離乳食パクパクセミナーを開催します

2018.02.21

ご縁があって、離乳食インストラクターの Hug baby教室 はじめりさ さんに工房2階のショールームで離乳食教室を開いていただけることになりました。
ご自身が赤ちゃんを迎えられるのを機にチャイルドボディセラピスト・ベビトレヨガ・ベビードリームアートと様々な資格を取得された先生です。blogにご自身のお子様に作られているごはんのお写真などが掲載されています。まっすぐお子様と向き合われていて、すてきなページなのです。ぜひご覧になっていただきたいです。(過去の自分を思い返すと胸が痛いですが…笑)
離乳食を学ぶことを通して、赤ちゃんと暮らすということを改めて見つめられる良い機会になると思います。
妊娠中でこれから赤ちゃんを迎える方、赤ちゃんと一緒に生活をはじめられている方、お孫さんとの暮らしが始まって、離乳食の作り方を再確認したい方、どなた様でも興味のある方なら大歓迎です。皆様のご参加お待ちしております。
【教室のご案内】
2018年4月16日(月)10:30〜
和の離乳食パクパクセミナー 初期〜中期コース
2018年4月18日(水)10:30〜
和の離乳食パクパクセミナー 後期〜完了期コース
【参加費】
¥3,500
【持ち物】
笑顔・筆記用具・エプロン・いつものお出かけセット
*レッスン内容詳細はblogページまたはFacebookページよりご確認ください。

お子様とご一緒にご参加いただけます。プレママも大歓迎です!皆様とお会いできることを楽しみにしております♡♡

〈FREE HAND IMAI〉
神奈川県高座郡寒川町倉見962-3
*駐車場あり
*最寄り駅 相模線 倉見駅 徒歩10分

お問い合わせ
instagram:@hugbaby0312 のDMから、またはメール hugbaby0312@gmail.com よりお願い致します。

Tさんの現場

2018.02.20

2018022000120180220003内田雄介さんが手掛ける稲城のTさんのご新居。いよいよ工事は大詰めでございます。
今日は最後の家具、キッチンとテレビボードの納品です。
私は段取りだけ済ませて先に戻ってきたのですが、先ほどカナイ君から連絡が。
「サイドパネルの縮みが大きくて・・。」
おぉ。
今年はなかなか反りや伸縮に悩まされることが多い。木だから仕方ないのですが、なるべくそれを軽減できるような工夫を今年はいつも以上に施さないと難しい気がしております
バックパネルの反りはどうにか抑えられる工夫を伝えて、サイドパネルは一度持ち帰り部分的に加工を施して再納品することにしました。
キッチン背面の収納はきれいに納まり、同じく玄関の下足入れも2階のエアコンを組み入れる本棚もきれいに完了。テレビボードも昨日きちんとチェックして修正すべき部分は修正できまして無事に今日納品できるし、あとはキッチンだけ。
美しいかたちまであと少し。
みんなで頑張ります。

Hana SHONAN Vol.4に木製スピーカー[Pure Wood]が掲載されています。

2018.02.20

本日より「Hana SHONAN」Vol.4が配布されています。
お客様にご協力いただいてキッチンを取り上げていただく機会が多かったですが、今回はショールームに展示している木製スピーカー[Pure Wood]の記事を作成していただきました。各設置場所で見かけた方は、ぜひ手に取ってご覧いただけたらうれしいです。よろしくお願いいたします。

Hana SHONAN
http://hana-magazine.jp/

香りの引き出し

2018.02.19

家具をいろいろと考える中でよく悩むことの中に引き出しがあります。
この引き出しには何を入れよう、ここはこのくらいの深さがいいなあ、そんな楽しい思いも一緒にしまおうとするくらいみなさん笑顔で悩む家具の中でもすてきな部分でもあります。

私が引き出しで思い出す中の一つにチークの小箱があります。
思い出す限り、私がきちんとした木工工作をした最初の頃のように思えます。
当時の私は小学校4年生で、担任の先生が確か退任されることなったのだと思います。厳しいけれど優しい先生で私たちから見ると、おばあちゃんという感じだったかな。
仲の良かった数人で何か贈りものをしよう、ということになり、じゃあ小物入れを作ろう、ということになったのでした。
当時まだ父は家具作りの仕事をしていたわけではなかったし、図工で木工をしたこともなかったので、何かを見よう見まねでみんなで作ったのだと思います。
今でいうとB5サイズくらいの大きさで高さ10センチくらいの大きさだったかなと記憶しています。
そこに皆で思い思いの絵を描いて、フタと引き出しがついた物入れができあがったのでした。
箱の中に箱がある引き出しを作ることができたということがすごいことをしたんだって気持ちでうれしくて、さっそくプレゼントしようと気持ちが軽やかになったのでした。

よし、では先生にさっそくあげて喜んでもらえればめでたしめでたしとなったのでしょうけれど、ここから何だかあまり覚えがなくて、先生が退任された後も、我が家のサイドボードの中にじっと居座ったままだったのでした。
何故だろうと、今思い起こすと先生は立派すぎて遠慮してもらってくれなかったような記憶がおぼろげに・・。
それでみんなで少ししょんぼりしていたような気持ちがしていたのをなんとなく思い出すのです。
でもね、それからしばらくはサイドボードを開けると、父が綺麗に保管していたレコード針のちょっと金属の香りと、チークの強い香りがふわっと漂ってきて、あの頃住んでいた田の字型の狭い団地の今を思い出すのです。

ワイングラスホルダーと真鍮ハンドルのあるナラの食器棚

2018.02.18

2018021800220180218003201802180052018021800420180218006先週取付に伺ったOさんのところに再びお邪魔してきました。
ちょっと忘れ物をしてしまった部材を届けることと、写真を撮らせて頂くためにでした。
休日の朝からお邪魔致しました。
前回お伺いしてからまだ1週間ですが、Oさんが楽しんでいる様子がよく分かりました。
ありがとうございました。
「子供が生まれたら炊飯器を置こうかとも考えているのですが、土鍋で炊くご飯ってとてもおいしくて何杯でも食べられちゃう。」と奥様。

美味しいものたくさん作って、たくさん良い時間をここで過ごしてくださいね。
ありがとうございました。

文字盤のない時計

2018.02.18

キッチンを作らせて頂くことになったNさんから、時計を作ってほしいと相談を頂いたことがありました。
「時計ですか・・。」
仕事で時計なんて作ることがなかったし、街中すてきな時計やもちろん木でできた時計もある。
いまさら私たちが作ることでNさんにとってどういった魅力があるのか、ということがなかなか当時は分からなかったのです。

