こんにちは、Yさん。

2021.03.31

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2月に納品させて頂いたYさんのところに、お手入れの方法をお伝えするためにお伺いしてきました。

「イマイさんのことは以前にどなたかのブログで知ってからずっとここの家具をお願いしたいって考えていたのです。」
「でも、実際に相談しようと思った時に自分の中ではっきりとしたイメージを持っているわけでもないし、私たち夫婦二人とも絵が苦手だったり、毎日慌ただしかったりで、延ばし延ばしになっていたのです。」
「でも、子供が小学校に入るタイミングできちんときれいにしたいって思っていて。」
「それでまだまだ気持ちは漠然とした部分があったのですが、まずはご相談させて頂いたのです。だから、当時はこんな気持ちで相談してよいのかなって思っていのたです。」

その言葉を聞いて、頂いていたチーズケーキがぽろっとこぼれるくらいハッとした思いになったのでした。

私は、(こういうとずるいのですが)家具を考えるのが苦手なのです。
「イマイさんの形が好きだからお任せしますっ!」なんて言われちゃうと、もうどうしようもなく困ってしまうのです。できれば、皆さんからいろいろなご要望を教えて頂けた方が形がまとめやすかったりします。
これって、自分にとって都合の良い方向に逃げちゃってるんじゃないかって、Yさんの言葉を聞いていてふと思ったのでした。

皆さんは、まだまだ細かいことが分からなかったりする「オーダー家具」や「オーダーキッチン」というものに対して、「よしっ!」を覚悟を決めて相談してくれているのに、私は物事を簡単に考えたいって気持があって皆さんにスケッチや具体的なご要望を求めてしまっているのかも・・。もっと皆さんの思いに応えらえれるように、また皆さんがもっと思いを伝えやすいような状況を作ることが大事なんじゃないかって、気づかされたのです。

そう、きっかけはもっと気安いもので良いはずです。
そこから家具に対してきちんと思いを持っていれば、お話するうちにおのずと形や暮らしが見えてきます。
そのイメージや気持ちを引き出すことが私の仕事で、そのきっかけは本当に小さな気持ちで踏み出せるものじゃないといけないってあらためて思ったのです。
今日はそのようなうれしいことがあったのでした。

それから、もう一つ。
いろいろと写真を撮らせて頂いている時に、ご主人の視線がどことなく熱い・・。
なぜだ・・。
と思いながら撮り終えて、カメラを片づけていると、「そのカメラのメインの部分は実は私が設計に携わったのです。」
おぉ、すごい。そうでしたか。
それから、どうしてこういうふうに一眼レフを使ってまで写真を撮るようになったか、扉や引き出しを開けてまで写真を撮らせて頂くようになったのか、そんなお話をしておりました。

そういえば、ホームページを自分で最初に作った2000年当時は、こう思っていたなあ。
あの頃って、まだ「オーダー家具」「オーダーキッチン」なんて言葉はなくって、仕事の進め方も今とは全然違っていて、個人様向けの家具を作らせて頂くことなんて本当に稀なことでした。
設計士さんや内装屋さんから図面が下りてきては短期間で作る毎日は、本当に家具を作っていると言えるのか疑問ばかりの毎日でもありました。
その頃にふと始めたホームページ作りは、仕事の息抜きにもなって楽しかったのですね。
だから、まるで自分の日記のようにあれこれ文章ばかり書いていたら、父から「そんな細かい文章ばかり書いていたって読んでくれないんじゃないかな。もっと施工前と施工後写真を大きく載せたほうが良いんじゃないか。」ってよく言われていました。
そうだよなって当時も思っていましたが、でも家具は買うだけではなくて作ることができるんだよっていうことをもっと知ってもらいたくて、長々書いていたのです。
もっと気軽にもっと身近にっていう思いで始めたものですから、「なんだか家具屋さんのホームページっていうよりは日記を読んでいるようで親しみやすいです。」って皆さんによく言われました。
うれしかったですね。
その頃に、「写真もね、きれいな写真ばかりじゃなくって、もっと家具をどんなふうに使っているか分かるといいのにねえ。」とご年配のご婦人から言われたのです。
なるほどーと思いましたね。今までそういう思いってあまり持っていなかったので。

それから今のような見方が生まれたのです。
気軽に、身近に、手に取るように、その人の家に遊びに行っているように、家具を伝えることができたらすてきだろうなと。
今でこそブログというとひとつの職業にもなりえていますが、私もかなり早い時期から今でいうブロガー(?)だったわけです。笑
どのくらいの皆さんが見てくださっているのか分からないのですが、そこでは家具をいろんな形で、私たちの暮らしをいろんな形で伝えることで、オーダーすることを近くに感じてもらいたいって思いがありました。

【昔の自由な手たち】
https://freehands.exblog.jp/
時々自分で読み返して、変なことばかり書いているなと苦笑いしております。

それが、忙しくなってきたからって、「もっと欲しい家具の情報を教えてもらえないと家具が考えづらいです。」なんて思っちゃったりしたら、自分の今までの思いがゼロになっちゃう。
いけませんね、今日Yさんとお話できてとてもうれしく、また大切なことに気づかされたのでした。
みんなで頑張っていきます。

Mさんのキッチンキャビネット

2021.03.31

山あいのまきばの家のような趣のあるMさんキッチン周りを部分的に改修するということで、シンクよりも左側のキャビネットだけを新しく私たちが作らせて頂いたのでした。
左側にあったテーブル焜炉をビルトインタイプにして、プロペラファンをレンジフードに交換するということが大きな目的。
そこから広がって、内装も少し変えていくことに。
内装工事の担当は、いつもお願いしているkotiの伊藤さんに。
もう春も過ぎますが、kotiさん、今年もよろしくお願いします。
このMさんをはじめとして、夏ごろまでにkotiさんと一緒に何度がお仕事させて頂ける予定で、リノベーションを通じて皆さんの暮らしかたが心地良く変わってゆく様子を見られるのが楽しみです。
まずは、Mさんのところにタモ柾目のキャビネット。
まだ真新しい雰囲気は次第にまわりの古い形に馴染んでいってくれるでしょう。
ワークトップの今回新しくしています。
今までは木製天板に塗装が施されていたのですが、時間を経てべたつきが出てきてしまったということで、デクトンに交換しています。

