おとうさん

2017.09.05

「ナラ節アリ材の食器棚とカウンター下収納のオーダー」

茅ヶ崎 W様

design:Wさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

ご飯を食べているちびっ子たちからはこんな感じでお父さんとお母さんが映るはず。


節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

手際のよいお父さん。

「イマイ様
Wと申します。カタログの送付ありがとうございました。
妻と楽しみながら読ませていただきました。
木の温かみを感じられるような家にしたいと考えており御社はイメージにぴったりと感じています。
ぜひ一度ショールームにもお伺いさせていただきます。
今度引っ越す戸建ては茅ヶ崎市の東海岸なのですが、住み始めるのは3月末からの予定です。
もし可能でしたら一度内見して色々とアドバイスいただければ幸いです。
まずはショールームへお伺いできる候補日を、明日明後日で送らせていただきます。」

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

こちらが、ご新居引き渡し当初のキッチンの様子。印象がまるで変わりましたね。

なんというか、とても簡潔できちんとしたメールをお送りくださるのはWさん。
どんなかたかな。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚の吊戸棚下のオープン棚の印象。

川崎から茅ヶ崎にご新居を移るということで、そのまだできたてのご新居で打ち合わせすることになりました。
茅ヶ崎の海のすぐ傍の防砂林五指に海岸線が見えるその場所に白い家が建っておりました。そこがWさんの新居です。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

節のあるナラ材は独特の表情。大きく反りが出るとこわいので、今回は、節アリ材の内部に合板を挟んで作る方法を採用しています。

「はじめまして、こんにちは。」
奥様がお仕事の都合で来られないということで、Wさんとお子さんの3人で新しい家に。
チビッ子はもう楽しそうなのですが、これは打ち合わせができるかなあ‥。
やっぱり、最初の探検が終わっちゃうとおなかが空いてくるようで、お父さんは大変。
子供にとっては大人のお話の時間って退屈しちゃうよね。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚のカウンターより下は引き出しと引き戸の収納。引戸の下はレールを使わないスッキリしたタイプのデザインにしています。(写真に写っていなくてすみません・・。)

少しはメールでやり取りしてきていたので、原案となる形はできていたのですが、家具をメインに使う予定の奥様が不在で、ちびっ子がだんだんと賑やかになってくるとだんだんと話を続けるのが難しくなってきて。
あらかじめ食器棚の形はまとまっていたので奥様からの変更の要望のメモを頂いて、あとはダイニングに考えていた収納については「こんなこともできますよ。」と言ういろんなアイデアをお伝えして、ひとつ原案を作ることに。そして、素材の表情についても、Wさんの思いを聞かせて頂き、あとはまたメールでやり取りしましょうということになりました。
もう少し、Wさんのイメージやどんな形が好きなのかをお聞きしたいところでしたが、まずは今日のお話を元に形を考えてみますね。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

引き出しの様子。私たちの取付作業の間に使い勝手を考えてこれほどきれいに片づけちゃうのですから、素晴らしい。

そうして、できあがった新たな原案をメールでお送りして、再びこちらの方に来られる際に立ち寄って頂けることになりました。
今度はご家族全員でいらしてくださって、いろいろとお話させて頂きます。
節のある素材を使うメリットとデメリットについて、同じくオイル塗装のメリットデメリットについてなどなど。
特に海が目の前という立地は、板がどんな動きをするのか分かりづらいのですが、そういったことも含めても荒々しくて他にはない表情が見たいのです、と言うWさんの思いをくみ取って、今回は節アリ材でまとめた家具を作ることになったのです。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

引戸の中の様子。掃除しやすいように中は白い化粧板です。

そうして、この家具たちができあがり、最初の予定のゴールデンウィーク前の納品には間に合わなかったのですが、その連休期間中に納品を間に合わせることができたのでした。
納品当日は朝早くからお邪魔させて頂きました。
ご主人はお子さんを幼稚園の送り迎えがあるということでいらっしゃらず、奥様が立ち会ってくださることに。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

食器棚の一番右はゴミ箱スペース。ゴミ箱の上には棚板を1枚入れているのですが、この棚板、ちょっと工夫があります。そう、奥行が狭い棚板なのです。そうしておけば、ごみ箱をちょっと手前に出すだけで、ごみ箱のフタが開けやすいのです。

食器棚とダイニングの収納の設置作業を並行して進めていたのですが、ダイニングはカウンターを延長する作業もあって、なかなか時間が掛かり、先に食器棚の設置が完了。そのタイミングを見計らって、奥様が「ありがとうございます。それでは、もう食器を入れてしまってもよろしいですか。」ということで、テキパキと引越しの荷物の荷解きを始めました。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

こちらがダイニングの収納。木で囲われた空間にしたいのです、と言うご主人の強い要望で実現したこの形。真っ白なキッチンがとても表情豊かな形に生まれ変わりました。

しばらくして、ダイニングの作業も終わりに近づいたお昼頃、ご主人がお子さんたちを連れて戻られて、「おぉ。」とうれしそうな表情のあとは、お子さんたちを手洗いに行かせて、上着を脱ぐとすぐにキッチンに立って、お昼ご飯を作りはじめます。
おぉ、お父さんですねぇ。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

一般的なペニンシュラタイプのキッチンでしたので、対面の収納を作るとどうしても奥行が狭い収納になっちゃう。そこで、カウンターをナラの無垢材で延長することにしたのです。何度か実践しているこのデザイン、好評なのです。

すぐにソースが焦げる良い香りがして、やきそばのできあがり。ちびっ子たちは静かにもぐもぐ食べるのです。
良いですね、すてきな家庭の在りかたですね。
そこで使われる家具がきっとうれしそう。

節アリナラ材の対面カウンター収納とコの字型食器棚

ダイニングの収納部の一番左側はちょっとしたアイデア。通信機器をまとめて置いておくスペースがないということで、機器がむき出しになっていたのです。それならしまえるスペースにしましょうということで、ここを機器収納スペースにしました。すぐに近くに冬用に挽いてあるガス栓があって、普段はここはガス暖房器具が置かれるのです。面白いアイデアとなりました。

取付が終わる頃には、お子さんがご飯を食べ終わる頃には、食器棚はおおかた片付いていて、あとはダイニングのほうの片付けだけになりました。
これで連休は引越しの荷解きに追われずに家族みんなで楽しい日になりそうですね。

節のあるナラ材を使った食器棚

価格:690,000円(制作費・塗装費)

節のあるナラ材を使ったダイニング収納

価格:630,000円(制作費・塗装費)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は90,000円から)

ただいま

2017.09.01

このところ、打ち合わせで工房を留守にすることが多く、工房内の予定はアキコやスタッフのみんなに任せっきりです。
アイも寂しかったようでそばに居てくれるのはうれしいのですが、仕事にならなくて「放っておいてくれよ。」と言うのですが、よく分からないようです・・。
今日は練馬のKさんの現場を確認してきました。まだ木工事が終わっていない状態なので、家具の納品は冬の初め頃になりそうです。
風が冷たくなってきていて、また冬を思い描くことができる季節がやってきたのだなあとあらためて思います。
いつも夏には冬の冷たさが恋しかったり、冬には夏の暑さを求めてしまったりするのですが、それが自分なのだからしかたない。
どこまでいっても良くも悪くも毎年そう思うのは、それが自分なのだからしかたない。
その中で自分がどうありたいか常に考えながら今度は秋を進むのです。

イメージ

2017.08.31

青花さんの新刊が届きました。
いくつか新しい本も手に入りました。ご覧になりたいかたは是非いらして下さい。

うつくしい家具って何かな。
その人にとって心の拠りどころとなるものがある形になると良いよね。
断片的なイメージをつなぎ合わせて、自分の気持ちを見つけていく、ことなのかもしれません。
そうして、見つかるものは家具ではなくて毎日の暮らし。
見つめていたのは毎日の暮らしかた。
何が見つかるかな。

