日刊Sumaiに記事が掲載されています!

2021.02.11

とてもありがたいことに私達の言葉を住まいの設計の「日刊Sumai 」のWebsiteに掲載していただけることになりました!テーマをいただきそれに合わせて文章を考えて送ってチェックしていただいて返信をいただきまた考えてチェックしていただいて…と出来上がった文章なので、私達が普段発信しているものとは異なり、似たテーマでもこちらの方が読みやすい・わかりやすいという方も多数いらっしゃると思います。ベースはいつものイマイダイスケ節全開なのですけどね。興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。他にも様々な魅力的な記事が掲載されていますのでキッチン・家具に限らず、お家づくりや暮らしについて興味がある方はぜひご覧くださいね。よろしくお願い致します!

日刊Sumai Instagram @nikkan_sumai

Hさんのクルミのカップボード

2021.02.09

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カップボードのように見えますが、どちらかというとここはリビングで、Hさんご家族の暮らしや思いの一粒ずつがここに丁寧に置かれていくのです。
家具ってその暮らしの中に溶け込んではじめて温かみや表情が生まれてくるものですから、こうして納品したてのどこかまだ緊張した面持ちの初々しい様子は今だけです。
次回、ご挨拶にお伺いできる時は、クルミの表情以上に彩り豊かな様子が拝見できるはず。
楽しみにしております。

お道具

2021.02.09

週末に家具屋姫たちのお雛様を出しました。両親が我が家には立派過ぎるものをプレゼントしてくれまして十数年目になります。長女のお人形の方が大きく、次女チイのお人形は置くスペースがないのでお道具が全くありませんでした。物心がついてくるとやはりその違いに気づき、
チイ「私のお雛様にはお道具がないんだね。」
私「うん、そうなのごめんね。」という会話が数年毎回出ていました。姉妹あるあるかもしれませんが。
ある時、母にその話を伝えると、「あなたのお雛様はもう私飾っていなくて持っているだけだから、そのお道具を使えばいいじゃない。」という話になり、私のお雛様を実家から受け取ってお道具だけを一緒に飾ることにしたのです。お人形の大きさが違うのでサイズ感が合っていないのですが、チイはそれ以降何も言わずまじめに並べて飾ってくれています。
その様子を見て私はうれしくて、きっと母もうれしいはず。私にこのお雛様をプレゼントしてくれたおじいちゃんおばあちゃんもうれしく思ってくれているはず。見守っていただきながら、桃の節句を過ごしていきたいと思います。

陽射し

2021.02.08

緊急事態宣言が延長になり週末でもお出かけできない日々が続いていますね。
家で過ごす時間ができたことで、時間による陽射しの変化で気づかなかった家の表情を感じることができました。
我が家は東側に3階建てが建つ住宅街の旗竿地で1階にリビングがあるので通常よりも暗めだと思われます。
その分、光の変化を感じられるのかなと思いました。
はじめに朝日にソファが照らされました。
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日が昇ってくると、床にあたる陽射しが反射してダイニングテーブルと椅子が照らされます。
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日がさらに昇ると階段が照らされます。
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お昼頃、家の中に陽射しが入らなくなると二階の窓に反射した陽射しが壁を照らし明るくなります。この明かりからだんだんなくなり西日に移り変わっていきます。建物と日射しの関係って面白いですね。設計士さんには家の形を考えた時にこの光景が浮かんでいたのかと思うと驚いてしまいますが。季節によっても陽射しの位置は変わりますし、今しか楽しめないのだと、家で過ごす時間があったから気づけたのだと思いながら前向きに過ごしていけたらいいなと思います。

温かい日

2021.02.07

今日は、昨年の一番最後にキッチンを設置させて頂いたIさんのところにお伺いしてきました。
先日、無事にお引渡が終わって、もうすぐお引越しなので、その間にオイル塗装をしましょう、という段取りだったのです。
お昼前には陽射しもきちんと降り注いでとても温かい日でしたね。
Iさんのキッチンは久しぶりにコの字型の大きなキッチンなので、けっこう塗るのが大変そうなのです。
私は説明しているだけで少し汗が出てくるくらい。
奥様にひとつずつご説明しながら、ご主人はお子さんの子守を。
ちょうど電気屋さんがエアコンを取り付けに来られていて、「すみません、リモコンだけ先に頂いても良いですか。」と業者さんにご主人が。
「息子がリモコンお気に入りなんですよ。」
「どうぞ、どうぞ。」
「良いそうだよ。ほらっきちんとありがとう言わないと。」
「ありがとうございます。」とお兄ちゃん。

