2022.08.10
真っ白じゃなくて少しグレー掛かった白。
福原さんが選んだ色は少しくすんだ白なのですが、鮮やかではないから目に優しい感じ。
壁も同じ色で塗られているため、できあがると爽やかな印象で整ってくるのでしょうけれど、これから大変なところ。
古い集合住宅特有の壁や床の歪みもあったりして、どこでバランスを取るのか、ノガミ君が頭を悩ませながら、まずはコンロが組み込まれる壁付けのキッチンの設置がおおかた完了。
気持ちも爽やかでありたいところですが、今月は夏季休暇を挟むことからかなり慌ただしくなりそうなので、常に気持ちが忙しない。
2022.08.07
お久しぶりです、Hさん。
Hさんは、「みんなに感謝 」のHさんです。
9年前にご依頼頂いた家具は新しくその家に住まわれる方のために置いてきて、この新しい家に合わせて小さな家具の相談を頂いておりました。
懐かしい再会で、久しぶりにお顔を見て、はっとうれしくなりましたね。
たしかあの頃はお子さんもいらっしゃらなかったような。すっかり賑やかなファミリーです。
そしてこの家はマドリヤさんが手掛けたということで、いろいろなところでつながっていることに再び感謝の気持ちで一杯なのでございました。
そのHさんにお話し頂いていたのは、キッチンの向かいに作業台を作ってもらっていたのですが、その下のオープンになったところを使いやすくしたいということ、そして、ご主人の思い入れが強かったテレビボードを手放してしまったので、今度の暮らしに会うようなシンプルなテレビボードを作りたい、ということでした。
どちらの家具も取っ手に特長のある形で、食器棚のほうは白いマットな仕上がりのメラミン化粧板を使って木口は滑らかに見えるように塗装で仕上げ、その上にブラックウォールナットの無垢材を加工した手掛けを練り付けています。
食器棚自体も不思議な形で、左に食器をしまう引き出しがあって、真ん中は空間が開いていて(ここにはお手持ちのワゴンが入る予定)、右は上に小さな引き出しがあるだけ下にゴミ箱が置かれる予定)。
テレビボードのほうは三角形の端部をテーパーにしててっぺんに丸みをつけたHさんからリクエスト頂いた優しい印象の取っ手。
こちらは、デスクのような役割の窓台と高さを揃えましたので、落ち着いた印象になりました。
家具はこれですべてそろって今度はエントランスとなる庭を検討するのだそうです。
ちょうど私の自宅でも庭を考えていたのですよ、とHさんのお話を聞かせて頂いて、また魅力的な場所になりそうなお話でした。
できあがったらぜひ拝見させて頂きたいです、楽しみにしております。
2022.08.07
この頃になって、以前からいくつかやろうと思っていたことを済ませることに。
済ませるなんて言うとちょっと素っ気ないけど、済ませてしまいたいのだ。
まずは、展示室の奥にあるちびっ子たちが遊ぶための部屋の障子をきれいにすること。
過去にここを出入りしていた猫次郎たちがびりびりと破いたまま、6,7年は経っただろうか。
みっともないのも慣れっこになってしまっていたので、これは良くないと思いつつもまたしても数年が経ちようやくこのタイミングで、タケイシさんに枠を組んでもらって、先日障子を張って入れ替えたのでした。
そして、今度は天井の灯り。
もともと中古のプレハブの大きめの倉庫を組み上げてできたこの工房なので、たいへん質素だったこの2階を一つの部屋のように見せようと思い立ったのが12年前。
「模様替え」https://freehands.exblog.jp/12647957/ 古いパンチカーペットを剥がして、濃い色の綺麗なカーペットを敷き直して、壁を塗って、天井を張って、キッチンを据えてと、自分たちでコツコツやって来たのですが、唯一心残りになっていたのが、蛍光灯。
天井を板張りした時に変えておくのだったなあ・・、って思い続けていたのですが、このタイミングでLEDのダウンライトに交換。
もともとついていた蛍光灯を外すと板張りになっていなくてジプトーンが丸見えになっちゃうので、それを隠すようなケースを竹石さんに作ってもらったのです。きれいにできあがったのですが、蛍光灯は天井下地を中心についていたので、ダウンライトの中心がずれちゃったのはご愛嬌。
でもこれでまとまりある感じになったかな。
