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2020.12.05

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン
クルミとコーリアン「ラバロック」を使ったとても静かな印象のキッチンを作らせて頂いたOさんの記事を掲載しました。
もし、お時間ございましたらご覧いただけたらうれしいです。

静かな午後

2020.12.05

「クルミ材とコーリアンのオーダーキッチン」

蕨 O様

design:Oさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:yasukazu kanai

「日課のようにウェブサイトを見ています。」とおっしゃってくださったOさんがご新居を建てるのは埼玉県の蕨市。
ちょっと遠いかもとOさんが心配していらっしゃいましたが、どうにかお伺いできますよ。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

玄関から入ると見えてくる印象。今回はバックセットは工務店さんの方で製作して頂いているのですが、グレーのEP塗装仕上げということでお互いがばらつくことなくとてもまとまった印象になりました。2台とも天板をコーリアンに揃えているので、よりまとまった印象になったのかもしれません。

オーダーキッチンにしてもオーダー家具にしても埼玉県でしたらまだ対応できるのですが、私たちが家具をお届けできる範囲はやはり車で2~3時間くらいの距離までと考えているのです。
キッチンも家具も道具ですからね。ずっと使っていればいつかはくたびれます。そうなった時に作り手が伺えることが大切だと思うのです。そうしないとずっと使えるキッチンや家具も使えなくなってしまいますから。
まずはOさんにそのようにご説明させて頂きまして、Oさんのイメージを考えていきます。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

シンクはデッキ(水栓部分が一段下がった状態)付きでさらに洗剤ポケットが付いたタイプ。コーリアンなどの石材でワークトップを作ってステンレスシンクにするとおのずとデッキ付きの形状になるのです。また今回のOさんの希望として、コーリアンの開口部とシンクのサイズをピッタリにしています。

最初にイメージしていた形は2700ミリのペニンシュラキッチンと同じくらいの大きさのバックカウンターでした。
素材はこの時からぶれることなく、ラバロックとクルミという組み合わせでしたので、なかなかコストが大きくなってしまったのでした。
ちなみにこのコーリアンのラバロックとクルミの組み合わせは、「豊かな色」「おとうさんなのです」の2つの制作例で使っている組み合わせなのですが、この印象をとても気に入ってくださる方が多いのです。
ただ、クルミのこの少しくすんだ茶色というか黄褐色は無垢材でないとなかなか出てこなくて、突板だともう少し赤みが強くて明るくきれいな木目になってしまうことが多いのです。
ですので、そうなると無垢材をメインに使って作ることになるのでやはりコストが高くなってきます。
さらにコーリアンでワークトップを作るとシンクを別に作ることになるのですが、皆さん洗剤ポケットの付いたシンクを希望されることが多いので、そうなるとタカハシさんに作って頂くことになるので、コストが少しずつ上がっていくのです。
まずはそのような形でご提案させて頂きました。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

シンクの下はいつものようにオープンにしてゴミ箱が置けるようにしています。またコーリアンとキャビネットの間は10ミリほどの目地を取って浮いた印象になるようにしています。それに伴って一番下の巾木も少し内側に入れて、またフレキシブルボードを使うことで印象を薄くして、さらに浮いたような印象に見せています。


コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

コンセントはJIMBOのNKシリーズのソフトグレー。食洗機はパナソニックのM8シリーズ。今回は天板の下に目地があるので、食洗機の上部に板を入れた納まりになっています。

そして、Oさんからのお返事は、やはり、「コストが大きく予算を上回っております。」ということですが、「どうにか導入できるように検討してみます。」ということでした。
そうですよね、この素材を使って食洗機にミーレを導入するとなるとかなり高額になってきますものね。
まずはOさんからあらためてご連絡頂けるかどうかをお待ちすることに。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

引き出しの様子。


コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

引き出しの様子。


コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

引き出しの様子。


コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

引き出しの様子。

いつも私は皆さんにお伝えしたお見積は1ヶ月くらいの間で皆さんにご判断頂いていて、それ以降にお返事がない場合は書類を処分してしまうことが多いのです。
そうしないと、頭がいろいろとこんがらがってしまって、頭を掻きむしりながら書類を探すばかりの時間が掛かってしまったりしていけませんので。
でも、自分が家を建てた時に思ったのですが、家具を考える時って何となく日々過ごしながらぽつんと思いつくことが良いきっかけになったりするもので、1ヶ月だと早いかなあと思ったりするのですが、いろいろ皆さんにご迷惑がかかるかもしれないし、と思うとやはりこの期限をひとつの目安としてやっているのです。
それから、約2か月ちょっと経った頃でした。
そのOさんからもお返事がないものだからきっと別のメーカーさんのキッチンを採用されることにしたのだろうなあとてっきりそう思って書類を処分しようと思っていたところに、Oさんからご連絡を頂いたのでした。