温かい日です。

Nさんのセパレートキッチン

2021.02.06

既にほかの職人さんもその日の仕事を終えられた静かな室内で、ノガミ君とワタナベ君がもくもくと作業を進めてくれました。
納まりを調整するために、午前中に大工さんが壁の位置を調整してくださって、お昼過ぎから作業に取り掛からせて頂くことになった今回の作業。
もともと1日間で終わらせるつもりでしたが、午後からだとちょっと厳しいかなと思っていました。
建築工事も終盤に差し掛かっていて、日を伸ばしての作業となると、他の作業にも差し支えるというノガミ君の判断で「どうにか本日中に終わらせることができそうなので、続けて作業しますね。」という連絡が。
頼もしい言葉です。
おかげで無事に作業は完了し、あとは設備屋さんやガス屋さんや電気屋さんに仕上げの作業を託します。
家作りは一人一人の職人さんが作り上げていくものですから、いろいろな呼吸が大切です。
そういうものを汲み取って進めてくれるスタッフのみんなにはとても感謝しております。
それぞれの職人さんの作業がすべて終わったら、Nさんがオイル塗装を施してやっと完成。
楽しみですね。

月がのぼった

2021.02.04

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先日のまあるいまないた。台のかたちが少ししっくりこなくてね。
ホコリが落としやすく、湿気がこもりにくい形にしたら、月見だね。
月見で一杯。

光がとまった

2021.02.03

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「朝ね、仕事に行く身支度していたら、ちょうど太陽がまん丸く、こちらを覗きこんできたの。」とアキコ。
まわりを家々に囲まれた我が家に陽射しがきちんと入り込んでくるのはこの冬くらいでしょうか。

久しぶりにこの円卓を作らせて頂けることになりそうです。
今度は節のあるナラ材を使った天板に真っ白な脚になるのです。
椅子のほうは少し軽くできるようにタモ材を使って、やはり白いレザーを使うシンプルな椅子を作ります。

少しずつ春がやってきています。

節分の日

2021.02.03

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今年の豆まきは小6次女チイと2人でしました。彼女が好きなアニメ「鬼滅の刃」のキャラクターのお面をつけて。家具屋ですが木の升はもっていないので、お気に入りの山本芳子さんの四角い器を毎年使っています。年明けから初めて使うアコーディオンの練習を張り切っていて楽しみにしていた小学校最後の授業参観も緊急事態宣言の延長で中止になってしまいました。昨年から子どもと行事を共有できないことに慣れきってしまっている状態が嫌ですね。仕方がないことなのですが。やり場のない気持ちも込めてお庭に豆を投げました。我が家の小さい庭には鳥さんも来るので見つけて食べてくれることでしょう。
そして、夕ご飯は恵方巻きという名の手巻き寿司。ハルは塾があったので22時過ぎに一人で黙々と食べ、ダイスケさんは一陽来復のお札をお祀りする役で会社にお弁当を持ってお留守番でした。私は家の分のお札をNHK「2355」の時報を聞きながら無事付けました。ちょうどキッチンの収納扉の上で、ペンキの壁に両面テープはつけられないので気をつけながら付けました。見守っていてくださいね。
玄関には柊と豆の枝もぶら下げておきました。小さめで効果が薄そうですが気持ちの問題ですからよいのです。そんな我が家の節分の日なのでした。

時間がとまった

2021.02.02

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まるで時間が止まったように、ずっとここにあったかのような古めかしく豊かな表情のクルミが現れた。すごく良い色を持ったクルミだ。

とても存在感のある表情が生まれていました。

制作はカイ君。
彼が何となく「フフン。」とした表情に見えるね。
気持ち良い形ができあがると、フフンって感じになるよね。
デティールもね、少し懐かしいのだけれど、クラシカルという感じではなくてさり気ない表情に仕上がりました。
もうすぐ納品です。

