2022.07.25
実家でお父さんとお母さんの元気そうな様子を見て、お昼ご飯をごちそうになって、ぺちゃぺちゃしゃべったら、さて工房に戻りましょう。
アキコを家の前で下ろして、工房に着くとまもなく、アイが帰ってきた。
日中はつまらないだろうからと外に放っておいているのですが、どこかで私が帰ってくる音を聞きつけているらしく、こうしてそぅっと帰ってくる。
とりあえずご飯を上げて、しばらく仕事をまとめ直してひと段落したところで、「今日は外に出ないの?」と聞くと、「うん、今日はもういいの。出ないの。」というので、少し早く工房を閉めて帰宅することに。
お風呂に入って汗を流したら、アキコが「日が落ちる前だから外に出ましょう。」ということで、ピーズさんからお中元で頂いたトウモロコシを焼いて、先ほど実家で頂いたビールを開けてひと休み。
「おーい、だれか、せっかくだから二人の写真を撮っておくれよ。」と子供たちに投げかけるもあまり反応がよろしくない・・、のでしたが、それを見かねてハルが「しかたない!」とパチリ。
受験生を酔っぱらいの二人に突き合わせてしまいまして、おぉごめんよ・・。
2022.07.25
「明日は私実家に行ってくるわ、ビール、もらっちゃったから持って行ってってお母さんから連絡もらったからさ。」
「そうなんだ。こっちは明日はね、午前中に東林間にIさんの現場で打ち合わせて、そのあとは町田のさんがいよいよ塗装をするので、その塗り方を教えに行ってくるよ。」と伝えて、「じゃあ、帰りに立ち寄るよ。」という約束をして、まずは日曜日の午前中はIさんのリノベーションの現場まで。
ちょうど解体が終わったところということで、現場確認するのによいタイミング。日曜なのに監督さんもいらしてくださって。
「いやあ、実はこのパネルの納め方がね、どちらが良いのか確認したくてね。」とゆったりした物腰でお話しされる年輩の監督さんでしたが、気づくところが細かくて家具屋が気にするところを指摘してくれて、やはり年季が入った方は見るところがきちんとされていてひと安心。
納期についても私たちが立て込んでしまっているのを融通を聞かせてくださって、キッチンだけは少し遅れても大丈夫な状況を組んで頂いて、ありがたい限りです。
それでは頑張って制作に入りますね。
その足で町田まで。
「シンク下の引き出しが配水管のエルボを閉めるナットにちょっとこすってしまうのですよ。」と伊藤さんに言われて、再加工した引き出しをセットしたら、あとはSさんが来られるのを待つだけ。
そうか、そうだったのか、とこのできあがった空間を見てあらためて納得したのでした。
Sさん、スクラップブックにきれいにたくさんのインテリアの事例を切り抜いて、毎回の打ち合わせごとに持ってきてくださって、そのたびに載りが乾いてしまった写真が数枚ひらひらと落ちるのですが、それも丁寧に集めていらっしゃって、私はてっきりさんの思いを全部聞けていたと思っていたのですが、そうか、こういう印象にしたかったのか、とあらためて気づかされました。
築15年、20年くらいのこの家は良くあるオレフィン化粧板の建具が入っていたのですが、それをSさんご家族皆さんで塗装したそうで、うまく木目柄の凹凸だけが残って、ブルーグレーに塗りつぶされて、さらにはみんなの塗りの腰やらがかえって良い表情になっていて、この場所によく似合っている。
タイルの色やキッチンの背面の壁の色などうんうんとうなずく組み合わせで、こういう空間にしたかったのですね。そこまで気が付けずにすみません。なんて一人でうなずいておりましたら、
「こんにちはー。」と大きな声でお兄ちゃんが入ってきた。
「こんにちは、もう夏休み?」