ナラ柾のキッチン

2017.08.30

20170830002夏が終わろうとしておりますが、毎日暑い日が続きますね。その暑さの中でしたが、Fさんの現場は、なかなか気持ちの良い風が吹き抜けていました。
リノベーションを担当したダブルボックスの細川さんと10時にいらして下さったFさんと、今回製作を担当したコバヤシ君とで打ち合わせをして、今日どういう方向で設置工事を進めていくかを決めていきます。
カナイ君も来ておりますが、本人はバックサポートの態勢。
「あの、お名前は・・。」とFさん。
「あっ、コバヤシです。」とコバヤシ君。
良い、良い。
現在工房を見渡す立場のカナイ君がすべてをまとめるのではいつかまいっちゃう。みんな一人ずつその住む人の取付まで受け持てるように、と言うのが私たちの考え方で、カナイ君もコバヤシ君もノガミ君も見事に頼もしい存在になってきました。あとに続くカイ君もワタナベ君もどこか安心できる部分が生まれていて、良い環境であると、気持ち良くうなずけます。
細川さんがきれいに現場を整えてくれていたので、比較的順調に作業は進めることができそうです。
私は、大口開けられない口と少し痛かゆいような肩のまま(情けない姿です。)搬入と打ち合わせを終えて、秋に設置するTさんの現場である下落合まで向かいました。
こちらの現場を担当する礎コラムさんもとても丁寧に対応してくださって、スムーズに現場が進みそうです。
いよいよ秋の仕事が動き出します。
年内はこのままバタバタとしていくのでしょう。

昨日伺った所沢のUさんが言っていました。
「私もこうしてメーカーの住宅設計のスタッフとして仕事をしておりますが、いざ自宅となってもなぜか大きな高揚感がないというか、すごいワクワクするって感じが持てなかったのです。でも、イマイさんとお話してみて、あぁ、楽しい、って本当にそう思えたのです。だから、予算厳しいのにこうしていろいろ考えちゃって。(笑)社内でもね、私の家のキッチンがどんなふうになるのかって話題になっているんですよ。」
「おぉ・・、それはとても頑張ります!」

みんな楽しんでくださっている。
Uさんも、今日お話したFさんも。
現場事務所っていつもどこか苦手なのですが、礎コラムさんの現場事務所は何となく温かい空気で楽しんでいる印象。
楽しいって大事です。
自分を動かすいちばんの原動力ですものね。

楽しかった夏、さようなら。
秋もたいへんだったり辛いこともあるかも知れませんがたくさん楽しんで頑張ります!

「HANA SHONAN」に掲載されています!

2017.08.30

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今まで湘南地域に配布されているフリーペーパー「ROUTE SHONAN」に掲載されていましたが、エリア拡大に伴って、これからは「HANA SHONAN」に掲載されることになりました!記念すべき第一弾は、矢ヶ崎さんのキッチンの記事です。とてもすてきな記事に仕上がっていて、とてもうれしいです。皆様、ぜひ手に取ってご覧ください。

あさ

2017.08.25

先日の通勤途中に自転車から落車してしまい、側頭部と右肩を強く打ってしまいまして、ご飯を食べてる時も大きく口を開けると痛くて、「じいさん 口から飯が出てるよ。」って言われそうな感じで、手を伸ばして何かとろうとしても「おぉ、おぉ」と苦労するばかり。走っても肩に響くわけで、最近は歩いて会社に向かっております。
車を通り過ぎていく景色、電車から見られる景色、自転車で感じる景色、走って嗅ぐことのできる景色、そして歩いて触れることのできる景色。
同じ距離でも感じる時間や気持ちはみんな違っていて、自分が持っている時間は自分でいくらでも大きくできるんだって、思えるのです。

昔、どこかで聞いたのお話で、楊枝に印をつけていくってお話がありました。
1センチ刻みでつけた印の間、0.5センチのところにさらに印をつけていく。その間の0.25センチのところにさらに印をつけていく。そのさらに半分、さらに半分と精度良く印がつけられれば、楊枝1本にものすごくたくさんの印がつけられる。印を記録としたら、楊枝1本に膨大な量の記録がつけられるってお話を聞いたことがありました。

自分の気持ちも同じで、車で通う道は車で実際に掛かった時間よりもあっという間に過ぎてしまうような気がして、歩いて通う道はいろんな色や匂いなんかが自分の中に入っていて、辿り着くのに掛かった以上の豊かな時間をもらっているような気がして、良い気分が歩いてい時間いようにずっとずっと続いているような気がする。そういうのっていいなあ、と思いながら今朝も歩いてきました。

昨晩の蒸した暑さのあとの今朝の涼しい風は稲穂に露をつけました。

明日は中学校の側溝掃除なのに肩が上がるかなぁ・・。

福原さん

2017.08.24

夏が戻って来てしまいました。
うれしいのですが暑いです。
今日は以前から約束していたとおりに福原さんのところへ。
茅ヶ崎駅から歩くこと40分。何となくすれ違う人の視線を感じたのは、シャツが汗でびしょぬれで、肌着が透けてしまっていたからでしょうか。
「イマイ君、歩いてきたの。」と福原さん。
「ええ、一人でバスに乗るのが苦手なもので・・。」と言うよく分からない理由がありまして。
バスって乗ると、いまだにワクワクしちゃうのですが、どこに向かってどこに連れて行ってくれるのか、途中で不安になったりするわけです。
だから、アキコと一緒の時しか乗らない。
そんな42歳です。

今日は、ずっと前から約束していた福原さんのウェブサイトを新しくするお手伝い。
時々、私たちの製作例で名前が載っているからか、「実は今家を新しく経てることを考えていて、福原さんの作品が気になっているのです。もしよかったら福原さんのことを教えてください。」って電話を頂くのです。
いろいろと、まめな人なのですが、パソコンとか携帯電話とかあまり好きじゃないっていう人なので、いちおうウェブサイトはあるのですが、もう少しみんなに見てもらいやすい工夫をしてみましょうよ、と以前からお話していたのです。
話してみるととても親しみやすいのに、そこに辿り着くまでが分かりづらいってありますよね。今の福原さんがちょっとそんなふうに見えてしまうのがもったいなくて、それでお邪魔してきたのでした。
「自分がもし何かをどなたかに頼みたいって思った時に、作品だけではない何かに触れるとしたらその人のことだと思うのです。どんな人がそれを作っているのか、その人が何を考えているのか、自分だったらそれを知りたいと思うのです。」
「そうだよね、そうだよね。自分もとても普通でありたいと思うものを作っている以上、何かに飛びぬけているわけではないものね。でもなあ、文章書くのは苦手だなあ。」とおしゃべりの表現はとても豊かな人がこのようにお話される・・。
「ぜひ、書いてくださいね。きっともっとみんな知りたいはずです。」そう、何度も伝えて帰ってきたのでした。
まずは、今日までにできあがったところ。
福原さんらしい優しさが少しは表現されているのではないかと思います。文章少ないですが。

MA設計室 福原正芳
https://fukuhara-ma.jimdo.com/

Gさんの午後

2017.08.23

ふたたび厚木のGさんのところに。
印鑑をしまっておくケースをつけてほしいと言われて、ある場所に小さな細工を施した四角い箱を持って伺ったのでした。
印鑑をしまっておく場所ということなので写真はナシですが、納品後リビングでお茶を頂いて、いろいろとお話を聞かせて頂きました。
高齢の女性お一人で住む大変さはあるかと思うのですが、Gさんとお話していると、いつも午睡の時のようなゆったりとした気持ちになります。
家具もどこかゆったり見えるのは気のせいでしょうか。
楽しみにしている音楽が聴ける環境が整ってうれしそうにお話してくださるのが、私はうれしいのです。
お付き合いってそういうものです。

