変わった形の椅子

2021.03.04

20210304002
少し変わった形の椅子を作らせて頂いております。
なかなかキュートな印象になりました。

タモの玄関飾り棚

2021.03.02

定期的に家具制作のご依頼を頂けるご近所のKさんのところに玄関の棚を作らせて頂きまして、本日納品でした。
実は福原さんが昨年設計した住宅の玄関でもありまして、その一角に普段の履物を片づけて置けるように、その上には少しものが置けるような棚を、とご相談頂いて作らせて頂いたのです。
板張りの壁はなかなか動いておりまして、それに合わせて背面を削り込んでいく作業と角度のある側板がなかなか手強く、微調整しながらの作業で、形はシンプルなのですが、ほぼ一日がかりでワタナベ君とヒロセ君が作業にあたり、先ほど戻ってまいりました。

「社長、帰り際にKさんに、ご苦労様でした。それで、えーと扉は・・と言われたのですが・・。」とワタナベ君。

あら、私うっかりしていたかもしれません・・。
すみません、Kさん・・。
今朝、Kさんから新たなご相談を頂いていたので、その提案にお伺いする時に扉の形も提案させて頂こうかな。
通気を考えて格子扉にするととても良い印象になりそうですし。

ぬくぬく

2021.03.02

「アクセントカラーのある本棚のオーダー」

鎌倉 K様

design:Kさん/ヤマトヒロミ設計室/daisuke imai
planning:ヤマトヒロミ設計室/daisuke imai
producer:kenta watanabe
painting:kenta watanabe

和室を改装してご主人の書斎にするというお話を頂いたのです。
設計は、前回同じく鎌倉でキッチン周りの改装の際にお世話になったヤマトヒロミさん。
書斎にする中で本棚を印象深いものにしたいということで、私たちにご相談をくださったのでした。
キッチンの制作がメインになってきている工房では本棚の制作は久しぶりですね。
ただ、本棚というと形がシンプルですから表現できることも限られます。
オーダーで作ることで何が実現できるだろう。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

メインの本棚の様子。今回はこの壁面いっぱいの本棚と対面に腰高の本棚の2台を作らせて頂きました。こちらの背面は黒に近くて麻のようなゴワッとした質感のクロス。とても印象が良いのです。

お客様であるKさんはヤマトさんの事務所にもお伺いしてヤマトさんの寝室とリビングを隔てるためのラワンでできたシンプルな形の飾り棚兼テレビボードの形をたいへん気に入っていて、「あのような形がここに在ってもステキよね。」と奥様がおっしゃっていたのですが、もう少し温かみのある印象を、とヤマトさんは考えていらっしゃって。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

背面のクロスに合わせてエアコンの色も同じ色調にしています。なるほど、そういう選択肢もあるのですね。

今回この空間を考えるにあたって、最も多く中身の濃い意見を交わしたのはKさんのお嬢様とだったのだそうです。ご主人と奥様の考えはシンプルな形でも良いかなというイメージだったのだそうですが、海外生活の経験もあったお嬢さんはその暮らしの印象がとても心地よかったものですので、全体的に温かみがあって素材の感じがよく分かるようなその時の印象を現れるような形にまとめたいと思っていて、それをヤマトさんと頭を突き合わせて悩んでいたのだそうです。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

本棚のひとマスが正方形に近い印象になるように割り付けたヤマトさんのデザイン。小さな本が多い時は、このように上下を等分できる位置に可動棚を入れて、収納量を増やして、不要な時は棚板を外して飾り棚として正方形の印象が良く見えるように考えています。

その中で出た意見として、本棚の背面だけを素材を変えてしまうというお話がありました。
うん、それはすてきです。
私たちのところでも何度かそのような形で作らせて頂いたことがありましたが、どの本棚もとても素敵な印象になりましたので。
背板だけを単色の色を取り入れてみたり、気に入ったリネンを張りこんでみたり。
本棚って正面から見るとシンプルな形ならフレームは細くなることが多いので、代わりに背面の印象がそれなりに強く出ます。
本がぎっしり入ってもコントラストの強い色を背面に持ってくると全体的に引き締まって見えますし。
ということで、背面にはチェリーの印象よりも少し際立って見える色を2台の本棚それぞれに取り入れることにしたのです。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

ちょっと悩んだのがこのエアコンの下のふたマス分続いている長めの固定棚。細かい納まりなのですが、デザイン的にこのお本棚は縦の板よりも横の板を少し引っ込めている形で統一しているのです。ですが、この長めの横の板は縦の板と途中でつながるので、ほかの横の板と同じく引っ込めてしまうと、縦の板の上端が上からのぞくとちょっと出っ張って見えちゃう。ということで、この長めの固定棚だけは縦の板と同じ出にしているのです。分かりづらいですね。

あとは、本棚のひとつずつのスペースの印象をどうするか。
しまう本に合わせて、棚の高さををりつけてゆけば、機能的にもしっかりと大量の本をしまうことができます。
たあ、しまえる量は増えても、本がそこにぎっしり入っている様子や本自体の背表紙の彩りが、全体を見渡した時の印象としてかえってにぎやかに見えてしまうことが多かったりします。
ある程度背面がきちんと見える余白を残しながらしまえる形が良いと思い、ヤマトさんとそのバランスを考えます。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

このような感じで、横の板が縦の板よりも10ミリ引っ込んでいます。また、写真だと分かりづらいのですが、横の板だけを印象が和ら無くなるように小口部分を45度に面取りしています。縦の板はカチッとした印象、横の板は装飾のある優しい印象、というのがヤマトさんのイメージ。

ご主人としては収納量が大事ですが、それだけを優先するのなら市販の本棚でも対応できるかもしれません。
オーダーで作るのなら、その空間にこの本棚がある意味やここにしまわれる本が居心地よく見えるように工夫したい、そうヤマトさんと話しておりました。
そこである程度規則正しい四角いスペースを連続させて、部分的に可動棚を使ってさらに細かくしまえる(文庫本など)工夫をしておけば、使いやすさと美しさが両立できるだろうということで、そのイメージを大切に割り付けを考えていきました。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

こちらは腰高の本棚。一番上の天板だけが両横の壁から飛び出るようなデザインになっています。背面はこちらは明るめのグレーで引っ込んだ壁にチェリーのフレームだけがそっと出てきているような印象です。

