行ってらっしゃいテレビボード。

2020.04.10

今から8年前なのかな、このテレビボードを作ったのは。
昔のブログに載っています。
https://freehands.exblog.jp/17671960/

ずっと2階の展示室で皆さんに見て頂いたテレビボードでしたが、このたびOさんのキッチンを作らせて頂くのを機にこのテレビボードも使って頂けることになりました。
使い勝手を少し変えて、格子の扉をつけて、背板が無くてオーブンだったところを仕切ったりして完成。
側の色は8年間の日焼けで色濃くて、格子部分は若々しくてみずみずしい感じ。
また、4、5年経つとどちらも馴染んでよい色になってくるよきっと。
良いものが良い方向に向かうのは時間が掛かるよきっと。

「緊急事態宣言」を受けて

2020.04.10

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外は心地良い風が吹いております。
アイも朝ご飯を食べた後はそのままプイっと出掛けたっきりで昼にも帰ってきません。
穏やかな日差しも差し込むこの頃ですが、気持ちが晴れ晴れとできないのは、やはり新しい感染症が広まりつつある漠然とした怖さなのでしょう。
ただ、このように気持ちが穏やかになれない日々が続きますが、風通しよく衛生に気をつけて黙々と作業を続けることにしました。
ご連絡を頂ければ、きちんと準備をして展示室を開放して家具のご相談も行なっておりますので、必要とされる皆様は遠慮なくお声掛けくださいませ。

造作 洗面所

2020.04.10

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住宅街の旗竿地の二階建ての一階にある我が家の洗面所。
暗くなる気がしたので、鏡の面の壁はガラスタイルにしました。
間接的に入る明かりに静かにキラキラする印象になりました。

天板:CORIAN カメオホワイト、
鏡:5㎜ミラー、
洗面台:バスウッド無垢材、制作担当 ノガミ君、
タイル:壁 平田タイル モザイクタイル Glitter GLT-SW。床 平田タイル XT-204V-6060 です。

どなたかのご参考になればうれしいです。

掃除機置き場を考える

2020.04.10

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当初、設計士の福原さんからは壁の扉付き収納の中に掃除機をしまうように考えていただいていたのですが、いざお家づくりのお話が進んでいくとそこにしまいたいものができ、収納スペースがもったいなかったので掃除機置き場は階段下になりました。間取り的にリビングからは見えませんし、使う時にもすぐ取り出せ、充電もできるので結果この場所がベストでした。 掃除機は日立工機のコードレスクリーナー。リーズナブルで、二階建ての広さなら電池も十分足りますし、本体が軽いのと使っている間ボタンをずっと押していなくていいところが気に入っています。 無垢材の床にしたら棕櫚帚を使ってみたくて購入したので並べて収納しています。 夜間に掃除が必要な時に使っています。

水切りかごを考える

2020.04.10

我が家のキッチンはペニンシュラキッチンで、キッチン側に立って、右側壁からガステーブル、作業スペース、シンクという形です。作業スペースに水切りかごを置くと邪魔になってしまうので、シンク上を渡して置くことができるタイプにしました。シンク内に収まるタイプのものも目立たなくてよいかと思い検討したのですが、使われているというお客様から「低いからか泡や水が跳ねやすい気がします。」という意見を聞いたことがあったので、シンク上のタイプにして、天板に合わせステンレス製のもので探すことにしました。ラバーゼの水切りかごを選ばれているお客様が多いのですが、シンクの奥行きが450mmあるので合うサイズのものがありませんでした。他で探したところ、ハナウタさんの縦置きロングタイプのデッシュドレイナーがぴったりでした。ただ、我が家はキッチンの端っこで人が通る側で使っているので、両サイドのフレームの立ち上がりが低い分、重ねて乗せたお皿やコップが落ちないように積み上げ過ぎには気をつけながら使っています。
まな板はヒノキ材の40×20cm・重さ約1kg 。サイズ感が伝わりますかね。

シンク下のごみ箱収納を考える

2020.04.10

おうちの時間が増えて、「時間ができたらやろう。」と先延ばしになっていた身の回りのことを見直される方も多いのではないでしょうか?
オーダーキッチンを検討されている方から、「イマイさんの家のゴミ箱はどうされているのですか?」と質問されることがあるのでここで紹介させていただきますね。

