日記「自由な手たち」

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マンションの住まいを手放す:家具屋の家づくり

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以前家具を作らせていただいて今回の湘南T-SITEのイベントを見に来てくださったお客様から、「イマイさんもお家づくりで色々あったんですね。ブログで拝見しまして。」と声をかけていただきました。もう納め終わったらその家具屋のページを見なくなるのではないかと思っていたので、そう言っていただけてとてもうれしかったです。
お話を続けますね。

17年過ごしたマンション。
結婚して暮らし始めてハルもチイも生まれて、温かいご近所さんに恵まれて今まで育った場所です。「売る」というと寂しい気がしますが、次の人にまた活用してもらえるならうれしいなという気持ちと、家のプランが固まるたびに大事な資金源だからなるべく高値で売れて欲しいなという欲が出てきていました。(笑)
このマンション、入居した時には田んぼの中にポツンと一棟だけ建っていただけだったのに、いつのまにか新しいマンションに囲まれる場所になっていました。
マンションを売るタイミングは築15年未満の大規模修繕の前が一番高値で売れるという定説があるようで、やはりその年の前後にはママ友達のお家がマンションを出て家を建てたりしていたのでした。
でも私たちは、そのタイミングでは、「引っ越す、家を建てる。」なんて気持ちは全く起きなかったので仕方ないですね。

そのようなわけで15年が過ぎて17年が経つ頃急に思い立ったように家を作りたいという気持ちがむくむくとわいてきてしまいましたので、購入しようと考えていた土地を管理されていた不動産屋さんに、土地の購入と合わせて売却についても相談させて頂いたのでした。
不動産会社によって持っている情報が異なるのではないかとも思いましたが、今はルールか変わり、ある期間を超えると情報が開示され金額に大きな差が出ないようになっているようでしたし、今までとても親身に相談に乗ってくださった関係もありましたので、そのまま担当のSさんに売却の相談もさせて頂くことにしたのでした。

こうして順調に進めば、土地を購入したのが春、その間に家を建てて2月末で引っ越し、次の春には新しい場所から新学期!という計画だったのですね、当初は。
でも予定通りにはいきませんでした。今まで私たちにキッチンや家具を新しいお家に作らせていただいたお客様のいろいろ苦労されたお話は伺っていたのですが、やはり私たちも同じでした。
先日の記事にも書きましたが、土地の売買手続きは2018年6月でした。
それ以前の3月頃からマンションの販売についての告知を始めてもらっていました。ただ、何せお引き渡しは翌年の2月。中古のマンションを探している方はリノベーション目的の方が多いので、引き渡せるのが2月からでは、買い手がつくのは難しいかもしれないが早めに動いていきましょうということでした。
我が家の物件の売りは、「72戸の小規模マンション・二基のエレベーター・小学校中学校が徒歩10分圏内・築17年で大規模修繕済み・100%の立体駐車場完備、3LDK81㎡」だそうです。
3月の春休み、5月のGWにチラシを出してくださったりしましたが閲覧件数はあったようですが反応はありませんでした。
そのうちに内見のお申し込みがありました。
うれしいですね。どんな人が来るのだろとワクワクしながら掃除をしました。
当日、赤ちゃんを連れた若いご夫婦がいらっしゃいました。
家の中を見ていただきながらお話をしていると、ご実家がこの近くのようで、今は離れた場所で暮らしているが、こどもが生まれたので自分が育った地域で育てていきたいと考えたのだそうです。
小学校も中学校も我が家の娘たちと同じ出身だそうで、
「今でも海老名のなかではこの辺りはおとなしい感じというか目立たない雰囲気でしょうか?」
「そうですよ。ららぽーとができて車の交通量は増えましたが、まだまだのどかでいいですよ。」とお話ししました。
「そうですか。」とほっとされた様子でした。
そう思う人がいてまた同じ地域でこどもを育てていきたいなんてここはいい場所なのだな。また、そう感じる人に我が家を見にきてもらえるなんて、うれしいなと感じました。その方は結局成約にはなりませんでした。
次の内見は、不動産業者の方でした。面白かったのが、
私「ダイニングテーブルを置いていたので椅子の下の床がちょっと傷ついてますけど。」
業者さん「いいですね。家族の歴史が刻まれてるのですね。」
私「和室の壁は子供が小さい頃落書きしちゃって落ちなくてしみついてますけど。」
業者さん「いい思い出じゃないですか。」
何を言っても一切マイナスな言葉では返してこない。お仕事なのでしょうけど素晴らしい。
その方が、マンションを購入した時よりも190万円下がった金額で買い取ってくださることになりました。
新しい家の完成予定が来年の2月なので、まだ半年以上の時間があるのにあっさりと決めてしまったように思えますが、目の前で建設中のマンションの階数がどんどん高くなりそうなので、そういう姿が見えてくるとさらにここを希望される方が少なくなるのではないかなあと思えてしまって。
17年あの場所で暮らせて190万円マイナスになるだけなら、よい買い物だったのかなと思います。購入した時は売るときのことなんてかけらも考えなかったのですが。
そして、年が明け2月末にマンションを出ました。
なぜか米びつだけをキッチンの流しの下に置きっぱなしにしてしまったので翌日取りに行くと、もう業者さんが入って作業をしていました。
「ああ、もう自分たちの家ではないんだ。」
昨晩、ここを出る時に、家の中に物がないとなんて音が響くのだろう、あれほど詰まっていた気持ちももうここに亡くなってしまうのだなあ、米びつを眺めながら急に切なくなってしまったのでした。

