
在り方
2025.01.12
父が居なくなってから初めてのお正月でした。昨年のお正月も父は入院中でしたのでみんな揃ってお祝いすることはできす、命日も1月中旬なので、今までとはお正月を迎える気持ちが変わりました。
やっぱり寂しいですね。
両親ふたりでしていたお正月準備も母一人でするには大変なので、家族が集合する前日にダイスケさんとお手伝いに行きました。
食事の買い出し、神棚を整えること、
飾りの間仕切りやお正月だけ飾る富士山の絵とお屠蘇の漆器の用意は年に一回しか出しませんから、屋根裏収納にしまわれていました。母は気を付けながらまだできるから大丈夫と言いますが、ひとりでやって階段から落ちては大変ですから、兄とも話して、収納場所を変えていくことにしました。そして、もう屋根裏収納は母が使わなくてもいいように片づけていくことにしました。
その収納場所があっても、暮らす本人の状態によっては使わなくなることがあるのだなと改めて感じました。
「もう使わなくたってそこにあるだけでいい。」という母の気持ちもあると思いますから、物をなくすことを目的にせず、ひとつずつ話しながらよい状態に進めていけたらいいなと思います。
新年のご挨拶で家族が集まった時には、母がお節料理を用意してくれて、父が注いでくれていたお屠蘇も、両親の出身の岩手県のソウルフードのくるみ餅もちゃんと用意して食べ、思い出話をしながら楽しく過ごすことができました。

そして、昨日一周忌がありました。母が体調を崩すことなくこの日を迎えられてよかったです。
一昨年に父が体調を崩し実家へ足を運ぶ機会が増えてから、そして、父が亡くなり相続の手続きが始まってから、結婚してしばらく離れて暮らしていた両親の暮らしと、父の79年を知る機会となりました。
生前父がお世話になっていた会計士さんに引き続きお願いできて安心だったのですが、話には聞いていましたが、色々な書類を集めたり、手続きをしに出掛けたり、大変なのですね。
平日に動けないと無理なことが多かったので、勤務の調整が難しい人は厳しいことなのではないかと思いました。どの施設や会社の担当の方も親切に対応してくださったので、本当に助かりました。
「相続税の申告・納付は亡くなられたのを知った翌日から10か月以内。」という決まりで、父が書き残してくれたものもあるし、母もしっかりしていて父の情報も知ってるし、なんて思っていたのですが、結局期限ぎりぎりとなってしまいました…。担当してくださった会計士さんの返事はとても速く、頭の切り替えがうまくない私にとっては費やす時間が少なくて済んで、とても助かったのですが…。
とにかく無事に終えてよかったです。
父は、パソコンでやり取りするIDやパスワードをすべてノートに書き出してくれていたのは助かったのですが、独自のパスワードではなく、推奨するパスワードを選択して父の手書きでノートに残してあったので、アルファベットの小文字のnかhかわからなかったりしてとても苦戦しました。娘も解読不能のある意味最強のセキュリティでしたが(笑)、手書きでは残さない方がよいなと思いました。
父が遠洋漁業の航海士から定年で下船して、小型船舶免許の講師をしていたのですが、日報として書き記してあるノートが何冊かあり、そういうものを目にすると感動します。ただ、「父が船で働いている。」という漠然としたことしか知りませんでしたから、こういうことをしていたのだなとわかって、とてもうれしかったです。
相続の手続きは、資産・金銭の管理がメインなので、とても事務的な印象でしたが、色々な資料を目にすると共に一緒に暮らしている時や生前わからなかった父のことも知る機会にもなり、とても良い機会となりました。
お父さん今まで本当にありがとう。
自分の在り方を考えながら生きていかなくてはいけないなと思いました。
(文・写真 イマイアキコ)
