タモ柾目とコーリアンのアール扉のあるL型キッチン

すずきさん、こんにちは。

2026.01.27

オノさんのアトリエにお伺いした1週間後に、今度はすずきさんのところにお邪魔させて頂きました。

すずきさんには、以前に奥様の山村さんのご実家のキッチンを作らせて頂いたのでした。

「国立大学の古い研究棟のような雰囲気ですが、怪しい人はおりませんので(笑)」と教えてくださったアトリエは入り口からしてすごく怪しげな古いビルでした。

もちろんオートロックのない大きなガラス戸を開けると、お城のような大階段があって、そうっと登っていくと、鉄扉が並ぶ本当に研究室のような部屋が並ぶ廊下。

ここなのかな・・と覗いてみたら、懐かしいお二人の笑顔と大きな挨拶の声。そうだそうだ、鈴木さん声が大きかったんだよね。

「お久しぶりです!」とお邪魔させて頂くと不思議なワンルームのアトリエ。

「以前ここにいらした方はピアノ教室を開いていたということでちょっと変わった空間でしょう。」

と大きなワンルームのど真ん中の大きなテーブルに招いて頂いていろいろとお話を聞かせて頂きました。

「キッチンはとても快適で、両親もとても大事そうに使ってくれています。あの時はキッチン周りだけをリフォームしたのですが、それだけで家の中の印象が大きく変わって両親の暮らしかたもキッチンへの気持ちも大きく変わったのですよ。ひとつ変わるだけで大きく空間の質が変わるなんて私たちとしてもとてもうれしくなったのですよ。」

と、うれしそうに報告してくださいました。そういって頂けると私たちもとてもうれしくて、本当にありがとうございました。

それからお話のなかで、つい先日オノさんで聞いたことをお伝えすると、やはりすずきさんも同じ思いに悩んでいるところがあり、さらには材料費の高騰などで思いが伝えづらい部分も出てきていて、「それは仕方のないことなのだけれど、そう言う状況のなかで自分たち建築士に何ができるのか悩ましいところです。」とおっしゃっていました。

しかし、時代に合わせて柔軟に形を考えて住まい手の快適さを実現していくのが自分たちの仕事ということで、優しい笑顔の奥に大きな思いを見せて頂いたのでした。

そうそう、鈴木さんの設計のアプローチで面白いなあと思ったのが、クライアントと相談する中で、クライアントがお持ちのものをすべて一度見せてもらうことが多いのだそうです。それは収納を計画するために始めたことだったのですが、そこからいろいろな話が広がるのだそうです。

時には、すっかり忘れていたものなども出てきたりして、そのものへの思いも聞かせて頂いているうちにクライアントがどのような人柄でどのような暮らしをされたいのか見えてくるのだそうで、ああすてきな考え方だなあ、と大変勉強になったのでした。

すずきさん、楽しい時間をありがとうございました。