また、搬入のことを考えると、どうしても箱状に組み立てて運び込むことができず、ある程度ばらした状態で持ってくることになります。
そうなるとここで組み立てるので組み立てやすいように板が二重に見えるように作りたいと思うのですが、ヤマトさんとしてはそのような形にしてしまうとお嬢さんと二人で考えてきたイメージが薄らいでしまうので、なるべく板は重ねたくないのでした。
なるほど・・。それから、現場で組みやすいような構造を考えないと。こうして悩みどころが増えていくのです。シンプルにしようとすればするほど難しくなるのでした。
ちなみに重ねるように作った形だと、「gridding」のHさんの本棚はシンプルに板を重ねる形で作っています。
こちらの形ももちろんきれいですが、細いフレームのみが連続しているように見せたい、ということで今回は重ねない作りで。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

ちょうどデスクに座った時に天板の上が良く見えるようなデザイン。また、天板、縦の板、横の板と徐々に引っ込んでいくリズミカルなデザイン。

どうなるかというと、縦の板は床から天井まで1枚になっているのですが、横の板は端から端までの長い板ではなくて、側板と側板の間に入る棚板だけのような形になります。こうすると、二重にしないでも現地で組み立てやすくできるのですが、その組み立てるまでが作りがシンプルすぎるのでかえって大変。
なにしろ箱のように見せないで、側板と棚板が連続しているだけのように見せる本棚で、背板もないのでグラグラなのです。さらには背板が無いから背面の壁には固定ができないのでどうやってガッチリ固定するか・・。
このあたりは制作を担当したワタナベ君と頭を悩ませながら考えていきました。
現場との段取りもたいへんです。背面壁の仕上げは濃い色のクロスにしたので、この部分だけ先にクロス屋さんに入ってもらって、あとは本棚を入れてからまわりのクロスを仕上げてもらう。リフォームだから新築のようにあらかじめ決めておいた寸法通りに運ばないこともあったりするので、(解体してから分かる部分もあるので。)解体後に現場を確認して寸法を調整してから仕上げの組み立てを行なったりしながらどうにかスケジュールに間に合うように作ることができました。

制作が終わったら今度は取付工事です。
やはり築年数が経つお宅なので壁がそれなりに曲がっておりまして、その壁をフラットに修正するところまで行なっていると大工さんの手間が大変、ということで、一度現れた壁をそのままきれいにボードを張った形で仕上げたのです。ボードは壁なりに歪みを拾って張られるわけですから、壁の歪みで家具が背面にピタッとつかないわけです。
それで、一度組んで壁に押し当てては、こっちの当たる部分を削って、あらためて押し当てては今度あっちのあたる部分を削って、とその調整するだけで大変なのでした。
大きさもあるし、組んだ状態だとグラつくので、一人で動かすことができないため、3人でよいしょと持ち上げては当てて、下ろして削って、また持ち上げる作業を繰り返して、どうにか精度良く据え付けることができたのです。
こうして納まってみると、シンプルで難しくなさそうに見える形なのですが、完成までにこれほどの苦労があったのでした。

チェリー材とアクセントクロスを使った本棚

実はこの棚板も固定棚ではなく可動棚。可動棚と言っても高さが変えられるわけではなくて、取り外せるだけの棚ですが。なぜそうするかというと固定棚よりも可動棚のほうが作りやすい(=コストを抑えられる)からなのです。固定棚のほうが簡単に作れるというふうに思われることが多いのですが、固定するほうが木ダボやビスケットジョイントの位置を決めて加工して、接着している間は圧締して、と作業量が多いのです。それよりは同じ型板を使って、可動棚のダボ穴を開けて、その載る棚のダボの位置をしゃくって、という作業のほうが単一作業でできるので加工の手間を抑えられるのです。

ともあれ、工事は無事きれいに完了して無事ご主人の書斎として使って頂ける状態になりました。
たしかヤマトさんとの打ち合わせの中で出たイメージがフィンユール邸の本棚でした。
この部屋に入った時の印象は、そのイメージが垣間見えるような形になっていてとてもうれしかったのです。
部屋の中央にはhalutaさんのところで購入したというデンマークから届いたチークのデスク。
この書斎からバルコニー沿いにぐるりと部屋を周るとラウンジのような空間につながるのですが、その途中にあるミニキッチン(残念ながらコストが厳しくて私たちのキッチンではなく、チェリーの棚板だけを作らせて頂いたのです)がありまして、そこのステンレスとチェリーとからし色のタイルをアルテックのシエナ柄に配した様子がとても美しく温かいのでした。

少し前に「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉がよく聞かれましたね。
書斎からキッチンを通り過ぎてラウンジへ向かうひとつながりのこの場所は、まさしくそれでした。

背板にクロスを張ったチェリー材を使った本棚

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

印象を整える

2021.03.02

「ナラ板目のキッチンカウンター収納のオーダー」

横浜 M様

design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kenta watanabe
painting:kenta watanabe

すべてをゼロから作るオーダーキッチンとは違った形で木のキッチンを実現する方法もあります。
キッチンを考える方法として、使い勝手の良いシンプルな印象のシステムキッチンを採用してコストを抑え、そのキッチンを囲うように家具で作り込んでいくとなかなかシステムキッチンでは実現しづらい木のキッチンの印象に仕上げることができるのです。
今までも何度かこのような形でキッチンを彩ってきました。
響く声」八王子のYさん
整えて」大倉山のTさん
あたらしい形」港北のHさん
ロックなあなた」の横浜のNさん
おとうさん」の茅ケ崎のWさん
どのお客様もがらりと印象が変わったのでしたね。

今回のMさんもこの方法で家具を作らせて頂きました。
今までと少し違ったのは、全てが完成された場所に合わせて作るのではなく、新築工事の中で工務店さんのご協力を頂きながら作り上げたことでした。

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Mさんから頂いた原案。

Mさんから頂いたメール
「自宅新築にあたりキッチンカウンター収納を探しています。
施工例「ラフラフ」「おばさま」がイメージとぴったりです。上部はオープン収納・下部中央にA4の入る本棚、樹種は明るすぎず暗すぎない(オーク・タモ・クルミでしょうか?)ものを考えています。仕上げは突板を希望しますがあまり詳しくなく、オイル仕上げとその他塗装仕上げの違いを教えていただけたらと思います。
なお、着工11月で引渡し3月の予定です。
よろしくお願いいたします。」

ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

リビングから見た印象。この水平と垂直のラインがきちんと出た印象は美しいです。右のほうが天板を支えるために入れた幕板がどのように見えるか実際施工してみないと分からなかった部分ですが、存在感がにぎやかになることなく落ち着いてまとまってくれてうれしいです。