「お世話になっております。
前回ご連絡させていただいてから、だいぶお日にちが経ってしまいました。
あの後もずっとイマイさんのキッチンが忘れられず、イマイさんのホームページを眺める日々でした。
しかし予算も厳しく、建築士さんとも色々話し合いをし、システムキッチンでの提案も受けました。
ただ最後にもう一度、プランをもっとシンプルにした場合、可能性は無いのだろうか思いご連絡させていただきました。
お忙しい中、大変恐縮なのですが、お送りしたプラン内容で、再度お見積もりをしていただく事は出来ないでしょうか?
参考にキッチンのプランの図面も添付致します。
無理なお願いとは思いますが、どうかよろしくお願い致します。」

そうでしたか、うれしいお便りです。
その後、設計士さんからもご連絡をいただき、新しいプランが送られてきました。
設計士さんとOさんとで最善に向かうようにいろいろと悩んだ様子がよく分かるプランでした。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

吊戸棚も扉材にクルミの無垢材を使っています。木目の表情を良く見せたいということで、板の間に目地が入らないよう1枚の上に向かって開く大きな扉になっているシンプルな形です。

今度はI型のペニンシュラキッチンではなく、2列型のレイアウトで、メインとなるシンク側のキッチンのクルミの印象をしっかりと見せる部分を私たちが担当して、背面の奥まって見えるガスコンロの入るバックセット部分は工務店さんの方で準備して頂く、という形でした。
そしてそのバックセットの上に作る吊戸棚もシンボリックに見えるようにクルミで整えるという形です。
うれしいです、そこまで思って頂けるなんて。

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

バックセットは天板はコーリアン「ラバロック」で揃えて、下のキャビネットは工務店さんが作ってくれたシンプルな扉収納になっています。仕上げはグレーのEP塗装でとても落ち着いた印象でクルミと相性よく納まっています。

今度はどうにか建築全体の予算の中にあてはめられそうです。
そこで、今度の打合せは設計士さんのアトリエで行うことになりました。
今回の設計事務所さんは、オノデザインさん。
アトリエ兼ご自宅にお邪魔させて頂くと、ウェブサイトの印象がそのままのとても静かな心地よい場所でした。
全体的に見渡すとどこか外国の裏通りに入ったところに建つこじんまりした家という印象なのですが、細部を見ていくと和風な納まりがそこかしこに見えて、懐かしいのでした。
そうか、こういう印象にキッチンは置かれるのか、とうれしくなったのです。
いろいろとお話をさせて頂きまして、シンク側のキッチン、吊戸棚のほかに、バックセットの天板も同じコーリアンで私たちが用意することができそうなので、より全体の印象がまとまりそうなのでした。

私たちのキッチンの設置工事のタイミングはいつもは大工さんの木工事が終わる前後に行なわせて頂くことが多いです。
そのタイミングで設置できれば、その後のクロス屋さんだったり、左官屋さんだったり、タイル屋さんだったりと各職人さんの作業がスムーズに進みますので。
そうなるとご新居の上等後まもなく制作に取り掛かる必要があります。

そこで、Oさんの時も上等後少しした頃(捨て張りの床が張られて仕上げのフローリングが敷かれている頃)に現場に伺わせて頂いて、オノさんと工務店さんとで打ち合わせをさせて頂きまして設置工事に向けての段取りと打ち合わせを行ないました。
この時に、お客様もタイミングが合えば来られる方も多いのですが、だいたい平日になることが多いので、設計士さんと現場監督さんとでのみ打合せすることが多いです。

で、何を話すかというと、今回の場合は、バックセットの上の壁がタイルになるので、吊戸棚をつける際はタイルの厚み分を逃がした状態で壁に取り付けたほうが良いかどうか、シンク側のキッチンの方では、今回の食洗機はミーレではなく、パナソニックに変わったので、給排水工事はオーソドックスな納まりなのですが、現場によっては海外製の食洗機の配管が難しいという風に考えていらっしゃる工務店さんもおられるので、そのあたりも細かく打合せしていきます。
でも、今回のように設計事務所さんが入っている場合は、その工務店さんも柔軟に対応してくださるところが多いので安心です。
今回の建築を担当されている内田産業さんも稲城の内田雄介さん設計の現場で良いお会いしていましたし、とても仕事がしやすかったのです。

先ほどの海外製の食洗機のことですが、国産のものは施工する側にも細かい部分が配慮されていて設置しやすいのですが、海外製の考え方も良くできています。
給水、排水が目視できるように、食洗機の隣のスペースまで給排水のホースを引き込むようになっているのです。水の元栓を閉めたい時や万が一漏水が起きている場合などはよく分かるのです。
特に私たちのキッチンの場合はシンク下をオープンにすることが多いのでとてもメンテナンスしやすくて助かります。
一般的な国産のものは食洗器の下で給排水をつなぐので、それしか見ていないと海外製のものは勝手が違うからできないっていう設備屋さんもいらっしゃったりするのです。
そのあたりの給排水の位置の確認と、さらに今回はコーリアンとレベルを合わせて木製のカウンターを大工さんがつけて頂く納まりでしたので、その取り合いをどのようにするかなどを打合せしまして、いよいよ製作が始まります。

