子どもたちが勉強する場所について

2022.03.08

子どもの家具について

家具のことをいろいろと考えるタイミングというと、まず一番多いのが結婚して家族が増える機会に家を建てようというタイミングですね。

もちろん、初めてのお子さんが生まれるご家庭もあれば、二人目、三人目というタイミングの方もいらっしゃいますが、その時にお話に上がるのが、「子供の家具をどうするか」についてです。

一番多いご相談は、「勉強机を用意してあげたい」という内容です。

続いては、「子供たちが勉強できる場所を作りたい」という内容です。

それぞれについての私の経験やお話をお伝えしたいと思います。

【勉強机はあったほうが良いかどうか】

私個人の意見としては、小学生のうちは勉強机は要らないのではないかと思っております。

日本の場合は、子供たちは親のそばで勉強をする機会が多いのではないかと思っております。

そのほうが分からない部分を教えてあげやすいのはもちろんですが、子供としても心理的に親のそばで勉強をしているほうが安心して取り組めるように思えています。

我が家は、長女が小学校4年生(次女が1年生)の時に「そろそろ子供部屋を用意したほうが良いか。」と妻と相談して、一室を子供部屋として使えるように机も自分たちで作る作業の一端を担わせて、「よし、これから愛着を持ってここで勉強するだろう。」とさっそくその部屋に置いたのですが、結局二人とも小学校を卒業するまではダイニングテーブルに宿題を持ってきて、消しゴムのカスをまき散らしながらそこで勉強しておりました。どうやらお母さんのそばで勉強するほうが良いようです。

相談に来られるお客様とこの話をすると、「ああ、そういえばうちもそうでした。」ということで、勉強机の相談に来たのに、勉強机のお話が終わってしまったことがそれなりに在ったりもしました。(笑)

ですので、まだ親のそばにいるととても安心と感じる12歳くらいまでは勉強机は要らないかなと思っております。

もし作るのなら、勉強机を嫁入り道具にとご新居に持って行くお客様もいたくらいなので、大人になっても使えるようにシンプルなデザインで、しっかりした作りのものが良いと思います。

サイズは、小さくても幅は80センチ~90センチあると良いかと思います。スペースの余裕が取れるようならもう少し広くても。

座るためのスペースは60センチもあれば十分なので、あとはちょっと物がしまえるように棚になっていたり、細長い引き出しがあると、書類や本がしまいやすくて良いと思います。

どちらかというと奥行のほうが大切だと思っていて、老若関わらず机を考える時に、最近はデスクトップパソコンを使わないので奥行き小さく50センチくらいで作りたいというお話を頂くことが多いのですが、私自身が古い考えなのか、パソコンを置いた手前(手元)でノートを取ることが多いのです。

そうなると、パソコンを置いてさらに手前に20センチ~30センチくらいのスペースが欲しかったりします。

手前が広いとタイピングする時に肘も起きやすいですので。

その様に考えておりまして、机を置く場所にゆとりがあるならば奥行は60センチほどあると良いと思うのです。

素材は、多少ラフに扱っても大丈夫な無垢材や金属製などのしっかりした脚だと良いかと考えています。天板は個人的には無垢材の触り心地がやはり一番快適なので、無垢材をお勧めします。

樹脂などの化粧板を使った天板もモダンな印象になってよいと思うのですが、夏場に腕を置くとペタッと肌が触れる感じが気になってしまって。木で作るとそういった感触はなく、さらっと感じるのが不思議です。

ただ、木で作る場合でも、環孔材、散孔材という木の違いで使い勝手が変わってきます。

ナラやタモやクリなど環孔材は硬くてしっかりと作れるのですが、木目のデコボコした感じになるので、天板に使うと、下敷きを敷かないと物が書きにくかったりします。

かわりに、サクラやクルミやカエデなどの散孔材は、木目が細くてフラットに仕上がるので、物は書きやすいのですが、ナラやタモに比べると、少しだけ柔らかい印象なので多少傷がつきやすかったりします。

