そもそも風が気持ちよい

「シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン」

葉山 O様

design:技拓さん
planning:daisuke imai
producer:daisuke hirose
painting:daisuke hirose

シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン
リビングから見たキッチンの様子。心地よく籠れる印象が伝わってきます。技拓さんのドライウォールという優しい壁の仕上がりの印象と定番のレッドシダーの天井の優しい表情から、こじんまりとしたキッチンの空間が優しいです。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのスケッチ
打ち合わせの時に描いたキッチンのスケッチです。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのスケッチ
こちらは回り込んだダイニング側のスケッチです。

新型コロナウイルスが運んだまるで暗がりの中を進んでいるような2020年からの静けさが少し落ち着いた頃、私たちに吹いてくれる風が少し変わったように感じた時期がありました。
それが良いことなのかよくないことなのかは、いまだに私にはわからないのですが。

今までオーダーキッチンやオーダー家具のご相談を頂くのは、東京都内や神奈川県の北部あたりが多かったのですが、この頃から海に近くに家を建てるというお話を頂くことが多くなったのでした。
この頃から、ライフスタイルを見直すという言葉もそこかしこで耳にするようになり、テレワークやリモートワークの普及を背景に緑や海が心地よいこのあたりに暮らす、という話を聞くようになり、そういう流れのなかで私たちに声をかけてくださる機会が増えたのかもしれません。

今回のオーダーキッチンを作らせて頂いたOさんも、たしか都内から葉山に越してこられたのだったと思います。

シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン
キッチン全体の様子。キッチンとダイニングを仕切る戸棚がコの字型というかJの字型に見えるレイアウト。梁を境にキッチンとダイニングが視覚的に分かれる間取り。そこかしこに風が通り抜ける心地良い空間です。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン
キッチンのカウンターには、シーザーストーンの「4004 Raw Concrete Matt」を採用し、表面材はホワイトオークの板目の柄がランダムに並ぶような突板を採用して、表情豊かなキッチンになりました。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン
パントリー、冷蔵庫側から見た様子。外の景色を眺めながら水仕事ができるように小窓が特徴的なレイアウト。シンクのサイズは、食洗機がメインの洗い物をしてくれるので少しコンパクトに450ミリ×700ミリにしています。こじんまりしているように見えますが、この回り込んだパントリー側が広く収納スペースになっているのです。

鎌倉の技拓さんというと湘南では皆さんご存じなくらい名前が通ったビルダーさんで、そこかしこでシダーの板張りの建築を目にすることができます。
その技拓さんにはとても良くして頂いておりまして、今回、都内から葉山に越してこられるというOさんのキッチンを手掛けさせて頂けることになったのでした。

今回も技拓テイストというかそのダイナミックな板張りの外壁と清廉とした内部空間という建築が特長で、そこに馴染むような存在感のある凛とした表情のキッチンを考えていくのです。

「いつもはコーリアンを使うことが多いので、今回のクォーツストーンがどのような印象になるのか楽しみです。」と技拓のMさん。

そう、Oさんが選んでくださったのは、コンクリートの表情のクォーツストーンとホワイトオークの組み合わせ。柔らかいオフホワイトの空間によく馴染む素材です。

シーザーストーンの天板とデッキと洗剤ポケット付きのステンレスシンク
シーザーストーンの天板にシンクはオリジナルのステンレスバイブレーションシンク。水栓がつく部分はシーザーストーンに直接取り付けるのではなく、ステンレスに取り付けて、水栓の元部分に水が溜まっても掃除がしやすいようにデッキタイプ(カウンタートップよりも少し下げるタイプ)にして、洗剤ポケットも備えています。
ハンスグローエのタリスヴァリアルク「HGM13806T」
ハンスグローエのタリスヴァリアルクを採用。
ミーレの食洗機とハーフェレのスライドワイヤーバスケット
シンクの下にはハーフェレのスライドバスケットと、その隣はミーレの幅60センチの食洗機。
ハーフェレのスライドワイヤーバスケット
そのスライドバスケットの様子。コンロ下で用いることが多いこのバスケットですが、このようにサイズがコンパクトなものも選べるため、シンク下に使うことも可能です。今回はガスオーブンを組み込んだので、いつものスライドワイヤーシェルフを組み込むスペースが確保できなかったために、このバスケットを採用しています。代わりによくここに置かれることの多いゴミ箱はダイニングからは見えにくいキッチンの中に回り込んだ冷蔵庫側に置かれています。
ハーフェレのスライドワイヤーバスケット
バスケットは滑らかにソフトクローズの動きも心地よいです。今回は上段は約20センチの高さ、下段は約26センチの高さのものがしまえるように設定しています。

今回のキッチンのレイアウトはちょっと変わったコの字型というかJ型というのでしょうかね。
以前、こちらのエッセイ「キッチンのレイアウトについて」にも書いたのですが、一人で無駄なく動けることが一番大切と考えてる皆さんにはL字型やコの字型のキッチンが選ばれることが多いですね。
コーナー部分の収納が少し不便が出ることがありますが、それよりも銅線と作業スペースがの広さが魅力なのでしょう。
Oさんもそのメリットを生かしたキッチンになっていて、かつJ型に用に少しダイニングとの空間を区切るような形にすることで、より効率よく調理作業ができて、ダイニング側の収納も確保することができる形となりました。
また、こじんまりと落ち着いたキッチンと開放的なリビングダイニングとなるように天井の形が大きく変わっていることもキッチンで心地よく居られることのひとつの要因になっていると思います。
天井が視線に入るくらいの高さで、さらに視覚的にやんわりと仕切があると籠れるような心地よさが生まれるでしょ。

