あるべき姿に

「クリの円形ダイニングテーブルとチェアとテレビ台のオーダー」

練馬 S様

design:Sさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hiroyuki kai
painting:hiroyuki kai

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

全体の印象。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

ふふふ、懐かしい空気と新しい風が入りまじって見えませんか。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

玄関入ってすぐにこの空間は気持ちが良いのです。

今から5年までにちょっと変わった食器棚のご相談をしてくださったFさん。
こちらのクルミの格子扉のある食器棚でした。
かぜがふわりと
この時の詳しい様子はこちらの記事を読んで頂ければと思います。
なぜ格子扉の吊り戸棚にしたのかという面白い試みについて書いておりますので。

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

天板は直径1200ミリ。4人でも十分すぎる広さですので、ゆったりと使えます。

そのFさんの奥様のご実家の家具の相談を頂いたのです。
ご実家には1階にお母様が暮らしていらして、そのリビングダイニングを使いやすくしたいというご相談だったのでした。
「イマイさん、ご連絡ありがとうございます。
私の実家は今は二世帯になっています。
母は以前はテーブルで食事をしていましたが、一人暮らしで広い部屋が不要ということで二世帯で部屋を狭くしたので現在はローテーブルで食事をしています。
そのローテーブルが年齢とともに低さを感じるようになって、ここ最近食事をする度に立ち上がったり座ったりを繰り返すと腰が痛くなってきたそうです。
今後より歳を重ねるにつれ腰痛が出ると困るので、新しく買い換えたいのだそうです。
部屋のサイズ感と雰囲気に合っていて、楽に食事ができるテーブルを希望しています。
これ以上買い換えたりしたくないので、相談の上オーダーを希望しています。
ただ母はこれといったこだわりは無くて、プロにアドバイスをいただきたいと言っております。
私の家の食器棚も見ていて、イマイさんの話をさせていただきましたら「ぜひ。」との事でした。
お忙しい中お手数をおかけしますが、ご検討よろしくお願い致します。」

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

天板の木口は丸みを持たせていますが、まん丸にすると印象が甘くふにゃっとした感じになってしまうので、ここでは木口と天板のエッジは残しつつ丸みを持たせています。そこにこの丸い脚がつくことでとても良い表情になりました。

ちょうど私が自宅で円卓を使い始めたこともあって、もしよかったらお母様に円卓の心地良さを伝えられたらとこの時考えていたのでした。
そのご実家の写真を拝見させて頂いた時に思ったどこか懐かしい印象にはきっと円卓が置かれるとよい印象になるだろうと思って。そのお話させて頂き、そしてお伺うすることになったのでした。

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

椅子の背もたれと天板の直径を今回は合わせております。

こんにちは。
お会いして分かる気持ちの良いお話しぶりのお母様。とてもさっぱりした方で細かい部分はお任せするので、心地よく過ごしやすい場所にしてくださいな、というご意見を頂いて、あとはFさんとどうしたらよいかをあれこれお話していったのです。
その中で、自宅の円卓と椅子の組み合わせをあらためて写真で見て頂き、この少し懐かしい印象の空間にはよく合うではないかというお話をあらためてさせて頂いて、その感覚をとても気に入ってくださったのでした。そのお話の中で目に留まったのがテレビ台。もとはテレビ台というよりはシンプルなベンチのような台。そこにテレビが置かれていたのですが、テーブルと椅子がまとまってくるとテレビ台も気になってきて、お母さまもFさんも同じことを考えていたようで、一緒にご依頼頂けることになったのでした。
これは楽しみです。

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

椅子の全体像。今回は座面をふっくら見せたくて脚にはめ込むのではなく上に載せる形にしました。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

また高さをいつもよりも少し低めにしていますが、背もたれは少し高め。このバランスが椅子をかわいらしい印象にしています。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

ちょっと分かりづらいのですが、脚もテーブルの脚と同じように丸みを持たせたかったのです。ただ、まん丸の脚にするとかなり加工する手間が増えてしまうため、コストが上がってしまう。そこで角の丸みを大きく取る形にしたのです。その形に見せるために幕板を脚よりも内側に入れたのですが、ただそうすると強度が不足してしまうので、見えない部分で端材を厚いまま使っていて強度が出せるような工夫をしています。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

天板、脚、座面とその丸みが重なって見える印象。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

背もたれはいつものように3ミリに挽いたクリ材を3層重ねてプレスしてこの局面を作り出しています。

さてその円卓ですが、私の自宅と違ってお母さまのダイニングには鉄の脚はちょっと似つかわしくない印象になってしまいそうです。
もう少しやさしい印象にしたいな。
そこで、テーブルは4本の丸脚で、甲板もエッジを残したまま丸みを出す形にすることにしたのです。
今からとても良い感じになりそうなことが分かります。
それに合わせてダイニングチェアはオリジナルの形を考えてみます。
私たちのスタンダードなダイニングチェアの形を基準にもう少し印象をやさしく、そして座り心地を柔らかくできるようなデザインに。
漆喰の真壁の印象にうまく合うような形を心がけます。椅子の脚と幕板の関わりをその印象を取り入れてメリハリのある形に。
そして、テレビボードは自宅のデザインを取り入れたうえで、コーナーでうまく活用できるような五角形の形状で作ることにしたのです。

クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

五角形のテレビボード。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

縁はテーブルたちと合わせて丸みを出しています。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

手掛けもいつものオリジナルデザインのもの。


クリの円卓とオリジナルダイニングチェアと格子の5角形のテレビボード

内部はこのような感じ。扉の内側にはアクリルを仕込んでいます。

それまでは飛騨産業さんの「森のことば」シリーズの低めのソファとテーブルを使われていて、それがあった部屋の色というか空気感がとても良かったのです。
ですのでその空気感を残せるようにと、今回はクリ材を使って作ることにしたのです。
タモよりももう少し鈍い色みのクリは使っていると、タモのような黄色みは少なく渋い黄褐色に変わっていきます。
それがここによく合うように思えたのです。

こうしてできあがった3種類の家具は、思い描いたとおりに懐かしさを残しながらも新しい風が入ってくるような空間にしてくれたのでした。
Fさん、お母さま、ありがとうございました。

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

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