ヌックのような

2021.12.11

今から4年前にキッチンを作らせて頂いたKさん。今回のご相談は、ちょっと変わった間取りの集合住宅でしたので、使い道が曖昧になっていたというこじんまりしたリビング。もともとはダイニングを想定して作られていたのでしょうか、コンパクトな空間なので、思い切ってヌックのような籠れる場所にしたいのです、ということでこのような空間が完成。

ソファのクッションは我が家と同じフジエテキスタイルさんの少し麻が入ったサラッとした触り心地の良い記事を使ってフジタケさんに張ってもらっています。お子さんが何かこぼしちゃっても良いようにカバーリングで縫製してもらって、汚れたらドライクリーニングできるようにしています。

ポイントとなるひじ掛けはさり気ないですが、とても良い印象です。

なかなか築年数の経つ集合住宅でしたので、床と壁の具合をうまく調整しながらの設置となりました。今日はコバヤシ君にも助っ人に入ってもらって、ノガミ君とヒロセ君の3人できれいに仕上げてくれたのです。

タモのアイランドキッチン

2021.12.11

先日お引渡が終わった阿佐ヶ谷のHさんのところに。

設計はオノデザインさんで、前回の「静かな午後」のOさんに続いてお声掛け頂いたのでした。

オノデザインさんの設計は外もうちも優しい印象で、使っている素材の温かさがよく分かるのですが、このHさんのお家は何というかかわいい。

語彙が貧しくていけないのですが、建物のファサードを見た途端に「なんてかわいいのだろう。」と独り言を言ってしまいました。

土のもこもこした外壁のちょっと奥まったところにある玄関がとてもファンタジックで、そこから左手を見ると小さな花や実が付いた植栽があって、こじんまりした通りの途中にある様がよく町に馴染んで見えたのです。

「あっ、イマイさんいらっしゃい。」って玄関からリビングに案内して頂くその道のりも、うーん、かわいい。

キッチンもとても丁寧に使ってくださっていて、心配していたバックパネルとサイドパネルの動きもまだあまり出ていないようです。

オイル塗装のお手入れの方法と、ステンレスのお手入れの方法、浄水器のカートリッジの交換方法などをご説明させて頂いて。

設計の齋藤さんたちもいらしてくださっていて、写真撮らせてください!ってお伝えしたら、3人で、「あらまあ、片づけなくちゃ。」って手を煩わせてしまってすみません。

おかげでHさんの暮らしの空気感がよく分かる写真になりました。

ありがとうございました。

タオル掛けその後

2021.12.11

アキコから前々に言われていたことがあって、小さなことなのですがようやく仕上げました。

以前に彼女が書いていた「タオル掛けの扉にカビが出ていないか確認しましょう。」以来、タオルはいつも洗面台の反対側の縁側に出る勝手口あたりに衣紋掛けに掛かってブラブラしていたのです。

手を拭いても、顔を洗ってもちょっとポタポタしながら拭いていたのでした。

終いには、使う時には隣に畳んで持ってきて、使い終わったら衣紋掛けに干すというなんだか遠回りした使い方になっていたのでした。

もともとキッチンのシンク下のオープンになったところで使う想定で、かなぐやさんに頼んで作ってもらっているこのきれいな形。どうしても洗面で生かしたいってなった時からカビのことは心配だったわけです。

「私ね、厚手のタオルを使っていたくて。うすいものなら扉に触れないのだけれどね。このかなぐやさんのタオル掛けをもっと出っ張らせることでできるかな。」そう言われていたのです。

皆さんの家具作りには気持ちを早めて臨むのですが自分のこととなると腰が重かったりするのですが、ようやくできあがり。

もともとかなぐやさんの取ってだと25ミリほどのクリアランスが確保できていたので、そこに20ミリの長さのナラ材を追加しましたので、これなら扉が湿めることは少ないかな。