「ううん、まだなの。」と言っておりましたが、肌はすっかり日焼けして真っ黒、表情は塗装が楽しみなようでニコニコしています。
続いてお姉ちゃんも同じく日焼けして、打ち合わせの時の物静かな印象はどこにもなく、溌溂とした表情で「こんにちは。」
Sさんも間もなくやってきて、ご主人もやって来た、ヤァヤァヤァ。
まずは引き出しの外し方を説明して、なかなか容量の良いお兄ちゃんがお母さんやお父さんに説明をしてあげたりして。
全ての引き出しを外した後は毛羽だった表面をやすりで磨いて・・、と説明しているうちに今度もお兄ちゃんがすでに始めている。
「そんなにごしごし磨きすぎなくて大丈夫だよ。」とお父さんが伝えるけれども、「ほらここがちょっとケバケバしていて・・。」と、おっこれは意外と細かい仕事が好きなのかな・・。とちょっと期待する私。
磨いた後にオイルを塗りすぎないように延ばしながら塗っていきます、という説明の時も一生懸命研磨を続けて。お姉ちゃんは手つきが成れているのがとても丁寧で過度になることなく表面をきれいにしていきます。
と、塗り方拭き取り方を一通り説明して、さてこれで説明は終わりましたので、みんなで頑張ってくださいね、と伝えようとしたら、お兄ちゃん、なぜかふてくされてしまって・・。
お父さんとお母さん曰く、どうやら疲れてしまったらしい。
おやおや、これから大変なところですが頑張ってくださいね、良い自由研究の課題になったのではないでしょうか。いろいろなことに興味を持つこと、ワクワクすることはとても心地よいものですものね。
では、次回はお引越しされた頃にあらためてお伺いします、ありがとうございました。
と、さようならを告げた後は、アキコの実家まで。
2022.07.21
友人であり、建築設計の仕事をしていて、我が家の設計もしてくれた福原さんとただいまお仕事しております。
今回は白いキッチン。でも真っ白ではなくて、少しグレイが入った白。福原さんが数年前から持っている塗料メーカーさんの色見本帳と私が今回新たに取り寄せた色見本帳の色がなぜか同じ品番でも変わっちゃっていて、さあたいへん。こんなこともあるのだなあ。
福原さんが以前に作ったというA4サイズの色見本を奥から探し出してくれて、無理言ってそれをお借りしてどうにか指定色で完成。
お豆腐というよりは豆乳のような色というのかなあ。(どちらも同じ豆だけど・・。)際立っていない色というのは見ていて優しい印象です。
もう少しで設置工事ですが、いつもながら福原さん逃げが無いので、リノベーションなのにこの割付で無事に納まるのか‥が今から心配なのです。
2022.07.22
先日、無事に設置工事が終わってご新居で落ち着いた暮らしがスタートしたHさんのところにお邪魔してきました。
リンナイのクラシカルなガスオーブンが置かれた印象的なオーク材で囲まれたキッチンの空間。
「いつかご自身でここで教室を開かれたりする予定があるのですか。」
「いえ、特にそういうつもりはないのですけれどね。以前仕事でお料理のお手伝いをしている時にこのオーブンの相性がすごく良かったのです。」
そういえば、Hさんってうちをどうやって知ったのかなあ。以前に聞いていたような気もするのだが・・。
「Hさん、私たちを知ったきっかけって何だったのですか。」と単刀直入にお聞きすると、
「以前私が藤沢のほうで暮らしていた時にキッサコさんのお料理教室に参加させてもらったこともあって、その時にイマイさんが作られたキッチンを見ていたんですね。」
あらまあ。
「そう、もうだいぶ前になるんですけれど、それからいつか自分の暮らしの中にもイマイさんに作ってもらった家具を迎え入れたいなって思っていたのですよ。」
そういえば、そうでしたね!