その後も、娘たちの学校も近いので近くを通る度につい目が行ってしまうのですが、それは娘たちも同じらしく、
「ベランダに洗濯物干してあったよ!」
「夜灯りついてた!」
と報告してくれたりして。
もう別の方が住まわれているので当たり前の暮らしの様子なのですが(笑)。住んでいる方ごめんなさいね、気分良くないですよね。もうさすがに今は何も言わなくなりましたのでご心配なく。
そして、この後2か月半の実家からの区域外通学生活という未知の生活が始まったのでした。

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ブラックウォールナットの食器棚

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ブラックウォールナットを使ったセパレートタイプの食器棚を納品してまいりました。
本当はテレビボードも一緒に設置させて頂く予定だったのですが、こんなこともあるのか・・、というような完成直前での金物の不良が見つかり、納品できませんでした。
Tさん、お時間取らせてしまいまして申し訳ございません。

ですので、まずは食器棚だけを納品させて頂きました。
細いフレームで組まれたガラスの引き戸、ナラのカトラリーケース、内部の引き出しの色と小口の仕上げ、などいろいろな形を採り込んだ多彩な食器棚になりました。
表情もとても良く、ここから少しずつ明るさが出てくるブラックウォールナットは使い込んだ姿もきっととても良い表情になるはずです。
そういう時間や空間は質のようなものが家具に染みこんで初めて、家具がその人の道具のように馴染んでいって。
そういう家具から始まる毎日を暮らしていく喜びを提供できたら幸いなことです。

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今日もありがとうございました。

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湘南T-SITEでの料理道具市の2日目でした。
インターネットにおいてはなるべくいろいろな方に分かってもらえるようにいろいろな角度から表現してきたつもりでしたが、それだけでは決して届かない思いがありますので、それを皆さんに見てもらえたらと思って臨んだ今回のこの市。
懐かしい皆さんが「見ましたよ!」って駆けつけてくれるのはとてもうれしく(皆さんのお顔と名前はきちんと思い出せましたよ!)、そして私たちを知らなかった方々、そもそもオーダーキッチンがあるなんて、こんなステキな世界があるなんて、と言って下さったおばさまもいらっしゃいました。そういうお声を聴きたかったのです。
ありがとうございます。