続いて考えているのが、皆さんが良く希望されるステンレスのキッチン。
数年前に私の好みで天然石のキッチンに変えちゃったものだから、ステンレスの印象を確かめてもらうのに、私の自宅まで見に来て頂いたりして、皆さんにもご足労をお掛けしていたので、これを気にちびっ子ルームの一角にステンレスのキッチンを1台据えることに。
こちらはワタナベ君が受け持ってくれています。
そのような感じでみんなでコツコツとやっております。
今日はこれからHさんのところに納品です。
秋にはそのキッチンが見られると思いますので、よろしければ見にいらしてください。
2022.08.06
サクラのベッドフレームを本日ようやく納品。
ぺリアンの印象に近づけることができたでしょうか。
1年くらい経った頃にこの印象の良さがよく分かってくると思っているのです。
楽しみですね。
2022.08.03
7月に予定していたいくつかのキッチンの設置工事は、なかなか納まりが難しい部分がありましたようで、少しぽかんとした気持ちでおりましたが、8月に入ってようやくいろいろなことが動き出します。
まずはFさんのキッチンカウンター。最近不思議なことに相模原市と茅ヶ崎市を行ったり来たりしていて、まずは相模原のFさん。
もうかれこれ10年以上のお付き合いになる設計士であるFさんのご親戚のお宅に作らせて頂きました。
「おしゃべり 」や「同級生 」で見られたあの優しい表情はまだこのタイミングではうかがい知ることはできませんが、もう少ししたら現れてくるかな。
施工会社のタカセイさんは葉山工務店さんからご紹介頂いた建築工房さんで、葉山さんと同じようにとても仕事が丁寧で、監督さんの温かみのある印象も同じ様子で、いろいろとお世話になりっぱなしです。
この家具も制作の都合上細かく分割して作りづらかったのですが、その搬入にひと苦労。監督のOさんが足場をばらしてくださって、大工さんも手伝ってくださって、無事に室内に運び入れることができたのでした。
しばらくしてFさんも汗が止まらない様子でやってきました。
「駅からの道は日影がなくってたいへん、たいへん。」って、和やかな空気で定例が始まりまして、その傍らで、ノガミ君とタケイシさんが丁寧にレーザーで位置出ししていて、やっぱりみんなで作っているんだよねー、という感じ。
次回は、月末あたりに白い食器棚を持ってくる予定。
慌ただしい8月がこうして始まりました。
2022.07.31
最初に自宅のオープンハウスをした時に、「あの、トイレも見せていただいていいですか?」とお客様から言われて、気づいたのです。何組かの方はトイレ収納のご案内をし忘れてしまっていたな、と。
トイレのドアを開けっぱなしにはしませんし、そのまま前をスルーしてしまっていましたね。
お客様も場所的にちょっと言い出しづらい部分もあったのかもしれませんね。失礼いたしました。
でも、ご案内した数名のお客様から、「トイレ収納って、いくつかのパターンから選ぶしかなくて。こういう風にもできたのですね。」と時々耳にしますので、ここでご紹介させていただきます。
我が家のトイレ、1枚目の写真が1階のトイレです。「落ち着く空間にしたい。」と伝えてあとは福原さんにお任せしました。
トイレにこんなに大きな窓があるのはどうなのだろう?とはじめは疑問に思っていたのですが(福原さん、すみません。)、日中この障子の自然光の明かりの中で過ごす時間の落ち着くこと。
また、夜は、照明が背中からドアに向かってあたるので、障子に影が映ることもなく外にどう映るのかを気にして行動する必要はありません。建築設計のすばらしさを感じました。
収納は、窓の上部に合わせた引き戸の収納になりました。大きさは、内寸1303×378×奥行220mmで、この奥行だとひとつ30m以上の大きめのトイレットペーパーは前後にずらして置くことになるので注意です。棚板を真ん中に1枚つけました。扉を開けてすぐ見えてほしくないものはKEYUKAのケースに入れています。消臭スプレー缶を見えないように立ててしまいたい場合には、棚板の一部を加工する必要があると思います。
2枚目の写真は2Fのトイレ。できるだけ小さくコンパクトにしたかったトイレ収納。娘二人がいる我が家では必要最低限のものは入れられないと困るので、この形に。中に無印の収納ケースを使い、不意に開けられても中身が見えないように収納できました。大きさは、内寸で644×414×奥行209mmです。