ちなみにこちらがキッサコさんのキッチン。懐かしい。
–その日まで –
「今回は建売なので、キッチンは実現できませんでしたが、こうして既存の形をうまく生かしてきれいに納まってとてもうれしく思っています。」
「それと、またいつか食に携わる仕事をしていきたいなって今考えていて、今年はその準備期間。来年から活動できたらよいなっていろいろ検討中なのです。」
うれしいお話です。お料理教室をされている皆様もそうですし、設計のお仕事をされている皆様もそうですが、私たちが携わらせて頂いた家具や空間をきっかけに自分の道を開いていらっしゃる方々が多くて、本当にありがたく思うのです。
今日は、オイル塗装の家具のお手入れ方法を奥様と夏休みに入って元気有り余るお兄ちゃんに説明して、さらにちょっとアルカリ焼けが出てしまったという部分のお手入れ方法をお知らせし、引き戸の動きを軽くするお手入れの仕方などを説明して終了。でも、Hさんへのお仕事はこれで終わりではなくて、このあとガス工事が入ってガスオーブンが使える状態になったら、今度はその背面にタイルを張るのです。
そこまで終われば、このキッチンの空間は完成。
その時が楽しみです。
まずはお気に入りのタイルが決まったらまたご連絡くださいね。今日はありがとうございました。
2022.07.15
サクラのオイルフィニッシュの印象。
2022.07.13
今から16年前に制作したリビングボード。茅ケ崎のEさん のところに作らせて頂いた家具です。
シナ合板とブラックウォールナットを使ったシンプルな形で、Eさんにはこの家具を制作したのはテライ君って話していましたが、カワグチ君でしたね。そうか、カワグチ君がその頃にはもう居たんだっけな。今ではテライ君は島根で、カワグチ君は福岡でそれぞれ家具作りを頑張っています。
Eさんその時のことをまるで昨日のことのように話してくれて、私のほうが「ははあ、そうでしたか。すっかり頭から抜けちゃって・・。」なんて苦笑い。こうして16年前に出会った人とお話をしているとまるでお客様というよりも懐かしい友達のようで。
そんな感覚が変わらないお人柄のままでよかったと言って頂ける要因なのでしょうか(笑)うれしいことです。
しかし、16年使い続けたとは思えないくらいにきれいに使っていてくださって、当時ホワイトのオイルで着色した白さは抜けてしまっていますが、シナ合板の生地の色のような透明感がまだ残っていて、ウォールナットはすっかり色が抜けて赤みが増して、それはとてもよい感じなのでした。
そして、今度の新居にこの家具を持っていくのだということで、ひとまず取り外して工房で預かることに。新居となるマンションの内覧会が間もなく開かれるなので、そのタイミングで現地を確認させて頂いて、どの部分をどう使って新しい家に馴染ませられるかを考えていく予定です。
どんなかたちに生まれ変わるだろうかね。
2022.07.12
瓦屋根となるのはセラミックストーンであるデクトン。今回Hさんが採用したのは、表面が石のように緩やかに凹凸のあるシリウス。
奥様と一緒に古刹の佇まいに一緒に浸る時間を大切にしていらっしゃるというHさんにも大変喜んで頂けて、「ほんとうに荘厳な建築物のようです。」といううれしいご連絡と共にお気に入りのアングルで撮った写真もと添えられた下から見上げるテーブルの写真はなるほど建築物そのままの印象で、その絵はいつかまたお見せしますね。
制作を担当したヒロセ君もホクホク顔で戻ってまいりました。
今度食器棚と一緒の様子を拝見させて頂くのが楽しみです。
2022.07.10
Charlotte Perriandのデイベッドの写真をSさんから見せて頂いてからようやく形になりました。フレームの厚みと脚のバランスがなかなか絶妙で、あまり脚を内側に入れすぎちゃってもおっかないし、外に出しすぎると野暮ったいし、そのあたりを写真家でもあるSさんとあれこれ悩みながら形にしていきました。このあと、オイルで塗装していきます。オリジナルの印象に近づくのは使い始めてサクラのが日焼けする1年後くらいでしょうか。使い込んで完成する形ですね。
2022.07.09
先月30日に食器棚の設置をしたHさんの新居に再び。