ステンレストップのタモのペニンシュラキッチンとバックカウンター

2017.08.22

2017082200220170822003ピーズさんが空間を仕上げてくださって、私たちがキッチンを作らせて頂いたSさんのリノベーションの現場。
さっきまで掃き出し窓だった場所が腰高窓に変わっている。
キッチンも壁に向かって作業していたのが、庭へと動線が続くリビングを見ながら料理が作れる。
暮らしかたに合わせてこうも魅力的に部屋の印象を変えられるなんて魔法だよね。
今までのどこか懐かしい空間もSさんの雰囲気によく合って魅力がありましたが、今回のこの空間はSさんの色がどんなふうに入っていくのだろう。
もうすぐお引き渡しです。

楽しみです。

丘の夢

2017.08.21

たしか昔、友人と夏の伊豆の松崎町に出掛けた時だったと思うのです。
日差しが強くて、影がはっきり黒くて、日に照らされた葉っぱたちは本当はみどり色なのに、淡いきみどり色に見える。そんな日だったと思います。
暑いはずなのに、風がそよ吹くと心地良くて、涼しげな気持ちになったように思えます。
でもこの場所が思い出なのか夢なのかが今ではもうよく分からないところなのですが、今でも夢のなかで時々現れては自分を落ち着かせてくれるのです。
夢のなかでは夏ではなくて、初夏です。
人は居ないけれど、小さな虫たちは飛んでいて、小鳥がチククって鳴く声は遠くに聞こえて。
一人だけど淋しくなくて、木陰や草むらの向こうでみんながおしゃべりしているような場所。
テリ・ワイフェンバックさんの写真を見た時に夢で見た場所が写り込んでいたようでぜひ見てみたかったのです。

と言うわけで日曜日は娘たちも連れだして、長泉町のクレマチスの丘まで。
実際に見る彼女の作品は、静かに佇んでいるというよりはそのぼかした景色のずっと奥でやさしく躍動感にあふれていたのでした。

2017.08.17

フリーハンドイマイでは、8月11日から15日まで夏季休暇を頂いておりました。
このタイミングで私たちの家具を見てみたい、とお考え頂いておりました皆様には、ご不便をおかけしてすみませんでした。
以前は皆さんにお会いできる予定に合わせて自分たちの休みを調整しておりましたが、歳を重ねるごとにだんだんと子供たちとの予定も合わせにくくなり、数年前から家族皆で休める日に合わせて、工房をお休みすることにしたのでした。スタッフ皆とも相談して、この五日間は有効に使わせて頂こうということで、各自日程を調整してバラバラに休ませて頂いた五日間。カナイ君は今週に入ってから本日までお休み、コバヤシ君、カイ君、ワタナベ君は予定通りのお休み、ノガミ君は子供が生まれたばかりということで赤ちゃんに合わせてとびとびのお休み、私たち家族は前半二日間、先日三日間のお休みを頂き、各自気持ちと体を休める五日間になりました。

子供たちはすくすく育ち、彼女たちが小さい頃は「早く大きくなって同じところで話がしたいな。」とか「もう少し自分の時間を作りたいな。」なんて思っていたのですが、実際にハルカが中学に入って以前のような無邪気さが抜けて、抑揚の効いた様子になり、さらには部活動で週末も一緒にいる時間が少なくなってくると、私のどこかに置いていかれてしまったような淋しさがすこしあったのでした。(チアキは分かりづらいところがありますがまだまだ無邪気なのです。)
人はわがままです。
でもこういう皆で出掛ける機会に、「おとうさん。」と無邪気に笑い出す姿を見ていると、やっぱりみんな寄り添ってきちんと家族になっているのだなあと実感できたのです。
家具を作るのは楽しいです。
みなさんとお話しするのは楽しいです。
でも、家族で居られることはとても楽しいです。

そして、昨日からきちんと仕事を再開しております。
お天気が悪かったのですが、ピーズさんがとても丁寧に段取りしてくださいましたので、スムーズに港南台のSさんのタモのキッチンとバックカウンターを納品できました。
次回機器を組み込んで工事は完了の予定です。

家具屋の夏休み

2017.08.16

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8月前半とお盆休み中に夏休みをいただきました。
毎年恒例のキャンプと海で水遊び三昧です。
長女が中学生になり、もう一緒に行けないのではと思いましたが、1泊・2泊すつならどうにかなるものですね。
学校の予定、習い事、宿題で結構忙しいスケジュールなのに、「絶対行く!」と言ってくれたのがうれしかったです。
また来年も家族みんなで過ごせますように。
夏休みの日程調整にご協力していただいた皆様ありがとうございました。本日から通常営業に戻っております。
これから打ち合わせ等のご予定のお客様、真っ黒に日焼けして早くも皮がむけ始めたエイジング加工のイマイダイスケになっておりまして、お見苦しい点があるかと思いますが、内容に変わりはございませんので(笑)ご了承ください。
これからもよろしくお願いいたします。

お盆休みのお知らせ

2017.08.10

暑くてじめっとした毎日が続きますね。
このあたりではまだセミは多くは鳴いておりませんし、夏らしい真っ黒な影も入道雲もこれからでしょうか。
この寒川では急激な気温の変化は見られませんが、夏は体調を崩しやすいものです。
皆様もどうぞお気を付け下さい。

さて、私たちは以下のスケジュールでお休みを頂きます。

8月11日(金)から15日(火)まで。
16日(水)から通常通り仕事を再開します。

皆様、よろしくお願い致します。

ヒノキとヒバとスギの家具たち

2017.08.09

201708090022017080900320170809004昨日と今日で、私が世田谷、川崎、沼津、清水、三島とグルグルと打ち合わせに出掛けている間に、カナイ君に指揮を取ってもらって、手の込んだOさんの家具たちの取付に行ってもらっておりました。
なかなか複雑な造作ばかりで、さらに普段あまり使わない針葉樹たちを使って大変な部分がありましたが、みんなきれいに納めてくれたようで安心しております。
頼りになるみんなが居て、私も自由に動き回れるということがとてもありがたいことです。
水曜日はなるべく定時で帰りましょうの日ですので、静岡から戻ったらもうみんな帰ってしまっておりましたが、さっきショートメールで「無事に終わりました。」って連絡が来たから大丈夫でしょう。
明日みんなに聞いてみよう。

グルグル回ってもらってきた宿題は週末に終わらせないと。お盆前にだんだんと忙しくなってきました。
頑張ります。

チェリーとステンレスのコの字型食器棚

2017.08.05

20170805002私は、午前中に2年半ぶりに目黒のEさんのところにお伺いして、午後は4年ぶりに中目黒のHさんにお会いして、「懐かしいですねぇ。」と言いながら新しい家具のご相談をさせて頂いている間、カナイ君とノガミ君の二人でやはり懐かしい昔はIさんで今はYさんのご新居に食器棚を取付に行ってもらっていました。
食器棚と一緒にキッチンもできたらいいですねえ、なんてYさんとお話していたのですが、今回はキッチンではなく対面カウンターもチェリーで一緒に作らせて頂きました。
こうすると、リビングダイニングから見た時の印象がまとまりますものね。
Yさんに以前作らせて頂いたのは、チェリーのカップボード。今度結婚するのです、ってすてきなご報告と一緒にその時家具のご依頼をくださったのでした。クレミルにもちょこちょこいらして下さったりして、とても近い存在。そして今ではすっかりお母さん。