それから、詳しいお話をお伺いすると、キッチンの手元を隠すように腰壁が立ちあがってその上に対面カウンターが載るのですが、このカウンターも私たちのほうで作ってほしいというお話だったのです。
今まではカウンターはハウスメーカーさんのほうですでに施工されている状態のところに家具をはめ込むように作ることが多かったのですが、ここ最近は、今回のようにカウンターから作る機会も増えてきました。
さらには側面もパネル(サイドパネル)も一緒にというお話で、カウンター、サイドパネルを収納に合わせて作ると、「キッチンの手前に家具を作った。」という印象ではなく、「キッチンと一体になった家具」という印象でまとまるので、リビングダイニングから見た時の印象がとてもまとまって見えるのです。

ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

カウンターはナラ板目無垢材の幅接ぎ板。サイドパネルやそのほか見え掛かり部分はナラ板目突板で仕上げています。このカウンターとサイドパネルのどちらを勝たせるか(出っ張らせるか)で印象がだいぶ変わってくるのです。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

今回はカウンター勝ち。大工さんが建ててくれた腰壁にはあらかじめキッチンパネルを施工して頂いているので、今回は私たちは木部のみの工事で済んだことがコストダウンにもつながりました。またこのサイドパネルをカウンターの高さまで立ち上げるかどうかで印象が変わります。今回Mさんは手元を隠したいということもあって、サイドパネルを立ち上げています。また、このサイドパネルを付けない形もあります。その場合はシステムキッチンの側面が見える形になるので、今回のようにカウンターを作るところまで考えるとサイドパネルも一緒に作りたい、とおっしゃる方が多いです。

そこで、どこで工務店さんと私たちの工事を切り分けるのかを検討していきます。
一番スムーズなのは、工務店さんの工事が終わってお引渡しした後に私たちが工事に入らせて頂く形です。建築工事中に見ず知らずの家具屋が入ってくることは工事管理の責任問題にもなりますので、そのばあは工務店さんの下に入って作業をすることが多いのですが、今回のように施主様から直接の依頼でという場合は、工事中に入られると見守る部分が多くなってくるので工務店さんとしてはなかなか良いお返事をしづらい部分です。
そこで、採寸は建築工事中にさせて頂いて、工務店さんの作業はキッチンの据付と、キッチンの前(ダイニング側)の腰壁を石膏ボードが張られた状態でストップしたままお引渡しをして頂いて、そこから先はお引渡し後に私たちのほうで家具でキッチンを囲っていく、という流れになりました。
今回の工務店さんの古川林業の監督さんも快諾してくださったのがありがたかったです。
大きなハウスメーカーさんとなると、品質保証上、工事期間中の新規業者の出入りを禁じているメーカーさんも多いなか、柔軟に対応してくださいましてたいへん助かりました。

ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

カウンターのすぐ下はオープンスペースにして飾り棚のようにして使ってくださっています。また、のちのちダイニングテーブルをこの家具に付けて使うようになった場合にはダイニングテーブルの延長したスペースとして使えるのも良いところです。

そうして、新築工事が始まり採寸できる時期になるまで、Mさんの原案を元にいろいろと形を検討していきます。
最初はダイニングテーブルと収納が重なる部分は扉の開け閉めをしないでも物の取り出しがしやすいようにと考えていた中央部分の棚をなくして、かわりに左側に細かいものがしまえるような引き出しを設けることに。
右側は、コンロ前の壁があって収納の奥行が深く採れないこと、動線上、突きあたりに細かいものをしまう引き出しがあるよりはキッチンや2階へ上がる階段がある左側のほうが開放的でしたので、比較的人がすれ違っても窮屈にならないと考えられましたので。
そして、右のほうカウンターだけがバルコニー側の壁まで延ばす形にして、キッチンとの一体感がより出るようにしたのです。

そうして、採寸です。
木工事が完了したタイミングでと思っておりましたが、ほぼ仕上げ工事後のクリーニングの最中にお邪魔させて頂くことに。
そこで監督さんに挨拶させて頂き、壁に回す巾木は家具設置後にこちらで付けることになり、家具に引き込むコンセントも壁からすでに電源を取りだしてくれていて、とてもきれいに仕上げてくださっていました。
家具を壁に固定する部分は特に問題なさそうで、ちょっと心配だったのはサイドパネルをシステムキッチンに固定する部分。
キッチンの素材によっては固定しづらかったりするので、キッチンの引き出しを外して、キッチンの側板の構造を確認して、固定に問題ないことを確認して今日のチェックは完了。

ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

このオープンスペースを広く採るために仕切りの板を入れなかったのです。でもこのデザインで仕切りの板を入れないと天板が必ず垂れさがってきます。そこで天板のすぐ下に幕板を入れることで垂れ防止の役割を持たせました。

そうして、いよいよ制作に取り掛かり、採寸から1ヶ月後に設置工事にあらためて伺わせて頂きました。
ちょうどコロナウィルスの影響がひと段落するかどうかというタイミング。ご主人はテレワークのあと、奥様と一緒に私たちの家具取付後にオイル塗装を行なって頂けることになっていまして、取付作業を順調に進める中で塗装方法をお伝えして、なるべくこういう社会状況ですからご負担の内容に短時間で進めていきます。
おかげさまで無事に取付は完了し、塗装もきちんと2回の塗装を終えてきれいな表情が現れた家具になったのでした。

ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

引き出しの様子。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

引き出しの様子。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

引き出しの様子。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

引き出しの様子。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

扉内の様子。「まだ全部は使えていないのですよ。」とMさん。


ナラ材を使ったキッチン対面カウンター下収納

扉内の様子。

その後、あらためてご挨拶に伺わせて頂きました。
ここまで作り込んだおかげで、キッチンの木の一体感がとても心地よいのです。ダイニングテーブルの印象と相まってとても整った空間になりました。
これからいろいろな時間の過ごしかたが変わってくる社会になるのではないかと思います。
長い時間過ごすであろうリビングが心地よいものであるということ、特に家に居る時間が長くなるお母さんにとっては心の拠りどころのようになってくれたらうれしいのです。

ナラのキッチンカウンター収納

価格:400,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は50,000円から)

