添えられたレシピ

「クォーツストーンとブルーグレーL型キッチンと壁付けキッチンのあるスタジオ」

藤沢 H様

design:Hさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:haraki tosou

クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチン
玄関から入るとすぐにキッチンが目に飛び込んでくるダイナミックな間取り。奥で微笑みあう奥様とご主人。静かで温かい空間のはじまり。
ワインセラーのあるブルーグレーのキッチンカウンターテーブル
hyakkaさんのハイスツールが置かれたダイニング側のカウンター。くぼんだところにはワインセラーを置くという想定で凸凹と入り組んだデザインになっているのがこのキッチンの特長。ただ、無地単色だと凸凹したラインというのはそのままストレートに見えてくるから野暮ったく見えてしまいがちですが、前面のラインを揃えたり、隠すラインはきちんと隠したりして、なるべくシンプルに見えるように心掛けました。
クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチン
ぐるりと回り込んでパントリー側から見た様子。奥が玄関。側面には調理家電の電源が取れるようにコンセントを設けています。左手奥の暗がりはけっこう奥の長いパントリーになっていて収納というよりはスタジオ感のあふれるレイアウトになっていました。
クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチン
キッチンの中から撮影。小分けにした引き出しにスライドバスケットなど収納は多彩です。入り組んで見えますが、通路幅は900ミリを確保しているので、二人が余裕をもってすれ違えるくらいの余裕があります。教室ですが、キッチンの床は無垢材そのままで見せるというのはなかなか思いきった選択に思えますが、やはり歩いていて足に優しいのは良いところ。

「イマイさん、この前ね、すてきな方に会う機会があってね、家作りの話になった時にイマイさんのキッチンのことをお話したのよ。きっと魅力的な依頼が来るから楽しみにしていてね。」
と久しぶりにうさぎパンさんにお会いした時、そう話してくれたのです。

「あらうれしいです。うさぎパンさんのご友人ならきっと多彩な方でしょうね。」
「そう、それがね、私一時期T-SITEの教室に通っていたことがあってね。」
「え、こんなにすてきなパンや料理を作るのにまだ勉強されるですね。」
「好きなのよね、作るのとか知らなかったことを教えてもらうことが。」

クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチン
「インスタをよく見させて頂いているんです。」とアキコがHさんに何やら伝えている。ウエカツさんが出ていることが話題になって包丁の話に。ちょうどその頃、我が家で出刃包丁の話が出ていたので、ウエカツさんがここで教室を開いてくださっていることもあってHさんに包丁の相談をしているようだ。「アジか小振りな鯛くらいでしたらこの骨スキ包丁が使いやすいのですよ。」とHさん。そしてその包丁は今では我が家では欠かせないアイテムになっているのです。
クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチンのスケッチ
最初のキッチンスケッチ。その1。
クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチンのスケッチ
最初のキッチンスケッチ。その2。
クォーツストーンとブルーグレーのスタジオを兼ねたオーダーキッチンのスケッチ
最初のキッチンスケッチ。その3。

そう、うさぎパンさんとは、長らく私たちのウェブサイトを見てくださっている方にはおなじみの「biscotti」鵠沼のTさんのことです。
うさぎパンさんのキッチンを作らせて頂いたのは今から17年前になるのですが今思い出しても、かなりストイックな形だったなあと冷や汗が出るくらいのやり取りでした。

うさぎパンさんは、「私パソコンとかメールって疎くって。」ということでもっぱら打ち合わせは電話とFAXで、当時うさぎパンさんが住んでいた反町まで往復しながらようやくあの形に辿り着いたのでした。
教室を開くことが夢だと熱弁してくれた当時の思いは、今少しずつ実現していて、この方が作る食パンは他ではない味わいで大変美味しくて、インド料理の経験を活かしたお惣菜のパンを始めて食べた時は美味しさと驚きでうれしくなりました。
すごいなあとお会いするたびに元気をもらうのです。

あの当時はお会いするたびにうさぎパンさんのイメージをかなえられるかどうかに30代半ばの私はドキドキしていたものですが。

そのうさぎパンさん、自由奔放と言ったらよいのでしょうか、いろいろなところでいろいろな皆さんとつながりを持っていて、会うたびに「イマイさん、すてきな人に会ったわ。イマイさんのこともお話しておくね。」と気にかけてくださっていて、今回のHさんとのはじまりも冒頭のようにうさぎパンさんから頂いたのでした。

