クラフト

2017.09.29

会社に戻るとコバヤシ君とワタナベ君が作業台の脚を組んでおりました。
私たちの作る家具よりももっと大きなものを作っている企業さんからご相談頂いて作っている作業台。この上で作られるのは船の窓のある部分。そういう大きなものを作るために必要なものを作る。
「あの世界を駆け巡る船の窓を作る為に使った台を作ったのはうちなんだぜ。」って遠回りだけれど格好いいじゃないか。ロマンチックじゃないか。
ビバ、ハンドクラフト!

うねりはじめる

2017.09.29

昨日は、稲城のTさんの現場に。
これから製作を始めるキッチンや背面収納、本棚などかなりのヴォリュームの家具製作を依頼くださって、その大きなかたちたちを納めるための打ち合わせ。
内田雄介さん設計の現場です。
いつもお世話になっている内田さんに、施工の市丸さんに、もう知っている皆さんと一緒にできるお仕事はやっぱり気持ちが落ち着きます。
まだ内田さんの世界がここに広がります。
楽しみ。

そして、今日は大磯のKさんの現場。こちらは先日もお邪魔させて頂いて、今日は大工さんの工事がだいぶ進んだということで設置場所をあらためて確認。こちらの設計はKさんの妹さんのマイズミさん。施工は、今回2度目にお世話になる福友さん。監督の大森さんは、大黒様のように穏やかなかたで、いろいろと気配りしてくださって大変ありがたいのです。
細かい部分を確認して、10月の中頃にはきれいにキッチンを納められそうです。
こちらも楽しみ。

どちらの風が気持ち良い現場。
みんなに支えられながら前に進むのです。

作る楽しさ

2017.09.29

2017092900320170929001家具とはまた違うのですが。
先日、派手に転んでしまったおかげで、肩は痛いし、あくびすると頭は傷むし、と言うのがようやく治まってきて、いよいよ故障していた自転車を直そうかなと思い立ちまして、壊れたところをあれこれ拾い出して、初めてのカンパ。
ベローチェだけれど、うれしいねえ、格好良いねえ。そして、もうこのバイクは遠出には使わないかなと思い、懐かしのブルホーン。格好良いねえ、うれしいねえ。

男前キッチン

2017.09.27

近頃、「男前キッチン」など「男前~」と謳ったインテリアの記事を目や耳にする機会が多いですね。
私個人としては、男の人が料理している姿はそれだけで男前だと思います。
私の父も兄も進んでキッチンに立つ人たちで、
父が作ったセロリがたくさん入って、砂が入っているんじゃないかってくらい粗挽き胡椒が入ったコンソメスープや、
タレから作ってくれた焼き鳥は本当においしくてごちそうでした。
兄がアルバイト先から習ったレシピのあさりとベーコンのスパゲッティも「これどのくらいバター使っているの?」て聞くのが怖いくらいでしたが、
大好きで、おねだりすると作ってくれたのを覚えています。母が夜勤の日の夕ご飯がさみしくないように工夫してくれていたのかもしれません。
見た目だけではなくて、そういう男前な思い出がいっぱいできるキッチンになればすてきだなと思うのです。
写真はOさんのキッチンです。世間一般の「男前キッチン」とは少し仕様など異なるのかもしれませんが、社長が思い出す形だそうです。
かっこいいですよね。

オークのエッジが入ったホワイトキッチン

2017.09.26

冬に向かうにしたがって製作がかなり立て込んでくる予定でその時に慌てないために、今は秋のお客様の家具たちを進んで作っている状況です。
来月にはみんな新しい家に向かって旅立っていく家具たちで、今は倉庫も2階のショールームも家具が積み重なってまいりました。
週末や祝日に相談されたいと言うご連絡を頂くのですが、やはり慌ただしくなっておりまして、11月に入るまではほとんど予定が埋まってしまっている状況でして、なかなか皆さんにご不便をおかけしてしまいましてすみません。
ところどころポツポツと空く時間はあると思いますので、まずは何か必要なことがありましたらお声掛け頂ければうれしいです。