「時計といっても、あの時間の数字、文字盤が普通は入っているじゃないですか。それは要らないのです。」
「なるほど・・。」
当時キッチンのほかに円卓、丸い座面のキッチンスツールの製作を依頼頂いていたので、その素材や形状に合わせた時計が欲しかったことと、何よりも文字盤は要らないということが大切なことだったのでした。
「キッチンに立っていて、ふと顔を上げた時に長針と短針がどのあたりを指しているのかがなんとなく分かればいいんです。かえってきちんとした時間が分からなくてよいくらい。」
文字盤のない時計か・・。
当時はなんでだろうって思いながら、同じタモ材を用意してムーブメントを用意して、せめて何となく時間が分かるようにと、目の詰んだ柾目材で作らせて頂きました。(写真の時計は板目ですが・・。)

でも、今になって何となく分かってきました。
全部がひとめではっきり見えてしまうと、全部がはっきりわかるまで物事を進めないといけないという気持ちになったりします。
でも、あいまいなで見えにくい部分があると私たちは自分でイメージして考えるのですよね。
本を読んでいる時に思い描いた風景と、映画で見た時に現れた風景の違いのように。
そういうゆったりした時間の移ろいが、「ああ、そろそろ子どもたちが帰ってくる時間だな。」とか「そろそろ洗濯物取り込もうかしら」とか次を考えるための余裕が生まれるというか。
何というか言葉が足りなくてすみません。
そろそろって思える気持ちに、余裕があるのだなってあらためて思うのです。

日も暮れて鳥たちもだんだん森へ帰ってしまって虫たちが鳴き始めたから、そろそろ寝ないといけないよ。とか、そういう時間の見つめ方っていいなって。時間を見て過ごすのではなく、自分の時間を知って過ごすって。

そういう感じが大切だって思えるようになってきたのです。

ウェブサイト更新

2018.02.17

リノベーションした一戸建てにタモのセパレートのキッチン久しぶりにピーズさんと一緒に仕事をさせて頂いて、温かな空間とSさんの温かな人柄がうまく表現されたリノベーションの記事と、

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット
私たちの気持ちの支えになってくれる方々のお一人にこうして家具を依頼してもらえるうれしさを書いたKさんの記事と、

アメリカンチェリーの食器棚人生の大切な節目に私たちに声をかけてくださる懐かしいYさんの記事の3つのお話を掲載しました。

どの方々もすてきな出会いとすてきな家具になりました。
よろしければご覧になってくださいね。

背中を押してくれるひと

2018.02.17

「ナラ節アリ材とステンレスの食器棚のオーダー」

横浜 K様

design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

「もし良かったら、写真に入ってもらえるとうれしいのですが。」とお願いすると、「ええ、でもおなかが大きな姿でいいのですか。」「もちろん。」

ある日曜日にひとり工房で作業をしておりました。
何をしていた時かな、忘れちゃったな。
機械の音に交じって若い女性の声が聞こえてきたのです。
んっ、と振り向くとかわいらしい女性がドアの向こうではにかんでおります。いつも突然声をかけてくるのは、工房の前を通るおじさまばかりでしたので、これはめずらしい。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

こちらが食器棚全景。向かいにキッチンがあるのですが、間取りが不思議なもので、キッチンまでの距離がとても遠いのです。「家族が増えてこの先もっと収納場所が必要になったら、また相談させてください。」

うちの前には、家具作りの時に出る端材を駐車場の前に箱に積んでおいておくのです。
そうすると、日曜大工好きのおじさまが自転車の荷台にゴムロープで括り付けて大量に持って行ってくださるのです。何に使うのだろう・・。
時には、下校途中にちびっこも箱をのぞき込んでいきます。
男の子は何を作るのかなあ、ちゃんと私たちに声を掛けて丁寧に選んできちんと持っていく子もいれば、棒材でチャンバラを始めちゃってその辺にポイって捨ててっちゃう子もいたりして、そうするとスタッフのみんなが「おいおい。」って子供たちに言って聞かせるのですが、わんぱくな子はわんぱくです。
時には、女の子も自転車でやってきてはやっぱり丁寧に楽しそうに材を選んでいくのです。女の子も木工が好きなのだなあ・・。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

引き出しのハンドルは、KUMA鍛鉄工房さんの槌目がきれいに映るハンドル。

でも、若い女性が一人でってめったに来ることはなくてこれはめずらしい。
家具の相談という感じでもなさそうでしたので、「はい、どうされました。」とお聞きすると、「あの端材頂いていっても良いのですか。」と。
めずらしいなあ。
「どうぞ、どうぞ。お好きなだけお持ちください。」とお伝えすると、「実は昨年主人が自治会でお世話になって、こちらの会長さん(私の父のことです。)にいろいろと面倒を見てもらったので、一度来てみたかったのです。」と、かわいらしい笑顔でそうおっしゃってくださいました。
「そうですか、父はもうここの仕事をするよりは町のことにかかわってい時間が長いですもので。知って頂けて良かったです。」
そんな感じで、その日はその女性はお帰りになられたのです。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

引き戸を開けた内部は、グレーの化粧板で、棚板の小口はナラ材を練りつけています。これがとても良い表情。

ご近所にかわいらしい方がいらっしゃるのだなあ、なんて思いながらそのまま忘れておりました。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

食器たちもまだお二人分ですので、余裕があります。中が濃い色でも食器の鮮やかな色が映えるのだなあ、と良い勉強になりました。

ところで、私たちは毎年の12月に「クレミル」という名前の小さなイベントを開いているのです。
元々父がまだがっつりここで頑張っていたころに仲間を集めて自分たちの趣味のものを展示するイベントだったのですが、少し趣向を変えて、私たち若者?メインで仕切り直し始めたのが、この「クレミル」です。
期間中は知り合いのクラフト作家さん、版画家さん、パン作家さんの作品をおかせて頂いて作家さんもいらしてくださって、みんなで和やかに過ごす小さなイベントです。その中の1~2日間を使って、私たちの工房を使って木工教室を開く、というワークショップも行なっているのです。小さなお子さんやお父さんお母さんが1日楽しめるようなイベントにしたい、ということと、家具作りで出た大きな端材をみんなで活用してもらいたい、ということで始めたワークショップで毎年好評を頂いております。
その参加者さんは、本当に両若男女で、赤ちゃんを抱っこしたご夫婦から、2世代で参加するご家族、私の近所のお父さんなどいろいろな皆さんが集まります。
その中で、3世代(おばあちゃん、お母さん、ちびっ子たち)で参加してくださったグループがいらっしゃいました。
その時は、あれっって思ったのですが、なかなか思い出せず、作業を終えてみんなでお茶を飲んでいる夕方になってはじめて、あぁ、あの時の女性だって気が付いたのでした。
それでお話を伺うと、やっぱり近所に住んでいらっしゃるということで、今日は自分の子供たちとお母さん、そして、妹さんと参加してくれたのでした。
で、この女性も妹さんもとても魅力的な方々で、いろいろとお話をすると、みんなでこの寒川を盛り上げていきたいなってそんなお話になったのです。ちょうどその日にいらしてくださっていたほかの参加者さんも、聞いてみるとご近所でご主人の勤め先が同じこの先にある大きな会社さんということで、なんだかつながっていくのです。
おぉ、心強く、とても楽しい方向にお話が広がっていきます。