個人的には、その場所でパソコンや書き物をする以外にもちょっとした作業ができるような場所でありたいので、しっかりとした環孔材を使う方が好みです。

また、我が家を見ていると仲の良い姉妹でもきちんとプライベートな空間を保ちたいと考えて机を囲うようにレイアウトしていることを考えると、机の上に高さ50センチくらいの間仕切りのようなパネルがあると良いかもしれません。

そのパネルに彼女たちはいろいろピンナップしておりましたので。

あとは小学生のうちは、机よりもランドセルなど学校で使う道具を置く整理棚を用意するほうが大切かなと考えております。

机は前述のようにダイニングテーブルでも兼用できると思うのですが、物を整理する習慣は早いうちから慣れておいたほうが良いと思っております。

物の場所を決めておけば、その決まった場所に置けばよいだけなので、「片付けをする」という作業はそれほど大変ではないと思います。

なので、ランドセルと絵具セットや習字の道具など、床に置かれがちなものが置けるシンプルな棚があると良いかと思っております。

シンプルな棚なら大きくなっても使いやすいですので。

このように考えておりまして、私としては勉強机は小学校高学年から中学生になることに用意してあげると良いと思います。

サイズは、幅90センチから120センチくらい(このくらいならどの場所にも起きやすいので、ずっと使ってゆけると思いますので)×奥行は60センチくらいで、すべて無垢材で、しっかり丈夫に作りやすいナラやタモを使った環孔材を使って作る形が良いかと考えております。

そして、机と一緒、もしくはそれよりも先に整理棚は用意しておくと良いと思います。

あとから必要ならばパネルを立てたりとアレンジしていくと、子供たちにとっても愛着のある机というかワークスペースができあがるのではないかと思っているのです。

【子供たちが勉強できる場所を作りたい】

これは上述のお話よりももう少し小さなお子さんの場合が多いです。

幼稚園から小学校高学年になる前くらいの時期で、リビングで勉強させたいとお考えの方々から良くお話し頂きます。

この場合も今までお会いしてきた皆様の様子や我が家の様子を考えると、あえて場所を作らなくても良いのかなと思えます。

リビングの一角に机を用意しておいても結局ダイニングテーブルに集まってきてしまうように思えまして。

ただ、以前にお客様から興味深いお話を聞いたことがありました。

「子どもは自分が好きなように過ごせる居場所がほしいと望むのですが、決して個室を希望しているのではないので、パッと顔を上げても親の視線と重ならないくらいの距離感が良い。」というお話でした。

その時のお客様に作らせて頂いたのは、しゃがむと子供たちの姿が見えなくなるくらいの高さ1100ミリくらいの高さのテレビボードでした。

そのテレビボードを間仕切りにして、手前が家族が過ごすリビング、そして向こうが子供たちがのびのび過ごすための机やおもちゃ箱があるスペースでした。

子供たちにとってはそこで過ごす時間とみんなで過ごす時間の気持ちの切り替えができて、かつお母さんの存在も間仕切りの無効に感じられるので安心感があったのでした。

なるほど、こういう空間の使い方もあるのだなあととても勉強になったのを覚えております。

そういえば、我が家も次女が小さいうちは、リビングにブロックでお城を作ってそこに人形を置いていましたね。

動かすと彼女の思い出がくずれてしまうようなので、なかなか掃除ができなくてホコリが積もっていたなあと懐かしく思い出しました。

ですので、ただ勉強机をリビングに設けても、常に親から見られるような位置になってしまうと、特に壁に向かって机を置いたりすると、なかなかその場所をうまく使ってもらいづらいような気がするのです。

ですので、個人的には勉強机は小学校高学年くらいになって、自分から勉強に興味がわくようになったら用意してあげる形が良いかなと思っております。

そして小さいうちはリビングで一緒に勉強を見てあげるくらいの間隔で、基本は大きなダイニングテーブルの上でいろいろ広げて楽しく勉強する形が良いのではないかと思っております。

さらにもしスペースに余裕があれば、本当に小さなスペースでも良いので子供が自由にしてよい空間があったらさらに良いのではないかと思うのです。

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