また、全ての工事が終わったらお邪魔させて頂きますね。

庭のお手入れ

2021.03.28

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先日ダイスケさんとお休みをいただきました。夫婦で経営しているので四六時中一緒にいるわけですが、それがいい面と悪い面がある気がしています。(仲が悪いわけではないので安心してください。笑)ずっとお仕事中のような感覚になって、「これが一生続くのかなぁ。」と離れたくなる感覚になる時が時々あります。そのためには普段あまりしていないことをすればいいのですが、緊急事態宣言が解除されない中ではお出かけもし辛いので、そんな時は身の周りを整えればいいんだ、自分一人ではできないことをピックアップしてみると、お庭のお手入れをすることになったのでした。
マンションのベランダで使っていた低い物干し台を引っ越した後も使うかなと思いお庭の端っこに置いていたのですが、1年経ってもほとんど出番がなかったので粗大ごみに持っていきました。するとその場所がぽっかり空いてしまったのです。
スペースができると何か置きたくなるものです!そう思ってからはずっといろんな木を調べていました。
ダイスケさんから「キッチンを納品したIさんが教えてくれたのだけど、お庭の植栽はこの近くの植木屋さんにお願いしているのだって言っていたよ。」と聞いて行ってみたくなったのでした。
お家を建てた時の植木屋さんは設計士の福原さんのご紹介でお願いしたのですが、そういう繋がりがないとなんとなく突然は行きづらいところです。Website の情報もなかったりするところが多いのですが、こちらは置いてある樹種もリストアップされていたので脚を運んでみようと思えたのでした。長嶋園さんです。とても広い場所のたくさんの木々の間を抜けて受付場所にたどり着くとわくわくしますね。お目当ては、榊とシルバープリペットだったのですが、アホニアコンフーサーも薦められて仲間入り。土を買いに行ったホームセンターで大好きなヤグルマギクを見つけてその子も仲間入りすることになりました。
家に連れ帰って、霜にやられてしまった植物の植え替えと植え付けです。お庭を掘ってみたら思いのほかたくさんの石が出てきてびっくりしましたが、お家を建てた時のものというわけではなく、河原のような丸い石で、川から近い場所だからかなと思いました。ガツガツ音をさせながらダイスケさんが汗だくになって掘ってくれて、無事榊を植えることができました。
元気に育ってくれますように、ちゃんと調べてみていかなくちゃ。そしてもっと木が大きくなって葉が繁ったら、神棚に飾るお榊にするのが憧れなのです。お庭が希望通りに整って私の心も整った、そんな休日だったのでした。

日刊Sumaiに記事を掲載されています。

2021.03.27

3回目の記事のテーマは「キッチンの吊り戸棚は、引き戸&コンパクトが使いやすい。納得の理由を解説!」です。
お家づくりで間取りが決まり、キッチンの位置・形・向きが決まるとリビングからの見え方や動線、収納したいもので収納の形を考えていく必要があります。でも、その人にとって「こうしたい!」というポイントは本当に人それぞれです。今まで家具を作らせていただいたお客様の形を交えながら記事を書かせていただきました。興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。よろしくお願いします!ちなみに写真は日刊Sumaiに掲載されている写真の反対側の収納の様子です。

日刊Sumai @nikkan_sumai のWebsiteからジャンル「住まい」→ 「住まいのお役立ち情報」→「家づくり」

題名
「キッチンの吊り戸棚は、引き戸&コンパクトが使いやすい。納得の理由を解説」

https://sumaiweb.jp/articles/230903

スケッチたち

2021.03.27

「L型のキッチンにしたい。」というご家庭では、やっぱり奥さんがお一人でガシガシとキッチンを使いたい、というご意見が多いです。
特に壁付けでL型となると、一人の時で使う動線としてはコンパクトで、あれやりながらこれもやってと同時にいろいろとこなせそうですが、ご主人やご家族と一緒に立つと、水と火が近かったりすると、「ちょっと熱いお鍋がそちらに行くよ。」とか「後ろで包丁通るから気を付けてね。」とか掛け声しないと、肩がぶつかっちゃいそうだなあと思ったりするのです。
でも、そんな掛け声溢れるキッチンの様子を見るのはなかなか楽しそうです。
我が家なんて4人でキッチングルグル回ったりするので、みんな揃って何かこしらえる時はやかましいくらいです。笑
1面が壁付けではないL型になると、回り込んで作業ができたりするから、お料理教室の先生方がそのレイアウトを取り入れることも多かったりします。
このスケッチのキッチンだと、もう奥さんの気概が見えるように感じられます。
「よし、このキッチンでいろんな物作っちゃぞ。」ってね。
でも、いろいろとご縁がつながらなくて取り止めになっちゃったのでした。残念!

タモのI型キッチン

2021.03.25

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うねうねと続く海岸線から起伏の富んだ山道を抜け、ようやくたどり着いたのは城ケ崎海岸。
この先の暮らしをこの場所でと考えているTさんからキッチンのご相談を頂いており、今日がようやくその納品日でした。
このところ、私たちのような建築に関わる仕事は、周りも含めてみな慌ただしくしているようで、予定していて時期から1か月ほど遅くなってようやくキッチンの設置ができる状況になったのでした。
それこそ、待ちに待ったというTさんには大変喜んで頂け、お天気にも恵まれたとても良い納品日でした。
まもなくつなぎ工事も終わって、キッチンも使えるようになりますので、その時にまたあらためてお伺いしますね。
ひとまず設置が完了。

チェリーの食器棚

2021.03.21

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今日はなかなか荒れた天気でした。
その中、Kさんの食器棚の設置にノガミ君とカイ君が向かってくれました。
戻ってきてカイ君が「無事に設置完了しました。」と報告をもらってほっと一安心。
木の壁の家にしたかったのです、とおっしゃっていたKさんの室内はすべて板張りで、とても温かい印象です。
そこにこのチェリーの食器棚が置かれて、色の変化が楽しみな空間ですね。
もうすぐお引越しということで、またあらためてお伺いできるを楽しみにしているのです。

