栗の渋皮煮

Category : 日記「自由な手たち」

2017年9月10日

IMG_5850IMG_5844IMG_5846
伯母さんから畑の栗をいただいたので、週末に娘たちと渋皮煮を作りました。
鬼皮を剥きながら、「裏側ふかふかで気持ちいい~。」なんて言いながら、楽しみながら美味しくできました。
製菓材料屋さんで、つい「高いな~。」なんて思ってしまいますが、こうして自分たちで作ってみるとその手間暇から、適正な値段なのだと実感できますね。
娘達にはこういうことがわかる女性になってほしいなと思うのです。
400グラムの生栗を容器いっぱい煮て「これいくらなら売れると思う?」と私、
「うんとね、700円位なら売れるかな?」と長女。
安いな…。まだまだ時間がかかりそうですね(笑)。

ギターチェア

Category : 日記「自由な手たち」

2017年9月6日

今日は、先日いよいよ上棟したというMさんのお母さま(おばあ様)のところへ打ち合わせ。
下北沢を降りて、不思議な迷路のような道をクネクネ歩くと辿り着く。
このご実家に来る道も通いなれました。
次からは現場での打ち合わせかな。
今日でキッチンのプランを決めないと間に合わなくなっちゃいそうで、ほとんど決まっていた形を最終確認です。
で、いろいろ話すうちに初めてお母さまの芯のようなものが伺えました。
「キッチンに立つのがとても楽しみになってきちゃったわ。」って。
やった!
ここに辿り着くまでが難しいのです。
でも見えて良かった、とホッとひと安心。
またおもしろい形になりそうで、今から楽しみです。

夕方、工房に東大和のIさんが再びいらして下さいました。カイ君が作っているスパニッシュギター用のチェア。張地と座高、クッションの具合を打ち合わせにいらして下さいました。
「手が覚えているから楽器も家具もいつまででもできる。」ってすてきな言葉を頂きました。

ウェブサイト更新

Category : 日記「自由な手たち」

2017年9月5日

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納リビングとダイニングを仕切るナラのシンプルなカウンターを作らせて頂いた茅ヶ崎のNさんのお話と、

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチンステンレスとナラ柾目と楽しいおしゃべりで満ち満ちた葉山のTさんのお話と、

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚ナラの豊かな表情に囲まれたダイニングキッチンにすることができた茅ヶ崎のWさんのお話を掲載致しました。

どの方もとても楽しいエピソードです。
よろしければご覧になってくださいね。

節アリナラ材とステンレスバイブレーション仕上げのキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

20170905002今日は、カナイ君とコバヤシ君とカイ君の3人で東静岡までOさんのキッチンの取付に行ってもらいました。なかなか遠い距離ですので、今日一日で全てきっちり終わらせましょう、ということでしっかり3人で行ってもらったのです。
日が暮れてだいぶ経ってからトラックが戻ってくる音が下のほうで響いてきました。
無事帰ってきましたね。
カナイ君が「食器洗浄機の取付に少し時間が掛かってしまいましたが、きれいに無事納まりました。」と報告してくれましたが、一足先にOさんからうれしいお礼のメールが届いておりましたので、安心しておりました。
報告を受けて、撮ってきた写真を見てさらに安心。
みんな、お疲れさまでした。
取付はこれで完了しましたが、Oさんとのお付き合いはこれからです。
家具は納品してからがお付き合いの始まりかもしれません。何かあった時はいつでもお声掛けください。
ちょっと遠いですが、なるべく早く駆けつけますので。
Oさん、ありがとうございました。

今日もね、お昼頃にお電話がありまして、藤沢からTさんご夫婦がキッチンを見に来て下さいました。
お話をお聞きすると建築士さんで、ご自宅を設計しているところだそうで。
必要としてくれる人がいることは大変ありがたいことです。

おとうさんなのです

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

2017年10月25日

「クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」

三島 O様

design:Oさん
planning:Oさん/daisuke imai
producer:yasugkazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami
painting:yasukazu kanai/kouhei kobayashi/iku nogami

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

リビングから見たキッチンの様子。クルミの色のばらつきを出すというこの印象がとても良くまとまっております。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

玄関から見ると、キッチンが見渡せるという大きな一つのスペースになっているのが特徴の間取り。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

バルコニー側から見た様子。

私が知っているOさんって、もっとスマートな印象でした。お施主さんとお話する様子も私に設計のニュアンスを説明する時の様子も曇りなくスムーズに説明してくれる頼もしい人、と言う印象だったのです。
でもね、実は違いましたね。(笑)

天板が浮いているように見せるデザインのキッチン

天板をすこし浮かせるような印象にしたいのです。と言われて、ラバロックは、板そのままの厚みである12mmで見せて、裏打ちする合板をすこし内側に入れることで、浮いた印象にしています。


キッチンのかんざし

浮いている印象はこんな感じ。また、側板と背面の板は角の部分は留めで接合しているのですが、木が動いてしまうことがないように補助的にビスで固定しているのですが、そのビス隠しとして、かんざし風に見せてみました。


洗剤ポケット

シンクは洗剤ポケットをつけています。


水切りプレート

水切りプレートをカウンタートップよりも低い位置に置きたい、と言うことで、今回はプレートを受けるリブをつけたシンクを作りました。

「今度自宅のキッチンをイマイさんにお願いしたいと思っているのです。」
平成建設さんのショールームでお客様との打ち合わせを終えたあとに、設計のOさんがぽつりとそう言ったのです。
「わぁ、それはうれしいです。どんな形になるか楽しみですね、いつもで声をかけてください。」
Oさんは設計の要の人。
今まで平成建設さんのいろいろなお客様の家具やキッチンを作らせて頂きましたが、それぞれの設計担当の皆さんがOさんをお兄さんのように頼っている。
そのような人から「キッチンを作ってほしい。」と言われたら、それはうれしいものです。
どんな形になるのだろう。

ステンレスの家具コンセント

コンセントはステンレスのカバーをつけたJIMBOのNKシリーズのブラック。


シンク下にまな板を置くためのステンレスパイプ

シンクの下には、パイプを渡していて、そこにまな板を置けるようにしました。フックを掛けてぶら下げて使うこともできます。

そういうスタートからしばらくして、原案を見せてもらいました。
以前に作らせて頂いた同じく三島のOさんの時のレイアウトをOさんは気に入っていて、同じようなセパレートの雰囲気でキッチンを考えているということでした。
そして、そののちにこちらまで打ち合わせにいらして頂いたのです。
この時に奥様と一緒に来られて、いろいろと打ち合わせをして、Oさんと同じくチェリーで作る方向でお話が進んでいたのでした。
そして大まかな形が決まって解体も始まった頃、Oさんが悩み始めたのでした。

ASKOのD5556XXLの大きな食器洗浄機

食器洗浄機はASKOのD5556XXLという大型のものを導入。

そうか、設計を専門としている人でも直前で悩んでしまうのだなあ、なんて思っていて、あらためて打ち合わせをしまして、その時にお話に上がったのが、「豊かな色」のGさんのクルミと人工大理石コーリアン「ラバロック」の組み合わせ。少し色があせたような印象に見えるこの組み合わせですが、皆さんからとても良い評判でして、やはりインテリア業界の上の方にいらっしゃるGさんは表現が豊かなのだなあといつも思わされるのでした。
その印象に魅かれたOさん、チェリーからクルミへとキッチンをまとめ直し、追加でお話し頂いていた洗面収納も同じくクルミでまとめて、いよいよ製作開始なのでした。
その前に、現地確認です。