クルミの無垢材の印象は、やはり「豊かな色」のようにバラつきを出したレイアウトで木取りをして、コーリアンも少し浮いた印象に見えるように作ります。
また、コーリアンですが、この幅サイズになると原板のサイズを超えるのです。そこでシームレスにつないで作ってもらうのですが、今回のように石目が入ると多少柄がずれますのでご理解ください、と加工所さんから言われるのですが、まず気にならないで、大変美しい納まりになりました。
そして、今回は先にバックセット側のコーリアンを現場に搬入設置して、あとからシンク側と吊戸棚を持って伺わせて頂き、無事にすべての設置が完了。

「おはようございます。お世話になっております。
ご連絡ありがとうございます。
実はインスタで拝見させていただき、木目とラバロックの感じがとっても素敵で、ついに!と思い感激しました。
そして楽しみに週末に現場に行ったのですが、まだキッチンも壁収納もカバーが掛かっており、水栓等の設備も付いていなかったので、もしかしたらまだ完成ではないのかな?と思っていて、完成したのを確認したら連絡を差し上げようと思っていました。
まだ器具が届いていなかったのですね。
完成した姿を見るのがとてもとても楽しみです!」

コーリアンラバロックとクルミのアイランドキッチン

庭から差し込む午後の光。静けさ。

そこから現場は左官、タイル、クロス、給排水の接続(それから今回は機器の接続も)といった仕上げ工事が行なわれて、約1か月半後に無事にお引渡しとなり、その後お挨拶に伺わせて頂きました。
「こんにちは、ご無沙汰しております。」
写真には写っていないのですが、玄関からこのキッチンがあるリビングに入っていくと突きあたりにある木サッシ越しの庭からの光がふんわりとキッチンに当たっていて、うん、オノさんのところで感じた静かな午後の印象です。(オノさんの時は午前でしたが)
優しいとても良い空間だなあと。
お茶を頂きながら、キッチンの使い勝手とお手入れの方法をお伝えしていき、丁寧に使ってくださっている様子を見て安心して帰ってきたのでした。

「昨日はありがとうございました。
あんなに広くて素敵なキッチン、立つたびにテンションが上がって嬉しくなります。
特にお休みの日は料理をするのが楽しみです。
あのように素敵なキッチンを作っていただき、本当にありがとうございます。
イマイさんにお願いすることが出来て、本当によかったなぁと思います。
引き出しの写真は整理しておけばよかったとても後悔していますが(笑)、ブログの写真もとっても素敵に撮れていてうれしいです。
次回いらっしゃる時には、引き出しも使いやすいように整理されていると思います。
こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願い致します。」

Oさん、ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 コーリアン「ラバロック」ステンレスオリジナルシンク
扉・前板 クルミ板目無垢材
本体外側 クルミ板目
本体内側 ポリエステル化粧板
塗装 オイル塗装仕上げ

クルミとコーリアンのシンク側カウンター

価格:1,000,000円(制作費・塗装費、設備機器費用は別)

クルミの吊戸棚

価格:230,000円(制作費・塗装費は別)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は100,000円から)

新顔

2020.12.04

「もう1ヶ月早くに届いていたらもっとうれしかったなあ。」とノガミ君がちょっと嘆くほど、きれいに仕上がりに皆ほぅほぅほぅとうなずきます。
私が入社してから5年後くらいから使っていた自動鉋はその時すでに中古だったから、何年使われていたのかな。
「いつか入れ替えてほしいのです。」と、ずっとみんなに言われ続けておりました。
何しろ調整してもすぐにへそを曲げてしまってなかなか作業がはかどらないこともあったものですから。
ようやく良いタイミングがやってきました。
やっぱりどんなものでも新しい機械が来るとワクワクするのは男子だからでしょうか。

無事塗装が終わりました

2020.12.04

「無事に塗装が終わりました。」とIさんからの報告メールが入りました。
良いです、良いですね、この印象。
今週の月曜日に塗装の方法をお伝えしに行っていたのです。
その時は現場作業も最後の仕上げということで、皆さん慌ただしくされていたので、写真も撮れなかったのですが、ご主人と奥様お二人で、丁寧に養生して作業をされていたのですね。
「意外と早く塗れるね。」とお二人つぶやきながら手際よく行なっていましたので、やはり仕上がりはきれいですね。
今回はオスモのノーマルクリアで仕上げていましたが、このオイルはワックスが程度に入っていて粘度が高いため、なかなか薄く伸ばしにくいのです。
それでもお二人手際が良かったので、お好きなのですね、きっと、もの作りが。

来週にもう一度塗装後に施工する予定のコーキングがあるので、伺わせて頂く予定です。
その時にあらためてキッチンの様子を拝見できるので、楽しみなのです。

心地よさがひとめで分かりました。

2020.12.04

「ナラ節アリ材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

逗子 K様

design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:yasukazu kanai

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

ぎゅっと空間が狭くなる部分。狭いって感じるほどではなく、心地よく壁が感じられる部分。キッチンとアイランドカウンターの距離感も良いですので、奥様とご主人が二人で動作する様子も窮屈に感じることはなく見ていて手際よいのです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