工房では午前中に東大和市からKさんがキッチンのご相談にいらしてくださって、魅力的な形を作らせて頂くことができそうで、こちらのお話も楽しみです。

私のまわりでアイがずっとグルグルグルグル。
外に出られないからつまらないようです。

不思議な椅子

2021.03.21

Mさんからご相談を頂いた時にどうやって作ろうか迷っていた椅子がようやく完成です。
「旅行先で座ったあの椅子がどうしても忘れられなくて・・。」というなかなかドラマチックなご相談だったのです。
その宿泊先に相談しても椅子はもう廃番になってしまっていたそうで、それでどうにか作れないものかと、私たちにご相談くださったのでした。
背が直角で真ん中に穴が開いていて、どういうデザインだったのだろうと思うのですが、Mさんとしては普通に座る以外にも反対を向いて座れるように使いたいから、このドーナツの穴が大切っておもしろいなあ。
フジタケさんにも苦労して張ってもらって、本日ようやく完成。
不思議な形ですが、実は見た目以上に座りやすいのです。
それも不思議。

洗濯機の買い替え

2021.03.21

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1枚目の写真は古い方の洗濯機のもの。2枚目が新しいものです。
Instagramなどでお家づくりの投稿を読んでいると新居への引っ越しのタイミングで家電を買い替える方々が多いことを知りました。我が家は使えるものは使う考えなので不具合が出始めたりしているもの以外はそのまま新居でも使っていました。
2月頃から、洗濯機の中身の片寄りセンサーが過剰に反応してしまいずっとすすぎが回る状態になってしまいました。それ以外は使えているのでどうしようかなと思いながらも使っていましたが、毎回そのタイミングで洗濯機の様子を見に行かなきゃいけないのがストレスになってきたので買い替えることにしたのです。7~8年は使ったかしらとみてみるとTOSHIBA社の2010年製のもので、チイと同い年のものでした。もうこんなに使っているのならということで、洗濯機選びを始めました。
今まで縦型しか使ったことがなく、お家づくりで洗面所の形を考える時に確か福原さんからも「ドラム式とかにする?」と聞かれたのですが、「うち縦型派なので。大丈夫です。」と即答していたと思うのですが、いざ買い替えでいろいろな洗濯機を調べてみると、どのデザインも機能も魅力的で、買わないと分かっていてもドラム式を調べてしまったりしてしまうものですね。ドラム式を置けるように洗面所を広めにしておけばよかったのかなぁとも思いましたが、そうなると壁を挟んで反対側の収納の奥行きが狭くなってしまいA4ファイルがしまえなくなってしまうので、現状で良かったのだ、と改めて確認できました。
日頃の生活でいつの間にか忘れてしまっている自分たちが家づくりの時に決めた暮らしの形を、こういう機会に見直していくことが暮らしやすさを考えていく上では必要なのかなと思いました。
新しい我が家の洗濯機は朝一度に回して済む10㎏サイスの縦型。浴室乾燥機があるので乾燥機能はなしのタイプにしました。ネットで注文して会社に届くようにしてダイスケさんと交換作業。古い洗濯機をきれいに掃除してリサイクルセンター(会社からすぐそばの場所でした)に持っていくと、洗濯機・冷蔵庫・エアコンが山積みになっていて、こんなにたくさんの家電が捨てられているのかと分かると衝撃的でした。それを何個も持ち上げて積み上げてはフォークリフトでトラックに積み込んでいる作業員の方々が特別体が大きい方々ではなかったのですが、とても力強くて最強なんじゃないかと思えました。そしてあんなに家電が処分されている現状を見て、修理してもう少し使えたのかなもったいなかったかなと反省しました。頭では分かっているつもりでも目にすることで感じ方は変わります。子供達も連れていけたらよかったのになと思います、いい勉強になりました。家電も物も大切に使っていかなきゃいけないなと思います。

卒業式

2021.03.20

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昨日は次女チイの卒業式でした。保護者2人まで参加可能だったのでダイスケさんと参加することができました。
今まで当然のようにしてきたことができなくなって1年以上になりますね。その事実さえあれば式のような催し物はなくても物事は進んでいくこともわかってきてはいましたが、やっぱり一緒に生活しているのですから、お祝いしたり悲しんだりその時間を共有して過ごしていきたいなと思いました。いい時間でした。この式を実現させるために学校の先生や関係者の方々の様々な準備があったのだと思います。ありがとうございました。
いつも室内にお花がない我が家ですが、一気に華やかになりました。やっぱり緑があるのは癒されますね。

白い脚

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白もよいです。
とても洗練されていて美しく、天板がナラの節アリ材という癖のある素材を使っているので、より際立って美しく感じます。

玄関の飾り棚

2021.03.15

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もともとある玄関に増築された前室のような場所。
庫裏をつなぐ通路のような場所ですので、少し季節のものを飾れて、なおかつ玄関の履物をすっきりさせたいという、Kさんのいつもながらの細やかな気配りのある家具。
増築された部分は福原さんの設計ですので、我が家のようにツガの板張りの壁です。やはり季節で木は動きますので、壁が少しカーブを描いていて、さらには角が鈍角になっているので、先日取り付けに出かけていたワタナベ君とヒロセ君がなかなか苦労していた様子が分かります。
「扉がつかないの?」って聞かれたんです、と戻ってきたワタナベ君に言われたのですが、いつものようにあうんの呼吸で決まった形でKさんも私もおぼろげで・・。いけませんね。
「でも扉無くても良い感じなので、しばらくこのままで使ってみるわね。」とKさん。
そうですね、でもそのうち格子扉をつけても、壁のラインと相まってとても良い印象になりそうで、それもまた楽しみだなあと思うのです。
今度はね階段の下に敷く台を作らせて頂くことに。