以前にキッチンを作らせて頂いた「木々があいさつしてくる」のMさんと打合せしているときに言われたことがあるのです。
「少し遠くに出掛ける用事ができたときは、その用事が終わってしまったら戻ってくる、っていうのだと何となく淋しいんです。だから、下調べしておいて、その用事が済んだら、どこをどう回ってその街を1日楽しめるかってことを考えるのです。」とMさん。
すると奥様がすかさず「で、用事がすんだらおいしいもの食べて、おいしいものを手に入れて、最後は温泉があればそのままお風呂に入って泊まっていくこともよくあるのです。」とうれしそうにおっしゃっていました。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

今回この引き戸は内部に合板を挟んでプレスして、反りを抑える作りにしました。そして、手掛けは30ミリ角の四角い小さな引手。

その様子を思い出しました。
この寒川という町は何ができるんだろう。まだまだ知らないことが多かったりして、ご近所の方々とこうしてお話していると、もっと魅力のある1日楽しめる街にできるんじゃないかってワクワクしてきたのでした。
そうして、少しずつこの町の楽しい部分探しをアキコと二人で始めたわけですが、それはまた別の機会に。

このワークショップに参加してくださったかわいらしい女性の妹さんが、今回のオーナーのKさん。
前置きがとても長くなりました。
Kさんはご結婚されて、このすてきなタイミングで赤ちゃんができて、さらにはご新居に移るというすてきな年だったのです。
このKさん、ワークショップの時はどちらかというとあっさりしたしゃべり方をされる女性でしたので、うちのことをどう思ってくださっているか少しわかりづらい部分があったのですが(笑)、いろいろと思っていてくださって、「新居に置く食器棚はイマイさんにお願いするんだ。」って決めてくれていたのだそうです。
うれしいなあ。

ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

カウンターはトップのみステンレスのバイブレーション仕上げの板を貼り、カウンターの小口部分はナラ材を練りつけています。


ナラの節アリ材とグレーのキャビネット

引き出しの様子を少し。今回はシナ合板で引き出しを作っています。

「昨年のワークショップでお世話になりました、Kです。あの時作った鍋敷きは我が家で大活躍しております。
姉が机を作るのでもお世話になりました。まだ、実物を見ることは出来ていないのですが、見て触るのが楽しみです。
今回メールさせて頂いたのは、昨日のInstagramに載っていた、ナラを使ったカウンターがとても気になったので連絡させて頂きました。
まだ、正式に決まったわけでもないのですが、近々戸建てを購入予定です。そこで、電子レンジ、炊飯器、精米機を上に置くことができ、且つ食器を下にしまえるものがないか考えていました。
はじめは、無印で済ませてしまおうか・・・、自分で作れないか・・・、でも、やっぱりフリーハンドイマイさんで触った木たちが忘れられない・・・などと考えていた時に、フリーハンドイマイさんのInstagramで「これだ!こういうのがいい!」というものを見つけました。それがNさんがオーダーされたナラ材のカウンターでした。
まだ、主人には話していないので、必ずお願い出来るかはわからないのに、こんなことを聞くのは申し訳ないのですが、このNさんがオーダーしたものがお幾らなのか教えていただけますでしょうか。」

Nさんとは、「ひとつずつ」の茅ケ崎のNさんですね。
ご依頼いただいた皆様の家具が次の皆さんへとつながっていくというのは本当にうれしいことです。
さっそくNさんの費用をお伝えして、まずはお願いできそうだ、ということで詳しく打ち合わせをすることになりました。
そうして、いろいろとお話をするうちに、同じナラ材でもより表情に動きのある節の入った材を使うことになり、引き出しの取っ手も槌目を残したKUMA鍛鉄工房さんのハンドルを使うことになりました。
手の跡や表情がよく分かる仕上げを好むKさんらしい選択になりました。
そして、最近皆さんにお話しする時に内部の仕上げもひと工夫すると面白いかも、ということで、今回濃いグレーの化粧板を使ってナラとのコントラストが出るようにしたのです。

「本日はありがとうございました。
先程、搬入が終わり我が家にきた食器棚を見て、さわって、うっとりしながらメールを打っています。
ナラの無垢材節ありにしたこと、引き戸の手掛けを四角にしたこと、引き出しのハンドルをKUMA鍛鉄工房さんのにしたこと、化粧板をグレーにしたこと、上をステンレスにしたこと。そして、フリーハンドイマイさんにお願い出来たこと。すべてしてよかったなぁと食器棚を前にして思っております。
家は買ったものの、まだ自分たちの家だ!という気持ちが少なかったのですが、この食器棚が来てくれたことで、あー、自分の家だなぁとより想えます。
ぜひ、落ち着いたら見に来て下さい。
食器棚はこれから家族の一員として大事に使っていきます。
本当にありがとうございました。
スタッフの方々にも、感謝をお伝えください。
近々というわけにはいかないかもしれませんが、またお願いすることがあると思います。
その時はよろしくお願いいたします。
あー、良い買い物しました!職人さんってやっぱり素敵です!」

そういうKさんも職人さん。ご夫婦で整体師さんなのです。そういう素晴らしい方々から素敵な言葉を頂けることが幸せなのです。
そして、何よりもお姉さんやご近所の皆さんと一緒に私たちの背中を押してくれたこと、それが一番うれしいことです。
この先、こうしてみんなの言葉を頂いて、この工房をもっと魅力的に、この町をもっと魅力的にしていくことが私たちの役割なのかもしれませんね。

チェリーとステンレスの食器棚

価格:420,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は25,000円から)

暮らしのはじまりかた

2018.02.17

「チェリーとステンレスのセパレートタイプの食器棚のオーダー」

横浜 Y様

design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:yasukazu kanai

アメリカンチェリーの食器棚

食器棚全景です。吊戸棚の手前に張りがあるのが面白い。

もともとYさんがまだIさんだったころ、最初に家具製作のご依頼を頂いたというお話はどこかでしておりましたでしょうか。
Iさん(奥様)がまだお一人で暮らしている頃、チェリーのカップボードを作ってほしいというご相談を頂いたのでした。今から4年前にお話です。
それから、4か月ほど時間をかけて形を決めて1台のシンプルなカップボードを作らせて頂いたのでした。
その納品の間際、大変おめでたいことにIさんはYさんにお名前が変わったのでした。
人生の節目節目に立ち会えることのすばらしさ!

