家具屋の自宅 オープンハウスで受けた質問③:照明、この数で足りていますか?

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2022年5月3日

我が家の照明の数を決める時、ダイスケさんが「天井を見上げた時にあまり凸凹させたくないな。手元が明るければいいし。」と最小限にしました。

リビングの真ん中に一つ、ダイニングテーブルの上に一つ、キッチンの上に一つ、キッチンと食器棚の間にダウンライトを二つ、吹き抜けの壁に一つ付けました。

5か所の灯りを全部付けた時の様子。この状態は自分たちには明るすぎるので、一度にすべてを付けることはありません。
普段、夜はキッチンとダイニングテーブルの二つの灯りで過ごしています。時々点灯させる場所と組み合わせを変えて部屋の見え方の違いを楽しんでいます。

オープンハウスにいらしたお客様から、「照明の数がどのくらい必要なのか分からなくて。設計士さんの図面通りに本当に全部必要なのか想像できなくて。必要ないなら減らしたいんですけど。」とお話しされていました。そうですよね、まだ過ごしたこともない場所にどのくらいの灯りが必要なのかなんてわからないです。必要のない照明にお金はかけたくないですから減らしたいですよね。

住宅街の旗竿地、1階にリビングがある2階建ての我が家。東側に3階建てのお家があります。

窓が大きいことがあるからかもしれませんが、想像よりも室内は暗くないです。

我が家の様子を見た方々も、「うち、あんなに照明要らないな、設計士さんに言って減らしてもらおう。」とおっしゃられる方がほとんどでした。(笑)一般的に立地条件が良いとは言えない我が家の様子は皆さんを前向きな気持ちにできているようです。よかったです。

ご参考までに、ダイニングテーブルの電球 60W、キッチンの電球 60Wを使っています。

ステンレスとクルミのセパレートキッチン

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2022年5月2日

ゴールデンウィークの真ん中あたりの今日、4月27日から作業を進めてきたIさんのキッチンも今日で3日目になります。2日間で終わらせたいところでしたが、やはりマンションのリノベーションということで、想定外の作業も出てきたりして少し時間が掛かってしまいましたが、ワタナベ君とヒロセ君がきれいに納めてくれて本日でようやく終了。

最初のご相談の時には全くこの形ではなかったIさんのキッチン。最初の相談からこの施工に至るまでのスケジュールがタイトで、これは実現は難しいのではないかと思いながらも、Iさんのイメージを聞かせて頂いて、当初のL形からコの字へ、でも、L型やコの字ではアクセスしづらい部分が出てくることも確かで、奥様はもちろん、ご主人がこの新しい暮らしでどういうふうにキッチンと関わっていきたいかって考えていくと、こういう使う方が正解なのかも、とたどり着いたⅡ列型のキッチン。

Iさんに工事終了のご報告をしましたら、まもなくIさんから生まれたての赤ちゃんの写真と一緒につい先日家族が増えたという報告が。

ただの家具屋にこうして報告してくれる気持ちがとてもありがたいです。でも、家具やキッチンを暮らしに取り入れるタイミングってその人の人生の節目々々だったりします。自分たちがそういう立ち位置に居るんだってことをこういううれしいお便りで気づかされると共に気持ちが引き締まる今日この頃でございます。

配管の位置などもあって限られた空間でどのように心地良く過ごせるかを考えてみた気持ちの一致をIさんがとても気に入ってくださって、タイトなスケジュールも延長できるようにやりくりして実現となったのであります。

こうして、ひと段落できて私もひと安心です。

家具屋の自宅 オープンハウスで受けた質問②:冷蔵庫の音、気になりますか?

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我が家の冷蔵庫は無印良品さんのものです。使わないので自動製氷機が付いていなくて、マットな白いシンプルなもの、と言うとこの冷蔵庫になりました。設計士の福原さんには、「イマイ家に355Lサイズは小さいんじゃないの。」と言われましたが、(家族みんなよく食べることをご存じなので、笑)結婚当初から使っていたので、サイズ感とか使い慣れているので問題ありませんでした。

もしこの先、冷蔵庫を買い替えることがあってサイズがもう少し大きくなることがあっても大丈夫なように、と冷蔵庫置き場のサイズは決まりました。

この冷蔵庫のレビューで、「音がうるさい。」と書かれているそうで、質問されたお客様はそこが気になっていたそうです。「全然気にならないですね。」と確認されていました。

こればかりは、間取り・置く場所・床の材質との関連や体感の個人差がありますから難しいですね。

冷蔵庫も見られることがあるということで、それ以降は冷蔵庫を引っ張り出して拭き掃除をすることにしました。私の力では床を傷つけずには出せないので、ダイスケさん大活躍です。

冷蔵庫周りはすぐ埃だらけになりますからね。きれいになってよかったのです。

家具屋の自宅 オープンハウスで受けた質問①:米びつはどこに置いていますか?

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2022年5月1日

ゴールデンウィークが始まりましたね。

先にご予約制だとお知らせしていた割にはショールーム見学のお問い合わせは少なく、ちょっと気恥ずかしい思いをしております。(笑)皆様お外のことに気持ちが向いているということで、良いことですね。今年度は会社やお家のことを整理する時間として有効に使わせていただこうと思います。

今までオープンハウスをした時に受けた質問シリーズは、Instagramのストーリー欄には以前掲載したことがあるのですが、ゴールデンウィーク中にブログにも掲載していこうと思います。どなたかのお家づくりや暮らしについて「こんな考え方もあるのだな。」という一つの例としてご参考になればと思います。

我が家の米びつは、結婚当初から桐箱のものを使っていて、バックカウンターのオープン収納の下側に置いています。ちなみに、お米のストックは桐箱の奥に置いています。奥行60cmのバックカウンターなので可能なことだったかなと思いますが、ストックの確認がしやすいのでよかったです。

冷蔵庫の中、ホーローの容器に入れてシンクの下や土間に置く、など皆様様々な管理方法に分かれるところですよね。

その質問をいただいたことで、オープンハウスの時に米びつに注目している人がいることに気が付きました。今まで、米びつの蓋の取っ手が外れては木工ボンドを付けてを繰り返していましたが、ちゃんと直してもらいました。「家具屋なのに、米びつの取っ手が外れたまま使っていたよ。」なんて印象がよくないですからね。オープンハウスの度に暮らしが整う我が家なのです。

福原さん

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2022年4月22日

福原さんとは20歳くらいの時に出会っているはずなのでもうかれこれ27年ほどのお付き合いですね。

年は3つ(だったかな)離れていても、同じ夜間部で学んでいた頃からですから、年の差を感じさせない若さあふれる人で、彼が住宅設計の仕事、私が家具作りの仕事をするようになった今でもあの時と変わらない気持ちでお付き合いできているということは、うーん、とても素晴らしいことです。

