
ショートトリップ高崎
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月24日







翌日は夕方までに帰宅しないとハルの予定があったことと、アイの世話を父に頼みっぱなしになってしまっていたので、朝食を頂いて、川沿いを散策した後はまだ賑わう前の軽井沢銀座商店会のそばを通り抜けて、いざ高崎へ。
開館まもなく到着すると、邸内の午前の見学は11時までだと知って、企画展を通り抜けて急いでレーモンド邸(旧井上房一郎邸)の建つ中庭へ。
あー、私はこの建物の何に惹かれるのだろうか・・。明確に分からないまま、好きな感じだなあというぼんやりとした思いを携えて、ただただ愛おしく拝見させてもらいました。
鋏状トラスと呼ばれる美しい構造や円卓の脚部の美しい構造や照明の底部の美しい輝きやら、電線だって愛おしい。うれしいなあ。
そのあとは企画展の福井良之助さんの作品を見させて頂いて。
きれいで美しい作品だけど、どこか淋しい感じを受けるので、どういう思いなのかって、作品の解説を見ながらいろいろ考えるのですがやはり作品を見ただけでは分からないなあ。
自分なんて、目の前で話をしているその人がほんとうは一体何を考えているのかなんてどうしたって分からないくらいなのに、すでに亡くなっている人の作品からその人の思いを読み取ろうなんてやっぱり難しい。
自分にとって美しいか、心地よいか、作品を眺めることってその気持ちだけで精いっぱいでそれで良いよね、なんて思いながら心地よい気持ちを頂いて帰ってきたのでした。良い時間でした。ありがとうございました。

ショートトリップ軽井沢
Category : 日記「自由な手たち」







アントニン・レーモンドのことを詳しく知っているわけではないのですが、自宅を建てようと考えた時に江戸東京たてもの園内の前川國男邸が時折思い起こされていたのでした。
そういう雰囲気を持つ家にしたいと思いながらもその間に一度も足を運ばなかったのは私のぐうたらな性格なのでしょうけれど、自宅に雰囲気を実現してくれた福原さんにはとても感謝しているのです。
その家々を探るうちにとても素朴なレーモンド邸が見られるということを知っていつか訪ねてみたいなあと思っていたのが今回の遠出のきっかけだったのでした。
その話をする中で、ハルがどこからかマーニーの家のような建物が見られるという話をどこかで聞いたようで、いつの間にか遠出の主題は高崎から軽井沢へと延びていったのでした。チィもこういう洋館やふわりとしたドレスが似合うような建物めぐりは好みのようで、二人とも相変わらず私たちのショートトリップに付き合ってくれるのはうれしいところ。
軽井沢には家具やキッチンの納品に何度か訪れているのですが、それ以外でも、まだ子供たちが生まれる前だったかな、アキコと何度か訪ねたことがある心地よい場所。
20代前半の頃には友人二人と横川から軽井沢まで廃線跡を歩いたこともあったっけ・・。
アキコと石の教会を見に行った時にふと路傍に咲いている紫色の小さな花を見て「これが私が好きな香りがする花、矢車菊よ。コーンフラワーとも言うの。」と教えてもらってから、私もこの花が好きになってからもう20年近く経つのか・・。
そうそう、この季節、工房の近くには彼岸花が有名な小出川が流れているのですが、そのそばで群生する矢車菊も鮮やかな青紫が美しい季節になりましたね。
そのようなわけで、今回の9月22日、23日のショートトリップ1日目は軽井沢に。軽井沢タリアセンという庭園にそのマーニーのモデルの建物、ヴォーリズ設計の「睡鳩荘」が望めました。女子大生と女子高生は、小雨が降る中でもルンルンと楽しそうに。
ほどなくして雨が気持ちよく上がり、残りの建築も見学。ここにもレーモンド設計のペイネ美術館が移築されていたのですが、美術館なのでそれほど建築自体をゆっくり見られなくて残念。
そして、堀辰雄の別荘。以前に、打ち合わせに向かう電車の中で静かで冷たく美しい林間の様子にいざなってくれた「風立ちぬ」の様子が思い起こされてふと涼し気な空気が流れていたように思えます。
そして、その別荘に向かう前の「軽井沢高原文庫」では、立原道造の詩と建築の展示がされていて、ヒアシンスハウスの図面をきちんと見ることができてとても良い時間だったのでした。
そして、その足で小瀬温泉に向かいたいへん静かで心地よい宿でお酒を頂いておやすみなさい。

シナの本棚
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月20日
昨日は目黒のKさんのところに、タケイシさんが制作を担当したシナの本棚の納品でした。
基本的にシナ合板を使って無垢材部分はシナとバスウッドの無垢材を併用する形で制作しています。厚みや長さがシナだと揃わない時があるので、そのような時は特徴がよく似たバスウッドを使用するのです。私の自宅の家具もシナとバスウッドを使って作っておりますので、ご興味がある方は是非お声掛けくださいませ。
同じ形の本棚を3台作ってそれをダイニングの壁面に設置するというシンプルな作業で3時間くらいで終わるかなと想定しておりました。
搬入も交通量の多い通りでしたが、思っていたよりもスムーズにできてこの大きさでもエレベータには問題なく載せられて室内にも順調に運び入れることができていました。
築年数がかなり経つ集合住宅で、床はフローリング、左の壁がGLボンドの壁という以外はすべてコンクリートでしたので基本的に壁へのビス止めは行なわない形で考えておりましたので、床に固定したら、あとは上にはクサビで固定して効かせるからスムーズに進む予定でした。
(余談ですが、私たちの一存で基本的に集合住宅のコンクリート壁へのビス止めは行なっておりません。戸建て住宅のコンクリート壁の場合や、集合住宅でも工務店さんのもとで行なう形でしたらその限りではありませんが、私たちの家具工事だけの場合では行なわないようにしていて、クサビなどで固定する形にしています。)
壁がコンクリートで築年数が古いということで考えられるのは垂直水平の加減がどこまで良いかということでしたが、やはり歪みがある程度ありました。特に右壁が下の奥と上の手前で15ミリくらい差がありまして、それをシナ材で塞いでいくのですが、現場の寸法に合わせて埋めていく作業自体は順調に進んでいるように見えたのですが、終わったのは夕方。カットして削ってを繰り返して隙間を埋めていくのは想定以上の時間が掛かり、最近家具の取付をもっぱらみんなに任せてしまっていた私はそうだよな、とあらためて作業のたいへんさを実感したのでした。
一見するとシンプルにスマートに納まっているように見えてもそのように見せるのが仕事ですので、完成するとどこが大変だったのか分かりづらいのですが、ひとまずきれいに納まって良かった。
次回、Kさんがどう使ってくださっているのかを見られるのが楽しみです。

節のあるナラ材を使った食器棚
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月14日
先月の終わりごろにダイニングテーブルの天板を納品したKさんのところにアキコとタケイシさんの3人で再び出かけておりました。
食器棚の設置だったのです。
もともとKさんとは最初にふとした電話が掛かってきたことが相談の始まりでした。
「あの、食器棚を考えているのですが。そう、下の食器棚です。上の吊戸棚はね、元々付いているものがあるんですよ。」
そのような感じで始まった会話でしたが、気が付いたら、食器棚だけではなく、吊戸棚の扉も、ダイニングテーブルの天板も、とお話が広がっていったのでしたね。
そこで今回作らせて頂いたのは、吊戸棚の本体はそのままキッチンメーカーさんの本体は生かして、その桃色の化粧板の扉を取り外して、小さな節が特徴的なナラ材で作った扉に替えまして、吊戸棚の左側面と天井の白い廻り縁をナラ材で化粧したのです。扉はかなり古いものだったのか耐震ラッチがついていなかったのでそれも取り付けて。
そして、下の食器棚は、今まで使われていたものはタイルトップの独創的な形の食器棚でこちらもかわいかったのですが、サイズが少し小さかったりして、隙間に物を置いてしまったりと使い勝手にばらつきが出て不便に感じていたところがあったということで、何か必要で何が不要なのかとKさんの暮らしかたを伺いながら、シンプルですが、使いやすい動線になるような形で作らせて頂きました。
うん、とても良い形にまとまりましたね。