ハンマードグラスのあるタモの食器棚

2017.09.24

20170924002今日は、石神井のMさんのところまでカイ君が作った食器棚の取付です。カイ君が私たちのところに来て1年半。いよいよこれだけの家具を作れるようになりました。
それを早いと見るか遅いと見るかは人それぞれですが、若いスタッフがみんなのバックアップを受けながら大きな家具を作れるようなスタンスはやっぱり大切だと思います。
技術の習得に専念することはもちろん大事なのですが、自分がこの家具を作り上げたんだという喜びを知ってもらう方がもっと大きな力になっていくと思いますし、「家具を作ることができる喜び」を「必要としている人のために家具を作ることができる喜び」に捉えかたを変革させていって、そしてその喜びもっとたくさん知ってもらいたい、そう思っています。
Mさんが帰り際に、カイ君に「とても素敵な食器棚を作ってくださってありがとう。」ってとてもうれしそうにご夫婦そろって挨拶してくださいました。
カイ君は照れくさそうにはにかんでおりました。
喜んでもらえることは自分の糧になるはずです。
お互いがお互いを支えることが仕事なのだと思っています。

チェリーのダイニング収納

2017.09.23

2017092300220170923003前回、大きな本棚を作らせて頂いたHさんのところに今度はダイニングの収納を作らせて頂きました。
この先にキッチンまわりを含めた小さなリフォームを考えているのだそうで、キッチンの吊戸棚を取り払って、壁に隔てられたリビングダイニングをひとまとまりにするということで、その時のために吊戸棚にしまっているものたちをきちんとこの家具に移せるようにと作ったのです。
ひとつずつ、何かを考えていくって良いですよ。
うれしい気持ちがずっと続いていきますから。
石がチェリーにのみ込まれている様子が良い印象です。

JID AWARD 2017の授賞式に参加してきました。

2017.09.22

20170922002数年前にMさんの作らせて頂いた鉄製脚のテーブルと、先日Aさんに作らせて頂いた木製脚のテーブル。この2台のテーブルは自分の中で一つの対比になっていていつかどこかで皆さんに知ってもらえたらうれしいなと思っておりました。
そんな折に日本インテリアデザイナー協会さん主催のコンテストがあることを知り、応募してみようかと思い立ったのでした。
JID AWARD 2017「偶然と必然」
http://jid-award.com//html/past_awards2017.html
手元にある2台は製品というよりは、お客様に渡すために作った試作ということもあって、NEXTAGE部門という試作の部門に応募しましたら、このたび部門賞を頂けることになりまして、本日その授賞式にアキコと製作を担当したカナイ君と参加してきたのでした。
先日のWorld Interiors Week 2017で20年ぶりに再会した秋山先生とも再びお会いすることができてとても有意義な時間だったのでした。
授賞式後のパーティーの席で先生がおっしゃっていました。
今はインターネットなどの普及で誰でもいろいろな情報が手に入る時代になって、みんながそれぞれしっかりした情報を持つようになった分、作り手はその地域や環境が必要とするものをきちんと表現できるかどうかが大切になってきているとおっしゃっていました。
グローバルに自分の手法を世の中に広めることも大事だけれど、まるで中世の街のようにコンパクトに社会と作り手が密接につながって行くことのほうが大事なように思えるとも。
それはデザインの本質で、物作りが独りよがりになってしまってはいけないと私もそう思います。
お酒を頂きながらの先生の授業は、とてもうれしく楽しいものでした。

創作するかたち

2017.09.21

かたまってきたね。
設計のお仕事をされているお客様からの依頼で作らせて頂いているテーブル。
皆さんからもらうアイデアで、いつも「こんな形ができるんだー。」って驚かされます。
このチェリーの塊が出している存在感ってすごい。
自分で考えるだけでは決して生まれない形で、あーありがたいなあ、ってこの姿を見るたびに思います。
皆さんから頂いている要素が、こうして私たちのかたちをかたちづくるためのひとつずつになっているのだなあ。

この台所

2017.09.21

2017092100220170921003お父さんと一緒にオイル塗装を仕上げたFさんから、あらためて写真が添えられたお便りが届きました。
「母の台所も祖母の台所も独立型でしたので、ちょっと離れているところにこもっている母や祖母の気配、包丁の音、ゆっくりとどくお料理の匂い、そういう気配がよかったな、と、そういう感じを娘たちにも伝えらえるといいな、と。仕上がってみて、基地みたいな感じがしてとても気に入っています。
堂々とリビングの真ん中にあるキッチンも素敵ですが、ちょっとひっそりしているキッチンも、「お台所」という感じで、特にイマイさんの作品だからこそこの雰囲気がでるんだと、うれしく思っています。
イマイさんのパンフレットを手にした日からずっと憧れていたキッチンが、目の前にあることがなんとなく最初現実味がなくて夢心地だったので、たぶんイマイさんにもコバヤシさんにもちゃんと言葉で表現できていなかったですが、こんなふうに、うれしさがこみあげています。
扉と引出をすべてつけ終わった後、娘が、「このおうち、千年住んでも、飽きないね」といってくれました。
そんなことを思える家に住めるなんて、ほんとうに恵まれた幸せなことです。」