今回は、集合住宅のリノベーションで全体的に白い空間にまとまりそうなところに白いキッチンを作らせて頂く予定。今日はその打ち合わせでした。

やっぱり福原さんの作品は、使い心地のよさにあふれているけれど、ひと手間大変で・・。

きれいに実現できるように頑張らないとなあ。

彼の家に作ったキッチンももう6年。彼が作ってくれた私も家は間もなくの5月で丸3年。

良い感じに時間が流れている様子が分かります。

そういえばここ数日、自宅のオープンハウスを開こうかどうしようかアキコと思案しているところでした。使い込んだキッチンを見てもらえるのもなかなか面白いですからね。

クルミとステンレスのL型キッチン

クルミのL型キッチン

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2022年4月21日

L型キッチンのコーナー収納部分

二日間かけてのつくばのOさんのキッチン設置工事が終わりました。

工房で一度仮り組みしているので、今回は比較的順調に作業が進みそうと判断して、早朝から出ることなく、いつもの出社よりもちょっと早く出発して、都内を抜けていくほうがいくらか早く着くようなのでしたが、朝の殺伐とした都内の道路はなかなか苦手だったもので、のんびりと圏央道を通ってつくばを目指したのでした。

到着したのはちょうど10時で、事前にOさんと連絡を取っておりまして、「伺えそうだったらお邪魔しますね。」とおっしゃっていたのですが、すでにいらしてくださっていて(遅くなっちゃってすみません。)

棟梁には前回の現場打合せでご挨拶だけさせて頂いておりましたが、今日は監督さんもOさんからご紹介頂いて、作業されている電気屋さんもクロス屋さんもお人柄のよく分かる素敵な職人さんたちで。

「キッチン屋さんの都合のいいように付けてくれていいよ。あとはこっちでやるからさ。」

3業者さんに私たちで現場はちょっと手狭な状態ではありましたが、こういう温かなところなら作業しやすそうだな、という感じでした。

私はさっそく電気屋さんに呼ばれて、IHヒーターのコンセントの位置の打ち合わせをしている間に、制作を担当したヒロセ君と今回はサポートのノガミ君の二人で手際よく荷下ろしを始めました。

雨もポツポツしてきたからね。

するとおもむろにトラックの幌骨にいつも刺さっている芯材(木の角材)を引き出して、幌をその芯材に引っかけると、俄か屋根のできあがり。

へえ、おもしろい。

私の知らないところで、みんないろいろな工夫がされているのだなあ、なんて今さら関心。

(シャチョー、そんなことも知らないのですかーって言われないようにしないと・・。)

そんなことを考えながら電気屋さんの打ち合わせを終えて、荷下ろしを手伝っていると、打ち合わせで手が止まっちゃった電気屋さんがキリの良いところまで作業をしていると、おもむろに棟梁が顔を出して、「○○さん、お茶にすっぺぇよ。」って。

あぁ、久しぶりに「すっぺぇよ。」聞いたなぁ。うれしいなあ。

昔まだ父にくっついていろんな現場に出かけていた時にはやっぱりその現場のいろいろなルールみたいなものがあって、このお茶の時間が結構きっちり決まっていて、その間は作業は止めないといけなくて、お施主さんが大きな魔法瓶と一緒にたくあんがごっそり入ったガラス鉢を用意してくれたりすると、棟梁が各職方さんに「お茶にすっぺぇよ。」って声掛けて。それをつまみながら、年輩の職人さんたちはエコーだとか、わかばだとか、懐かしい煙草を引っ張り出しては一服していましたね。

私も当時は煙草が好きだったので一緒にさせてもらったのですが、父のように話が上手じゃないものですから、一服し終わってしまうと、時間を持て余してしまって、自分もいつか父のようにいろんな現場でうまくやれるのかなあ・・、なんて変な悩みを持っていたことを「すっぺぇよ。」という言葉で思い出したのでした。

そんな物思いに耽っているうちに荷下ろしは終わって、設置位置の確認も棟梁と済ませることができたので、ヒロセ君とノガミ君に作業は任せて、Oさんにもご挨拶させて頂いて昨日先に戻ってきたのでした。

そして、今日の夕方無事に作業を完了させて二人が戻ってきました。

今回のキッチンはコーナー部分の金物に特殊なものを使ったり、ハンドルと扉の開く角がシビアだったりと難しい部分もあったのですが、ここに来てまだ3年目とは思えないヒロセ君が頼もしく仕上げてくれました。

次は来月の下旬頃でしょうか、Oさんがオイル塗装をされるので、その時にあらためてまた現場にお邪魔させて頂きます。

オイルが入るとまたクルミの表情が大きく変わりますからね、楽しみですね。

ゴールデンウイーク期間中の営業について

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2022年4月20日

私たちの工房では、4月29日(金)〜5月5日(木)まで工房を閉める予定です。(取り付けや打ち合わせ等の予定は入っております。お客様、ご安心くださいね。)
ただ、今家作りを計画され始めていて、この連休中に考えを深めたいと思われるお客様もいらっしゃると思います。
そのためにオーダーでできるキッチンや家具のことを詳しく見聞きしておきたいと思われる皆様には、1日1組限定とはなってしまいますが、工房と展示室をご覧頂けるように準備いたしますので、気軽にご予約のご連絡をいただければと思います。
なにぶん、打ち合わせは1人で行っておりまして、予約なしだと大変バタバタしてしまいますため、ご協力をよろしくお願い致します。

毎年必ず「近くまで行く予定があるので、空いていたらショールームの見学をしたいのですが。」と当日のご連絡をいただきます。大変ありがたいことなのですが、先にご予約のお客様を案内していたり、他の予定を入れていたりしますので、日時を改めていただくことになっております。申し訳ございません。事前予約のご協力を、よろしくお願いいたします。

格子引戸のあるクルミの食器棚

クルミの格子引戸のある食器棚

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2022年4月17日

格子引戸のあるクルミの食器棚
格子引戸のあるクルミの食器棚

この家具はもう15年以上も前からお付き合いさせて頂いているインテリアデザイン事務所さんからのご依頼で実現したのでした。

お客様であるHさんとは直接打ち合わせをしていないので、いつもとは違う流れでお話は進んでいったのですが、それでもHさんのイメージされているものと私のイメージしているものはうまく合わさって形になっていったのでした。

ただ途中で、突然Hさんからお電話を頂きました。

「イマイさん、今食器棚をお願いしているHです。実はイメージを確認させて頂きたくて直接連絡してしまいました。」

Hさんとしては、格子のバランスがどのような感じが良いのかイメージしづらい部分もあって、私の意見を直接聞きたくて・・、ということでした。最初は、参考として頂いてとおりにもっと隙間のほうが大きなデザインだったのです。でも、はたしてそれがきれいなのだろうか・・、と思案されていて。

「イマイさんのウェブサイトの作品も拝見させて頂いています。他のお客様の家具はもっと隙間が狭いように見えるのですが、どのような形が美しいのでしょうか。」とお話を進めていく中で今回のサイズで決まっていったのでした。やはりそういう細かい部分は直接お話し頂くと、よりイメージを共有しやすくて助かります。

