
添えられたレシピ
「クォーツストーンとブルーグレーL型キッチンと壁付けキッチンのあるスタジオ」
藤沢 H様
design:Hさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:haraki tosou



「イマイさん、この前ね、すてきな方に会う機会があってね、家作りの話になった時にイマイさんのキッチンのことをお話したのよ。きっと魅力的な依頼が来るから楽しみにしていてね。」
と久しぶりにうさぎパンさんにお会いした時、そう話してくれたのです。
「あらうれしいです。うさぎパンさんのご友人ならきっと多彩な方でしょうね。」
「そう、それがね、私一時期T-SITEの教室に通っていたことがあってね。」
「え、こんなにすてきなパンや料理を作るのにまだ勉強されるですね。」
「好きなのよね、作るのとか知らなかったことを教えてもらうことが。」

そう、うさぎパンさんとは、長らく私たちのウェブサイトを見てくださっている方にはおなじみの「biscotti」鵠沼のTさんのことです。
うさぎパンさんのキッチンを作らせて頂いたのは今から17年前になるのですが今思い出しても、かなりストイックな形だったなあと冷や汗が出るくらいのやり取りでした。
うさぎパンさんは、「私パソコンとかメールって疎くって。」ということでもっぱら打ち合わせは電話とFAXで、当時うさぎパンさんが住んでいた反町まで往復しながらようやくあの形に辿り着いたのでした。
教室を開くことが夢だと熱弁してくれた当時の思いは、今少しずつ実現していて、この方が作る食パンは他ではない味わいで大変美味しくて、インド料理の経験を活かしたお惣菜のパンを始めて食べた時は美味しさと驚きでうれしくなりました。
すごいなあとお会いするたびに元気をもらうのです。
あの当時はお会いするたびにうさぎパンさんのイメージをかなえられるかどうかに30代半ばの私はドキドキしていたものですが。
そのうさぎパンさん、自由奔放と言ったらよいのでしょうか、いろいろなところでいろいろな皆さんとつながりを持っていて、会うたびに「イマイさん、すてきな人に会ったわ。イマイさんのこともお話しておくね。」と気にかけてくださっていて、今回のHさんとのはじまりも冒頭のようにうさぎパンさんから頂いたのでした。

「イマイさん、初めまして。
今度加賀妻さんで家を建てていただくのですが、しばらく前にイマイさんのお話を伺っていたところに、加賀妻さんからもイマイさんのお話が出て、これは何かのご縁かも知れないって思って今日は伺わせて頂きました。」
うさぎパンさんから、たしかお料理の先生をされている・・って聞いていたので、なるほど、先生のようにきびきびお話をされる方だ。
ストイックな質問が飛んでくるかしら・・、と少し身構えてしまったのですが、お話を進めていくと、何とも思いが熱い方で、隣で静かにうなずくご主人はうなずくたびに優しいオーラをふりまかれているようで、穏やかさと熱情が入り混じったすてきな時間になったのでした。

お話を伺う中で、Hさんが主宰されているサロンというのでしょうか、お料理の教室を開かれているのを知ったのです。
【カラコル フードネット】
https://caracolfoodnet.com/
おぉ、そのような方に見初められる(ているかどうかは分かりませんが、私はそうであってほしい)なんてうれしいことであり、たいへん緊張するのでした。
Hさんは当時、湘南T-SITEの中で教室を開かれていて、今から6年前に湘南T-SITEで開かれた「湘南料理道具市」等いイベントにお声掛け頂いてオーダーキッチンとカップボードを展示させてもらったことがありました。
その時に、Hさんは私たちのキッチンを見てくださっていたそうで、すこし印象が残っていたのだそうで、そういういろいろなご縁がつながって今回キッチンのオーダーを頂けることになったのでした。

「イマイ様
お返事お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!
エクレアキッチンさんからのご連絡を待ってから・・・と思っていたのですが、待ち切れなくなりました(笑)
主人と2人で話し合い、やはりイマイさんにお願いしようということでまとまりました。
何年越しか・・・になりますが、あらためまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
と、うれしいご連絡。
ありがとうございます。よい形が実現できるように頑張ります。
そのHさんのキッチン。私はてっきり加賀妻さんのテイストで家ができあがるのなら、木の表情がふんだんに現れたキッチンになるだろうと思っていたのですが、イメージとしては、「加賀妻さんの空間はきっと木や左官の塗り壁など存在感あふれる素材が出てくるので、キッチンはもう少しシンプルというかシックな感じというか石の天板とマット塗られた表面のコントラストを見せたいのです。」ということで、私としては意外な印象を受けてどのような仕上がりになるのかが楽しみなのでした。
その素材の選定も独特ながら、レイアウトも独特。L型のシンクのあるアイランドキッチンと壁付けのコンロ側キッチン。
そして、ここがお料理の新たなスタジオにもなるということで、その形も独特なのでした。
組み込む家電は最小限ですが、教室でも提供されることもあるワインを保存するワインセラーや小型の冷蔵庫など、すこし普通の家庭的なキッチンとは装いは違いますが、お招きする先生たちや、ご主人やお母様とも一緒にお料理しやすい回遊性のあるキッチンができあがったのでした。
今まで加賀妻さんに納品したキッチンの中では、すこし個性的な表情のキッチンはこれからどのように活躍してくれるのか楽しみなのでした。
しばらくして、Hさんからお便りが届きました。
「フリーハンドイマイ 今井さま。
こんにちは、Hです。
あっというまに12月になりましたね!
引っ越ししてから、早くも2ヶ月が経ちます。
おかげさまでとても使いやすいキッチン、うれしくて1日のほとんどキッチンで過ごしております。笑
料理教室のレッスンもやっておりまして、皆さんにキッチンを絶賛されております。
ずいぶんキッチンも使い慣れて来ましたので、いつでも今井さん(と、よろしければ奥様もご一緒に)に様子を見にいらしていただけたらと思っております。
お忙しいことと思いますが、ご都合のよいときがあれば、お声掛けください。
可能なら、主人もいる時が、彼も喜ぶと思います。
うまくタイミングがあう日を見つけられたらいいなと思います。
追伸
さっそく、やってしまいました・・・
引き出しの下部分の塗装、1箇所、強い衝撃を与えてしまって、はじっこが少しだけ傷つきました。涙・・・
でも、よく見ないと見えない場所なので、気付かないことにしています。笑」