季節外れのシュトーレン

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大好きなシュトーレン。毎年うさぎパンさんや鎌倉マザーズカフェのウスダさんのものをいただけるので自分で作ったことはありませんでした。今年こそやってみよう!と思い、年末に富澤商店さんのセットを買っておいたのです。シーズン中は手元に食べるものがあるので作る気はせず、いつかいつかと思っているままパントリーの奥に追いやってしまっていたらしく忘れてしまっていました。先日、「お母さん、これ期限切れちゃいそうだよ。」とお菓子を探していたチイに指摘されて思い出し作ってみました。アーモンドをオーブンでローストしている余熱で生地を発酵させられたり、パン生地をちぎってと他の生地と混ぜる作業が面白かったです。溶かしバター・グラニュー糖・粉砂糖をまぶす作業は、「うわ~、カロリーこわ~い。」と思いながらやりました。(笑)自分の好きなものが何からどうやってできているのか知るのは食べ方も考えるきっかけになるので大切なのですね。全行程時間220分と書いてある通り、キットになっていて2本作るだけでももう十分なのですが、これを一度に10本とか焼いているという話を聞くと本当にもうすばらしいなと思います。
1セットから2つできたので、ひとつは両親にプレゼントしたら喜んでもらえたのでうれしかったです。
また来年も、このキットなら挑戦できるかなと思いました。よい勉強になりました。

あさごはん

2021.03.14

今日はとても良いお天気だね。
今日は一日雨降りでしたから、アイは少し寝てはモソッと起き出してアルミ戸に爪を立てて「外に出るのだ。」とカリカリするので(ぞわぞわするのでやめてください)開けてあげると、そうっと顔を外に出してはパチパチなる雨音をつまらなそうに耳を立てて、少しすると目をしばしばさせてまた中に引っ込む。それの繰り返しで退屈でしたね。
さっそくご飯を食べたら、裏庭に出かけておりました。

展示室の奥は、しっかりすき間を塞ぎ切れていないせいか、1階作業場のパネルソーから出る木の粉が微妙に入り込んできていて、放っておくとうっすら展示室に粉が積もるのです。
今日は午後からキッチンのご相談にHさんがいらしてくださるので、きれいにしないとね。

あとでね、アイ。

ブラックチェリーの食器棚

2021.03.13

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先週、タイルの施工も無事に終わったというご連絡をkotiの伊藤さんから頂いていたので、今日あらためてNさんにご挨拶に伺ってきました。
なかなかこういう雰囲気の食器棚を作らせて頂く機会は少ないのですが、このところ食器棚とタイルの組み合わせで作らせて頂く機会が多くてうれしいです。
タイルの表情って優しいんですよ。
そして、今回上に向かって開く格子扉にはめ込んだのはウォーターテクスチャーという波紋のような模様が特長のガラス。
こういう格子のサイズやガラスのテクスチャーとタイルの印象が相まって、とても良いキッチンになりました。
まだまだ色若いチェリーですが、すぐに赤みが増してくるので、もっとずっと良い印象になっていきます。
楽しみですね。
それと細かい部分ですが、使う金物の選定って大事だなと感じています。
この格子扉は上に向かって開く扉ですが、以前にはソフトダウンステーというものを使っていたのですが、意外に初動作に力が必要だったりして、毎日何度も開け閉めする部分で、さらにキッチンに立つのは女性が多いですから、そのたびに力が要るってなかなか不便で、今はそれは止めてフリーストップステーを使っているのです。構造も単純で、デザインもどこか懐かしくてね、良いのです。

明日は、伊藤さんが世田谷のYさんのところのタイルを施工してくれます。
またできあがりが楽しみです。

左側のコンセント差込口と右利きのハンドミキサー

2021.03.13

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我が家のキッチンです。私は右利きなのにコンセントの差込口は左側についているのでコードが体の前を通ります。
「あら、オーダーキッチン作っているのに設計ミスですか?」と思われるかもしれませんが、違います。ちゃんと自分なりに考えたのです。食洗機はつけませんでしたが収納スペースを確保したかったのです。ひと月に一度使う位のこの位置のコンセントの為に上段か下段の一段分の引き出し収納がなくなってしまうのは嫌でした。この形には満足しているのですが、やっぱり使う時には気になるのです。ハンドミキサーを置くときに左側にコードが流れるのでミキサー本体の下にコードがきていちいちよけるのが使いづらかったのでした。でも写真のようにハンドルの中にコードを通せばその使いづらさが解消できることがわかりました。すごく小さなことです。「コードレスなら?立ち上がりのあるキッチンだったら収納スペースも減らさず作業スペースの所にコンセントをつけられたよね?」という方もいらっしゃるかもしれません。ハンドミキサーだけの機能でコードレスのものは当時見つかりませんでしたし、コンセント口の為だけにフルフラットのキッチンをあきらめる気はありませんでした。でも意外とこういう小さなことの積み重ねが、その人にとっての使いやすさ・暮らしやすさ・居心地のよさを決めているのではないかと感じています。
この日も事務所で一緒に仕事をしている時にダイスケさんがふと「チーズケーキ食べたいなぁ。最近食べてないなぁ。」とつぶやいたのです。私は「そうだね。」とただ返事をしました。心の中で「わざわざ製菓材料屋さんまで行く気はない。でも帰りに夕ご飯の買い物をする時、そのスーパーにチーズケーキの材料が揃っていたら作ろう。ひとつでも揃わなかったら今日は作らない。」と決めました。思い立った時にいつでも失敗しないで作れると栗原はるみさんが言っていたレシピを参考にしました。グラハムクッキーはなかったのですが小麦胚芽クラッカーは売っていたので揃いました。そして夕ご飯前に作ることができました。これでもう私は急な「チーズケーキが食べたい。」という家族のリクエストに応えられるようになったぞとレベルUPしたようないい気持ちになれました。こんなことです。こんなことをひとつひとつ解決していきながら暮らしていけたらいいなと思っています。