アメリカンチェリーのカップボード

こちらが3年前に作らせて頂いたカップボード。チェリーの色も真鍮の色も良い具合になっていました。

そして、納品後のその年のクレミル(私たちの工房で開いている小さなイベントです。)にもお二人でいらしてくださいました。
「すてきな食器棚ありがとうございました。
部屋がさらに温かくなってとてもうれしいです。それに大きさもぴったりで!
好きな食器を少しずつ集めながら、長い間付き合っていきたいなと思います。」と、嬉しそうに様子をお話しくださったのでした。

戸棚の中に無印良品のボックスを活用

吊戸棚を開けた様子。無印良品のファイルボックスをうまく活用されています。

それから、約2年後のことでした。
「お久しぶりです。
一昨年食器棚を作成していただいたY(旧姓I)です。
この度、和田町に土地を購入し注文住宅を建築予定です。
まだ工務店が決めたばかりで、具体的な事は何も決まっていないのですが、8月頃には建物完成になると思います。
つきましては、イマイ様に備付の食器棚を作成いただきたくご連絡させていただきました。
(キッチンもと考えましがた、予算の関係で断念・・・
詳細決定前ですが、お忙しそうなので取り急ぎ連絡させていただきました)
私事ですが、7/1に出産した為、外出できるのは少し先になります。」

アメリカンチェリーの食器棚

こちらも同じく吊戸棚の内部の様子。

おぉ、Yさんだ。
お久しぶりです。
たしかカップボードの納品後にお伺いした時に、「新しく家を持ったら、食器棚を・・」というお話をされていたよね。
本当に声をかけて頂けるなんて、ありがたく思います。
さっそくお話をお伺いすると、「はじめましての気がしない」のIさんの感じが近いということで、まずはカップボードの様子も久しぶりに見ておきたかったので、久しぶりにお伺いさせて頂きました。
すっかりお父さん、お母さんの顔になったお二人と再会して、細かいご要望をお聞きしました。
新しいところでの暮らしはどんなふうに始まるのでしょうね。楽しみです。
さっそくその日に伝えて頂いたご要望をまとめて、スケッチを描き起こして作るのに掛かるだろう金額をお伝えしました。

アメリカンチェリーの食器棚

吊戸棚下のオープンラックの様子。棚板の手前は物が落ちてこないように少し立ち上がりをつけています。

「またイマイさんに家具を作成頂けること、とてもワクワクしております。(スケッチだけでにやけてしまいます?)」

ygt017

最初のスケッチ。

良かった、うれしいです。
そして、食器棚と一緒にキッチンの手前と側面につくカウンターも一緒にお願い頂いたので、こちらは大工さんのスケジュールに合わせて早めに製作しなければなりません。
壁ができるタイミングに合わせてカウンターを先に作って現場に送る段取りをします。
時々こうしてカウンターの製作の依頼も頂くのですが、大工さんが現場で寸法を決めて取り付けて頂いたほうが納めやすいので、いつも材だけ用意して現場に送るような進め方をしております。

アメリカンチェリーの食器棚

ここがYさんのお気に入りのスペースの一つ。雑誌を置くためのスペースです。

カウンターがひと段落したころ、大工さんの工事の進み具合をみて、あらためて搬入経路や設置場所を確認するためにお伺いします。
お伺いしたところは、保土ヶ谷の不思議な場所で、まわりが畑に囲まれたのどかな丘陵地帯でした。
その広々とした一角にYさんの新居が建てられています。

アメリカンチェリーの食器棚

引き出しのレイアウトの様子。


アメリカンチェリーの食器棚

ゴミ箱は岩谷マテリアルのクード。

さっそくお邪魔させて頂き、1階のキッチンということで搬入経路も問題なく、設置場所は梁の現れる雰囲気のあるところで、扉の開閉に工夫が必要になりそうでしたので、大工さんとYさんでどのような天井高さにするかをあらためて決めて頂くことで納まりを確認して、無事に進められそうです。

アメリカンチェリーの食器棚

カウンターはトップのみステンレスのバイブレーション仕上げの板を貼って、カウンターの正面はチェリーで仕上げています。

そうして、お引き渡しの直前のタイミングで工務店さんに現場を開けて頂いて無事に設置が完了。
そうそう、設置の時の注意点が一つあったのでした。
最近よく施工される壁紙で一般的に普及しているビニルクロスとは違って、紙をベースにした天然素材を用いたクロスが良く使われるようになりました。
今回のYさんの壁紙も卵の殻を用いたものということでしたので、食器棚設置の前に確認を取らせて頂いたことがありました。
以前、食器棚を作らせて頂いたお客様の壁紙がやはり紙ベースの仕上げでした。
そう、「きもちの距離」のIさんのお話です。
通常、家具設置後の隙間を埋めるためにコーキングをする事が多いのですが、その時も紙ということで粘着の弱いマスキングテープを使って施工したのですが、紙を引っ張ってしまったのでした。
それからは、紙ベースのクロスの場合は、コーキングは行なわないことにしておりまして、Yさんにもその点をご理解いただいて食器棚を設置させて頂いたのでした。

アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その1。ケユカのスライドトレーをうまく活用しています。


アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その2。


アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その3。


アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その4。


アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その5。


アメリカンチェリーの食器棚

引き出しの様子、その6。

こうして無事に完了し、その後もあらためてお邪魔させて頂いて久しぶりにカップボードに再開することもできたり、そのあとに開かれたクレミルのワークショップにも数年ぶりに参加してくださったりと、とてもありがたいお付き合いが続いております。
こうして皆さんに支えられているのだなあと実感している毎日です。

チェリーとステンレスの食器棚

価格:600,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は30,000円から)

ゆっくり届くご飯の匂い

2018.06.28

「ナラ柾目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

武蔵中原 F様

design:Fさん
planning:Fさん/daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:Fさん

Fさんとは、いろいろとお話をしたように思えます。
どちらかというとそれほど広くはないキッチンのスペースに作られた形は、はっと大きく目を引くほど独特の形でもないですし、どちらかというと選んだナラの柾目というおとなしい表情もあって控えめな印象。
でも、ここに辿り着くまではいろいろお話をしたなあ。