クルミの家電収納部

コンロ側キッチンの右端は家電収納タワーになっています。


格子扉のある吊戸棚とレンジフード幕板

レンジフードもキッチンと一体に見えるように幕板をクルミで作りました。


リンナイMYCHOICEガラストップ

リンナイのドロップインのガラストップタイプ。

三島の楽寿園の近くに立つ趣のあるマンションが現場です。
古い規約があって、工事の時間が限定されていてエレベーターも隔階止まりだったりして、少し工夫して作業する必要がありそうです。
寸法は平成さんですので、いつも通りに私たちの寸法に合わせてくださるということで大変助かります。
特に問題なく進みそうで、廊下から見える富士山が「大丈夫、うまく納まるよ。」って言っているのが聞こえました。

クルミの格子扉

レンジの下は格子扉にしています。そのわけは・・。


炊飯器用スライドテーブル

炊飯器をしまっているので、保温にしている時も熱を逃がしたい、と言うOさんのご要望なのです。


クルミの乾物収納

それに合わせて、こちらの缶、瓶収納部も格子のデザインにして、この部分の最上部の戸棚の扉も格子にしています。

リノベーションですので納期が少しタイトです。でも無垢材を多く使うので材の段取りは早めに進めておきましょう。
コーリアンもシンクもオリジナルなので、すぐにできあがるものではありません。みんな全部きちんと作っているのです。ビバ!もの作り。
ステンレスの高橋さんが作ってくれたシンクをコーリアンの加工場に送ってもらったら、加工屋さんがシンクのサイズに合わせた開口をきちっと出してくれて、きれいに磨いて私たちの工房に送ってくれるのです。
その間に、養生しておいたクルミを製材して、扉やパネルを接いでいきます。
本体はクルミの突板で作って、引き出しは掃除しやすく化粧板で段取りして、徐々にその形が見えてきます。
今回読みにくかったのが、リンナイのドロップインタイプのガラストップのものをOさんが採用したこと。今回このタイプを初めて導入するので、納め方に少々不安があったのです。
また、キッチンに比べて洗面がコンパクトな家具の割に細工が複雑だったりして、ようやく完成した時にはホッとひと安心。製作を担当したコバヤシ君も大きくやり遂げた感のある背中でした。

コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

コンロの下はスライドワイヤーシェルフ。


コンロ下のスライドワイヤーシェルフ

スライドワイヤーシェルフは、引き出せて、そのまま持ち上げると取り外して洗えるので使い勝手が良いのです。


クルミ無垢材のキッチンサイドガード

コンロ側のカウンターの左端には冷蔵庫と接するのですが、冷蔵庫の戸間の隙間に物が落ちちゃうと取りにくい、と言うことで、側板を少し上に立ち上げています。

そうして、設置工事。
作業時間が限られていることもあって、早めに出発したら、時間を間違えて1時間早く着きすぎちゃってせっかく大人数で似たのに待ちぼうけ・・。
みんな、ごめんなさい。
しばらくして監督さんが来て下さって、いよいよ搬入開始。物量が多いので、通行の邪魔にならないようにエントランスに積み上げてはエレベーターで最寄りの階に降ろしては階段で搬入の繰り返し。
どうにか搬入を無事に終えて、ちょっと込み合っている現場でいよいよ作業開始です。
キッチンは時間は掛かりましたが2日間かけて無事に終わって、洗面のほうはいろいろと現場で調整が必要な部分が出てきて、一度パーツを持ち帰って加工することもありましたが、無事に完了。
あとはお引き渡しの後にお引越しを待つばかりですね。

コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

吊戸棚内部の様子。


引き出しにフキンをしまう

コンロ側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その2。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その3。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

コンロ側の引き出しの様子、その4。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その1。


コーリアンラバロックの天板とクルミ無垢材ランダム張り仕上げのキッチン

キッチン側の引き出しの様子、その2。

約半年かけて、プラン作りから納品までが行なわれたOさんの自邸リノベーション。
その間もずっとスマートでやっぱりキッチンと仕事ができる人は格好良いなあと思っていたのですが、お引っ越し後にあらためてお邪魔させて頂いた時は、キリっとした表情と言うよりも優しいお父さん。
そうか、Oさんもお父さんなのだなと思うと、今までの肩の力がふっと抜けるような気がしたのでした。

クルミランダム張り

節があったり、白太を入れたり、きれいにばらつきを出すのは意外に難しかったりするのです。

キッチン仕上
天板 コーリアン「ラバロック」
扉・前板 クルミ板無垢材
本体外側 クルミ板目無垢材/クルミ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

ひとつずつ

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, 食器棚のオーダー

2017年9月5日

「ナラのキッチン間仕切りカウンターのオーダー」

茅ヶ崎 N様

design:Nさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tatsuya suzuki
painting:iku nogami

茅ヶ崎の戸建てに住むNさんから、

「はじめまして、Nと申します。
現在一戸建てに住んでいます。I型キッチンとダイニングの仕切りとして、カウンターを取り付けたいと考えています。
大まかなイメージはあるのですが、ご相談しながら進めたく、どのようなフローで進めれば良いか、教えていただければ助かります。」

というシンプルなメールを頂きました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

ねむそうだね。

私はどちらかというと自分勝手(というと乱暴な言い方ですが)に形を考えることが不得意でして、どちらかと言うと、与えられた条件の中で何ができるかを考えるほうが好きなのです。
やっぱりね、何もない状態からムクムクとあたらしい形を生み出すってものすごく大変なことだと思うのです。
だから家具を考えるためにできるだけいろいろなヒントを頂きたいと思っているのです。
そこで、こうお返事させて頂きました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

シンプルなキッチンが特長的なNさんのこの空間。本当はこの間仕切りができたら、お子さんがキッチンでいたずらしないように、通路の出入り口となる部分に簡易的な扉をつけようかな、とおっしゃっていたのですが、今のところは何もなくてすっきりした印象。子供たちは自分で危ないことを危ないと学んでゆくと思うので、このままの印象でよいかもしれませんね。

「はじめまして、お問い合わせありがとうございます。
間仕切りとなるカウンターのご相談ありがとうございます。
家具の打ち合わせの進め方ですが、可能でしたら、イメージされているカウンターについて簡単なもので構いませんのでスケッチして頂いて、そこにサイズや収納の様子(例えば引き出しにどんなものをしまいたいか、どんな家電を置きたいか、など)を描いて頂いて、それを写真に撮って、(もしくはプリンタでスキャンして)、メールに添付してお送り頂ければ大変助かります。
そのスケッチを元に、こちらで一度図面を作成して、その形で家具を製作した場合にどのくらいの費用が掛かるかを見積もって見まして、そしてその図面と御見積をお送りしたいと思います。
その図面と御見積を元に、イメージに近づくように変更を重ねて、そしてイメージ通りの形になりましたら、設置場所を一度拝見させて頂き、それから製作をスタートする、というような流れになります。
そこで、お手間かも知れませんが、スケッチを描いてお送り頂ければ幸いです。
それが難しい場合は、文章で細かくカウンターの内容についてお書き頂いてお送り頂く形でも大丈夫です。
もしくは、直接私たちのショールームまでいらして頂いて、ここにあるキッチンやそのほかの家具を見ながら打ち合わせすることも可能です。
その場合は、私が空いている日をお伝えしたいと思います。
ご検討下さいますようよろしくお願い致します。」