設計士さんの福原さんはタイル選びは私に任せてくださいましたが、
このタイルを見せた時は「え、これ⁈」と驚かれていました(笑)。 新宿の戸山にあった祖父母の家のにも、おばさんが住んでいた昔の練馬の家にも、昭和の家にはどこにでもトイレやお風呂場、洗面所に使われていた昭和を代表するこの玉石タイル。今では全く見なくなってしまいましたね。
「金物やタイルとかの建築資材もいいなと思ったらその時に手に入れておかないと、もう作っていなかったりなくなってしまうことは多いからね。」と福原さんもおっしゃっていました。
どこに行っても見られなくなってしまうのは嫌なので、トイレの床に使うことにしました。
娘たちの記憶のどこかに残ったらうれしいですね。 「ひいおばあちゃんの家に使われていたタイルともお揃いなんだって。」と。
途中からタイルのお話になってしまいましたが、
トイレの収納でお求めの形がなくて困っているという方がいらっしゃいましたら、オーダー家具という選択もありますので、ご相談ください。
2022.07.25
実家でお父さんとお母さんの元気そうな様子を見て、お昼ご飯をごちそうになって、ぺちゃぺちゃしゃべったら、さて工房に戻りましょう。
アキコを家の前で下ろして、工房に着くとまもなく、アイが帰ってきた。
日中はつまらないだろうからと外に放っておいているのですが、どこかで私が帰ってくる音を聞きつけているらしく、こうしてそぅっと帰ってくる。
とりあえずご飯を上げて、しばらく仕事をまとめ直してひと段落したところで、「今日は外に出ないの?」と聞くと、「うん、今日はもういいの。出ないの。」というので、少し早く工房を閉めて帰宅することに。
お風呂に入って汗を流したら、アキコが「日が落ちる前だから外に出ましょう。」ということで、ピーズさんからお中元で頂いたトウモロコシを焼いて、先ほど実家で頂いたビールを開けてひと休み。
「おーい、だれか、せっかくだから二人の写真を撮っておくれよ。」と子供たちに投げかけるもあまり反応がよろしくない・・、のでしたが、それを見かねてハルが「しかたない!」とパチリ。
受験生を酔っぱらいの二人に突き合わせてしまいまして、おぉごめんよ・・。
2022.07.25
「明日は私実家に行ってくるわ、ビール、もらっちゃったから持って行ってってお母さんから連絡もらったからさ。」
「そうなんだ。こっちは明日はね、午前中に東林間にIさんの現場で打ち合わせて、そのあとは町田のSさんがいよいよ塗装をするので、その塗り方を教えに行ってくるよ。」と伝えて、「じゃあ、帰りに立ち寄るよ。」という約束をして、まずは日曜日の午前中はIさんのリノベーションの現場まで。
ちょうど解体が終わったところということで、現場確認するのによいタイミング。日曜なのに監督さんもいらしてくださって。
「いやあ、実はこのパネルの納め方がね、どちらが良いのか確認したくてね。」とゆったりした物腰でお話しされる年輩の監督さんでしたが、気づくところが細かくて家具屋が気にするところを指摘してくれて、やはり年季が入った方は見るところがきちんとされていてひと安心。
納期についても私たちが立て込んでしまっているのを融通を聞かせてくださって、キッチンだけは少し遅れても大丈夫な状況を組んで頂いて、ありがたい限りです。
それでは頑張って制作に入りますね。
その足で町田まで。
「シンク下の引き出しが配水管のエルボを閉めるナットにちょっとこすってしまうのですよ。」と伊藤さんに言われて、再加工した引き出しをセットしたら、あとはSさんが来られるのを待つだけ。
そうか、そうだったのか、とこのできあがった空間を見てあらためて納得したのでした。
Sさん、スクラップブックにきれいにたくさんのインテリアの事例を切り抜いて、毎回の打ち合わせごとに持ってきてくださって、そのたびに載りが乾いてしまった写真が数枚ひらひらと落ちるのですが、それも丁寧に集めていらっしゃって、私はてっきりさんの思いを全部聞けていたと思っていたのですが、そうか、こういう印象にしたかったのか、とあらためて気づかされました。