ご挨拶をいただきありがとうございました。

2021.01.31

お伝えするのが遅くなってしまいましたが、今年もたくさんのお客様から年賀状や寒中見舞いをいただきありがとうございました。
「キッチンや家具、大活躍しています!」、「すてきなキッチンにしていただいて快適なステイホームを過ごせています。」とご報告をいただけて、お客様ご家族の様子が分かるととてもうれしくて、「このご家族とともに暮らす道具を作らせていただいたのだ。」と気が引き締まります。
ご挨拶の中には、お客様がもうその家具・キッチンとは一緒に生活していないというお知らせをいただくことがあります。
私たちのWebサイトの製作例は暮らし始めた家具やキッチンの様子をお客様のご協力があって撮影させていただいております。新しいお客様からも「〇〇さんの写真を参考に〜」という形で問い合わせをいただくことが多いです。
ついお写真を見ると今でもその暮らしをされているものだと思い込んでしまうのですが、そうではなかったのだと知るとさみしい気持ちもあります。でも、それを私達にお知らせしてくださるお気持ちの方がうれしいです。「親族が続けて住んでキッチンを使っています。」、「次に暮らす方には、キッチンで何か困ったことが起きたららイマイさんに問い合わせれば大丈夫ですからと伝えてます。」と言っていただけると、ちょっとドキドキしてしまいますが(笑)、その場所に残り使い続けられる責任があるものを作らせていただいているのだと再認識することができます。ありがとうございました。
新しい生活様式を迫られた昨年、まだ今年も続いていくことが見込まれていますが、その変化に合わせた皆様のお声にも引き続き応えていくことができるよう努めていきたいと思います。

こてを置く台

2021.01.29

反町のハドソン靴店さんから依頼されていたこてを置く台を届けに出かけておりました。
前回同様にこういう仕事をすための道具を作らせて頂けるというのはうれしいことです。
今回は、何のことはない木枠なのです。
古い電熱器を使って、コテを温めてから革にあてて使うのだそうですが、そのまま電熱器に置いておくと、こての握りがまん丸だからコロコロ転がってしまう。そこで、その電熱器のカバーのサイズに合わせて木枠を作ったのです。
意外と手が込んでおりまして、コーナーが曲線になっているので、四隅は直前の材とは別に取ってカーブをつけて、まるで椅子を組むようにほぞ加工をして組み立てています。
これで意匠と強度が得られました。
そして、こてが載る部分はC面を取ってあたりを良くして。
多田の四角木枠ならもっと簡単にできるのでしょうけれど、「やっぱり気に入ったきれいな形にしてほしいです。」という村上さんのリクエストに応えた形がこの形です。

こんにちは、Kさん。

2021.01.28

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昨年末にキッチンを、先日2階の収納を設置させて頂いたKさんのところにお手入れの方法をお伝えするためにご挨拶にお伺いしてきました。
内装工事を担当してくれたkotiの伊藤さんが細かい仕上げ工事をされていて、まもなくすべて完了する予定。
昨年は伊藤さんと一緒に多くのお仕事をさせて頂けて、楽しい時間でした。
今年もすでにいくつか一緒にお仕事させて頂く予定で楽しみにしております。
で、Kさんとも長い時間をかけて打ち合わせと施工をしてきましたので、私も伊藤さんも和気あいあいとした空気です。
外は雪が降り始めましたが、ここは温かいのです。
「イメージ通りの色になってよかったわ。最初の写真の印象通りで!」とKさん喜んでくださって。
Kさん、ざっくばらんなお人柄で、さらには明確なイメージがありましたので、キッチンや家具作りにおいては大変勉強になったのでした。
まさか螺旋階段の下に潜り込ませるようにキッチンを作るとは思っていなかったし、すてきなキッチンの床材(風合いの良いコルクなのです。)を知ることができたし、2階の収納をあえて短くすることで、リノベーション前の2階の空間の感じかたがこんなに大きく変わるなんて思ってもいなかったし、仕事をさせてもらいながら学べるというのは、とてもうれしいことです。

今回のキッチンはコーリアンのグレイシアホワイトに親和性の良い(樹脂の基材の相性が良いのです。)トクラスの樹脂製シンクをシームレスに取り付けています。キッチン表面材はホワイトオークの突板をホワイトオイル拭き取りで仕上げています。
フローリングは既存のままですが、マンションのリノベーションには見えない豊かな空間になりましたね。