ナラ柾目のキッチン

今回はオープンなキッチンではなく、独立した部屋になっているキッチン。Fさんの思いが叶った形です。

「はじめてメールさせていただきます。Fと申します。
過日は、すてきなカタログをお送りくださり、有難うございました。メールもいただいていましたのに、すっかりお礼が遅くなり、大変失礼いたしました。
中古マンションを購入してリフォームを検討し始めたときに、インターネットで今井さんのキッチンを知り、すっきりしたデザインながらあたたかくどこか懐かしい雰囲気に惹かれ、飛びつくようにカタログをお願いさせてもらっていたのですが、キッチンについてどう考えたらいいのかなかなか考えをまとめられずご連絡できずにいました。
設計は建築家をしてる大学時代の友人に頼んでいて大まかな図面ができた段階です。現状、他の間取りとの関係もあってキッチンが独立型になったので、どこまでこだわっていいのか迷いもあります。
また、普段は仕事をしながらの家事なのでお料理に時間をとれずにいますので、今はなかなかゆっくりキッチンに立てずにいますが、母や祖母がご飯をつくってくれてきた感じを大事に、私も先々娘二人にその雰囲気を伝えていけるようなお台所を考えていければと思っています。
ただ、そんな私に贅沢なことかなと迷いもありまして。けれどキッチンを探すと立ち止まるのはどうしても今井さんのキッチンで、パンフレットをめくるたびに諦めきれない思いが残り、やはり一度ご連絡してご相談を、と思い立ちメールさせていただいた次第です。
まずは納期のタイミングがあうかどうかおうかがいしたく、ご検討いただけましたら幸いです。」

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Fさんから頂いたスケッチたち。

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Fさんから頂いたスケッチたち。

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Fさんから頂いたスケッチたち。

うれしく愛情あふれる文面。
まずは、Fさんのイメージを聞かせて頂きたいと思いまして、スケッチを送って頂けるようにお願いしたのでした。
ここでは何度も書いているかもしれませんが、私はゼロの状態から物を考え出すことがたいへん苦手なのです。ある条件、ある環境、いろいろな状況があって物は必然的に生み出されると思うわけでして、なかなか情熱的に何かを生むことが苦手なわけです。
「イマイさんの考える形が好きです。」
そうおっしゃってくださる方も増えてきております。うれしいことです。
でも、自分自身、何か自分らしいかたちかなんて四半世紀近くこの仕事を続けてきてもよく分からないまま今があるわけでして、だから相変わらず家具のご相談の時には皆さんからいろいろとイメージをもらっているのです。
それにせっかく作る家具ですから、一緒に考えたいですし。
「イマイさんにすべてお任せします!」なんて言われたら、きっと延々と考えて仕事にならなくなってしまうわけです。

ナラ柾目のキッチン

キッチンからリビングを眺めるとこのような感じ。キッチンの吊戸棚とカウンターの間には小さなハッチがあって、そこからお子さんたちが遊ぶ畳敷きの部屋が見られます。

そのようなわけで、Fさんからスケッチが届くのを待っておりました。
スケッチを待っていたり、そのスケッチや文面を見てその人を思ったり。
人って思いを巡らせて気持ちを豊かにすることで向上してゆけるすてきな考え方があって。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

ぐつぐつ。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

ことこと。

今は俗にいう目に情報がダイレクトに飛び込んでくるから、昔ほど情緒が感じにくくなったというようなお話にもあるように、昔は得られる少ない情報、そこに書かれる文面、文体、筆跡などから相手の思いを自分で豊かに膨らませる楽しさや喜びのようなものがたくさんあったと思います。
先日、娘の学校からの案内である講師の先生のお話を聞く機会がありました。
「思春期の子どもとのコミュニケーションの上手に取りましょう。」という題目で、子供に限らず人と接する時に何を思って話をすると良いのか、ということを厚く関西弁を交えてお話して下さいました。
その時におっしゃられていたのは、自分の気持ちばかりを押し付けない、過剰に期待しない、ということをおっしゃってました。
うむ、よく言われることです。
で、実際に先生のエピソードを聞いて、なるほどと思いました。(引用しちゃって良いのかな。)
先生が仕事で遅くなる日の朝に、娘さんに「今日私は仕事で遅くなるから、夕ご飯はお鍋にしようと思っているからお鍋の用意しておいてくれる?」とお願いして出掛けたそうです。
そうして、帰ってくると、テーブルの真ん中にドンとお鍋が置かれていて、当のお嬢さんはすっかり別のことに夢中になっていたそうです。
それを見た先生が、「なんで、お母さんがお鍋の用意してってお願いしたのに、なにも用意してくれていないの。」と思わず大きな声で言ってしまったそうです。
先生は、てっきりお鍋なら野菜やお肉を切っておくだけだから娘さんでもきちんと準備できるだろうと思っていたのだそうです。
でも、お嬢さんの言い分も面白い。
「だって、お母さんはお鍋の用意をしておいてって言っただけじゃない。私は、わざわざ椅子を持ってきて、あの高いところから重たいお鍋を下ろしてテーブルに用意したのよ。」と。
ふふふっおもしろい。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

グローエのミンタのなかでもちょっと変わった形状の「JP369300」。シャワーが幅広く独特な形をしております。

そこで、「先生なんでこんなことも分かってくれないの。」と言ってしまったかどうかは、忘れてしまいました。すみません。
でも、そのあとに言っていたことをよく覚えております。
自分がどうしてほしいと思っていても、その思いはきちんと伝えないと分からないって。
こういうふうに意見がこじれた時には、自分が「なんでっ」って思うのではなく、「もっとこういうふうに伝えればよかったかな。」と1歩引いて相手を思って考えることが大事ですって。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

そうそう、排水口の位置についてあまり詳しくお話したことがありませんでした。海外製の食器洗浄機をつける場合は、シンクの真下にたくさんの給排水管が立ち上がることになります。そこで、排水トラップと配管が干渉しないように、食器洗浄機とは反対側に排水口の位置を持ってきます。

それを聞いて、あぁ、愛だね、って思いました。

今の世の中、いろんなことが簡単にできるようになりました。自分ひとりで生きているって気持ちになってしまえるようになりました。
でも、本当はその陰で支えてくれる人がいて、その力があることを俯瞰してみるとよく分かるはずなのです。
そういう気持ちに支えられていることを理解しつつ、自分も相手を思う気持ちを持つことが、愛だよね。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

吊戸棚の下にはLEDのダウンライトをつけております。ここを後でちょっと追加加工したのですが、それはのちほど。

とお話がそれてしまいましたが、皆さんから頂く愛があふれる文章やスケッチを見て、ああ、こういう形にしたいなって気持ちがモクモクと湧いてくるのです。
そして、Fさんから届いたスケッチと文章を見て、原案となる図面を作ってお送りしました。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

