カシミールクリームとクルミのキッチン

2026.09.17

小雨がわずかに当たるくらいの重みのある空に見つめられて、かつて象のオリと呼ばれていた場所に抜ける車通りの多い道のそばをヒヤヒヤとしながら駐車して目的のYさんのお家に到着。

「イマイさん、おはようございます。車はもっと奥まで入れてしまってよいですよ。」とYさんがにこやかに迎えてくださいました。

事前にkotiの伊藤さんのほうで給排水の切り回しはしておいてもらったので、ゆったりと作業はできるのですが、気持ちはなかなかゆったりとはできません。

「さてさて、いよいよ始めましょう。」と気を引き締めなおしたのは、インドからやってきたという青みのある美しいラインが特長のこのカシミールクリームと呼ばれる天然石があったからです。

石は硬いから良いのでしょうけれど、柔軟性がないから変に力がかかるとヒビが入る可能性があります。

(実はショールームの石の天板もうっすらクラックが入っているのですが、こっそり直しているのは内緒の話です。)

シンクとコンロの開口部分が特に心配なところです。裏面を掘り込んで鉄骨を入れて補強をしているのですが、それでも重量は100kg近いものですからうっかり平らにして持つのはたいへん危ないところ。そんなことを心配しながら、工房で搬入と設置のシミュレーションを繰り返したので大丈夫大丈夫と言い聞かせておきましたので、当日は意外とすんなりと運び込むことができたのでした。

しかし、キッチンキャビネットにはめ込む時は天板の下にシンクがくっついているものですから空中で平らにしなくてはいけません。そこで小柄なノガミ君に下に入ってシンクを下から支えてもらってみんなでそぅッと降ろそうと考えていたのですが、実際は設置の時はそううまくはいかなかったようです。

私は搬入さえうまくいけば設置は順調に終わるだろうと考えていたので、先に工房に戻ったのでしたが、夜に作業を終えて戻ってきたみんなから話を聞くと、元々壁に貼られているタイルの厚みが干渉してしまってそのまますんなり下せなかったのだそうで・・。

なので、あのあと急きょシンク前の幕板を一度外して手前から滑らせるようにして設置したのだそうです。そうでしたか、そこまでは想定できていなくて、みんなに苦労を掛けてしまいました。すみません。

でもおかげでこうしてきれいに納まりまして、ホッとしております。

「さっそく使い始めていますよ。」というところにお邪魔させて頂きました。

「すぐに大きくなっていくんですよ。」という竹の緑と上から差し込む陽の明かりがとても明るく優しいキッチン。

33年使い続けたというブルトハウプのキッチンからこうして私たちのキッチンを使ってくださることを決めて頂けたのはとてもうれしく思います。