
ナラとステンレスのキッチンバックパネルと玄関収納と背面カップボード
2026.10.24


平成建設で設計を担当されているSさん。最初にお会いしたのは、「そして、優しい時間がやってきた」のIさんのキッチンを作らせて頂く時で、今から9年前のことですね。
それからはSさん設計のしばらく依頼はなかったのですが、私たちの自宅の見学会にまだご結婚前のご主人と二人で楽しそうに遊びにいらしてくださったりと、Sさんの人生の節目に立ち会うことができているようで、どこか身近に感じでいたのでした。
そして、何よりも思い出深いのがSさんが声掛けしてくださったTさんのキッチンや家具作りのお仕事。Sさん同様に私たちの自宅を訪ねてくださったTさん。トイレに飾られている望月さんの染色の小さな怪物をみて、「あら、ツーヨーさんじゃない。」
2階にさりげなく置いてあった畑で休む農夫のポストカードを見て、「あら、モリイチさんまで。」と。
このポストカードは、いつだったろうか・・。チィがまだ小さかった頃かな。アキコの両親とお義兄さん家族とで箱根に出掛けた時にふとポーラ美術館で手に取ったんだよね。誰の作品か調べもせずに気になって購入したんだよね。ずっと知りたいって思っていたのを、思いがけずこんなタイミングで教えてもらえたことがとてもうれしくて、ずっとTさんご夫妻に憧れていたのです。
その後、そのポーラ美術館に携わるお仕事をされているOさんと出会うことができたり、その熊谷守一美術館の館長をされている方が、実は先日近くを訪れた岡倉天心美術館の前館長さんであり、キッチンを作らせて頂いたKさんだったり、私たちの因果は不思議にきちんと巡っているのだなあと、いまさらながら感心するのでございます。
そして、そのSさんから「今後自宅を建てることになりまして。」という連絡を頂いたのが、昨年の冬だったかな。Tさんのお引き渡しの時にはすっかりお母さんになっていて、「いつかイマイさんに家具をお願いできる時が来るとうれしいなあ。」と言っていたその時がやってきたのでした。
うれしいなあ。
そして、昨日はその取付の最終日でした。玄関収納とつながるキッチンのバックパネルと、そのナラの色柄を揃えたキッチン背面の食器棚と吊戸棚。こうして美しく納まりました。
もう少しでその全容が見られます。
新たな因果が始まるのかしら。楽しみです。
個人的には、Tさんの自宅を訪れた時に拝見させて頂いた李禹煥の鮮烈な緑が時折頭を巡るのです。いつか何か分かるのかしら。