ヒロセ君家具チェック
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月13日
ヒロセ君が制作を担当するFさんの食器棚。細かい加工がもう少し残っていますが、納品前の仮り組みを今日の午後に行なうということでそのタイミングでみんなで集まります。
どれだけ制作前にきちんと打ち合わせを進めていても思い違いが起こることもあります。それを未然に防ぐというか、もし何かあっても工房の中でなら、方向の修正は困難ではありませんからね。
そういうわけで15時過ぎから家具チェック。家具を依頼してくださった皆さんのことを知っているのは私だけですので、作っているみんなが見えてみる情報と私だけが見えている情報がある。それをここで答え合わせするような感じ。
Fさんは新築の戸建て住宅なのだけれど、2階にあるキッチンへのアクセスがちょっと難しい。そのあたりを考慮して制作していて、それをあらためてヒロセ君に伝えたり、細かい仕上がりのニュアンスをみんなと共有したりして、よし、これで固法の細かい作業を仕上げればいよいよ完成。
ひとつずつの積み重ねでできあがっていくのです。

ポールケアホルム展へ
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月12日
今日はアイにご飯を上げたら、会期が終わってしまう前にということで、アキコとポールケアホルム展を見に出かけておりました。
そうかー、以前フリッツハンセン社の家具を見に行く機会があったのですが、そのすてきなショールームで見かけたテーブルはこの人のデザインだったのだなあ、と今さら知ったのでした。あの時はてっきりアルミで作られていると思っていた脚部はステンレスだったのか。
あの脚の仕上げに近づけたいって思って、自宅の円卓の五本脚を作ったのだけれど、サテン仕上げのことをもっと理解していたらきっと見え方が違ったのだろうなあと興味深く見させてもらいました。
それから、実際に椅子にいくつか座ることができるすてきな展示があってPK25に座らせてもらった時に座りやすさとともに感じたのは、年を取ってくると椅子に対する心構えが変わってくるのだなあと思ったのでした。
先日見学させてもらった俣野別邸にはウェグナーのCH25というペーパーコード編みの美しい椅子が置かれていたのですが、意外と座面の高さが自分で思っている高さよりも低い位置にあって、さらに腰かけた角度が思っていたよりも深く傾斜していて、どすんっって感じで座ってしまったのでした。座ってしまうと、とても心地よく体を預けられたのですが、その座面に向かうまでが目視できないので恐る恐る座ってしまうのだなと思ったのです。このPK25も少しその印象を感じて、ひじ掛けという手掛かりがないと、膝と腰が力んでいくので、年齢とともに足腰に自信がなくなってくると座ることや立ち上がることをの少しためらってしまうのかもしれないなんて思ってしまったのでした。(偉そうにすみません・・)
そのようなことを考えていたらふと昔に福祉事業の仕事をされている方から、座りやすい椅子の相談をされたことを思い出しました。少しかがんだ状態で座面がお尻に触れることができて、あとは自重とバネの作用で座面が自然と下がっていく、というおもしろいアイデアだったのですが、あの時30代だった私にはまだしっくりこない部分があって、最終的によい形が浮かばず実現できなかったのですが、今はもう少し違ったアプローチで形を考えることができる年になったのかなあと興味深く見させてもらったのでした。

UKIさんによる【ハンカチに刺繍をする会】を開催します。
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月10日
以前クレミルのイベントに出店してくださっていた時です。
お客さんがいらっしゃらない時間帯に、ふと見るとショールームの片隅で静かに刺繍をしているUKIさんの姿がありました。チクチクと縫い進める姿がかっこよくて、全く刺繍のことがわからない私にとっては、頭の中のイメージで針を進められることが信じられなくて、こういうスキルを持っていることってすてきだな、いつかUKIさんにここで刺繍を習えたらいいなと思っていたのでした。
今回ついに実現する時が来て本当にうれしいです!
私のように刺繍初心者の方、刺繍を体験してみませんか?
刺繍ができる方、オリジナリティあふれる作品を作られるUKIさんと色々制作のお話をしたりしながら、刺繍を楽しむ時間にしませんか?
オーダーキッチンや家具が気になる方、私たちの作る家具の雰囲気を感じながらショールームで刺繍をして過ごして、オーダー家具やキッチンのある空間を体感してみませんか?
家具やキッチンをオーダーしてくださった方、久しぶりにショールームに来て、一緒に刺繍を楽しんで、そのハンカチをキッチンの食器を拭くふきんにしたり、家具の天板に敷いたりして、自分で刺繍をしたものに触れて過ごす時間を楽しんでみませんか?
皆様にお会いできるのを楽しみにしております!
【UKI さんによる\\ハンカチに刺繍する会// 】
リネンのハンカチに、5〜6種類の図案の中から、好きな図案をお選びいただき、ハンカチに刺繍していくwork shopになります。
○日程:10月26日(土)
○時間:1回目「10:00〜12:00」(←ご予約満席となりました!)/2回目「14:00〜16:00」(残り2席です。)
○場所:フリーハンドイマイ2Fショールーム
○人数:各回4名ずつ
○金額:材料費込み4000円 (道具もすべてご用意があります。)
受付は、info@freehandimai.com までメールをください。題名に「刺繍WS参加希望」とご記入ください。お名前・ご連絡の取れる電話番号とメールアドレスをお知らせください。
材料等の事前準備がありますので、10月20日日曜日を締め切り日とさせていただきます。
10月26日はもう予定が入っているけどUKIさんの刺繍作品が見てみたいという方はこれからの出店予定がありますので、ご参考にしてください。最新情報はInstagramアカウントページをチェックしてくださいね。
10月 26日(土)フリーハンドイマイさんでWS 倉見
11月3日(日) 相模大野アートandクラフト
11月24日(日) 中央林間手づくりマルシェ
12月14日(土)WSクリスマスマーケット tonarino
12月15日(日) WSマルシェ