築15年、20年くらいのこの家は良くあるオレフィン化粧板の建具が入っていたのですが、それをSさんご家族皆さんで塗装したそうで、うまく木目柄の凹凸だけが残って、ブルーグレーに塗りつぶされて、さらにはみんなの塗りの腰やらがかえって良い表情になっていて、この場所によく似合っている。
タイルの色やキッチンの背面の壁の色などうんうんとうなずく組み合わせで、こういう空間にしたかったのですね。そこまで気が付けずにすみません。なんて一人でうなずいておりましたら、
「こんにちはー。」と大きな声でお兄ちゃんが入ってきた。
「こんにちは、もう夏休み?」
「ううん、まだなの。」と言っておりましたが、肌はすっかり日焼けして真っ黒、表情は塗装が楽しみなようでニコニコしています。
続いてお姉ちゃんも同じく日焼けして、打ち合わせの時の物静かな印象はどこにもなく、溌溂とした表情で「こんにちは。」
Sさんも間もなくやってきて、ご主人もやって来た、ヤァヤァヤァ。
まずは引き出しの外し方を説明して、なかなか容量の良いお兄ちゃんがお母さんやお父さんに説明をしてあげたりして。
全ての引き出しを外した後は毛羽だった表面をやすりで磨いて・・、と説明しているうちに今度もお兄ちゃんがすでに始めている。
「そんなにごしごし磨きすぎなくて大丈夫だよ。」とお父さんが伝えるけれども、「ほらここがちょっとケバケバしていて・・。」と、おっこれは意外と細かい仕事が好きなのかな・・。とちょっと期待する私。
磨いた後にオイルを塗りすぎないように延ばしながら塗っていきます、という説明の時も一生懸命研磨を続けて。お姉ちゃんは手つきが成れているのがとても丁寧で過度になることなく表面をきれいにしていきます。
と、塗り方拭き取り方を一通り説明して、さてこれで説明は終わりましたので、みんなで頑張ってくださいね、と伝えようとしたら、お兄ちゃん、なぜかふてくされてしまって・・。
お父さんとお母さん曰く、どうやら疲れてしまったらしい。
おやおや、これから大変なところですが頑張ってくださいね、良い自由研究の課題になったのではないでしょうか。いろいろなことに興味を持つこと、ワクワクすることはとても心地よいものですものね。
では、次回はお引越しされた頃にあらためてお伺いします、ありがとうございました。
と、さようならを告げた後は、アキコの実家まで。
2022.07.21
友人であり、建築設計の仕事をしていて、我が家の設計もしてくれた福原さんとただいまお仕事しております。
今回は白いキッチン。でも真っ白ではなくて、少しグレイが入った白。福原さんが数年前から持っている塗料メーカーさんの色見本帳と私が今回新たに取り寄せた色見本帳の色がなぜか同じ品番でも変わっちゃっていて、さあたいへん。こんなこともあるのだなあ。
福原さんが以前に作ったというA4サイズの色見本を奥から探し出してくれて、無理言ってそれをお借りしてどうにか指定色で完成。
お豆腐というよりは豆乳のような色というのかなあ。(どちらも同じ豆だけど・・。)際立っていない色というのは見ていて優しい印象です。
もう少しで設置工事ですが、いつもながら福原さん逃げが無いので、リノベーションなのにこの割付で無事に納まるのか‥が今から心配なのです。
2022.07.22
先日、無事に設置工事が終わってご新居で落ち着いた暮らしがスタートしたHさんのところにお邪魔してきました。
リンナイのクラシカルなガスオーブンが置かれた印象的なオーク材で囲まれたキッチンの空間。
「いつかご自身でここで教室を開かれたりする予定があるのですか。」
「いえ、特にそういうつもりはないのですけれどね。以前仕事でお料理のお手伝いをしている時にこのオーブンの相性がすごく良かったのです。」
そういえば、Hさんってうちをどうやって知ったのかなあ。以前に聞いていたような気もするのだが・・。
「Hさん、私たちを知ったきっかけって何だったのですか。」と単刀直入にお聞きすると、
「以前私が藤沢のほうで暮らしていた時にキッサコさんのお料理教室に参加させてもらったこともあって、その時にイマイさんが作られたキッチンを見ていたんですね。」
あらまあ。
「そう、もうだいぶ前になるんですけれど、それからいつか自分の暮らしの中にもイマイさんに作ってもらった家具を迎え入れたいなって思っていたのですよ。」
そういえば、そうでしたね!