さて、平日は工房に戻りますので次回この場に立つのは明後日の11日。
留守の間もご自由にご覧いただきたいのですが、キッチンとバックカウンターの細かい内容について見知って頂けるように、8枚のカードを作りました。
どこにあるか引き出しを開け閉めしたりして、探してみてくださいね。

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今日も夜中のT-SITE

キッチンの設置の残作業のために冷蔵庫よりも冷たい風の吹く中、再び辻堂までやってまいりました。やっと冬が来たように思えますね。
季節は寒くはありますが、温かなイベントになりますように。
明日から開催です。
明日と明後日は私もアキコも居る予定です。
お時間ございましたらぜひ遊びにいらしてください。

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SさんのダイニングセットとTVボードを制作して:スタッフ カイ君の日記

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丸脚に丸い天板が乗ったテーブルや、お部屋のコーナーに収まる三角形のTVボードとなると、普段は四角い箱型の家具を作ることの多い作り手側から見ると少し身構えてしまうフォルムではあります。
木工機械の性質から言っても、直角に切ったり加工することは比較的容易でも、丸や三角となるとそれ専用の治具を作ったりする必要があるので、大変な部分が多かったりします。
今回も、テーブルの丸脚は鉋削りによる手作業を必要とし、四角い脚のものと比べると手間がかかっています。
四角い脚をまずは多角形に機械で加工し、そこからひとつずつの角を滑らかにしながら真円に近づくように削っていくわけです。
当然、微妙ながら4本の脚の径は違いますし、その足につながる幕板の加工も足それぞれに合わせて微調整しながら組んでいくのです。
やはり四角い形よりも手に汗を握ります。
今回は、テーブルの印象に合わせて、椅子も脚部に丸みを持たせています。背もたれの3層の積層の加工と接合部の面を合わせるところだけでも十分難しい加工なのですが、今回脚に丸みを持たせて、かつ足を細く見せるような寸法で仕上げているのですが、そうすると側座枠が薄すぎて強度不足になってしまいそうということで、見える部分だけ座枠を細くして、強度が必要なところは厚みを持たせる工夫をしたり、椅子1脚にしてもなかなか手の込んだ細工をして仕上げています。
テレビボードにしても、変形していて、なおかつ天地側板の木口がラウンドしたデザイン。なかなか逃げのない形で、慎重にすり合わせながら製作を進めたのでした。
そういう緊張感の中で作り上げた家具ですが、製作時に身構えていた気持ちとは裏腹に、できあがった姿はとても親しみやすい印象を持つ家具となりました。
納品時、お客様のお宅に上がらせてもらい、リビングの中でチェア・テーブル・TVボードがひとつに揃った様子は、前からそこにあったかのように馴染んでいると感じましたし、お客様にも大変喜んで頂くことができてとてもうれしかったです。_dsc3522_dsc3494_dsc3515

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椅子に細工

昨年、テーブルや椅子、テレビボードを納品させて頂いたSさんから頼まれていたのは椅子の加工でした。
「座るにも浅いし、、コートを掛けるにも部屋の隅にピタッと置けなくて。いつでもいいので、この椅子を使いやすくしてもらえないかしら。」と預かってきた椅子とコート掛けが一体になったもの。
ナラ材のしっかりどっしりしたものなので、せっかくなら玄関で腰掛として使えるようにと、座面と脚部はそのままに、コートハンガー部分をカットして、背もたれをつけたのでした。

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湘南料理道具市の準備

いよいよ今週末の8日の土曜日から「第四回湘南料理道具市」が始まります。
キッチンとバックカウンターを市のランドマークのように置かせてくださるということで、ご参加される皆さんのレイアウトの前にひと足先にキッチンの設置に入らせて頂きました。
夜のT-SITEです。
担当のSさんとTさん以外人はほとんど残っていないようで、このとても静かな本屋の雰囲気、良いものです。
どこかに泊まれる本屋ってあったよね。
いいなあ、そういうの。