いねむり
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月8日
アキコのブログにも書かれていたように、私は自宅に居るよりも工房に居る時間のほうが長いのだなあと言われて客観的にみることができた。
この家を建てた時はここで週に1度は庭を眺めながら仕事をしてやるのだ、なんて思っていて、2階に机をしつらえたら気持ちが良いだろうなあというスペースを福原さんと一緒に考えていたのだけれど、それ見たことか!と心の中の鬼が笑っている。そのスペースは今ではチアキの古い教科書や古い布が古紙、古布の資源ごみに出されるまでの置き場になってしまっている・・・。
創造するための空間が資源ごみ置き場だ・・。家に居ても子供たちが居たりするとなんだか落ち着かなくてね、いつのまにか一人になれる居場所が良いなと思っていると足は工房に向いてしまうのだ。アイが朝晩工房に来るし、彼が工房に泊まっていく時もあるからという理由をかこつけてね。
昨日の午前中、神輿がやってくる前に壁面収納を考えているというHさんが小さなお子さん連れの4人でいらしてくださいました。
これから家を新築されるということで、リビングの壁にテレビが置ける大きな収納を考えていて、それと一緒にダイニングの一角に子供が勉強できるスペースとしての机を考えているのだそうです。
なるほど、そうですか。
壁面収納はいろいろと考えられる道がありそうだけれども、机かあ・・、と思ってしまったのです。
私はあまり自分の意見を押し付けるような打ち合わせは苦手なので、なるべくそこに住む人が住みやすい形を考えたいと思っておりますが、とりあえず思うことだけを伝えておこうかな、と思ってお話させて頂きました。ウェブサイトのエッセイの中でも何度か書いているので、またですか、と思われるかもしれないのですが・・。
no.12 2021/10/14 収納計画は柔軟に
no.13 2021/10/14 オーダー家具の形は選択肢を広げて
no.22 2022/3/8 子供たちが勉強する場所について
子供って親の思うようにはならないなあと、昔から、そして今でも思いますし、それが一番自然な姿なのですが、こうあったら良いなと思って、時折、幹の延びる方向をそっと手で押すように背中から声を掛けてもやっぱりその人はその人らしさがあるので、その通りにならない、それこそが一番良いことなのだと思うのです。
だから、ここは部屋の角で隣はなんとなくさえぎられているからきっと勉強しやすいだろうと、場所をしつらえても使ってくれるかなあ、なんて思いがありまして、そのままHさんにお伝えしたのでした。
もちろん、Hさんの暮らしかたが一番大切なので、何となく助言のひとつとして聞いて頂ける程度でよいので、「あの家具屋さんはあのように言っていたけれど、私たちはこういう暮らしがしやすいかなあ。」とか「もう一度子供たちの意見も聞いてみようかなあ。」と暮らしを思い描くきっかけとなってもらえたらなあと思うのです。しかし、家に居るよりも工房に居る時間のほうが長い人間がこういうアドバイスをしても頼りになるのかしら・・。
今日は工房の前の空き地でお払いが行なわれた後の片づけをして気持ちも体もすっきりしたこともあり、体調もすっかり良いと思えるので、久しぶりに厚木の通称「ヒトノモリ往復」をしてきたのですが、うーん、足が痛い。2週間走らないだけで、こんなに疲れてしまうとは情けない。
情けないやら頼りないやらで今日は先に居眠りしてしまった。アキコごめんなさい。

神幸祭
Category : 日記「自由な手たち」

今日は地元の倉見神社の神幸祭でした。
西町自治会の方々は朝6時から活動してくださっているそうで、役員活動ご苦労様です。
担ぎ手さん、お囃子の方々は予定表を拝見すると、集合時間が7時で、還幸祭が19時すぎですから、本当に一日ご苦労様です。大変な役をありがとうございます。
今年も工房で神主さんからお祓いを受けることができました。スタッフのみんなが怪我することなく安全に皆様の家具やキッチンを作り続けていくことができますように。
また、ダイスケさんはお神輿の役員さんたちが持つ輪の中に入ってお祓いを受けることができました。

ダイスケさん「毎回、中に入ってください、声かけられるから入っているけど、自分なんか住んでいる町ではないし、受けてていいのかな。」と言いながら参列させていただいておりますが、
19歳からこの仕事を始めて、毎日通って、家よりも長い時間過ごしている場所なのだから、良いのではないかと個人的には思っております。ありがたいことですよね。
私たちの会社は7月決算でして、1年分のデータを8月末までにすべて会計士さんに提出し終えてから迎えるこの神幸祭は自分にとって良い心機一転の機会となります。
1年振り返ってみて、よい出会いがあったりしても、会社ですから、利益が出ていないとよい結果とは言えなくなってしまうところが経営の難しさだと思いますが、赤字だと思っていたら、その年代のお客様のご縁で新しいキッチンを作らせていただく機会ができたりすることもあります。そう考えると、その1年間だけで良し悪しを見ていくのは難しい部分があると思います。
そういう波を乗り越えながらも今年で私が参加させていただいてから13年経ちました。未だに手探りの部分も多く、皆様にご迷惑をおかけしてしまう部分もあるかと思いますが、これからも引き続きフリーハンドイマイをよろしくお願いいたします。

藤沢三建築めぐり
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月7日
文化住宅と言ってよいのか分かりませんが、和洋折衷でも日本の風土になじんで見えるような住宅が好きなのだなあと自分でもよく思うのです。
「文化住宅」という言葉は実は最近知ったのです。家具の打ち合わせに出かける時に電車の中で何か読み物はないかと探していて推理ものが読みたいなんて思っていたら帆村壮六という人物が活躍する爽快なお話にのめり込んでしまって、その中で聞いたのでした。
今日めぐった建物にはほんとうはきっともっとしっかりとした呼び名があるのでしょうけれど、分けへだたりなく優しく招き入れてくれる空気にこの言葉がしっくり来ていました。





なんだかね、予定していた制作や取付が少し後ろにずれたことで少し気持ちに余裕ができたからか、和洋折衷の建物を見に行きたいって気持ちが沸き上がってきたのです。
一番行きたいのは江戸東京たてもの園の前川國男邸だけれど、ちょっと今日出かけるには距離があるからなあ。でも、家具がきちんと使われている空間が見られたらいいなあ、なんて思って調べていたら、これほど近いところにすてきな建物があることを知ったのでした。
もともと遠藤新設計の旧近藤邸はしょっちゅう横を通り過ぎていたので、いつか中を見たいなあと思っていたところです。
そこから2駅北上した善行駅が最寄りに素敵な建物があることを知って、アキコと出かけたのでした。
まずは、佐藤秀三設計の俣野別邸。
開園まもなく到着して他に誰も来訪者がいなかったからか、受付の方にとても丁寧に建物の入り口を案内してくださり、心躍る場所だったのでした。
そして、一番家具が家具らしく使われている様子がよく分かって楽しい空間でした。カーテンボックスの感じとは、扉に張られた布の感じとか、イングルヌックのコーナーの籠り具合とか、ハンドルの太さとか。
そうか、ハンドルは太くても良いのだ!





続いては善行駅のそばのアントニン・レーモンド設計の「旧藤澤カントリー倶楽部」のクラブハウスであるグリーンハウス。現在は体育センターの受付の建物になっているということで、扉を開けて「建物の見学に伺ったのですが。」と伝えると、「どうぞどうぞ2階もご自由に。」とおっしゃってくださって、ホールの様子を大変興味深く見させてもらいました。家具があるわけではないので、建物のキュートな印象をアキコと二人でキャーキャー言いながら見させてもらいました。









そして、藤沢駅から歩いて目指すは旧近藤邸。市民会館の方にお声掛けすると、「今鍵を開けますからちょっと待っててくださいね。」と笑顔で答えてくださいました。
何というか、どの皆さんも私たちのような急な来訪にもとても柔和な表情で迎えてくださる。古い建築を見てくれることを楽しんでいるように思える。(違うかもしれませんが。)その垣根のない様子がより楽しく過ごせる時間になって、とても素晴らしい日でした。
この旧近藤邸も家具というか、大工さんが箱を作って、建具屋さんが扉を作って仕上げたのだと思われる、直線的でダイナミックな形はライトの直線的な印象が想起されるなあ、なんて勝手に思って楽しんでおりました。暮らしの動線までを垣間見ることは難しかったのですが、この建物を囲う藤棚が生む陰影の心落ち着く様子(入り込んでくる日差しが葡萄のようにまん丸い!)や、その建具の意匠の隙間から覗く外壁の様子や「ほらっ、ダイちゃん、この下きてごらん涼しいよ!」とアキコのそばの藤棚の下に行くと本当に木陰が生み出す風がミストのように体を冷やしてくれる様子など、そこかしこが美しい場所でした。
汗でシャツの色が濃くなることがなかったなら、もっとゆっくり見ていたかったのですが、うーん、暑さにやられる。9月なのに。
でも、すてきな3つの建物を堪能できてとても良い一日だったのです。

手づくりを楽しむ
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月6日

ペーパーコードでベンチの座面を編むタケイシさん。
編むのって難しいですよね。テンションのかけ方、ペーパーコードのよりの厚みも部位によって異なるのでボコボコしてしまいますし、この長方形のデザインだとラインが揃ってないと目立ってしまいますし。素手でやると、だんだん手の脂分が取られて、カサカサになって、皮膚が切れてきてしまいますし。
ダイスケさんが、民藝館に行った時に座ったベンチを見てショールームにも置きたいと思い考えたデザイン。
完成が楽しみです。タケイシさん、よろしくお願いします。
「ショールームに来てくださいね。」と言っても来づらいと思いますので、知り合いの作家さんにご協力いただいて、イベントを開いていただいております。
次回は10月26日土曜日に UKIさん にショールームで刺繍教室を開いていただく予定です。様々な材料を使ってオリジナルのデザインでアクセサリーを作られる UKIさん。家具を作らせていただいたご縁があります。シンプルな服装でも UKIさん のアクセサリーを合わせると一気にセンスアップできる力があると思っています。(内容は後日ご案内していきます。)
ワークショップの時間を楽しみながら、私たちが作る家具の雰囲気を知っていただく機会になればと思っております。
このベンチも、その時にお披露目できることを目標にしております!