Oさんの椅子

2021.01.28

久しぶりに「円卓を考えているのです。」というお話を頂いたのです。
「ウェブサイトのどのページか忘れてしまったのですが、シルバーの金属の脚の円卓で・・。」
なるほど、それは私の家ですね。

私のアトリエ、まずはキッチン

気ままに制作例の記事を作っているものですから、テーブルの制作例には載っていなくて、すみません・・。
ということで、換気良く、ダイニングをきれい整えてKさんに自宅に足を運んでもらったのでした。
「実は以前からイマイさんのウェブサイトを拝見させて頂いてまして、このテーブルと椅子のまとまりがとても好きでして。」と言ってくださって。
その足で工房までいらして頂いて、工房にある天板がナラ材で黒つや消し仕上げの5本脚のテーブルも見て頂いて。
こういうふうに実生活の中での家具と家具が作られる場所で見せられる家具と2か所で見せられるようにできるのって、私自身なかなか憧れていたのです。
ただ、こういう社会状況ですので、気を付けないといけませんね。

そして、この椅子は昨年の秋に相談頂いていたOさんの椅子。こう見えて椅子はね、小さいけれど作る手間がとても大変。大きなキッチンを作ることと同じくらい作業が細かくてなかなか気軽にオーダーして頂ける金額にしづらいのが難しいところですのに、このOさんや先ほどのKさんのように強い思いを持ってくださる方からこうしてご依頼頂けることは本当にありがたいことで、気持ちがたいへん引き締まるのです。

収納の高さとダボ穴

2021.01.27

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我が家のキッチンの吊戸棚です。横に銀色の穴が何個か見えますね。棚板の高さを変える時の留め具をつけるダボがついています。
私「家具屋の自宅の吊戸棚なのだから、ダボはつけない方が潔くてすっきり見えてかっこいいよね。ここの収納の高さなんて多分そんなに変わらないし。」
ダイスケさん「いや、長く暮らしていれば年によって使うものが変わるんだからここに入れたいものも変わるよ。高さは変えられた方がいい。絶対君しまいたいものが入れられなかったらブーブー言うよ。」
当時は「え~。」と思ったのですが、暮らしはじめて1年8か月目に高さが変わりました(早い…。)。ダイスケさんの言う通りでした(笑)。
初めて就職した職場の後輩から結婚のお祝いにピンクと青のペアのワイングラスをもらったのです。当時はビール派だったのであまり使っていなかったのです。「かわいい!」と言って娘たちがシャンメリーを飲むときに使っていました。
それが我が家の食器棚の一番背の高いものだったのでそれに棚の高さを合わせていたのです。
食器棚を注文されるお客様でも、ワイングラスの高さに棚を合わせるとデットスペースができてしまうのが気になる方は、下にワイングラスホルダーをつけて、収納場所を確保される方もいらっしゃいますね。
40代になってからワインの味が好きになりワイングラスをよく使うようになりました。
そして、割ってしまったのです、私が使うピンクの方を。とても残念に思っていたのですが、義理の弟さんご家族から引っ越しお祝いにカタログギフトを頂いてワイングラスが載っていたのです。掲載されている中で一番背の低いものを選びました。(ありがとうございます!)それでも23㎝ありました。もともと使っていたワイングラスは18㎝だったので、(家で使っているものが標準サイズのものだと思い込んでしまいますが、それは小さめのものだったようで、壊れて初めて知ったのでした。)高さが変えられたから同じ場所に置けて良かったなと思っています。ここにダボ穴がなければシナ材の木目の美しさがもっと楽しめたのかなとも思えますが、私には向いていなかったと今は納得しています。家具を注文される方もほとんどつけられていますが、ダボ穴の個数はお好みに合わせられますので気になる方はご相談くださいね。
背板はグレーになりました。ペリアンさんのキッチンに憧れていたので収納場所毎に色を変えたかったのですがダイスケさんに却下され唯一許可が出たのかグレーでした。