憧れかあ。

チェリーの家具を使っているお客様のお宅に久しぶりに伺うと、ほどよく褐色になって深いつやが出始めているその姿にうれしくなることが多くあります。
「このチェリー、いい色になりましたね。」
そうお伝えするのですが、「あらっ、本当ですか。毎日見ているからかしら。全然気がつきませんでした。」
そして、昔の写真を見せると、「本当だー。」ってうれしそうにみな微笑みます。

自分では思ってもいなくて、ただ前に向かって頑張ろうと進んでいる姿がまるで日々少しずつ色みを増していくチェリーのように、結果としてみんなの「憧れ」となっているようでしたら、これほどうれしいことはない。

おやつのじかん

2017.09.20

15時だ。
顔を上げると空がどんよりしているね。
寒川や海老名と言う町は少し風の流れが違うようで、天気もめまぐるしかったりします。
雨が降るのだろうか・・。
こういう日は、いろいろ考えてしまうよね。

自分に何が必要で、自分はどう必要とされているのか・・。
先日、納品が終わったお客様からお便りを頂きました。
「ずっと憧れていた・・」って書かれていてうれしい半面、自分はみんなの期待に応えられているのかな、って自分に聞いてみる、こういう日はね。

小学校3年生のチアキは「雨は好きだよ。」って言っていた。
「ほんと?チィは雨好きだったんだ。」
「うん、だってピチピチ音が気持ちいいでしょ。」

そうか、気分が良いか、それはいいなあ。

2017.09.18

かたまり。

運動会

2017.09.16

今日は中1長女の運動会でした。
台風による天候の悪化が予測されるので、昼食は取らずに進行をするという方針になり、降ったり止んだりする雨の中、プログラム無事に終了。
普段、長女の小学校からの同級生に会っても、何だかよそよそしくペコってされてしまうお年頃の中学生達。
運動会で、みんなで楽しそうに過ごしている姿を見たら、「変わっていないのだな。」と安心しました。
観に行くことができてよかったです。
今日のスケジュール調整にご協力してくださったお客様・スタッフのみんな、ありがとうございました。

オイルフィニッシュの日

2017.09.15

201709150042017091500320170915002一昨日、設置作業が終わったFさんのところに再びやってきました。
今日は「コストダウンのひとつの方法として、オイル塗装を自分でしてみよう。」の日です。
コストダウンだけではなく、オイル塗装仕上げの家具って、最初に塗装された状態のままずっと使えるのではなくて、自分で時々オイルをすり込んであげると、もっとずっと表情が良くなっていくのです。
ツヤも出るし、汚れも付きにくくなるし。
冬場にお化粧しないで外に出るとあっという間に肌がカサカサになっちゃう。
オイル塗装は、その肌に化粧水を染み込ませて、クリームをすり込んで肌に潤いを与えるようなもの。
使っていれば表面はやっぱりスk沿費ずつカサカサになりやすくなってくるから時々塗ってあげる。肌と一緒です。
それを最初から自分でやっておければ、お手入れする時に身構えなくても気軽にできちゃう。そういう意味もあって、自分で塗ることは良いことだと思っているのです。
そして、Fさん。今日はご主人がお仕事で来られなかったので、お父さんと一緒に。
そして、塗り終わったFさんから先ほどお便りが届きました。

「父と二人で、なんとか一度目を塗り終えることができました。
最初は、ただ、誰でもいいから手伝ってほしい、という気持ちで父に頼んだのですが、考えてみたら、こんなに父と二人で作業したことがこれまであったかな、と。
普段は、反発したりすることも今だにあって、仲良しとは言えない関係ですが、だからこそ、お互い黙々と作業する時間は貴重な時間になりました。」

すてきにドラマティックですね。
ひとつのものを新しく迎えるということは、そこ至るまでいろんなドラマがきっとあります。
いよいよ来週お引き渡しになるということですが、ここに来るまで、キッチンのやり取りだけでもとても楽しいドラマがありました。
私たちは家具を提供して、そのおかえしというかそういう宝物を私たちは皆さんから頂いているのです。