リビングから見たところ。キッチンの奥に見えるのが前日となるフリースペースと玄関扉。ワクワクさせてくれる空間というのでしょうかね。

逗子には時々来る機会があります。
そのたびに思うのですが、道が入り組んでいるものですから車ですとなかなか便が悪いところもありますが、暮らすにはとても心地良さそうだな、とそう思えるのです。
以前には駅前のカフェのカウンターやチェアとテーブルをひと揃え作らせて頂いたこともありましたし、海沿いの静かな集合住宅や戸建てに住む方々に、海を一望できる山の上住む方々に食器棚やキッチンを作らせて頂いたこともあり、何となく親しみがあるのです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

シンクの様子。今回はシンク下はオープンではなく引き出しになっているのです。また、天板はステンレスバイブレーション仕上げで、表面材はナラの節がある材を使って仕上げています。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。ここはシンク下の引き出し。長いステンレスハンドルをタオル掛けにしています。基本的にハンドルですので、それほど出っ張った感じがない。洗い物をしていても当たりが優しいのですが、出っ張りがない分タオルが木に触れやすいので、タオルがとても湿っていると木が傷んだり、黒ずんだりするかもしれませんので少し気を使うところでもあります。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

シンク下の引き出し。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

引き出しの様子。今回は食洗機がないので、引き出し式の収納がたくさん。

その逗子の海のそばに建つ古い集合住宅。
そこがKさんが暮らすことを決めた場所でした。
何度か前を通っていたことがあるのですが、ずいぶんと趣のある佇まい。
あとでKさんに聞いたら、建ってから45年ほど経つそうで。なるほど雰囲気があります。
オートロックもなくて周りに馴染んだ様子や低層で広い階段が取られた動線やお年寄りも若い家族もみんな混ざって賑やかに暮らしている様子など。
良い感じです。
これからの暮らしは、もちろん新しい一戸建てや集合住宅も素敵ですが、古い建物と環境をうまく活用して静かだけれど温かく賑やかな空気のある場所に住む、という考えがもっと広く当たり前のことになっていくのではないかと思っているのです。
住む場所に手を加えならが暮らしていくことが大きな価値があることだと感じられる日がもっと身近になると思うのです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

ガスコンロはノーリツ(ハーマン)のプラスドゥ。我が家もこのコンロを使っております。全面五徳が好きなのです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

コンロの下はワイヤーシェルフ。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

調味料用の引き出し。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

調味料用の引き出し(ボトル用。)

今あるものをより良いものにしていくことって大変なんです。
それは家具の修理の相談を頂くたびにそう思います。
新しいものを作るほうが早くて簡単に取り組めるって思えることが何度もあります。
古いものをきちんと活用できるようにするには、取り組む前にその様子を見て、対策を考えて、そして初めて取り掛かることができる。大変なのです。
でもそうしてよみがえらせたものが新しくできあがるものよりもその人にとってだけではなく、だれから見ても目に見えて大きな価値があったり、より実用性が増すものと判断できるものになれば、物事の考え方は変わっていきます。

それは特別大きなことでなくても良いのです。
さいわいなことに最近はキャンプだったり、DIYだったりと自分自身で何かを作ることが以前に比べて身近になっている時代だと思われます。
自分でできることを自分で行なうことで、ものを作ること、ものを使うことの大切さがより身近になっていると思うのです。
人って自分に関わっているモノやコトに大きく気持ちが傾いていくので、自分たちで手を加えたものが増えていけば、新しく作ったものを手に入れる喜びよりも、大きな思いが重なっていくのではないかと思うのです。
私たちもそういう考え方を持ちながらこの先のものづくりを考えていきたいと思うのですが、まだまだ勉強不足な点ばかり。
もっと頑張ってゆかないといけないなあと思う日々でございます。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

アイランドカウンター。天板のコンセントはJIMBOのNKシリーズのソフトブラックカラー。

さて、Kさんからご依頼頂いたのは、壁付けのキッチンと食器棚として使うアイランドカウンター。
ちょうど部屋の中心の、玄関入ってすぐの広い前室のようなフリースペースから歩いていくとぎゅっと狭めた場所がキッチンになっているという空間の緩急が感じられる間取りなのですが、まずはその玄関が心地よいのです。古い鉄扉を開けると細長く土間が打たれた玄関があり、その前日というのか広いフリースペースに小さなお子さん用のティピーが置かれている。
この自由だけれど家族がつながる空間がとても心地よく映ったのでした。
そこからリビングに抜けていく途中にキッチンがあるのですが、ここで急に空間が狭くなる。
そして、リビングに抜けるとまた広くなる。
何というか玄関で温めた空気がキッチンあたりで圧縮されて、リビングでボワンとこんもりした暖かな空気に変わるような印象。
不思議な空間です。
そして、そのキッチンは壁付けのキッチンと収納になっているアイランドカウンターで二列になっているのですが、このぎゅっと圧縮されたスペースに二列の家具たちが置かれていても「狭い」という感覚はなくて、ちょうど良い広さになっているのが不思議なところで、このこじんまりした印象がとても心地よいのでした。
こういうところは設計の妙ですね。
素直に気持ちが良いなあ、と思えるのでした。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