シーザーストーンのトップと、白太、赤身の表情豊かなナラ材を使ったキッチン

2021.03.09

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昨年末に納品させて頂いたIさんのところにお伺いしてきました。
「以前にコウケンテツさんがご自宅でお子さんと一緒にお料理をしている番組を見ていて、あぁこのキッチンすてきだなって思ったのが、この形にするきっかけだったのです。」とIさん。
それ以来、Iさんと平成建設の設計のTさんと一緒にどうしたら表情豊かなキッチンになるかをあれこれ悩みながらようやくたどり着いた形ですからその思いが写真にもあふれています。
「やっぱり引き出しのなかも写真に撮るのですね。もっときちんと片付けておけばよかったなぁ。」とIさん。
「でも、実際に使っている様子が見れてうれしいって皆さんおっしゃってくださるので、私はその様子を拝見させて頂けるのが好きなのです。」
「そうですよね、私も何度も何度も皆さんの引き出しの様子見ましたもの。」
「でも、引き出しの様子を見られるなんて、何だか自分の裸を見られるよりも恥ずかしいのですよ。」とIさん。
目の前にいらっしゃるかたからそういうふうに言われると、ドキッとしてしまいます・・。
でも、たしか以前にも同じことをおっしゃってた方いらしたなあ・・。
そういうものなのかなあ・・、と何だか余計なことを考えてしまってはいけません。
これから迎える夏の日差しにどう向き合っていくか、とか、庭の植栽をどんなふうに見せていきたいか、とか、気が付くと、午前授業のお嬢さんも帰ってくる時間までいろいろなお話を聞かせてくださいました。
ありがとうございました。
すてきな暮らしが始まったばかりでにこやかなIさんから元気を頂いてきました。

それから、このご縁の今回一緒にお仕事させて頂いた平成建設のTさんと一緒にまたキッチンを作らせて頂けそうなのです。
今度のテーマはルドルフシンドラー邸です。
楽しみなのです。

8年間

2021.03.09

懐かしい、7年前くらいのハルチイの写真です。前の家の押し入れの前ですね。
先日次女チイの体操教室を卒業しました。(幼稚園児と小学生のレッスンしかない教室なので。)
幼稚園の年中さんから通い続けて8年間。最後の2年間は同い年の子が誰もいない状況でしたが通っていました。
日頃からなんでも長女ハルははっきり発言してくれるのでわかりやすくて助かるのですが、チイはよくわからないなぁと感じることが多い子です。「鬼滅の刃」で例えるならカナヲちゃんっぽく(ファンの方すみません。親バカの戯言です。)勉強も普通にできるし、運動もできるのですが、自分から声を出すことがないので、「この子大丈夫なのかしら?外で1人の時困らないかしら?」と心配なのでした。
年少さんから登園させましたが、幼稚園に見に行ってもいつも一人で遊んでいる子で、「幼稚園楽しい?」と聞くとうん、とうなずくのですが全然楽しそうには見えないのでした。体を動かすことは好きそうなので体操の体験教室に行かせてみると「通う。」と自分で決めたのです。(なぜかその後にハルも通うと言い出して、姉として焦ったのでしょうか、途中2人で通っていましたが。)補助なしでバック転ができるまでにはなれませんでしたが、小6女子であれだけ動ければ十分でしょ、てくらいに動けるので本人としても満足しているようです。(小学生の今でも相変わらずひとりでいることが多いようですが、もう周りからもそういう子として認識されているようで、時々遊びに行くお友達はいるのでもうそんなには心配しなくなりました。)
コロナ禍で教室の様子を一切見学できなかったのですが最後なのでと卒業のあいさつの時だけ見学をさせてもらいました。みんなの前で「大変な時もあるけど、続けていれば今までできなかったことができるようになる時が来るので、みんなも続けてみてください。」と伝えていて、大切なことを学べた時間だったのだなぁと感動してしまいました。
途中でケガなど本人が辛く感じることがあったら続けてこられなかったわけで、ご指導いただいた先生方には本当にお世話になりました。感謝しております。ありがとうございました。
さて、まだ体は動けるのにその機会と場所がなくなったからできないというのはなんだかかわいそうなので、もしチイがクルッと回りたくなったら、会社の近くにトランポリンジムがあるからそこに行こうねとお話しています。
そんな次女チイのお話でした。

ナラとソフトグレーの扉と真鍮とステンレスと

2021.03.06

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先週に引き続き、今週末も食器棚と後ほどタイル施工という工事で予定していて、きょうは世田谷のYさん。
昨年の2月のT-SITEのイベントにいらしてくださった本格的にお話が始まってから、屋は1年が経ちましたね。
ようやくこの形が実現しました。
パントリーが無い間取りでしたので、ストックの食材や道具をしまう場所を確保するためにシンプルに使えるパントリー的な形を盛った食器棚を作らせて頂きました。
また、次回「日刊すまい」さんでパントリーの話を(3月中旬頃だと思います。)掲載するので、興味があったら読んでくださいね。
その扉は少し明るく見せるためにソフトグレーのメアラミンを使った扉で、真鍮のハンドルを合わせています。
来週kotiの伊藤さんがブルーグレーのタイルを施工してくれます。
もっと良い印象になりますね。
楽しみです。

花咲くあしたへ

2021.03.06

「ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚のオーダー」

杉並 O様

design:Oさん
planning:daisuke imai
producer:hiroyuki kai/kenta watanabe
painting:hiroyuki kai/kenta watanabe

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

2階全体の様子。奥に見えるのが食器棚兼本棚のナラ節アリ材とアイアンを使ったダイニング収納。左側のキッチンの手前にあるのがタモ無垢材のうすい本棚。

「引越し予定の家のダイニング壁面に置く家具のことでご相談させてください。
家具の種類にボードを選びましたが、ボード+シェルフが欲しいと思っています。
キッチンの収納が足りないので、キッチンに連なる左側がキッチン関連用品と食器を収納する棚と引き出し、その横に本を収納する棚。
家具の雰囲気としてはHPの制作例ではキッチンのところにありますが、「ふだん作りの手の跡を残して」のような、節ありのナラ材とアイアンをイメージしています。ハンドルはKUMAさんのものが希望です。
考えている家具の形を描いたものを、あまりに下手な絵でお恥ずかしいですが、添付します。絵では一続きの家具のようですが、ボードとシェルフが分かれていたほうがいいかなと考えています。
2枚目の写真は設置場所です。床はやはり節ありのナラ材。現在手持ちの家具はダイニングテーブル、ソファともにウォールナットなので、木材の種類は少し迷うところでもあります。
引越しは、特に期限はないものの、今のところ5月中を考えています。
お便りする前にHP内、たくさん拝見させていただきました。どれもこれも素敵な家具とエピソードばかりで次々に読んでいたら、なかなかメールが書き始められませんでした。中でも好きなのは、「北の魔女に会いにいく」です。いつかこんなキッチンをオーダーしてみたい・・・!」