目黒のEさんは、2年半前に食器棚を作らせて頂いたのですが、その以前から、奥様のお母さんが最初に私たちに家具のご依頼をくださったのがきっかけだったりしてもう長いお付き合い。
あの時は、「娘の結婚祝いに。」ってタンスを作らせて頂いたのですが、その娘さんはもう今ではすっかりお母さん。

中目黒のHさんは、以前に本棚を作らせて頂いたのですが、それがもう4年前。早いなぁ。あの時まだまだ小っちゃかったお嬢ちゃんは今ではすっかり可愛らしいお嬢様に。

みんなみんなに「早いですねえ。」って言っちゃう。
でも、みんなの表情は最初にあった時そのまま。むしろ、今のほうがキラキラしているくらい。
なにかこう・・、すごいなあフリーハンドイマイって思ってしまうのです。
何だかこうしてみんなといつまでもずっとつながっているんだぜ。
すごいなあ。

お久しぶりだったのですね。

2017.09.05

「ナラ柾目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

葉山 T様

design:evergreenhome/Tさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:Tさん

そういえば私たちのキッチンのカタログを見たいというメールを頂いておりました。
茅ヶ崎にあるエバーグリーンホームさんから、「イマイさんにキッチンの製作をお願いしたいと思っているのです。そのお客様は以前イマイさんのキッチンを見たことがあるそうで、それでぜひお願いしたいと。」と言うご連絡を頂いたのです。
以前ここに来て下さったTさんかぁ、・・うーん・・、ちょっと思い出せないなあ・・。ごめんなさい、Tさん・・。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

3階から階段を下りてきて目に入る様子。不思議な箱のような場所。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ナラの柾目が選ばれたのはとても良かったと思っています。この空気感によく合っているキッチンになりました。でも奥様は物静か、と言うよりは快活にお話されるかたで、キッチンとの対比(?)がまた心地良いのです。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

パントリーから見た様子。そう、冷蔵庫がないから、キッチン全体の印象が優しく映るのでしょうか。キッチンのステンレスが持つシルバーと冷蔵庫が持つシルバーの印象の違いでしょうか。冷蔵庫自身の姿がそう思わせたのでしょうか。ダイニングから見たキッチンと言う空間は静かに見えたのでした。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

コンロの奥の壁だけ、不燃にするためにタイルやキッチンパネルではなく、モルタル仕上げと言う選択もこの空間を独立した印象に見せているのかもしれません。

あの人だっけ、このひとだっけ、と思い巡らせておりましたら、エバーさんが原案となるプランを持って来て下さいました。
「今のところまだ確定ではないのですが、こういうコの字のキッチンを考えているのです。そこで、まずはこの形で製作可能かどうかを検討して頂けますでしょうか。」
うーん、コの字か、コの字と言うと「子供を呼ぶ声」のYさんのキッチンが浮かびます。
あの時もカウンタートップをすべてステンレスにするべきか、木を取り入れるか迷ったのです。
なぜ迷うのかと言うと、ステンレスのカウンター部分は極力つなぎ目を出したくないのです。コの字だと物理的に搬入が無理と言う現場が多いので、どうしてもL型の天板が限界かなって考えてしまうのです。重量もかなりのものになりますし。そこで、Yさんの時は、主に料理作業をする部分はステンレス、軽作業や収納がメインになる部分は木製のカウンター、と言う用途を分けて考えたのでした。
今回のTさんもそうさせて頂こうかな。設置階も2階だし。

クリンスイ浄水器一体水栓F914ZC

水栓は、三菱ケミカルのクリンスイ「F914ZC」です。お水とお湯のほかに浄水用のレバーがついた浄水器一体型水栓です。

さっそくいろいろと検討しておおよそかかる費用をお伝えしまして、そこからは、より細かい部分をエバーさんと検討していきます。
そうしておおよそ方向性がまとまったところで、エバーさんのスタジオである打ち合わせに、と言うか思い出せなかったTさんのお顔を見に行ったのでした。
そうして、いらして下さったのは、おぉ、思い出しました。Tさん。

洗剤ポケットのあるステンレスシンク

シンクの隅に小さな洗剤ポケットを設けました。手前にはS字フックなども掛けられるようなバーをつけています。

奥様の魅力的なおしゃべりとご主人が時々つぶやいてくださる的確なアドバイス。1年前に私たちのところに来て下さった時のことが楽しく思い出されます。たしかあの時はまだご新居の話もまだ先だったと思うのですが、こうしてあらためてお声掛け頂けるのはとてもうれしいことです。クライアントと言うよりは、懐かしい友人に再開したような気分でありました。
さてそこからとTさんと直接お話を進めて、より具体的な内容へと進んでいきます。
当初クォーツで考えていたカウンターはステンレスになり、チェリーがナラの柾目になり、軽やかなキッチンに変わっていったのでした。

ステンレスシンクと有元葉子さんの水切りカゴの様子

「奥行のあるカウンタートップだとちょっとした洗いものを置いておく水切りカゴが奥に置けて良いですよね。」と、キッチンとお話をしているとみなさんによく言われます。「シンクの隣に水切りカゴがあると、調理の動線が途切れてしまうことも考えられるし。」なるほど、皆さん良く考えていらっしゃいます。

「・・・あと、少しでも減額できる要素って何でしょうか、イマイさん。」と奥様。
そうですね・・、塗装ですかね。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

シンクの手前にはいつものように長いハンドルをつけてタオルハンガーにしています。いつものように下寄りにつけているのは、タオルが木に触れにくいように。

使い勝手と好みのテイストを探しながらも、どこかで抑えたい部分も考えながらその形に向かっていくのです。
フリーハンドイマイの家具がイマイさんらしいねって言われるのは、その柔軟性があるからなのかなって時々思います。
今まで作ってきた形を見返してみても、どこかに似たモチーフが使われている家具たちがあったとしてもやっぱり同じ形ではなくて。それが柔軟性につながっているのかな。だからみんなが声を掛けやすいのかな。
そういう立ち位置で皆さんに声を掛けてもらえることはとてもうれしいよね。
作る人と使う人の境界線が無くなって、時には、教わる人と教える人に入れ替わっちゃったりする。そうして、お互いがお互いを支え合って、家具を一緒に作っていく。そういう体験を通して物事ができあがっていく。
できあがる過程から、そして、その将来までがみんなひとつながりになっている。そういう様子を全部好きになってくれる皆さんがいる。
おもしろい仕事だなあとつくづく思います。
今もそうだけれど、昔からずっと考えてきました。
あと何年後の自分はどんな自分になっているのだろう。今のように家具を作っていられるのかなって。でも、やっぱりどうにかきちんと家具を作っていられる現在がある。
それはきっとその時の自分がそうしていたから、今の自分があるのでしょう。
自分が自分にきちんと問いかけていられる間は自分は自分の道を進むことができるんじゃないかな。
「人生は選択の連続です。」って何かで聞きました。
「選択」ってなんだか大げさだなあ。自分は自分で思った通りに進んでいるんじゃないかなって若い時は何も考えずにそう思っておりました。
何も考えていないようで、自分は自分で選んでいるんです。

「今日は右の道から進んだからあの温かい猫に会えた。」
「傘を忘れちゃったから気持ちの良いスコールを浴びることができたけれど風邪ひいちゃった。」
「街灯のないトンネルを歩いていたおかげで、陽射しがいつもよりまぶしく見えた。」

あの時あっちへ向かっていれば、って思う時もあるけれど、いまここにいるのは今までそうしてきたからなんです。
自分に問いかけて、自分はきっと持っている答えを見つけることができれば、いつでもフリーハンドイマイの家具になるのだなあ。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ガスコンロとレンジフードの位置関係。

そんなことを考えつつ、Tさんとキャッチボールを繰り返しながら、ひとつのキッチンができあがりました。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