前回は食器棚とパントリー代わりになるオープン棚に引き戸をつけるという工事でしたが、今回はその手前にキッチン周りです。前回もなかなか大変だったのですが、今日のほうが大変になりそうだと想定していたのですが、早い時間にノガミ君から「作業が終わりました。」という連絡が入って安心したのでした。
すてきな立地が見つかってそこに建つのは建売住宅ということで、仕様があらかじめすべて決まっているので、当初はご飯を作ることが大好きだというHさんですからキッチン自体も作りたいと考えていたのですが、そこはどうにも難しくなってしまって、それではキッチンを囲うように使いやすい家具を作っていきましょう、ということでスタートしたこのお話。
建売と言っても、このお話がスタートする頃に建築が始まったので、少しでも家具を設置しやすい状況にできたらよいなと思って、打ち合わせの途中で出てきた「キッチン対面カウンターも木に変える」というご要望を無駄なく進められたら良いなと思って、Hさんから販売会社さんに対面カウンターが無い状態で引渡できるかどうかと建築側にとってはイレギュラーな相談をさせて頂いたりしたのですが、やはり仕様変更は難しいということで、既存のカウンターの上に木のカウンターを被せる形にしたのでした。
本来はカウンターなら無垢材で作りたかったのですが、上から被せる形で、L形で、となると木の動きが結構出ちゃうとあとあと調整が難しいと考えて、突板でウレタン塗装する形で仕上げています。
どうしても斜めに加工する部分が縮んで隙間が空いたり、カウンターの上面が縮むことが多いので、そこに反りが加わるとちょっと大変だったりするもので。
そのカウンターは既存の白いカウンターよりも大きくすることで下の収納はきちんと奥行を確保した収納にすることができました。
それから、側面も同じように化粧して、そして、システムキッチンの面材も既存の濃い色のものを外して、食器棚と同じく万代建材さんに作ってもらったホワイトオークの突板に交換したのでした。
こうすることで、今までのキッチンという空間の印象や質感が大きく変わったのでした。リノベーションとまでいかなくても家具をうまく工夫して設置することで、その場所の意味がその人にとって大きく変わるというのはとても素敵なことです。
猫が眠りにつく前に寝床の上をぐるぐる回って寝心地良く場所を整えるように、自分が長く過ごす場所を気持ちよく整えることで安心する場所ができるというのはとても大切なことだと思うのです。
2022.07.05
Mさんはご自身のアトリエを持つ設計士さん。そのMさんからキッチンと食器棚のご依頼を頂いて、今まさに仕上げの最中。
節のあるナラ材を使った荒々しい表情の中にこのような繊細な手掛けが入ると急に物静かに見えるのはなぜでしょうね。
表情がもたらす効果と形状がもたらす効果って小さなことでもとても大きく感じます。そこにその人の好みがあって、好きとか嫌いとか良いのかよくないのかはきっとほんの小さなことなのですがそれが分かることできっともっと豊かなその先が見えてくるはずです。
2022.07.02
あとは瓦屋根を待つばかり。
2022.07.01
お引渡から3ヶ月が経ちましたね。ご新居での暮らしがひと段落したということで、ご挨拶にお伺いしてきました。
あの時おなかが大きかった奥様はほっそりされて、目の前にはしっかりした赤ちゃんが。
そうでしたか、おめでとうございます。
引き出しの取外し方や、浄水器のカートリッジの交換の方法やオイル塗装の年てナンスの方法をお伝えするたびに奥様とご主人が代わる代わる話を聞いてくださって、その都度赤ちゃんが代わる代わる抱っこされて、その横では人懐こい猫さんがなぜか新しい寝床と思ったのか私のカバンの中に入ってしまったり。温かな空気の流れるひと時でした。(笑)
「私もキッチンを考えている時にイマイさんの制作例を隅から隅まで見ましたから。」とおっしゃっていた奥様には後ろ姿を撮らせてもらいました。
そこで暮らす方々やしまわれているものたちが自然と在る様は家具やキッチンを見つめるうえでとても大切なことで、こうして奥様に立って頂くだけでキッチンの写真の空気が変わるのです。
「次は家具だね。ソファがあったらいいなと思っているのです。」とお二人。
夢がどこまでも膨らみます。
