タモのペニンシュラキッチンとパントリーを兼ねたバックカウンター

2021.01.10

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キッチンのレイアウトや玄関からキッチンへとつながる動線やキッチンから見渡すリビングダイニング、そして2階に上がる階段の様子が私の自宅と同じ、ということで、ご新居建築前から私の自宅を見に来てくださっていろいろと体感して確認してくださったKさんご夫婦。
いよいよ昨年末から新しい暮らしが始まりまして、今日はお手入れとご挨拶にお伺いしてきました。

我が家と同じくパントリーを設けなかった分、その代わりとなる多目的な収納を作ったり、ご主人がキッチンたちを丁寧に塗装して仕上げたり、(今井さん1日5時間で2日間くらいで終わるって言ったけれど、それは嘘だっ(笑)と言っておりました。たしかにこのボリュームは大変だったと思います・・。すみません!)と、同じようなレイアウトでどのように愛着を持って暮らしているのかを拝見させて頂くのを楽しみにしておりました。

「とても使い勝手よくたいへん気に入っていますよ。」そうお二人でニッコリされて、ひと安心。
ただ、環境と季節のためか、早くも木が動いてしまっている部分がありまして、そのお手入れに伺いましたがもう少し部材が必要そうで、またあらためてお伺いすることに。
次回は平日の夜に少しお邪魔させて頂くことに。
また夜の表情は違って見えるでしょうから、どんなふうに見えるかな。

Kさん、次回もよろしくお願い致します。

ゆっくり始まりました。

2021.01.08

アキコが年明けからいろいろと書いてくれていたので、今さらではありますが、明けましておめでとうございます。
今年はみんなで5日までお休みをいただいておりまして、ゆっくりした仕事始めになりました。
毎年仕事始めの日にはみんなでカレンダーを作るのです。
「この休みの日をこっちに入れ替えて連休にしちゃおう。」とか「」この月は就業日が少なくなりそうだから、仕事を段取りよく進められるように前もって出勤にしておこう。」とか、あれこれみんなと相談しながら仕事する日を決めるのが恒例になっています。
まるで昨年末の大忙しが分かっていたかのように年末年始は長く休みが取れたので、みな新鮮な気持ちで仕事に臨んでくれているようでうれしく思います。
そして、年始からみなさま家具の相談にいらしてくださるので、大変うれしく思っているのです。
相変わらず自分らしさがきちんと表現できているか確信が持てないところですが、そのような私たちのことを気に入ってくださって声を掛けてくれるというのは本当にありがたく、かけがえのない時間です。
皆さんの気持ちにひとつずつきちんと応えてゆけるように、本年も頑張ってまいります。
見知らぬ病が訪れていて不安を覚える毎日ですが、前を見て次のひと足をきちんと確かめながら進んでまいります。

今年最初の納品は、この2脚のチェリーの椅子です。

そして、ウェブサイトの制作例も少し載せました。
皆さんとの出会いの記録です。

私がある場所

2021.01.08

「タモのアイランドタイプの食器棚のオーダー」

横須賀 T様

design:Tさん
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:yasukazu kanai

タモのキッチンアイランドカウンター

どっしりした印象になりました。今回はタモ材を使ってオイル塗装で仕上げています。


タモのキッチンアイランドカウンター

キッチン側は、家電収納やお料理に使うものがしまわれています。

ご年配の女性からお電話を頂きました。
ちょっと声に年季が入っている感じがしたのでそう思ってしまったのですが、実際にお会いしてみるとそんなことはなくて、そう思わせたちょっとハスキーな感じの声の私よりも少し年上の女性でした。
お話を聞いているとむしろ私よりも若々しいくらいの快活な方で、ご両親が無くなって譲り受けた家を建て替えて、こじんまりした平屋を建てるのだというお話をしてくれたのです。
「あたしが一人で住む家ですので、小さな家なんです。2階があっても階段の上り下りがだんだん大変になってくるし、それほど物を持って暮らすわけでもないので、平屋にしてコンパクトに暮らしたいと思っているんです。」
いいなあ、平屋は憧れます。