我が家のごみ箱もKEYUKAのアロッツになりました。オーダーキッチンをご注文される方でシンク下をゴミ箱置き場にされる方はこれを選ばれる方は多いですね。見た目のシンプルさとフットペダルで開く蓋の高さが最低10cmあれば開くところが人気のようです。
我が家のキッチンは高さ90cmなので、この形だとシンク下の高さ68cm 取ることができました。キッチンの高さが低くなるとその分ここの高さもなくなるので、置けるゴミ箱の高さが限られてきます。アロッツの高さが50cmなので18cmスペースが取れましたが、このスペースが10cmギリギリだと、蓋を開けた時に真正面からしかゴミが捨てられなくなりますので、ゴミの大きさによっては手前にゴミ箱を引き出さないと捨てられないかもしれないので注意が必要だなと思います。
左側から燃えるゴミ・プラゴミ、1サイズ小さくなって紙ごみを分別しています。 右側は無印のポリプロピレンファイルボックスのスタンダードと1/2を重ねて、上の段は生ごみ用の透明のビニール袋を入れて、下の段はごみをまとめるレジ袋を入れています。以前はいいのが見つからず紙袋とかにしていたのですが、ワイドサイズが出たので選びました。
かさばらずすっきりとまとまって使いやすくなりよかったです。

うちは間取り上覗き込まないと配管は見えませんし、メンテナンス重視で板は貼りませんでしたが、配管が見えないようにもできますのでご安心くださいね。

おうち時間 : おとうさんの台所

2020.04.06

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週末の外出自粛となり、おとうさんがお家にいる時間が増えた家庭も多いのではないでしょうか。
我が家も同じで、「時間があるから何かひとつ普段できないことをやってみよう。」というふうにして過ごしています。
食べることが大好きな我が家としてはお料理やお菓子作りがテーマになることが多いですが、、。
夕ご飯の料理をダイスケさんがしてみたいということで、先週は「お魚からさばいてお寿司を作ろう。」、今週は「カレーライスを作ろう。」というテーマになりました。
マグロやタイは1匹では買えないので冊で購入して、アジを購入してさばいてみることに。
動画を見ながら、ああでもない・向きが違う・刃が切れないなどワチャワチャしながらどうにか切り身にできましたが、お店のようにきれいにはできませんでした。握りずしになるとあまりわかりませんが。やはりプロの方はすごいです。
手を動かして見るものですね。やってみないと分からないことは多いです。味は美味しかったですよ。
カレーライスも美味しくできました。大きめ野菜をバターでじっくり炒めたところがポイントだそうです。
こうして「あの時間があったから。」と思える何かがひとつでもあれば、先が見えない今の状況を日々乗り切っていけるのではないかと思っています。次回は何をしてみようかな。

Hさんのダイニングテーブルとカウンター:スタッフ ワタナベ君の制作日記

2020.04.04

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今回は、タモ材を使ったダイニングテーブルとダイニングカウンターを作らせて頂きました。
テーブルもカウンターもサイズが大きくて、特にダイニングカウンターの甲板は3メートル超えていたので、注意が必要でした。
今回はご新居が完成してから設置するということもあり、右壁から左壁いっぱいのサイズで作るのですが、無垢材なので、少なからず出てくる反りを抑えながら祖音スペースに最小限の隙間で逃がして天板を納めるところはやはり気を使いました。
また、こういうデザインの家具の場合、「インセット」に見せる方法を社長は良く採用しています。
家具としての板のラインがきちんと見せて、そのラインの中に扉や引き出しを作る形です。
反対に「アウトセット」という方法もあり、それは板のラインの上に扉や引き出しの正面の板で覆うので、家具本体のラインはあまり表に出てこない見せかたです。
アウトセットはモダンに見せて、インセットは味わいのある家具らしい見せかただということで、私たちの家具ではよく用いる仕上げ方法です。

また、それとは別に中央部のファイルケースなどが入って普段見えなくなってしまう棚の表面も木目が通るように気を付けて木取りをしています。
やはりこのほうがきれいです。

テーブルは脚元をすこし細くするデザインで、今回はタモの太い角材を使って作っています。
ナラやタモの太い角材は手に入れやすいのですが、チェリーやブラックウォールナットなどほかの樹種になると厚い板をめったに使わないので接いで太い脚を作ることが多いのです。
その分、角材が手に入ると加工がしやすくて助かります。
テーブルの天板も2メートルという、通常作るダイニングテーブルより大きいので、脚と幕板の接合には気を使いながら丈夫な作りになるよう心掛けました。