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

「ハンドルは妻が使いやすいように少し長いものにして頂けますか。」ということで、いつものシンプルなステンレスのハンドルの長めのものを取り付けました。今回面白いのは、この建具が1枚しか入れていないこと。片側半分は常にオープンなスペースとして使うのです。

最近は、皆さんにこのようにお伝えしてスケッチを描いて頂くことを多いのです。
「でも、絵は苦手で・・。」とおっしゃる方も居りますが、いいんです、どんな絵でも。私に気持ちが伝わればそれでうれしいのです。
立体ではなくて真正面から見た簡単な形でも良いですし、小学校の時に描いた絵のように真正面から見ているのに、電気ポットの奥にあるはずの電子レンジがレンジの上に載っちゃっているように見える絵だって全ていいんです。
中には、その絵にパンや珈琲が入っていたり、お鍋がきちんと重ねられていたり、苦手と言いながらも楽しんで描いてくれている様子が伝わってくる絵もたくさんあります。
それを見ながら、ああ、このひとはこういう感じが好きなのだ、きっとこんな感じの家なのかなあ、なんて思い巡らせながら私も形を考えていきます。
それでも、どうしても描くのは苦手で‥。と言う方ももちろん大丈夫です。
ただその場合は、大まかな情報だけで私のほうで形を考えても見当はずれな形になってしまうといけませんので、具体的にこういう木が好きで、こういう色が好きで、こんなふうに使いたくて、こんなものをしまいたくて、と細かく教えて頂いております。
そうして初めて最初の形を考えることができるのです。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

ですので、引戸の溝は1本のみ。またアルミのレールを入れると急にその部分の印象が変わってしまうので、今回は堅木のナラ材ということもあって、そのまま溝を彫りこんでレールの代わりにしています。建具が重くないので、それほどすり減ることはないでしょう。また、常に半分はオープンということもあって、棚板の水平面は掃除しやすいように白い化粧板を使いましたが、見付け(正面)部分は全体の印象を合わせるためにナラ材で仕上げています。

今回のNさんはここからお近くにお住まいということもあって、直接お話しに来て下さることになりました。
「こんにちは、いらっしゃいませ、はじめまして。」
物静かな印象のご主人とおなかが大きな奥様。奥様は小柄なので、よりおなかが大きく見えて大変そう。
お話を聞くともうすぐ下のお子さんが生まれるというこのタイミングで、部屋の模様替えを考えているのだそうです。
その日はいろいろと詳細なお話を聞かせて頂き、こちらで原案を作ってみて頂いた後に、その空間を見せて頂くことになりました。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

カウンタートップは使いやすさを考えて、ステンレスヘアライン仕上げの板を貼っています。でも見付は、棚板同様ナラ材で仕上げています。

「お邪魔します。」
海からほど近く茅ヶ崎美術館からもほど近い比較的ゆったりとした通り沿いに建つNさんのお宅。
搬入は少し考えないといけなさそうでしたが、2階のリビングを拝見させて頂くと大きなワンルームのゆったりした空間。
その中にある半間くらいの大きさのクローゼットがキッチンを圧迫しているようで、これを取り払ってしまって、代わりにそこに入っていたものを間仕切り収納にしまいたいのです、ということでした。
収納のボリュームは小さくなるけれど、自分たちの暮らしに箱のクローゼットの収納量よりもキッチンとリビングダイニングを分ける存在のほうが大切で、その分けるものもそこに在って美しい形にしたいのです。
Nさんとお話をしていると、ご主人がお話しながらも奥様が必要なことをうなずき合ってひとつずつ確認していくその様子。
丁寧に暮らしているんだなあと言う印象を、最初に工房に来て頂いた時もNさんのご自宅で打ち合わせした時も感じたのは言葉を一つずつきちんと選んでお話されて、静かだけれどもしっかりとした、そんな印象を受けたのです。

ありがとうございます、よい形になるように頑張ります。

ステンレスとナラのダイニング間仕切り収納

側面をカウンター面まで下げるかどうか悩んで、傾斜をつけることで圧迫感を無くしました。

できあがった家具は、シンプルだけれどNさんらしい形にきちんとなりました。
テーブルと同じナラ材を使い、ステンレスと白い色がきれいに入り混じったきれい形にまとまったのでした。
すっかりクローゼットが取り払われてより広いひと間になったこの場所にとんと置かれたこの間仕切りはこの家のランドマークのような存在になりました。
後日写真を撮らせて頂きにお邪魔した時は、下のお子さんももう小さなお母さんに優しく抱っこされていて、Nさんの道具たちがきちんとその家具にしまわれている様子を見て、言葉を選ぶようによい暮らしかたを選択しながら前に進んでいることが感じられてとてもうれしくなったのでした。

ナラとステンレスの食器棚

価格:395,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から、取付施工費は24,000円から)

おとうさん

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, 食器棚のオーダー

「ナラ節アリ材の食器棚とカウンター下収納のオーダー」

茅ヶ崎 W様

design:Wさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

ご飯を食べているちびっ子たちからはこんな感じでお父さんとお母さんが映るはず。


節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

手際のよいお父さん。

「イマイ様
Wと申します。カタログの送付ありがとうございました。
妻と楽しみながら読ませていただきました。
木の温かみを感じられるような家にしたいと考えており御社はイメージにぴったりと感じています。
ぜひ一度ショールームにもお伺いさせていただきます。
今度引っ越す戸建ては茅ヶ崎市の東海岸なのですが、住み始めるのは3月末からの予定です。
もし可能でしたら一度内見して色々とアドバイスいただければ幸いです。
まずはショールームへお伺いできる候補日を、明日明後日で送らせていただきます。」

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

こちらが、ご新居引き渡し当初のキッチンの様子。印象がまるで変わりましたね。

なんというか、とても簡潔できちんとしたメールをお送りくださるのはWさん。
どんなかたかな。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚の吊戸棚下のオープン棚の印象。

川崎から茅ヶ崎にご新居を移るということで、そのまだできたてのご新居で打ち合わせすることになりました。
茅ヶ崎の海のすぐ傍の防砂林五指に海岸線が見えるその場所に白い家が建っておりました。そこがWさんの新居です。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

節のあるナラ材は独特の表情。大きく反りが出るとこわいので、今回は、節アリ材の内部に合板を挟んで作る方法を採用しています。

「はじめまして、こんにちは。」
奥様がお仕事の都合で来られないということで、Wさんとお子さんの3人で新しい家に。
チビッ子はもう楽しそうなのですが、これは打ち合わせができるかなあ‥。
やっぱり、最初の探検が終わっちゃうとおなかが空いてくるようで、お父さんは大変。
子供にとっては大人のお話の時間って退屈しちゃうよね。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚のカウンターより下は引き出しと引き戸の収納。引戸の下はレールを使わないスッキリしたタイプのデザインにしています。(写真に写っていなくてすみません・・。)