タモのキッチンアイランドカウンター

一人分の機能がコンパクトにまとめられている様子は見ていて気持ち良いです。


タモのキッチンアイランドカウンター

ここは炊飯器を収納する部分。スライドテーブルにしています。床にあらかじめコンセントケーブルを出しておいてもらっているので、この奥にコンセントがつけられるようにしています。


タモのキッチンアイランドカウンター

引き出しにはハンドルをつけないで、手掛けにしています。


タモのキッチンアイランドカウンター

レンジを置くスペースもスライドテーブルにして引き出せるようにしています。


タモのキッチンアイランドカウンター

そのスライドテーブルの下は少し空間を設けておいて、オーブン用の天板が置けるようにしています。


タモのキッチンアイランドカウンター

ここだけ長いハンドルをつけて布巾かけにしています。布巾が木部になるべくこすらないように出っ張りが大きめのハンドルにしています。

父方の祖母の家も平屋でしたね。2階もあるにはあったのですが、下宿として学生さんに貸していて、何度か急な階段を上っていったことがありましたが、4畳半の小さな部屋がいくつか並んでいて、空いている部屋に入ると子供の時分にどこか怖かったことを思い出します。
怖いというと、アキコに言うと、「またその話ね。」と笑われるのですが。
カップのこわい顔
個々にも書いてあるのですが、祖母の家に遊びに行くのは緑だらけの庭で焼き芋をしたり、特製ハンバーグを作ってくれたりと楽しみだらけだったのですが、ひとつだけ怖いことがあったのです。
家に上がって手を洗ってまずは先に死んだ祖父にお線香をあげるのですが、その部屋にあるコップがね、怖いんです。
白いマグカップの1/3くらいにまつ毛の長い大きなキラキラした目(少女漫画の主人公ような目でしたね)に少し大きな唇(笑っていたかなあ)それだけが描かれたマグカップ。
その顔が目に入ると、それだけでオイオイメソメソと泣いておりました。
だって怖かったのです、その大きな目がとても。それを見て父や母がコップをクルっと後ろ向きにしてくれるのですが、いたずらでまた前に戻しちゃったりして、そうするとまた怖くて涙が出てくるのでした。
弟は全くそんなことなくて(なんで兄ちゃん泣いてんの。)って感じでしたが。

タモのキッチンアイランドカウンター

側面にもコンセントを設けました。

話がそれてしまいましたが、平屋は憧れます。
我が家も建てられる土地が広ければ、サザエさんのうちのように長い縁側がある家にしたかったなあ。
Tさんの新居は「敷地にポツンと建てる」っておっしゃっていたから、庭が気持ち良いのだろうなあ、なんて一人思い描いたりしておりました。
その新居に食器棚になるカウンターがほしい、というのがTさんのご要望です。
キッチンは壁に向かって据え付けられるという間取りになるそうで、そうなると、お料理する作業台がほしくて、さらには「あたしはもう一人だから、チャチャッとご飯を食べたいの。」とおっしゃっていたように、簡易的なテーブルがほしいと言うことでした。
そこで、いろいろとお話をさせて頂いて、ひとつの形が決まりました。

いつもでしたら、このあとに現地にお伺いして、きちんと納まるかどうかなど確認させて頂くのですが、今回は平屋でしたので搬入も特に問題がなく、設置場所も壁が関わる部分ではないので事前に採寸が必要、ということもなかったので、Tさんと工務店さんでご判断頂いて、事前にお伺いすることなく製作に取り掛かったのでした。
こうして、写真で見るとかなりの大きさなのですが、実際には運びやすいようにいくつかのキャビネットに分かれて製作していますので、普通に玄関から運び入れることができまして、この場所でひとつに組み合わせていくことで、大きな地震でも動かないようなどっしりとしたアイランドタイプの食器棚にすることができたのでした。