何気ない

2021.01.23

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何気ない、何気ないのですよ、すてきな形というのは。
この空間にちょこんと置かれているように見えますが、Sさんとはかなりあれこれ頭を悩ませながらこの形に辿り着いたのです。
Sさんのリビングダイニングキッチンが少し変わった空間で、シンプルな食器棚を置くと使いづらい間取りなのです。
食器棚と家電収納として使えて、さらには調理中にキッチンに置ききれない食材などを置けるような作業台にもなる形。
うーんと模索して、この形が生まれました。
1台の家具には生み出されるまでのその人の思いが詰まっているわけです。

それから、先ほど久しぶりに制作例を1つ掲載させて頂きました。
白とオークの食器棚を作らせて頂いたTさんのお話です。
よろしければご覧になってくださいね。

お似合い

2021.01.23

「ホワイト塗装とホワイトオークの食器棚のオーダー」

松戸 T様

design:Tさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:haraki tosou

ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

リビングから見た全体の様子。奥の食器棚はもともと備え付けられていたもので、白い吊戸棚はそのままにして、下の収納部分を使いやすく改装して今回のカップボードと印象を揃えています。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

今回の主役の家具。写真のずっと奥にどっしり構えている家具がヒュルスタのキャビネット。青の白い塗装仕上げとホワイトオークの印象に寄せたいということお似合いの形になりました。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

この吊戸棚はタイルの凹凸をうまくバランスを取ってタイル目地から壁に向かってネジで固定して、下のカップボードはいつでも動かせるように置くだけにしています。

instagramなどで私たちの家具を見てくださっていたTさん。いよいよ食器が増えてきてしまったということで、食器棚の制作について相談したいというメールをくださったのでした。
それでメールのやり取りをさせて頂きまして、そのなかで出てきたご要望が今お持ちの家具に合わせた印象で制作したい、というお話が出てきました。
今までにも、せっかくオーダーですので持っている家具に合わせたい、というお話を頂くことは多かったのですが、ここ最近はそのようなお話が少なかったのでした。
最近はどちらかというと、それぞれの木の表情そのままを楽しみたい、と考えの方々が多くて、どちらかというと、他の家具に樹種や色を合わせることもなく、その時の巡り会わせを楽しむというような考え方が多かったのでした。
ただ、ある需要が減って別の需要が増えてきた、というわけではなく、とある需要が印象良くて他方が良くない、というわけでもなく、私たちの周りだけで起きている流れがたまたま最近は木の表情を楽しみたい、という方が多かったということなのだと思うのですが。
私としては、いろいろな形を在り方を知りたいので、いまだに自分の思う家具はこれっ!ていうスタイルが確立していないまま、皆さんの望む形を作らせて頂くことで私自身の糧とさせてもらっているのです。
なので、こういう形のご相談は、ああ久しぶりだなあ、久しぶりにドキドキしちゃうなあ、と思ったわけです。

合わせて作るのいうのは、なかなか緊張するもので、それはただの家具ではなくて今までその人が使ってきた時間が入っているわけで、色や風合いが見ているそのものとイメージしているものが合致しづらい時もあるのです。
木で作る家具は、同じ樹種を選べば必ず同じ色柄のものが揃うというわけではありませんので、あれこれ頭を悩ませながら表情を選んで、色もよく合うように何度も試し塗りして・・、と「上質なオーク材を熟練の職人の技術で生まれる・・」というようなきれいな言葉のようにできあがっていくものではなくて、汗水垂らしてドキドキしながら作るわけですので、やっぱり同じ印象のものに仕上げるって難しいなあ、といつも思うわけです。

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こちらが家具の形を考える時の手掛かりに描いたスケッチです。

今回、その合わせたいと言われた家具はドイツのヒュルスタ社のリビングボードで、使い始めて数年が経っているものでした。天板や側板といったフレームがホワイトオークの無垢材と突板でできていて、素地に近い印象のクリア塗装仕上げ。ただ、使い込まれてすこし色褪せて鵜路が抜けた印象になっています。引き出しや引き戸はツヤを落として白く塗装された仕上がり。
この印象に近づけたい、ということでした。

ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

吊戸棚の引き戸は化粧板ではなく、白く塗りつぶした塗装仕上げです。角の丸みが塗り包むことができるので、とても柔らかく、優しい印象にできるのです。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

小さな吊戸棚なのですが、Tさん、市販の高さを調整するアイテムなどを使ってとても機能的にきれいに収納されています。もっと大きな吊戸棚にすればたくさん入るのでしょうけれど、使いにくい高さになるよりは、使いやすい高さにだけしまえる方が無駄なく使いやすいという考えです。

