木口面には、まだルータービットの刃の跡が残っていますので、それをペーパーでひたすら平滑になるように磨いていきます。
直線ではないので、鉋はあてられないのです。
そのようなわけで、天板1枚作るのにも四角と丸だと大きく加工する手間が変わってくるのです。

さらには、今回はその脚部は五本脚。
なんで五本脚なのか、社長に聞いているとなるほどと思いましたが、脚と脚をつなぐ幕板を五角形にしていくために、ホゾ穴やホゾの先を角度をつけなければならないので、とてもシビアな加工になるのです。
さらには、組み立ての際にほぞをたたき込んでいく時も直角であればそのまま玄能で叩き入れることができるのですが、今回のように角度がついている場合は叩くだけでは力が逃げて入っていかないので、クランプを使って加減しながら組んでいくので、これがなかなか大変でした。

そのように苦労した甲斐があって、とてもしっかりとした使いやすいナラの円卓になりまして、Nさんにも大変喜んで頂けてうれしく思っています。