少しはメールでやり取りしてきていたので、原案となる形はできていたのですが、家具をメインに使う予定の奥様が不在で、ちびっ子がだんだんと賑やかになってくるとだんだんと話を続けるのが難しくなってきて。
あらかじめ食器棚の形はまとまっていたので奥様からの変更の要望のメモを頂いて、あとはダイニングに考えていた収納については「こんなこともできますよ。」と言ういろんなアイデアをお伝えして、ひとつ原案を作ることに。そして、素材の表情についても、Wさんの思いを聞かせて頂き、あとはまたメールでやり取りしましょうということになりました。
もう少し、Wさんのイメージやどんな形が好きなのかをお聞きしたいところでしたが、まずは今日のお話を元に形を考えてみますね。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

引き出しの様子。私たちの取付作業の間に使い勝手を考えてこれほどきれいに片づけちゃうのですから、素晴らしい。

そうして、できあがった新たな原案をメールでお送りして、再びこちらの方に来られる際に立ち寄って頂けることになりました。
今度はご家族全員でいらしてくださって、いろいろとお話させて頂きます。
節のある素材を使うメリットとデメリットについて、同じくオイル塗装のメリットデメリットについてなどなど。
特に海が目の前という立地は、板がどんな動きをするのか分かりづらいのですが、そういったことも含めても荒々しくて他にはない表情が見たいのです、と言うWさんの思いをくみ取って、今回は節アリ材でまとめた家具を作ることになったのです。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

引戸の中の様子。掃除しやすいように中は白い化粧板です。

そうして、この家具たちができあがり、最初の予定のゴールデンウィーク前の納品には間に合わなかったのですが、その連休期間中に納品を間に合わせることができたのでした。
納品当日は朝早くからお邪魔させて頂きました。
ご主人はお子さんを幼稚園の送り迎えがあるということでいらっしゃらず、奥様が立ち会ってくださることに。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚の一番右はゴミ箱スペース。ゴミ箱の上には棚板を1枚入れているのですが、この棚板、ちょっと工夫があります。そう、奥行が狭い棚板なのです。そうしておけば、ごみ箱をちょっと手前に出すだけで、ごみ箱のフタが開けやすいのです。

食器棚とダイニングの収納の設置作業を並行して進めていたのですが、ダイニングはカウンターを延長する作業もあって、なかなか時間が掛かり、先に食器棚の設置が完了。そのタイミングを見計らって、奥様が「ありがとうございます。それでは、もう食器を入れてしまってもよろしいですか。」ということで、テキパキと引越しの荷物の荷解きを始めました。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

こちらがダイニングの収納。木で囲われた空間にしたいのです、と言うご主人の強い要望で実現したこの形。真っ白なキッチンがとても表情豊かな形に生まれ変わりました。

しばらくして、ダイニングの作業も終わりに近づいたお昼頃、ご主人がお子さんたちを連れて戻られて、「おぉ。」とうれしそうな表情のあとは、お子さんたちを手洗いに行かせて、上着を脱ぐとすぐにキッチンに立って、お昼ご飯を作りはじめます。
おぉ、お父さんですねぇ。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

一般的なペニンシュラタイプのキッチンでしたので、対面の収納を作るとどうしても奥行が狭い収納になっちゃう。そこで、カウンターをナラの無垢材で延長することにしたのです。何度か実践しているこのデザイン、好評なのです。

すぐにソースが焦げる良い香りがして、やきそばのできあがり。ちびっ子たちは静かにもぐもぐ食べるのです。
良いですね、すてきな家庭の在りかたですね。
そこで使われる家具がきっとうれしそう。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

ダイニングの収納部の一番左側はちょっとしたアイデア。通信機器をまとめて置いておくスペースがないということで、機器がむき出しになっていたのです。それならしまえるスペースにしましょうということで、ここを機器収納スペースにしました。すぐに近くに冬用に挽いてあるガス栓があって、普段はここはガス暖房器具が置かれるのです。面白いアイデアとなりました。

取付が終わる頃には、お子さんがご飯を食べ終わる頃には、食器棚はおおかた片付いていて、あとはダイニングのほうの片付けだけになりました。
これで連休は引越しの荷解きに追われずに家族みんなで楽しい日になりそうですね。

節のあるナラ材を使った食器棚

価格:690,000円(制作費・塗装費)

節のあるナラ材を使ったダイニング収納

価格:630,000円(制作費・塗装費)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は90,000円から)

ただいま

Category : 日記「自由な手たち」

2017年9月1日

このところ、打ち合わせで工房を留守にすることが多く、工房内の予定はアキコやスタッフのみんなに任せっきりです。
アイも寂しかったようでそばに居てくれるのはうれしいのですが、仕事にならなくて「放っておいてくれよ。」と言うのですが、よく分からないようです・・。
今日は練馬のKさんの現場を確認してきました。まだ木工事が終わっていない状態なので、家具の納品は冬の初め頃になりそうです。
風が冷たくなってきていて、また冬を思い描くことができる季節がやってきたのだなあとあらためて思います。
いつも夏には冬の冷たさが恋しかったり、冬には夏の暑さを求めてしまったりするのですが、それが自分なのだからしかたない。
どこまでいっても良くも悪くも毎年そう思うのは、それが自分なのだからしかたない。
その中で自分がどうありたいか常に考えながら今度は秋を進むのです。

イメージ

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月31日

青花さんの新刊が届きました。
いくつか新しい本も手に入りました。ご覧になりたいかたは是非いらして下さい。

うつくしい家具って何かな。
その人にとって心の拠りどころとなるものがある形になると良いよね。
断片的なイメージをつなぎ合わせて、自分の気持ちを見つけていく、ことなのかもしれません。
そうして、見つかるものは家具ではなくて毎日の暮らし。
見つめていたのは毎日の暮らしかた。
何が見つかるかな。

ナラ柾のキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月30日

20170830002夏が終わろうとしておりますが、毎日暑い日が続きますね。その暑さの中でしたが、Fさんの現場は、なかなか気持ちの良い風が吹き抜けていました。
リノベーションを担当したダブルボックスの細川さんと10時にいらして下さったFさんと、今回製作を担当したコバヤシ君とで打ち合わせをして、今日どういう方向で設置工事を進めていくかを決めていきます。
カナイ君も来ておりますが、本人はバックサポートの態勢。
「あの、お名前は・・。」とFさん。
「あっ、コバヤシです。」とコバヤシ君。
良い、良い。
現在工房を見渡す立場のカナイ君がすべてをまとめるのではいつかまいっちゃう。みんな一人ずつその住む人の取付まで受け持てるように、と言うのが私たちの考え方で、カナイ君もコバヤシ君もノガミ君も見事に頼もしい存在になってきました。あとに続くカイ君もワタナベ君もどこか安心できる部分が生まれていて、良い環境であると、気持ち良くうなずけます。
細川さんがきれいに現場を整えてくれていたので、比較的順調に作業は進めることができそうです。
私は、大口開けられない口と少し痛かゆいような肩のまま(情けない姿です。)搬入と打ち合わせを終えて、秋に設置するTさんの現場である下落合まで向かいました。
こちらの現場を担当する礎コラムさんもとても丁寧に対応してくださって、スムーズに現場が進みそうです。
いよいよ秋の仕事が動き出します。
年内はこのままバタバタとしていくのでしょう。

昨日伺った所沢のUさんが言っていました。
「私もこうしてメーカーの住宅設計のスタッフとして仕事をしておりますが、いざ自宅となってもなぜか大きな高揚感がないというか、すごいワクワクするって感じが持てなかったのです。でも、イマイさんとお話してみて、あぁ、楽しい、って本当にそう思えたのです。だから、予算厳しいのにこうしていろいろ考えちゃって。(笑)社内でもね、私の家のキッチンがどんなふうになるのかって話題になっているんですよ。」
「おぉ・・、それはとても頑張ります!」

みんな楽しんでくださっている。
Uさんも、今日お話したFさんも。
現場事務所っていつもどこか苦手なのですが、礎コラムさんの現場事務所は何となく温かい空気で楽しんでいる印象。
楽しいって大事です。
自分を動かすいちばんの原動力ですものね。

楽しかった夏、さようなら。
秋もたいへんだったり辛いこともあるかも知れませんがたくさん楽しんで頑張ります!