ナラ材というよりは大柄のホワイトオークで、ランダムに配されて接ぎ合わされています。このオークの感じは合わせられそうです。
色も近い印象に仕上げられそうですが、無理に経年変化の印象を無理に色を作って合わせるのは良くないので、このままクリア塗装で仕上げることにします。
もちろん、最初から古色仕上げにすることもできるのできますが、やはりどこか人工的な印象は生まれてしまいます。
ここだけはその作り出す印象にしたくなくて、経年変化で生まれるのを待って頂きたいというお話をさせて頂いて、Tさんもその考え方を快く受け入れてくださって、いよいよ素材はまとまったのでした。

ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

こちらの下のキャビネットも引き戸を組込んで、リビング寄りに物が取り出しやすいように引き出しを設けるレイアウトにしています。

それでデザインをどうするかというと、イメージしている形を雑誌に載っている家具の写真などで見せて頂いたのですが、どこか和風な印象。
ヒュルスタの欧風なモダンな印象にどう取り込んでいきましょう。
それをTさんとあれこれ相談しながら、印象をまとめていきます。
そして、和風になりすぎない印象の形にまとまったのでした。

ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

引き出しの様子。Tさん、いろいろなところで集めてきた箸置きをたくさんお持ちです。「それをね、うまくしまえるような小箱を作って頂けますか。」ということで、シナの無垢材でトレイのような箱を作りました。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

小箱を外すと、もちろん下にも箸置き。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

引き出しの様子。深めの引き出しはお皿を立てて収納。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

引き出しの様子。


ホワイト塗装とナラ材を使ったキッチンカップボード

引き出しの様子。

そして、この時にお話が出たのがキッチンの奥にある作り付けの食器棚。
このマンションに入った時に販売会社さんに作ってもらったものなのだそうですが、おそらく今回作らせて頂くカップボードを置くと、その作り付けの食器棚の印象が浮いて見えてしまいそうなことが気になったのです。
また、昔ながらの食器棚だったので、引き出しがあまりついていない扉ばかりの食器棚でしたので、下の奥のものが取り出しにくい形でした。

そこでお話を煮詰めていく中で、この食器棚も使いやすいものにしましょう、ということになり、表面材をカップボードと揃えて、扉を引き出しに作り替え、さらにはゴミ箱スペースの上も使いやすいように引き出しを追加することにして、キッチン周りを使いやすくきれいに整えることができたのでした。

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突きあたりの食器棚は、もともと扉になっていたのですが、下の方のものが取り出しにくくてきちんと使いきれていないままだったのを、扉を取り外して、引き出しを新設し、正面材をカップボードと揃えてナラ材で作ったのです。

こうして、ちょうど良い間隔で離れた食器棚とカップボードと、リビングに置かれたヒュルスタのボードというそれぞれの点が似合う色と素材でまとまったおかげで、点が遷都してつながり、線と線が結ばれて、ひとつの温かみのある空間にまとまりました。

「食器棚と吊戸棚の設置、そして既存の食器棚の引き出しの取り換えと、大変お世話になりました。
食器棚は、イメージ通りの仕上がりで、使い勝手もよい感じです!
既存の食器棚の引き出しの取り換えで、リビングからのキッチンの風景に統一感ができました。
ありがとうございました。
新しい食器棚と吊戸棚を眺めながら、家族と楽しく食事ができそうです!
頑張って!(笑)収納出来ずに箱に入ったままの食器等をキレイに片付けたら ご連絡しますので、今少しお待ちください。」

Tさん、ありがとうございました。

そう、あの時、こういうお話も出ていたのです。

「ところで、Tさん。あと私が気になっているのは、ヒュルスタの隣にある少し大きな白いキャビネットなのです。」
「そうですね、私もなんとなくそこの印象をまとめたいなって思っているんですよ‥。」

そのお話はまた今度です。

ホワイト塗装とホワイトオークの食器棚

価格:710,000円(制作費・塗装費)

既存の食器棚の表面材交換など

価格:250,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は70,000円から)