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Oさんから頂いたスケッチ。

Oさんからスケッチと温かくなるメールをいただきました。
それはちょうど3月のことで、つい先日、私が出席できなかった長女ハルカが無事に中学校を卒業した月でもありました。
この2020年の冬から春にかけては、あの10年近く経とうとしている大震災の時に起きた計画停電のような前がぼんやり見えない、どこか耳が遠くなるような気分に包まれていたのです。
町には普段のように明るく快活に動こうとしているけれど、じっと見ているとみんなどこかで不安な気持ちが見えるようで、急な静けさが何となく怖かったり感じていた時期でもありました。
そう、コロナウイルスによる体調の悪化というよく自分にも理解できない病気が広まっていたからです。
私たちの中に体調を崩した者はおりませんでしたが、進めるべきはずだった仕事が途絶え始めた時期でもあり、どうにもできない不安の霧のようなものが私を包んでいた時でもありました。
そのような時期に温かなメールを頂くことがどれほど心強かったか。
どこかで誰かがきちんと見ていてくれる安心がどれほど心強かったか。
さっそく私なりの形を提案させて頂いたのでした。

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

Oさんに細部の印象を変わってもらえるようにスケッチを描いてお送りしました。

「素敵なスケッチありがとうございます!
せっかくメール頂いたのに、お返事がおそくなりまして申しわけありません。
コロナのことなどで生活がワサワサとし、未来の計画を前に進める気持ちが少し弱くなってしまっていました・・・。
いや、でもやっぱり美しい家具での新生活を思い描いて奮い立たせます。
さて、スケッチしていただいた家具ですが、イメージはまさにこんな感じです!
それからもう1つお願いなのですが、キッチンのカウンターの下に文庫本がぎっしり収納できる本棚を造作していただきたいのです。
スケッチはないのですが、つくっていただきたい場所の写真を添付いたします。併せてどうぞよろしくお願いいたします。」
とあらためてうれしいお返事を頂けたのでした。

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

ダイニング収納の食器棚部分の様子。節が大きくない材を使って、扉と引き出しの前板を作って言います。 ハンドルはいつもお願いしているKUMA鍛鉄工房さんに作って頂きました。

その形を元に食器棚となるダイニング収納と本棚の制作のご依頼を頂けることになりまして、スケッチを基に図面を作成していきます。
細かい数字が入ると、具体的に自分がどのようにこの家具を使いたかったのかがよく分かってきます。

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

一番左は片開きの扉で、中を開けると可動棚が入っています。よく食器棚で引き出しと扉のどちらが使いやすいか聞かれることがあるのですが、どちらも使いやすいと思うのです。ただ、自由にしまいやすいのは扉のほうで高さを変えれば比較的どんなものもしまいやすいし、カゴを入れておけば引き出し代わりにもなります。

それと、私は普段1/20というスケールで図面を描くのですが、そのスケールって、実際に目で見る印象に一番近いのではないかと思っているのです。(ほんとうかなあ。)
椅子などは1/10で描くことが多いのですが、すこし間が抜けて見えちゃうことが多いのです。
あれ、こんなにスカスカな印象だったかなあ、という感じ。
でも実際に作ると、そんなことはなくて1/10や1/5くらいのスケールになると、もう少し木目やら張地の様子やらを具体的に書き込まないとかえって想像しづらい線だけの集まりに見えちゃうって思うのです。
以前、製図を習っていた時にウェグナーの図面を椅子の模写する授業があったのですが、ペーパーコードの印象や木材の曲がり具合などけっこう書き込んだ覚えがあります。
しかもあの頃はまだ製図板とT定規を使った手描きで。
でもできあがった図面は味わいがあって、それぞれ周りのみんなの人となりが分かったものでした。
今はなかなかそこまで取り組むことは少なくなってしまったのですが、その代わりに1/20というスケールはそのあたりを細かく書き込まなくても、イメージがしやすいサイズだったりするのです。(個人的な感想なので、それほど真に受けないでくださいね。)

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

反対に引き出しのほうは、高さがもう決まっていたり、この先もしまいたいものが変わらないなら、奥のものが取り出しやすいので大変便利です。


ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

食器棚として使う部分だけステンレスバイブレーション仕上げにして、本棚として使う本棚部分はナラ材で仕上げています。

で、その図面を見て頂いて、収納部分のサイズ感やアイアンの角パイプの太さや素材について検討していきます。
そして、大きな変更がもうないかな、というころ合いでご自宅まで伺わせて頂きました。

頂いた住所を訪ねると、古い味わいのある建物。2階建てで横に何戸もつながった集合住宅。東京の幹線道路沿いは比較的古い町並みが多く残っていて、こういうすてきな建物がまだあるのだなあとうれしくなる佇まい。
「魔女の宅急便」でキキとおばあさんがニシンのパイを焼いていたあの家のような感じ。
「こんにちは。」
まだ日常的にしなれないマスクに息苦しさを感じながらご挨拶。
「こんにちは、イマイさん。いらっしゃいませ。」
Oさんの奥様にご案内いただいたリビングは2階。不思議な建物。テラスハウスというのでしょうか。
「こんにちは。」
奥から現れたのは、黒い革ジャンに黒いマスクでロマンスグレイの少し長めの髪をしたご主人。
おぉ、何だかお二人ともとても雰囲気のあるご夫婦。モデルさんなのだろうか‥。