シンクの下は大きな引き出しになっています。

シンク下の引き出しはゴミ箱収納

引き出しを開けると、ゴミ箱収納になっているのです。

そうして、Fさん形を探す物語の始まりです。
こういうと大げさに聞こえてしまいますね。
でも、少し乱暴なお話ですが家具なんてどのような形でも使っていくことはできるのです。すぐ外で出れば手ごろな価格で手に入れられる家具を販売しているお店もありますし、キッチンメーカーさんの細かいところまで行き届いた設計のキッチンも手ごろな価格で手に入れることもできます。
それでも、私たちに声をかけてくださるには、きっと大きな理由があるわけです。
その理由を相談してくださる方ご自身も気が付いていないことがあったりする。それはなんだろう、って一緒に探すきもちの旅のようなものです。

ミーレの45センチ食器洗浄機

食器洗浄機は、ミーレの45cmのものを導入。

右や左を向いたりしながら前に向かって進んでいくのですが、時には後ろを振り返ったりして、自分の中の暮らすということがどういうことなのかを見つめていく旅です。
「あぁ、こういうふうに今まで自分は思っていたのだ。」
「こういう色が好きだったのだなあ。」
自分の過ごす毎日のなかでは、あまり気に留めていなかったことが一つずつわかってくるにつれて、
「そうか、それならこうしたい。」
って気持ちがモクモク湧いてくるのでしょう。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

引き出しの様子、その1。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

引き出しの様子、その2。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

引き出しの様子、その3。ハンドルは、いつものようにKUMA鍛鉄工房さんに打って作ってもらっております。

「イマイさん、やはりここはすみませんがこうして頂きたいのです。」
皆さんからこうした言葉をよく聞きますが、いいのです、いいのです。それに気づいたのでしたら私の仕事はとてもうまく進んでいる、ということなのだろうと思っておりますので。
家具をご依頼くださる皆さんは、いろいろな思いでいろいろ形を迷いながら最後に一つの形に辿り着きますので、いろいろ迷って頂いて大丈夫です。
こうして、Fさんの形はまとまっていったのでした。

スライドワイヤーシェルフ

コンロの下はスライドワイヤーシェルフ。

スライドワイヤーシェルフ

ワイヤーシェルフは皆さんいろいろな使い方をされています。1段の高さを大きく採って、深いお鍋(パスタパンなど)を置く方もいらっしゃれば、お鍋のフタ専用に高さを低く採って取り付ける方もいらっしゃいます。

今回は、マンションをスケルトンにしてリノベーションを行なう予定です。
その設計はFさんのご友人の小池さんがまとめてくださって、施工は、偶然にも以前葉山のOさんの施工をして頂いたダブルボックスさんでした。
あの時は、ちょっとおっかなそうだった灰田さん、今回は解体当初からお世話になり、いろいろとお話を聞いてみると、施主さんの考えにも親身になってくださり、私たち新参者の施工については親身になってくださって、とても作業のしやすい環境を作ってくださったことをとてもありがたく思っております。
今回はその灰田さんは総監督という立場で、監督さんは物腰穏やかな細川さん。現場の空気は監督さんが作り出すものですので、その人柄が現場ごとによく現れます。
ですので、今回はそのお二方が仕切るということでとても仕事のしやすい現場だったのでした。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

このコンロと壁の間のスペースを皆さんいろいろな使い方をしていらっしゃいます。60cmのコンロにするとこのスペースが比較的広く採れるので、土鍋を置いておく方もよく見かけます。

解体が終わって間もなく、Fさん、設計の小池さん、ダブルボックスさん、設備屋さんとで打ち合わせです。
キッチンの打ち合わせも、今回は元のキッチンの間取りを変えることもあって、配管の取り回しなどが多少シビアになります。
設備屋さんが難しい納まりを丁寧に教えてくださって配管もクリアになり、キッチンの寸法も現場の寸法が確定しましたので、これでプランがすべて決定。いよいよ製作に取り掛かる段取りです。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

キッチンの吊戸棚の目線より少し上になる部分はオープンにしています。

ステンレスとナラ柾目材を使ったI型キッチン

吊戸棚の上部は梁があるため、すっきりと見せるために吊戸棚自体は梁下まで作って、扉は天井まで延ばすことで閉めるとすっきり見えるようにしています。

今回の製作は、コバヤシ君が担当します。
今回は、いつも作っているペニンシュラタイプのキッチンと違って、独立した部屋にキッチンを据えるということもあり、現場の間口とのかかわりが緊密だったり、また吊戸棚の扉で天井から出ている躯体の梁型を隠すようにするなど、少し変わった作りになるので、細かい納まりに気を付けながら製作を進めます。

ナラ柾目の食器棚

こちらは食器棚側の吊戸棚。扉は引き戸で、一部だけオープンにして、お料理の本が入れられるようにしています。

そして、夏の終わりのまだ暑さが厳しい8月30日、いよいよ取付です。
独立したキッチンの場合は、手前に荷物を広げづらいため、現場で作業される職人さんが少ない日を設定して頂いて、リビングあたりにずらりと店を広げさせて頂いて作業開始。
夕方には、おおよその目途がついてその日の作業は終了。
あとはまだ現場に入っていなかったレンジフードが届くタイミングにあわせて仕上げの作業をして完了の予定です。

引き戸の手掛け

引き戸の手掛けは、昔ながらのシンプルな船底型。Fさんの思いですね。

「本日は、猛暑のなか、有難うございました。夕方、術前検査を終えて娘と一緒に少し現場に立ち寄りました。
娘にも、みなさんが作ってくださっているところを見せたいという気持ちもありまして、でもお邪魔してしまったかもと、あとから反省しています。
小林さんはじめ、スタッフのみなさん、暑さのこもるあの場所で、丁寧に取り組んでくださっていました。
どうぞ、くれぐれもお礼をお伝えくださいませ。
今朝、先に現場に到着したときに、置かれた家具をみて、つい撫でてしまいました。使い始める日が、もうすぐ近くまで来ていると思うと、わくわくします!」

ナラ柾目の食器棚

食器棚の引き出しの様子、その1。

ナラ柾目の食器棚

食器棚の引き出しの様子、その2。

ナラ柾目の食器棚

食器棚の引き出しの様子、その3。

ナラ柾目の食器棚

食器棚の引き出しの様子、その4。

ナラ柾目の食器棚

食器棚の引き出しの様子、その5。

そして、いよいよ仕上げ。
すべての作業を終えて、今回は塗装の作業をご自身で行なってくださるFさんにオイル塗装の進め方をレクチャーして、作業は完了。
皆さん、大変お疲れさまでした。
無事に納品できてひと安心です。