タモのキッチンアイランドカウンター

こちら側は食器棚として使っています。


タモのキッチンアイランドカウンター

引き出しの様子。


タモのキッチンアイランドカウンター

引き出しの様子。


タモのキッチンアイランドカウンター

引き出しの様子。

後日、使いっている様子を拝見させて頂くためにご新居にお邪魔させて頂きました。
「こんばんは。」
Tさんのお仕事の時間に合わせて、お忙しいかもしれないのに夜にお邪魔させて頂いたのでした。

スゥっと玄関の引き戸が開くと清々しい針葉樹の香りが風に運ばれてきます。枠に床に柱にといろいろな木が使われていて、真壁の作りですので、さらに木々の表情が豊かに目に入ってきます。
「気持ちの良い場所にしたかったの。どうぞお入りください。」
と、ご案内いただくと、玄関から一直線にキッチンがあって、カウンターがどんと置かれている間取りです。
玄関からは空間を隔てる建具もないし、何もない。
大きな一つの空間です。
だから向かいのリビングからの風が玄関を開けた時にふわっと漂ってきたのですね。
「そうなの、この空間はとても心地よいけれど、何だか丸見えなようで、だからこのアイランドカウンターがあると落ち着くのね。」
「すっかり心地よく使っているのよ。」
と言って、使い勝手をいろいろとお話してくださいました。
家具の使い心地と一緒に、生成りのレースカーテンの様子や置き畳の使い方や、ちょっと特徴のあるクローゼットの様子などもお話してくださって、とても心地よく暮らしている様子を教えてくださいました。
うれしいです、こうして楽しそうにお話してくださる様子を見ていると。

タモのキッチンアイランドカウンター

跳ね上げ式のテーブルです。


タモのキッチンアイランドカウンター

テーブルを出した時の様子。アイランドカウンターとワークトップは高さ850ミリで、テーブルは700ミリの高さになるようにしています。


タモのキッチンアイランドカウンター

跳ね上げ天板用の金物。最近はとても使いやすいものができていて、女性でも上げ下げしやすく、さらにはソフトダウンするので、手を挟むことがないような作りになっています。

「わたしはね、ずっとここに居られるの。ご飯を作ったり、ご飯を食べたりする以外にも、この天板がとても広いからいろいろな仕事をしやすいのよ。うれしいわ。」
ありがとうございます、Tさん。

タモのアイランドタイプの食器棚

価格:690,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から、取付施工費は30,000円から)

hop step

2021.01.08

「クルミ材とステンレスの食器棚のオーダー」

相模原 H様

design:Hさん
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

クレミルに来てくれたのですよね、Hさん。
クレミルって何?
クレミルは私たちが毎年冬に開催している小さなクラフト市です。
この工房がある「倉見」は「日暮れを見る」→「暮見」、転じて「倉見」と呼ばれたのだという説があるくらい、西を向くと平坦な相模川の向こうに大きな富士のお山が見えて、日が遠く沈む様子が良く見えたのです。
今でも、この物静かな町にはそれほど高い建物があるわけではないので、いまだに日が暮れる様子は良く見えて、時折空が真っ赤に焼ける様子も良く見えるのです。
その様子から取った名前で毎年の暮れに開いている「クレミル」に来てくださったHさんご夫婦。
お二人ともキリっとした眼鏡に奥様はたしか長いコートを羽織っていたような。先生かなって思えるくらい、スッとした姿でしたので、クレミルの主催者のはずなのに人見知りな私はなかなか声を掛けられずにいたように覚えております。
何をきっかけにか(おそらくアキコが作ってくれたのだと思いますが)お話することができまして、ダイニング廻りを整えていきたいというお話を伺うことができたのでした。
そして、さっそくその2日後に奥様からメールが届いたのでした。

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Hさんがダイニングとキッチンの様子を写真に撮って送ってくださいました。