Nさんのナラのセパレートキッチン
Category : 日記「自由な手たち」2024年9月4日



台風一過のもと小金井まで。Nさんのキッチンの取付です。
小金井に行くにはどう行こうか、といつも迷うのですが、普段一人で出掛ける時はひたすら北上して町田のリス園の横を通って、東八道路で東京を横断するような道が好きです。ヒロセ君(多摩住まい)に聞くと彼もけっこう下道を好むので、そんなルートが返ってくる。
今日は4人で出発したので、そんなにのんびりしているわけにも行かないので、東名か圏央道か迷っていたのですが、台風が過ぎたせいなのか東名がずっと真っ赤な道路標示でしたので、遠回りの圏央道で。
この前の台風で新善波トンネルで土砂崩れがあったり、海老名の大谷あたりでも土砂崩れがあったりと怖い気持ちでいたのですが、圏央道はいつもの様子で少し涼しい風が吹き抜けておりました。
今回のNさんの現場では初めてお仕事させていただく工務店さんなのですが、段取りも施工もとても丁寧で、今日も朝から鍵を開けに来てくれるということで待ち合わせの時間を目指していたのですが、道が空いていたからか早く出発しすぎたのか1時間ほど早く着いてしまいました。
さて、どうしようか・・、ととりあえず現場をのぞくと、掃き出し窓が開いていて、玄関ドアを引くと鍵も開いておりました。どなたかいらっしゃる・・?
「おはようございますー」と言いながら各部屋を見まわして行けども誰も気配がなく、上かな・・?と思って上に行くとかすかに作業する音が聞こえて、背中が見えた大工さんにあらためて「おはようございますー」と声を掛けると「おぉっ、びっくりした!」と言われて、いけないいけない。
まさにスライド丸鋸で材を切ろうとするタイミングで声を掛けてしまって危ないところでした。
「すみません、急に声を掛けてしまって。」
「キッチン屋さん?」
「はい、キッチンの取付に来ました。」
「うん、聞いてるよ聞いてるよ。」と朗らかな様子。そして、あらためて1階を案内してくださる。
「このあたりだけ空けておいてくれればあとは広く使っていいからさ。あとは床がヒノキで傷になりやすいから、引き摺らないようにお願いね。」とにこやかに伝えてくれて再び2階へ上がって行かれました。前回、うっかり忘れていた柱の採寸に来た時も大工さんが朗らかに対応してくれたんだよね。こういう現場は仕事がしやすくてありがたいです。
ということで、早々と搬入を始めることができて一安心。
まもなく、監督さんもいらっしゃって、「大工さん来てたのですね。」と朗らかな様子。監督さんと納まりの打ち合わせをして、今回制作を担当したヒロセ君とも内容を擦り合わせて、問題なく進められることが分かりまして、私は先に戻らせてもらうことに。もちろん、帰りは好きな道で。
その日は順調に進んで、ヒロセ君は直接自宅に帰り、ワタナベ君は翌日は工房での作業で、ノガミ君は会社の車で帰宅して、翌日ノガミ君とヒロセ君は直接現場に。こうしてしなやかに滞りなく作業を終えることができました。
風が秋の匂いになってきたようです。

ウェブサイト更新
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月30日

食器棚のお話から始まったキッチンリノベーション。いつもならキッチンのお話をしながら食器棚のお話まで広がることが多いのですが、順番は違っても夢はきちんと膨らんでいきます。
よかったら読んで頂けるとうれしいです。
「不思議な順番」 横浜 J様

ナラランダム張り突板のセパレートキッチン
Category : 日記「自由な手たち」
月曜日から設置工事に取り掛かっていたMさんのセパレートキッチン。私はその搬入時の発汗のためか、夏バテだったのか、みんなと打ち合わせの後に工房に戻ってから何となく息が上がるなあと思っていたらその翌昼あたりから体が重くなってきて少しの間家で寝込んでおりました。
元気を取り戻したころにはすでにもうこのようにみんながきれいに仕上げてくれていました。
今回のナラの色の具合が豊かで美しい。
このキッチン全体が仕上がってくると、表情が良く引き立ってくるのではないかと思います。楽しみですね。
しかし人の体はきちんとできている。この暑い毎日なのに、きちんと寒気がして「おぉ、寒い。」と冬物を着込んで寝込んでいたら、ほんの2時間で寒気はピタッとおさまって、きちんと体がボゥッとしてきて体温が急に上がる。そして、暑いのに汗も出なくてフラフラするのだけれど、それもしばらくするときちんと汗が出てきて、それで熱が引いて悪さをしていてモノたちが出ていく。お見事。

ウェブサイト更新
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月24日
ナラのランダム張り突板を使った少し懐かしい印象のキッチン対面カウンター収納を作らせて頂いたTさんの記事と、少し無骨な印象のあるセラミックの「デクトン」とクルミを使ってできあがった優しい表情の食器棚のを作らせて頂いたYさんの記事を掲載しました。

「住む人の空気」 曳舟 T様

「想像以上に和み空間」 浦和 Y様

不思議な順番
Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, オーダーキッチン2024年8月30日
「ナラ板目突板とクォーツストーンのペニンシュラキッチンと背面食器棚」
横浜 J様
design:Jさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:daisuke hirose
painting:daisuke hirose