Hさんの家に設置に伺った際には、「わあ、思っていたよりも大きいのですね。大きくて塗装するのが大変そうだな。」とおっしゃられていました。
たしかに普段オイル塗装をしなれていないと、結構な体力を使います。頑張ってきれいに仕上げて頂けたらうれしいなと思っておりましたが、社長が撮った写真を見てひと安心しました。

オーク、ホワイトキャビネット

2020.04.02

Tさんがお持ちのヒュルスタのシェルフによせる印象でという依頼を頂いて、オークの厚い板が囲う中に白くペイントしたパネルが並ぶファサード。
塗り包んだ扉や引き出しというのはお豆腐のように柔らかい印象が出て気持ちが良いのですね。
なるべく白い面を平らかに見せたかったので、目地は極力少なくして押して開ける仕様にしています。
写真には写っていないのですが、右壁が奥に行くほど広く成る間取りでそこに合わせるための細工がかなり複雑で、カイ君と相談しながらもっともよい見え方になるように心がけて製作。
手が動かないと見えない部分がある家具はおもしろくもあり、いつも以上に気が引き締まるのであります。

グレイッシュセパレートキッチン

2020.04.01

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今日はダイスケさんと2人でOさんのお宅にキッチンの調整と引き出しの加工に伺いました。
キッチンが設置された時のすてきなお写真も拝見させていただいておりましたし、Fさんが設計されたお宅ということで、伺ってみたかったのです。
キッチンは、アイランド側につけた食器洗浄機の引き出しが勝手に開いてきてしまうということでした。
設置した時も床の具合を見て水平を取りながら設置しているはずなので、暮らし始めてお家全体がOさんの暮らし方に馴染んできたということなのでしょうか。またあらためてキッチンの高さを調整させて頂きました。きちんと直ってよかったです。
戸建だったり、マンションだったり、新築だったり、リノベーションだったり、キッチンを作らせて頂く場所の条件は様々です。もちろんその場所に合わせてお作りして設置していますが、暮らし始めて使い始めて出てくる不具合や調整個所はあります。
暮らしてみないと分からないことはたくさんあります。
そういう時には駆けつけてすぐ直せる距離がよいのです。なので遠方の方はなかなか作らせていただく機会が少なくなってしまうのです。ごめんなさい。(ダイスケさんに聞いてみたら、工房から300キロくらいがギリギリの距離だそうです。)
そうしないとせっかくその人のために作ったオーダーキッチンが使いやすいものになっていかないからと思っております。
引き出しの加工は、ひとつ大きく作っていた幅37センチ×奥行57センチ×高さ46センチの引き出しが「やっぱり大きすぎて。」ということで、左右に動かせる内引き出しを付けることにしました。
引き出し収納を上手に使われているOさん。ここはどんなふうに使われるのでしょうか。
作業を手伝っている途中に聞こえるお子さんの可愛らしい様子に近頃続く暗いニュースで暗くなった気持ちが癒されました。
お邪魔いたしました。お写真を撮らせていただきありがとうございました。

バックヤード

2020.04.28

「オーダーシューズ用作業台、皮切り台のオーダー」

横浜 ハドソンズ様

design:プラスマイズミアーキテクトさん/Mさん/daisuke imai
planning:プラスマイズミアーキテクトさん/daisuke imai
producer:yasukazu kanai/iku nogami
painting:yasukazu kanai/iku nogami

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

作業スペースの全景。写真で見ると広く見えますが、人が2人はいるともうギュウギュウな感じで、うーん、すてきな作業場って感じです。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

突きあたりの本棚側から見るとこのような感じ。作らせて頂いたのは、右側にあるデスクが革をカットするためのデスクで、その奥が革をストックしておく棚。そして、左側にあるカットした革を加工するためのデスク。そして、写真には写っていないのですが、背面にある本棚と作業前の革を別の場所にストックして置くシナ材で作った棚とオークのオーディオラックと様々な形を作らせて頂きました。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