ミーレの食洗機とハーフェレのスライドワイヤーバスケット
シンクの左はミーレの食洗機。表面材を引き出しと揃うように巾木部分をひと工夫しています。
引き出しと食洗機の納まり
今回は引き出しに金属のハンドルをつけずに手を掛けるタイプにしたので、引き出しに出っ張りなく仕上げることができましたので、食洗機との隙間をこのくらいギリギリにしても開閉に支障は出ません。こうすることでコーナーの印象をシャープに見せることができました。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンの引き出し
引き出しの様子。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンの引き出し
引き出しの様子。

お引き渡し後にMさんと一緒にご挨拶に伺わせて頂きました。
「もう少ししたらきちんと引っ越してくるので、まだ閑散として散らかっているところですが、どうぞ。」とOさん。
技拓さんが作る家って、そもそも風が気持ちよいのです。
加えて、Oさんの立地は葉山の丘陵地帯で、海と山を渡っていく風邪が抜けていく心地良い場所。
その立地に合わせて、スキップフロアというのでしょうか、小さな段差で空間が入れ替わっていく様子はとても心地よく、それぞれのフロアから見える景色が階層ごとに変わっていく心地良さがありました。
キッチンはそのメインの大空間の一角になっていました。

リンナイ デリシアグリレ[RHS71W16ALRA-SL]とリンナイ コンベック ハイグレードビッグタイプ[RSR-S52C-ST]
ガスコンロは、リンナイデリシアグリレ[RHS71W16ALRA-SL]。オーブンは、リンナイコンベックハイグレードビッグタイプ[RSR-S52C-ST]を採用。
レンジフードはアリアフィーナのフェデリカ「FEDL-952S」
レンジフードはアリアフィーナのフェデリカ「FEDL-952S」を採用。

セミクローズドと言ったらよいのでしょうか、比較的ゆったりとした空間がキッチンスペースとなっていて、奥様がぐるりと作業できるようにしたJ型のレイアウトと吊戸棚が視覚的にダイニングとキッチンという空間を分けてくれます。
そして、いつものキッチンと違ってすごくシンプルに見えるのはハンドルがないデザインだからでしょうか。ランダム張りのオークの柄がよく映えます。
そして、L形やコの字でよく用いる納め方として、コーナー部分は引き出しを開けた時にハンドルがぶつかって開かなくなってしまうことがないようにと、コーナーの板を厚くするのですが、今回はハンドルをつけないで手掛けにしていることで、その板を普通の厚みにできたことでより木目の印象がよく分かる仕上がりになりました。
時間を経てより良い表情になっていく様子が今からわかるような優しいキッチンになりました。

シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン
ダイニング側の様子。吊戸棚が視覚的に柔らかくキッチンとダイニングを隔てています。ここをすっきりした開き扉よりも引き戸の框の印象の戸棚にしたのは技拓さんの空間によく似合う形になったと思います。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのダイニング側収納
シーザーストーンは厚みを出さないで素材そのままの厚み12ミリで見せて、その下に補強となる合板を目透かしのように見せることでフロートするデザインにしています。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのダイニング側収納
コの字型というかJの字型のダイニング収納部分。上部は引き出しのように見えるのですが、この収納は奥行きが540ミリほどしかないので、このキッチン側からは飾りの板になっていて、ダイニング側から飲み引き出せるようになっています。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのダイニング側収納
その下の収納はこのような引きら期扉の収納。キッチン側、ダイニング側の両側から使えるように扉を開けると筒抜けになっています。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのダイニング側収納
ホワイトオークランダム張り突板の木目の印象が豊かな表情で見ていてうれしくなります。また、食洗機側のコーナー部分はいさぎよくコーナーを塞いで使い勝手の良い引き出しにしたのですが、こちらのコーナー部分はうまく活用できるようにダイニング側からしまえる引き出し収納にしています。
シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチンのダイニング側引き出し
その引き出しの様子。
キッチンを仕切るガラス引き戸のある吊戸棚
引き戸の戸棚の様子。キッチン側とダイニング側の両側から使えるようになっています。ただ、背板がないと強度的に歪む可能性があるので、収納の邪魔にならないような位置に、戸棚の骨になるように天井面に幕板のようなものをつけています。
吊戸棚の敷居の納まり
鴨居と敷居を固定するための木栓部分の印象。
吊戸棚の引き戸の手掛け
引き戸の手掛けの印象。
寸法 キッチン:幅2,730ミリ・2,690ミリ・1,340ミリ/高さ850ミリ/奥行650ミリ・650ミリ・540ミリ
吊戸棚:幅1,340ミリ/高さ590ミリ/奥行350ミリ
天板 キッチン:シーザーストーン「4004 Raw Concrete Matt」
前板・扉 ホワイトオーク板目ランダム張り突板
本体外側 ホワイトオーク板目ランダム張り突板
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
水栓器具 ハンスグローエ タリスヴァリアルク[HGM13806T]
食器洗浄機 ミーレ[G7104CSCi]
ガスコンロ リンナイ デリシアグリレ[RHS71W16ALRA-SL]
ガスオーブン リンナイ コンベックハイグレードビッグタイプ[RSR-S52C-ST]
レンジフード アリアフィーナ フェデリカ[FEDL-952S]
キッチン仕上げ

シーザーストーンとホワイトオークのコの字型キッチン

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