なにしろ私たちの工房は、小さいし制作するスタッフも4人に限られています。
以前、みんなと「忙しくなると手が回らなくなってしまうことがあるからもう一人入ってもらうのはどうだろうか。」と、相談したことがありました。
相談する以前にも、かつて5人の制作スタッフで取り組んでいる時期が2度ほどありました。
最初は私もまだ制作に関わっていた20年くらい前かな。その時にはあまり感じなかったのですが、今はね、元スタッフのカナイ君やただいま主任のノガミ君が主導となって、作業場と機械場をきちんと分けたこともあって、作業場がちょっと狭く感じるのです。
私が制作に関わっていた時は、現在の機械場で作業していてもうちょっと雑然としていたかもしれません。
正方形の立地というのはなかなか使い勝手が中途半端になることがあるのですが、私たちの工房も多分に漏れず、ちょっと使いづらかったりするのです。
そういう中でもみんなは工夫して作業のメリハリができるようなレイアウトで臨んでくれているのですが、やはりこの状態で5人となると・・。
機械の待ち時間も出てしまうし、肩を寄せ合って作業することになっちゃう。木工でそれだと危ないですからね。
「それなら、工房を広くしようか。」という話も出たりするのですが、そうするにはやはりそれなりにお金が必要になってくる。ということはもっとせわしなく働かないといけなくなってくる・・。
それが良いことなのか良くないことなのかはそこに携わるみんなの心の持ちようなのですが、やはり言葉のとおりに心がなくなっちゃう気分になるのって、あまりよろしくない。気持ちが疲れちゃうのってあまりよろしくない。
ということで、時々こういうことがみんなの間で話題にあがるのですが、相変わらず4人でこの規模でコツコツとやっているのです。
そうなると困ることのひとつが、できるボリュームが限られてきてしまうのです。
時々、新築1件分の家具の相談を頂くことがあったりするのですが、それって頼られていることなのでしょうからとてもうれしいことのはずなのに、私はドキッとして、そのボリュームだと私たちだけでは対応できないぞ‥、と焦ってしまうのです。
まだ、見積をもらっただけなのに焦ってしまうのですよ。
Jさんからのメールもちょっとドキッとしましたっけ。
「オーダーのカップボードを検討してるのですが、インスタグラムで拝見させて頂いた添付のイメージですと大体費用はどのくらいでしょうか。今のキッチンも添付します。」
というとてもシンプルなメールと一緒に「懐かしい丘」の横浜のKさんのインスタグラムの写真ご自宅のキッチンの様子を写した写真が送られてきました。
そこで、Kさんの時に金額をお伝えしますと、幅を少し広げてスライドテーブルをつけたいというメールが届いて、その9分後には今度は「きもちの距離」の志木のIさんがかなりイメージに近いです、というメールが届きました。
情熱的ですね。
さっそく私も情熱的に横浜Kさんのイメージに追加の内容と志木のIさんのイメージと重ねてあらためて金額をお知らせしました。
すると間もなく、
「誠に有難うございます。
確認し、またご連絡させていただきます。」
と、すぐに返事が届きましたので、また間もなくお返事が届くのかと思っておりましたら、その後パタッと1ヶ月ほど連絡が来なくなってしまいました・・。
おや・・、このあいだまでの情熱的な問い合わせの感じは急に冷めてしまったのかしら・・。
そこで、もうすぐで1か月が経とうとする頃に、どういうふうにお考えかな、と思いましてメールをお送りしました。
すると、Jさんいろいろと考えてくださっていたようで、また溢れるイメージがどんどん送られてきました。
これは一度まとめておかないと私もうろ覚えになってしまいそうだと思いまして、まずはスケッチにしてお送りしました。
スケッチにすると溢れる要望は意外とオーソドックスな形に納まったのですが、そのスケッチを見たJさんから再びご返信があり、それをまとめたところで一度こちらまで家具の様子を見にいらして頂けることになりました。
ここでひと段落です。
食器棚の様子を見て頂いて、気に入って頂けるようなら今度は図面を描いてお話を進めようかな、なんて思っていたら、
「カップボードのご依頼予定だったのですが、・・」
あれ?お話がなくなっちゃうのかな・・。



「・・ですが、妻といろいろと話し合いまして、キッチンもこのタイミングでリフォームしたく考えておりまして、あらためて追加ご相談させてさせていただけますでしょうか。
添付のドア横の半畳の納戸も解体して、カップボードの延長も含めてご相談させていただければと思っております。」
と、大きくお話が広下たいというご連絡だったのでした。
この10日間の間に何かあったのでしょうか。なんだか不思議な順番。
とてもうれしい反面、食器棚だけで考えていたものですから、急に規模が大きくなるとみんなで対応できるだろうか・・、とちょっと心配になったりしたのでした。

それから、急きょ予定が変更になってJさんとお顔合わせできる時期が1ヶ月ほど後ろにずれることになりまして、その間にkotiの伊藤さんに連絡を取ってキッチンをどのように改装できるかを相談しましたら、JさんのLDKはちょっと柱が複雑に立っているので、現地を見てみないと判断しづらい部分があります、ということで、私よりも先に伊藤さんがJさんとお会いすることになったのでした。
私は残念ながら打ち合わせの先約があって同席できなかったので、なんだか不思議な順番。
そして、その伊藤さんの現調の時にいろいろと検討した結果、結局柱を取り払うことは止めて、キッチンの吊戸棚と吊戸棚がつく下がり壁、そして対面カウンターとその腰壁を取り払って、リビングダイニングとのつながりを作る、という形にまとまったのだそうです。
そして、食器棚はもう少しプランを広げて・・、とJさんの構想が少しずつまとまっていくのでした。
ただ、柱が取れなくなったキッチンが今のキッチンとどのくらい印象が変わるのか、Jさんが思い描いているイメージ通りになるのかちょっと心配はありました。
それまではきっとどれか柱を撤去できるに違いないだろうから、ペニンシュラタイプのキッチンになればきっともっとリビングと一体に見えて明るくなるだろうな、なんて私も思い描いていましたから。
そして、いよいよ顔合わせの日。ここに来るまでになんだかもうずいぶんと長いこと話し込んだような気がしていて、初めてお会いするという感じがしなくて、Jさんもインスタグラムでどちらかというとご主人がスマートフォンに穴が開くほど見てくれていたようで(笑)、私もアキコもそしてスタッフみんなのことも熟知していたのでした。
「ほら、ここはやっぱりこれだよ、いいなあ。」とご主人が奥様に一つずつご説明。それを隣で聞く私。
そのような感じで打ち合わせは進み、ひとつの形がまとまっていったのでした。
そして、私たちが担当させて頂く部分はキッチンと食器棚部分ということで、このボリュームなら大丈夫、と少し胸をなでおろしたのでした。(ここに玄関収納や洗面台が入ってきたりするとドキドキしてしまうのですね)

お話は徐々にまとまりつつある中で、Jさんに一つの思いがわいてきたそうです。
やはりキッチンや食器棚を含めたリノベーションとなりますと、かなり覚悟のいる費用が掛かるものです。
そうなる時にはたしてこのまま1社だけの費用感を知り得ただけで話を進めてよいものだろうか・・と。
キッチンや家具に関しては、今回に限りましてはJさんが私たちの形を希望してくださったので迷うところはなかったのですが、リフォームとなると、大きな決め手がご自身でもつかめないところがあったのだと思われます。

そのような質問を私たちに投げかけてくださったので、私としてできるアドバイスは過去にいろいろなリノベーションの現場を見てきてこういうことがあったということくらいです。もちろん、kotiさんの仕事は信頼しておりましたので、その現場以外であったことなのですがこのようなことがありました。
○現場監督さんとの私との打ち合わせは電話のみで一度も現場で会ったことがなく、(おそらく現場を何件も抱えていて、簡単な内装工事だったからか現場のとりまとめは大工さん任せのようでした)壁やタイルの取り合い、キッチンの納める位置でお互い認識のずれが出て是正工事が発生したことがあったこと
○工務店の営業担当者さんと設計担当者さんと現場監督さんの連携が取れていなくて、聞いた、聞いていないのやり取りばかりで、施主様のイメージが反映されていなかったこと
○設計の方がほとんど現場に来ないで、定例会議などがなく、監理ができていなくて監督任せになっていて、監督さんとが設計担当を兼務しているならまだ良いかもしれませんが、施主様と設計の方で決めたことが現場に反映されていないことが過去にあったこと
コストだけで考えると表に出てこないようなことはたくさんあります。
そういう部分をどう判断するかは工事を依頼するお客様の考えそれぞれによるのですが、打ち合わせのやり取りが遅かったり、修正内容がきちんと反映されていなかったり、モデルハウスの細かい納まりがちぐはぐだったり、何かしら糸のほつれは見えると思うのですが、その判断はやはり難しい。
そのバランスをJさんも悩んでいらしたのですが、やはり素直に向き合った通りの答えをくれる伊藤さんの在り方に共感してくださって、無事にリノベーションが進むことになったのでした。
こうして、お話がまとまりましてお子さんの学校の終業式に合わせて工事をスタートすることに。工事期間は約2週間で、この春休みの間は奥様とお子さんはご実家に映られて、ご主人だけはお仕事もあるので2階で過ごす、という形になりました。
現場は、私にとっては子供時分の懐かしい思い出がある戸塚の町のそば。
戸塚というと、まだバスターミナルが駅から離れたところにあって、夏になると文京区に祖父母の実家のある母に手を引っ張られて、おもちゃ屋さんやケーキ屋さんが並ぶ商店街を通り抜けて緑とオレンジの東海道線に載せられたのをよく覚えております。
あまりに私やユウ(弟です)がぐずるとマクドナルドに立ち寄ってくれたような思い出もあります。
私たちの時代ではマクドナルドは1ヶ月に1階でも行けたらよいくらいのご馳走だったのです(我が家だけかな)
その頃とはずいぶん変わってしまったよ。40年ほど経つからそれは当然ですね。
その戸塚の町が見渡せるような丘の上の住宅街でいよいよ工事が始まりました。
工事開始の翌日に解体が終わったタイミングで今回の制作を担当したヒロセ君もリノベーションだと床の不陸なども出ていると思われるので見ておきたい、ということで、一緒に現場に。
伊藤さんにも立ち会ってもらって、それほど歪みなく設置できそうなことを確認。
そして、その週の後半にすべて仕上げたキッチンと家具を持って再び現地入り。
取付自体はボリュームがそれなりの大きかったにもかかわらず、事前にヒロセ君も見ておいたおかげでスムーズに取付は完了。
なんて書いてしまうと簡単に思えてしまうのですが、実際に制作にあたったヒロセ君はいろいろと悩みながらこうしてきれいに作ってくれたのです。
ありがたいことです。
「Jさんのキッチンとカップボードを制作して:スタッフヒロセ君の制作日記」
「設置工事完了の時の様子」(同じようなことを書いておりましたね)
伊藤さんの内装工事もすべてが完了した後にアキコと二人でお邪魔させて頂き、とてもとてもうれしそうに使っている様子を聞かせて頂いて、私たち二人も聞いていてとてもうれしくなったのでした。
ありがとうございました。