2回目の塗装、頑張ってくださいね。
また、お引越ししたらお邪魔します。

ステンレスバイブレーション仕上げのカウンターとナラ柾目のキッチンと食器棚

2017.09.13

201709130022017091300320170913004Fさんの設置工事は今日で完了。

毎日使うキッチンと言う場所。その場所を一緒に考えてほしいって言ってくれるみなさんがいます。

母が作るカレーは私の大好物でした。
母が作る煮豚はご馳走です。
子供の頃、甘えてシャツのボタンがしめられないって泣き付いたら、「そんなことは自分でできるようになりなさい。」って言いながら洗い物している手で水を掛けられた。
家で留守番している時に友達とおやつ食べようって残っていた千歳飴を包丁で切ったらざっくり指を切って血が止まらなくて、「おぉ、自分は死んじゃうのか・・。」なんて思いながら、ずっと水道の水を掛けていた。
冬になって湯沸かし器のお湯をひねるたびに大きなボウゥって音と一緒につく青い火を見ていつか爆発するんじゃないかって怖がっていた。
父方の祖母の家に遊びに行くと、いつも豚のひき肉だけを使ったの柔らかい煮込んだハンバーグを作ってくれた。
のちに、母も私の娘たちが遊びに行くと煮込みハンバーグ(こちらは合挽き肉)を作ってくれるようになった。
母方の祖母の台所では、お仏壇がそばにあったからいつもお線香の香りと、床板を外すと出てくる大きな桶に入ったぬか漬けの香りがしていた。
結婚して最初に住んだ家のキッチンは狭くて使いにくかったけれど、向かいに昔作ったテーブルを置いて、そこを作業台にして、何ていろいろやっていたからいつも二人で食べるご飯は美味しかったなあ。
料理を作るところってそういう場所です。
そういう場所を作らせてもらえることは幸せです。

ナラのリビングボード

2017.09.11

6年前にキッチンの対面カウンターの下に収納を作らせて頂いたUさんから久しぶりにオーダー頂いたリビングボード。
ノガミ君とワタナベ君の二人で昨日は平塚のUさんのところまで取付に出掛けてもらいました。
今回、この家具を作るにあたって、家具の素材や色をどうするかいろいろと悩んだのです。
壁の色に合わせるか、床の色に合わせるか、家具を部屋に置く時には色柄についてはいろいろなアプローチがあると思いますが、今回はいつも使っているダイニングテーブルと同じナラ材で決定。
個人的には、何かに色を合わせてまとめる必要があるのかと言うとないんじゃないかなって思っています。
木だっていろんな木があっていろんな表情や木目がある。
この世界にはこんなに様々な色であふれているのに、特にひとまとめにすることなんてないんじゃないかって思っています。
そこに暮らす時にその空間をどう見つめていたいかを考えてゆくと自然と暮らしかたと色の交わりが整ってくるはずです。
これからUさんがここでどんなふうに色をまとめていってくださるのかが楽しみであります。

倉見神社神幸祭

2017.09.10

今日は倉見神社の神幸祭でした。会社前が御神酒所になっているので、その時間になるとお囃子や担ぎ手さん達で大賑わいです。
そして、私たちは神主さんのお祓いを受けました。
これからも、この工房で皆様の家具やキッチンをスタッフのみんなが怪我などすることがなく、安全に作り、納めていくことができますように。日々思っていることですが、こういう機会があるとさらに気が引き締まりますね。
お囃子や担ぎ手の皆様、自治会の皆様、お手伝いの方々お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
ちなみに、今回音頭を取っていたサトウさんと子ども御神輿の拍子木はうちの工房でご用意させていただいたものなのですよ。

栗の渋皮煮

2017.09.10

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伯母さんから畑の栗をいただいたので、週末に娘たちと渋皮煮を作りました。
鬼皮を剥きながら、「裏側ふかふかで気持ちいい~。」なんて言いながら、楽しみながら美味しくできました。
製菓材料屋さんで、つい「高いな~。」なんて思ってしまいますが、こうして自分たちで作ってみるとその手間暇から、適正な値段なのだと実感できますね。
娘達にはこういうことがわかる女性になってほしいなと思うのです。
400グラムの生栗を容器いっぱい煮て「これいくらなら売れると思う?」と私、
「うんとね、700円位なら売れるかな?」と長女。
安いな…。まだまだ時間がかかりそうですね(笑)。

ギターチェア

2017.09.06

今日は、先日いよいよ上棟したというMさんのお母さま(おばあ様)のところへ打ち合わせ。
下北沢を降りて、不思議な迷路のような道をクネクネ歩くと辿り着く。
このご実家に来る道も通いなれました。
次からは現場での打ち合わせかな。
今日でキッチンのプランを決めないと間に合わなくなっちゃいそうで、ほとんど決まっていた形を最終確認です。
で、いろいろ話すうちに初めてお母さまの芯のようなものが伺えました。
「キッチンに立つのがとても楽しみになってきちゃったわ。」って。
やった!
ここに辿り着くまでが難しいのです。
でも見えて良かった、とホッとひと安心。
またおもしろい形になりそうで、今から楽しみです。