「HANA SHONAN」に掲載されています!

Category : 日記「自由な手たち」

_dsc8695
今まで湘南地域に配布されているフリーペーパー「ROUTE SHONAN」に掲載されていましたが、エリア拡大に伴って、これからは「HANA SHONAN」に掲載されることになりました!記念すべき第一弾は、矢ヶ崎さんのキッチンの記事です。とてもすてきな記事に仕上がっていて、とてもうれしいです。皆様、ぜひ手に取ってご覧ください。

あさ

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月25日

先日の通勤途中に自転車から落車してしまい、側頭部と右肩を強く打ってしまいまして、ご飯を食べてる時も大きく口を開けると痛くて、「じいさん 口から飯が出てるよ。」って言われそうな感じで、手を伸ばして何かとろうとしても「おぉ、おぉ」と苦労するばかり。走っても肩に響くわけで、最近は歩いて会社に向かっております。
車を通り過ぎていく景色、電車から見られる景色、自転車で感じる景色、走って嗅ぐことのできる景色、そして歩いて触れることのできる景色。
同じ距離でも感じる時間や気持ちはみんな違っていて、自分が持っている時間は自分でいくらでも大きくできるんだって、思えるのです。

昔、どこかで聞いたのお話で、楊枝に印をつけていくってお話がありました。
1センチ刻みでつけた印の間、0.5センチのところにさらに印をつけていく。その間の0.25センチのところにさらに印をつけていく。そのさらに半分、さらに半分と精度良く印がつけられれば、楊枝1本にものすごくたくさんの印がつけられる。印を記録としたら、楊枝1本に膨大な量の記録がつけられるってお話を聞いたことがありました。

自分の気持ちも同じで、車で通う道は車で実際に掛かった時間よりもあっという間に過ぎてしまうような気がして、歩いて通う道はいろんな色や匂いなんかが自分の中に入っていて、辿り着くのに掛かった以上の豊かな時間をもらっているような気がして、良い気分が歩いてい時間いようにずっとずっと続いているような気がする。そういうのっていいなあ、と思いながら今朝も歩いてきました。

昨晩の蒸した暑さのあとの今朝の涼しい風は稲穂に露をつけました。

明日は中学校の側溝掃除なのに肩が上がるかなぁ・・。

福原さん

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月24日

夏が戻って来てしまいました。
うれしいのですが暑いです。
今日は以前から約束していたとおりに福原さんのところへ。
茅ヶ崎駅から歩くこと40分。何となくすれ違う人の視線を感じたのは、シャツが汗でびしょぬれで、肌着が透けてしまっていたからでしょうか。
「イマイ君、歩いてきたの。」と福原さん。
「ええ、一人でバスに乗るのが苦手なもので・・。」と言うよく分からない理由がありまして。
バスって乗ると、いまだにワクワクしちゃうのですが、どこに向かってどこに連れて行ってくれるのか、途中で不安になったりするわけです。
だから、アキコと一緒の時しか乗らない。
そんな42歳です。

今日は、ずっと前から約束していた福原さんのウェブサイトを新しくするお手伝い。
時々、私たちの製作例で名前が載っているからか、「実は今家を新しく経てることを考えていて、福原さんの作品が気になっているのです。もしよかったら福原さんのことを教えてください。」って電話を頂くのです。
いろいろと、まめな人なのですが、パソコンとか携帯電話とかあまり好きじゃないっていう人なので、いちおうウェブサイトはあるのですが、もう少しみんなに見てもらいやすい工夫をしてみましょうよ、と以前からお話していたのです。
話してみるととても親しみやすいのに、そこに辿り着くまでが分かりづらいってありますよね。今の福原さんがちょっとそんなふうに見えてしまうのがもったいなくて、それでお邪魔してきたのでした。
「自分がもし何かをどなたかに頼みたいって思った時に、作品だけではない何かに触れるとしたらその人のことだと思うのです。どんな人がそれを作っているのか、その人が何を考えているのか、自分だったらそれを知りたいと思うのです。」
「そうだよね、そうだよね。自分もとても普通でありたいと思うものを作っている以上、何かに飛びぬけているわけではないものね。でもなあ、文章書くのは苦手だなあ。」とおしゃべりの表現はとても豊かな人がこのようにお話される・・。
「ぜひ、書いてくださいね。きっともっとみんな知りたいはずです。」そう、何度も伝えて帰ってきたのでした。
まずは、今日までにできあがったところ。
福原さんらしい優しさが少しは表現されているのではないかと思います。文章少ないですが。

MA設計室 福原正芳
https://fukuhara-ma.jimdo.com/

Gさんの午後

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月23日

ふたたび厚木のGさんのところに。
印鑑をしまっておくケースをつけてほしいと言われて、ある場所に小さな細工を施した四角い箱を持って伺ったのでした。
印鑑をしまっておく場所ということなので写真はナシですが、納品後リビングでお茶を頂いて、いろいろとお話を聞かせて頂きました。
高齢の女性お一人で住む大変さはあるかと思うのですが、Gさんとお話していると、いつも午睡の時のようなゆったりとした気持ちになります。
家具もどこかゆったり見えるのは気のせいでしょうか。
楽しみにしている音楽が聴ける環境が整ってうれしそうにお話してくださるのが、私はうれしいのです。
お付き合いってそういうものです。

ステンレストップのタモのペニンシュラキッチンとバックカウンター

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月22日

2017082200220170822003ピーズさんが空間を仕上げてくださって、私たちがキッチンを作らせて頂いたSさんのリノベーションの現場。
さっきまで掃き出し窓だった場所が腰高窓に変わっている。
キッチンも壁に向かって作業していたのが、庭へと動線が続くリビングを見ながら料理が作れる。
暮らしかたに合わせてこうも魅力的に部屋の印象を変えられるなんて魔法だよね。
今までのどこか懐かしい空間もSさんの雰囲気によく合って魅力がありましたが、今回のこの空間はSさんの色がどんなふうに入っていくのだろう。
もうすぐお引き渡しです。