天板 | クォーツストーン「シーザーストーン」 |
---|---|
前板・扉 | ナラ板目突板 |
本体外側 | ナラ板目突板 |
本体内側 | ポリエステル化粧板 |
塗装 | オイル塗装仕上げ |
ナラ板目突板とクォーツストーンのペニンシュラキッチンと背面食器棚
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

想像以上に和み空間
Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, 食器棚のオーダー2024年8月24日
セラミック「デクトン」とクルミを使った食器棚
浦和 Y様
design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kenta watanabe
painting:kenta watanabe
「イマイさま
ご連絡をいただきましてどうもありがとうございました。お返事が遅くなり申し訳ございません。
昨晩オーダーキッチンのカタログを受け取りました。
ウェブサイトやインスタグラムは穴のあくほど様々なページを拝見しており、目が疲れていたところでした(笑)
紙のページをめくって眺められることをうれしく思います。
木のぬくもりと美しいデザインと機能性を備えたキッチンに感動しきりです。
何と言うのでしょうか、この空間で過ごす台所時間、おうち時間はあたたかく幸せな匂いがします。
ここに立って動いてみたいなぁと。
イマイさんにお願いできたらなぁと。
私はこの1、2年で中古マンションの購入とリノベーションを検討している三人家族の一員(妻)でして、まだ物件も間取りも決まっていない状態です。
今の住まいのキッチンが使いにくく、オーダーキッチンへの思いが募っております。
まだ予算、時期とも未定でして、工務店さん等の確認が必要とのことでしたのではっきりしたことを申し上げられないのですが、諸々進んで参りましたら具体的にご相談させて頂ければと存じます。
ショールー厶にも折を見て伺えればと思っておりますので、また相談させて下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。」
と、Yさんからキッチンカタログをお送りしたお礼のメールが届きました。

それからしばらくして中古マンションを購入されたというご連絡が届きました。
Yさんとしては、ぜひキッチンを自分の好みに合わせて作りたいと考えていたところでしたが、その気に入ったマンションにはすでに新しいシステムキッチンの入っているということで、Yさん、気持ちがいろいろと揺らぎます。
キッチンって人それぞれの使い勝手が違うので、自分に合わせた形で考えてゆけたら一番良いのでしょうけれど、わざわざ真新しいものを取り外してまでキッチンを自分の好みに合わせるべきかどうか・・、それはそこに住む人の考え方次第なのでしょうけれど、個人的にはそこまでするのはもったいないように思っております。
「全然高さが合わない」とか「そもそもガスが使いたかったのにIHヒーターになっている」とか根本的な使い勝手が合わないようでしたら交換することも一つの方法なのかもしれませんが、せっかくきれいなキッチンがあるのですからそれを使い込んで見て、メリットデメリットがきちんと分かってきた数年後、十数年後に交換するという形が良いのではないかと思うのです。

ただ、キッチンの表情がこれから考えていく暮らしの色とまったく合わない、ということがあれば、キッチンの表面材だけを変えてみるというのは、ひとつの良い方法になるかもしれません。
手触りひとつ変わるだけで、気持ちの拠り所になったりするものです。
例えば、こういう形で表情を変えて、キッチンへの愛着がご自身が思っていた以上に深まることもありました。
「木の家」江ノ島 K様
「夢見たほんわかしたキッチン」横須賀 H様
Yさんにお会いしてお話する機会ができた時にこのようなお話をしてみました。
一番大切なのは自分がその場所でどういうふうに暮らしていきたいか、ということですからね。
そうして揺らいだ気持ちはまとまっていったのでした。

最終的には、大きな費用をかけてキッチンを交換するのではなく、リビングダイニングからもキッチンは見えない間取りでしたし、決して使い勝手の良くないものではなかったので、このまま使い続けることになりました。
表面材を変えるかどうかについても、やはりキッチンがリビングダイニングから見えないことと、ペニンシュラキッチンの対面カウンターとなっているダイニング側はモールテックスで仕上がる予定ということもあり、あえてキッチンの表面だけ変えることは大きなメリットにはならないかもしれない、という結論になったのでした。
憧れることって大切です。
毎日を暮らすための糧になりますからね。でも、その憧れは自分の暮らしかたにきちんと合っているのかどうかを見つめ直すことがもっと大切です。
でも見つめ直すことってなかなか分かりづらかったりする。
それを私たちが手伝うことができたらよいなと思うのです。

もちろん、私自身いろんなことが分かっているわけじゃないです。普段から料理をたくさんしているわけでもないし、(きっとワタナベ君やヒロセ君のほうが料理が得意なはず)でも今までいろいろな皆さんのキッチンや家具を見てきていろいろな意見や感想を頂いています。
それに自分自身で自分の家具を使っているのだから良い部分、悪い部分は伝えられるかな。
でも食洗機を使ったことがないからその感想は伝えられないなあ、けれども洗い物はしょっちゅうやっているから、ステンレスシンクのクセなどは伝えられるかなあ。
ちなみに私は毎晩お酒を飲むのが楽しみのひとつ。
そのお酒は食事の時にはビールを飲むのですが、そのあとに少しアルコールが強いお酒を飲む。だから、飲んだ後はだらしなくなってしまう。でも気分は良いのです。
そういう時に家事をしたくないので、ご飯を食べたらまず洗い物をして、洗濯物があれば先に畳んじゃって(最近はチアキがたたんでくれるのでありがたいのです)、布団も敷けたら先に敷いちゃって。アキコは22時を過ぎると眠くなっちゃうから、なるべくその前に二人で晩酌できるようにって。そういう時間を持てるようにこういう形があったら使いやすいだろうなあ、なんていう思いは伝えられるかもしれません。
Yさんにとって、自分たちの暮らしにそれは必要なのだろうか・・。要らないものなのだろうか・・。
Yさんとのメールやお会いして打ち合わせを重ねるなかで、きちんと時間を掛けて出した答えに自身でとても納得されている様子が使われ始めた食器棚の様子を見てよく分かったのでした。
「イマイさま
お世話になっております。
先日は小雨の寒い中お越し頂きありがとうございました。
木の香りがして、色味も木目も美しくて、夜、ライトの光も合わさるとほっと落ち着きます。
想像以上に和み空間です。
平日の台所はフル回転でだいたい頭に血が上っているのですが、引き出しの開閉はスムーズだし、取りたい場所に取りたいものがあるし、手触りも良くて、血の気がほどよく収まるのを感じております。(笑)
素敵な食器棚を本当にありがとうございました。
(取付にいらしてくださったお二人にもどうぞよろしくお伝えくださいませ。)
使う中でご相談させて頂きたいことが出てくるかも知れませんので、またお会いしたときにお願いします。」
セラミック「デクトン」とクルミを使った食器棚
価格:1,020,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は50,000円から)