椅子の修理

2021.01.21

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毎年そうなのですが、年の初めは修理のお話を頂くことが多いのです。
なぜでしょうね。
どこかで見覚えのあるこの形はそう、Sさんの「イヌノミミ氏」です。
カモノハシ氏とイヌノミミ氏
今から8年前のお話でしたね。
その椅子の背もたれが壊れてしまったというSさんからの連絡を頂いたのが昨年の11月なので、年の初めではないのですが、年末のバタバタした様子が落ち着いてから、ということでこの時期にお預かりして修理することにしたのです。
修理って、新しく作るよりも大変なのです。皆さんがそう感じているかどうかは分かりませんが、私たちはそう感じております。
一度できあがっている形を部分的に解体して、再構築していかなければいけないので、見る時間、考える時間を含めると新しく作るほうが早いのではないかと思えるくらいです。
で、今回はカイ君。
一昨年の暮れに「実は僕もここを出ようと思っていまして・・。」という驚きの発言から早くも1年以上が過ぎて。
あの頃はカナイ君がここを出ていくことが決まっていただけに、なぜこのタイミングで・・と思っていたのですが。
実はカイ君は、新たに家具を作ることに大変真摯に取り組んでくれるのですが、そのカナイ君が出る時に家具の再生の話をいろいろと聞かせてもらえたようで、その修理・再生に気持ちが向いて、というか、そういういろいろなことを含めてさまざまな方法で家具作りに関われる形を目指したいと考えるようになったのだそうです。
「いずれは妻と二人で頑張っていきたいと思っておりまして、30歳を迎える前に動ける時に動いてみたいって気持がありまして。」
若いって素晴らしい。
しかし、その思いはなかなか開かず、このコロナの影響で次に学びたいと考えている受け入れ先の準備が整わなくなってしまい、それまでここに居てくれるという不思議な関係。
そういう経緯もあって、この修理を任せたのはノガミ君の采配か。
もちろん、私たちとしてはこれほど頼もしくなってきた彼にはここにずっと居てほしいわけですが、本人を引き留めて良い権利はありませんので、どうなるかなと思いながら、一緒に働いてくれていることをうれしく思っているのでございます。

さてその修理ですが、背もたれがもぎ取れてしまったので一度ばらしてみましたら後脚に亀裂、ひじ掛けの受け材が断裂、と少なくないダメージがあることが分かり、背もたれ以外にその後脚と受け材も新作することに。
こうして、なかなか大変な修理は無事に完了して、まもなくSさんのもとに帰っていきます。
元気に活躍してくださいね。

Kさんのリノベーションはこれで完了しました。

2021.01.20

昨年、キッチンの設置を終えて、年を越すことになったKさんの工事は、本日の2階の収納の設置が終わったことですべて完了しました。
昨年の4月にご相談を頂いてからもうすぐで10か月ほどになります。
少しずつお話を進めて、工事を担当する会社さんも最初に考えていた工務店さんが急に忙しくなってしまったようで、それが幸いして、いつも一緒に仕事をしているkotiの伊藤さんに内装工事をお願いすることができてスムーズに進めることができたのでした。

今までの大空間で1階とつながっていた2階の印象を、この収納を設けることで、導入部分を狭めてかえって不思議なプライベート空間にすることができて、普段お一人で過ごすことが多いKさんにとっては冬ごもりの巣のようなおもしろい空間になったのでした。

また、あらためてその様子を拝見させて頂こうと思います。
次回お会いできるのを楽しみにしております。

お久しぶりです。

2021.01.18

2011年に作らせて頂いた食器棚とダイニングテーブル。
ゆたかな表情
ほぼ10年前のままのような美しさで使って頂けていてうれしいというか驚いてしまいました。
「それほど二人で家で食事を作ることが少なかったからですかね。」というMさんですが、置かれている器具を見るときちんと料理されているように見えるのです。(笑)とにかくうれしいです。
その食器棚に並べて使う棚と今お使いの家電用の棚と寝室の棚を新しくされたい、大変久しぶりに声を掛けてくださったのです。

Mさんの顔を久しぶりに見て、ああMさんだ、懐かしいです。こんにちは。
お話を伺っていると、ああ、そうだ。Mさんの物作りに対する考え方はこうだった、懐かしいです。こんにちは。

