
Fさんの楓の一枚板テーブルを制作して:スタッフヒロセ君の制作日記
2025.06.09
今回のご依頼はテーブルの天板になる耳付き楓材の一枚板の寸法カットと表面の磨きの作業でした。
今回谷田木材さんから入荷された板は60mm厚で幅が約1m長さ約3.5mほどの板でプレーナーサンダーで平面だしをしてもらったものになります。その板なのですがサイズ感からもわかる通りの重量で、おおよそ140キロほどありトラックからおろすにも4人がかりでどうにか持てるほどの重さでした。
そして様々な準備が整い製作が始まるのですが、普段私たちの工房では、一枚板を扱う事は無いため少し緊張感のある作業となりました。
天板の一片は直角に、反対側の一片は部屋の壁と平行にするため斜めに切り落とし、形としては直角台形の天板になります。
製材された真っ直ぐラインの出ている板なら寸法通り切りやすいのですが、今回は耳付き板なので先に行くにつれ木の幅が次第に細まっています。図面で指定されている形に切るには垂線を書き、その垂線を元に斜めの墨出しをしてカットしていきました。


磨きの作業では平面を崩さぬようベルトサンダーを使用し表面についているプレーナーサンダーの跡を消していきます。
徐々にペーパーの番手をあげていくと、この板がもつ綺麗な木目がはっきりと現れてくるのでした。

そしてこの天板の足になる部分は、金属製のパイプ足にラタンを巻きつけたものになります。この足は今は独立して工房を持ったnookの甲斐さんに巻きつけてもらったものになります。
搬入当日トラックを駐車できる場所からFさんのお宅まではそれなりの距離がある上、階段も十数段あり、カットして少し小さくなった天板とはいえ、なかなか厳しい条件でしたがFさんも力を貸してくださり無事搬入する事ができホッとしました。


搬入が済むとFさんに足をつける場所を決めていただき取り付けて完成となりました。



今回初めて一枚板に触れたのですが、その迫力に圧倒されました。この楓の板は割れや節なども多く荒々しい表情を持った板だったのですが、流れるような綺麗な木目、長い年月をかけて自然が作り出した唯一無二の美しさを感じさせられました。Fさんありがとうございました。
(納品時の様子をより詳しくご覧になりたい人は、Instagaram ページに掲載してあります。
ぜひご覧ください。)