ちなみにこちらがキッサコさんのキッチン。懐かしい。
–その日まで –
「今回は建売なので、キッチンは実現できませんでしたが、こうして既存の形をうまく生かしてきれいに納まってとてもうれしく思っています。」
「それと、またいつか食に携わる仕事をしていきたいなって今考えていて、今年はその準備期間。来年から活動できたらよいなっていろいろ検討中なのです。」
うれしいお話です。お料理教室をされている皆様もそうですし、設計のお仕事をされている皆様もそうですが、私たちが携わらせて頂いた家具や空間をきっかけに自分の道を開いていらっしゃる方々が多くて、本当にありがたく思うのです。
今日は、オイル塗装の家具のお手入れ方法を奥様と夏休みに入って元気有り余るお兄ちゃんに説明して、さらにちょっとアルカリ焼けが出てしまったという部分のお手入れ方法をお知らせし、引き戸の動きを軽くするお手入れの仕方などを説明して終了。でも、Hさんへのお仕事はこれで終わりではなくて、このあとガス工事が入ってガスオーブンが使える状態になったら、今度はその背面にタイルを張るのです。
そこまで終われば、このキッチンの空間は完成。
その時が楽しみです。
まずはお気に入りのタイルが決まったらまたご連絡くださいね。今日はありがとうございました。
2022.07.15
サクラのオイルフィニッシュの印象。
2022.07.13
今から16年前に制作したリビングボード。茅ケ崎のEさん のところに作らせて頂いた家具です。
シナ合板とブラックウォールナットを使ったシンプルな形で、Eさんにはこの家具を制作したのはテライ君って話していましたが、カワグチ君でしたね。そうか、カワグチ君がその頃にはもう居たんだっけな。今ではテライ君は島根で、カワグチ君は福岡でそれぞれ家具作りを頑張っています。
Eさんその時のことをまるで昨日のことのように話してくれて、私のほうが「ははあ、そうでしたか。すっかり頭から抜けちゃって・・。」なんて苦笑い。こうして16年前に出会った人とお話をしているとまるでお客様というよりも懐かしい友達のようで。
そんな感覚が変わらないお人柄のままでよかったと言って頂ける要因なのでしょうか(笑)うれしいことです。
しかし、16年使い続けたとは思えないくらいにきれいに使っていてくださって、当時ホワイトのオイルで着色した白さは抜けてしまっていますが、シナ合板の生地の色のような透明感がまだ残っていて、ウォールナットはすっかり色が抜けて赤みが増して、それはとてもよい感じなのでした。
そして、今度の新居にこの家具を持っていくのだということで、ひとまず取り外して工房で預かることに。新居となるマンションの内覧会が間もなく開かれるなので、そのタイミングで現地を確認させて頂いて、どの部分をどう使って新しい家に馴染ませられるかを考えていく予定です。
どんなかたちに生まれ変わるだろうかね。
2022.07.12
瓦屋根となるのはセラミックストーンであるデクトン。今回Hさんが採用したのは、表面が石のように緩やかに凹凸のあるシリウス。
奥様と一緒に古刹の佇まいに一緒に浸る時間を大切にしていらっしゃるというHさんにも大変喜んで頂けて、「ほんとうに荘厳な建築物のようです。」といううれしいご連絡と共にお気に入りのアングルで撮った写真もと添えられた下から見上げるテーブルの写真はなるほど建築物そのままの印象で、その絵はいつかまたお見せしますね。
制作を担当したヒロセ君もホクホク顔で戻ってまいりました。
今度食器棚と一緒の様子を拝見させて頂くのが楽しみです。
2022.07.10
Charlotte Perriandのデイベッドの写真をSさんから見せて頂いてからようやく形になりました。フレームの厚みと脚のバランスがなかなか絶妙で、あまり脚を内側に入れすぎちゃってもおっかないし、外に出しすぎると野暮ったいし、そのあたりを写真家でもあるSさんとあれこれ悩みながら形にしていきました。このあと、オイルで塗装していきます。オリジナルの印象に近づくのは使い始めてサクラのが日焼けする1年後くらいでしょうか。使い込んで完成する形ですね。
2022.07.09
先月30日に食器棚の設置をしたHさんの新居に再び。
前回は食器棚とパントリー代わりになるオープン棚に引き戸をつけるという工事でしたが、今回はその手前にキッチン周りです。前回もなかなか大変だったのですが、今日のほうが大変になりそうだと想定していたのですが、早い時間にノガミ君から「作業が終わりました。」という連絡が入って安心したのでした。