夕方、工房に東大和のIさんが再びいらして下さいました。カイ君が作っているスパニッシュギター用のチェア。張地と座高、クッションの具合を打ち合わせにいらして下さいました。
「手が覚えているから楽器も家具もいつまででもできる。」ってすてきな言葉を頂きました。

節アリナラ材とステンレスバイブレーション仕上げのキッチン

2017.09.05

20170905002今日は、カナイ君とコバヤシ君とカイ君の3人で東静岡までOさんのキッチンの取付に行ってもらいました。なかなか遠い距離ですので、今日一日で全てきっちり終わらせましょう、ということでしっかり3人で行ってもらったのです。
日が暮れてだいぶ経ってからトラックが戻ってくる音が下のほうで響いてきました。
無事帰ってきましたね。
カナイ君が「食器洗浄機の取付に少し時間が掛かってしまいましたが、きれいに無事納まりました。」と報告してくれましたが、一足先にOさんからうれしいお礼のメールが届いておりましたので、安心しておりました。
報告を受けて、撮ってきた写真を見てさらに安心。
みんな、お疲れさまでした。
取付はこれで完了しましたが、Oさんとのお付き合いはこれからです。
家具は納品してからがお付き合いの始まりかもしれません。何かあった時はいつでもお声掛けください。
ちょっと遠いですが、なるべく早く駆けつけますので。
Oさん、ありがとうございました。

今日もね、お昼頃にお電話がありまして、藤沢からTさんご夫婦がキッチンを見に来て下さいました。
お話をお聞きすると建築士さんで、ご自宅を設計しているところだそうで。
必要としてくれる人がいることは大変ありがたいことです。

ウェブサイト更新

2017.09.05

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納リビングとダイニングを仕切るナラのシンプルなカウンターを作らせて頂いた茅ヶ崎のNさんのお話と、

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチンステンレスとナラ柾目と楽しいおしゃべりで満ち満ちた葉山のTさんのお話と、

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚ナラの豊かな表情に囲まれたダイニングキッチンにすることができた茅ヶ崎のWさんのお話を掲載致しました。

どの方もとても楽しいエピソードです。
よろしければご覧になってくださいね。

おとうさんなのです

2017.10.25

「クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」

三島 O様

design:Oさん
planning:Oさん/daisuke imai
producer:yasugkazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami
painting:yasukazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

リビングから見たキッチンの様子。クルミの色のばらつきを出すというこの印象がとても良くまとまっております。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

玄関から見ると、キッチンが見渡せるという大きな一つのスペースになっているのが特徴の間取り。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

バルコニー側から見た様子。

私が知っているOさんって、もっとスマートな印象でした。お施主さんとお話する様子も私に設計のニュアンスを説明する時の様子も曇りなくスムーズに説明してくれる頼もしい人、と言う印象だったのです。
でもね、実は違いましたね。(笑)

天板が浮いているように見せるデザインのキッチン

天板をすこし浮かせるような印象にしたいのです。と言われて、ラバロックは、板そのままの厚みである12mmで見せて、裏打ちする合板をすこし内側に入れることで、浮いた印象にしています。


キッチンのかんざし

浮いている印象はこんな感じ。また、側板と背面の板は角の部分は留めで接合しているのですが、木が動いてしまうことがないように補助的にビスで固定しているのですが、そのビス隠しとして、かんざし風に見せてみました。


洗剤ポケット

シンクは洗剤ポケットをつけています。


水切りプレート

水切りプレートをカウンタートップよりも低い位置に置きたい、と言うことで、今回はプレートを受けるリブをつけたシンクを作りました。

「今度自宅のキッチンをイマイさんにお願いしたいと思っているのです。」
平成建設さんのショールームでお客様との打ち合わせを終えたあとに、設計のOさんがぽつりとそう言ったのです。
「わぁ、それはうれしいです。どんな形になるか楽しみですね、いつもで声をかけてください。」
Oさんは設計の要の人。
今まで平成建設さんのいろいろなお客様の家具やキッチンを作らせて頂きましたが、それぞれの設計担当の皆さんがOさんをお兄さんのように頼っている。
そのような人から「キッチンを作ってほしい。」と言われたら、それはうれしいものです。
どんな形になるのだろう。