アイランドカウンターの左側には家電収納にしています。この位置はシンクからは離れていてガスコンロからは近い位置になります。今回Kさんはこのようなレイアウトにしましたが、このあたりの家事動線はいつもみなさん悩むところ。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

炊飯器用のスライドテーブル。私たちが作るスライドテーブルは結構分厚いです。「もっと薄くできますか。」と言われることもあるのですが、横のレールが見えちゃって、少し野暮ったくなっちゃうので、なるべく閉めた時にレールが見えないような作りしています。昔は特にソフトクローズレールではなく、通常の側付けのベアリングレールを使っていたので、そのレールがむき出しになっていると、お水が掛かったりして錆びちゃうこともあったりしたので、今はもっぱらこのデザインです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

その下は深めの引き出し。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

炊飯器収納部の右隣はレンジ収納。このスペースに置いたままでもオーブンが使えるような寸法で設計するので、レンジが置かれるのはけっこう下の方になるのです。ここも良くみなさん悩むのです。カウンターに乗っているほうが使いやすいですし、海外などの場合はレンジの位置はさらにもっと高い位置にあったりする。今回はアイランドカウンターなので、家電の背中が通路から見えてしまうのが残念ということもあり、なるべく収納する形にしたのです。 そしてその右隣がゴミ箱。アイランドカウンターにする場合はこのようにゴミ箱を隠せるのが良いところです。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

レンジ下の引き出しの様子。キッチンの引き出しは調理用がメインでしたが、こちらは食事用の食器などがメイン。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

ゴミ箱上の引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

ダイニングテーブルに近い食器棚となっている部分の引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

食器棚の引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

食器棚の引き出しの様子。

ナラ節アリ材とステンレスを使った壁付けオーダーキッチンとアイランド食器棚

食器棚の引き出しの様子。

でも、私が最初にお伺いしたのは、まだ工事着工まもなく解体後の室内がスケルトンになった状態の頃。
ここがこういう気持ち良い場所になるなんて思えていないで、ただバルコニーから見える緑が心地良い場所なのだなということが分かるだけの頃でした。
設計は鎌倉のエンジョイワークスさん。
お二人の設計士さんが現地での打ち合わせ時にいらしてくださって、たしかお二人とも同じお名前だったことがとても印象に残っているばかりで、その時は空間の魅力までは計り知ることができなくてすみません・・。
新たに息が吹き込まれた場所が気持ちの良い場所になったというのは本当に大きな魅力です。
かえって真新しいのではなく、サッシが古かったり、天井の納まりが昔の構造だったりすることがかえって魅力にもつながっていて、リノベーションのほうが価値がある、ということが分かる空間だったのです。

おかげさまでこうしてとても素敵な場所にキッチン納めさせて頂くことができました。
ありがとうございました。

「イマイ様
この度は大変お世話になりました。
逗子のKです。
先日リフォーム完了のお立会いを終え、キッチンが設置されているのを見てきました。
率直にとても感動しました!!
存在感のあるキッチンとカウンターにしてもらい、ありがとうございました。
キッチンが中心にある部屋なので、イマイさんにお願いして本当に良かったです。
これからの生活で使っていきながら、味を出していければと思っています。
また、イマイさんとまたお会いできるのを楽しみにしております。
ありがとうございました。」

そうして、無事にお引き渡しが終わってうれしいお便りを頂きました。
私はなかなか都合が合わなくて、納品の時はスタッフのみんなに任せて、お引渡しの時も立ち会えなくてKさんとお会いすることができなかったのですが、ようやくこの度その場所をその形を見ることができました。

この先は何かあればいつでも声を掛けてくださいね。特に無垢材を多く使った形ですので動きが出てくることもあると思います。
静かに長く続くお付き合いをしてゆけたらと思っております。
ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ節アリ無垢材
本体外側 ナラ節アリ突板
本体内側 ポリエステル化粧板
塗装 オイル塗装仕上げ

ナラ節アリ材とステンレスバイブレーションの壁付けキッチン

価格:950,000円(制作費・塗装費、設備機器費用は別)

ナラ節アリ材のアイランドカウンター

価格:620,000円(制作費・塗装費は別)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は100,000円から)

チェリーと積層合板のベンチ

2020.12.02

20201202004
横浜のハドソン靴店さん。
昨年、ご縁があってワークスペースの什器を作らせて頂いたハドソン靴店さんに今度はベンチを作らせて頂きました。
つないでくれたのはマイズミさん。
姉妹で作る家」からのお付き合いで、魅力的な形を考えてくださいます。
今回のベンチもルーターの堀跡の残る合板と真新しいチェリーの対比が時間の感じさせてくれて、ハドソンさんによく合う、ということでマイズミさんが考えた形が正面に置かれることになりました。
ブラックウォールナットの差し色と、鉄染めナラの足元の表情と小さな形ですが、豊かな表情を見せています。
マイズミさん、ハドソンさん、いろいろ勉強になりました。
ありがとうございました。