「9日の日曜日におじゃましました、Hと申します(妻の方です。)
先日は急に伺いましたのに、お忙しいところご対応いただきありがとうございました。
実際に伺ってみて、どんどん夢が膨らんでしまっています。
遅くなりましたが、図面と現状の様子、サイズなどの資料をお送りさせていただきますので、
ご確認いただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いします。」

とご自宅の平面図とダイニングの写真を送ってくださいました。

キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

最初の打ち合わせで考えた形。

そこで、先日お話しさせて頂いた内容をさらに詳しくお伝えしたのでした。
最初はこの食器棚だけではなくて、手前のシステムキッチンを隠している腰壁も印象よくしたいと考えていたのです。
腰壁の上に乗っている笠木は木目調の化粧板ですので、食器棚を無垢材で作ると少し違和感のある印象になってしまうかもしれない、それに腰壁の白さをもう少し温かみのある木の表情にできたら、印象が整うのではないかと、そしてその白い壁の手前に収納を作ることで猫グッズたちも、より整理されるのではないかと考えていたのでした。
ただ、実際に作る工程などを考えていくと、Hさんの考えていた予算を上回ってしまうことが分かり、まずは一番必要と感じている食器棚を作って、あとからお金に余裕ができたらダイニングを整えましょう、ということになったのです。

キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

そして、全体の印象。アマダナのウォーターサーバーと並ぶのでバランスを考えたサイズで作らせて頂きました。クルミの表情がHさんのお部屋の雰囲気によく合っているのです。

さて、食器棚の制作のご依頼を頂けることになりましたので、さっそくご自宅にお伺いしました。
懐かしい私の高校時代の最寄り駅を折りると、昔はもう少し猥雑な印象があったこの駅もすっかり小ぎれいに変わっていて、27年の時間の流れを感じますね。
しかし、学校とは反対方向に向かって歩いていくと、昔懐かしい静かな住宅街です。

キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

もともと物の少ない暮らしをされているHさんご夫婦でした。以前ここに置かれていた食器棚もとてもコンパクトなものでしたので、吊戸棚をしっかり作るほどの収納量は必要ないけれど、お茶の時間が書いて気になるように、ということで手の届きやすい位置にオープン棚を作らせて頂きました。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

食器棚部分お全体の様子。天板はステンレスヘアラインをトップ面のみに使い、小口部分はクルミ材で仕上げています。キャビネット自体はクルミの突板を使い、引き出しの前板や側面はクルミの無垢材を使って仕上げています。

「こんにちは。」
Hさんにリビングまでご案内いただくと、はるか上から見下ろすヒトたちが。(名前忘れちゃったな。)
このふっくらしたヒトたちも一緒に一緒に楽しめるような食器棚を作ろうというのも今回の目的のひとつ。
素敵な形になりそうです。
実際に今使っている食器棚の様子や置かれている家電などを見せて頂いていろいろとお話をしていましたら、結局一度もここには降りてこなかったなあ。残念。

キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

食器棚の右側収納上部はこのような感じ。もし、もっと大きな家電が入ることになったりしても対応できるようにこの棚板は取り外せるようにしています。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

その下は炊飯器とトースターを引っ張り出して付けるスライドテーブルにしています。今回は奥にコンセントを付けずに天板に配線が通せる穴を開けておいて、Hさんのほうでマルチタップをご用意頂いて電源を確保する方法を採っています。この方法でしたら、壁にコンセント用の穴を開けることがないので、コストを抑えることができるのです。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

スライドテーブルの下は深めの引き出し。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

右側はちょっと浅めの引き出し。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

そして、その浅めの引き出しの下はワイヤーバスケットを設けています。 このバスケット、もう作らなくなってしまったようで、現在は私のところに5台くらい在庫がありますがそれで終わってしまいます。なかなか使い勝手が良かったのに残念です。でもまだ、このステンレスタイプではない、白いバスケットは継続して販売されています。また、やはりステンレスが良いという方の場合のために使いやすいサイズでバスケットを作ろうかなと考えております。あるメーカーさんが協力してくれそうなのです。ありがたいことです。