楽しみです。

丘の夢

Category : 日記「自由な手たち」, お話

2017年8月21日

たしか昔、友人と夏の伊豆の松崎町に出掛けた時だったと思うのです。
日差しが強くて、影がはっきり黒くて、日に照らされた葉っぱたちは本当はみどり色なのに、淡いきみどり色に見える。そんな日だったと思います。
暑いはずなのに、風がそよ吹くと心地良くて、涼しげな気持ちになったように思えます。
でもこの場所が思い出なのか夢なのかが今ではもうよく分からないところなのですが、今でも夢のなかで時々現れては自分を落ち着かせてくれるのです。
夢のなかでは夏ではなくて、初夏です。
人は居ないけれど、小さな虫たちは飛んでいて、小鳥がチククって鳴く声は遠くに聞こえて。
一人だけど淋しくなくて、木陰や草むらの向こうでみんながおしゃべりしているような場所。
テリ・ワイフェンバックさんの写真を見た時に夢で見た場所が写り込んでいたようでぜひ見てみたかったのです。

と言うわけで日曜日は娘たちも連れだして、長泉町のクレマチスの丘まで。
実際に見る彼女の作品は、静かに佇んでいるというよりはそのぼかした景色のずっと奥でやさしく躍動感にあふれていたのでした。

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月17日

フリーハンドイマイでは、8月11日から15日まで夏季休暇を頂いておりました。
このタイミングで私たちの家具を見てみたい、とお考え頂いておりました皆様には、ご不便をおかけしてすみませんでした。
以前は皆さんにお会いできる予定に合わせて自分たちの休みを調整しておりましたが、歳を重ねるごとにだんだんと子供たちとの予定も合わせにくくなり、数年前から家族皆で休める日に合わせて、工房をお休みすることにしたのでした。スタッフ皆とも相談して、この五日間は有効に使わせて頂こうということで、各自日程を調整してバラバラに休ませて頂いた五日間。カナイ君は今週に入ってから本日までお休み、コバヤシ君、カイ君、ワタナベ君は予定通りのお休み、ノガミ君は子供が生まれたばかりということで赤ちゃんに合わせてとびとびのお休み、私たち家族は前半二日間、先日三日間のお休みを頂き、各自気持ちと体を休める五日間になりました。

子供たちはすくすく育ち、彼女たちが小さい頃は「早く大きくなって同じところで話がしたいな。」とか「もう少し自分の時間を作りたいな。」なんて思っていたのですが、実際にハルカが中学に入って以前のような無邪気さが抜けて、抑揚の効いた様子になり、さらには部活動で週末も一緒にいる時間が少なくなってくると、私のどこかに置いていかれてしまったような淋しさがすこしあったのでした。(チアキは分かりづらいところがありますがまだまだ無邪気なのです。)
人はわがままです。
でもこういう皆で出掛ける機会に、「おとうさん。」と無邪気に笑い出す姿を見ていると、やっぱりみんな寄り添ってきちんと家族になっているのだなあと実感できたのです。
家具を作るのは楽しいです。
みなさんとお話しするのは楽しいです。
でも、家族で居られることはとても楽しいです。

そして、昨日からきちんと仕事を再開しております。
お天気が悪かったのですが、ピーズさんがとても丁寧に段取りしてくださいましたので、スムーズに港南台のSさんのタモのキッチンとバックカウンターを納品できました。
次回機器を組み込んで工事は完了の予定です。

家具屋の夏休み

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月16日

Img_5486Img_5530Img_5620Img_5677
8月前半とお盆休み中に夏休みをいただきました。
毎年恒例のキャンプと海で水遊び三昧です。
長女が中学生になり、もう一緒に行けないのではと思いましたが、1泊・2泊すつならどうにかなるものですね。
学校の予定、習い事、宿題で結構忙しいスケジュールなのに、「絶対行く!」と言ってくれたのがうれしかったです。
また来年も家族みんなで過ごせますように。
夏休みの日程調整にご協力していただいた皆様ありがとうございました。本日から通常営業に戻っております。
これから打ち合わせ等のご予定のお客様、真っ黒に日焼けして早くも皮がむけ始めたエイジング加工のイマイダイスケになっておりまして、お見苦しい点があるかと思いますが、内容に変わりはございませんので(笑)ご了承ください。
これからもよろしくお願いいたします。

お盆休みのお知らせ

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月10日

暑くてじめっとした毎日が続きますね。
このあたりではまだセミは多くは鳴いておりませんし、夏らしい真っ黒な影も入道雲もこれからでしょうか。
この寒川では急激な気温の変化は見られませんが、夏は体調を崩しやすいものです。
皆様もどうぞお気を付け下さい。

さて、私たちは以下のスケジュールでお休みを頂きます。

8月11日(金)から15日(火)まで。
16日(水)から通常通り仕事を再開します。

皆様、よろしくお願い致します。

ヒノキとヒバとスギの家具たち

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月9日

201708090022017080900320170809004昨日と今日で、私が世田谷、川崎、沼津、清水、三島とグルグルと打ち合わせに出掛けている間に、カナイ君に指揮を取ってもらって、手の込んだOさんの家具たちの取付に行ってもらっておりました。
なかなか複雑な造作ばかりで、さらに普段あまり使わない針葉樹たちを使って大変な部分がありましたが、みんなきれいに納めてくれたようで安心しております。
頼りになるみんなが居て、私も自由に動き回れるということがとてもありがたいことです。
水曜日はなるべく定時で帰りましょうの日ですので、静岡から戻ったらもうみんな帰ってしまっておりましたが、さっきショートメールで「無事に終わりました。」って連絡が来たから大丈夫でしょう。
明日みんなに聞いてみよう。

グルグル回ってもらってきた宿題は週末に終わらせないと。お盆前にだんだんと忙しくなってきました。
頑張ります。

チェリーとステンレスのコの字型食器棚

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月5日

20170805002私は、午前中に2年半ぶりに目黒のEさんのところにお伺いして、午後は4年ぶりに中目黒のHさんにお会いして、「懐かしいですねぇ。」と言いながら新しい家具のご相談をさせて頂いている間、カナイ君とノガミ君の二人でやはり懐かしい昔はIさんで今はYさんのご新居に食器棚を取付に行ってもらっていました。
食器棚と一緒にキッチンもできたらいいですねえ、なんてYさんとお話していたのですが、今回はキッチンではなく対面カウンターもチェリーで一緒に作らせて頂きました。
こうすると、リビングダイニングから見た時の印象がまとまりますものね。
Yさんに以前作らせて頂いたのは、チェリーのカップボード。今度結婚するのです、ってすてきなご報告と一緒にその時家具のご依頼をくださったのでした。クレミルにもちょこちょこいらして下さったりして、とても近い存在。そして今ではすっかりお母さん。

目黒のEさんは、2年半前に食器棚を作らせて頂いたのですが、その以前から、奥様のお母さんが最初に私たちに家具のご依頼をくださったのがきっかけだったりしてもう長いお付き合い。
あの時は、「娘の結婚祝いに。」ってタンスを作らせて頂いたのですが、その娘さんはもう今ではすっかりお母さん。

中目黒のHさんは、以前に本棚を作らせて頂いたのですが、それがもう4年前。早いなぁ。あの時まだまだ小っちゃかったお嬢ちゃんは今ではすっかり可愛らしいお嬢様に。

みんなみんなに「早いですねえ。」って言っちゃう。
でも、みんなの表情は最初にあった時そのまま。むしろ、今のほうがキラキラしているくらい。
なにかこう・・、すごいなあフリーハンドイマイって思ってしまうのです。
何だかこうしてみんなといつまでもずっとつながっているんだぜ。
すごいなあ。

tw-cp01 [fiori]