シーザーストーンとナラのキッチン

2020.12.02

20201202002
昨日と今日とで設置工事を進めてきたIさんのキッチン。まずは壁付けのコンロ側のキャビネットと塗りつぶしで仕上げた吊戸棚の取付。
今回のカウンターはクォーツストーンのシーザーストーン。コンクリート柄のシートは、ナラの白太の要素や塗りつぶしのカラーなど相まって全体的にハイキーな印象にまとまりました。
アイランドカウンターのバックパネルのナラの印象がこの手前にやってくるので、その存在でどれだけこの空間が引き締まるか、楽しみなのです。
そして、たいへん重たいシーザーストーン。ステンレスシンクが組み込まれてより重くなっちゃったあのカウンターが無事に搬入できるか、不安なのです。

チイのおかず

2020.11.28

先日、小6チイの家庭科の宿題で「料理を一品自分でメニューを考えて作ってみましょう。」というものがありました。
週末に作ることになり、
私「じゃあ、今日の夕ご飯に作る?」と聞くと、
チイ「お母さんが会社に行ってる間に作る。それをお昼にする。」という返事。
かわいくないわ~と思いつつも、お昼作っていかなくていいし、本人がそうしたいっていうのだからいいかしら。多分、私がいる時にやるとやんややんや言われるのが嫌なのだろうなということで(笑)、「じゃあ、火の元には気をつけてやってね。」と伝え出かけたのでした。帰宅して「宿題上手くできた?」と聞くと、
チイ「お母さんの分。」とラップして取っておいてありました。キュンっとして、
私「お母さんの分取っておいてくれたの!」と聞くと、
チイ「ここに感想書いてね。」とプリントを渡されました。
クールだわ~と思いつつも、味は濃い目でしたが美味しくて、
チイ「ニンジンが硬かったの。」
私「そんなことなかったよ。」
チイ「今チンしたからだと思う。」「一番きれいに見えるお皿を選んだつもり。」
私「うん、山本さんのね、すてきすてき。」と。
なんだかうれしくて、家族みんなで共有しなくてはと、ハルとダイスケさんにも残しておいて(一口ずつでしたが…)感想をチイに伝えていました。
野菜の切り方も、お料理としては直す点があるのだと思いますが、私にとってはごちそうなのでした。

おもしろい

2020.11.27

20201127002Kさんからキッチンの相談を頂いた時に、似ているなあって思ったのです。
私の家に。
玄関上がってすぐにキッチンに入れるようになっていて、その奥に冷蔵庫がある。
おもしろいなあってKさんとお話していて。
それで、レイアウトが同じなら自宅も見てもらった方が早くて、自宅のキッチンにご案内して、最初はキッチンを作るだけだったのですけれどね、バックカウンターの懐の広さを考えたり、パントリーがないならそういう収納が必要だと思いますってお話したりして。
家の印象もどこか似通った印象を持っていそうだったので、私たちの素っ気ない表情(と言ってはKさんごめんなさい)というかシンプルな表情を見て頂くほうがイメージが伝わりやすくて、今回はとても不思議な感覚でお話が進んでいったように覚えております。
無事に設置が終わりましたので、あとはKさんが塗装をすれば完了です。
次回、頑張りましょう。

白太を取り入れた表情

2020.11.26

来月早々に納品となるIさんのキッチンの表情。
あえてこのような表情となる材を探すのはなかなか難しいのです。

塗装だ、塗装だ。

2020.11.22

20201122001
20201122002
「キッチンを作ってくれた人ですか。」
可愛らしいお嬢さん2人が迎えてくれました。
先日お引渡が終わったMさんの家です。
今日はお引越し前にキッチンと食器棚と玄関の下足入れを塗装するのです。
けっこう大変ですよ、頑張りましょう。
お嬢さんたちも一緒にヤスリを小さく切ってくれて。ご主人はまず養生。奥様に塗装方法をお伝えして。
2日間かけて塗り上げるとナラは美しい黄褐色になりますので、楽しみです。
今回のMさんのキッチンは作りがとてもシンプルですので、キッチンだけ見ていてもその良さが伝わりにくかったりします。また暮らし始めてMさんがどう使っているかでこの形にしたMさんの思いももっと分かってくるだろうな。
その時が楽しみです。
またお邪魔させて頂きます。
皆さん、頑張ってくださいね。

senbon

2020.11.21

新しいsenbonができあがりました。
端正な顔立ちになりましたね。

今日は年内最後の納品となる予定のIさんの現場にお邪魔してきました。
Iさんご家族と設計のKさんと一緒に納まりの確認です。
今回はコの字のキッチン-今からカウンターをどのようにトラックに載せるか頭を悩ませております-ので、納まりに問題がないかの確認です。
隣で作業されている物静かな大工さんがきれいに作ってくださっているので、問題なく納まりそうです。
次回はクリスマスにトラックに乗ってやってきます。