今度かなぐやさんに相談してみようかなあ。

ベルタゾーニその後

2021.12.10

うっかり書き忘れておりました、ベルタゾーニのオーブンの件。

先日の月曜日にあらためてWさんのところにツナシマ商事の担当さんと一緒にお伺いしたのでした。

今回私たちも初めて導入しましたので、Wさんと一緒に詳しく拝聴。

すると、このオーブンはデザインがとても美しいのですが、使い勝手はとてもアナログというかシンプルでして、シンプルすぎて気が付かなかったなあという思いになったのでした。

そもそもこの機器は、オーブンを使い終わると自然と排熱のファンが止まってしまう仕組みで、止まっちゃうと庫内にこもった熱は排熱スペースからモワモワと上方に向けていくのです。そして、それが思った以上に熱くて、次第に操作ノブやその上の扉も熱くなっていく感じ。

「これだと、危なくないの?」って思ってしまうのも分かります。

それではどうするのかというと、予防するには調理が終わったら、扉を少し開けておくか、もしくは強制的に排熱ファンを回すことで熱がこもるのを防げるのだそうです。話を聞いてみると、「なるほど、それはそうかも。」と思うのですが、丁寧すぎるくらいの日本の家電に慣れていると面食らってしまうくらいシンプルで、私も気が付けなかったのでした・・。

失礼いたしました。

そのようなわけで無事に解決いたしまして、Wさんにすべてお引渡することができたのでした。

いろいろ勉強することばかりでございます。

取って

2021.12.05

白いキッチンって言われた時には、Aさんにとってどうやって私たちの作品らしさを感じてもらえるか悩んだのですが、Aさんの中にその答えはすでにあったのでした。

それが子の取っての印象。

私がむかし娘たちの机を作った時の様子を覚えていてくださって、「その取ってにしたいのです。」とおっしゃってくださったのです。

おかげさまでとても印象の良い形になりそうです。

「娘たちの机のはなし」

自分の机を自分で作る

子ども部屋が完成

学習机をきれいにしましょう。

ホワイトオークのL型キッチン

2021.12.02

またまた山梨県。先日パーテーションを納品したOさんのところから湖を挟んで反対側。

(実はパーテーションは可動部の調整が難しくて、またお伺いする予定があるのですが。)

そして、先日は笛吹市のOさんからもキッチンのメンテナンスの相談があって、中央フリーウェイが身近な毎日です。

今回のHさんのキッチンはL型でさらには両側に壁が立つというレイアウト。そうなると天板はそのまますんなり入らないのです。私はてっきりキャビネットを組んでしまうと天板が入らないだろうと踏んでいて先に天板を入れてから、それを宙に浮かせてその下でキャビネットを組んでいく予定で、さらにはシンク下にワイヤーシェルフが入るというちょっと変わったデザインなので、こういう難解な設置方法しかないと思っていたのですが、ノガミ君が

「多分こちら側はキャビネットを組んでしまっても搬入できるかもしれないです。」ということで工房で試してみたら、どうにかなりそう。

そのようなわけでノガミ君を筆頭にヒロセ君とサポートとして入ってくれたコバヤシ君の3人で作業に向かってもらいました。

作業は順調に進んで、その日のうちにおおかた設置が終わって、コバヤシ君とはそこで別れて二人はそのまま宿を取ってもらって、2日間かけて作業完了。

あとはクリスマスあたりにHさんに塗装をして頂いて終わる予定。

いろいろな形があるのです。

もっさりした質感

2021.11.30

昨日のWさんのスケッチ。

最初、平成さんからご相談頂いて室内の写真が届けられた時に、以前に雑誌で見たルドルフ・シンドラー邸のキッチンのような木や土のにおいが感じられるようなもっさりした感じになったらいいなあって思っていたのです。

石の天板がもっさりしていて、板の導管がそのままよく表れている感じというか・・。

Wさんとお話を進めるうちにもう少しカチッとした静かな姿になりましたが、昨日訪ねた時は、ハワイアンが流れていて、奥様もゆったりしたお話しぶりを聞いていて、静かなたたずまいというよりはこの場所全体がとても生き生きとして心躍るように感じたのでした。