すてきな立地が見つかってそこに建つのは建売住宅ということで、仕様があらかじめすべて決まっているので、当初はご飯を作ることが大好きだというHさんですからキッチン自体も作りたいと考えていたのですが、そこはどうにも難しくなってしまって、それではキッチンを囲うように使いやすい家具を作っていきましょう、ということでスタートしたこのお話。
建売と言っても、このお話がスタートする頃に建築が始まったので、少しでも家具を設置しやすい状況にできたらよいなと思って、打ち合わせの途中で出てきた「キッチン対面カウンターも木に変える」というご要望を無駄なく進められたら良いなと思って、Hさんから販売会社さんに対面カウンターが無い状態で引渡できるかどうかと建築側にとってはイレギュラーな相談をさせて頂いたりしたのですが、やはり仕様変更は難しいということで、既存のカウンターの上に木のカウンターを被せる形にしたのでした。
本来はカウンターなら無垢材で作りたかったのですが、上から被せる形で、L形で、となると木の動きが結構出ちゃうとあとあと調整が難しいと考えて、突板でウレタン塗装する形で仕上げています。
どうしても斜めに加工する部分が縮んで隙間が空いたり、カウンターの上面が縮むことが多いので、そこに反りが加わるとちょっと大変だったりするもので。
そのカウンターは既存の白いカウンターよりも大きくすることで下の収納はきちんと奥行を確保した収納にすることができました。
それから、側面も同じように化粧して、そして、システムキッチンの面材も既存の濃い色のものを外して、食器棚と同じく万代建材さんに作ってもらったホワイトオークの突板に交換したのでした。
こうすることで、今までのキッチンという空間の印象や質感が大きく変わったのでした。リノベーションとまでいかなくても家具をうまく工夫して設置することで、その場所の意味がその人にとって大きく変わるというのはとても素敵なことです。
猫が眠りにつく前に寝床の上をぐるぐる回って寝心地良く場所を整えるように、自分が長く過ごす場所を気持ちよく整えることで安心する場所ができるというのはとても大切なことだと思うのです。
2022.07.05
Mさんはご自身のアトリエを持つ設計士さん。そのMさんからキッチンと食器棚のご依頼を頂いて、今まさに仕上げの最中。
節のあるナラ材を使った荒々しい表情の中にこのような繊細な手掛けが入ると急に物静かに見えるのはなぜでしょうね。
表情がもたらす効果と形状がもたらす効果って小さなことでもとても大きく感じます。そこにその人の好みがあって、好きとか嫌いとか良いのかよくないのかはきっとほんの小さなことなのですがそれが分かることできっともっと豊かなその先が見えてくるはずです。
2022.07.02
あとは瓦屋根を待つばかり。
2022.07.01
お引渡から3ヶ月が経ちましたね。ご新居での暮らしがひと段落したということで、ご挨拶にお伺いしてきました。
あの時おなかが大きかった奥様はほっそりされて、目の前にはしっかりした赤ちゃんが。
そうでしたか、おめでとうございます。
引き出しの取外し方や、浄水器のカートリッジの交換の方法やオイル塗装の年てナンスの方法をお伝えするたびに奥様とご主人が代わる代わる話を聞いてくださって、その都度赤ちゃんが代わる代わる抱っこされて、その横では人懐こい猫さんがなぜか新しい寝床と思ったのか私のカバンの中に入ってしまったり。温かな空気の流れるひと時でした。(笑)
「私もキッチンを考えている時にイマイさんの制作例を隅から隅まで見ましたから。」とおっしゃっていた奥様には後ろ姿を撮らせてもらいました。
そこで暮らす方々やしまわれているものたちが自然と在る様は家具やキッチンを見つめるうえでとても大切なことで、こうして奥様に立って頂くだけでキッチンの写真の空気が変わるのです。
「次は家具だね。ソファがあったらいいなと思っているのです。」とお二人。
夢がどこまでも膨らみます。
2022.07.01
ノガミ君が面白い写真(家具設置前の写真)を撮ってきてくれたので掲載しますね。
昨日は、横須賀のHさんのところまで食器棚の取り付けにノガミ君とヒロセ君とで伺っていたのでした。