ステンレスの家具コンセント

コンセントはステンレスのカバーをつけたJIMBOのNKシリーズのブラック。


シンク下にまな板を置くためのステンレスパイプ

シンクの下には、パイプを渡していて、そこにまな板を置けるようにしました。フックを掛けてぶら下げて使うこともできます。

そういうスタートからしばらくして、原案を見せてもらいました。
以前に作らせて頂いた同じく三島のOさんの時のレイアウトをOさんは気に入っていて、同じようなセパレートの雰囲気でキッチンを考えているということでした。
そして、そののちにこちらまで打ち合わせにいらして頂いたのです。
この時に奥様と一緒に来られて、いろいろと打ち合わせをして、Oさんと同じくチェリーで作る方向でお話が進んでいたのでした。
そして大まかな形が決まって解体も始まった頃、Oさんが悩み始めたのでした。

ASKOのD5556XXLの大きな食器洗浄機

食器洗浄機はASKOのD5556XXLという大型のものを導入。

そうか、設計を専門としている人でも直前で悩んでしまうのだなあ、なんて思っていて、あらためて打ち合わせをしまして、その時にお話に上がったのが、「豊かな色」のGさんのクルミと人工大理石コーリアン「ラバロック」の組み合わせ。少し色があせたような印象に見えるこの組み合わせですが、皆さんからとても良い評判でして、やはりインテリア業界の上の方にいらっしゃるGさんは表現が豊かなのだなあといつも思わされるのでした。
その印象に魅かれたOさん、チェリーからクルミへとキッチンをまとめ直し、追加でお話し頂いていた洗面収納も同じくクルミでまとめて、いよいよ製作開始なのでした。
その前に、現地確認です。

クルミの家電収納部

コンロ側キッチンの右端は家電収納タワーになっています。


格子扉のある吊戸棚とレンジフード幕板

レンジフードもキッチンと一体に見えるように幕板をクルミで作りました。


リンナイMYCHOICEガラストップ

リンナイのドロップインのガラストップタイプ。

三島の楽寿園の近くに立つ趣のあるマンションが現場です。
古い規約があって、工事の時間が限定されていてエレベーターも隔階止まりだったりして、少し工夫して作業する必要がありそうです。
寸法は平成さんですので、いつも通りに私たちの寸法に合わせてくださるということで大変助かります。
特に問題なく進みそうで、廊下から見える富士山が「大丈夫、うまく納まるよ。」って言っているのが聞こえました。

クルミの格子扉

レンジの下は格子扉にしています。そのわけは・・。


炊飯器用スライドテーブル

炊飯器をしまっているので、保温にしている時も熱を逃がしたい、と言うOさんのご要望なのです。


クルミの乾物収納

それに合わせて、こちらの缶、瓶収納部も格子のデザインにして、この部分の最上部の戸棚の扉も格子にしています。

リノベーションですので納期が少しタイトです。でも無垢材を多く使うので材の段取りは早めに進めておきましょう。
コーリアンもシンクもオリジナルなので、すぐにできあがるものではありません。みんな全部きちんと作っているのです。ビバ!もの作り。
ステンレスの高橋さんが作ってくれたシンクをコーリアンの加工場に送ってもらったら、加工屋さんがシンクのサイズに合わせた開口をきちっと出してくれて、きれいに磨いて私たちの工房に送ってくれるのです。
その間に、養生しておいたクルミを製材して、扉やパネルを接いでいきます。
本体はクルミの突板で作って、引き出しは掃除しやすく化粧板で段取りして、徐々にその形が見えてきます。
今回読みにくかったのが、リンナイのドロップインタイプのガラストップのものをOさんが採用したこと。今回このタイプを初めて導入するので、納め方に少々不安があったのです。
また、キッチンに比べて洗面がコンパクトな家具の割に細工が複雑だったりして、ようやく完成した時にはホッとひと安心。製作を担当したコバヤシ君も大きくやり遂げた感のある背中でした。

コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

コンロの下はスライドワイヤーシェルフ。


コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

スライドワイヤーシェルフは、引き出せて、そのまま持ち上げると取り外して洗えるので使い勝手が良いのです。


クルミ無垢材のキッチンサイドガード

コンロ側のカウンターの左端には冷蔵庫と接するのですが、冷蔵庫の戸間の隙間に物が落ちちゃうと取りにくい、と言うことで、側板を少し上に立ち上げています。

そうして、設置工事。
作業時間が限られていることもあって、早めに出発したら、時間を間違えて1時間早く着きすぎちゃってせっかく大人数で似たのに待ちぼうけ・・。
みんな、ごめんなさい。
しばらくして監督さんが来て下さって、いよいよ搬入開始。物量が多いので、通行の邪魔にならないようにエントランスに積み上げてはエレベーターで最寄りの階に降ろしては階段で搬入の繰り返し。
どうにか搬入を無事に終えて、ちょっと込み合っている現場でいよいよ作業開始です。
キッチンは時間は掛かりましたが2日間かけて無事に終わって、洗面のほうはいろいろと現場で調整が必要な部分が出てきて、一度パーツを持ち帰って加工することもありましたが、無事に完了。
あとはお引き渡しの後にお引越しを待つばかりですね。