ブラックウォールナットとコーリアンのキッチン

2021.11.29

先日設置が完了したWさんのキッチン。

お引越しも終わって新しい暮らしが始まりました。

その中でひとつ疑問が出てきたのがガスオーブン。今回は壁にビルトインできるタイプのベルタゾーニのオーブンを導入したのですが、思った以上に熱が出るということで、私たちも今回初導入ということでしたので、事前にメーカーさんに排熱の方法なども確認してあらためてお邪魔させて頂きました。

海外製の家電製品は使い勝手のシンプルさが良い部分もありますが、説明がシンプルすぎて分かりづらい部分もあったりします。

その排熱方法は分かっても、そもそもこの機器がどういう使い方ができるのか、安心して使う使い方とはどんな形ですか、とWさんに相談されて、たしかに私自身勉強不足でして・・。あらためて担当者さんと伺わせて頂くことになりました。

「イマイさんも一緒に勉強しましょ。」と優しくおっしゃってくださったWさん。ありがとうございます。

「その他は気になる部分もなく快適に使えていますよ。」ということで、ナビッシュが停電した時でも使う方法や、レンジフードのお手入れの方法や引き出しの外し方、ステンレスのお手入れの方法などをお伝えしまして、またあらためてお伺い致します。

クルミの食器棚

クルミとデクトンと鍛鉄の食器棚

2021.11.28

優しい表情の食器棚になりました。

引き戸はリビングから見た時に楽しめるように木目が踊るようにあえてつながりを持たせないのですが、色調は濃淡がきれいに広がるような木取りで作りました。

その印象とは別に、引き出しの前板は木目が流れるような木取りで静かな印象でまとまりました。

天板にはデクトンのシリウスを使い、上段の良く開け閉めする部分にだけその印象とよく合うようにKUMAさんにハンドルを作ってもらいました。

久しぶりに取付作業に参加して、ノガミ君と二人でKさんのお宅に伺わせて頂きました。

Kさんの住まいは無印良品の家なのですが、全体的に優しい表情の内装。その印象によく合う食器棚になりまして、Kさんにも大変喜んで頂けてうれしい時間でした。

また、来年にあらためてその使っている様子を見させて頂きたいと思っております。楽しみにしていますね。

さて、思ったよりも早く取付作業が終わったのですが、不意にノガミ君が「実は今日娘の幼稚園の作品展がありまして・・。」と。

「作業が早く終わると思っていなかったので、最初はあきらめていたのですが、もしかしたら間に合うかもしれなくて、可能でしたら早退させてもらってもよろしいでしょうか。」と少し申し訳なさそうな表情。

「ぜんぜん、良いですよ。我が家を見ていると子供たちと過ごす時間って少ないなあって感じるから、そういう機会は大切にしないと。」

ということで、ノガミ君は無事閉園時間に間に合うことができて、お日柄もよくとても良い一日でしたね。

アイアンとナラ材を使ったダイニングチェアとテーブル

2021.11.26

昨年の夏から秋にかけてキッチンを作らせて頂いたNさんから「ずっと考えていたのです。」と相談されて実現したこのテーブルと椅子とそしてスツール。

キッチンと揃えて、木部にはナラ材を使い、テーブルの脚は私たちオリジナルの五本脚。そしてスツールもオリジナルのデザイン。椅子の座面の肌あたりの良さや、スツールに脚を載せた時に具合など、Nさんらしい細やかさが反映された形ができあがりました。

私はけやきが丘のMさんのところに久しぶりにお邪魔させて頂いておりましたので、本日Nさんにお会いすることはできませんでしたが、また年が明けた頃にゆっくりご挨拶にお伺いしたいと思います。