Category : 木工小物と雑貨, Tableware

2015年3月6日

tw-cp01 [fiori]

スープもお茶も
手のひらサイズのこのカップでどうぞ。

フリーハンドイマイが提案するキッチンで使って頂けたらと思いまして、私たちのお気に入りの作家さん山本芳子さんと一緒に器を作りました。ホイップクリームを絞り出すようにして模様をつける「いっちん」と言う技法で描かれた繊細な花柄が特長のカップです。
ちょうど掌で包み込むくらいの大きさで、お茶やスープ、汁物など1里分のちょうど良い量が入ります。汁物以外にも、お漬物を入れたり、サラダを入れたり、お菓子を盛り付けても引き立ちます。
「fiori」はイタリア語で「小花」を意味します。

サイズ

87φ/H70mm

No.tw-cp01[fiori]
いっちんで花柄をほどこしたスープカップです。

価格:1,650円(本体価格 1,500円)
送料:880円(800円)

※神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県内の送料です。その他の地域は別途お見積致します。

ご注文はこちらから

各作品のご注文を希望される方は、こちらのオーダーフォームを開いてください

ウェブサイト更新

Category : 日記「自由な手たち」

2017年8月3日

オークとコーリアンの背面収納と吊戸棚逗子の山の上に作った魅力的な構造の家と魅力的な人柄のMさんのお話と、

クォーツストーンと節のあるオークのセパレートキッチン鎌倉の山に下に作った魅力的な内外の空間と魅力的な人柄のOさんのお話と、

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード場所も気持ちもご近所さんのOさんの3つのお話を掲載しました。

どのかたも素敵なドラマがありました。
よろしければご覧頂けたらうれしいです。

お久しぶりだったのですね。

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

2017年9月5日

「ナラ柾目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

葉山 T様

design:evergreenhome/Tさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:Tさん

そういえば私たちのキッチンのカタログを見たいというメールを頂いておりました。
茅ヶ崎にあるエバーグリーンホームさんから、「イマイさんにキッチンの製作をお願いしたいと思っているのです。そのお客様は以前イマイさんのキッチンを見たことがあるそうで、それでぜひお願いしたいと。」と言うご連絡を頂いたのです。
以前ここに来て下さったTさんかぁ、・・うーん・・、ちょっと思い出せないなあ・・。ごめんなさい、Tさん・・。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

3階から階段を下りてきて目に入る様子。不思議な箱のような場所。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ナラの柾目が選ばれたのはとても良かったと思っています。この空気感によく合っているキッチンになりました。でも奥様は物静か、と言うよりは快活にお話されるかたで、キッチンとの対比(?)がまた心地良いのです。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

パントリーから見た様子。そう、冷蔵庫がないから、キッチン全体の印象が優しく映るのでしょうか。キッチンのステンレスが持つシルバーと冷蔵庫が持つシルバーの印象の違いでしょうか。冷蔵庫自身の姿がそう思わせたのでしょうか。ダイニングから見たキッチンと言う空間は静かに見えたのでした。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

コンロの奥の壁だけ、不燃にするためにタイルやキッチンパネルではなく、モルタル仕上げと言う選択もこの空間を独立した印象に見せているのかもしれません。

あの人だっけ、このひとだっけ、と思い巡らせておりましたら、エバーさんが原案となるプランを持って来て下さいました。
「今のところまだ確定ではないのですが、こういうコの字のキッチンを考えているのです。そこで、まずはこの形で製作可能かどうかを検討して頂けますでしょうか。」
うーん、コの字か、コの字と言うと「子供を呼ぶ声」のYさんのキッチンが浮かびます。
あの時もカウンタートップをすべてステンレスにするべきか、木を取り入れるか迷ったのです。
なぜ迷うのかと言うと、ステンレスのカウンター部分は極力つなぎ目を出したくないのです。コの字だと物理的に搬入が無理と言う現場が多いので、どうしてもL型の天板が限界かなって考えてしまうのです。重量もかなりのものになりますし。そこで、Yさんの時は、主に料理作業をする部分はステンレス、軽作業や収納がメインになる部分は木製のカウンター、と言う用途を分けて考えたのでした。
今回のTさんもそうさせて頂こうかな。設置階も2階だし。

クリンスイ浄水器一体水栓F914ZC

水栓は、三菱ケミカルのクリンスイ「F914ZC」です。お水とお湯のほかに浄水用のレバーがついた浄水器一体型水栓です。

さっそくいろいろと検討しておおよそかかる費用をお伝えしまして、そこからは、より細かい部分をエバーさんと検討していきます。
そうしておおよそ方向性がまとまったところで、エバーさんのスタジオである打ち合わせに、と言うか思い出せなかったTさんのお顔を見に行ったのでした。
そうして、いらして下さったのは、おぉ、思い出しました。Tさん。

洗剤ポケットのあるステンレスシンク

シンクの隅に小さな洗剤ポケットを設けました。手前にはS字フックなども掛けられるようなバーをつけています。

奥様の魅力的なおしゃべりとご主人が時々つぶやいてくださる的確なアドバイス。1年前に私たちのところに来て下さった時のことが楽しく思い出されます。たしかあの時はまだご新居の話もまだ先だったと思うのですが、こうしてあらためてお声掛け頂けるのはとてもうれしいことです。クライアントと言うよりは、懐かしい友人に再開したような気分でありました。
さてそこからとTさんと直接お話を進めて、より具体的な内容へと進んでいきます。
当初クォーツで考えていたカウンターはステンレスになり、チェリーがナラの柾目になり、軽やかなキッチンに変わっていったのでした。

ステンレスシンクと有元葉子さんの水切りカゴの様子

「奥行のあるカウンタートップだとちょっとした洗いものを置いておく水切りカゴが奥に置けて良いですよね。」と、キッチンとお話をしているとみなさんによく言われます。「シンクの隣に水切りカゴがあると、調理の動線が途切れてしまうことも考えられるし。」なるほど、皆さん良く考えていらっしゃいます。

「・・・あと、少しでも減額できる要素って何でしょうか、イマイさん。」と奥様。
そうですね・・、塗装ですかね。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

シンクの手前にはいつものように長いハンドルをつけてタオルハンガーにしています。いつものように下寄りにつけているのは、タオルが木に触れにくいように。

使い勝手と好みのテイストを探しながらも、どこかで抑えたい部分も考えながらその形に向かっていくのです。
フリーハンドイマイの家具がイマイさんらしいねって言われるのは、その柔軟性があるからなのかなって時々思います。
今まで作ってきた形を見返してみても、どこかに似たモチーフが使われている家具たちがあったとしてもやっぱり同じ形ではなくて。それが柔軟性につながっているのかな。だからみんなが声を掛けやすいのかな。
そういう立ち位置で皆さんに声を掛けてもらえることはとてもうれしいよね。
作る人と使う人の境界線が無くなって、時には、教わる人と教える人に入れ替わっちゃったりする。そうして、お互いがお互いを支え合って、家具を一緒に作っていく。そういう体験を通して物事ができあがっていく。
できあがる過程から、そして、その将来までがみんなひとつながりになっている。そういう様子を全部好きになってくれる皆さんがいる。
おもしろい仕事だなあとつくづく思います。
今もそうだけれど、昔からずっと考えてきました。
あと何年後の自分はどんな自分になっているのだろう。今のように家具を作っていられるのかなって。でも、やっぱりどうにかきちんと家具を作っていられる現在がある。
それはきっとその時の自分がそうしていたから、今の自分があるのでしょう。
自分が自分にきちんと問いかけていられる間は自分は自分の道を進むことができるんじゃないかな。
「人生は選択の連続です。」って何かで聞きました。
「選択」ってなんだか大げさだなあ。自分は自分で思った通りに進んでいるんじゃないかなって若い時は何も考えずにそう思っておりました。
何も考えていないようで、自分は自分で選んでいるんです。