2022.07.01
ノガミ君が面白い写真(家具設置前の写真)を撮ってきてくれたので掲載しますね。
昨日は、横須賀のHさんのところまで食器棚の取り付けにノガミ君とヒロセ君とで伺っていたのでした。
真っ白い写真が家具を設置する前の写真です。いつも取り忘れちゃうので、こういう比較はおもしろいですね。元々食器棚スペースとオープンの棚があったのです。でもオープンの棚はリビングから丸見えになっちゃうので、このままだとちょっと淋しいかもしれない・・、ということで今回はパントリー部分も食器棚と素材を揃えることで、心地よく整った空間にしよう、というお話になったのでした。
時々このようなご依頼を頂くのですが(というかお話の流れで「ではここまで作ってみましょう」と私が提案してしまうのですが)、この細工がなかなか大変。
前回のYさん の時は四角いスペースの中に開き扉をつけた形でしたので、もう少しシンプルな細工で済んだのですが、このHさんの場合は、袖壁があるだけのスペースにさらに引き違い戸にするというなかなか複雑な細工です。
先日の日記にも書いたようにどこでもドアのような引き違い戸に地板と右の側板がくっついたものをこのスペースに合わせて加工をしながらはめ込んでいきます。うっかり袖壁に巾木が回っている部分を事前に含めて制作していなかったので、子の巾木に合わせて側板を加工することにかなり時間が掛かってしまって大変だったと日が沈んでから戻ってきたノガミ君が報告してくれました。
それから、今回の突板は万代建材さんに特注で張ってもらって、全体的に良いグラデーションが出て、導管もナラらしく美しい表情で揃えることができました。
こうして苦労した甲斐があってここまできれいに納まりまして、次回は一番左の隙間を塞ぐ作業を残すだけとなりました。
ただ、次回はこの食器棚の手前にあるキッチン周りをナラ材で囲っていくのです。
また、複雑で大変な作業になりそうな予感がするのです。
2022.06.30
私たちのキッチンにほれ込んで、甲府からいらしてくださったOさんのお話 と、
設計士さんであるKさんと工務店さんと私たちと二人三脚ですてきな形を作り上げたお話 の2つの記事を掲載しました。
もしよろしかったらご覧になってくださいね。
2022.06.28
明後日取付に行くHさんの家具の仮組み。問題なく納まるかどうか、ここまで事前に組んでチェックしてから出掛けるのです。
吊戸棚も下に板を挟んで、所定の位置につけられるかどうか確認して、納まりの都合上、収納よりも数ミリ出すコーリアンの面取りの具合を確認して、そして、今回一番大変な左の背の高いパントリー部分の納まりを確認して。
ここから見ると大きな箱に見えるのですが、実はどこでもドアのように引き戸と枠しかない形なのです。右は枠がパネル状になっているのではこのように見えますが、現地にすでに建築されている袖壁とダボ柱の可動棚が丸見えになってしまうので、それを隠してパントリーのように使える工夫なのです。
すでにできあがっている壁に合わせてぴったり納まるかどうかが今から心配なところなのです・・。
2022.06.26
本日はHさんのお引渡でした。
実は、今まで平成建設さんのお引渡に立ち会ったことはほとんどなくて(他の施工会社さんの時でもそうなのですが)、お引渡の時はいろいろなことの確認があったりして、私たちが邪魔になってはいけないという気持ちと、ぜひ家具やキッチンを使っている様子を見てみたいという気持ちもあって、お引越しされてからあたらめてご連絡を頂いてお伺いすることが多いのです。
今回はキッチンや壁面収納も含めて大きく作らせて頂いたこともあって、ぜひ参加させて頂けたらと思いまして、アキコと二人でお邪魔してまいりました。
Hさんの心遣いはいつものように細やかで、お兄ちゃんたちの冒険心もいつもながらたくましく、(シンクの中やら引戸の中やら炊飯器置場に入ってしまったよ。そういう可能性もあるのだなあ、しっかり作らないとなあなんて思いながら参加させて頂いておりました。)またHさんご家族の心遣い以上に平成さんの心遣いがとてもステキで、この場所に居られてよかったなあとしみじみ思ったのでした。