これでひと通り揃いましたね、ありがとうございました。

コーリアンとブラックチェリーのキッチン

2021.11.24

白い壁が高い延びた天井へと続いている様子はその境界が曖昧ですので、まるで夢の中のような不思議な空間なのですよ。

そこに、白いL型の天板のキッチンが入ってみると、チェリーが浮かんでいるような錯覚。

床板が見えると(確かオークだったような)また印象が変わってくるのでしょうけれど、今だけは浮遊しているような印象です。

久しぶりのマーケットでした。

2021.11.24

昨日はお世話になっているフリーペーパー「HanaShonan」 さんにお声がけいただいて参加したマーケットでした。住宅展示場は個人的にも行ったことがなかったのですが、(家を建てるときは設計士さんは最初に決まっていたので工務店さん探しから始まったのでした。)
各メーカー毎に立派な大きい家が立ち並ぶ居心地の良いすてきな場所でした。来客数は少ないようでしたが、他の出店者さんとお話しすることができましたし、興味を持ってくださったハウスメーカーさんにカタログをお渡ししたりできたのでよかったです。
宣伝になればと昔参加し始めたマーケット。家具やキッチンに繋がればいいなと思ったのですが、打ち合わせ中の方は来てくださっても、マーケット始まりで繋がる方は少なく、お客さんは異なると感じたからでした。
でも今回、マーケットに参加しないと出会えない人がいると気づきました。主に作家さんですね。マーケットがきっかけで今でも交流がある方々がいることに改めて気づいたのでした。SNSが浸透していても、実際に見て会ってお話しすることは大切なのだとわかりました。すてきな機会をありがとうございました。

明日はマーケットです

2021.11.23

こんな時間になって今日になってしまいましたが、「私たちなんで雑貨を作っているのだっけ。」と再確認してみました。

以前は会社のイベントで販売しているだけでしたのでサイズを統一して作ってはいなかったので家具を作った端材で作れていましたが、通信販売をするようになってからは端材で作れるものはほとんどなく、雑貨の注文が入るたびに材料を取り寄せて何個かまとめて作っているのが現状です。

「こういうものを作っている家具屋があるよって気づいてもらいたいからかなぁ。」とダイスケさんが言いました。

木の小物は100円SHOPでも雑貨屋さんでもいろいろな種類が売られていますから、珍しくはないと思います。

ただ、樹種と形は異なると思いますので、「家具職人が作る木製雑貨」として手に取って見てもらえたらうれしいです。ひとつひとつ、工房でスタッフのみんながきれいに作ってくれたものです。

前回のマーケットっていつだったかな?と振り返ってみると2018年の2月でした。約3年ぶりです。

キッチンカタログも持っていきますので、興味のある方はぜひ。よろしくお願いします!

「湘南フェスタ」

場所:西湘・小田原住宅公園

日時:11月23日 10時~17時

マーケットに参加します。

2021.11.21

明後日11/23祝日、お世話になっているフリーペーパー「HANASHONAN」さんのイベントにはお誘いいただいたので青空マーケットに参加します。

西湘・小田原住宅公園で開催される「住まいの応援フェスタ」で行われる「湘南フェスタ」11月23日10時~17時まで出店します。ダイニングテーブルと椅子の展示と木工雑貨の販売を行う予定です。会場のアンケートにご協力いただけると当日マーケットで使える500円の金券がプレゼントされます。私達が出品する木製雑貨にも使えますのでお得だと思いますよ。
設計を担当しているイマイダイスケも一日居りますので、「オーダー家具やオーダーキッチンってどんなことができるの?」というお話などもできますので、ショールームに行くほどではないけど、興味はある!という方にはぴったりの機会だと思います。
 以前はマーケットによく参加していたのですが、最近はしていませんのでちょっとどきどきですが、久しぶりに皆様にお会いしてお話しできるのを楽しみにしています。興味のある方・お近くの方はぜひ遊びにいらしてください。

写真はペットのご飯台として作った「cone」。我が家では木のコンポート皿として使っています。

スケッチたち

2021.11.17

少し変わったキッチンでした。タイルで囲われたキッチン周りに収納を作りたいというお話でした。白いタイルに囲まれたここにクルミの収納が入ったらすてきだったなあと思いましたが、残念ながらなくなってしまった昔のスケッチでございます。