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

食器棚と本棚は置いてあるだけで、この家具自体も特に壁には固定しないで、どこにでも動かせるようにしています。

室内はリフォームされたということで(あとで聞いたらずっとこの家に住みたいって思っていたのだそうで、空きが出たタイミングでそれって思ってここに移ったのですが、その時にはもうリフォームされた後で所々自分のイメージと離れた部分があって、建物がすごく好きでも少し内装で心残りがあったのだそうです。)グレーの壁の色やフレキシブルボード貼りの壁に、電気配線は電線管が壁に回してある少し武骨な印象の仕上がりになっている室内。
雰囲気のある室内です。
「こんにちは。」
ご主人と一緒にお嬢さんも。中学校が休校ということで、家具が好きだというお嬢さんも交えて、4人で打ち合わせ。

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

今回フレームに棚ダボを打っていて、ポップナットという金属フレームに挟み込んで固定するダボメンを使っているのですが、そのポップナットちょっと深さがあるので、今回のアイアンの脚の太さだと両側同じ位置にダボを打つとちょっとダボ同士が干渉しちゃうのですね。どこをうまく調整してきれいに納めています。


ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

この棚の見せ方でちょっと手間をかけたのが、アイアンフレームは天板のすぐ下にはフレームが横に渡っているのですが、可動棚、地板の下にはフレームはありません。可動棚の下にあっては邪魔なのでもちろんないのですが、地板部分はできればしっかりさせるのに入れたいところです。ただ、入れてしまうと、食器棚部分の下にもフレームを入れないと形が良くないのですが、不要なものは入れたくないものでして、それで、地板を掘り込んでアイアンフレームを飲み込むような作りにしています。


ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

本が入った時の印象。

すると、Oさん夫婦よりも、お嬢さんのほうが意見が強い・・。
「ここはこうしたほうがすてきだよね。」「ああ、これだと格好いいなあ。」と元気はつらつとした印象。
私はいろいろと縁があって、小学校や中学校で学校の役員をしていたのですが、子供たちの無邪気というか真っすぐな感覚ってやっぱり元気が出ます。
今年はハルの卒業式だから、がんばってこういう話をしてみようか、(なぜか、マトリックスという映画に出てくるオラクルというキャラクターが話す「選択する」ということについてお話しようと思っていたのです。ちなみにその時の話はここに書いてあったりします・・「おめでとう、ハルカ。」)なんて年末までは緊張しながら少し楽しみに考えていたのに、最後にみんなの顔を見られなかったのはとても残念で淋しかったのです。
でもこうして若い子供たちの感覚は屈託なくストレートに飛んでくるので、やはり力を頂きますね。
「あなたが主に使う場所じゃないんだから、お母さんに考えさせてよ。(笑)」とみんなで楽しそうに豊かに話し合いが進んでいきます。

タモの文庫本用本棚

こちらは本棚。最初は普通のボックス型の本棚だったのです。この場所を見に来るまでは。

この新居にはまだお引越しされていないので荷物がなく、実際にどのように使いたいかを「よかったらイマイさん、自宅に立ち寄っていってくださいますか。ここからほど近い場所ですので。」とお招きいただいて、
ご案内いただきました。
その案内もお嬢さんが自転車で先導してくれて。ご主人は先に戻って、奥様は戸締りしてからいらしてくださって。

タモの文庫本用本棚

キッチンの腰壁の上の笠木が壁から70ミリほどしか出っ張っていなかったのです。そこに奥行150ミリくらいの箱型のものを設置するとなると、どのような素材で作ってもどうしても取ってつけた印象になってしまう。特にこの場所は広いスペースでもなく、寝室との通り道の王な場所でしたので、余計箱型になると邪魔な印象になる。そこでご主人と一緒に考えたのです。

ほどなくして、自宅に到着。
あれっ、この集合住宅、どこかで見たなあ・・。
エレベーター下りた廊下には全部窓ガラスがついている印象、どこだっけなあ・・。
と、記憶がするすると昔に戻っていきます。20年近く前だったかなあ。
当時私は家具や建築やインテリアデザインの夜間専門学校を卒業した頃で、その同級生がこのマンションに住んでいたんだった。
ここでみんなで夜お酒飲んだっけなあ。
トイレが真っ青で、キッチンにシナの有効ベニヤ張ったりしてあって、部屋の中央には拾ったんだというとても趣のある本革のソファが置かれていて、不思議な住まいだなあと思ったものでした。
みんなとは今でも年に一度くらいは顔を合わせていて、建築やインテリアの道に進んだ人もいれば、まったく別の世界で頑張っている人もいたりで、楽しくつながっているのです。
そのマンションにまた来られるなんて面白い巡り会わせ。
「お邪魔します。」
おぉ、同じ間取りだ。でもOさんのところはもう少しモダンというかスッキリした印象で、赤いキッチン(だったかな)がとても印象的。
そして、本がたくさん。
うれしくなっていろいろとこの集合住宅の話を聞かせて頂いて、しまいたいものを打ち合わせるというよりはその思い出話をいろいろ聞かせて頂いて帰ってきたのでした。
そして、細かい部分を修正して図面をあらためてお送りします。

「こちらこそ、先日は遠くまでお出でいただき、ありがとうございました。
ご友人が、過去にここに住んでいらっしゃったとのこともうれしい偶然でした!
現地で直接お話しさせていただいて、何となくイメージしていた家具が具体的な像を結んで、また、ぼんやりこんなものかなぁと思っていた文庫棚にも想像以上の形を提案していただいてことで、引越しに対して少し停滞していた気持ちが、一気に上向いてきました。ありがとうございます。」
と気持ちの良いお返事を頂いたのでした。

タモの文庫本用本棚

「どうにか棚だけが浮いているような印象にできないかなあ。」と、ご主人と一緒に考えたのでした。横の板がひとつながりになっていれば浮いているような印象でスッキリ見せられる。その棚を自立させられて、すっきりした印象にするには・・、と考えて、縦の板は笠木の出っ張りと同じくらいの奥行にして、横の棚板は本がキチンと載るくらいの寸法にしたのです。さらには縦の板は端には付けないで、少し内側に入れることでより横の板だけのような印象にすることにできたのです。