作業スペースの入り口から見たところ、長い革が左手の棚に収納されています。

横浜に「ハドソン靴店」さんという路面から眺めるその店の様子がとてもすてきな靴屋さんがあります。
ガラス越しに見える靴の材料や道具に圧倒されそうなくらい魅力的なお店ですが、そのお店以上に不思議な魅力の店主であるMさん。
ご縁があって、以前大磯のKさんの「姉妹で作る家」のキッチンを任せて頂いた時、そのKさんの妹さんがKさんの家を設計して、その妹さんの一緒に設計事務所を営んでいるご主人であるマイズミさんとそこで知り合うことができまして、そのKさんのキッチンの印象をとても良く思ってくださっていたマイズミさんがハドソンさんのサロンを作られまして、そこに置く家具たちのプロデュースも行なうことになったのだそうです。
その時に、私たちのことを思い出してくださって声を掛けて頂いたのでした。
「イマイさんが作られたあのキッチンの表情がね、とても素敵だなってずっと思っていたのです。」

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そのデスクを作るのに素材のありのままの印象を見せたい、というご要望で採用したのが鋼材にまだ黒皮がついたままの状態でそのまま使う、という仕上げです。塗装もせず、切断面は鈍いシルバーのまま、点付けした溶接ビードもそのまま見せたい、ということでした。そこでいつも鋼材の加工をお願いしているオヌマさんにサンプルを作って頂いて、曲げの角度や補強材が溶接されている様子を確認してもらいました。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

お二人にはこの仕上がりはとても好評で、荒々しいけれど表情豊かな様子を気に入ってくれました。けれどもオヌマさんには、(時々黒皮でっていう相談を受けるたびに)いつも「黒皮そのままは錆がでてくるから止めたほうが良いですよ。」と言われていたのです。それほど気になるのかなあと思っておりましたら、このサンプル、2年くらい経過した今は表面が赤みを増してきました。なるほど、やはりワックスくらいは塗り込んでおかないといけないようですね。ちなみにこの写真はデスク下の引き出しがつく部分のフレーム。引き出しは吊桟で作ることにしたのですが、桟もスチールだと絶対に動きが悪くなるから、ということでこの部分はステンレスで作っています。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

その引き出し部分のフレームと引き出しが入った様子はこのような感じ。チェリーがもっと赤みを増してくるともっと鉄の印象と馴染んでくると思います。それが楽しみです。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

これが革カット用のデスクとストック棚の全体です。デスクの後ろにも板が立っているのですが、革をカットする際に革をグルグル回したり、材が長いので床まで垂れさがったりするわけですが、その時に窓に掛かるブラインドに当たって傷にならないようにガードするための板で、ストック棚の印象とデザインを揃えてマイズミさんが考えてくれています。ストック棚も全て閉じた形ではなく、素通しの状態にして通気ができることと、サイズが小さくなった革も取り出しやすいように、ということでこのようなデザインになっています。

「イマイさん、ちょっと変わったお仕事なのですが、ぜひイマイさんにお手伝い頂きたくて。実は靴屋さんのワークデスクを考えているんですよ。」
靴屋さん?
聞くとオーダーでシューズを作っていらっしゃったり、難しい靴の修理をお仕事にされている工房に机などを作りたいのだということでした。
興味深い依頼ですが、その職の専用の道具となると、自分たちの力で実現できるのかな、ちょっと不安もありました。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

こちらは乾き利用のデスクのトップ。厚み6mmの鉄板を敷いています。この後にMさんが硬質なゴム板を敷いて完成。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