こうしてHさんとのイメージを一致させることができましたので、いよいよその形を実現させます。
クルミ材はここ最近よく使われるようになってきたのですが、なかなか色のバラつきもあったりしてイメージしづらい材だったりします。
皆さんが持っているクルミのイメージは上品過ぎず、すこしラフな表情で曇った茶色いところが好きだったりすることが多いので、そのような色味の材を使えるように心がけています。
そうしてできあがった形は、Hさんのイメージにもよく合っていて、良い表情になったのでした。

「イマイさま
お世話になっております。
昨日はありがとうございました。
思った以上の、とてもとても素敵な収納をありがとうございました。
すぐにお礼のメールを!と思いながらも、早く使ってみたくて食器を納め出してしまいました。(笑)
設置していただいたお二人の細やかな仕事ぶり、聞こえてくる丁寧なやりとりを拝見しながら、我が家の壁にぴったりと収まってゆくところを主人と眺めておりました。
やりずらかったかもですね・・・。(笑)
仕上げまで本当に丁寧でなんだかすごく家具への愛情を感じ、とても幸せな時間でした。
私たちも大切に愛用していきます。」

キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

食器棚の左側は引き出し収納。今回、この食器棚のほかにパントリーとして活用できるスペースがありましたので、この引き出しは保存食などはしまわなくて済んだので食器をメインに細かく段数を増やして収納することができました。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

引き出しの様子。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

引き出しの様子。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

引き出しの様子。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

引き出しの様子。


キャットウォークのあるクルミ材のキッチンカップボード

引き出しの様子。

そして、その納品から約2か月後。
いつもは冬のクレミルに合わせて行なっていた木工教室。いろいろと盛況できちんと皆さんの作業の様子を確認できないくらいになってしまった時もあったので、これはいけないということになり、年2回開くことでもう少しゆったりと教室を開けると思いまして、夏の教室を開くことにしたのです。
そうしましたらHさんがお二人でその教室にご参加くださいました。
作りたいのは猫の爪とぎとご飯台です。

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夏のクレミルで作ったもの。爪研ぎ台。


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夏のクレミルで作ったもの。ご飯台。

日曜大工をされるお二人でしたので、なかなか難しい加工も無事に終わらせることができてすてきな形になりました。
幸せな猫たちではありませんか。
次に予定しているキッチンの前の収納もご自身で作っちゃうのでは、と少しハラハラしているのです。

クルミ材とステンレスの食器棚

価格:530,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は18,000円から、取付施工費は30,000円から)

仕事始め

2021.01.06

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私達は今日から仕事始めです。
スタッフのみんなやお電話やお会いする方々と新年のご挨拶を交わしてお互いに元気だと確認できるのはうれしいですね。
コロナウィルスの感染拡大が続いていて新年も心配な日々が続きそうですが、私達は引き続き気をつけながら製作を進めてまいりたいと思っております。コロナウィルスに対する行動を制限する範囲も人それぞれの感覚があると思いますので、もうすでにご予約いただいているお客様でもご心配なことがある方は調整していきますのでご連絡くださいね。体が第一です。引き続き、よろしくお願いいたします。

紅葉の剪定

2021.01.04

公的機関が始まるといつまでもお正月気分ではダメだと気持ちが焦ってしまいますが、落ち着いてお家でやっておきたいことを一つ一つ整理して。
今日はお庭の冬支度をしました。落ち葉拾いをしながら初めての紅葉の剪定。「ぶつかっている枝は切って、伸びて欲しい枝は残していけばいいんですよ。」と松光園さんに言われた通り幹を揺らして確認しながらやってみました。枝先に芽がたくさん出ていることに気がついて、葉が枯れたから散ったのではなくて芽が出るために散ったのかと思ったら、葉がない状態の紅葉が寂しい姿には見えなくなりました。
春が楽しみができました。