そうして、形が決まりましたので、制作に取り掛かります。
アイアンはいつものオヌマさんにお願いします。
オヌマのタカハシさんと知り合って、もう6年。やはりハルが小学校の時に学校のお手伝いをしていて知り合ったのでした。
こうして考えると、学校って子供だけじゃなくて大人も学べることや出会えることがあるのだなあとしみじみ思うのです。
ダイニングの食器棚兼本棚はカイ君が担当し、コンパクトな本棚はワタナベ君が担当することに。
どちらもシンプルな家具ですが、細かい納め方を考えていくとなかなか時間が掛かる作りになっているのです。
タカハシさんの部材ができあがったらそれに合わせて、板を欠き取っ足り細かい細工を施して完成。
ワタナベ君のほうは、木組みの構造で強度を出す形でしたので、精度より接合部分を欠き取って加工をしていきます。
シンプルな形になればなるほど逃げが無いので、じっくり進めていくのです。

タモの文庫本用本棚

正面から見ると立ての板のラインが分かりますね。縦横は相欠き継ぎにして棚の強度を出しています。また窮屈な印象にならないように床から言うている印象にしています。正面から見るとこうして縦の板のラインがよく分かりますが、普段見ているあたりからの視線だと棚が浮いているように見えるのです。

そうして、春から梅雨になろうとする時期に完成。
そして納品です。
二階への搬入はいつも心配が付きまとうのですが、今回はどうにか無事に階段からすべて荷揚げすることができて、3人が見守るなか、取付も大きな問題なく設置できて夕方になる前には無事に設置完了。
きれいに納まりました。

「先日は、家具の搬入ありがとうございました。
設置していただいているときから大興奮の私たちでしたが、その後も、食器を入れ、本を入れして、階段を上がってくるたびに皆で口々に「わぁ、いいねぇ、かっこいいねぇ」と言い合い、うっとりしています。
部屋にぴったりのサイズの家具が入ることの気持ちよさ!
想像以上の素敵な仕上がり!
オーダー家具は決して安い買い物ではないですが、本当にいい贅沢ができたなあと心から満足しています。」

ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

タカハシさんにお願いする時に書いたスケッチ。


ナラ節アリ材とアイアンフレームの食器棚

先ほど書いたスケッチにあった、一番下のアイアンフレームが見えないように地板を掘り込んで加工しているのです。こうすることで食器棚部分と下のラインがきれいに揃いました。

そしてね、そのあとにOさんからとても素敵なお話を聞かせて頂いたのです。
私たちがその人の心地良く暮らすことができるような家具を作っているだけではなく、その先の家具が置かれたことで生まれるみんなの思いも作っているのかも、という本当に照れくさいですが、うれしいお話でした。
そのことがあの時のブログに書かれています。
もし、興味があったらご覧くださいませ。
紫陽花咲く場所へ

「きょうはどうもありがとうございました。
また、我が家のことを素敵なブログに書いていただいて。
娘に起こった変化を、イマイさんが書いてくださった文章であらためて読んで新たな感動がありました。
豊かな生活空間(もちろん広いという意味ではなくて)を子供たちにプレゼントすることができて本当によかった!
イマイさんのお仕事、本当に素敵なお仕事ですね!」

ちょうどこの文章を書いている頃、Oさんのお嬢さんは中学校を卒業するころだと思います。
世の中には目に見えない不安な気持ちもいろいろあると思いますが、若い力は真っすぐな視線を持ってきっとしっかりと前を向いて花咲く明日に向かって進んでいくことでしょう。
そして、私たちはその明日咲く花を見てまた憩うことができるのです。

アイアンフレームとナラ節アリ材を使ったダイニング収納

価格:690,000円(制作費・塗装費)

タモの本棚

価格:175,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は20,000円から、取付施工費は30,000円から)

日刊Sumaiに新しい記事が掲載されました!

2021.03.05

早くも3回目を迎えました今回の記事のテーマは「おすすめのキッチンレイアウト。使う人と暮らし方の傾向からわかりやすく解説」というものです。
暮らしの中心となるキッチン。そのレイアウトでお家の動線が決まると言っても過言ではありません。でもただ漠然と「次はアイランドキッチンで暮らしてみたいなぁ。」と思っていても、その後土地を探し、方角や出入りの仕方からから家の向きを決め、キッチンを1階にするか2回にするのか考えて家の形と間取りが決まっていくので、出会った土地によるところが大きいとは思います、我が家もそうでした。そんな中でもそれぞれのレイアウトのメリット・デメリットを知り、より自分たちが暮らしやすく感じるキッチンにするためのひとつの考え方として書かせていただきました。「えー、私はそうは思わない!」という方もいらっしゃると思います。そこが大切な過程なのだと思っています。「いろいろな意見があるけど、私はこう選択してよかった。今は居心地いい。」と思える”今”を過ごすためには。他のライターさんも様々な視点からレイアウトの記事を書かれているので興味深いですよ。お時間があるときにぜひ読んでみてくださいね。
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タモ板目の壁付けキッチン

2021.03.04

大船駅から観音様を右に見ながら少し北に向かったところは懐かしくて。
このあたりの住宅街にもしばらく前に家具の制作をくださったお客様たちがいらっしゃって懐かしいのです。
静かな通り。
車の音よりも風の音のほうが良く聞こえるくらいです。
なので、道も狭くて、少し入り組んでいて。
少し苦労しましたが、無事に搬入設置を終えてすっきりした表情になりました。
あとは、ドイツからのなかなか届かないワイヤーシェルフが到着したら、それを取り付けて完了。
このHさんのご新居。入ってすぐに広い土間や前室のような空間があって、そこから段々とキッチンに向かっていく。
その様がとても心地よくて、できあがりを私も楽しみにしているのです。
うまく進めば今月末には完成ということですが、ワイヤーシェルフはその頃にもまだ届かないようで・・。
うーむ。

変わった形の椅子

2021.03.04

20210304002
少し変わった形の椅子を作らせて頂いております。
なかなかキュートな印象になりました。