ナラ柾目の食器棚

食器棚は引き出しだけではなく、一部扉も設けております。大きなものをしまうには引き出しに入れてしまうよりは扉を開けてそのまま中にしまったほうがシンプルです。

ナラ柾目の食器棚

例えば、引き出しだとしまうものの高さが限られてしまうけれど、扉なら開けて中に入っている棚板を高さを調整すれば、制限なく物がしまいやすかったりします。

「おかげさまで、本日、無事に引き渡して頂きました。
結局、二回目の塗装は二日にわたってすることになりましたが、最後は娘にも少し手伝ってもらって引出や扉を一緒につけました。
長女はもうすぐ6歳なので、きっとこのことをずっと覚えてくれることと思います。
今日引き渡しのときに、ダブルボックスさんから、「キッチンいいですねぇ」と、シンクの下をみてここも綺麗に収まっていて工夫していただいたんだね、と。
今井さん、小林さん、スタッフのみなさんが、丁寧に一つ一つ作ってくださったこと、塗装をしながらよく感じていたので、それが皆さんにも分かってもらえることがうれしいです。
最後、すべてができあがって、あぁ、これからこのお台所でどんな時間が流れるんだろう、と、じわじわと思いが湧きあがってきました。
楽しい時も、嬉しい時も、悲しい時も、怒っている時も、この台所だったらその記憶をちゃんと刻んで家族の時間を積み重ねてくれるなぁ、と、本当に楽しみです。
独立型は、あまりはやらないし、せっかくオーダーするのに隠れたところは、と設計段階では迷いもあったのですが、母の台所も祖母の台所も独立型でしたので、ちょっと離れているところにこもっている母や祖母の気配、包丁の音、ゆっくりとどくお料理の匂い、そういう気配がよかったな、と、そういう感じを娘たちにも伝えらえるといいな、と。
仕上がってみて、基地みたいな感じがして、とても気に入っています。
堂々とリビングの真ん中にあるキッチンも素敵ですが、ちょっとひっそりしているキッチンも「お台所」という感じ、特に今井さんの作品だからこそこの雰囲気がでるんだと嬉しいです。
今井さんのパンフレットを手にした日からずっと憧れていたキッチンが目の前にあることが、なんとなく最初現実味がなくて夢心地だったので、たぶん今井さんにも小林さんにも、ちゃんと言葉で表現できていなかったですが、こんな風に、嬉しさがこみあげています。
扉と引出をすべてつけ終わった後、娘が「このおうち、千年住んでも、飽きないね」といってくれました。
そんなことを思える家に住めるなんて、ほんとうに恵まれた幸せなことです。
そんな場所をつくってくださり、本当にありがとうございました。
引越しはあさってです。
仕事をしながらの片づけになるので、時間がかかってしまうかもしれませんが、落ち着いたらお声掛けいたします。
ぜひ、使っている様子をみにきていただければ嬉しいです。」

オイル塗装

オイル塗装の時の様子。オイル塗装を最初から自分で行なっておけばメンテナンスをする時も気軽にできますし、何より塗装費のコストダウンにつながります。というわけで、地震で施工される方も増えてきております。大変!だけれど面白かった!という皆さんの声はいつも一緒。でも、こうして写真で見るとなかなか大変そうに見えてしまいますかね。

うれしい感想ありがとうございます。
我が家のキッチンと言うと、3歳の頃から私はずっと団地暮らしでしたので、リビングやダイニングが小さな田の字で仕切られた正方形の中にある暮らしでした。
日中は母も父のことの仕事を手伝っておりましたので夕方までは両親が留守にしていたので、思い出すのはいつも母が戻って賑やかになる夕暮れで、部屋のどこからでも見えるキッチンは私にとって母がいる安心する場所でした。
土曜日は学校が早く終わるので、弟と3人でケチャップ味の強いナポリタンを食べていたのをよく思い出します。
ご飯は毎日食べるものですので、毎日いろんなことを記憶しますよね。
良い思い出をこれからたくさん作って、お子さんたちの、そしてFさんご家族みなさんの心のよりどころになっていってもらえるとうれしいです。

オーク材のダウンライトカバー

実はFさん少し目を悪くされていて、私たちが目にする光量だとまぶしく感じてしまうのです。キッチン吊戸棚の下に照明をつけたのは明るくなって良かったのですが、ちょうど視界に光源が飛び込んできて、まぶしく感じてしまう、ということで作ったものがこちらです。

オークのダウンライトカバー

照明の分かりを囲うようなカバーをナラの無垢材を削り出して作りました。このカバーがついたことでまた個性的なキッチンの表情になったのです。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ柾目突板練り付け
本体外側 ナラ柾目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のキッチン

価格:850,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)

ナラ柾目の吊戸棚

価格:280,000円(制作費・塗装費)

ナラ柾目の食器棚

価格:510,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は170,000円から)

光が射し込む

2018.02.17

先日内覧会に同席させて頂いたNさんが私たちの家具を見てみたい、ということで今日いらしてくださいます。
うちはアイがゴロゴロするので、カーペットがすぐに毛だらけになっちゃう。
まずは掃除から。

ここ最近、家についてよく考える機会があって、皆さんの暮らしをいつも一緒に考えているつもりではいたのですが、実際に家具を家に迎えること、新しい家に住むことってとても大変だけれどとても素晴らしいことなんだってあらためて気づかされる機会でした。
少し早く帰れる日は、小学校3年生のチアキ(次女です。)がいろいろと話してくれます。とりとめのない話だけれどもいっぱい話したいことがあるっていいね。
お姉ちゃんは中学校に入ってしまうとすっかり大人びて、言葉は少なくなってしまったように思えますが、相変わらず素直な笑顔をしています。
こういう時間が心地良いんだなって、あらためて思うのです。
日は昇り、また沈む。

そういう過ごし方ができるよう私たちはお手伝いするのだってあらためて気づかされました。

今日はきっとチビッ子も来るだろうから、おもちゃの場所をきれいにしておかないと。
まずは掃除から。

コーリアンと米松のキッチン

2018.02.17

いろいろ悩んで悩んでようやくここまで進んできたTさんの米松のキッチン。
「懐かしい感じ」ってなかなか表現が難しいところですが、人の思いってそういう茫漠とした気持ちの海の中にある、音や感触や匂いとか、そういう感覚から辿っていくこともあるのです。
言葉じゃ表現しづらいし、私は相変わらず言葉が少ないし。
うまく表現できていると良いなと思うのですが、やはりドキドキしますよ。
私も今回製作を担当したカナイ君も。