キッチンの素材選び 感じたこと

2021.03.02

IMG_4442
我が家のキッチンも暮らしはじめて1年9か月目になりました。ステンレスバイブレーション仕上げの天板はもう所々土鍋を引きずってできた傷や、すり鉢を使ってできた跡などがつくようになりました。(1枚目の写真です。)次回からちゃんとふきんを敷いてその上で作業しようと思います、滑り止めにもなりますもんね。(笑)
そのキッチンに使う素材は様々なものがあります。
木・化粧板・ステンレス・ホーロー・人工大理石・人工水晶石・セラミックなどなど。どの素材もメリット・デメリットはありますよね。
キッチンは調理をする作業場。毎日3回以上は使ってとなるとお風呂よりも洗面所よりも家族で使う場所です。(そう考えるとトイレってすごい回数を使いますが、滞在時間が短いからでしょうか。選択できる範囲とパターンも限られているからなのでしょうか。オーダートイレって聞かないですね。)使えば必ず汚れますし使用感が出てきます。それを日々どれだけ簡単なケアで済ませられ長年維持していけるのかを皆さん気にされているのだと思います、私も同じです。
家を建てる前はマンションに住んでいて、もともと備え付けの白い人工大理石の天板で、MDFにカバ?のような木目の突板が練りつけられてウレタン塗装でツルツルにコートされた扉のキッチンを17年間使っていました。そして、そのキッチンを囲うようにメラミン化粧板の対面カウンターがあるオーソドックスな形でした。
当時はメラミン化粧板は木のデメリットを補うためにできた材料だと思っていたので普通に水がついても気にしないで使っていたのです。
我が家は鉄鍋や鋳物鍋を使っているのですが、たぶんいつの間にかぶつけたり、引きずったりして擦り傷が深くなっていたのでしょうね。
キッチンカウンターの天板の化粧板の一部がだんだんとヒビ割れて欠けてきたのです。
そして水拭きする度に水分を吸って膨らむのか、いつの間にか日々から水分が浸みこんじゃったのか、中の繊維(MDFという紙を圧縮したような素材が内部に使われているのです。)がもこもこ出てくるようになってしまいました。(水分を吸って圧縮されていたのが膨らんできちゃったのです。)
そしてそのふくらみがひび割れを広げてしまって・・。一部だけ修復するのも難しく、そのカウンターはキッチンと一体型になっていたので対処もできないまま使っていました。化粧板でも気をつけて使っていかないとこうなるんだとよい勉強になりました。
今の自宅のステンレスの天板はガシガシ使えるので気に入ってます。
ただ、洗剤は何でも使えると思っていたのですがアルカリ性の強いセスキ炭酸ソーダ水などは吹き残しがあると錆の原因になったりするようなので注意が必要なこともあることも知りました。
ガシガシ使えて掃除がしやすいだろうオールステンレスという選択肢もあったのですが、なぜオールステンレスにしなかったかというと、オールステンレスと聞くと厨房というイメージが強くてそこまで料理に自信がないことと触れた時にヒヤッと冷たいものは苦手で管理にも自信がなかったからです。扉をぶつけてへこませたりしたら自分で叩けませんし傷などは直せないからです。見た目のゆがみなどが出てきたら気になるだろうなと思いました。
ホーローも魅力的でしたが、ホーローのコップややかんを使っていて落として割って欠けさせてしまった経験があるので、キッチンの面材でそうなったら直せないと思いました。
セラミックのワークトップは最近いろいろなところで見るようになりまして、熱いものがそのまま置けたり、ナイフが当たっても傷つかないなどけっこうラフに使えて良さそうと思える部分もあったのですが、よく調べてみると布巾で拭きづらかったり、表情が均一に見えないこともあったりとなかなかデメリットもあるようで「そういうこともあるのだなあ。」と私の暮らしに当てはめるとメリットよりもデメリットを多く感じてしまったのでした。
人工大理石の天板で耳にするのは白など明るい色の天板だとほんのり目立つと言われる色移りです。
使い始め当初はワインやお醤油などの濃い色の液体の染みというか色ムラがついてしまってというお話を聞きましたが、使い込んでいくとそれも気にならなくなったり、(きっと全体的にうっすら色がついちゃうのかな、と思っております。)目立つものは磨けば解消できると思います。
反対に濃い色の天板だと引っかき傷が白くなって目だったり、水垢の跡が目立つというお話も聞きます。
木でしたら馴染のある素材なので、傷がついてもどうにか自分で直せるなと思ったのです。凹んだら熱湯をかけて膨らませられるし、汚れを落としてそれでも染みが残ったらやすりで磨いてオイルを塗れば自分の許容範囲の見た目がキープしやすいなと思っています。ただ、天板に木を使うのは覚悟がいるので、そこまで思いきることができなかったのですが・・。
みなさんそれぞれ何をポイントにしてキッチンの素材を決めていくのかご意見が分かれるところだと思います。見た目の為なら多少の使いにくさも許せるかたもいらっしゃいますし。多分家具屋の妻が何を言ったところで売り文句と思われるので説得力がないと思われますが、一つの考え方として書かせていただきました。私がポイントにしたのは「使っていて何か起きた時でも自分で対処できて、その名残も経年変化として馴染んでいくキッチン。」ということでした。
素材選びのひとつの意見としてキッチンづくりの参考にしていただけたらと思います。そして木のキッチンを使っての経年変化を引き続きお知らせしていけたらと思っています。

ブラックチェリーの格子扉のある食器棚

2021.02.28

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先ほど、カイ君とワタナベ君が戻ってきて、無事にNさんの食器棚の取付が終わりました。
夕方には終わるかなと思っていましたが、細かい部分で時間が掛かってしまったようで、週末の大事な時間にキッチンを占領してしまいましてすみません・・。
おかげさまでとてもきれいに納まりました。
最初は黒染めしようと考えていた格子扉も同じチェリーで作ってとても良い印象です。
あとは来週末にタイルが張られて完成。
チェリーはあっという間に色濃くなりますからね。
表情の変化も楽しいのです。
Nさん、ありがとうございました。

寝室の上の作業場

2021.02.28

加賀妻工務店の高橋さんから「イマイさんホームオフィスの相談に載ってください。」と言われて白金台まで。
ちょっと早く着きすぎたので、麻布十番から白金台まで散歩しながら現地に向かったのです。
都内はやはり人が多いですが、みな物静かで慎ましく行き交っているように見えました。
自粛しなければいけない気持ちも、毎日をきちんと暮らしていかなければいけない気持ちもぜんぶ思いを抱えて、物静かに歩いているように見えました。

日が落ちる頃、クライアントのKさんと高橋さんとでご相談。
「室内に小屋のような形を作りたいのです。」とのこと。
これって大工さんのほうが良いのでは・・、と思ったのですが、高橋さんが「ぜひ家具のようにしましょう。」と強い気持ちで。
できるのかなあ‥、と思案しているとKさんが見せてくれた海外の写真は、なるほど家具のような佇まい。