蛇紋岩

2020.11.21

昨年のお正月くらいから両親と話す機会がある度に「これ使うか?要らないならもう処分しようと思って。」と声をかけられるようになりました。身軽にしておかなくちゃと身辺整理を始めているのです。
見せてもらうと直径30cmくらいある立派な石の花器が二つ。大理石と蛇紋岩のものだそうです。
こういうものが実家にあったんだという驚きと、かっこいいけどどう使えばいいんだろうという戸惑いと。
剣山出してお花を生けるのはお正月くらいだし。
捨てられたら考えられないので「いる。」と言って持ち帰りました、その重さに驚きながら。
使いながら考えてみようということで、玄関に置きフルーツ置き場になりました。(笑)
我が家らしくていい感じ。そして石の美しさ。なんだか宇宙を感じます。
両親の身辺整理のもらい物は切ない気持ちもありますが、こういう機会があること自体がありがたいことなのだと考えるようにしています。
ショールームのキッチンの天板を天然石にしてから石とのご縁が増えました。呼ぶ力があるのでしょうか。

senbonの新しいかたち(本当のかたち)

2020.11.18

ちょうど作り置きしていたsenbonが無くなりつつありまして、家具制作の合間を縫って小物の制作も進めていたのです。
反りを抑える端ばめが取っ手になっているのが特徴のsenbon。その納まりをきちんと見せたいって思っていたので、今回からちょっと印象を変えることにしました。
いつも唐突ですみません。
でも、そういう部分も含めて私たちを好きでいてくれるととてもうれしいです。

再び静かな作業場

2020.11.18

午前中にワタナベ君が鎌倉のKさんの本棚の残作業に出かけて帰ってきた頃に皆バタバタと出掛けて行きました。

昨日私が自動鉋を使った時に「だいぶくたびれたなあ。」と感じたのです。
ノガミ君には以前からさんざん「自動の調子が・・」と言われていたのですが、そうそう木工機械を買い替える機会もなくどうにか調整しながら使っていたのですが、いよいよ昨日感じたくたびれた印象で、そろそろ変えても良いのかなあと思ったわけです。
みんなに言わせれば、もっと早くに思ってほしかったところかもしれませんね・・。
機械屋さんが本日いらっしゃるということで、みんなで午後から出掛けて行きました。
私自身は大掛かりな制作からは遠ざかってしまいましたので、みんなで気に入ったものがあるかどうか見てきておくれ。

というわけで再び静かな作業場。

写真の部材は鉄染めしたナラ材の脚。ベンチの脚になります。

バラの花を頂きました。

2020.11.18

それこそ展示室が華やかになりました。
この社会状況ですから、気軽に展示室を開けることもかなわず予め約束してくださった方々に見て頂く、という形で使っているだけで、どこか淋し気な印象だった展示室ですが、この頃の暖かなかな風と共にバラがやってきました。
気持ちも温かくなりますね。
アイは毛がフサフサしてきました。もうすぐ冬ですね。
相変わらず、どこかに出かけてしまいました。
冬が来る前の暖かな午後です。

Kさんのチェリーのキッチンふたたびみたび

2020.11.18

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またまたKさんのところへ。
細かい頼まれごとがあったので、その品物のお届けと、お手入れの方法をお伝えするために。
こういう使いこんだ表情のキッチン、大好きです。

用事が済んだあとにお茶を頂いていまして、なぜKさんが私たちにキッチンのオーダーをくださることになったのかお話してくださいました。

「幼稚園のママ友だちで集まった時にリフォームのお話になったのです。もともとこの家を建てた工務店さんに依頼する方法もあったのだと思うのですが、その友だちの話を聞いていると、遊びに行く家々のキッチンが寒川の家具屋さんがどうやら作ったらしいよ‥、という話になって。興味もあったし、何度もその家具屋さんが登場するなんてミステリアスでして。
ちょうどその頃から母がここをきちんとリフォームしたい、っていう話は出ていたのです。
それで私もその家具屋さんを調べてみたら、あぁいいなあと思えたのです。
父はやはり建てたところに依頼することが安心、っていう気持ちはあったようですが、私自身、以前に少しキッチンの仕事に携わっていたこともあって工務店さんと相性にどこか疑問を感じていたところもあったので、良いところがあったらと思っていた時にイマイさんを知ってその魅力を感じたのです。」

とてもうれしいお言葉。
たしかに茅ヶ崎では以前に何件も魅力的なみなさんのキッチンを作らせて頂きました。
みんなどこかでつながっているのだなあ。

そういうふうにいろいろなところでのご縁があって今があるのです。
大変ありがたいことです。
Kさん、また何かありましたらいつでもお声掛けください。
これからもよろしくお願い致します。

ナラのペニンシュラキッチンとバックカウンター

2020.11.17

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内田雄介さんのキッチンに憧れて、とNさんからご相談頂いたのは2年前でした。
我孫子からここまで何度も足を運んでくださって、やっと形になりましたね。
ノガミ君、カイ君、ヒロセ君の3人でやはり泊りがけで昨日から取付作業に専念してもらっておりました。
昨日はワタナベ君が作業場に居りましたが、今日は彼もこの社会状況でちょっと遅めの開催の子供の運動会に参加ということで作業場はひっそり。
アイも出掛けたっきり帰ってこないし。
今日はお休みの予定だったアキコが途中からやってきましたが、「静かね。」