春のマーケットのお知らせ

2018.02.16

家具やキッチンの製作の合間を縫って、小物の製作も進んでいます。
春のマーケットのお知らせです。
4/29(日)新宿リビングデザインセンターOZONEで開かれるOZONE CRAFT WEEK 2018に参加します。
青空個展てづくり市
普段お勉強に見に行く場所でマーケットに参加できることはうれしいです。
皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

ナラ材と真鍮とステンレスとガラスがある食器棚

2018.02.12

20180212002少しずつ寒さが和らいできました今日は、府中のOさんのところまでカイ君と二人で食器棚を届けてまいりました。
昨年の6月下旬に最初のご相談を頂いてから、いろいろと自分の暮らし方を見つめ続けてこの形になりました。
ナラ材の温かな色にガラスの引き締まった印象。ステンレスのグラスハンガーとかなぐやさんオリジナルの真鍮とって。
「わぁ、この感じ。キッチンの印象がこんなに変わるのですね!今からどんなふうにしまおうか楽しみです。」
と言いながら、さらりと扉をなでるOさん。
その使っている様子を見せてくださいね。
ということで日曜日に写真を撮らせて頂くためにあらためてお伺い致します。

では、またあとで。

バレンタインデー

2018.02.11

_DSC0213
我が家は今日がバレンタインデーでした。
おとうさんのリクエストは、「Topsのチョコレートケーキ。」
娘2人にナッツアレルギーがあるので、作ることにしました。
長女が頑張ってくれて、私は片付け専門でしたが(笑)、初めてのレシピにしては上手にできたと思います。
クルミが入っていなくても、おとうさんにも「おいしい。」って言ってもらえてよかったね。

ナラの節アリ材と白いツヤのない化粧板を生かしたキッチンとバックボード

2018.02.09

201802090052018020900420180209006本日レンジフードが現場に納品されるということで、午後からその取付に入らせて頂きました。Tさんのキッチンの作業はこれで完了。
あとは、設備屋さんや電気屋さんが配管してくれたらキッチンが動き出します。
独特の素材の使い方で今までにないさりげない形になりました。
この形を考えたTさんもステキだし、その形をまとめ上げた私もステキだし(ははっ)、その形を作り上げたコバヤシ君もステキだし、最後に命を吹き込む設備屋さんも電気屋さんもステキ。
みんなの協力があって一つのかたちができあがっていくのです。
あとは、Tさんがどのように暮らしていくのかが楽しみです。
また、お引き渡しの後ですね、次回お会いできるのは。

タモ柾とアイアンのラウンドテーブル

2018.02.09

20180209002タモ柾を使った直径1200mmの「静のテーブル」が完成しました。
昨年、大阪からはるばるクレミルにいらしてくださったIさんのところへ運ばれる予定です。
「クレミルが開かれるタイミングでぜひテーブルを見に行きます。」と12月の初めにいらしてくださって、木工のワークショップにも参加くださって。
「やっぱり実物が見られてよかったです。依頼したい気持ちが固まりました!」そうおっしゃってくださったのでした。
それから、2か月が経ちましたね。
ようやくお渡しできる時が来ました。
ありがとうございました。

寒川町のWebsiteに掲載していただいています。

2018.02.08

写真は倉見駅から見た夕暮れの富士山です。

昨年末に寒川町の広報課の方々に私達のことを取材していただいていたのです。
こんなにすてきなページになっていてとてもうれしいです。
この町で皆様のキッチン・家具・木製雑貨を作らせていただいております。
ぜひ皆様もご覧になってみてくださいね。
そして、「こういう町なら、家具の打ち合わせの後にちょっと寄っていこうか。」と足を延ばしていただく機会ができればうれしいです。

特集ページはこちら、寒川町移住定住ポータルサイト
この中の「まちのひと」の特集ページ、「注文家具屋フリーハンドイマイ 今井さん」に掲載していただいてます。
MOVIEはこちらから、 高座のこころ。高座郡さむかわ

よろしくお願いいたします。

クルミとステンレスバイブレーションのキッチン

2018.02.07

「今日はMさんがキッチンの様子を見に来るからね。」とみんなに伝えておいたのです。
仕事を終えて急いで駆けつけてくださったMさん。
「いやあ、やっぱり見に来てよかったです。うれしいなあ。」
「妻はね、その場で見たいっていうので写真も要らないっていうのですが、私はこういう性分なので現場に入る前に見ておきたかったのです。」

よく見ると、シンク側のキッチンとコンロ側のキッチンの距離のワークスペースも図面通りに並んでいる。
2台のキッチンの端もきちんと揃っている。
へぇ、みんなには何も言わなかったのにね。
こういうのがうれしいわけです。
家具を作れることは素晴らしいことです。
その家具を使ってもらえることはとてもうれしいこと。その使う人の立場になって物ごとを考えられることはとてもありがたいことです。

「こうしてここまで家が出来上がってくると、ああここは良いな、とか、ここはこうしておけばよかったな、とかいろいろ思えるのです。だから、毎日現場に見にいっちゃう。細かいディテールが出来上がっていくのを見ることが何より自分が楽しいし、大きくなっていく子供たちにも、家はみんなでこうして出来上がっていくんだっていう過程を見せたいし。」
「いいですね、ステンレスとクルミの印象。」
と、Mさん目をキラキラさせておっしゃいます。
「ありがとうございました。取付の時を楽しみにしていますね。」
嬉しそうに帰られる姿を見て、私たちもうれしいわけです。

さて、午後からもうお二方家具の相談にいらっしゃいます。
みんなが持っているドラマを聞かせて頂きます。

ナラの玄関収納とキッチンバックボード

2018.02.05

20180205001緊張感のある月が始まりました。
並行してキッチン製作を進めている5つの現場が今月ひと段落する予定。
まずは、稲城のTさんの物語がいよいよ山場にさしかかります。

一陽来復の御守

2018.02.03

今日は節分ですね。
豆まきもそうですが、私は早稲田の穴八幡宮で冬至から節分の日まで頒布されている一陽来復御守が思い浮かびます。
岩手で大工をしていた祖父が新宿の早稲田に越してきてから、この御守の頒布を受けてきたそうです。
私が家具屋に嫁ぐと知った時に祖父は、「アキコの所にもこの御守を持つように。」と母経由で渡されたのをきっかけに、この御守の意味を知り、受けるようになりました。そして、フリーハンドイマイでもこの御守を受けていたことを知ったのです。金銀融通・商売繁盛で有名な御守なので、珍しいことではないのかもしれませんが。
何よりも、祖父が私を気遣ってくれたこと、そして、同じ御守のご利益を信じているご縁があることが、うれしくて、より心強いのです。

木のスツール

2018.02.02

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キッチンや食器棚の納品が続いていますが、他の家具の製作も進んでいますよ。
Yさんのナラ材のスツールです。