なかなか大掛かりな設置でしたので、昨晩だけでは終わらず、微調整を行なうために後日伺わせて頂き完了の予定です。
開催初日の8日(土)と9日(日)は私もアキコも会場に居る予定です。私たちのキッチンや家具、そしてT-SITEさんがセレクトした調理道具たちに興味がありましたら、ぜひいらしてくださいね。

写真は、ホワイトオークとオリーブグリーンという水磨きの御影石を使ったキッチンと、ホワイトオークのバックカウンター、そしてダイニングの雰囲気をつかんで頂くためにいつも打ち合わせで使っているクルミのテーブルたちです。アイアンの円卓も置かせて頂いております。

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クルミの変形オーダーキッチン

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今までたくさんのオーダーキッチンを手掛けてまいりましたが、への字のキッチンは初めてでした。
変形する家具って納まりが読めない部分があって、なかなか怖いのです。
年末にカイ君と二人でラワンベニヤを持ち込んで原寸を取って確認したのですが、それでもうまく納まるのかどうか不安な部分はありましたが、きれいに納まって良かったです。
マンションの一室にこの形がある姿ってどういうふうに見えるのでしょう。
もうすぐお引渡しですので楽しみです。

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小田原のIさんのところへ

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今日は小田原のIさんのところにアキコと二人でちょっとメンテナンスに出かけておりました。
昨年作らせて頂いた加賀妻工務店さんからお話を頂いたIさんです。
棚板を数枚追加で作ってほしいというお話とともに「引き戸が擦れるんです。」と言われていて、その点検に伺ってきました。
音の原因でなかなか探りにくくて、特に引き戸の場合で、フラッシュ構造の戸を作ると、軽くて良いのですが、太鼓状に中の空気で音が大きくなっちゃって、戸の下のタイヤが動いているだけなのにゴロゴロと雨降り前の空のような音がする時があるんです。
何が原因か分かるかなあ、とちょっと心配なままお伺いしましたら、ちょうど中から岩本監督がニッコリ姿を現しました。
岩本さんにしても、吉村さんにしても加賀妻さんの監督さんとお話すると気持がゆったりして落ち着いてくるのがうれしい。
「いやちょうど今日、塗装屋さんもちょっと点検に来る予定だったので、私も立ち寄らせて頂いたのですよ。」
そんなにこやかなまなざしに見守られながら、「お邪魔します。」とさっそく上がらせて頂いて、原因を探ると、ガラスの框にちょっとした擦り傷が入っていて、戸を開け閉めした時のあるポイントで、こすれる音がする。
ははあー、これはきっとネジだね。
框組した無垢材がわずかに動いてネジと擦れていたようです。
今回ハーフェレというドイツの老舗メーカーのソフトクローズする引き戸金物を使ったのですが、その金物の仕様書には戸と戸の隙間は7ミリ取ることって書かれていたんです。
7ミリかあ。7ミリも隙間取っちゃったら、横から見た時に不格好だよね・・。
そんなわけで、金具をわずかにオフセットさせたりして、隙間を極力少なくして、(3~4ミリくらいだったかな。)イレギュラーな納め方をしていたのです。
わずか数ミリのお話ですが、見た目は大きく違うのですよ。
おかげさまでスゥっとした形で納まったわけですが、反りがこういうふうに影響してくるとは・・。
よい勉強です。
さっそくネジの頭が飛び出ないようなものに変更して、擦り傷は研磨してオイルを塗って、点検完了。
気持ちよく動くようになりました。
監督が優しく見守ってくれていたおかげです。

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帰りにそのIさんのお店(とてもすてきなケーキ屋さんで、注文したケーキを包んでくれる間、お茶と一口サイズのケーキが出てくるなんて。)に立ち寄らせて頂いて、みんなにお土産を買って帰ってまいりました。
ありがとうございました。
美味しく頂きます。

【バックシュトゥーベ イマヤ】
https://www.imaya-cake.com/