ナラとステンレスバイブレーションのペニンシュラキッチンとバックカウンター

2021.11.13

「イマイさんのところに行くのは、妻も子供たちもちょっとした小旅行気分でいつも楽しかったのですよ。」とNさんがおっしゃってくださったように小旅行ですね。(笑)朝から出掛けて、工房に戻った時はすっかり日も落ちておりました。

ちょうど1年前くらいですね、このキッチンを設置したのは。

それから、いろいろとNさんも私も忙しくタイミングが合わず、ようやくこの秋にお邪魔することができたのでした。Nさんも奥様もその物腰の穏やかさどおりにとても丁寧にキッチンと食器棚を使ってくださっていて、うれしくなりました。

家自体も工務店さんがとても丁寧に作ってくださっていることが分かる仕上がりで、良い場所だなってホッとしたのです。

「駅の反対側に比べてこちら側はあまり人気がないので。」って、さっきNさんおっしゃっておりましたが、駅から歩いてきて思ったのは、静かで木がさらさらいう音が聞こえて、学校も近くて、すてきな場所です。そこに住むことって、家の中だけじゃなくてやはり環境が大切ですよね。自分の町に着いたとたんにホッと安心のひと息が出るような場所というのはすてきなことです。

あらためて引き出しの外し方や、オイル塗装のお手入れの方法、ステンレスをきれいにする方法などひと通りご説明させて頂いて、さようなら。外はだんだんと冷えてきましたが、温かな気持ちを携えて帰ってきたのでした。

チェリーのウッドパーテーション

2021.11.12

先日完成したウッドパーテーションを山梨県のOさんの寝室に納品。うねうね動くこの構造は試行錯誤の末にできた形で、今回もなかなか大変でした。

12年前に作った図面を引っ張り出したのですが、手描きのメモしか残していなくて(バカバカ)肝心の構造をどうするのが最適ないろいろ迷ったのでした。

特に今回は、前回と違って重量のあるチェリー材。さらには全長5メートルほどの長さで作る必要があったので、2分割して作ったその部分をいかに美しくジョイントさせるか。

パッと見ただけではどうやってくっついているのか分からない仕上りにできたのです。

メインはワタナベ君が担当し、ノガミ君がバックアップすることで完成したこの形。美しいですよ。

特にチェリー。経年で良い色になってきます。それが楽しみですね。

チェリーのパーテーション

2021.11.08

2009年にHさんのサロンに作らせて頂いたパーテーション。この制作例をご覧になって気に入ってくださったOさんに頼まれた形はもう少し幅の広い材で構成したパーテーション。しかも材はブラックチェリーですので結構重いのです。

長さを長くしたいというご要望で、あまりに長いと運べないし動かすのもひと苦労なので、2分割にして制作。そのつなぎ方も大変おもしろい形で考えてみました。

もうすぐ完成です。

チェリーの食器棚とブラックウォールナットの飾り棚

2021.11.07

こんにちは、Hさん。

9月半ばに納品したHさんのところにお邪魔してきました。

チェリーが若干色ついてきたように見えますね。それと共にゴミ箱を置く部分はどうしてもゴミ箱が擦れてしまったりして、ちょっと白くなってしまっていたところを蜜蝋でお手入れする方法をお伝えしてきました。

ご主人も奥様も暮らしに携わるものたちを一つずつ丁寧に使ってくださっている様子がそこかしこで分かりました。生活の跡や木の動きって必ず出てくるものですので、他のみんなと一緒に食器棚と飾り棚も仲間に入れてもらってそれを楽しんで使ってもらえているようでうれしく思いました。

コーポラティブハウスということで、それぞれの部屋を建築士さんと一緒に考えて暮らす場所を作っていく形だったのですが、「この食器棚だけは図面の中だけではイメージできなかったのです。」と奥様。

「やっぱりここに住み始めて、自分がキッチンでどのように動くのかを確かめてから使いやすい形を作ってもらいたいって思っていたので、当初予定されていたものはなくして住み始めたのです。」