お引渡のなかで奥様がそっと目頭を拭うことができる心地良さ。Hさんも営業の担当者さんも設計士さんも監督さんも大工さんもみんなずっとニコニコしていましたよ。家を作ることを楽しむというか気持ちはみんなで一緒に暮らしているような感じなのでしょうか。
重要事項の説明で「もしこの先私たちの会社が無くなってしまった場合でもこちらの方法で・・。」なんて設計士のOさんが説明していましたが、そんなことは絶対ないだろうなあ、なんて後ろで足がしびれながら聞いておりました。(笑)だって目に見えるくらい気持ちがきちんと継がれていますもの。
アキコと二人で良い日だ良い日だと笑いながら帰ってまいりました。
次はお引越しのあとにあらためてご挨拶に伺わせて頂きます。
Hさん、ありがとうございました。
2022.06.25
「キッチンの背面収納をやっぱりイマイさんにお願いしたいと思って・・。」とAさんからお声掛け頂きました。
キッチンを設置してから半年、どんなふうに使ってくださっているかなって、最近大田区にお住いの皆さんからお声掛け頂くことが多くて、近くを通るたびにAさんのキッチン、気になっていたのでした。
あの時は、市販のもの、もしくは工務店さんにお願いしようかというお話をされていたのですが、こうしてあらためてお声掛け頂けるなんてうれしいことです。
で、さっそくお邪魔してまいりました。
このキッチン、白く見えるのですが、ホワイトよりも少しトーンを抑えた(と言うのでしょうか)オフホワイトから少しグレイジュ掛かった色をしているのです。だから、この空間に在っても際立つことなく控えめにきれいなのです。
なので、「主人が洗濯物干しをぶつけてしまって・・。」と、家具の件と一緒に相談頂いていたところの部分補修をしてみたのですが、このグレイジュの補修カラーが特殊でしてもう残っていなかったので、白いパテを入れるだけになりましたがそれでも凹んだままよりはとても良い印象に戻りましたので、まずはしばらくこのまま使って頂くことに。
そして、収納をどうしようか・・、と悩ましいところです。
このAさんの間取り上、キッチンの奥も手前もあまりスペースが取れないのです。それでも奥様はキッチンの背面に小さな収納がある空間を憧れていて、またお鍋やフライパンなどを仮置きできる場所を希望していたのでした。
その話始めの時に、「ちょっと洗濯物片づけちゃおうかと・・。」と階下にいらしてくださったご主人に「あなたの意見が大事なんだから一緒に考えて。」と奥様の言葉で、ご主人も一緒に打ち合わせに参加して下さることに。
この時間がとても楽しくて、奥様の収納を作りたい気持ちと、収納を作ると狭くなっちゃうから、作る場所を変えたほうが良いよ、というご主人の気持ちの重なり合いがとても優しくて、意見がまったく分かれているのに終始楽しそうにしていらっしゃる様子を見て、すてきなご家族なのだろうなあと、うらやましくなるくらい。
結局お話はまとまらなかったのですが、いろいろな形に気づくことができたのは、とても良い打ち合わせだったと思います。私自身はキッチンの様子が見られてそれだけで満足。
汗をかきながらやって来た甲斐がありました。
私自身実用的な方向に形を考えてしまうことが多いのですが、奥様の空間を大事にする形もとても魅力になりそうです。ご家族皆さんが何を大事にして暮らしてゆきたいか。それが一番のポイントですね。
またご意見がまとまりましたらお声掛け頂けるのを楽しみにしています。
2022.06.24
久しぶりに自宅の様子を見学したいというご相談を頂きまして、あまり汚れていては見て頂くのに申し訳ないと思いまして、数日間あれこれ掃除をして本日を迎えました。
いらしてくださったのは、平成さんの設計士さんと営業担当の方とTさんご夫婦。静岡から駆けつけてくださいました。
好文さんの作るキッチンのような収納の方法を好まれています、というお話を聞いていたので、シンプルな形なら私たちの家を参考にして頂けるかも、という思いでお招きしましたところ、Tさんご夫婦のお話に私たちのほうが惹きこまれてしまってとても楽しい時間でした。
先日の日記でお話していた染色家の望月さんのお話や木工家の三谷さんのお話、そして、2階に置いていたどこで手に入れたか忘れてしまっていた大好きなポストカードをふと見て、「あら、これ熊谷さんのじゃない。」と何気なく奥様。「えっ、そうなのですか!」とアキコ。よく見るとうっすらクマガイとサインが入っていて、そうだったんだー、と何だかすごくうれしくてうれしい時間だったのです。