ということで、さっそくアキコと二人でお邪魔させて頂いたのでした。
お便りにあった傷はどうかなと心配していたのですが、それほど大きく目立つものではなさそうです。
塗装をお願いしたハラキさんにも相談してみましたが、やはり調色した塗料はウレタンだと変質してしまうのですでに保管されているものはかなったので、もう少し傷んでくることがあれば、その前板と(色合わせするために)隣の前板をお預かりして塗り直すようにしましょうかということになりました。
まもなく、隣がご実家ということもあってお母様もいらしてくださって(工事期間中はHさんよりもお母様にお会いすることが多かったのですっかり顔なじみになってしまいました、ありがとうございます)ワイワイとキッチンを囲んで感想を聞かせて頂きました。
こういう時間はうれしくもありとても勉強になります。
先日の教室では、お魚料理でお名前が広く知られているウエカツさんもいらしてくださって、キッチンを楽しんで使ってくださったのだそうで、光栄です。
そして、ご主人もキッチンに立つ機会が多いのだそうです。
「実は炒り豆腐を作るのが好きなのです。」とご主人。
教室のあと、みんなでそのお料理を頂いている時に、ご主人がさりげなくほんのり彩を添えられたらと差し入れた炒り豆腐。
これが生徒さんたちに評判がよくて、「ぜひこのレシピも教えてください。」と言われてしまったのですよ。と少し照れくさそうにお話する奥様。
柔和な笑顔のご主人がそばに立って、美味しそうな香りで満たされたこの場所がよくよく分かります。
いろいろなお話を聞かせくださり、とても楽しい時間でした、ありがとうございました。
そして、Hさんからお便りが。
「今井さま、こんにちは!
先日はお忙しい中、いらしてくださりありがとうございました。
今井さんに実際使い始めたキッチンを見ていただけて、また奥さまともゆっくりお話できて、うれしい時間になりました。
また、どうぞお茶でもしにいらしてくださいね。
塗料の件、承知いたしました。
ご確認ありがとうございました。また時を経て目立ち始めたらご相談させてください。
また、他の点でも気になるところが出て来たらご連絡させていただきますね。
ずっと長く使うキッチンなので、これからもいつでもご相談できることが心強いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、奥さまにも、よろしくお伝えくださいませ。
まだ寒い日が続きます。ご自愛くださいね。」
ほど良く水分を切ったお豆腐にじんわりと味が染み込んでいく炒り豆腐のように、このキッチンにもHさんご夫婦・お母さまをはじめとしてここに集う皆さんの彩りという味わいが、お豆腐のような色の天板やブルグレーという落ち着いた色が少しずつ色づいて染み込んで、Hさんのようなおおらかで溌溂とした炒り豆腐のように多彩なキッチンになっていくのですよ。

| 寸法 | L型キッチン:幅2,300ミリ・2,340ミリ/高さ900ミリ/奥行940ミリ・900ミリ 吊戸棚:幅1,430ミリ/高さ870ミリ/奥行385ミリ 壁付キッチン:幅2,090ミリ/高さ900ミリ/奥行650ミリ |
|---|---|
| 天板 | L型キッチン:シーザーストーン「4600 オーガニックホワイト」 壁付キッチン:ステンレスバイブレーション |
| 前板・扉 | ブルーグレーウレタン塗りつぶし塗装 |
| 本体外側 | ブルーグレーウレタン塗りつぶし塗装 |
| 本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
| 水栓器具 | L型キッチン:三菱ケミカル[クリンスイ F914EHU] 壁付キッチン:グローエ[ミンタ JP351500] |
| ガスコンロ | ノーリツ プラスドゥ[N3WS9KJTKSTED] |
| ガスオーブン | ノーリツ コンビネーションレンジ[NDR320EK] |
| レンジフード | 富士工業[CLRL-ECS-902R] |
クォーツストーンとブルーグレーL型キッチンと壁付けキッチンのあるスタジオ
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

