工房のほうではちょうど格子用の材を養生しているところでしたので、新たに格子が増える分を追加加工してどうにか昨日の設置に間に合ったのでした。制作を担当したノガミ君は、その材の多さにてんてこ舞いでしたがとてもきれいに仕上げてくれてありがたいです。

格子扉ってなかなか作るのが大変なのです。格子一本一本がピッタリつくように格子材の幅を木工カッターの幅に合わせて割り付けし、カッターで突いた溝にボンドを擦り込んでボンドがはみ出ないようにしながら圧締していくのですが、本数が多いと溝をつく作業は単調になって間違えやすかったり、接着時もボンドの乾き具合を見ながら作業しなればならず、またその塗装は格子と格子の隙間のふき取りや研磨がしづらかったりするので、気苦労が多い扉でもあります。

それから、今回は格子扉の中に引き出しがあるデザインで、その引き出しもクルミの突板で作っています。いつもは白いポリエステル化粧板で作ることが多いのですが、クルミ材となると、引き出し板自体をプレスして作るところから始めないといけない。(白ポリだと厚み15ミリの物があるので、そのままカットすれば使えるのです。)

いつも以上に気を使う形でしたがこうしてきれいに仕上げてくれました。

また、天板は最初は石のイメージで作ろうと考えていたので、セラミックを使おうと予定していたのですが、ちょっと予算が厳しくて、今回はメラミン化粧板で。でも石目調の凹凸感が良く表れている柄のものを使いましたので、全体的にとても落ち着いた印象で仕上がったのでした。

納期と合わせて心配だったのが搬入。今回は世帯数の多い集合住宅の5階が現場でしたので、右の背の高いキャビネットが一般的なエレベーターの高さを越えていたので、エレベーターに入るかどうか心配だったのですが、やはりどうにも入らなかったようで・・。

もっと細かく分割して運びやすいように考えればよかったのですが、すみません・・。

「大工さんにも手伝ってもらえて、スライドレールを外して、どうにか階段で上げました。」とノガミ君とヒロセ君とタケイシさん。

「でも、途中でHさんも見に来て下さって、仕上がりにとても喜んで頂けました。大工さんも以前家具屋さんに勤めていたそうで、お褒めの言葉をもらえまして。」と照れ笑いのノガミ君。

「そのおかげで、ダイニングテーブルとローテーブルのご相談も頂いてきました。」

なんともありがたいお話でございます。

ナラ柾目の食器棚

ナラ柾目の食器棚

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2022年4月15日

引き戸の手掛けの印象

今日はあいにくの雨模様。

そのおかげで、と言って良いか分からないのですが、外構屋さんが作業されていなかったため、搬入がスムーズにできましてホッとしたのです。

横浜は小高い丘に住宅地があることが多く、このRさんの住まいも住宅街のちょうど道が90度に折り返すような立地の角に立っています。道幅は車がすれ違えないくらいなので、搬入の時は道路の真ん中に止めて荷下ろししなくてはいけなかったので、もし外構屋さんが作業されていたらちょっと難儀かなあ、なんて思っていたのでした。おかげさまで、家具には布団を掛けてススーっと運べたので、家具がひどく濡れることもなく搬入できたのでした。

明日にお引渡ということで、内部の工事もおおかた終わっていたので、キッチンを広く使わせて頂けてゆったりと作業させて頂きました。

今回はナラの無垢材を多用して制作した食器棚ですので、引き戸や天板や引き出しの前板には独特の虎斑がよく表れて美しい表情になっています。そして、引き戸の手掛けは縦に突き通さずに端部を丸めることで優しい印象に。全体的に懐かしく親しみやすい形にできて美しい納まりになりました。

先ほどRさんが現地に来られたようで(私たちは、とてもスムーズに作業が進んだので、お昼前には現場を出てしまっておりまして、お会いできず残念です)

「どこもかしこも新しい家の中はアウェー感大ですが、食器棚のおかげで落ち着ける空間が出来ました。これから使うのがとても楽しみです。」

そう言って頂けてうれしく思います。

お引越しもまもなくということですので、少し時間を置いたら、あらためてご挨拶に伺わせて頂こうと思います。

Rさんが持っていた凛とした姿勢のように、この食器棚を使う様子もどこか引き締まった美しさを持って使っていってくださるのではないかと思い描いております。

次回拝見できるのが楽しみです。

ナラ板目のコンロ側キッチンとダイニング壁面収納

L型につながるナラ板目のキッチンとダイニング収納

Category : 日記「自由な手たち」

13日と14日の2日間で、ノガミ君とワタナベ君で施工してきてくれたHさんのキッチンと壁面収納。

ちょうどコーナー部分にパイプスペースが来る納まりなので、コンロ右横に張るキッチンパネルと壁面収納との取り合いが難しいのでした。

その打ち合わせの時にはHさんの奥様もいらしてくださっていて、「話が高度すぎるのでお任せします(笑)」とおっしゃっていたくらい分かりづらい部分なのですが、監督のHさんの提案で、キッチンパネルのエンドにつくアルミの見切りを独特の使い方(と言っても形自体はありふれたフラットバーなのですが、ここでは特別な用途でつかわれるのです)で取り付けるようにして、そのおかげで窓枠やドア枠ピッタリでキッチンや収納を設置することができたりと、こういう地味なところが、後々きれいに見えるものなのです。

そこもうまくクリアして、レンジフードの給気用幕板の設置もうまくいって、今回の施工はここまで。

次回は連休明けにこの収納の残りの作業と、アイランドカウンターを設置するのです。

キッチン作りって、工務店さんの協力なしには実現できないものですから、いかにきれいに納められるかという段取りをしておけるかどうかで仕上がりも決まってくると思っています。事前に「このような仕上がりにするにはどのような問題が起きるか、それをどのように対処するか」また、「別の問題は何が考えられるか、それをどのように対処するか」こういうことを事前にお話ししておける関係というのはとても心地よく仕事が進む要素でとても大切なことです。

私たちの場合は特にキッチンを実際に使う皆さんからご依頼を頂くことが多いので、毎回違う工務店さんにご協力を頂いて完成を目指すのですが、今まで施工した現場の中には、一度も監督さんにお会いできない現場もありました。そういう時はやはり不安も大きく、現場自体も納期や作業状況が不安定なところもありました。それでもきれいに納めることに努めるのですが、事前の段取りにきちんと時間を掛けてくださるところほど不安なくのびのびと仕事ができるように思えます。

このキッチンものびのびとした仕上がりになってくれるでしょうから、完成が楽しみです。

セラミックカウンターとタモ材を使ったオープンキッチン

マイリズム

Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン

2022年8月12日

「タモ柾目とセラミックカウンターの壁付けキッチン」

秦野 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:hiroyuki kai
painting:hiroyuki kai