難しそうですが、面白そうです。
頑張って形を考えてみます。

Nさんのオイル塗装

2021.02.28

最近食器棚の納品が多く、先日の茅ケ崎のKさんのところに続いて、今朝はつきみ野のNさんのところに。
吊戸棚とカウンターの間の壁にタイルを張るので、その段取りをNさんに伝えることと、カイ君とワタナベ君が取付作業にあたってくれるので、その打ち合わせに朝出掛けておりました。
来週末も世田谷のYさんのところに食器棚をつけるのです。そして同じくタイルも。
タイルはkotiの伊藤さんにお願いしています。(リフォーム以外の細かいお話でも対応して頂けるので、大変助かっております。)
Nさん、またタイルの施工が終わったらご挨拶にお伺いしますね。

その打ち合わせのあとは、ハルカが今日友人たちと勉強しているらしいシリウス図書館の脇を抜けて、高座渋谷のNさんのところに。(2件続いて大和市はなかなか珍しい。)
先日取り付け終わったキッチンの塗装を行なうということでお子さんたちもみんなで楽しんでやってもらいましょう。
その前に食洗機の確認。
今回はミーレのG7514という機種を初めて導入しまして、私もあまり詳しくないので初期設定などいろいろと確認します。
今の食洗機はアプリで遠隔操作もできるのですね・・。すごいな・・。
その確認後、いよいよ塗装。
まずは引き出しと扉の外し方を説明して、余分なところにオイルが垂れたりしないように養生の方法を説明して、そして、研磨。ここまでが一番時間のかかる作業です。
養生と研磨がきちんとできていれば塗るのは簡単。
厚塗りしないように、乾かしすぎないように(今回はオスモなので、変に乾くと拭き取りがたいへん・・。)説明して、あとはNさんご家族皆さんで頑張ってくださいね!

スケッチたち

2021.02.27

私はご相談を頂くと必要な場合は図面よりも大まかにスケッチを描いてお知らせすることが多いのです。
図面だとまっ平らな面に掛かれた船が何を表すのか分かりづらい部分があったりするので、この方が手軽にお伝えできるのではないかと思っておりまして。
そして、ここに掲載するのは私の力不足で実現が叶わなかった家具たちですが、なかなか思い入れはあるのです。

この家具はご自宅でパンの教室を開いていらっしゃる方からのご相談で既存のキッチンまわりに家具をうまく配して、生徒さんたちも使いやすいキッチンになるようにということでこの形を提案させて頂きました。
既存のキッチンの上に分厚い無垢板をどんと載せて、それが窓際の家具へとつながっていくダイナミックな形になるのですが、細かい作りは繊細に。
キッチン側面の格子棚が実現したら美しかったろうなあ、と思うのです。

タモの変形食器棚

2021.02.26

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最近茅ヶ崎で家具を作らせて頂くことが多いのです。
先日は4メートルを超えるステンレス4ミリのキッチンカウンターを工務店さんと一緒に荷揚げしたのも茅ケ崎。
(今度キッチン本体の制作に取り掛かりますので、また詳しくお知らせしますね。)
ブラックウォールナットで作って、Wさんが塗装した食器棚も茅ケ崎。
今度魅力的なキッチンを作らせて頂くことが決まったOさんも茅ケ崎。
おもしろいね。風が吹いてるんだね、きっと。
そして、今日はやはり駅のそばでリノベーションを行なっていたKさんのところに食器棚の納品。
この建物加賀妻さんが20年近く前に建てたのだって言っていたかな。
設計の高宮さんからKさんのお話を頂きまして、ちょっと変わったスペースに食器棚を作らせて頂いたのです。
高宮さんとKさんと動線やキッチンのワークスペースをあれこれ相談して生まれたこの形。

そして、作る前から心配だったこの変形した壁。
こちらの現場はコンクリート造なので、外壁沿いの内部の壁はGLボンドを使って施工されていたのです。
その施工だと多少壁の立ちが悪い部分も出たりするものです。でもそこに加賀妻さんの大工さんがあらためて下地を入れ直してくれましたので、壁の仕上がりはとても良い。
そのタイミングで原寸を取りまして角度を計算して作りましたので、予定通りピッタリ。

印象も圧迫感のないとても気持ちのよい形に納まりました。
ありがとうございました。

「日刊Sumai」に記事を書かせていただきました。

2021.02.26

2月22日に配信されていましたのでもう目にしていただいた方々もいらっしゃるかもしれませんが、先日友人から久しぶりにLINEのメッセージが届きまして、「LINEニュースに記事が載ってたよ!」と教えてくれました。そのような形でも掲載されるのですね!知りませんでした。Hちゃん教えてくれてありがとう!
ということで、2回目の記事のテーマは「丸or四角?ダイニングテーブルの形で、暮らし方が大きく変わる」です。オーダーキッチンと一緒にご相談いただく機会が多いダイニングテーブル。キッチンとダイニングテーブルの配置から暮らしの動線が決まりますからね。「こういう考え方もあるよ、我が家の場合はこうですよ。」という感じに書いていますので興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。よろしくお願いします!

日刊Sumai @nikkan_sumai のWebsiteからジャンル「暮らし」→ 「インテリア・雑貨」

題名
「丸or四角?ダイニングテーブルの形で、暮らし方が大きく変わる」

Sさんのキッチン:カイ君の制作日記

2021.02.25

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今回は、マンションのリノベーションということなのですが、集合住宅においてはなかなかなさそうな形をしたキッチンでした。部屋の壁から壁いっぱいになったカウンターは搬入のことや使い勝手を考えて、ステンレスと木製とで分けたのだそうですが、そのフラットな感じがとてもすっきりいるのです。食器棚とキッチンキャビネットが一体になるとこういう清々しさがうまれるのですね。
Dsc_7232 B
_dsc7254 B