先ほどのサンプルが実際にどのようになったかということ、このような感じです。

オーダーシューズショップのチェリーとアイアンで作ったワークデスク

引き出しに付けたハンドルはKUMA鍛鉄工房さんの「角9mm槌目」を使っています。

まずはマイズミさんにお話をお伺いして、そのサロンを拝見させて頂きました。
「こんにちは、はじめまして。イマイと申します。」
まずは路面店に立ち寄らせて頂きます。
それが冒頭の印象。靴の存在感に圧倒されるような店構えで、お店というよりはもう工房ですね。店先に入ってもあまり寛げる場所がなくって、革の匂いが漂う作業場です。
「はじめまして。」
と、笑顔で迎えてくれた店主のMさん。細身でとても物腰の穏やかで、おそらく私よりもお若い。イメージしていた手がごつごつしていて、髭を三つ編みしているような思い描いていた靴職人さんとは違うのでした。
「じゃあ、サロンのほうへご案内します。」
と支度が残っているMさんよりも先にマイズミさんと私とでそちらに向かうことに。
工房から5分くらいと見えてくる車どおりの少ない場所に立つ古い集合住宅。
この一室をリノベーションしたというサロンは、「お邪魔します。」「ちょっと待ってくださいね、今電気付けますので。」と言ってブレーカーを上げて照明をつけても部屋の奥まで見渡せないようなとても雰囲気のある照度の室内。
躯体がむき出しの壁や床に素材をのそのまま見せたような間仕切壁が立ち、モールテックスを塗ったのです、と言っていた白いステージが応接スペースになっている独特の空間でMさんとマイズミさんの個性全開な感じです。

チェリーの本棚

こちらはチェリーの突板で作った本棚。

「ここにいくつか作りたいものを考えているのです。」
「どちらかというとお客様に見せる家具ではなく、バックヤードで使う家具なのですが、それをとても印象強く作りたいのです。」
なるほど。
マイズミさんのイメージは、こうでした。
空間と同じく素材そのままを見せられるような家具にしたくて、さらにはワークデスクとしての耐久性もきちんと考えられた形。そのほかにステージで使う音響機器をディスプレイしながらも家具自身がきれいに見える形になるようなオーディオラックも作りたい、ということでした。
うーん、とても抽象的だ。
Mさんの要望はどうなのかな、と思って、あとからいらっしゃったMさんにお話を聞くと、「素材の良さがきちんと表現されている形がすてきですよね。」ともっと抽象的だ。
私は作家ではないので掴みどころが難しいと形を考えるのにとても困ってしまうものでして、どちらかというとご要望という名前のいろいろな条件をクリアしながら形を作っていくことに慣れているので、頭を悩ませておりますと、「大まかなイメージは思い描いているものがありますので、それをMさんと詰めていってイマイさんに提示できるようにしますので。まずはこの場所を見てどんな感じがをつかんで頂けたらと思っておりまして。」とマイズミさんがフォロー。
そうですね、とひと安心。
ここから、マイズミさんの思い描く大まかなイメージをメインに肉付けを重ねて具体的に実現できる形へと考えていったのでした。

オーク節アリ材を使ったオーディオラック

オーディオラックはオークを使って製作しています。ステージの上にトラックファニチャーさんのソファとローテーブルがあるのですが、その印象に合わせて作ってもらえますか、ということで馴染むような形を考えさせて頂きました。このオーディオラックのトップは皮切り台と同じように下地のままでこれからMさんが靴に使っている革を張り込んで完成。

オーク節アリ材を使ったオーディオラック

側板や天板の面取りの具合。

素材をそのまま表現することはただシンプルになることではなく、形として成り立つ質素さで素材の良い表情もうまく出せたらよいなという話になりました。また、古いビルのような集合住宅でエレベーターもなく、半ば閉じられた階段しかなく、古いてっいを開けると少し入り組んだ設計の空間ですので、搬入がかなり難しいため、そのこじんまりした空間に搬入できる方法と現地で組み立てられる方法を模索しながら、どこまで装飾をそぎ落とすことが良いのか、3人で悩みながら形はできあがったのでした。

シナとスチールのシェルフ

こちらがバックヤードに置かれたもう一つのストック棚。シナの無垢材とスチームむき出しのフレームでできています。

シナとスチールのシェルフ

黒皮もついておらず、地金の鈍い色とシナの淡い色がとても良い感じで、ここに置いておいたらもったいないってマイズミさんもおっしゃっていましたね。たしかにとても良い表情なのです。

こうして、なかなか知ることのない世界を見聞きできてとても貴重なお仕事をさせて頂くことができたのでした。実はまだこれでサロンが完成したわけではないようでして、また存在感のある形が必要になったらお声掛けしますね、とお二人にそう言われてしまったのでした。
大変ありがたいお声掛けで、頭を悩ませながら頑張りたいと思います。
「今まで修理をメインに行なってきた部分があるのですが、ここでは自分の表現できる靴を作り上げていきたいと考えているのです。今考えているのは、ロード・・。」
面白い仕事が広がっていきそうで、私の楽しみにしています。
お二方、このたびはありがとうございました。

オーダーシューズ用作業台、皮切り台

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。