セラミックカウンターとタモ材を使ったオープンキッチン
全体の様子。新旧いろいろなものが寄り添っているのですが、どこにもぶつかることなく、みんなMさんのもとで調和している感じです。

中古の戸建住宅を10年前に手に入れて好みの形にリノベーションして暮らしてきたというMさん。
シンプルな作りのキッチンは大工さんが作って塗装屋さんがペンキを塗って仕上げてできあがったのだそうですが、塗膜が劣化してきてペンキがはがれておいた器の裏にまでついてきてしまうことがあったりして、傷んだところは自分たちで何となく間に合わせの修繕をしながら使ってきたのですが、いよいよ他の部分も手を加えたいところが出てきたということで、私たちにご相談をくださいました。

セラミックカウンターとタモ材を使ったオープンキッチン
こちらが改修前の様子。換気扇やテーブルコンロなどのいろいろなものはMさんの印象をそのまま映し出した感じなのですが、やはり時間と共に味わい深くというか傷んでしまっているところも多いようで、いよいよ普段使うのに不便が生じるようになってしまったのだそうです。
お客様のスケッチ
Mさんのイメージスケッチ。形はシンプルなのですが、なかなかそのそれぞれに細かいご要望があったのでした。

「先日はお忙しい中、オーダーキッチンのカタログ手配のご連絡をありがとうございました。
その先の順序もお知らせくださり、うれしく思いました。
はやる気持ちがハイペースになっておりますが、決して大急ぎの気持ちではありませんので、イマイさんのご都合で見積りの返答いただけたらと思います。
イマイさんのblogの中で、真木テキスタイルさんのタッサーシルクラグをお使いなこと(私も偶然欲しく、次回の納期がいつかわからないのでチャンスですがサイズで迷っています)、イマイさんのご自宅がラボラトリオさんを設計された方だと知り、自然とフリーハンドイマイさんに問い合わせ致しました。
何より、施工された皆さんの日常の雰囲気あるお写真が素敵です!
日用品が見えるので、周りの家具の大きさが想像しやすいです。
予算からどう形になるのか全く見えていないまま、好きなように話してしまいました。
どうぞよろしくお願いいたします。」 と、Mさん。

キッチンのスケッチ
こちらはMさんのご要望をまとめたスケッチです。キッチンというよりは学校のロッカーのようなとてもシンプルな形です。

頂いた写真は、とても雰囲気のあるキッチンの様子。なんとなく涼しい風が吹き抜ける牧場を思い起こさせてくれました。
十分心地良く使えているように見えるのですが、いろいろとお話を聞いてもっとグイッと近寄ってみてみると、そこかしこに傷んでいる様子が分かるのでした。

テーブルコンロの周りに張られたステンレス板はプカプカと浮いていて、大きな陶器のシンクが大工さんがベイマツ(かな?)で造作した棚に載っているのですが、そのペンキが少しべたついていたり、板が動いているからだと思うのですが、天板の水平が取れていなかったり、タイルと棚の納まりが大雑把でコーキングが荒れていたり、給排水の仕上げが雑に見えたりと、一見の雰囲気は良いのですが、細かな部分の荒々しさが目立っていて、ラフな仕上がりをMさんの細やかな使い方でカバーしてよい雰囲気になっているのかな、という印象でした。

セラミックカウンターとタモ材を使ったオープンキッチン
奥に見える赤茶色の棚は大工さんが作った元からある棚。手前のタモの棚が私たちが作った棚。それを今回はセラミックのデクトンでつなぐイメージです。

その様子を確認した上で、キッチンの入れ替えとなると私たちだけでは難しい部分がありますので、さっそくkotiの伊藤さんに連絡。Mさんのお宅が秦野ということでそれほど遠い場所でもなかったので、さっそく伊藤さんにも現状を見てもらうことに。
その上で、どのようにこのキッチンを使いやすくしていくかをMさんと検討していくことになりました。

今回お話を進めていく中で興味深かったのは、こういう言い方をすると何だか頼りないのですが、Mさんのイメージと私のイメージが合っていたのかどうか分かりづらかったことでした。

タモのオープン棚全体の様子
デクトンはなるべく薄く見せるために、素材そのままの厚み12ミリで見せています。その下に目地を取って、この目地で右のキャビネットと左のキャビネットの微妙な高さの違いを調整できるように考えています。
レンジフードはホワイト塗装仕上げで壁と同じ色に
換気扇をアリアフィーナのレンジフード「アンジェリーナ」に交換。唯一の引き出しが左端の調味料棚。小さな見せ場ですが良い表情になりました。

Mさんの希望としては、天板のペンキのべたつきが一番気になる部分で、あとは使い心地はむしろ大きく変えたくはないということで、形はシンプルにオープン棚になるようなデザインで。
最小限の引き出しだけを設けて、換気扇はレンジフードに付け替えて、という方向でお話は進んでいったのでした。

私の考え方としては、特にキッチンはこうあるべきっていう形は無いのですが、今までのキッチンを作らせて頂いた皆様から聞いたお話を自分の中でまとめていくと、使いやすい形は引き出しだったり、ゴミ箱、まな板、調理道具などをしまうべき場所はこのあたりが良いだろうという、イメージがあったりしたのですが、このMさんの前ではそういう今までの経験が生かせなくて、Mさんが思いがどんな形になるのだろうか、自分でも見えないままワクワクというよりドキドキしていたのでした。

オープン棚で使いやすいのだろうか・・
もう少しホコリなどが入らないように引き出しがあったほうが良いのではないだろうか・・ などなど。

タモのオープン棚全体の様子
そして下の棚の様子。こういう表情豊かな収納になるとは思いもよらず、図面を描いている時も、さらにはできあがった家具の様子を見ていても、シンプルすぎて、かえって使いにくいのでは・・、なんて思ったいたのです。Mさん、すみません。
小さな調味料瓶が取り出しやすいように底板を斜めに
引き出しの中はMさんのリクエストで、小瓶の種類が分かりやすいように斜めにおける傾斜台を入れています。ただ、ずっとこの使い方で良いかどうかは私にもMさんにも分かりません。ですので、この傾斜台を取り外すと普通の小さな引き出しとして使えるようにしてあります。
調味料ボトル用の引き出し
その下の深い調味料用の引き出し。上段を深く、下段を浅くというのがMさんのリクエスト。何をどのようによく使うのか、皆さん人それぞれ異なりますものね。
調味料ボトル用の引き出しの下にステンレス板を張っています
ボトル以外にも市販のケースを活用してラップ類を立てておけるようにしています。

加えて、当初はこのキッチンを全て入れ替えるかも、というお話も出ていたのですが、シンクから右のキャビネットはべたつきもそれほど出ていないこともあって、このままの形を生かす方法になったのですが、ちぐはぐにならないのだろうか・・調理道具はこのままで取り出しやすいのだろうか・・、なんていろいろ心配な部分が合ってできあがりが見通せなかったのでした。
でも、Mさんはいつも「イマイさんはいつも細かく考えてくださいますので、とても感謝しています。」とおっとりした安心した様子でお話しされていて、私は実はいつもなかなか不安でドキドキしていたのです。