今回のキッチンの特長である天板の厚み。ステンレスを16ミリに見せてキャビネットから15ミリ浮いているような印象にしたかったので、ナラのカウンターもそれに合わせた印象に揃えているのです。良い印象ですね。

Tさんの新居が建つ場所は、葉山の海から少し上がった丘の麓。だから、海が見えます。風が気持ちよく通りぬける場所です。そういう場所にするためにリビングが2階にできています。
いつものように階段は回り込んだ形なので、やっぱり心配なのは荷揚げです。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

ステンレスの天板とナラの天板の切り替え部分はこのような感じ。

コの字をステンレスで作るのはやっぱり搬入が困難で、今回のL型でも手摺がついていない状態で搬入させてもらえたからこそどうにかうまくいきました。
壁の一部がモルタル仕上げということで、取付は少し難しい部分がありましたが、一度工房で組みあがているので、その壁面の関わりをクリアしてしまえばあとはスムーズに完了。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

L型のキッチン、コの字型のキッチンにする時にいつも悩ましい角の部分の収納方法。システムキッチンによくみられる回転式の収納棚を使いたいと言う人は意外と少なくて、アイランドやペニンシュラになっている場合は反対面から使う形にしたり、今回のように反対面が壁で塞がれてしまう場合は、オープンにされる方が多いのです。

取付が終わったことで、次は塗装です。
キッチンの取付が終わって、そのほかの内装工事がほぼ終わって、業者さんが入らない日曜日にいよいよ塗るのです、と思っていたら、その日は施主検査の日。
そのお施主さん本人がお友達を連れて、朝早くから家具を塗っているというのはとてもうれしい光景です。

その時の様子。
2016年10月22日「さあ、塗装だ!

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

そして、そのオープン棚の手前に無印良品のPPケースにキャスターをつけてワゴンにすることで、使いやすい収納としています。そして、ガスコンロの下はワイヤーシェルフ。風通しは良いし、汚れたら簡単に取り外してそのまま洗えるので、使いやすいのです。

まずは扉や引き出しの外し方をお伝えします。外すのは一緒に行なっても、再び取り付けるのはTさんのお仕事になりますので。最近の金物はとても良くできておりますので、ワンアクションで取り付け、取り外しができるようになっています。取り外したのに、取り付けたら、扉が傾いちゃったということもないし、レールが軋んじゃうこともありません。
こういう見えにくい部分がどんどん進んでいて、作る私たちも大変助かります。

堀商店さんの真鍮磨き仕上げハンドル

今回ハンドルは、堀商店さんの真鍮磨き仕上げのハンドルを使っています。磨いただけの仕上げなので、取り付けた当初はピカピカなのですが、使っているとすぐにくすんでくる。それがまた良い表情なのです。毎日見ている人にしか分からないうれしさはこういうところなのでしょうか。

ちょっとしたコツを覚えて取外し、取付ができるようになりましたら、扉や引き出しを並べます。
その前に、塗料が垂れちゃうので、床にビニルを敷いて。
並べ終わったら、刷毛でオイルとペンキとを塗っていきます。最初はラフに塗って、あとから延ばすようにして余分なオイルやペンキを取り除くと、きれいに均一に仕上がるのです。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

引き出しの様子、その1。白い化粧板を使った引き出し。

よくいろんな現場で、オイル仕上げはザラザラするのが‥、って言われたり、実際にそういう仕上がりを目にしてきましたが、きちんと研磨して塗布することで、心地良くツルっとした手ざわりと落ち着いたツヤに仕上がるのですが、その施工方法がまだまだ塗装屋さんにも知られていないことも多いようなのです。
そのあたりのノウハウもTさんにお伝えして、作業に慣れてきたところ(「楽しい!」っておっしゃってくださいました。)で、施主検査も始まるということで私は戻らせて頂きました。
「頑張ってください!」

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

引き出しの様子、その2。あらかじめ測っておいたサイズのボトルが入るような深型の引き出し。

その後、無事に塗装も検査も終わりお引き渡しとお引越しまでがスムーズに終わって、ひと段落しましたところで、Tさんからご連絡を頂きました。

スライドワイヤーシェルフ

スライドワイヤーシェルフの様子。

「イマイさん、お世話になっております。
無事引っ越しましてキッチンも快適に使わせて頂いております。塗装もお陰様できれいに仕上げることができました。
是非見て頂きたいのでお待ちしております。イマイさんのご都合でご連絡頂ければと思います。
宜しくお願い致します。」

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

吊戸棚は、Tさんと話すうちに生まれたおもしろいアイデアで、戸棚部分はあまり圧迫感が出ないようにということで、壁と同じ白く塗装することに。こちらもTさんがペンキを塗ってコロコロ仕上げています。


toolboxさんのハンガーバーと吊戸棚

棚板が壁から飛び出ている印象にするところから始まったこの形ですので、棚板だけはキッチンと素材を合わせて、ナラ材で作っています。棚の下にはTOOLBOXさんの真鍮のハンガーバーをつけています。

さっそくその楽しみにしていたTさんのキッチンを見にお邪魔してきました。
「こんにちは、おひさしぶりです。」
ほっそりしていた奥様のおなかがまんまるくなっていて、今度赤ちゃんが生まれるのだということです。
いやぁ、素敵だ、素敵だ。すてきなことばっかりだ。
拝見させて頂いたキッチンも、Tさんがとても楽しんでこの場所を使ってくださっていることがよく分かりました。
「そうか、オーブンの部分はこう使うのか。」
「引き出しは、こういうふうに物を分けているのですね。」
「ここに時計が来るとは、おもしろい。」
ワクワクしながらTさんらしさを拝見させて頂きました。

ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

奥様の身長に合わせた吊戸棚の高さ。


ステンレスバイブレーションとナラ柾目のコの字型キッチン

家電の親子。

家族が増えると、もっともっとこの場所に建つのが楽しくなるはず。
またその頃、お声掛け頂けたらうれしいです。
Tさん、ありがとうございました。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ柾目突板練り付け
本体外側 ナラ柾目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 オイル塗装仕上げ

ナラ柾目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

山の上の劇場

2017.08.03

「ナラ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」

逗子 M様

design:Mさん
planning:Mさん/daisuke imai
producer:yasukazu kanai/kouhei kobayashi
painting:haraki tosou

「はじめまして、Mと申します。逗子の実家の2世帯住宅の建て替えにあたり、平屋部分の親世代にL型キッチン、2階建の子世帯の2階にアイランドキッチンを考えています。現在建築士の方と基本的な間取りと仕様を決めて、粗粗の見積もりを工務店に依頼している段階です。木材や塗り壁など、なるべく自然系の素材を中心に計画を進めていることもあり、その中でキッチンの調査をしていたところイマイさんHPに行き当たりました。もしよろしければカタログを送って頂き、可能であればお手隙の際にお話を伺うことができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」というメールを頂いて、まずはキッチンのカタログをお送りして見て頂くことに。

オークとコーリアンのアイランドキッチン

Mさんご家族の2階のキッチンの全景。この屋根の組み方が素晴らしくて、ずっと眺めていたい感じなのです。


オークとコーリアンのアイランドキッチン

もう1枚全景。キッチンの横に木が生えているのです。


オークとコーリアンのアイランドキッチン

キッチンからリビングを見た様子。お二人がこれからお芝居を始めそうなとても魅力的な空間。

「早速のご返事ならびに【木のキッチンがある暮らし】の送付までご丁寧にありがとうございました。カタログはこれまでに見た外見重視の物と根本的に違い、我々素人でも分かりやすく、しかもとても美しくまとまっていて素晴らしかったです。嫁さんもパラパラと少しめくってすぐに食いついておりました。(笑)」
ありがとうございます。
そののち、何度かメールのやり取りをさせて頂く中で、その年の暮れのクレミル(毎年12月に開いているこの工房とショールームを使ったイベントです。)に来て下さることになりました。