明けましておめでとうございます

2021.01.01

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今日はいいお天気でしたね。初日の出を見に近くの公園に出掛けたら近所の若者が集まっていました。若い子たちが元気で自分たちで楽しもうとしている感じは好きです、微笑ましくて。(ハルチイは「眠い」「寒い」と行きませんでしたが。)
我が家のお飾り、玄関飾りは倉見の農家の鈴木さんのもの。農家さんが最強なんじゃないかって思っているのでそのお力にあやかろうと思います。鏡餅は市販のものですが、台は昨年ペットのご飯台とした作った「cone」です。この形を見た時に鏡餅の台として使っていこうと思っていました。想像通りの姿でうれしいです。
おせち料理は、毎年恒例の大慌てで用意しましたがおいしくできました。ハルとチイが栗きんとんと田作りと伊達巻を作ってくれたので助かりました。今回は倉見駅前の斉藤精肉店さんのいいお肉でローストビーフを作りました。おせちがおいしくできあがるとうれしいですね。そんな元日を過ごさせて頂きました。本年もよろしくお願い致します。

ダイニングテーブルのメンテナンス

2021.01.01

ピンボケしてしまいましたがヤスリがけをしたらこんなに汚れが付きました。20201231002
写真では伝わりづらいのかと思いますがきれいになりました。はじめはなかったダウンライトの明かりが反射しているのがわかりますかね。20201231003
カップボードの天板。見えるところは日々拭いていたのですが汚れていますね。無垢のシナ材の天板ですがやっぱり汚れで陰影がついてますね。使い始めて1年7か月。
20201231005
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年内に投稿しよう思っているうちに年が明けてしまいましたが、大晦日にはおせち料理の準備をしながらカップボードのお掃除と恒例のダイニングテーブルのメンテナンスをしました。
カップボードの天板は、家電を置くだけではなく、作業スペースとしても使えるように考えていたので、多少汚れてもすぐに掃除しやすいようにとウレタン塗装にしていましたが、オーブンレンジやトースターをどけてみると跡のように黒い汚れがついている部分がありました。油分に埃が混ざったべたついた汚れでしたのでセスキ炭酸ソーダ水で拭き取りきれいにしました。
土鍋たちを置いているステンレスの棚板もシナ合板の棚板も結構べたついた埃がついていました。キッチンのオープン棚はキッチン内で油煙が舞うからかやはりこういう汚れが付きやすいです。
我が家は色が薄い木のシナ材なので汚れが目立ちますが、汚れがどのくらいついてどの程度落とせたかわかりやすいので管理はしやすいという点ではよかったな思います。
それから、この円卓は使い始めて1年7か月になります。4脚あるうちのテレビを見やすい場所の1脚のあたりがよく座るので、やはりその部分が他に比べて汚れてきていました。
まずは固く絞ったふきんで水拭きをします。その後ヤスリがけをします。320番くらいの目の細かいものがやりやすいと思います。
なかなか文章だと伝えにくいのですが、汚れが引っ掛からなくなりサラッとしてきたら、そして、これが一番分かりづらいのですが、(そして特にここまでしなくてもきれいになるのですが)320番で全体的にツヤを落とすのです。ギラっとしている表面のそのぎらつきを磨くとツヤが抑えられてマットな印象になっていきます。ダイニングの照明を当てながら磨くとぎらつきが取れた部分と残っている部分がよく分かります。このぎらつきが取れると、上からオイルや蜜蝋を塗った時にとてもしっとりした印象に仕上がるのですが、いつかお会いした時に皆さんにお伝えできたらと思っています。
そしてそのあと、さらに細かい400番のペーパーで全体を撫でるように書けると均一にツルっとした感じになります。
そうして研磨を終えたら要らなくなったシーツや洋服の切れ端(綿のものがベストです。)で蜜蝋を塗り込み、べたつかなくなるまでしっかり拭き取りまして、完了。
そうしてきれいになったテーブルで年越しそばと海老名のお魚屋魚彦さんのおいしいお刺身で紅白歌合戦を見ながら夕ご飯です。
毎日家族みんなで使う場所がきれいになると気持ちがよいものです。手触りも気持ちよくお料理の写真映えもよくなった気がします!
皆様もよいお年をお迎えくださいね。