「とてもシンプルにスムーズにお話が進んだように見えたんですけれど、イマイさんにお声掛けするまではあれこれ長い時間悩んでいたのですよ(笑)」

たしかに。Hさんの暮らしによく馴染んでいますもの。

キッチンは檸檬の香り

2021.11.04

先日、お客様のUさんからレモンとサツマイモをいただきました。お心遣いをありがとうございます。

よりうれしかったのは、今年我が家の檸檬の木が実らなかったからです。もっとたくさん実るようにと3か月ごとに柑橘類用の肥料をあげていて、ふさふさするくらいに立派に花も葉もあったのですが、夏ごろカイガラムシが大量発生して、取り切れず剪定してしまったのでした。「次に檸檬が手に入ったらレモンパイを作ってみようと思っていたんだ!」とレモン好きのハルが喜んでお菓子作りが始まりました。パイだけだと学校に持っていけないからとアイシングとホワイトチョコバージョンのシトロンクッキーも一緒に焼くことになりました。

レシピ動画を見ながら全部の作業に朝9時頃から夕方までかかっていましたが、とても上手に作れていました。ハルの身長は169cmありますが、高さ90cmのキッチンでこねる作業はやはりやり辛いので、ダイニングテーブルの方でしていました。我が家のテーブルの高さは72cmです。

レモンパイにメレンゲをのせるかどうかギリギリまで悩んでいましたが、のせて正解でした。口に入れてからの香りの強さを感じられました。すばらしいですね。(親バカ失礼します。)

こんなにおいしいものを作ってくれるのなら、来年は自分の庭で取れた檸檬で作ってもらえるように、お庭の管理をしっかりやっていかなきゃと反省したのでした。Uさん、ごちそうさまでした。すてきな時間をありがとうございました。

西から東へ

2021.11.01

今日の午前中はあきる野の藤武さんのところに仕上がった鎌倉のHさんのダイニングチェアの座面を引き取りにお邪魔させて頂いて、続いて、次に作ってもらう池袋のKさんのソファのクッションについて相談してきました。張りの技術は私たちの木工とはまた違った納まりがあるので、まだまだ勉強ですね。ありがとうございました。できあがりが楽しみです。

続いて、先日キッチンとその背面収納を設置した中野のHさんのところまで。今日はご家族総出でキッチンの塗装です。Hさんは平成さんのいつもお仕事でお世話になっている監督さんです。なので、オイル塗装は慣れているのですが、「念のためイマイさんに教わっておきたいのです。」ということでレクチャーさせて頂きました。

現在私たちが使っているオイルはターナーのエシャというオイルを使っています。今までいくつかのオイルを使ってきましたが、皆であれこれと相談して、コストと粘度、乾燥の素早さ、色の透明感や塗膜の印象などをいろいろ踏まえて、このオイルを使うことにしたのです。チェリーなら黄色みの強いワトコでも良い印象になったと思いますが、まずは透明感のあるエシャで行きましょう。

オイル塗装を施主様ご自身で行なうというのは、大きなメリットが2つあって、ひとつが家具制作費用のコストダウン、もう一つが定期的にオイルを塗っていくことで表情に深みが出るオイルなのですが、その定期的に塗ることが大変そうって思いも皆さんの中にありますので、それを最初から自分たちで行なっておければそのハードルも下がるかな、というのが大きなメリットだと思います。

特にチェリーのような色の変化の大きい樹種は、こまめに塗ってあげるととても色つやよく焼けていくように思えます。

オイルの塗り方、扉と引き出しの脱着方法(ちなみにどこを外したか分かるように番号は振ってありますよ)、乾燥方法、ウェスの処分方法などをご説明して完了。

「Hさん、頑張ってくださいね。今月末くらいには工事完了ですか。」

「はい、そのつもりで頑張ります。」とHさん。

「でもこの塗り壁も全部自分たちで塗るつもりなので、終わるかなあ。」と奥様。

それは大変だ。

山桜のキッチンバックボード

2021.10.31

ちょうど一年が経った頃ですね。

ブラックチェリーほど強い色の変化はまだ出ていませんが、やはりサクラは色付きますね。

昨年の10月に納品したUさんのところにお邪魔してきました。

【昨年の10月の様子】

ヤマザクラのキッチンバックボード

ほんのちょっとぶつけちゃったというところは、ティッシュペーパーを頂いて濡らしたものをその凹んだところに充てて数十秒(本当はもっと置いておきたかったのですが今日は簡単な実演ということで)置いたら、お借りしたアイロンを当てるとブシュ―ッってみんなびっくりするくらいの水分が蒸発する音がするのですが、そのまま数秒アイロンを当ててはティッシュペーパーをよけて様子を見て、さらに濡らしてブシュ―を繰り返し。だいぶ凹みは戻りましたよ。