Dsc_7163 B
Dsc_6911 B
ただ、こういうフラットなデザインに反して、マンションは築年数も経っているので、床が平らではないのです。
また、今のマンションのようにコンクリートから少し浮かせて床ができている形と違うので、配管を隠ぺいする方法に制限があるのです。
今回は元のキッチンの位置から少しレイアウトを変えたこともあって、水とお湯の管がどうしても床上に出てしまう部分も出てきて、それをうまくナラ材で化粧カバーを作ったりして、違和感のない仕上げにする部分には苦労しました。
また、シンクのあるアイランドキッチンも壁付けのコンロ側キッチンも同じナラ材で仕上げていますが、よーく見るとアイランド側だけ台輪(土台となる部分)とステンレス天板の下の隙間が濃いグレーになっています。
_dsc7261
これはいつも私たちにキッチンの制作をお願いしてくれる内田雄介さん独特の見せ方だそうです。
ナラ材と濃いグレー色は相性がよく、台輪をグレーにすると引き締まった印象になるのですてきに映ります。
以前、ぼくも友人にナラ材のテレビボードを作った時がありまして、その時は台輪をグレーにしていたのです。(数年後に引っ越した際に処分してしまったらしいですが、せめて誰かにあげてほしかった・・・。)
今回はマンションのリフォームに合わせてこのキッチンを作らせていただくことになったのですが、リフォーム中の現場を見ただけでも楽しい構造のすてきな部屋になる予感がしました。
この空間にキッチンがどのように貢献できるか楽しみです。

チェリーのセパレートタイプのキッチン

2021.02.24

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注文していたタイルの入荷が遅れてしまって、お引渡し後もしばらくガスコンロ周りが落ち着かない日々だったのですが、「ようやくタイルが張られましたので、ぜひ見にいらしてください。」とIさんからお声掛け頂きましたので、さっそくお邪魔してきたのです。
思い返すと、去年のT-SITEでの展示にいち早く来てくださったのがIさんでした。
あれから早くも1年が経ったのかあ。
あの頃Iさんのイメージを元に書き起こしたスケッチを見ると懐かしくなるのです。
今はご主人とお嬢さんと4匹のネコに囲まれた温かな様子がそのままこのキッチンに現れています。
ちょっとした軽作業のあとに写真を撮らせて頂いて、ご主人と奥様と一緒にお手製のケーキを頂いておりました。
「毎日暮らす中で生まれる小さな傷さえもそのものが持つ味というか美しさのように感じられます。でも、それが美しいと感じられる形はそれほど多くないように思えるのです。」
だから、そういう形がそばにあることがうれしい、とそう言ってくださいました。
そうおっしゃってくださったご主人はウィンドウトリートメントのコーディネートから施工までをお仕事にされているとのことで、これからすてきな相談をして頂けそうです。
Iさんの窓まわりも軽やかですが柔らかくしっかりとしたリネンを使ったカーテンやシェードがふんわりかかっていたのはご主人のお仕事でしたか。
すてきな出会いに感謝しております。

ナラのリビングボード

2021.02.23

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先日お伝えしましたが、塗装の色をあれこれ調色してできあがったYさんのリビングボードの納品でした。
今回は正面をナラ柾目、天板をナラ板目という組み合わせで濃い色に着色して作りました。
色をつけたのはYさんがお持ちのダイニングテーブルに寄せるためでした。よい印象に近づいたのではないかと思います。
そして、内部は濃いグレーの化粧板(アイカのカラーフィットポリ)を使うことで、メリハリのついた仕上がりになりました。

今回はマンションの一室への納品で、リビングの壁はコンクリートに直接クロスを張った仕上げ。
こういう場合は背面の壁にはビスで固定はできませんので、他の方法を探します。さいわい右の壁はGLボンドを使った壁で、左は一般的な間仕切壁でしたので、固定に問題はありませんでした。
GLボンド側はボードアンカーを使って、間仕切り壁は間柱の位置を探して、それぞれを固定すれば自身で転倒することはまずありません。
すべてがコンクリート壁に囲まれた設置場所だとまだ方法を考えなければいけないのですが、それはまたその時にお話ししましょう。

Yさんありがとうございました。
テーブルと同じように使いこんでよい風合いを出していってください。

タモのキッチンバックカウンター

2021.02.22

今日は橋本のSさんのキッチンバックカウンターの設置工事でした。
ちょうど奥様臨月を迎えておりまして、赤ちゃんが生まれるほうが先か、家具ができあがるほうが先か、どっちだどっちだとSさんと気をもんでおりましたら、予定日よりも少し遅くなったそうですが、無事、先に赤ちゃん誕生。パチパチ。おめでとうございます!
で、産後1週間ほどのところにお邪魔させて頂き、無事にバックカウンターも設置完了。パチパチ。
この仕事をしていると、お子さんが生まれるタイミングで家具やキッチンを作らせて頂くことが比較的多いのですが、そのたびにすごいなあって思うのです。
だって、昨日まではここに居なかった子が今ここに居るなんて、すごいことだよ。
そういうふうにすごいことを経てきたわけで、かっこいいなあと思うのです。
やっぱりお母さんかっこいいなあ、とあらためて思うのです。

Oさんのタモのダイニングチェアとクリの小物たち

2021.02.21

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昨年、キッチンを作らせて頂いたOさんからの追加のご依頼でダイニングチェアと小物たちを届けてきました。
Oさんの家は、昨日に引き続き内田雄介さんの設計ですよ。

今回は、フレームに座面をはめ込むのではなく、フレームの上に載せるコロンとした座面を制作。レザーの色はOさんにさんざん悩んで頂いて2色を使ってグラデーションになるような感じに。
そして、椅子と一緒にクリのまな板とクリの包丁トレイも一緒にお持ちしました。
とても良い感じです。
「僕はね、君よりもイマイさんのインスタをよく見てるんだよ。」と朗らかに奥様にお話しするご主人。
「イマイさん、最近ワインをよく飲むのみグラスを新調したんだよ。」「この前焼肉セットのお肉がおいしそうでお肉屋さんを聞かないとね。」とお二人で楽しそう。
そういえば、昨日Sさんのところに行った時も「イマイさんオニギリみまして、私もキッチンによく立つようにしました。」とか、「セイロが欲しくなりましたよ。」とか、Sさんも内田さんも。
なんだ、みんな見てるんじゃん、と恥ずかしくなるのです。
焼肉のお話なんて私のほうがきちんとアキコの記事を読んでいなかったりして(ごめんなさい)、何のお話かOさんの話題についていけなかったり・・。
Oさんあのお肉は倉見の「斉藤精肉店」さんでした。
お肉もそうですが、メンチカツがとても美味しいのです。
今度こちらの方に来られたら、ぜひお立ち寄りくださいね。
私は教えて頂いた江の島のお店を今度探しに行きます!