セラミックカウンター「デクトン」とリンナイのグリル無しコンロ
テーブルコンロの時からそうでしたが、魚焼きグリルが無い暮らしでしたので、今回新しくしたコンロもグリルの無いリンナイの「RD641STS」で。
リンナイのドロップインコンロ
天板の浮いた印象とガスコンロの納まり。もともとのキャビネットよりも少し奥行を深くして、もともとのタイルとキッチンの隙間を隠すように作っています。
コンセントはJIMBOのNKシリーズでスッキリした印象
コンロの前にコンセントを設けました。

そのような思いを抱えておりましたが、Mさんにとっては引き出しなんてやっぱりいらなくて、自分の思い通りに見やすい形にすることがとても大切でしたので、やっぱりシンプルな形のまま。
でもその棚のバランスや唯一ある引き出しのデザイン、天板はステンレスからデクトンへと変わった印象など、Mさんの持つイメージはかたくなにそこにあったのでしょうけれど、私にはそのすべてがイメージできないままお話は進んでいきます。
その後も、竹を使った吊棚のアイデアが出てきたり、今使っている作業台にコの字型のカバーを被せたいというリクエストが出てきたり、なかなか実現が難しいお話がいくつか出てきて、さらにイメージが私の頭でまとまりなく渦巻くなかお話が進んでいったのでした。
最終的にはコストのこともあってシンプルな形にまとまっていったのですが、それでもどんな形になるのかな。 そしていよいよ工事が始まったのでした。

キッチンの家電用コンセントを天板下に設けています
コンロの下も可動棚にしてあります。そして、使い勝手は改修前と同じくオーブンレンジが置けるスペースにしてあります。実際にオーブンとして使う時は上の棚を外せば熱がこもり過ぎることもないので、複雑なスライド棚などを設けなくても大丈夫ということで、とてもシンプルな作り。
オープンキッチンの収納はトレイを使って
オーブンレンジも可動棚に載っていて、その下にちょっとしたストックの食品置場。

まずは解体ですが、普通のキッチンと違って大工さんが作っていたので、建物とくっついちゃっている部分があって、(どういうことかというと、板で箱を組んでから壁が仕上がっている部分があったので、箱を外すには壁も壊さないと取れない部分があったりしたのでした。普通のシステムキッチンなら、キッチンだけを解体することが比較的楽にできるのですが。)その解体がなかなかやっかいそうで、伊藤さんと大工さんで苦労しながら作業してくれました。
どうにかきれいに左側のみ解体できたところで、現地で打ち合わせをさせて頂いて、どのように新しいキャビネットを作れば傷んだ壁やタイルなどもうまく隠せるか、給排水をきれいに切り回せるか、デクトンのカウンターを右の既存のキャビネットと左の新しいキャビネットにうまく乗せるにはどうすればよいかを解体後の状況を見ながら確認して、制作開始です。
私たちが作るキャビネットは今回はシンプルな形でしたので、制作のほうは順調に進んでいきました。
さて、それをうまく設置できるかのほうが少し心配だったのです。
床材は時間が経って浮いてしまっている部分が合って水平が出しにくく、壁のほうもだいぶ立ちが良くない部分があって、伊藤さんがある程度調整してくれたのですが、それでもなかなか手こずります。
特にシンクの右にあるキャビネットはこのまま活用して、その上に右壁から左壁までデクトンのカウンターを載せるので、高さの歪みが出ちゃうと納まらないのです。
パッキンを挟みながらうまく調整して、キャビネットを据えたあとには、天板を載せて無事に設置完了。
あとは伊藤さんに給排水管とガス管をつないでもらえばすべて終わりです。
と、できあがってみてもこの先のイメージが見えない部分があったりして、Mさん、どのように使ってくださるのかな・・。

タモのオープン棚全体の様子
棚の印象。Mさんが使い込んだ品々が丁寧に置かれています。それぞれがただ丁寧に見せるための置かれているのではなく、きちんと使われて誇らしげに置かれている様子がとても心地よいのです。

Mさんが暮らし始めてひと段落しました頃にお邪魔させて頂いて、よく分かりました。
ああ、よく馴染んでいる。
タモの柾目の印象と右のベイマツの棚の印象をデクトンがつないでいる様子。
使い込まれて良く日焼けした床材やダイニングテーブルと古びた家具たち。
素材の印象はすべて違っているのに、みんなおとなしく優しくそこに調和している感じ。
その真ん中でまるでタクトを手にしてリズムを取っているように見えるMさん。
ひとつずつの動作が丁寧なMさんの様子とキッチンに棚の中に置かれたそれぞれのものが心地よい緊張感を持って並んでいる姿が本当にしっくりくる、という感じです。
そうか、キッチンをこういうふうに見せながら暮らしていく形があるのだなと、また一つ勉強させて頂いたのでした。

オープンキッチンには竹籠を使った収納
竹籠のカトラリーケース。
オープン棚のいくつかはステンレス板を張っていて水気がついても大丈夫なように
シンプルな印象ばかりではなく、Mさん自身で使い勝手をアレンジしていてこの棚の奥にはきれいな形の金属製の棚が置かれていて、上下段で調理道具がおけるようになっていました。この様子を説明してくれた時のMさんがとてもうれしそうにしていたのは、やはりキッチンを自分の使いやすいように仕立てていく(と言うのでしょうか)ことが楽しいのですね。

「イマイ様
遅くに失礼いたします。
引出しのご説明ありがとうございました。
外せる仕組みにしてくださり、使い方が広がるのは模様替え好きにはたまりません!
素敵な仕上がりに目を奪われそのままに一人時間でした。
お礼がすっかり遅くなりました。 
素敵なキッチンをどうもありがとうございました。
スペースに入るよう丁寧に作業されているお二人の姿やいろいろな確認事項や所作までもきれいで、私も娘に教えなければ!とはっとさせられました。
これはきっと今井さんのお父様から受け継いだ自然なお姿があってこそですね!
ウェブサイトでのお客様皆さんのお言葉から伝わるものがあります。
そのような雰囲気で自宅に新しい風が吹くと、あれこれ叶えられそうな家具はないかとつい考えてしまいます。
実は写真に映るポジャギのカーテンを使用した旨、お礼を京都のPINTさんというお店にメールしましたところ、偶然にも以前イマイさんのスタッフの方が「みんなのどうぐ」という企画に参加されてたそうですね!
PINTさんより、『ずっと気になっていた家具屋さんで、制作されるのも、取り組みも発信も素敵ですよね』と文章から頷いておりました!
ふと思い立ったメールで、いとも簡単に繋がるものですね
それでは、今後ともよろしくお願い致します。」

