ムジカ
「ナラ板目とステンレスバイブレーションのペニンシュラキッチン」
鎌倉 N様
design:ヤマトヒロミ設計室/daisuke imai
planning:ヤマトヒロミ設計室/daisuke imai
producer:hiroyuki kai
painting:hiroyuki kai
鎌倉の戸建て住宅のリノベーションのお話を設計士さんから頂いたのです。
記憶が新鮮なうちに書きとどめておけばよかったのですが、うっかりしていましたものでNさんのキッチンをお引渡してからもう1年以上経ってしまいましたね。
たしかご両親の住まわれていたご実家の手直しをするという形でリノベーションのお話が進んでいったのだと思います。
その中でキッチンを私たちにと考えてくださったのが、設計士さんのヤマトヒロミさんでした。
お施主さんと気持ちを私たち制作者に伝えてくださることがとても上手な方で、とてもお仕事が進めやすかったのを覚えております。
今までいろいろな設計士さんとお付き合いさせて頂きましたが、家具を設計できる設計士さんはなかなか少なかったりします。
たとえば、全面のラインを揃えるために奥行きが850ミリある開き扉の字袋を考えてしまう方がいらっしゃったり、引き出しのラインを揃えるために食器棚なのに、深さ30センチの引き出しをたくさん考えていらっしゃったり・・。
見た目は大切ですが、その家具を使う人の立場に成れなければそれは設計できていないのではないかと私は思うのです。
ですので、そのスケール感がきちんと表現できている設計士さんを見るとほれぼれするのです。
ですので、ヤマトさん主体でNさんとのやり取りは進んでいきます。
そうなると私の今回の立ち位置は、ヤマトさんとNさんがイメージされている形をいかに実現できるかを考えるというところですね。
いつもみなさんからオーダーキッチンやオーダー家具のご依頼を頂ける場合は、私たちのウェブサイトをご覧になられて相談される方が多いのです。
そういう形ですと、そのみなさんはすでにフリーハンドイマイ風味がそれとなく分かっていて、私たちがどんな形を作るのかを知って頂けているうえでお話をしていくので、お話が進めやすかったりするのです。
ご紹介というか、引き合わせてくださる方がいらっしゃる場合は、その間に入ってくださる設計士さんたちが私たちのことを良いと思っていらっしゃっていても、お施主さんは私たちのことを知らないことが多かったりします。
そうなるとなかなかそのお施主さんのイメージをつかむまで、また反対にお施主さんがこの家具屋さんなら良いでしょうと思ってくださるところまでの歩み寄りが難しい時もあるのです。
ですので、まずはヤマトさんの後ろで、そのイメージならこういうふうに実現できると思います、というようにお伝えしながらお話は進んでいくのでした。
そのお話の中で、Nさんが私たちのウェブサイトを見てくださったそうで、ご主人にも奥様にも気に入ってもらえたのでした。
また、Nさんのお宅がもともとご実家だったこともあって、少し懐かしい印象なのでした。
お話を進める中で、私がどこか懐かしい家を目指して自宅を建てたというお話をさせて頂いたことがあって、その流れで以前に私の自宅で開催したオープンハウスにもいらしてくださって、(Nさんの奥様とヤマトさんとリフォーム施工の担当者さんの女性3人でキャーキャー言いながら見ていってくださいました(笑)うれしいです。)、さらにはそのあとの湘南T-SITEのイベントにもご主人と奥様でフラッと来て下さって、私たちの形をよく見ていってくださったのでした。
そうなると、お話のまとまりは早いのです。
特にご主人が楽しんでくださる打ち合わせっていろいろとまとまっていくことが早かったりするのです。
今回もそうでしたね。
奥様は感覚でお話をされる印象で、
「うん、ここはこうだと使いやすいように思うの。」「でもね、私の普段の動きはこうだからきっとこうなるのかなあ、どうだろう。」なんて奥様がお話していると、
「うん、そうだよね。君はここをこうしたいからきっとこう思っているんじゃないかな。だから、僕はこうすると良いように思えるけど君の意見はどうかな。」とご主人。
「うん、そうかもしれない。」
「そうかい。そうなるとここはこうして、こうするときッとバランスが良くなるように思えるよ。ねえ、ヤマトさん。イマイさんもそう思いませんか。」
素晴らしいコミュニケーション。
あとでお伺いすると、ご主人は本を出版されるお仕事をしているのだそうで、良い人と良い人をつなぐ役割が上手なのはそのためなのでしょうね。
聞いていると心地よい音楽を聴いているように形がまとまっていくのが分かって、私自身びっくりするくらい、お上手なのです。
こうして、ヤマトさんが家具を含めて空間全体の設計をしていく中で、私が家具を担当させて頂く比重が増えて、ヤマトさんの色の中でNさんのイメージをどう混ぜていくのか楽しみながら進めさせて頂くことができたのでした。
そして、いよいよ施工です。
「今回のメインはイマイさんのオーダーキッチンですからね。キッチンができあがるタイミングに合わせて工事の日程も組みたいと思います。」と施工担当のHさん。うれしい心遣い。
「それと、施工を担当される工務店さんの監督さんもとてもいい方ですから仕事しやすいと思いますよ。イマイさんと印象がよく似たかたで。」
「そうそう。」とHさんとヤマトさんがうれしそうにお話していましたね。
現場が進み始めて配管位置の確認の時にあらためてNさんの自宅にお邪魔しました。
「はじめまして、Iさん。」とあいさつさせて頂いたIさんはすでに現場確認しやすいように段取りしてくださっておりました。
そのあとスムーズに進むように段取りを打合せさせて頂き、施工の時も私たちだけで作業ができるように日取りの余裕を見てくださって、おかげさまで、慎重に確実に作業を進めるマイペースなカイ君も作業がしやすくとてもスムーズに終わらせることができたのでした。
そして、写真を見てお分かりいただける通りに、Nさんご家族皆さんもとても心地よく使ってくださって、とてもうれしい空気が流れていたのでした。まるであの時感じた音楽が流れているような空気です。
このあと、下のお嬢さんがうっかり椅子を倒してしまってキッチンのバックパネルに穴をあけてしまったのですが、「それも家族の思い出ですから。」と言ってくださって、簡易補修した後の様子も気に入ってくださったのでした。
ありがとうございます。
また、機会がありましたら、皆さん、いつでもお声掛けくださいね。
お世話になりました。
天板 | ステンレスバイブレーション |
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扉・前板 | ナラ板目突板 |
本体外側 | ナラ板目突板 |
本体内側 | ポリエステル化粧板 |
塗装 | オイル塗装仕上げ |
ナラ板目とステンレスバイブレーションのペニンシュラキッチン
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