オークとコーリアンのアイランドキッチン

キッチンのリビング側の様子。以前にキッチン前の収納を作らせて頂いた「炎を囲んで」の二宮のKさんの製作例を見て、取り入れた形。


オークとコーリアンのアイランドキッチン

その扉が下に向かって開くと、このような感じ。


オークとコーリアンのアイランドキッチン

扉の下は引き出し式の食器棚になっていたり、


オークとコーリアンのアイランドキッチン

お薬などの細かいものをしまっておいて、どこからでもすぐに取り出せるようにしています。

私たちの工房では、毎年12月に小さなイベントを開いているのです。この町が寒川町倉見だから「クレミル」(名前の理由は毎年12月にまたお知らせしておりますよ。)という名前のイベントで、大きく言うと、この町がもっと楽しい町になったらいいな、ということ。小さく言うと、みんなでその期間中は好きなものを作って楽しみましょう、ということ。
決してもの作りが多い町ではなく、どちらかというと農家さんが多い待ちですが、地場の農産物はいつも賑わっているし、お年寄りは元気だし、最近は若い方も増えてきています。
そして、そういうイベントをきっかけにしてここに1台ずつ家具を作っている工房があるよっていうことももっと知ってもらいたいなあ、とそういう気持ちで毎年開いているイベントなのです。
ここ最近では、イベント中に行なっている木工教室に、今まで知り合ったクラフト作家さんも参加してくださるようになって、すてきな方向に広がりつつあり、これからさらにどんなふうに広がっていくのかが楽しみなのです。

オークとコーリアンのアイランドキッチン

今回の食器洗浄機は、ガゲナウのものを採用しております。

そのイベント期間中に、Mさんご家族がいらして下さいました。
「初めまして。」といらして下さったのは、アウトドアブランドの暖かそうなジャケットを着こんだ温かそうな表情のご主人と、キリっと目力の強いまるでお芝居を見ているような優雅な物腰の奥様。
そしてそのお二人の軽妙なお話しぶり。
うん、うんとそのお話に引き込まれて素敵なキッチンのお話が広がっていくのでした。

オークとコーリアンのアイランドキッチン

引き出しの印象、その1。


オークとコーリアンのアイランドキッチン

今回Mさんのご提案で初めて試みたのが、通称「フロアコンテナ」と呼ばれている床面すれすれの引き出し。 食器洗浄機の巾木を高くしなければいけないこともあってその部分を有効に使おうということでこの形にしたのです。

今回のご相談は、逗子の山の上にあるご実家を建て直して2世帯住宅にするということで、ご両親が使うキッチンとMさんご家族が使うキッチンを考えていくことになったのです。
イベントの時にお聞きしたご要望をまとめて、ある程度形もまとまってあとは工事が始まる前にもう一度詳しい打ち合わせをしておきたいと思ったところで、「イマイさん、実は・・。」と話が振出しに戻って、施工会社さんを新しくされることになったのだそうです。
建築士さんの設計と試算が甘かったようで、予算をお幅に越えてしまうことになり、建築士さん探しからの再スタートということでした。これは大変です。

オークとコーリアンの背面収納と吊戸棚

こちらは食器棚。


オークとコーリアンの背面収納と吊戸棚

冷蔵庫とパントリーの入り口に浅まれた中央の空間にドンと立つ食器棚。カウンターの奥行は600mm以上ある大きな食器棚です。

ということで、Mさんはきっとその間いろいろなご苦労をされたのだと思われますが、私はのんびりと1年間待たせて頂きまして、「イマイさん、ようやく・・!」とお声が掛かるのを待っていたのでした。

オークとコーリアンの背面収納と吊戸棚

今回はガス炊飯器を置けるように、食器棚の奥にガス栓をつけております。

そしてちょうど1年が経過した頃、新しい施工会社さんも決まり、現在の建物の解体も始まろうという頃に打ち合わせを再開したのでした。
新しい間取りは前回のものからそれほど大きな変更はなかったので、前回のプランをもとにあれこれ細かい部分を詰めていったのです。
今回の設計施工される会社さんは鎌倉の楽居さん。
初めて聞くお名前でどんな会社さんなのかな。

ミラーキャビネット

こちらが洗面収納。扉が全面ミラーになっているのですが、思っていたよりもキラキラ感が出ないで、落ち着いた印象。この建物の構造が良く見えるおかげかな。

Mさんとの打ち合わせがある程度まとまりましたら、今度は楽居さんと細かい納まりや段取りについて打ち合わせしていきます。かなり細かく内容をくみ取ってくださる女性スタッフさんで、これは頼もしいと同時に気が引き締まるのでした。
そして、解体、地鎮祭、上棟が終わり、初夏を迎えました。
現場で打ち合わせができるということで、現場に伺うことに。
私はね、体が大きくてもなかなか気が小さな人間ですので、特に初めて会う人にはドキドキしてしまうのです。
キッチンという仕事をしておりますと、お客様とお話する次回に施工会社さんの大工さんや監督さんとお話させて頂くことになるのですが、なぜか施工会社さんが同じになることが少なくて、毎回初めてお付き合いさせて頂く施工会社さんばかり。今回は楽居さんのことはどのような会社さんなのか事前にウェブサイトを見させて頂いたりして、見知っていたのですが、初めて現場を見た時は、大きな感動を覚えたのでした。

鏡面ホワイトの面材と白いコーリアンのキッチン

こちらはご両親のキッチン。シンプルに白い鏡面素材を使って作っているのですが、庭とタイルの緑がよく映えて、とてもイキイキとした表情になりました。


鏡面ホワイトの面材と白いコーリアンのキッチン

カウンターも白い無地単色のコーリアンを使って、とてもシンプルな印象。ハンドルはステンレスカラーのカワジュンのラインハンドルを取り入れて、シンクやガス機器まわりと印象を揃えました。

圧倒的な木の存在感。でもその何というか木がうるさくないのですね。みんな普通に成っている。柱は梁を支え、梁は柱に寄り添って、きちんとしている。その姿が美しくて、ここにキッチンを入れさせてもらえるのかあ、と感動したのでした。
「お世話になります。よろしくお願いします。」
と、現場の中にいる人たちにご挨拶。髪型はとてものびやかでしたが物静かで朴訥とした印象だったのが代表の三浦さん。結局最後までいろいろなお話を聞く機会は持てませんでしたが、現場監督で大工さんでもある井上さんがいろいろと私たちの面倒を見てくださいました。
それも今までにないくらい、何というか紳士の対応なのですね。
それがうれしくて、Mさんいいところで家を建てるんだなあ、うらやましいなあ、と思ったのを覚えております。
私たちが施工しやすいように段取りをしてくれて、いよいよ製作開始。

鏡面ホワイトの面材と白いコーリアンのキッチン

今回シンクは、いつもお願いしている高橋さんの手作りシンクではなく、コストを抑えられる量産のプレスシンクを採用。水栓は、今までお母様が使っていたものを前のキッチンから取り外して再利用。

今回作らせて頂くのは、先ほどお伝えしましたようにご両親のキッチンとMさんご家族のキッチン、背面食器棚、それから洗面台でした。
かなりのボリュームなので、壁ができあがってから採寸して製作、となると左官屋さんを待たせてしまう。ですので、あらかじめ井上さんと壁の仕上がり寸法について細かく打ち合わせしておいて、壁ができあがる前から製作を始めることに。
今回は建物が大きかったので、私たちと関わる壁面の仕上げはあとにして頂いていて、部分的に左官屋さんが壁を仕上げています。それに擦らないようにしながらこの大きな人工大理石のカウンターを2階に揚げることが大変なのでした。今回は建物の形状上、外からの荷揚げが困難でしたので、階段がちょうど良い広さだったのに助けられてどうにか搬入できました。
あとは工房で組み上げたとおりに再度組んでいくのみです。
台数が多いので、複数日に分けて設置工事をおこない、機器も組み込んでようやく完了。
なかなかのボリュームでしたので、無事終わった時には本当に胸を撫で下ろしたのでした。

