
旧松本剛吉別邸と甘柑荘と皆春荘へ
2026.05.06
キッチンを作らせていただいたSさんのお家が小田原にありまして、お打ち合わせからキッチンの完成、暮らし始めてからのお宅訪問まで、2年間くらいの間に何度か足を運ばせていただきました。この辺りには昔の要人の別邸があったりすてきなお家が沢山あり、
Sさんにも「もしお時間がありましたら、見ていかれるといいですよ。」と教えていただきましたので見学に行きました。お客様にお勧めいただいたことはなるべく経験する機会を持つようにしています。共有できるというのかわかりませんが、その土地のことがわかりますし、もう家具やキッチンを作らせていただいた後になるかもしれませんが、その人の感覚を知る機会につながる気がしていて、その人がすてきだという物をすてきに思えたら、自分たちが作ったものもすてきを思っていただけているのではないかと安心感につながる気がしています。(ダイスケさんとふたりしてネガティブ志向なので、いつまでも安心はできない性分なのです。)
旧松本剛吉別邸に行ったのは、昨年の7月のことでした。住宅街の中にあります。
係の人が声をかけてくださり案内してくださいました。説明を聞きながら見るのはとても勉強になります。ありがとうございました。



玄関の蛍壁、サンルームからのお庭の眺めとミシン台、古いガラスの揺らぎ、天井から吊り下げられた太鼓、幅広の板天井、大きな座卓、ステンドグラスの照明、軒天の造り、回転雨戸の角の金具今では見ることができないすてきな仕様ばかり。お庭も歩かせていただきましたが、バリアフリーのために一部作り変えられたそうです。
元々の形を見たかったですが、市の管理となってこうして自由に見て回れるのですから仕方がないですね。

甘柑荘と皆春荘に行ったのは今年の4月の中旬でした。



甘柑荘は、朝の連続テレビ小説「虎に翼」のモデルになった三淵嘉子さんの自邸です。小さい引手の金物、細い竹がきれいに並んだ天井、竹が嵌め込まれた梁、廊下の突き当りに床に座って使う手洗い場、薄い切り株が敷き詰められた土間がカタカタ動く様子、2階に屋根を支える柱がお庭から見える様子、シンプルなのですが、すてきなデザインがいくつもあり、古い住宅には感じられませんでした。受付の人が親切にいろいろとお話してくださいました。ありがとうございました。

この甘柑荘のお庭の夏ミカンを使って作られたというマーマレードジャムが売られていたので、
購入しました。星のマークが付いているジャムを初めて手にすることができたのですが、皮がとてもきれいで美味しくて、もっとたくさん食べたいと思いました。ごちそうさまでした。
皆春荘もお勧めされたので、続けて行ってみました。


小川が流れる大きなお庭(イソヒヨドリが水浴びをしていました。)床の板の貼り方、錆びた灯り、若葉溢れる今の季節はとても美しい姿で大きくて立派なお家でした。
ちゃんと管理されているから、こうして見て周ることができるわけで、保存にご尽力いただいている方々には感謝しております。
板橋の別邸群はまだまだ沢山ありましたので、小田原方面に行った際には続けて見て周れたらいいなと思います。
教えていただかなければ知らないままでしたので、Sさん、すてきな時間をありがとうございました。