良い形になるように頑張ります。

コーリアンラバロックとホワイトオークのキッチン

2021.01.16

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昨年の夏に取り付けたSさんのキッチン。Sさんによる塗装も無事に終わって、新しい暮らしも始まったところにお邪魔させて頂きました。
始まりは、ちょうど1年前(正確には1年と10日前)にキッチンカタログのお申し込みを頂いたのが最初のきっかけでしたね。
その頃、辻堂にある「湘南T-SITE」で「湘南料理道具市」というイベントが開催されておりまして、その時に私たちの新しいキッチンを展示させて頂いていたのです。
その様子をはるばる四街道から見にいらしてくださり、その時に2時間くらいでしょうか。店頭に並べた円卓に座って、あれこれスケッチを交えながらお話しするうちにおふたりの気持ちは固まっていったそうです。
うれしいお話です。そういう思い出話を、「いやあ、時間が経つのは早いですね。」なんて言いながら今日は懐かしんでおりました。
「イマイさんのあのスケッチを見て、もうこのキッチンしかないよね。」とお二人で決めてくださったのだそうです。
ああ、うれし。
なかなか皆様のところに気軽に出掛けられなくなっている状況ですが、こうして時折皆さんから頂ける元気が私たちの糧となっております。
Sさん、ありがとうございました。

おやすみ

2021.01.16

なかなか週末にお休みを頂くことができないので、今日お休みを頂いておりました。
(みんなは工房で頑張っております。)
休日だからといっても子供たちは学校なので何をする予定も立てていないのですが、久しぶりに朝から少し走ってきて(写真の場所が分かったらもう海老名市民だね。)、戻ったら一人でご飯を作って、そのあとはアキコと買い出しに出掛けて、二人でおひるごはんを作って食べて、この寒さで枯れてしまった庭木を少しお手入れして、見たかった映画を見ていたら、チアキが帰ってきた。しばらくして、チアキは塾に。日が暮れてハルカが帰ってきたと思ったら、すぐにダンスのレッスンに。自転車で行くねって言うけれど半年以上も乘っていない自転車がそう簡単に動くわけでもなくて、油をさして、タイヤの空気を入れて、(塾帰りのちびっこに何だか怪しまれながら)走るかどうか近所を一回りして、無事ハルカを送り出して、アキコがその頃肉じゃかとブリの塩焼きを用意して、その後みんなでご飯を食べて。
その後、みんなが仕事を上がるって連絡が届いて。
それでいいんです。
自分でやっている仕事ですから、休みで仕事を忘れてリフレッシュなんてことはないのですが、やっぱり家で家族の顔が見れる時間があると気持ちが休まるのです。
その後にいずみ橋酒造で買ってきたお酒でアキコとちょっと顔を赤らめて映画の続きを見て。
それがいいんです。

チェリーのテーブルとダイニングチェアの納品

2021.01.12

久しぶりにSさんのところへ。
Sさんは「風がうたう」のSさんです。
昨夏にご相談頂いていたのに、早くも半年が経ってしまいました。
大変お待たせいたしました。

これで6脚の椅子とみんなが集まった時に使えるテーブル(普段はご主人のテレワーク用のデスクとして)が揃いました。
左が新しい椅子で、右が最初に納品した椅子。2年経つとチェリーは明らかに色が深くなります。
「テーブルもこうして比べてみると白っぽくなっていたのですね。」
毎日水拭きするテーブルなどはオイルもわずかながら徐々に拭き取れていってしまいます。
ですので、数か月ごとにオイルやワックスなど表面を保護するものを擦り込んであげると表情も良く、手触りも良くなり、汚れもつきにくくなります。
冬場に私たちの肌も乾燥するとカサカサになります。
そういう時にクリームなどを塗ると肌ツヤよくしっとりしますよね。
私たちが生きる限り肌は季節が巡れば潤いが戻ってきますが、切られて製材されて家具になった木々は調湿は繰り返してくれるのですが、自分たちで湿潤することは無くなってしまいます。
食料と同じようにそういう大切な命を頂いて、私たちは道具として使わせてもらっているのですから、大事に長く使えるように手を入れていきたいところです。
新たな色つやを見て、Sさんさっそく奥の方からオイルを引っ張り出してきてくれました。
良い色ツヤで長く使っていってくださいね。

また何かありましたらいつでもお声掛けください。