それではこれからもよろしくお願い致します。

ブラックウォールナットの食器棚

2021.02.21

今日は朝からヒロセ君が制作を担当したWさんのブラックウォールナットの食器棚の設置工事に、彼とノガミ君の二人で作業に向かってもらっていました。
実は昨日もWさんのところにお伺いしておりまして、昨日は朝から運んだだけ。そしてそのあとWさんが家具をリビングに広げてオイル塗装を行なって、今日めでたく取付となったのでした。
壁に取り付ける前に塗装できるほうが余分なところに塗料がはみ出したりと気を使わずに済むので良いのです。
ご近所さんだからこういう分納という方法が取れまして、無事に納まってひと安心。
ところで、どこかに書いたかもしれませんが、ヒロセ君はノガミ君にとって前の職場での上司。ヒロセ君が家具を作りたいという思いがあってノガミ君が声を掛けてくれて、こうして今二人はここにいるのですが、今はノガミ君のほうが先輩。
不思議な関係で、ノガミ君は前職の時からの呼び方で親しみを込めて「ダイスケさん(ヒロセ君もダイスケさん)」と呼ぶのですが、ときどき反応して私も振り向いてしまうのです。
今日も良いチークワークで早々と戻ってきてくれました。

色いろいろ

2021.02.17

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どちらもナラ材です。
ひとつはお持ちのダイニングテーブルの色に合わせて濃い茶色にしたもの。
そのテーブルが導管が黒ずむくらいの色みでしたが、表面は使い込まれたからか少し色が褪せているようで赤みのない青みのある茶色でしたので、まずはワトコオイルの「ドリフトウッドカラー」で塗装します。
「ダークウォールナットカラー」よりも赤みのない茶色になるので、これで様子を見ます。
まずこれで、均一に茶色くするのですが、オイル塗装は基本的に塗ったら拭き上げて仕上げる塗装なのでそれほど濃くならないことが多いのです。
案の定、拭き上げると赤みはなくても明るめになりましたので、翌日「エボニーカラー」を塗って、というかウエスにとって擦り込んでいきます。こうすると、表面はほんのり濃くなり、導管はしっかり黒みが入ります。そして、そのまま乾燥。
3回目に「ダークウォールナットカラー」をやはり擦り込んでいきます。もう導管に色は入らないですが(入ってもほとんど変わりませんが)、表面の黒みが少し和らいで赤みが少し入るのです。
これで完成。
少しはテーブルの印象に近くなっていたらよいなあ。

そして、もう一つはホワイトオイル仕上げ。
こちらはお客様の提案で、普段使っているワトコではなくリボスのカルデットという塗料で塗ります。
ふだん使わないものだと、塗料を用意しなければいけないのですが、今回はお客様がご用意くださいました。
あらかじめサンプルを頂いていて、カルデットとクノスという2種類の色を混ぜることでその色に近い感じになるというご提案を頂いていたので端材で試してみましたが、クノスを混ぜると白みが減ってしまって。
そこでカルデットのホワイトだけを使って仕上げていきました。

個人的には、木が持つそのままの色が好きなので、あまり着色しないことが多いのですが、今回のように他の家具や部屋の空間に合わせて、色をつけて仕上げることももちろんできます。
ただ、着色の微調整がしやすいウレタン塗装と違って、オイルは塗れば染みこんでしまうので微妙な調色が難しいので、なかなかイメージにイメージと完全に合致させることが難しかったりします。
なので、あらかじめ微妙な着色は難しいということを皆さんに理解して頂いた上での着色になるのですが、クリアでしたら塗料そのままの色で木々もそのままの色で仕上がるので、もう少し気持ちが楽に塗れるのですが、着色となると上記のように試行錯誤しながらいつもやっております。

ちなみにクリアも最近塗料を変えております。
今まではワトコのナチュラルとオスモのノーマルクリアを使い分けていましたが、ノーマルクリアは高価で粘度も高いので多少塗りづらかったりします。
また、粘度が高い理由にワックスがふんだんに使われているのですが、このワックスの光沢が行き届いた様子が、化粧板みたい、と言われたこともあったりして・・。(なかなかあの光沢感を出して仕上げるのは大変だったりするのですが。)
そこでオスモの利用は少し控えて、その代わりにターナーのエシャオイルを使い始めています。
乾燥が早く、しっとりした印象がきちんと出るので、使いやすくきれいなのです。
ワトコは引き続き使っていて、こういう着色の時やクリアでも少し色濃く仕上げたい時にはワトコを使うのです。

オイル塗装は塗るのは基本的に塗って拭くというシンプルな作業なのですが、色作りや仕上がり感などを考えていくとね、やっぱり奥が深いのです。

Sさんこんにちは

2021.02.20

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Sさんのお時間を少し頂いて、やっとお伺いすることができました。
「今度Sさんのところにご挨拶にお伺いすることにしたのです。」と内田さんにお話ししましたら、「ぜひ僕もご一緒させてもらっても良いですか。」と言ってくださって、黒い服装した男二人でSさんのところにお邪魔させて頂きました。
「お邪魔します。」
最初は照れくさそうにしていたお嬢さんも終いにはお菓子でくじを作ってくれたりして賑やかな時間を頂きました。
お手入れのご説明にと伺ったのにキッチンはとてもきれいに使ってくださっていて、手触りもまだお引渡し当初の時のようなツルっとした感触で、とても丁寧に使ってくれている様子が分かりました。
「週末は私が食事を作るのです。」とご主人。
「何となく作ってもらえるような雰囲気に持っていくのです。」と奥様。
すてきです、すてきです。何かを作ることってとても楽しいことで、楽しいことをしているとみんなが楽しくなるのです。
小さな喜びが、楽しみが重なって暮らしができあがっていくのです。

帰りにSさんから頂いたお土産の紙袋にはこっそり入れていたお嬢さんからのお土産のラムネが入っていました。
内田さんも「新しいことがいろいろと増えて忙しくて。」と何だか楽しそう。
みんな楽しそうです。
ありがとうございました。