真っ白い写真が家具を設置する前の写真です。いつも取り忘れちゃうので、こういう比較はおもしろいですね。元々食器棚スペースとオープンの棚があったのです。でもオープンの棚はリビングから丸見えになっちゃうので、このままだとちょっと淋しいかもしれない・・、ということで今回はパントリー部分も食器棚と素材を揃えることで、心地よく整った空間にしよう、というお話になったのでした。
時々このようなご依頼を頂くのですが(というかお話の流れで「ではここまで作ってみましょう」と私が提案してしまうのですが)、この細工がなかなか大変。
前回のYさん の時は四角いスペースの中に開き扉をつけた形でしたので、もう少しシンプルな細工で済んだのですが、このHさんの場合は、袖壁があるだけのスペースにさらに引き違い戸にするというなかなか複雑な細工です。
先日の日記にも書いたようにどこでもドアのような引き違い戸に地板と右の側板がくっついたものをこのスペースに合わせて加工をしながらはめ込んでいきます。うっかり袖壁に巾木が回っている部分を事前に含めて制作していなかったので、子の巾木に合わせて側板を加工することにかなり時間が掛かってしまって大変だったと日が沈んでから戻ってきたノガミ君が報告してくれました。
それから、今回の突板は万代建材さんに特注で張ってもらって、全体的に良いグラデーションが出て、導管もナラらしく美しい表情で揃えることができました。
こうして苦労した甲斐があってここまできれいに納まりまして、次回は一番左の隙間を塞ぐ作業を残すだけとなりました。
ただ、次回はこの食器棚の手前にあるキッチン周りをナラ材で囲っていくのです。
また、複雑で大変な作業になりそうな予感がするのです。
2022.06.30
私たちのキッチンにほれ込んで、甲府からいらしてくださったOさんのお話 と、
設計士さんであるKさんと工務店さんと私たちと二人三脚ですてきな形を作り上げたお話 の2つの記事を掲載しました。
もしよろしかったらご覧になってくださいね。
2022.06.28
明後日取付に行くHさんの家具の仮組み。問題なく納まるかどうか、ここまで事前に組んでチェックしてから出掛けるのです。
吊戸棚も下に板を挟んで、所定の位置につけられるかどうか確認して、納まりの都合上、収納よりも数ミリ出すコーリアンの面取りの具合を確認して、そして、今回一番大変な左の背の高いパントリー部分の納まりを確認して。
ここから見ると大きな箱に見えるのですが、実はどこでもドアのように引き戸と枠しかない形なのです。右は枠がパネル状になっているのではこのように見えますが、現地にすでに建築されている袖壁とダボ柱の可動棚が丸見えになってしまうので、それを隠してパントリーのように使える工夫なのです。
すでにできあがっている壁に合わせてぴったり納まるかどうかが今から心配なところなのです・・。
2022.06.26
本日はHさんのお引渡でした。
実は、今まで平成建設さんのお引渡に立ち会ったことはほとんどなくて(他の施工会社さんの時でもそうなのですが)、お引渡の時はいろいろなことの確認があったりして、私たちが邪魔になってはいけないという気持ちと、ぜひ家具やキッチンを使っている様子を見てみたいという気持ちもあって、お引越しされてからあたらめてご連絡を頂いてお伺いすることが多いのです。
今回はキッチンや壁面収納も含めて大きく作らせて頂いたこともあって、ぜひ参加させて頂けたらと思いまして、アキコと二人でお邪魔してまいりました。
Hさんの心遣いはいつものように細やかで、お兄ちゃんたちの冒険心もいつもながらたくましく、(シンクの中やら引戸の中やら炊飯器置場に入ってしまったよ。そういう可能性もあるのだなあ、しっかり作らないとなあなんて思いながら参加させて頂いておりました。)またHさんご家族の心遣い以上に平成さんの心遣いがとてもステキで、この場所に居られてよかったなあとしみじみ思ったのでした。
お引渡のなかで奥様がそっと目頭を拭うことができる心地良さ。Hさんも営業の担当者さんも設計士さんも監督さんも大工さんもみんなずっとニコニコしていましたよ。家を作ることを楽しむというか気持ちはみんなで一緒に暮らしているような感じなのでしょうか。
重要事項の説明で「もしこの先私たちの会社が無くなってしまった場合でもこちらの方法で・・。」なんて設計士のOさんが説明していましたが、そんなことは絶対ないだろうなあ、なんて後ろで足がしびれながら聞いておりました。(笑)だって目に見えるくらい気持ちがきちんと継がれていますもの。