掘り出す

2021.07.24

「クルミのダイニングテーブルとダイニングチェアのオーダー」

藤沢 N様

クルミのダイニングテーブルと椅子

納品したての様子。背が高い椅子はご主人と奥様、背の低い巣はいずれ大きくなったお子さんたちの物。右がキッチンに抜ける通路なので、背もたれが低い椅子はテーブルの下にまでしまえるので使い勝手が良いです。

design:Nさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hiroyuki kai/kenta watanabe/daisuke hirose
painting:hiroyuki kai/kenta watanabe/daisuke hirose

例にもれず、私も子供の頃はゲームが好きでした。
特に剣と魔法が行き交うファンタジーの世界のロールプレイングゲームが好きでしたね。
敵をやっつけては経験を積んで自分が強くなっていって、最後の敵に立ち向かうというタイプのゲームですね。
でも好きなんですけれど苦手なんです。
主人公がダメージを受けると、「あぁ、やられてしまう。辛いなあ。」とか「暗い洞窟に入り込むときっと帰ってこられるだろうか。」とかTシャツに短パン(私の小学校は長ズボンが原則禁止でしたので)姿の自分がテレビ画面を見つめてコントローラーを動かしているだけなのに、気持ちは痛みを感じている戦士だったり、暗闇を怖がる魔法使いだったりするのです。
だから、何だか怖くてなかなか先に進めなくて・・。

クルミのダイニングテーブルと椅子

背もたれの低いダイニングチェアの制作中の様子。椅子はね、組む回数が多いのです。


クルミのダイニングテーブルと椅子

テーブルに比べて椅子は大きさは小さいですが、加工が細かい。それを考えると椅子を1脚だけ作るというのはかなり割高になってしまうため、こうして、4脚とか6脚まとめて作るのですが、それでも背もたれのカーブを作るための型板を作ったり、後ろ脚のアールを加工したりと、それはなかなか大変なのです。

そんな私でもこうして大きくなると、いろんな場面でロールプレイする機会が頂けるようになりました。
この家具を作るとこういうふうに過ごしやすくなったり、こんなふうに動きやすくなったりって皆さんに伝えられるようになったのです。
そういう役割が仕事になってくると、いろいろな場面や事象を想定してお話ができるようになる。
でもね、時々こういうふうにご相談頂くことがあるのです。
突然ご相談にいらしてくださって、「イマイさんはどう思われますか。」と。
うーむ、いろいろ想像豊かになった私でも、短時間で「どう思われますか。」と言われてしまうとなかなか答えにくかったりするのです。

クルミのダイニングテーブルと椅子

できあがった背もたれの低い椅子。以前に作ったこのタイプの椅子は、背もたれの材が細すぎてかえって持つときに不便があったのです。そこで少し幅を広げて、かつ足へと滑らかに続く形状にしました。


クルミのダイニングテーブルと椅子

これが背もたれの様子。滑らかにした部分の印象は分かりますでしょうか。背もたれのカーブと後ろ脚の交線が描く図形が逆三角形に見えるのです。

ステレオタイプな意見はあまり好みではないので、いつもはご相談にいらしてくださるまでにその人の思い描く形がある程度決まっていたりして、私が伝えるべきことがある程度限られているか、もしくは決まっていない場合はその前段階としてその方の暮らしぶりや好きなものをお聞きしながらその人の暮らしを思い描けるようになってからその人にとって良いと思えることをお伝えするようにしているのです。
そうじゃないと、自分の意見が希薄なものになってしまいます。
だから、私はロールプレイできるようになることで皆さんといろいろお話ができると思っているのです。