そのTさんのキッチンのご相談を平成さんから頂いておりまして、すてきな空間にL型のキッチン。どんな形が良いのだろうかと、場所を工房に移してひとつの原案ができあがりました。
実現するかどうかはこれからですが、すてきなTさんご家族の暮らしの中に溶け込めたらうれしいよなあ、とアキコと晩酌しながら話していたのでした。
2022.06.23
本当は昨日終わっていたはずなのですが、ちょっと私からワタナベ君に言い忘れてしまったことがあって、またワタナベ君とヒロセ君に作業に向かってもらったのでした。
二人ともすまないねえ・・。
おかげさまで、作業は無事に終わってきれいに納まりました。あとは、Sさんが塗装をすれば完了なのですが、kotiの伊藤さんが先行してキッチン周りを進めてくださったので、工事自体はもうしばらくかかりそうで、まだどんな感じの空間に変わるのか見えないのですが、Sさんのスクラップブック(とても分かりやすくきれいに家具や部屋のイメージをピンナップしておられました。)を以前に拝見させて頂いていたので、楽しみです。
でも、真夏の暑い時期に塗装することになりそうなので、気を付けてやりましょうね。
引き続きよろしくお願い致します。
2022.06.23
先日の日曜日、山本陶工房さんから戻ってきたら、ハルがキッチンを独り占めしておりました。
「また、何か作っているのかい。」と聞くと、「お父さんに何か作っているんだよねー。」とアキコ。「ふん。」とハル。
余計な口出ししてしまったかな。
工房に戻るまでしばらくひと休みしていると、ひと区切り終えたハルが、「はい。」とヒマワリをくれました。
チィは手紙を書いてくれていたようです。夜、居間で居眠りしてしまっているそばにそっと置かれておりました。
ハルが焼いてくれたチョコレートケーキの上にチーズケーキが載っているようなお菓子(名前が分からん。)は冷やすと甘みの濃い大人のお菓子でした。
ありがとう、よいお父さんになれているのだろうか・・。
2022.06.21
先日、クルミを使って格子の引き戸のある食器棚を作らせて頂いたHさんからダイニングテーブルのご相談を頂いていて、「斗栱」という言葉を教えて頂きました。
寺や神社の屋根を支える組ものをテーブルに活かしたいのだそうです。
これがその斗栱のモチーフにした脚部となります。
いろいろな形は皆さんから教えて頂いて今があるのです。
ありがたいことです。
2022.06.19
私の自宅から車で30分ほど走るとたどり着く山本芳子さんのアトリエ。
海老名の手づくり市で知り合って、もう10年以上経つかしら。
自宅が同じ市内ということで、何だかお母さんのような感じでお付き合いさせて頂いてます。
山本さんの作品の味わいがとてもキュートで美しいことにようやく気付ける年齢になった気がします。
今日はその山本さんのアトリエで念願の表札作り。アキコは鳥を作るのだと言っています。
やってみるとね、難しいのです。
そんなに物作りは一朝一夕で成っちゃうものではないのです。
二人して山本さんの指導を受けながらどうにか形になりました。これがイメージ通りに焼き上がると良いな。
作業のあと、久しぶりに初代ショールームのキッチンに再開。きれいに使ってくださっていて、こういう姿が見られるのはうれしいな。
「イマイさんさあ、ビワがたくさんなっているから持っていって。」と、袋いっぱいのビワもぎをして、ほくほくと帰ってまいりました。
次は素焼きの跡の色付けだそうです。
いつもと違うもの作りは新鮮で気持ちが軽やかになる。
2022.06.18
Tさんの寝室に作らせて頂いたサイドボード。
今日はノガミ君とヒロセ君とタケイシさんとで磯子の丘のあたりに住まわれるTさんのところに納品に向かってもらいました。
「車が横付けできないものですから、少し距離のあるところを歩いて運んでいただくことになりそうで。」とTさんに事前にお知らせ頂いていて、これはなかなか大変かもしれない、と思っておりましたが、3人で順調に進めてくれました。