キッチンカタログ プレゼントは続く

2021.02.16

2012年に始めたキッチンカタログのプレゼントも9年目に入りました。
年間配布数も最初の4年間は2桁台でしたがその後は150件前後、一昨年からは200件以上の配布数が続いています。カタログの配布数を発表しているところもないのでこの数が表すものが多いのか少ないのかどうなのかわかりませんが、私達のような小さい工房の手作りのカタログなのに興味を持っていただいてうれしいです。オーダーキッチンを検討する方は多いのだなと感じています。ありがとうございます。
この配布数がその年の売り上げと比例するのかなと見ているのですが、しませんでした。理由を考えてみると、①請求したその年中に仕事の依頼につながっているわけではない。カタログを請求してから2~3年後にご依頼をいただく方も多いのです。お家づくりにはそれだけの準備期間が必要だということなのでしょうか。②遠方の対応できない地域の方にも配布している。せっかく私達に興味を持って個人情報を教えて請求してくださっているのに、製作できないからと言って断るなんてできませんので、少しでもご参考になればと送らせていただいております。この2点が売り上げと比例しない理由に当てはまるのかなと思います。「カタログを作る費用も掛かっているのにそれは無駄にはならないのか?」と思われるのかもしれませんが、そうは思えなくて続けています。仕事を続けていると結局繋がっているのだなと感じることが多いのです。一見意味のないことなのかもと思われることをお客様が覚えていてくださってそれが決め手になっていて後に仕事に繋がったり、とかご縁の面白さを感じています。
ですので、キッチンカタログのプレゼントはこれからも続きます!写真のような水色の封筒でお手元に届きます。ご希望の方はお気軽にご請求してくださいね。
キッチンカタログプレゼントページは こちら です。

バレンタインディ

2021.02.14

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久しぶりにお休み。
バレンタインディの今日は、家の手入れです。

まずは、コンシールドドアクローザーの手直し。
ドアクローザーと言うと従来のものは建具の右上や左上にポッコリついているものですが、このコンシールドドアクローザーというものはクローザーの機能を建具と鴨居に内蔵できるのでとてもすっきりした納まりにできるのが特長。
ただ埋め込む分、固定ビスが鴨居にしっかり効かせられないこともあって、ちょっとがたつきが出てきたので、長いビスをしっかり効かせるために鴨居の材の上に応急処置として角材を乗せてそこにビス止めしていたのですがその材の納まりが良くないので、もう少しきれいな長さの材に交換。
これできれいにしっかり止め直すことができました。

続いて、玄関扉のレバーハンドルの鍵のラッチがストライクのボックスにぶつかってしまうようになってしまいまして。
よく見ると、扉がほんの少し傾いでいます。
木の家は動くのです。木の扉も動くし、木の家具も動く。
素材の良さを生かすということは、その素材のメリットもデメリットも受け入れなければいけないわけで、いくら知恵を絞ってデメリットを抑えようとしても素材はそうそうたやすく従ってくれなくて、そういう営みが時間を経て現れることがその良さであって、いつまでも同じ表情というのは有りえないことですから、こうして手を加えながら使いやすくしていくのです。
で、使っているのはHORIの黄銅磨き仕上げのシンプルなものですから、ねじを回すと扉の傾きを調整できるわけではないので、一度扉を外して、枠の蝶番が取り付けられている位置を掘り込みます。
掘り込めば建具は枠のほうに寄るので、鍵のラッチは上に引き寄せられます。
こうすることで、またラッチがぶつかることなく、鍵が閉められるようになりました。

もうすぐでここでの暮らしが2年になります。
だいぶ素材の動きは落ちついてきたでしょうか。
家も暮らしも作るものだと実感しながら過ごしております。

木のキッチン 水に濡れても大丈夫?

2021.02.13

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我が家のキッチンです。ペニンシュラ型の無垢シナ材オイル塗装のもので使い始めて1年9か月目の洗い物を終えた後の水切りかご周りの様子です。(うちは収納スペースの確保を優先してつけませんでしたので、食洗機があるお宅よりも洗い物の回数は多いと思います。)水が周りにかかっていますね。ダイスケさんが「もう少し気をつければこんなにはかからないよ、ひどいね。」と言っていますが(笑)、普通に洗い物をした場合の見本ですからよいのです。
「木のキッチンって、水回りで大丈夫なのですか?木が黒くなって腐ってきたりしないのですか?」って必ず聞かれます。
そうですね、水に濡らしたままの状態が長く続いていたらそうなると思います。
濡れフキンがずっと木に触れたままだったり、手拭きタオルが木に触れたままだったり、水切りかごが気付かないうちに木の側板に触れたままだったりと、水分が通気されない状態でいると木が黒くなっていってしまいますので、洗い物の後は蛇口周りの水はねを拭き取るのと一緒に水切りかご周りの水ハネも拭いています。
また、時々、木のキッチンを使い始めたお客様から、「黒い染みができてしまったのですが。直りますか?」と問い合わせをいただくことがあります。いつの間についていたという方がほとんどなので断定はできないのですが、水だけではなく、洗剤の泡や何か水以外の成分が含まれたものが跳ねて付いてままの状態が続いてしまったのだと思います。その場合にはその直し方をお伝えしたり、直しに伺ったりして対応させていただいております。黒い染みを直す方法はこちらをご参照ください。
木のキッチンをきれいに使っていく方法として、キッチンを使い終わったらまわりの水分や汚れをきれいに拭き取るということを気をつけていってください。これはどの素材のキッチンでも同じだとは思いますが。そして、木のキッチンが気になるけど心配という方はまず木のお皿(キッチンを作る場合と同じオイル塗装かウレタン塗装のものが望ましいですが)などを使ってみて木の使用感を体験してみるとよいと思います。または、ショールームや我が家のキッチンの経年変化を随時伝えていきますので、ご参考にしていただけたらと思います。

冬のもみじとシースルー

2021.02.11

我が家を入口から見た光景。目隠しになるようにと株立ちの紅葉を植えたのですが、冬の紅葉は枝だけなのでこんなさみしい感じです。
ハニカムシェードシースルーを下げていますがこんな見え方です。ペンダントランプの位置はわかるくらいというのでしょうか。明かりのそばを人が動くと居るのがわかります。
お家づくりの際に、ブラインド選びは悩みました。ミラーレース・遮光・遮像など様々なタイプのものがありますよね。窓が大きいので保温の点も気になりました。
なるべく施設っぽくならない自然な印象のものがいいよねと選んでいくと普通のレースと和紙タイプのものになりました。
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ブラインドを上げているとこんな感じです。旗竿地で道に面しているわけでもないので、お隣さんが家を出入りする時に目に入るくらいでしょうか。そういう点ではブラインドを上げたままにできて家の中から植栽を楽しめる点はよかったなぁと思っています。
常緑のものを植えたらよかったのかなとも思いますが、我が家で紅葉を植えるならこの場所しかなかったのでよいのです。春になってまた紅葉が繁る頃が楽しみです。ちなみに、ダイニングテーブルで集中している娘たちは勉強しているのではありません。外出自粛中を利用してAmazonプライムで見られるアニメを観たり、漫画を買ってきては読んでいます。アニメや漫画は1つの話が25分位にまとまっていますし、自分の好きなタイミングで物語の中に入りやすくて、家族で共有できるのでいいですね。