洗剤置きポケットのあるステンレスバイブレーションシンク
シンクはステンレスバイブレーション仕上げ。洗剤を置くポケットを備えています。また、水栓はクリンスイのF914。クォーツの天板に直接水栓を取り付けるのではなく、ステンレスの上に設置することで水終いをよくしています。

「イマイさん、初めまして。
今度加賀妻さんで家を建てていただくのですが、しばらく前にイマイさんのお話を伺っていたところに、加賀妻さんからもイマイさんのお話が出て、これは何かのご縁かも知れないって思って今日は伺わせて頂きました。」

うさぎパンさんから、たしかお料理の先生をされている・・って聞いていたので、なるほど、先生のようにきびきびお話をされる方だ。
ストイックな質問が飛んでくるかしら・・、と少し身構えてしまったのですが、お話を進めていくと、何とも思いが熱い方で、隣で静かにうなずくご主人はうなずくたびに優しいオーラをふりまかれているようで、穏やかさと熱情が入り混じったすてきな時間になったのでした。

オーダーキッチンのスライドバスケット
シンク下はハーフェレのスライドバスケット。ハーフェレでは、このようなワイヤータイプのバスケットがいくつかあって、コンロの下でよく使うワイヤーシェルフとは別に引き出しのように使えるこのスライドバスケットというものもあります。こちらはワイヤシェルフと違ってサイズ展開が何種類かあるので、場所に合わせて選びやすいのも特長。
オーダーキッチンのスライドバスケット
今回は幅500ミリ用のスライドバスケットを小分けにして、4台設置しています。そしてその上にはタオル掛けとなる長めのハンドルがチャーミングな見た目になりました。
オーダーキッチンのスライドバスケット
スライドバスケット左列の上段。
オーダーキッチンのスライドバスケット
スライドバスケット左列の下段。
オーダーキッチンのスライドバスケット
スライドバスケット右列の上段。
オーダーキッチンのスライドバスケット
スライドバスケット右列の下段。

お話を伺う中で、Hさんが主宰されているサロンというのでしょうか、お料理の教室を開かれているのを知ったのです。

【カラコル フードネット】
https://caracolfoodnet.com/

おぉ、そのような方に見初められる(ているかどうかは分かりませんが、私はそうであってほしい)なんてうれしいことであり、たいへん緊張するのでした。
Hさんは当時、湘南T-SITEの中で教室を開かれていて、今から6年前に湘南T-SITEで開かれた「湘南料理道具市」等いイベントにお声掛け頂いてオーダーキッチンとカップボードを展示させてもらったことがありました。
その時に、Hさんは私たちのキッチンを見てくださっていたそうで、すこし印象が残っていたのだそうで、そういういろいろなご縁がつながって今回キッチンのオーダーを頂けることになったのでした。

シンク側から家電収納側へのレイアウト
シンク下から奥の家電収納部へとつながる様子。L型になる場合、コーナーの部分はいっぱいまで収納として活用できない場合が多いです。今回も引き出しにステンレスのハンドルをつけているので、そのハンドルがお互い干渉しないようにコーナーの部分はハンドルの出っ張り分だけ逃げて引き出しを作る必要があります。

「イマイ様 お返事お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!
エクレアキッチンさんからのご連絡を待ってから・・・と思っていたのですが、待ち切れなくなりました(笑)
主人と2人で話し合い、やはりイマイさんにお願いしようということでまとまりました。
何年越しか・・・になりますが、あらためまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。」

と、うれしいご連絡。
ありがとうございます。よい形が実現できるように頑張ります。

オーダーキッチンの引き出しの様子
シンク右隣の引き出し1段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
シンク右隣の引き出し2段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
シンク右隣の引き出し3段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
シンク右隣の引き出し4段目。