アキコと二人で良い日だ良い日だと笑いながら帰ってまいりました。
次はお引越しのあとにあらためてご挨拶に伺わせて頂きます。
Hさん、ありがとうございました。
2022.06.25
「キッチンの背面収納をやっぱりイマイさんにお願いしたいと思って・・。」とAさんからお声掛け頂きました。
キッチンを設置してから半年、どんなふうに使ってくださっているかなって、最近大田区にお住いの皆さんからお声掛け頂くことが多くて、近くを通るたびにAさんのキッチン、気になっていたのでした。
あの時は、市販のもの、もしくは工務店さんにお願いしようかというお話をされていたのですが、こうしてあらためてお声掛け頂けるなんてうれしいことです。
で、さっそくお邪魔してまいりました。
このキッチン、白く見えるのですが、ホワイトよりも少しトーンを抑えた(と言うのでしょうか)オフホワイトから少しグレイジュ掛かった色をしているのです。だから、この空間に在っても際立つことなく控えめにきれいなのです。
なので、「主人が洗濯物干しをぶつけてしまって・・。」と、家具の件と一緒に相談頂いていたところの部分補修をしてみたのですが、このグレイジュの補修カラーが特殊でしてもう残っていなかったので、白いパテを入れるだけになりましたがそれでも凹んだままよりはとても良い印象に戻りましたので、まずはしばらくこのまま使って頂くことに。
そして、収納をどうしようか・・、と悩ましいところです。
このAさんの間取り上、キッチンの奥も手前もあまりスペースが取れないのです。それでも奥様はキッチンの背面に小さな収納がある空間を憧れていて、またお鍋やフライパンなどを仮置きできる場所を希望していたのでした。
その話始めの時に、「ちょっと洗濯物片づけちゃおうかと・・。」と階下にいらしてくださったご主人に「あなたの意見が大事なんだから一緒に考えて。」と奥様の言葉で、ご主人も一緒に打ち合わせに参加して下さることに。
この時間がとても楽しくて、奥様の収納を作りたい気持ちと、収納を作ると狭くなっちゃうから、作る場所を変えたほうが良いよ、というご主人の気持ちの重なり合いがとても優しくて、意見がまったく分かれているのに終始楽しそうにしていらっしゃる様子を見て、すてきなご家族なのだろうなあと、うらやましくなるくらい。
結局お話はまとまらなかったのですが、いろいろな形に気づくことができたのは、とても良い打ち合わせだったと思います。私自身はキッチンの様子が見られてそれだけで満足。
汗をかきながらやって来た甲斐がありました。
私自身実用的な方向に形を考えてしまうことが多いのですが、奥様の空間を大事にする形もとても魅力になりそうです。ご家族皆さんが何を大事にして暮らしてゆきたいか。それが一番のポイントですね。
またご意見がまとまりましたらお声掛け頂けるのを楽しみにしています。
2022.06.24
久しぶりに自宅の様子を見学したいというご相談を頂きまして、あまり汚れていては見て頂くのに申し訳ないと思いまして、数日間あれこれ掃除をして本日を迎えました。
いらしてくださったのは、平成さんの設計士さんと営業担当の方とTさんご夫婦。静岡から駆けつけてくださいました。
好文さんの作るキッチンのような収納の方法を好まれています、というお話を聞いていたので、シンプルな形なら私たちの家を参考にして頂けるかも、という思いでお招きしましたところ、Tさんご夫婦のお話に私たちのほうが惹きこまれてしまってとても楽しい時間でした。
先日の日記でお話していた染色家の望月さんのお話や木工家の三谷さんのお話、そして、2階に置いていたどこで手に入れたか忘れてしまっていた大好きなポストカードをふと見て、「あら、これ熊谷さんのじゃない。」と何気なく奥様。「えっ、そうなのですか!」とアキコ。よく見るとうっすらクマガイとサインが入っていて、そうだったんだー、と何だかすごくうれしくてうれしい時間だったのです。
そのTさんのキッチンのご相談を平成さんから頂いておりまして、すてきな空間にL型のキッチン。どんな形が良いのだろうかと、場所を工房に移してひとつの原案ができあがりました。
実現するかどうかはこれからですが、すてきなTさんご家族の暮らしの中に溶け込めたらうれしいよなあ、とアキコと晩酌しながら話していたのでした。
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