住む人の空気
Category : オーダー家具・オーダーキッチン制作事例, リビングボード、壁面収納のオーダー「ナラ板目ランダム張りのキッチン対面カウンター収納」
曳舟 T様
design:Tさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:honoka takeishi
「今日はこのイベントのためだけにこちらに来ました。」とご夫婦でにこやかにいらしてくださったのでした。
2023年のゴールデンウィークはどうしようかとアキコと相談していたのです。
事前にご連絡を頂ければ、年中みられるようにしているショールームですが、やはりオーダー家具屋さんのショールームにふらりと出かけるのって少しためらってしまうところだと思います。
私だったらふらりは無理だなあ。
身構えて、「よし、何があろうとお願いするのだ。」という気概を持っていないと入り口に入れないなあ。
でも、中で待っている私たち自身は肩の力なんてすっかり抜けているので、もっと気楽に来てもらえたらなあ、と常々思っているのです。
そのようなわけで、大型連休の時などは私たちの気が向いた時に「ショールーム開放日」なんて大げさに名前を掲げてブログやらで皆さんにお伝えするのです。
でも連休となると皆さんどこか遠くにお出かけされることも多いので、「ショールームを開けておくので予約なく自由にご覧になれますよ。」と、うたってもなかなか来られる人も少なかったりして、淋しい気持ちの日になったりすることもあるわけです。
ちょうどこの年はこのような感じでした。
その中の1組がTさんでした。
冒頭のセリフが印象的で、またお二人とも私たちと同じくらい背が高いご夫婦で印象的だったのでした。
「今度移り住むマンションにキッチンの対面カウンターを兼ねた収納を作りたいのです。」というご相談でした。イメージとしては、以前キッチンを作らせて頂いた鎌倉のWさんや世田谷のMさんのダイニング側の戸棚のような印象。
詳しくお話をお伺いしてスケッチにまとめたところで、近日中にどのくらいの費用になるのかを見積もってみてご連絡させて頂くことに。
なるべく形はその場で示せるようにスケッチをするのですが、金額はきちんと計算しないといけないので、「ざっくりでよいので」と言われることもあるのですが、うーん、この加工はこうしないといけないからやはりあと半日くらいは掛かるかもしれない・・、とか頭をひねりながら加工日数を考えたりするので、簡単にお伝えすることが難しかったりします。
ではスケッチは簡単に描けるのかというと、これも実はなかなか難しい。
みなさんには、「ちょっとまとめますので、15分くらいショールームの中をご覧になっていてくださいね。」なんてお伝えして描き始めるのですが、15分なんてあっという間に経ってしまうし、なんだか待たせてしまっていると思うと指に力が入って、直線のはずが地震でも起きたかのような波線になっちゃったりして。
だから、スケッチも後日お渡しする形だともっときちんと描けるのでしょうけれど、それだと打ち合わせの内容がまとまらないですものね。頑張るのです。

そのようなわけで見積をまとめて後日メールでお伝えして、しばらく待ちます・・。
1ヶ月が経ちました・・。
うーん、連絡がこないなあ、やはりTさんの思っていた予算とはかけ離れてしまったのだろうか・・。
たしかに、簡単に「はい。」とうなづけるほど気軽な金額ではないですから。その後、お話をお伺いすると、そのあともいろいろと家具屋さんを見たり相談されたりしたのだそうですが、やはり私たちの作るものが最良だったとのことで、ご依頼頂けることになりました。 とてもうれしいことばでした。ありがとうございます。

それでは、今度は図面を作成します。
スケッチでは分からなかったそれぞれの寸法をTさんに使いやすさのバランスを検討して頂いて、マンションの内覧会までに図面をまとめていきます。
そうしてまとめた図面をもって内覧会に参加させて頂きました。
曳舟のある墨田区あたりの空気が私は好きなのです。
何がよいかというと、通り沿いの公衆トイレがたくさんあるところ。そのどのトイレの佇まいもきれいで個性的で街の空気がゆったり感じられるのはきっとこのトイレがあるからだと思っているくらい。
そして、曳舟から現地までスマートフォンが示すとおりに歩いていくと、昔子供の頃に通っていた祖母の家までの道を思い出す。祖母の家は文京区の家々が込み入ったあたりだったのですが、その路地や路地から漂ってくる香りがこの町でも感じられて、まるで小学生に戻ってしまったかのような不思議な町の空気が感じられたのです。
到着すると、ちょうど内覧が済んだようで、家具の採寸もできるタイミングでした。
最近このようなキッチンの対面カウンター収納を作らせて頂く場合は、キッチンを囲ってしまって、木のキッチンの雰囲気でまとめることが多かったのですが、今回はダイニング側の壁にすっぽり収まるように作るシンプルな形。キッチン側面もシステムキッチンの仕上げをそのまま生かした形で納めることになりました。
その状況に合わせて採寸を行なって、いよいよ制作。
今回のこの形、1台の家具のように見えますが、幅が2200ミリを超えるので、このままだとマンションのエレベーターに入らないことと、玄関からダイニングまで廊下がクランク状に曲がっているところがあるので、運び込めないため、ガラス扉部分と下の板扉部分とで分けて作り、この場所で組み上げています。
ただ、その組み立てた感じがあからさまに分かってしまうと市販されている家具と似たような印象になってしまうので、なるべく組み合わせた様子が分からないような作り方にしています。
これでピッタリと納まってTさんにもとても喜んで頂けました。
後日、Tさんのところにアキコと二人で挨拶に。
今回のショールーム開放日で最初に話をしていたのは私よりもアキコのほうが先でしたので。
リビングにお邪魔すると、何となく懐かしく子供の頃を思い出すように感じる食器やインテリアの印象。
町の空気はそこに住む人の空気でもあるわけです。
再び子供の時分に戻ったかのような懐かしい香りをかいだ時のような心地になったのでした。
すてきな使いかたをしてくださっていてうれしく思います。
「イマイ様
平素より大変お世話になっております。
遠いところご足労頂き有難うございます。
この度は素敵な棚の制作、納品を頂き有難うございます。
夫婦ともども、想像以上のものを目にして、大喜びでした。
生活を続けながら、キッチン収納のご相談をまたさせて頂きたく考えております。
こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。」
Tさん、ありがとうございました。
ナラ板目ランダム張りのキッチン対面カウンター収納
価格:610,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から、取付施工費は40,000円から)

