これからを見つめて

2023.02.04

今日は定休日です。

朝方、アイにご飯を上げたら休日を振り替えて作業を始めたノガミ君に工房を頼んで一度帰宅。

チアキが卒業するまでのあと1年間は中学校の活動に参加しようと考えていて、ここ数年は、年に3回開催されている中学校の役員として活動に参加させてもらっていました。

今日はその全体会ということで、市内19校あるの小中学校の代表者が集まる会議が開かれたのでした。

冒頭では、今年の成人式で桃色のウサギに扮していた教育長から挨拶がありました。

校長先生だった当時、自分がやりたいと思ったことを地域の皆さんや保護者の皆さんが後押ししてくれて、自分が思っていた以上の活動の成果を上げることができ、そのことに強く感動して、学校はもっとそこに住む人たちが主導になって地域の独自性のある教育の在り方があってよいのではないかという思いをずっと持っているのです、とお話をしてくださいました。

私がPTAの会長を務めさせてもらっていた時からこの教育長の言葉が好きで、教育に大きな偏りがあってはいけないけれど、この町の学校に行くとこういうことをたくさん教えてもらえて、こっちだとこういう人たちの活動がよく知れて、なんて独特の色があったらおもしろいだろうなあなんて思っていて、いつもこの人の夢のあるお話が好きなのです。

実際に私も自分の住む町ではなかったのですが、キッチンを作らせて頂いたお客様だった小学校の先生からお声掛け頂いて小学校でおもしろいワークショップをさせてもらったことがありましたし。

もう10年前のことだ。

図工の授業3回目

ビバ、ものづくり!

ビバ、ものづくり!その2

ビバ、ものづくり!その3

ビバ、ものづくり!その4

ビバ、ものづくり!最終章

先日も寒川の中学校で先生からお声掛け頂いて授業をさせてもらいましたし。

働く大人の考え方に触れる時間

いろいろな特徴のある授業が受けられると感受性の強い子供たちはもっとしなやかになってくれそうです。

でも、全体会で出た実情はなかなか難しくて、学校が目指す先とそこに住む人たちが目指す先は必ずしも一致しづらいようで、住む人たちは先さえ見ていないこともあったりするようでした。

「昔はさ、慶弔事があれば、となり3件は駆け付けたもんだけどなあ。今なんてまわりは年寄りばかりになって来たけど誰が無くなったかなんてわからなくなっちゃってるもの。」とご年輩の役員さんがそうおっしゃっていました。

海老名という町は今大きく開発が進んでいて、人口が増えてきています。

それはとても良いことだと思うのですが、ベッドタウンのような印象になってきているようにも思えます。
地域とはそこに住む人が作っていくもので、そこに住みつつそこで働いている人には今日の課題はとても身近に感じられる話題だったのですが、日中は市外、県外に勤めに出てしまうような生活スタイルになるとなかなか普段の町の様子にまで関心を持つことが難しくなってきます。

私自身も数年前まではあれほど子供たちのことを考えながら過ごしていたのに、活動から少し遠ざかると情報もあまり入ってこないこともあって(チアキも寡黙ですし)、役員をしていながらもすっかり学校や地域のことを思う時間が少なくなってしまっていました。

これは淋しいことですが、当然辿り着く気持ちなのだとも思っています。

人の気持ちは儚くて、今の自分の暮らしや目の前にあることがやはり一番重要に思えてしまって、気持ちに余裕が生まれるまではまわりを見渡す時間も取れなかったりします。それに今はまわりを見まわさなくても生きてゆけるように感じられてしまう。

それでも大事なのは、ゆるくても良いから小さなつながりだよねって同席していた役員さんがおっしゃっていました。

それは本当にそう思います。

思い出をさかのぼると大雪が降って相模線も車も立ち行かなくなった時や、そして数年前の大雨で相模川が溢れるんじゃないかと思えた時、どれほどまわりの力が頼もしかったことか、自分もふとすると忘れがちになります。

今この時は自分たちだけで生きてゆけると信じがちだけど、いつかまわりを頼らなければならない時が来ることは知っているはず。

特に最近はコロナの影響で横のつながりが断ち切られてしまって、縦のつながりも切られてしまって、小さな町の伝統や文化が薄れ始めているくらい。より個へと気持ちが籠ってしまいがちになっているように思えます。・・行事は縮小して、集まりは解散して・・。

それでもどうにか成っているのは事実だけれど、それだとどうにもならない時に備えてどうにかし続けてきたつながりが無くなっていくのは残念です。

一番気軽なのは、お手伝いから始まる近所の顔合わせ程度でそれが負担にならないで、自分のペースで参加できるくらいのゆるい集まりなのでしょうけれど、それで万事が解決するわけでもないものですから、なかなか正解のない難しい課題ですね。

「どうしたら負担感なく緩やかにつながっていけるかなあ。」というのがこれからの大きな課題です。

私にとっても、暮らしている町と仕事をしている町で自分がこの先どのように関わってゆけるのだろう。悩ましい問題ですが、まず言えるのは、楽しみながら関わりを持つことが一番大切だということかな。

ちなみに今回の写真は中学校で緑化事業の看板を建てる時に「イマイさん、お願いしても良いでしょうか。」と校長先生から依頼されて書いた看板のムクドリとタブノキの実。学校の端っこに行くと今までも立っているはず。