何気なく、みんなで一緒になって家具を作ってるのだなあと思ったりするのです。

3人はどうやら順調に作業が進んだようで、お昼を回ってしばらくした頃に、作業が終わったという連絡が入ってきました。
やっぱりホッとするわけです。

表情

2020.11.14

今回のIさんのキッチンの表情。
白太を多く使った木取りでいつもの柔らかい表情のナラよりはもう少し硬質な感じで仕上がる予定です。

記念日

2020.11.13

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本日はNさんのところにクルミのダイニングテーブルと二種類のダイニングチェアの納品でした。
「たいへん大変お待たせしました!」
「いいのですよ、イマイさん。実は今日わたしたちの結婚式記念日なのです。納品のお知らせの候補日にあったので、ぜひ今日にしたくて。」とうれしそうにNさん。
Nさんには最初は湘南T-SITEに展示していた時に見に来てくださったのが最初にお会いした時ですから早10ヶ月経つのですね。お待たせしました。
今回は幕板が緩やかにカーブしたテーブルはヒロセ君、広い背もたれの付いた定番のチェアがカイ君、背もたれが腰の高さにあるチェアがワタナベ君とみんな忙しくなってしまっていたので時間が取れる人が作ろうということで3人それぞれの形でひとつの家具となっています。
天板の面取りの具合も、低い背もたれと脚部の関係もきれいに納まりました。
この二種類の椅子、まったく形が違うように見えて、形は相似しています。脚のスラっとしたラインも同じ、面取りの具合も同じ。後ろ脚がそのまま肩甲骨辺りまで伸びているかどうかという違いですが、やはり印象はだいぶ異なりますがどちらも色っぽい形に仕上がったと思います。
張地は、かじ新さんの「20s TWENTYS HOME LINEN」。張りをお願いしたフジタケさんが「さわり心地の良い生地がありますよ。」と教えてくれたのがこのリネン。
とてもさらっとしてるけれど柔らかいあたりで触っていて気持ち良い。
「ただね、感触はとても良いのですが、良いのですけれどね、その分生地が柔らかいですからね、小さなお子様などがいらっしゃるご家庭では角の部分などをずり刷りしているとどんどん摩耗していくのですね。すり減っちゃうんです。」と学者然としたいつもの実直のお話しぶりを聞かせて頂いて心地よい。
そのようにNさんにお伝えして、あまった張地もお渡ししましたので、次回はコストを抑えて張替えができます。
もし擦り切れちゃったら、次回生地を持参してお知らせくださいね。
ありがとうございました。

ウールのラグに冬支度

2020.11.13

今日は暖かいですが、昨日は冷えましたね。冬本番が近づいているかと思うと構えてしまいますが、個人的には冬が大好きなのでウキウキです。
夏はひんやり気持ちがよかった洗面所のタイルも居心地が悪くなってきましたので綿素材のマットから真木テキスタイルさんのウールのラグに替えました。スリッパを履いてしまえば変わらないのかもしれませんが、裸足でウールのラグの上に立って、「お~、やっぱり冷たくない!」と実感するのが楽しみなのです。
その時にタイルを拭き掃除したら、思っているよりも汚れていて、汚れが目立たないというだけで、汚れていないということではないのだと当たり前のことに気づかされました。お掃除は習慣ということはそういうことなのですね。

瀟洒な本棚

2020.11.12

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書斎の一室に2台の本棚を作らせて頂きました。
設計のヤマトさんとKさんとのお話の中で出てきたのが「本棚と背板のコントラストを美しく見せたい。」ということで、大きな本棚は濃い色に、小さな本棚は明るい色に。どちらもグレーの壁紙で仕上げております。

こうしてできあがるとシンプルでとても美しい形となっていますが、リノベーションでこういう納まりはすごく大変。
背面は長年使いこまれた壁に張られた壁紙ですので、壁自体が新しいわけではないですので、柱は動き壁や少し波打ったようになっています。壁の立ち方も少し歪みがありますので、それに合わせて側板を削り込んで垂直を出していくのです。
小さな本棚は比較的きれいに納まったのですが、大きな本棚はなかなか苦労したのでした。
また今回の形は板と板が重なることないシンプルな形にしたい、ということで組み方がこう見えてかなり複雑。
板状で搬入し、現場ですべて組み上げて背面で固定しないでもしっかりとなるような固定方法を模索して、この形になっています。
組み立てた後に壁に当てては壁の歪みを書き写してまた削っていく、その繰り返し。
結局1日目の作業では壁に固定するところまでは進むことが難しくひたすら削って垂直を出して、2日目でようやく完成。
と思ったら、エアコンのダクト用の穴を開けておくのを忘れちゃった・・、困ったなあ。
ということで、その作業方法を決めましたので次回で全部終わらせる予定です。
頑張ります。