角丸のダイニングテーブルの納品
Category : 日記「自由な手たち」

K さん「5歳と3歳と1歳の孫が3人居るの。2人男の子で。テーブルの角が丸い方が危なくなくていいなと思いまして。」
ウレタン塗装の昇降式の長方形のテーブルをお使いでしたが、天板だけ作り変えることはできるでしょうか、というご相談をいただいたのでした。(3枚目の写真が今までお使いのテーブル天板です。)
周りのベンチの材料と印象を合わせて、節あり材をご希望でしたが、とても小さい穏やかな節の入り方のナラ材でのお作りとなりましたが、「きれいね。」と喜んでいただけたのでよかったです。
K さんのご希望で、テーブルの裏に小物を入れられるように引き出して使えるバスケットをつけてあります。コの字で使うテーブルの時にこういう収納があると、席を立って人が移動する機会も減るので良いアイデアですね。
この角丸は50R。安全面もあるのですが、Kさんのお宅のアメリカンカントリー調のインテリアにも馴染んでいてデザイン的にも合っているのではないかと思いました。
実は、K さんとは食器棚のお問い合わせをいただいたのが始まりでした。
ショールームに来ていただいた時に、「もしかして、こういうこともできるのかしら?」とご相談をいただき、形を考えさせていただきました。先にテーブルの納品となってしまいまして失礼致しました。
お待たせして申し訳ございませんが、次は食器棚の納品に伺いますので、もうしばらくお時間をいただければと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

ステンレスバイブレーションとブラックチェリーのキッチン
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月22日
半年前に設置したIさんのところにお邪魔してきました。
設置工事後の様子を拝見できていなかったので、どうされているかなと思っておりましたところにIさんからメールが。
「イマイさんの自宅を見学に伺った際に見たペーパーホルダーが気に入ってしまって。」と。
そう、あの時、気に入った布巾掛けとキッチンペーパーホルダーが見つからなくて、かなぐやさんに相談したのでした。かなぐやさんも「いいですね。」と前向きにお返事くださってできあがったのがあの形。ここに少しだけ写真に写っていますね。とても佇まいが美しく質素な形。
それをIさんが気に入ってくれていたなんて、私もうれしい。
そのお話からそういえばお手入れの方法を説明していなかった、ということでアキコと二人でお邪魔してきたのでした。
まだ小さなお兄ちゃんとお嬢ちゃんがいる賑やかなIさんの夕方の居間の空気はとても楽しそうな印象。キッチンも楽しそうに使い込まれていて、チェリーもやっぱり色づいてきていて、晩ご飯は何かな、ワクワクするね。

ハンバーグの食卓
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月21日
先日の我が家の夜の食卓メニューは、ハンバーグ・前の日のお刺身の残りで作ったマスタードマリネ・長芋のソテー・コンソメスープでした。
チイがアニメグッズや、読まなくなったマンガを売りに行きたいと言うので、付いていった時の査定の待ち時間に見つけた定番おかずのレシピ集で、作ってみたくなるメニューがばかりでしたので購入しました。
その本に載っていたケンタロウさんのレシピです。
特別な材料は使わず、作りやすくて美味しくて、家族にも好評でした。
私の中での「夕ご飯のメニュー、うまくいった」指標は、家族のコメントの他に、チイのご飯の進み具合があるのですが、ご飯に載せて丼ぶりにして食べていましたので、とても高評価だと思います。
世の中で、「よい。」と言われているものに、古いも新しいもないと思いますが、料理家の人たちが考えられたレシピも同じなのだなと思いました。素晴らしいですね。一体世の中にいくつのレシピが存在するのでしょうか。これもご縁のひとつなのでしょう。
美味しいハンバーグの作り方を教えていただきありがとうございました。

夏の終わりのBBQ
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月18日

「お盆休み中にお庭でBBQしたいな。」とダイスケさん。
そう思った時にやりましょう、ということでハルチイの予定を確認して、日を決めました。
アルバイトが終わって19時には家に着くと思うというハルに合わせて、18時半から火をつけ始めました。まだまだ暑い時間帯始まりで、ダイスケさんは汗だくになりながら焼き当番をしてくれていました。

海老もただ焼くつもりで用意していましたが、ガーリックシュリンプが食べたくなって作ってみました。意外と簡単に作れるものなのですね。思い込みってありますよね。作ってみてよかったです。

お肉を焼き終わり、「そろそろ火を消すけどいい?」とダイスケさんが言うと、チイがスマホで調べて、何かを用意し始めました。「チョコバナナ焼いてみたい。」と持ってきたのが写真のものです。皮が真っ黒になったら出来上がりだそうで、ハルと半分こしておいしいと言いながら食べていました。
大体こういう時に動くのはハルの方なのですが、チイが動いてくれてのはうれしかったねと後でダイスケさんと話していました。
ただお外で火を起こして焼いて食べるだけなのですが、BBQは特別感があって楽しいですよね。
大好きな時間です。
ご近所さんにはご迷惑をおかけして申し訳根いのですが、次回もまたこういう時間を持てたらいいなと思っております。

ヤビツ峠に
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月17日
ブログは自分が日記のつもりで書き溜めておいたものですので、昔のものを見返すと、家具以外の何だかとりとめのないことばかりが書いてあるわけです。特にこのウェブサイトになる前は、2014年以前はエキサイトでブログを書いていて、なぜこんなことを書いたのだって思うことばかりですが、やはり懐かしい。
「自由な手たち」
自転車のことを見返すとヤビツに最後に行ったのは15年前なのだ。
来年こそは1度は行こうと思いながら昨冬にメンテナンスだけはしていたのですが、思いだけは持ち続けたままでいたらあっという間に夏が来てしまった。でも、このところ川沿いを走ったり、山に登ったりするうちにむくむく気持ちが盛り上がってまいりまして、体力は落ちちゃっているだろうし大丈夫かなあ、なんて思っておりましたが、だめなら押しちゃえということで出掛けたのでした。
表ヤビツはきっと辛いよ・・、って思って裏ヤビツから上がっていこうと思ったのですが、工房でアイにご飯をあげていたら、ここからなら表のほうが近いし、だめなら押しちゃえということで表ヤビツに。
7時半ごろから出掛けたので、きっと道が混雑しているかなと思ったのですが、車も少なく、自転車の人たちもまばらで、むしろ峠までランニングしている人のほうが多かった。(すごいね)なので、道中は葉がこすれあう音や鳥のさえずり以外に何も聞こえない時間が多くあって、やはり森の中は心地よい。
しかし辛い。
名古木からお豆腐屋さんあたりまででもう止めておけばよかったという思いが頭をよぎるけれども、そこを過ぎると少し緩やかになり、なんだい、案外こなせるじゃないかと思った矢先の送電線あたりから見えてくる激坂。ここが峠までの中で一番辛い。いやあ、もう駄目かなあなんて気持ちはインナーローよりもさらに低くなってしまうのですが、路肩にグリーンベルトが引かれているのを見ると、「そうか、ここは子供たちが毎日通学しているのに、こんなところであきらめてはいけない。」とよく分からない気持ちに動かされて登っていくと蓑毛のバス停。
そこからは気持ちよい林道が続くのですが、次に出てくるのは、菜の花台を過ぎて少し行ったところにある緩やかに見えて長々と徐々に高度を上げるワインディングロード。ここがなかなか辛いのですが、ここを超えると再び気持ちよい林道が続いて、どうにか峠にたどり着く。
バイクの調子も良い感じで、ショールームに飾りのように置いていたことを後悔するくらい良い乗り心地でした。
何ごとにつけ、自分の思うところまで到着できるということは、うれしいことで、そして大きな力になることなのだなあ、と実感できた土曜日の午前のできごとでした。

食卓
Category : 日記「自由な手たち」2024年8月16日
お盆休みの間はダイスケさんが定時で上がって帰宅してくれるので、家族みんなで食卓を囲めるのがうれしいです。
昨晩のメニューは、お刺身・イカ酢味噌・ポテトサラダ・冷奴・野菜の味噌汁。
ダイスケさんが「おいなりさんが食べたい。」というので煮ましたが、今回は醤油と砂糖だけのレシピでもおいしくできました。(写真がピントが合ってなくて失礼します。)
お揚げもその時々で買うメーカーが異なるので自分の中でなかなかレシピが決まらないのですが、
大体急に思い立って作るパターンが多いので、楽でシンプルなものが自分には合っているようです。
レシピを考えられる人はすごいなと日々感じております。