天板 セラミック「デクトン」
扉・前板 タモ柾目突板
本体外側 タモ柾目突板
本体内側 ポリエステル化粧板/タモ柾目突板
塗装 オイル塗装仕上げ
キッチン仕上げ

タモ柾目とセラミックカウンターの壁付けキッチン

価格:780,000円(制作費・塗装費、設備機器費用は別)

*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は80,000円から)

ナラのコーリアンの壁付けキッチン

コーリアン「クラムシェル」とナラの壁付けキッチン

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月14日

ワゴンの天板はステンレス張り
コーリアンとステンレスシンクの様子
コーリアンの水返しの様子
コーリアンのバックガードの様子
引き戸のあるテレビボード
籐を張った引き戸のある下駄箱
引手のイメージ

今回のOさんのキッチンはワゴンのあるキッチン。

「ワゴンのほうが引き出して天板の上も作業しやすいし、掃除もしやすいわ。」と80歳を超えるとおっしゃっていたおばあちゃんがこのキッチンを使ってくださる。

昔はワゴンタイプの収納を良く作っていたのですが、しまう時にあちこちにぶつけやすかったりして気を使うことと、やはり木でワゴンを作ると重くなることが多かったので、最近は、皆様にはあまりお勧めしていませんでした。

実際に作ってみると、やはり多少の重さはありますが、女性でも動かすことに不便はなさそうです。

わたしたちがワゴンを作る時は、床にタイヤ痕が残りにくいようにとウレタン車のキャスターを使うのですが、少し柔らかい分動きが重いように感じることがあります。

でもこれなら大丈夫かな。

と思って、先日納品したのですが、榎田さんから「Oさんに手が入らないから引っ張り出せないって言われちゃいまして・・。」と連絡を頂いて。

たしかにうっかりしておりました。

ということで、天板の木口に手を差し込めるような工夫をして、あらためて本日納品。

これで心地よく使ってくださるとうれしいのですがいかがでしょうか。

前回ヒロセ君とタケイシさんが設置したテレビボードと玄関収納もきれいに納まっていてこれですべて完了。

全体的に懐かしさの感じられる印象になりましたね。

ワークトップのコーリアンも今回は石目がきれいな「クラムシェル」という柄にしているのですが、左右と手前の水返しの形状とバックガードへとつながる印象がさり気なくできていてとても良い感じでした。ここが結構大きな形になっちゃうと石の印象が野暮ったく見えてしまいそうで、こういう納まりはきれいだなあ、と石の加工屋さんに感心したのでした。

ナラのダイニング収納の吊戸棚の様子

沼津まで

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月13日

この大きなダイニングの収納。

今日から二日間は沼津のHさんの現場でキッチンとダイニングの大きな収納の設置工事です。

今回の施工会社さんはいつもよくして頂いている平成建設さん。

今回はキッチンはセパレートタイプのキッチンで、コンロ側は壁付けに納まって、そこからL型につながるように大きな壁面収納が続いてくるのですが、ちょうどその角のところにパイプスペースがあって、納まりが難しいところ。

キッチンとダイニングの壁面収納とキッチンパネルの関わりをどのようにするときれいになるのか、どこで逃げを取っておくと最もきれいに納められるか、監督のHさんと設計のOさんと前回いろいろと話し合っていたおかげでとてもスムーズに進められそうです。

Hさん(監督さん)は今回初めてお付き合いさせて頂くのですが、とても的確な意見で段取りしてくださるので、本当に心強い。

「今朝は別の現場の確認してから伺いますので、現場には大工が居りますので、準備を始めていてください。」と昨晩ショートメールを頂いたのですが、朝伺うとその大工さんが、「ここのスペースは全部使って頂いて大丈夫ですよ。」と気さくにおっしゃってくださって。

そういう気配りや段取りが物ごとを滞りなく進められる大事なことだということをしっかり分かってくださっている人たち。そういう方々が携わっている現場はとても気持ちが良いのです。

家作りの中でこういうことってなかなか目に見えにくいことなのですが、技術も大事なのですが、コミュニケーションがきちんと取れていることってとても大切なこと。

すてきなだあ、と思っているところで、Hさん(お客様)登場。

「今日はイマイさんが来られると妻から聞いていたので、ちょっと時間ができたもので立ち寄らせて頂きました。イマイさん、これよかったら。」とおいしそうなお菓子を頂いて、「親方はエナジードリングが好きだって言ってからモンスター買ってきました。(笑)」

お施主さんともきちんとやり取りができている関係は、当たり前なのですがとてもすばらしい。

すてきな家作りに参加させて頂けて大変感謝しております。

制作を担当したワタナベ君とノガミ君が泊りがけで、今日、明日とでコンロ側キッチンとダイニング収納を仕上げます。

そして、来月の連休が明けたら、シンクのあるアイランドカウンターが設置されて完成の予定。

クルミの引き戸の食器棚のオーダー

日曜の朝

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月10日

食器棚の全体像
引き出しもクルミ材で制作

アイに「遅いよ。」と言われながら工房を開けると、今週納品の予定の家具たちが座っている様子が目に入ります。

「おなか空いたよ。」とアイに言われるので、少しだけご飯を上げて再び作業場へ。

まずはワタナベ君が担当したHさんの大きなキッチンが今週半ばに沼津に行くのですが、そのあとすぐに元スタッフのムラカミ君に手伝ってもらったRさんの食器棚を横浜まで運んで、週末には幕張にこのクルミの格子の引き戸の食器棚を担当したノガミ君が運んでくれる予定です。

確かめたはずだけど、入るかな‥。しかし、大きいなあ・・。

菜の花くさい

Category : 日記「自由な手たち」

もともと私は車が苦手で、というか車を運転している時に感じる気持ちの落ち着かない感じが苦手で、何というか自分の気持ちの有り様がピリピリしてしまうことに疲れてしまったりします。
できれば、ピリピリせずに水の底に寝転がって、「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」ってずっと言っていたいくらいなのですが、そういうわけにもいかないので、なるべく気持ちがのんびりいられるように、いつもはまだ車が混みあう前に家を出て車が通らない相模川沿いの自転車道に逃げ込むのです。

でも、この自転車道を最初に走り始めた時は、「なんて淋しいところなのだろう・・」という感じがしておりました。道幅が広いのは気持ち良いのですが、みどりが遠いし、圏央道が影になって日が差さないところが多くて、コンクリートに囲まれた匂いがうすい道のように思えたのです。

今では、よく見ると夏の雨のあとはカタツムリがそこら中に歩いていたり、河原のネコたちが寄り合いをしていたりと、夜のカマドウマに脅かされたりと、そこかしこに息づいている様子を感じられるようになりましたが。