そのHさんのキッチン。私はてっきり加賀妻さんのテイストで家ができあがるのなら、木の表情がふんだんに現れたキッチンになるだろうと思っていたのですが、イメージとしては、「加賀妻さんの空間はきっと木や左官の塗り壁など存在感あふれる素材が出てくるので、キッチンはもう少しシンプルというかシックな感じというか石の天板とマット塗られた表面のコントラストを見せたいのです。」ということで、私としては意外な印象を受けてどのような仕上がりになるのかが楽しみなのでした。
その素材の選定も独特ながら、レイアウトも独特。L型のシンクのあるアイランドキッチンと壁付けのコンロ側キッチン。
そして、ここがお料理の新たなスタジオにもなるということで、その形も独特なのでした。
組み込む家電は最小限ですが、教室でも提供されることもあるワインを保存するワインセラーや小型の冷蔵庫など、すこし普通の家庭的なキッチンとは装いは違いますが、お招きする先生たちや、ご主人やお母様とも一緒にお料理しやすい回遊性のあるキッチンができあがったのでした。
今まで加賀妻さんに納品したキッチンの中では、すこし個性的な表情のキッチンはこれからどのように活躍してくれるのか楽しみなのでした。

引き出しを開けるHさん
引き出しを開けるHさん。天板の上にはカセットコンロ。壁付けキッチンにメインのコンロがあるのですが、ここでは天板の広い作業面をサブコンロとしてカセットコンロを置いて加熱調理ができるのも良いところ。
オーダーキッチンの引き出しの様子
家電収納側の引き出し1段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
家電収納側の引き出し2段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
家電収納側の引き出し3段目。
オーダーキッチンの引き出しの様子
家電収納側の引き出し4段目。

しばらくして、Hさんからお便りが届きました。 「フリーハンドイマイ 今井さま。
こんにちは、Hです。
あっというまに12月になりましたね!
引っ越ししてから、早くも2ヶ月が経ちます。
おかげさまでとても使いやすいキッチン、うれしくて1日のほとんどキッチンで過ごしております。笑
料理教室のレッスンもやっておりまして、皆さんにキッチンを絶賛されております。
ずいぶんキッチンも使い慣れて来ましたので、いつでも今井さん(と、よろしければ奥様もご一緒に)に様子を見にいらしていただけたらと思っております。
お忙しいことと思いますが、ご都合のよいときがあれば、お声掛けください。
可能なら、主人もいる時が、彼も喜ぶと思います。
うまくタイミングがあう日を見つけられたらいいなと思います。
追伸
さっそく、やってしまいました・・・
引き出しの下部分の塗装、1箇所、強い衝撃を与えてしまって、はじっこが少しだけ傷つきました。涙・・・
でも、よく見ないと見えない場所なので、気付かないことにしています。笑」

家電収納部の様子
あらためて家電収納側の構成。中央上段は炊飯器を置くスペースで、右端にはオーブンレンジが置けるように広めの空間を取っていたのですが、今のところレンジは見当たらず。ビルトインのオーブンで十分になったのでしょうかね。
炊飯器収納用スライドテーブルを備えたオーダーキッチン
炊飯器のスライドテーブル。このスライドテーブルにもハンドルをつけても良いのですが、うすい前板にハンドルをつけるとぼってり見えそうで、この部分は手掛けにしてしまうことが多いのです。
オーダーキッチンの引き出しの様子
その下のうすい引き出し。
オーダーキッチンの引き出しの様子
その下の深さ22センチの引き出しはこのようにずらりと調味料。
レンジスペースの下の引き出し
こちらは閉めた時に前板が揃うようにデザインしているので、深さは19.5センチで、丁寧にタッパーが揃えられています。

ということで、さっそくアキコと二人でお邪魔させて頂いたのでした。
お便りにあった傷はどうかなと心配していたのですが、それほど大きく目立つものではなさそうです。
塗装をお願いしたハラキさんにも相談してみましたが、やはり調色した塗料はウレタンだと変質してしまうのですでに保管されているものはかなったので、もう少し傷んでくることがあれば、その前板と(色合わせするために)隣の前板をお預かりして塗り直すようにしましょうかということになりました。
まもなく、隣がご実家ということもあってお母様もいらしてくださって(工事期間中はHさんよりもお母様にお会いすることが多かったのですっかり顔なじみになってしまいました、ありがとうございます)ワイワイとキッチンを囲んで感想を聞かせて頂きました。
こういう時間はうれしくもありとても勉強になります。
先日の教室では、お魚料理でお名前が広く知られているウエカツさんもいらしてくださって、キッチンを楽しんで使ってくださったのだそうで、光栄です。