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

吊戸棚内部の様子。


引き出しにフキンをしまう

コンロ側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その2。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その3。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その4。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その2。

約半年かけて、プラン作りから納品までが行なわれたOさんの自邸リノベーション。
その間もずっとスマートでやっぱりキッチンと仕事ができる人は格好良いなあと思っていたのですが、お引っ越し後にあらためてお邪魔させて頂いた時は、キリっとした表情と言うよりも優しいお父さん。
そうか、Oさんもお父さんなのだなと思うと、今までの肩の力がふっと抜けるような気がしたのでした。

クルミランダム張り

節があったり、白太を入れたり、きれいにばらつきを出すのは意外に難しかったりするのです。

キッチン仕上
天板 コーリアン「ラバロック」
扉・前板 クルミ板無垢材
本体外側 クルミ板目無垢材/クルミ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

ひとつずつ

2017.09.05

「ナラのキッチン間仕切りカウンターのオーダー」

茅ヶ崎 N様

design:Nさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tatsuya suzuki
painting:iku nogami

茅ヶ崎の戸建てに住むNさんから、

「はじめまして、Nと申します。
現在一戸建てに住んでいます。I型キッチンとダイニングの仕切りとして、カウンターを取り付けたいと考えています。
大まかなイメージはあるのですが、ご相談しながら進めたく、どのようなフローで進めれば良いか、教えていただければ助かります。」

というシンプルなメールを頂きました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

ねむそうだね。

私はどちらかというと自分勝手(というと乱暴な言い方ですが)に形を考えることが不得意でして、どちらかと言うと、与えられた条件の中で何ができるかを考えるほうが好きなのです。
やっぱりね、何もない状態からムクムクとあたらしい形を生み出すってものすごく大変なことだと思うのです。
だから家具を考えるためにできるだけいろいろなヒントを頂きたいと思っているのです。
そこで、こうお返事させて頂きました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

シンプルなキッチンが特長的なNさんのこの空間。本当はこの間仕切りができたら、お子さんがキッチンでいたずらしないように、通路の出入り口となる部分に簡易的な扉をつけようかな、とおっしゃっていたのですが、今のところは何もなくてすっきりした印象。子供たちは自分で危ないことを危ないと学んでゆくと思うので、このままの印象でよいかもしれませんね。

「はじめまして、お問い合わせありがとうございます。
間仕切りとなるカウンターのご相談ありがとうございます。
家具の打ち合わせの進め方ですが、可能でしたら、イメージされているカウンターについて簡単なもので構いませんのでスケッチして頂いて、そこにサイズや収納の様子(例えば引き出しにどんなものをしまいたいか、どんな家電を置きたいか、など)を描いて頂いて、それを写真に撮って、(もしくはプリンタでスキャンして)、メールに添付してお送り頂ければ大変助かります。
そのスケッチを元に、こちらで一度図面を作成して、その形で家具を製作した場合にどのくらいの費用が掛かるかを見積もって見まして、そしてその図面と御見積をお送りしたいと思います。
その図面と御見積を元に、イメージに近づくように変更を重ねて、そしてイメージ通りの形になりましたら、設置場所を一度拝見させて頂き、それから製作をスタートする、というような流れになります。
そこで、お手間かも知れませんが、スケッチを描いてお送り頂ければ幸いです。
それが難しい場合は、文章で細かくカウンターの内容についてお書き頂いてお送り頂く形でも大丈夫です。
もしくは、直接私たちのショールームまでいらして頂いて、ここにあるキッチンやそのほかの家具を見ながら打ち合わせすることも可能です。
その場合は、私が空いている日をお伝えしたいと思います。
ご検討下さいますようよろしくお願い致します。」

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

「ハンドルは妻が使いやすいように少し長いものにして頂けますか。」ということで、いつものシンプルなステンレスのハンドルの長めのものを取り付けました。今回面白いのは、この建具が1枚しか入れていないこと。片側半分は常にオープンなスペースとして使うのです。