ですが、こういう日曜日は交通量も少ないから、やはりむかし通っていた田んぼの真ん中を抜けてくる道が良いのです。

今日ようやく菜の花のあぶらっこい匂いが漂っておりました。
いよいよ夏に季節は向かっていくのですね。

アイも夜通し出掛けて帰らない日が増えてきました。

タモのペニンシュラキッチン

Wさんにご挨拶

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月9日

タモのキッチン背面収納
タモとコーリアンのペニンシュラキッチン

先日無事お引渡が終わったWさんのところにご挨拶に伺ってきました。

設計の野副さんから「今度、お引渡になるのですが、イマイさんも説明に来られますか。」とお声掛け頂いたのですが、ちょっと予定が入ってしまっていたことと、お引渡時に説明するよりも使い始めてから説明するほうがしっくりくる、と皆さんに言われることが多かったので、最近はほぼお引越し後に説明することが多かったりします。

お引渡の時って、住む人にとっては家のことの説明をすべて聞くことになるので、「あれはどうするんだったっけ?」ということも出てくるようで。

よくあるのが、「あの時引き出しの外し方をお聞きしたのですが、ちょっと忘れちゃって・・。」というご意見。

ですので、今日は引き出しの外し方や浄水器のカートリッジの交換方法やステンレスのお手入れ方法などをご説明してきたのでした。

使っている様子の写真を・・、と思ってキッチン拝見させて頂きましたら、さっそくお兄ちゃんがマジックで落書きしてしまったようで・・、階段や壁にも独創的な模様がちらほらと。

「今度、きれいに落とそうと思って。」とまだ、小さな赤ちゃんをおんぶしたままのWさんはちょっと苦笑い。その間もお兄ちゃんはいろいろな人が来るので楽しそうに家中を駆けまわります。

賑やかで温かい春の土曜日ですね。

途中で設計の野副さんと高橋さんもいらっしゃって、もっとにぎやかに。

楽しんで暮らしている様子が見られたのは、うれしいところでした。

籐を張った下駄箱

籐を張ったナラ材の下駄箱とテレビボード

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月8日

籐を張った下駄箱
ナラとステンレス壁付けキッチンとテレビボード

コロナウイルスによる資材の不足や納期の遅延などは私たちの周りでも少しずつみられるようになってしまいました。

1月にキッチンを設置したOさんの現場を施工している榎田工務店さんのところもその影響で予定が少しずれこんでしまっていましたが、ようやくもうすぐお引渡を迎えられそうということで、現場がきれいになったタイミングに合わせてテレビボードと下駄箱の設置に伺ってきました。

下駄箱には、最近よく見かける籐(ラタン)を張って通気を良くしましょう、ということで初の試み。

よく見かける納まりは籐を正面から張って丸芯で押さえる形ですが、今回はもっとオーソドックスな形として、裏面に籐を張って押縁で押さえる納まりにしています。

引き戸ですので、その方が戸と戸のクリアランスが調整しやすいところでもありましたので。

テレビボードも下駄箱の印象とキッチンの隣に並ぶということで、その二つの印象を混ぜ合わせたような少し懐かしい形で。

今回の取り付けは、ヒロセ君とタケイシさん。

以前の職場でも、同じようにタケイシさんはヒロセ君の手元で仕事をしていたということで、入社して1週間で現場に連れていかれてしまった・・。

彼女自身とても淡々と丁寧に作業するので(すばらしい)、ヒロセ君曰く、「僕がここに初めて来た時よりもスムーズに動けてましたよ。」とのこと。

これは頼もしいですね。

そして、肝心の設置は、「微調整になかなか時間が掛かりました。」と少し苦笑いをしていたヒロセ君でしたが、2台ともきれいに納まったようでひと安心。

と思ったところで榎田さんから電話が・・。

「イマイさん、ワゴンがピッタリすぎて引き出せないのよ。ってOさんに言われてしまいまして・・。」

たしかに。Oさんは80さんになるおばあちゃん。とても元気でここでお一人で暮らすのだそうですが、たしかに隙間に手を入れて、引き出すほどの力加減は難しいですね・・。

ワゴンにちょっと手を加えさせて頂くことにしまして、ひとまず今日は終わり。

すみません、次回ですべて完了いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。

子供部屋

おうち時間を整える

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月7日

本棚

新学期が始まりましたね。

「今日教科書受け取る日だー。」と中学生のチイがつぶやきながら朝学校に向かいました。

高校生のハルの分は宅配で家に送られてきたのにね。リュックの肩紐が切れそうなくらいの重さになるから、トレーニングのひとつだと思って背負って帰ってくるしかないですね。

さて、写真は子供部屋に本棚をつける様子です。

コロナ禍でおうち時間に合わせて増え続けたチイの漫画コレクション。収納場所が足りなくなったので、ダイスケさんが作ってくれました。

この先間取りも変わるかもしれないからということで、置きたい場所と収納量だけを考えた形です。

お小遣い・お年玉がいかにつぎ込まれていったかがわかるこのボリューム。無事納まりました。

口数の少ないチイは何を考えているのかわかりづらく、どんなお話を読んでいるのかを知りたくて、毎晩借りて読みますが寝落ちして全く進まないのでした。

共通の話題があるとうれしですし話が盛り上がりますからね、頑張って読み進めたいと思います。

シーザーストーンとナラのキッチンをキッチン入り口から見る

Kさんの完成見学会へ

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月3日

壁付けキッチンの全体の印象
壁付けキッチンと吊戸棚の全体の印象

お昼にHさんのところから工房に戻った後に、アキコと一緒に茅ケ崎のKさんのところの完成見学会へ。

建築設計はKさんのお兄さんのSuKA建築設計事務所の須賀さん。高い天井と木に気に囲まれた印象とどこか懐かしい手触りや色使い、お兄さんとKさんご家族の気持ちというのでしょうか、空気というのでしょうか、それがとてもよく分かる家でした。

以前ご相談に来られた設計士さんが、実はお兄さんのご友人で偶然ここでお会いすることになったり(なにかあればいつでもおこえかけください!)、施工を担当した久保田工務店の久保田さんともいろいろと話ができたりと、良い時間を頂きました。

キッチンのほうはKさんの頑張ってくださったおかげでとてもきれいな仕上がりになっていました。もともとKさんと私とが、インスタグラムで気に入ったキッチンの写真が同じだったところから広がっていったこの形。とてもとても良い印象です。突板は、今回大阪の万代建材さんに作って頂いて、とても良い表情のものになりました。

また、2階に敷き込んだカーペットは私たちも大変気に入って使っている堀田カーペットさんの優しい足触りのものが敷き詰められていたり。

Kさんが打ち合わせの時におっしゃっていました。

「こうして家作りを通じてすてきなもの作りをされている皆さんとご縁を頂けたのは本当にうれしいことです。」

本当にそう思います。

こういうつながりがあるから今があるのだなあと、あらためて実感したとても良い時間でした。

ありがとうございました。

キッチンのオイル塗装はお客様自身で施工

キッチンの塗装をするHさんご夫婦

Category : 日記「自由な手たち」

キッチンのオイル塗装の前に床を養生

今日はHさんのキッチンの塗装の日です。

あいにくの雨模様でしたが、すでに工務店さん造り付けの収納で塗装を実践済みでしたので、手際よく進めてくださいまして、良い感じです。

雨だとよけいに乾きにくいので、なるべく手際よく塗らないといけませんからね。

オイル塗装は染みこんで硬化する塗装なのですが、塗ったまま放置すると仕上がりがあまり良くないので、拭き取りが大切。そして、塗装前にきちんと表面を研磨してあげることも大切。