今回イメージされていたのは、少し使い込んだナラやチークの色あいということでしたので、今回は3色のオイルを組み合わせて、色を表現しています。ただ、色を混ぜて塗っちゃうとなかなかバランスが取れなくて色ムラも出てくるので、1~3回の間で塗る色を変えて塗装をしています。
下地にクリアを入れておくと、2回目以降の色は表面に付きにくく、導管によく色が入って、時間を経たかのような豊かな表情になってくるのです。本当は時間が自然とこの表情へと変化させてくれるのを待つ楽しみもありますが、こういう仕上げ方も表現方法のひとつとしてあるのです。
昨日も兵庫県から山梨県に越してこられるというMさんが食器棚のご相談にいらしてくださいました。
打ち合わせの中で、「何というか、きれいに整いすぎているよりは、もう少し自然な感じというのでしょうか・・。」とイメージを言葉にしづらくてMさん自身もどかしくお話されていたのですが、ふとご主人が「突板というのはどのくらい丈夫なのでしょうか。」というご質問を頂きまして、それなら良い例があると思いまして、私が19年前に作ったケヤキの突板を天板に使ったダイニングテーブル が今はスタッフみんなの日報を書くテーブルにしているのですが、それを見てもらおう、と思って事務所に案内しましたところ、「そう、これこれ!こういう感じが私は好きなのです。」と奥様。
突板の機能を見て頂くつもりが、思いがけずこの使い込んだ様子が奥様のイメージに合ったようでして。
「なるほど・・、これはどちらかというと良くない例でして・・。」最近はオイルもあまり塗っていないから白けた部分とまだらになって見えているし、うちのハルチィがちびっ子の時にフォークやスポーンで付けた傷はそのままだし、(でも突板だからっていまでも剥がれが無いので丈夫です。)
と説明させて頂きました。「このような表情はきれいに作ったものを使いこんで初めて出てくる表情だったりするのです。というか本当はオイルを塗ってあげてもっときれいにしてあげないといけないところなのですが、怠けてしまいまして・・。」と。
「なるほどー、よく分かりました。じゃあ最初はやはりきれいに仕上げて頂く方が良いですね。」と奥様。
家具の仕上げはいろいろな表現方法がありますが、過度なエイジングは場合によっては、その家具本来の良さも消してしまうこともありえたりします。
今回のTさんの色は、過度にならずとても風合いよく着色できましたので、この時間を経た部屋によく合うと思うのです。
この家具と一緒にアンプカバーというちょっと変わった部材も作らせて頂きました。
次回お伺いできる時には、それらすべての印象がどのようにTさんの暮らしに馴染んでいるのかを見られるのが楽しみです。
2022.06.18
約1か月前に設置したSさんのカップボード。
今日はお手入れの方法などをお知らせにお邪魔してきました。
これほど大きなスペースがあると、しっかりした収納にすることが多いのですが、Sさんの間取りはすぐ隣に大きめのパントリーがあるということもあって、ここはリビングダイニングから良い印象になるようにスッキリさせたのでした。
そして、トーヨーキッチンさんのモダンな印象のアイランドキッチンに合わせたいということでできあがったこの形はかなりシンプルなカップボードになりましたので、どのように使われているのかを拝見させて頂くのもとても興味深かったのでした。
ちょうどコンロの向かいの位置になるオープンの棚にはフライパンなど。なるほど。
中央は大きめのゴミ箱とその上は通気が良いようにと作ったステンレスパイプを並べた棚板。なるほど、なるほど。
そして、食洗機の真向かいには食洗機の扉を開けた時にちょうど引き出しをいっぱいに出して、食器を移しやすいようにと考えた食器収納。なるほど、なるほど、なるほど。
上のオープン棚は引き出しに入れる戸転びやすい背の高いグラスや日常使いの器が並びます。
潔くて美しい形です。
「いやあ、イマイさんのところのスタッフさんが素晴らしくてね。見ていてほれぼれするくらい。」とお二人して取付当日の様子をにこやかに話してくれました。
家具を考え始めるところから、こうして納品の時まで、楽しんで家具を作ることを実感して頂けたようで、そういう言葉を頂けると私もうれしいし、みんなもうれしいのです。