最近は、皆さんにこのようにお伝えしてスケッチを描いて頂くことを多いのです。
「でも、絵は苦手で・・。」とおっしゃる方も居りますが、いいんです、どんな絵でも。私に気持ちが伝わればそれでうれしいのです。
立体ではなくて真正面から見た簡単な形でも良いですし、小学校の時に描いた絵のように真正面から見ているのに、電気ポットの奥にあるはずの電子レンジがレンジの上に載っちゃっているように見える絵だって全ていいんです。
中には、その絵にパンや珈琲が入っていたり、お鍋がきちんと重ねられていたり、苦手と言いながらも楽しんで描いてくれている様子が伝わってくる絵もたくさんあります。
それを見ながら、ああ、このひとはこういう感じが好きなのだ、きっとこんな感じの家なのかなあ、なんて思い巡らせながら私も形を考えていきます。
それでも、どうしても描くのは苦手で‥。と言う方ももちろん大丈夫です。
ただその場合は、大まかな情報だけで私のほうで形を考えても見当はずれな形になってしまうといけませんので、具体的にこういう木が好きで、こういう色が好きで、こんなふうに使いたくて、こんなものをしまいたくて、と細かく教えて頂いております。
そうして初めて最初の形を考えることができるのです。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

ですので、引戸の溝は1本のみ。またアルミのレールを入れると急にその部分の印象が変わってしまうので、今回は堅木のナラ材ということもあって、そのまま溝を彫りこんでレールの代わりにしています。建具が重くないので、それほどすり減ることはないでしょう。また、常に半分はオープンということもあって、棚板の水平面は掃除しやすいように白い化粧板を使いましたが、見付け(正面)部分は全体の印象を合わせるためにナラ材で仕上げています。

今回のNさんはここからお近くにお住まいということもあって、直接お話しに来て下さることになりました。
「こんにちは、いらっしゃいませ、はじめまして。」
物静かな印象のご主人とおなかが大きな奥様。奥様は小柄なので、よりおなかが大きく見えて大変そう。
お話を聞くともうすぐ下のお子さんが生まれるというこのタイミングで、部屋の模様替えを考えているのだそうです。
その日はいろいろと詳細なお話を聞かせて頂き、こちらで原案を作ってみて頂いた後に、その空間を見せて頂くことになりました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

カウンタートップは使いやすさを考えて、ステンレスヘアライン仕上げの板を貼っています。でも見付は、棚板同様ナラ材で仕上げています。

「お邪魔します。」
海からほど近く茅ヶ崎美術館からもほど近い比較的ゆったりとした通り沿いに建つNさんのお宅。
搬入は少し考えないといけなさそうでしたが、2階のリビングを拝見させて頂くと大きなワンルームのゆったりした空間。
その中にある半間くらいの大きさのクローゼットがキッチンを圧迫しているようで、これを取り払ってしまって、代わりにそこに入っていたものを間仕切り収納にしまいたいのです、ということでした。
収納のボリュームは小さくなるけれど、自分たちの暮らしに箱のクローゼットの収納量よりもキッチンとリビングダイニングを分ける存在のほうが大切で、その分けるものもそこに在って美しい形にしたいのです。
Nさんとお話をしていると、ご主人がお話しながらも奥様が必要なことをうなずき合ってひとつずつ確認していくその様子。
丁寧に暮らしているんだなあと言う印象を、最初に工房に来て頂いた時もNさんのご自宅で打ち合わせした時も感じたのは言葉を一つずつきちんと選んでお話されて、静かだけれどもしっかりとした、そんな印象を受けたのです。

ありがとうございます、よい形になるように頑張ります。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

側面をカウンター面まで下げるかどうか悩んで、傾斜をつけることで圧迫感を無くしました。

できあがった家具は、シンプルだけれどNさんらしい形にきちんとなりました。
テーブルと同じナラ材を使い、ステンレスと白い色がきれいに入り混じったきれい形にまとまったのでした。
すっかりクローゼットが取り払われてより広いひと間になったこの場所にとんと置かれたこの間仕切りはこの家のランドマークのような存在になりました。
後日写真を撮らせて頂きにお邪魔した時は、下のお子さんももう小さなお母さんに優しく抱っこされていて、Nさんの道具たちがきちんとその家具にしまわれている様子を見て、言葉を選ぶようによい暮らしかたを選択しながら前に進んでいることが感じられてとてもうれしくなったのでした。

ナラとステンレスの食器棚

価格:395,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から、取付施工費は24,000円から)