だからね、余談ですが、「イマイさんにお任せします。」と言われるのは大変苦手なのです。笑

でも、それがお話を重ねていてもなかなか思い描けない時もあったりします・・。

クルミのダイニングテーブルと椅子

こちらは背もたれが高いタイプ。ちなみに今回の張地はすべてファブリック。肌触りのとても良いリネンを使って、家族のみんなで好きな色を選んで張ってもらっています。


クルミのダイニングテーブルと椅子

この背もたれは厚み3ミリに挽いたクルミの無垢材を3枚重ねてこのカーブになるようなオスメスの型に入れてプレスして作ります。 背もたれを作るだけでも結構時間が掛かるのです。

それは、形がシンプルな時です。
ふだんオーダーキッチンやオーダーの食器棚などの形が複雑だったり大がかりだったりするものを考えている時は、条件や形の制約がいろいろあったりして、かえってそのおかげで、おのずとその人にとっての方向性は見えやすいのですが、シンプルにテーブルって言われるとかえってすごく悩むのです。
テーブルって言うと選択肢はそれほどないように思えてしまうのです。
もちろん、それ自体のサイズや使う人の体に合うかどうか、天板や脚の形状をどうするか、搬入に合わせてどういう形にしたら良いかというようないろいろと考えることはあります。
でも他の大きな家具たちに比べると、ある程度選択肢は限られているから、お話しできる方向も決まってしまうような気がするのです。

だから、Nさんが何度も何度もテーブルの具合を確認しに来てくださった時は、うーん、すみません、もう私がお話しできることはあまりなくて・・、なんて思っていたのですが、当のNさん、すごくうれしそうにニコニコしながらテーブルを使う時のバランスや触り心地や脚の形などを奥様とまだ小さなお子様をあやしながらお話されていたのです。
それを見ていたら、(ああ、そうか・・。家具を作ってもらうってそういうことだよね。)ってふと思ったのです。

クルミのダイニングテーブルと椅子

天板の角は10R,上下はC2ミリ面取り。椅子のそれぞれの角もC2ミリ。

はやくもこの仕事を初めて27年が経つのですが、こういう言い方は失礼になってしまうかもしれませんんが、いつの間にかロールプレイもいろいろなシチュエーションがあっても、方向性が似たように思えたりして、皆さんの暮らしかたは千差万別ではありますが、こういう場合はこう、というような型が自分の中でできてしまっていたようで・・。
「最初にある程度お金を貯めたら強い武器を買って、ある程度の経験値がたまるまではボスをやっつけに行かない」みたいなゲームの紋切り型が仕事でも出ているような気がして・・。
そういう時にNさんのように目をキラキラさせながら、テーブルの脚についてずっと家族の思いを描いている姿を見ると、家具を作らせてもらうことってこういうことだよね、って気づかされたのです。

クルミのダイニングテーブルと椅子

脚部はショールームにある脚と同じように下に向かって細くなっているデザイン。

だから写真で見ると形はとてもシンプルで、ショールームにある形と大きな違いは無かったりします。
それでもね、こうして、Nさんのダイニングに置かれると、そうだよね、この形はここにしかない形だったんだよね。
仏師が木の塊を見つめてその中に隠されている仏像を掘りだすように、Nさんはここに置かれる形がこれだって知っていたのですよね。
ああ、おもしろい、だから家具作りはおもしろいって、再びみたびと気づかされました。

クルミのダイニングテーブルと椅子

Nさんらしさが出たところ。脚と脚をつなぐ幕板ですが、これが無いデザインのテーブルというのもたくさんあります。直接天板に脚をつけているタイプです。私はなるべく幕板の付く形にしたいと考えております。なぜなら、天板の反り止めになるし、天板の上に人が乗ってもグラつかないくらい頑丈になるからです。シンプルな理由ですが、ずっと使っていける形でありたいのです。そして、Nさんからのリクエストで、幕板は付けたいけれどなるべく足を入れる空間を高く採れたらよいなということで、幕板が緩やかに弧を描いていてちょうど中央あたりが一番幅が狭くなっているのです。

クルミのダイニングテーブル

価格:260,000円(制作費・塗装費)

クルミのダイニングチェア

価格:65000円/95000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は13,000円から)