「今日は右の道から進んだからあの温かい猫に会えた。」
「傘を忘れちゃったから気持ちの良いスコールを浴びることができたけれど風邪ひいちゃった。」
「街灯のないトンネルを歩いていたおかげで、陽射しがいつもよりまぶしく見えた。」

あの時あっちへ向かっていれば、って思う時もあるけれど、いまここにいるのは今までそうしてきたからなんです。
自分に問いかけて、自分はきっと持っている答えを見つけることができれば、いつでもフリーハンドイマイの家具になるのだなあ。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ガスコンロとレンジフードの位置関係。

そんなことを考えつつ、Tさんとキャッチボールを繰り返しながら、ひとつのキッチンができあがりました。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

今回のキッチンの特長である天板の厚み。ステンレスを16ミリに見せてキャビネットから15ミリ浮いているような印象にしたかったので、ナラのカウンターもそれに合わせた印象に揃えているのです。良い印象ですね。

Tさんの新居が建つ場所は、葉山の海から少し上がった丘の麓。だから、海が見えます。風が気持ちよく通りぬける場所です。そういう場所にするためにリビングが2階にできています。
いつものように階段は回り込んだ形なので、やっぱり心配なのは荷揚げです。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ステンレスの天板とナラの天板の切り替え部分はこのような感じ。

コの字をステンレスで作るのはやっぱり搬入が困難で、今回のL型でも手摺がついていない状態で搬入させてもらえたからこそどうにかうまくいきました。
壁の一部がモルタル仕上げということで、取付は少し難しい部分がありましたが、一度工房で組みあがているので、その壁面の関わりをクリアしてしまえばあとはスムーズに完了。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

L型のキッチン、コの字型のキッチンにする時にいつも悩ましい角の部分の収納方法。システムキッチンによくみられる回転式の収納棚を使いたいと言う人は意外と少なくて、アイランドやペニンシュラになっている場合は反対面から使う形にしたり、今回のように反対面が壁で塞がれてしまう場合は、オープンにされる方が多いのです。

取付が終わったことで、次は塗装です。
キッチンの取付が終わって、そのほかの内装工事がほぼ終わって、業者さんが入らない日曜日にいよいよ塗るのです、と思っていたら、その日は施主検査の日。
そのお施主さん本人がお友達を連れて、朝早くから家具を塗っているというのはとてもうれしい光景です。

その時の様子。
2016年10月22日「さあ、塗装だ!

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

そして、そのオープン棚の手前に無印良品のPPケースにキャスターをつけてワゴンにすることで、使いやすい収納としています。そして、ガスコンロの下はワイヤーシェルフ。風通しは良いし、汚れたら簡単に取り外してそのまま洗えるので、使いやすいのです。

まずは扉や引き出しの外し方をお伝えします。外すのは一緒に行なっても、再び取り付けるのはTさんのお仕事になりますので。最近の金物はとても良くできておりますので、ワンアクションで取り付け、取り外しができるようになっています。取り外したのに、取り付けたら、扉が傾いちゃったということもないし、レールが軋んじゃうこともありません。
こういう見えにくい部分がどんどん進んでいて、作る私たちも大変助かります。

堀商店さんの真鍮磨き仕上げハンドル

今回ハンドルは、堀商店さんの真鍮磨き仕上げのハンドルを使っています。磨いただけの仕上げなので、取り付けた当初はピカピカなのですが、使っているとすぐにくすんでくる。それがまた良い表情なのです。毎日見ている人にしか分からないうれしさはこういうところなのでしょうか。

ちょっとしたコツを覚えて取外し、取付ができるようになりましたら、扉や引き出しを並べます。
その前に、塗料が垂れちゃうので、床にビニルを敷いて。
並べ終わったら、刷毛でオイルとペンキとを塗っていきます。最初はラフに塗って、あとから延ばすようにして余分なオイルやペンキを取り除くと、きれいに均一に仕上がるのです。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

引き出しの様子、その1。白い化粧板を使った引き出し。

よくいろんな現場で、オイル仕上げはザラザラするのが‥、って言われたり、実際にそういう仕上がりを目にしてきましたが、きちんと研磨して塗布することで、心地良くツルっとした手ざわりと落ち着いたツヤに仕上がるのですが、その施工方法がまだまだ塗装屋さんにも知られていないことも多いようなのです。
そのあたりのノウハウもTさんにお伝えして、作業に慣れてきたところ(「楽しい!」っておっしゃってくださいました。)で、施主検査も始まるということで私は戻らせて頂きました。
「頑張ってください!」

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

引き出しの様子、その2。あらかじめ測っておいたサイズのボトルが入るような深型の引き出し。

その後、無事に塗装も検査も終わりお引き渡しとお引越しまでがスムーズに終わって、ひと段落しましたところで、Tさんからご連絡を頂きました。

スライドワイヤーシェルフ

スライドワイヤーシェルフの様子。

「イマイさん、お世話になっております。
無事引っ越しましてキッチンも快適に使わせて頂いております。塗装もお陰様できれいに仕上げることができました。
是非見て頂きたいのでお待ちしております。イマイさんのご都合でご連絡頂ければと思います。
宜しくお願い致します。」

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

吊戸棚は、Tさんと話すうちに生まれたおもしろいアイデアで、戸棚部分はあまり圧迫感が出ないようにということで、壁と同じ白く塗装することに。こちらもTさんがペンキを塗ってコロコロ仕上げています。


toolboxさんのハンガーバーと吊戸棚

棚板が壁から飛び出ている印象にするところから始まったこの形ですので、棚板だけはキッチンと素材を合わせて、ナラ材で作っています。棚の下にはTOOLBOXさんの真鍮のハンガーバーをつけています。

さっそくその楽しみにしていたTさんのキッチンを見にお邪魔してきました。
「こんにちは、おひさしぶりです。」
ほっそりしていた奥様のおなかがまんまるくなっていて、今度赤ちゃんが生まれるのだということです。
いやぁ、素敵だ、素敵だ。すてきなことばっかりだ。
拝見させて頂いたキッチンも、Tさんがとても楽しんでこの場所を使ってくださっていることがよく分かりました。
「そうか、オーブンの部分はこう使うのか。」
「引き出しは、こういうふうに物を分けているのですね。」
「ここに時計が来るとは、おもしろい。」
ワクワクしながらTさんらしさを拝見させて頂きました。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

奥様の身長に合わせた吊戸棚の高さ。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

家電の親子。

家族が増えると、もっともっとこの場所に建つのが楽しくなるはず。
またその頃、お声掛け頂けたらうれしいです。
Tさん、ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ柾目突板練り付け
本体外側 ナラ柾目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

ナラ柾目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。