鏡面ホワイトの面材と白いコーリアンのキッチン

引き出しの様子。

そして、お引越しされて2週間ほど経ち少し落ち着いてきたところで、ご挨拶にお伺いしてきました。
底抜けに明るいご主人と奥様のお話は、まるで舞台を見ているよう。
楽居さんの作ったこの空間がより舞台のような印象に見せてくれます。
「新居に入りまして一週間、素晴らしいキッチンでお料理をいたしまして、楽しくて仕方がありません。
夢の様なキッチンです。人の手でできているっていうことがとても良く分かる家作りでした。だから、とてもうれしくて、楽しい暮らしです。」

そうそう、みんな人の手でできあがったんだよね。
それが分かるそれはもうすてきな空間でした。

1階キッチン仕上
天板 デュポンコーリアン「モンタナポーラーホワイト」/プレスシンク
扉・前板 メラミンポストフォーム加工扉「鏡面ホワイト」
本体外側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
2階キッチン仕上
天板 デュポンコーリアン「モンタナポーラーホワイト」/板金シンク
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ウレタンクリア塗装つや消し仕上げ

ナラ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

偶然かなあ

2017.08.03

「タモ柾目の食器棚とテレビボードのオーダー」

大和 O様

design:Oさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:hiroyuki kai

Oさんから食器棚のご相談を頂いたのでした。
食器棚というと、いろいろとなイメージを持っているのは奥様だったりすることが多いのですが、今回は確かご主人と主に打ち合わせを進めていたような覚えがあります。
何度かメールでやり取りをした後に、お会いしてお話をすることになりましてこちらまでいらして頂けることになりました。

タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

食器棚全景、その1。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

食器棚全景、その2。ダイニングから見たところ。キッチンに絵があるっていうのはとても良いです。


ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

食器棚全景、その3。キッチン入り口側から見たところ。引き出しの上半分には真鍮のハンドルをつけて、下半分は、手掛けにしているという少し変わったデザインは、Oさんのご提案。とても良いバランスになりました。

いらしてくださってお話した印象は、どちらかというと物静かなお二人で、奥様はご主人の後ろに控えて見守るような印象で、ご主人が物腰柔らかにお話してくださるのですが、時折見せる間がどことなく特徴的なお二人なのでした。
もしかしたら、私たちに近いお仕事をされているのかなあ、そんなフワッとした香りがするような・・。

タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

吊戸棚をつけるかどうかあれこれ検討して、最終的には、ちょっと物が置けるくらいのサイズでオープンの棚をつけることに。これがダイニングから見るととても良い印象。

その時とその後のメールのやり取りを含めて、食器棚をご依頼頂けることとなりました。
ありがとうございます。
さっそくOさんのご自宅に採寸にお伺いすることに。
ご自宅はへーベルさんで建てた家ということで、ヘーベルさんの場合は独特の決まりのようなものがあって、家具の設置が難しい場合もあるので、Oさんにもお手伝い頂いていろいろ調べまして、問題なく設置できることに。

タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

吊り棚はタモ柾目の無垢材で吊り棚は作っております。

また、使いにくい位置にあった天井付近のコンセントも問題なく食器棚部分に移設できるかどうかもこの時一緒に調べることにしたのでした。
場所からすると、冷蔵庫を置く場所でもないけれど上についてしまっているので、家電とつなぐとケーブルが丸見えになってしまうのです。
これはぜひ移動したいとOさんも私も思っていて、「移動できるか調べてみますね。」とコンセントプレートを外したら、プレートにクロスのノリがついていたようで、クロスがビリっと。
(あっ、いけない。)と思ったら、慌ててしまってさらにビリビリっと・・。
「Oさん、申し訳ございません・・。」とお伝えしたら、静かに控えていた奥様が「大丈夫ですよ。次回家具の設置に来て頂いた時に張り付けて頂ければ目立たなくなりますものね。」ととても包容力のあるお言葉。ご主人もにこりとうなずいてくださって。
すみません、ありがとうございます。
結局、コンセントは無事に移せそうなことが分かり、お二人のお仕事のお話になりました。

タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

カウンターのトップはステンレスヘアライン仕上げ1.0mmの厚みの板を張っています。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

ハンドルは、堀商店さんの真鍮磨き仕上げのハンドル。使い込むと良い鈍色になってくるのです。

すると、デザイン関係のお仕事をお二人でされているのだそうで、このキッチンがある2階は住空間で、1階がオフィスになっていたのでした。
「幼稚園バスや観光バスなどのサインを作ったり看板をデザインする仕事なのです。イマイさんがお住まいの海老名でもお仕事させて頂いておりますよ。」
と、お話を聞くと良く見るバスのサインをOさんが作っていたりと、とても気持ちが近いお二人なのでした。
「ありがとうございます、壁に修理も含めてきちんときれいに作らせて頂きます。」

タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

引き出しの様子、その1。引き出しには、専用のカトラリー収納を作らせて頂きました。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

引き出しの様子、その2。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

引き出しの様子、その3。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

引き出しの様子、その4。


タモとステンレスを使ったキッチンバックカウンター

左下の扉を開けた内部の様子。

そうしてプランもまとまり製作に取り掛かっているなかでお話が変わるのですが、友人である建築士の福原正芳さんの奥様が勤めているマキさんのスタジオで、展示会があるということで、アキコがぜひとも作品を見に行きたいということで、私もあの竹林SHOPがとても好きだったものですので、家族みんなで出掛けたのです。
場所はね、ここからちょっと遠い武蔵五日市。

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

こちらはリビングに設置させて頂いたテレビボード。

いつも人気でお目当ての作品が無くなるといけないと、みんな早くから来られて朝からとても賑わっているSHOPなのですが、そこに「んっ?」見覚えのあるお顔がお会計を待つ列に・・。
おぉ、Oさん(ご主人)です。
「Oさん、Oさん!ご無沙汰しております。」と声を掛けると、「あっ、イマイさん。このような場所でお会いするとはすてきな偶然ですね。」

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

デザインのベースは、「風をはこんだ」の水戸のNさんの形をもとにアレンジしていきました。

Oさんのお住まいは大和。私は海老名。ここは武蔵五日市。
それぞれ住んでいる地から遠く離れて、この同じ時間でこのすてきな場所で出会える偶然。なんてすばらしいのでしょう。
「実は、妻が今日は来られなくて彼女から頼まれて、お目当ての作品が無くなっちゃいけないと思いまして、こうして来ているのです。」とちょっとうれしそうに、恥ずかしそうにそうおっしゃってくださいました。

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

将来的に左の壁までボードを延ばせるようにできたら良いな、というOさんのご要望に応えられるようにつないでも違和感ないようなシンプルな仕上がり。

「そうなのですね、すごい偶然でとてもうれしいです。家具の製作は順調に進んでおりますので、予定通りにお伺いできますからもう少しお待ちください。それではまたお会いしましょう。」と。
お客様と「また、お会いしましょう。」って言えるのってすごくすてきなことです。
うれしいなあ。

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

収納の上にオープンのスペースという印象は、天板の上に置くものとこのオープンスペースに置くもので明るさが変わるからか、とてもメリハリあるものの置かれ方になります。

そして、順調に製作は進んで、ちょっと濃くしたいのです、と言われていたたもののオイル塗装も順調に終わって、さて納品。
場合によっては階段を上がらないかと思って少し心配しておりましたが、無事に搬入も済んで、家具の設置も、心配していたコンセント近くのクロスの修理もきちんと終えることができてホッとひと安心。
うれしいことにそのあとに、テレビボードのご相談をも頂いて、後日納品させて頂いたのでした。

ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

引戸はガラスの引き戸。1枚だけ作り、常に片側はオープンになっているという印象。


ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

下の扉には可動棚が1枚入っています。可動棚を外せばA4サイズの本などがしまえる高さ。


ガラス引き戸のあるタモ材のテレビボード

格子扉を開けると、AV機器などがしまえるスペース。奥には、壁についているコンセントがそのまま見えるような感じになっています。

「イマイさん、次は本棚を考えているのですがまたちょっと仕事が忙しくなってしまったので、落ち着いたら連絡しますね。」
うれしい言葉です。

タモとステンレスと真鍮を使った食器棚

価格:600,000円(制作費・塗装費)

タモのテレビボード

価格:400,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は30,000円から)

ナラ柾のテレビボード

2017.07.31

「あの、茅ヶ崎のFと申します。覚えていらっしゃいますか。」とご年配の男性の声。もちろん覚えております。
なかなか興味深い形を作らせていて頂いたFさんでした。
2006年にテレビボードとダイニングテーブルを作らせて頂いてからもう11年になります。
「実は水槽のポンプが故障して水があふれてしまって、その時に家具の表面を傷めてしまったのです。」
というご連絡を頂いて、メールで症状を聞かせて頂き、水槽のお水というとカビかなぁ、カビだと導管に入っちゃうと取れないよなぁ、と心配していたのですが、ちょっとそういう言う感じの黒みとは違うようで、「それならレモンをかければ消えるかもしれません。」とお伝えすると、ほとんど消えてくれたようで。ただ、レモンを掛けたところが脱色したほうに色が抜けてしまったということで、本日メンテナンスを兼ねてお邪魔させて頂きました。
とてもきれいに使ってくださっていて、家具たちのそういう姿を見るとうれしくなります。
私の両親と変わらないくらいのお二人ですが、とてもお元気で自分でいろいろな細工もやってしまうくらいですので、その白化した部分をオイルできれいに戻す方法を実践してお伝えしました。
「いきなり自分でやるのは躊躇しちゃって。これで分かりましたので、時間を見つけてやってみます。」

このFさんが住むマンションは、とても思い出深いマンションで、ここに住むYさんMさん、Sさんなどいろいろな皆さんの家作りの手伝いをさせて頂きました。
もうみんな10年以上も前のお話ですが、ここに来るとね、気持ちが戻ります。
いろんな緩急の移ろいのなかでいろんな人に出会って助けられて今があるのだって、懐かしい人に会うたびに思うのです。

感性

2017.07.30

次女の描いた絵があるコンクールで金賞受賞をしたというお知らせを受けて、土曜日に受賞式に参加してきました。
娘の無邪気で未熟な絵を、素晴らしい経歴を持つ方々に講評していただいて、なんだか恐れ多くて恥ずかしいような気持ちでいっぱいでしたが、それと共に、娘はもう社会で個人として評価の対象になりうる存在なのだと改めて気づき、自分の考えの甘さに気が引き締まる思いがしました。
審査員の1人、彫刻家の日高頼子さんから、「これからも感性を磨いていってくださいね。それはただ絵を描き続けるということではなく、いい音楽を聴き、色々なものを見て、経験して、それが心の原風景となって、表現したいと思って、自分が描く絵に繋がっていきます。
今しか描けない絵があります。それは自分が大人になった時にしか気づけないものです。おかあさん、おかあさんが見て、この絵は目を引くな、取っておこうと思うものがあったら、それは取っておいてあげてくださいね。振り返った時にこんな絵を描いていたんだって思うことが、その子の次に繋がります。」と言っていただきました。
そうですね。
自分も「感性を磨くためにはどうすればいいのだろう?」とずっと思い続けています。その為には、世の中でよいと言われてるものを見て聞いて体験して吸収していくしかないと。
そこに費やせる時間は限られているのだと思いますが、これからも娘たちが色々なものを感じられるようにしていきたいです。
貴重な機会を与えてくださった絵画教室の先生に感謝しております。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

ステンレスヘアラインとタモ板目の食器棚

2017.07.29

20170729002201707290032017072900420170729005今日は志木のIさんのところに再びお邪魔してきました。
きっかけは、先日creemaさん渋谷ヒカリエで行なわれた「creemaかえるCOFFEE LIFE」にIさんがいらして下さったこと。
私はお店番に立てていなかったので、当日会場に居たアキコが、「志木市のIさんがいらしてくださって、senbonを買っていってくださったの!」と帰宅すると教えてくれたのです。
Iさんには施工中にクロスをちょっと傷めてしまったり(もちろん、きちんと直しましたよ。)とご迷惑をお掛けしたのですが、こうして足を運んで下さったことがうれしくて、そういえばIさんにカメラのお話ししていないし、きちんとカメラで写真も撮らせてもらっていなかった。
ということで、本日お邪魔してまいりました。
カメラのお話と、コーヒーのお話と、クラフト作家さんが多い埼玉のお話と、距離は遠いのに気持ちが近いと言ことは本当にうれしいです。
ご主人に「手が不自然だよ。(笑)」とつぶやかれながらも写真に入ってくださった奥様と楽しそうな暮らし。
私もとても居心地の良い場所なのでした。

と、最近こうしていろいろ皆さんの写真を撮らせて頂いているのに、ウェブサイトに掲載する時間がなくていけません。
あんなことがあったのに、こんな素敵な工夫があったのに。
本当にいろいろな形といろいろなドラマがあることをもっとしっかり伝えなくてはと思いながらも、なかなか進めずにおります。
頑張ります。

木とステンレスのカトラリーケース

2017.07.28

私達が作るキッチンで1番多い組み合わせの木とステンレス天板の表情を木製雑貨でも表現したいと思い作ったカトラリーケース「Punkt」。
高額な方の作品ですし、たくさんは出ないのですが、どこからどう見つけてくださるのか(笑)気に入ってくださるようで、時々通販サイトで注文がある作品です。今まで、ナラ材だけでお作りしていましたが、ウォルナットとチェリーでも作ることにしました。
とてもいい感じ!と思っていたら、マーケット出店に当選したというお知らせがありました。
お披露目できる機会ができうれしいのです。
まだまだ先なのですが、お知らせです。
「相模大野アートクラフト秋の市 2017」11月5日(日)11時~17時に参加します!是非遊びに来てくださいね!

チェリーとステンレスヘアラインのL型キッチン

2017.07.26

201707260012017072600320170726004ご夫婦そろって建築設計のお仕事をされているYさん。昨年10月の終わりにお邪魔させて頂いて以来です。
雑誌の記事に掲載させて頂きたいと思いまして、本日お邪魔させて頂きました。
お久しぶりです、Yさん。

「やっぱり設計は机の上だけでいけませんよね。いろんな職人さんが遅くまで汗水流して、こうして作業をしてくれて。現場に行くと、作業に参加するとそれがどれほど大変で素晴らしいことなのかがよく分かります。それでやっと一つの建物ができあがるわけですから。みんなの協力がないと完成しないということを忘れては建築はいけません。だから、お引き渡しの時なんてその完成した建物を私自身がとてもほれ込んでしまうわけで、クライアントさんに渡してしまうのが惜しいくらいなのです。(笑)」
大きな声で豪快にお話ししてくださるその姿は建物や空間を作ることをとても楽しんでいる姿でした。
隣でほほえむ奥様もうれしそうに聞いていらっしゃって。
すてきな場所です。
そのうち、みんなが集えるような場所にしていきたいって夢がこの場所にあるのです。
その時が来るのを私はとても楽しみしております。
今日はありがとうございました。