それから、何かを垂らして色が抜けたようになってしまったという部分は、先ほどのアイロンを当てた箇所と一緒に400番で軽く研磨して、蜜蝋を擦り込むと、うん、とてもきれいになりました。

と、今日はこれが本題ではなく、玄関をうまく使えるように小さなリフォームをしたい、というお話でお邪魔させて頂いたのです。

いろいろお話を聞くと、私たちだけでは難しそうで、またkotiの伊藤さんに相談しないとね。

雰囲気ががらりと変わりそうで、とても楽しみなお話でした。

Uさん少しお待ちくださいね。

タモのキッチンとかソファとかテーブルとか

2021.10.30

先日納品したテーブルたちの塗装が終わって、「これですべてが揃いました。」とKさんから連絡を頂きまして、あらためてお邪魔させて頂きました。

江湖さんはご夫婦そろって建築士さんで今回はそのご自宅の家具をいろいろと作らせて頂いたのでした。

江湖さんとお仕事をさせて頂いて思ったことが、家具の設計をできる建築士さんというのがとてもうれしかったのです。こういうふうな言いかたは何だか一方的でよろしくないかもしれませんがそう思えるのです。私も長々とこのお仕事に携わらせて頂いておりますが、(数えると28年目でした。長いですね。)家具の設計ができる建築士さんは少なかったのです。過去によくあったのは建築のスケールで寸法を落とし込んでくださることです。そうなるといろんなところが大きくなっちゃって少し使いにくいのではないかな、と思えたこともありました。

でも、江湖さんをはじめ、今お付き合いさせて頂いている建築士さんは家具の設計ができる皆さんで、私たち家具屋の意見も柔軟に取り入れてくださって、そして、そういう方々が設計するおうちって暮らしている皆さんがとても居心地よさそうにされているのです。暮らしのスケールをきちんと持っている皆さんですので、それは心地良いことでしょう。

だから、江湖さんとのお仕事はとてもやりやすくて、また、とても大変勉強になったのでした。階段のササラが刺さった玄関収納は大変でしたが、天板の納め方やレンジフードの納め方の妙などなど。

こういうすてきな人たちの支えがあって、今の私たちの家具作りがあるのだなとあらためて気づかされました。

よい秋の陽射しでしたね。相変わらず汗が止まらぬ訪問で失礼いたしました。また必要に感じることがございましたらいつでもお声掛けください。

木のキッチン 気をつけること

2021.10.30

この季節になってくると洗い物の時に手袋が必要になってくるのですが、つい癖でやってしまうことが木のキッチンではよくないことがあります。

私も実家のキッチンを使っている時からの癖でやってしまうことがあるのですが、ふきんやゴム手袋を写真(2枚目)のように干しておこうとしてかけてしまうことです。手袋の水を切ったつもりでも、ふきんを硬く絞っていても、同じ場所にこうしてかけていると木が水分を吸収して膨らみ、常に水分の蓋がされているので黒くかびてきてしまうと思います。ウレタン塗装をしていても、この場所にベルトの金具や何かで傷が一か所でもついていたらそこから吸ってしまいますので注意が必要です。

我が家では朝出かける前にステンレス天板の上に広げて置いておきます。これでも十分手袋と付近は乾燥します。(うちが乾燥しているのでしょうか…。)

心配な方は日中の明るい時間帯に、洗い物が終わってキッチンの周りに飛んだ水分を拭き取る時に確認してみてくださいね。