これをするだけで手触りとツヤの感じが大きく変わりますので。ちょうどその作り付けの収納で1回塗り終わっている棚板がありましたので、2回目の塗装方法をレクチャー。

2回目の塗料はほとんど染みこまずに表面にツヤを与えるくらいですので、この2回目の塗装前に研磨が触り心地の良さを左右します。

と言っても難しいことはなく細かい目の紙やすりで撫でるように磨いていくくらいですので、まずは私のほうでこんな感じです、と磨いてオイルを擦り込んでみて、それを触って実感してもらいます。

「なるほど、ツルツルです!」とHさん。

そうして、作業内容とその作業の具合というか感覚というか、それを知ってもらって、さあ始めましょう!

先ほどお伝えしたようにして引き出しを外してもらって、奥様は引き出しから、ご主人は床の養生から。

コロナ過ということで、なかなか工事が進まない現場も多いようで、Hさんもその状況になってしまって、予定よりも工事に時間が掛かっているとのことですが、あとは住みながら工事をしていくのだそうで、家作りにはいろいろな道のりがありますものね。

私たちの時も工事を担当してくださる工務店さんが急きょ変わったりして、(かえってそれがとても良い形になったのですが)スムーズに新居に入ることができなくてアキコの実家に居候したり。今ではとても良い思い出です。

何よりもHさんが楽しんで作業してくださっているのがうれしいのでした。

次回は住み始めてから。

あらためてご挨拶に伺わせて頂きますね。

がんばってくださいね。

ミーレの洗濯機と乾燥機の設置工事風景

ミーレの洗濯機と乾燥機の設置

Category : 日記「自由な手たち」

2022年3月30日

ナラの吊戸棚のオイル塗装前の養生風景
キッチン引き出しを現場でオイル塗装する風景

先日キッチンの設置工事が完了したKさんのところに今日はミーレの洗濯機と乾燥機の設置に伺いました。こういうふうにオーダーキッチンの仕事をしていなかったら、無かったであろうお仕事ですね。

100kgという洗濯機も無事搬入できて、細かな調整をしている間にKさんとお嬢さんが来て、キッチンの塗装です。

今回は、いつも使っているターナーのエシャオイルでナラ材の部分を塗装して、部分的に白く仕上げるところはシナ合板で作ってあって、そこにベンジャミンムーアの白い色を乗せていく予定なのです。

ペンキとオイルの塗り分けがなかなか難しいところですが、ペンキもオイルもDIYで実践済みというKさんなら大丈夫かな。

まもなくご新居の完成で、全容が見えてきたらまたお邪魔させて頂きたいと思います。

新年度

Category : 日記「自由な手たち」

2022年4月2日

ニュースや投稿を見ていると入職式の様子が見られて微笑ましいですね。
私達の工房にも待望の入職者1名タケイシさんを迎えました。
入職時の説明と書類の確認をして、早速作業に入ってもらうという流れで申し訳ないです。ありがたいことに忙しいのです。
そういう会社なのだなとわかってもらえたかと思います。しかもルーバーの加工。
声をかけると「大丈夫です。」と穏やかに答えられるのは、木工の経験があるからなのですね。
皆さま、新年度も引き続きよろしくお願い致します。

お客様の中にはご心配される方もいらっしゃるかもしれないのでお知らせしておきます。今までもそうだったのですが、
新人スタッフの制作には必ずベテランスタッフがついて作業しておりますので、仕上がり等の問題ないようにしております。
よろしくお願い致します。

ショールーム

緑を整える

Category : 日記「自由な手たち」

2022年3月30日

先週末、ダイスケさんとショールームの緑を整えました。「時間ができたらやりたいことリスト」にはずーっと入っていたことなのですが、他のことができると優先してしまっていたりして先延ばしになっていました。それを表すかのように、鉢底からごっそり根が伸びてきていました。

プラスティック製の鉢が劣化してきてしまっていたので、陶器や素焼きのものに植え替えをしました。

インテリアとしても、雰囲気がよく整った気がしています。

株分け

株分けをした子たちは家に連れ帰ってきました。緑が増えてうれしいのです。

緑のある暮らし

もう少し暖かくなるまで、日当たりのよい子供たちの部屋の窓際に置くことにしました。

この部屋は、子供たち・メダカたちも育つことが証明できているので、株分けした子達もきっと大丈夫でしょう。

ガラス鉢

メダカをいただいたKさまより、「メダカが卵を持っていますよ。」と連絡を受けたのでその準備の為にガラス鉢を用意しました。水草が水面を抜けてすくすく育ってきたのです。

水草の花

かわいいお花が咲きました。こういう楽しみ方もあるのですね!

水やり

さて、我が家は2Fに水場がないので、植物の水やりは1Fのキッチンまで持ってきてあげています。植木の移動はもう冬の間のエクササイズだと思ってやります。(笑)

こういう時にも、キッチンのシンクや作業スペースの広さが必要だなと感じました。

このお家で暮らしはじめてもうすぐ丸3年。やっと植物との過ごし方を見つけられた気がしています。

木を扱うという自然の恩恵を受けて日々お仕事をさせていただいているので、植物の管理がちゃんとできていないと、お礼ができていないようで気になっていました。これからも努めて過ごしていきたいと思っています。

クリナップのオールステンレスのキッチンとの組み合わせ

コーリアンとブラックチェリーのアイランドカウンター

Category : 日記「自由な手たち」

2022年3月29日

コーリアンの「ウィッチヘーゼル」を使った天板
キッチンカウンターにはゴミ箱と炊飯器とスツールを置くスペースがあります

コーリアンのウィッチヘーゼルというカラーを使った天板とブラックチェリーの組み合わせでキッチンのアイランドカウンターを制作しました。

Sさんはどこか懐かしい趣のある戸建て住宅をリノベーションして暮らすのです。

茅ケ崎のこのあたりは住宅街が古くて道が入り組んでいるところが、車にはたいへん不便ではありますが、住む町がこれほど小道にあふれていたら素敵じゃないですか。

1階でも日当たりの良い位置にこのキッチンがあって、クリナップのオールステンレスのキッチンともよく印象が合っておりました。

曇天模様でしたが、雨に当たることなく、ヒロセ君と二人で無事に設置完了。

Sさん、また使い始めたらその様子を見させて頂けるとうれしいです。

ありがとうございました。