玄関側の戸棚の内部はカップボード
こちらは玄関側の6枚扉の収納。奥行き早く23センチあるので、比較的たっぷりとものがしまえるようになっています。

そして、ご主人もキッチンに立つ機会が多いのだそうです。
「実は炒り豆腐を作るのが好きなのです。」とご主人。
教室のあと、みんなでそのお料理を頂いている時に、ご主人がさりげなくほんのり彩を添えられたらと差し入れた炒り豆腐。
これが生徒さんたちに評判がよくて、「ぜひこのレシピも教えてください。」と言われてしまったのですよ。と少し照れくさそうにお話する奥様。
柔和な笑顔のご主人がそばに立って、美味しそうな香りで満たされたこの場所がよくよく分かります。
いろいろなお話を聞かせくださり、とても楽しい時間でした、ありがとうございました。

コンロとサブシンクのある壁付けキッチン
壁付キッチンの様子。幅2090ミリとコンパクトで、収納は少ないですが、こだけでも本格的なキッチンになっています。
コンロとサブシンクのある壁付けキッチン
壁付キッチンを横から見た様子。左奥はパントリーでストックの食料品というよりは道具や資料など教室で使う道具たちがきちんと並べられています。

そして、Hさんからお便りが。

「今井さま、こんにちは!
先日はお忙しい中、いらしてくださりありがとうございました。
今井さんに実際使い始めたキッチンを見ていただけて、また奥さまともゆっくりお話できて、うれしい時間になりました。
また、どうぞお茶でもしにいらしてくださいね。
塗料の件、承知いたしました。
ご確認ありがとうございました。また時を経て目立ち始めたらご相談させてください。
また、他の点でも気になるところが出て来たらご連絡させていただきますね。
ずっと長く使うキッチンなので、これからもいつでもご相談できることが心強いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、奥さまにも、よろしくお伝えくださいませ。
まだ寒い日が続きます。ご自愛くださいね。」

ほど良く水分を切ったお豆腐にじんわりと味が染み込んでいく炒り豆腐のように、このキッチンにもHさんご夫婦・お母さまをはじめとしてここに集う皆さんの彩りという味わいが、お豆腐のような色の天板やブルグレーという落ち着いた色が少しずつ色づいて染み込んで、Hさんのようなおおらかで溌溂とした炒り豆腐のように多彩なキッチンになっていくのですよ。

吊戸棚の下にはLEDダウンライト
吊戸棚にはLEDのダウンライトを組み込みました。
コンロの隣のサブシンク
壁付キッチンの天板はステンレスバイブレーション仕上げ。シンクは、L型キッチンと同様に水栓器具(こちらは浄水器無しでデザインを揃えて、グローエのシンプルなミンタを選定)は天板面よりも少し下げた位置に取り付けて水が奥に流れないようにしています。
ノーリツのプラスドゥ
ガスコンロは、私たちのキッチンではよく採用されることの多いノーリツのプラスドゥ。そして今回はコンロと組み合わせられるようにノーリツのコンビネーションレンジも組み込んでいます。
調味料用の引き出し
コンロ隣の調味料用の引き出しの1段目。
調味料用の引き出し
コンロ隣の調味料用の引き出しの2段目。
調味料用の引き出し
コンロ隣の調味料用の引き出しの3段目。
寸法 L型キッチン:幅2,300ミリ・2,340ミリ/高さ900ミリ/奥行940ミリ・900ミリ
吊戸棚:幅1,430ミリ/高さ870ミリ/奥行385ミリ
壁付キッチン:幅2,090ミリ/高さ900ミリ/奥行650ミリ
天板 L型キッチン:シーザーストーン「4600 オーガニックホワイト」
壁付キッチン:ステンレスバイブレーション
前板・扉 ブルーグレーウレタン塗りつぶし塗装
本体外側 ブルーグレーウレタン塗りつぶし塗装
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
水栓器具 L型キッチン:三菱ケミカル[クリンスイ F914EHU]
壁付キッチン:グローエ[ミンタ JP351500]
ガスコンロ ノーリツ プラスドゥ[N3WS9KJTKSTED]
ガスオーブン ノーリツ コンビネーションレンジ[NDR320EK]
レンジフード 富士工業[CLRL-ECS-902R]
キッチン仕上げ

クォーツストーンとブルーグレーL型キッチンと壁付けキッチンのあるスタジオ

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

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