タムキュー

2020.10.14

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先日、山梨のOさんのキッチンの取付に行き、作業が終わった後にカメラに詳しいOさんに教えてもらったレンズ。
「アキコとも最近よく話しているのが、もっと近づいて写真を撮りたい時があるよねって。マクロレンズというのですか、あのレンズを使ってみたくて。」
「ああ、いいですね、マクロ。おもしろいですよ。タムキューなんか使いやすくて良いですよ。」
「タムキュー?」
「タムロンの90ミリの中望遠のマクロレンズです。ボケがとてもふんわりとして柔らかい写真が撮れるのです。それと、90ミリですから、普段使いできますし金額も決して高くないので、とても使いやすいと思いますよ。」
と教えて頂いて、さっそく使ってみたのでした。
写真にとても詳しいわけではないので、何がどう違うかはよく分からないのですが、純粋に楽しい。
自分の目で見えていないところまで存在感が分かるってすごいなあ。

蜜蝋が入っているブリキ缶がこんなに生き生きとしていて。
クリのダイニングチェアの張地は前後が丸張り、左右が角がきちんと出るようにマチを取った張り方。
かなぐやさんに特注で作ってもらったタオル掛けのくすんできた感じ。
フェザーのクッションがグニュってなってる感じ。

良いことも良くないことも、もっとリアルに暮らしの様子を伝えられたら楽しそうだなあ。

Nさんのキッチン:スタッフ カイ君の制作日記

2020.10.14

_dsc5969  ブログ
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_dsc5971 ブログに
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_dsc5979
今回のこのキッチンはステンレスカウンターとその奥につくニッチスペースが一体になった大きなカウンターになっています。
そして、それを木部がぐるりと取り囲むデザインになっています。
その木部ですが、バックパネルが無垢の幅接ぎ板でカウンターも無垢ですので、外面と内面ではどうしても調湿の差で木の動きが大きく出てしまいます。
以前に、その動きが読みくれなくて大きく家具に狂いが出てお客様にご迷惑をおかけしてしまったこともあるので、このあたりの作りは大変緊張します。
そのため、どのように組み立てると良いのか、その順序を何度も考えました。
最終的には、カウンターの天板(40ミリ厚の無垢材)と、その下の大きなバックパネル、そして側面にかぶさっている突板のサイドパネルを一度逆さまで合体させてから、またひっくり返してキッチンの構造部分にはめ込むというような少し大掛かりな方法に行き着きました。
巨大なパーツをお客様のお宅でひっくり返すときには緊張が走りましたが無事に予定通りに組み上げることができて良かったです。
工房と現場では同じ動作でも、少しのニュアンスの違いでうまく進まないこともあったりしますので。

また、もう一つ苦労した点は、大きくC面を取る(角を取る)デザインが随所に用いられている点があります。面取り加工自体は難しいものではないのですが、カウンターの天板とサイドパネルとが交わる部分があって、その接する部分は面を取ってしまっては変に隙間が開いてしますので、面をその場所で切り替え、再び露出する部分で面を細工し直して、と図面では読み取りづらい部分もあって大変作り甲斐のある形になりました。

また、食器棚の天板は奥行を広く取る方が使いやすい、というメリットを生かすために、勝手口のドアと干渉する部分だけを奥行を小さくして、あとは広く採るという変形したデザインになっています。
その変形に合わせて面取り加工も施していますので、とてもエッジのくっきりとした印象に仕上がりました。
そこに(ここも少し苦労しましたが)ダークブラウンの着色塗装(ウレタン塗装で着色する部分とオイル塗装で着色する部分とでの色合わせがなかなかシビアだったのです。)が合わさることでオリジナリティのある家具になりました。