スライドワイヤーシェルフ 収納とその掃除の仕方

2020.06.30

オーダーキッチンでスライドワイヤーシェルフの収納を選ばれる方は「キッチンに風通しが良い収納場所が欲しい。」という要望がある方が多いです。
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一番多い理由がまな板をキッチンの見えないところに置きたいという方と、ザルや鉄鍋・フライパンをすぐ出せるオープンな場所に置きたいという方、他には、システムキッチンにはないかっこいい見た目だからという方もいらっしゃいました。
まな板を洗って、ふきんで拭いて、まだ表面が湿っていてもここに置けば自然乾燥してくれるのは、大きい木のまな板を使っていてもスペースもとられず助かります。
写真は我が家のキッチンなのですが、HAFELE社の幅60cmのものを使っています。ワイヤー収納というと色々なメーカーさんからも出てバスケットの形になっているもの等もありますが、形があるということは掃除の仕方も工夫が必要になりますので、メンテナンスの仕方も考えて一番シンプルなものを自宅には選びました。お客様が選ばれるのもこの形の場合が多いです。
フレームが太く曲がりも大きく接合部位に段差がないので、なべ底の油がフレームについたりしていても拭き取りやすいです。
丸洗いもできます。(大きめのシンクでないと洗いづらいと思いますが…。)
ただ、鉄鍋やル・クルーゼなどの鋳物鍋が置ける分、耐荷重がありフレーム自体が重いので、写真のように鍋が上に乗ったまま外してキッチンの天板上にのせる作業は力が必要ですので女性はやり辛い方がいらっしゃると思います。
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スライドワイヤーシェルフの下を床のままにするか、板を敷いて隠すか、悩まれる方がいらっしゃいます。
皆さん、まずキッチンの高さが決まり、ここに収納したいものを考えて何段にするか、バスケット型にするかなど決まります。
床を隠すとなると、その分収納スペースの高さが無くなりますので、収納を優先させる方の方が多く、床を隠す方は少ないです。
床が見えるということは、ここの奥に埃がたまります。
普段から掃除機のヘッドが入ることを想定した高さにしてしまうと、やはり収納の高さがなくなりますので、ワイヤーフレームを外した時に一緒に掃除機をかけましょう。
オープン収納の欠点は埃などがいつの間にかたまることだと思いますが、メンテナンスの方法がわかれば気持ちよく使っていくことができますね。

Gさんのナラ柾目のキッチンたち

2020.06.29

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先ほども書きましたが、4年前に声を掛けて頂いたシキナミさん設計のGさんの二世帯住宅はようやくその形を現して、こうしてキッチンを設置する日がやってきたのでした。
なかなか長い道のりでしたね。
同じナラの柾目を使った形でも、子世帯と親世帯では大きく印象も変わりました。
工事の完了まではまだ1ヶ月半ほどの時間があるのですが、完成した姿が見られるのが今から楽しみです。
ダイナミックな天井の勾配にを背景に静かにたたずむキッチンとなりそうなのです。

Nさんのオークのキッチンの点検

2020.06.29

今日は朝から杉並区に出かけておりました。
今から4年前に声を掛けて頂いたシキナミさん設計の二世帯住宅への家具の設置に出かけておりました。
なんとも時間が経つのは早いものです。
朝現場でみんなと打ち合わせをして納まりを確認した後に、先日ナラ節アリ材とアイアンを使ったダイニングボードと本棚を納品したOさんのところにちょっとした相談にお邪魔させて頂き、そのあとは、ちょっと扉の調子が悪くなってしまったというNさんのキッチンの様子を見に三鷹まで。
Nさんは、「作り出す人」のNさん。ちょうど1年前にキッチンを作らせて頂いたのでしたね。
Nさんのキッチンの使い方はとても好きで、実際にお料理を作られているところを見たわけではないのですが、お料理を作るところが目に浮かぶキッチンです。
昨年の時もそう感じさせてくれたし、今日見てもそう思えるにぎやかに気持ちが喜ぶキッチンの印象。
「娘に調味料を並べて置くのはあまりきれいじゃないと思う。」って言われちゃって、使いやすかったのですけれどね、少しあのあたりを片づけたりしていますが、何しろいろいろぎっしり閉まって活躍してくれています。」とうれしそうにお話してくださいました。
「ただ、ちょっと扉が最後まで閉まらなくなることがあって。今は閉まるようになったのですが・・。」ということで点検に立ち寄らせて頂きました。
Nさんの食器棚の扉はナラの無垢材で作っているからか、少し動いたためでしょうか。
耐震ラッチの受けの部分が時々ラッチに当たってしまっているようで、請けの位置を調整して無事にきちんと閉まるようになりました。
自分たちとしては最善を尽くして製作しているつもりでも使っていれば予期しない不具合が出ることもあります。
そうなった時でもきちんと対応できることがオーダーで作ることの良い部分だと思っているのです。
Nさん、また何か気になることが出てきましたらご連絡くださいね。

自宅の見学の日でした

2020.06.27

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今日は自宅にオノ・デザイン建築設計事務所の方がお客様を連れてきてくださいました。
コロナウィルスの影響でとても久しぶりの自宅への来客でお掃除にも精が出ました!
私たちの作る家具やキッチンと、福原正芳さんが作る住宅の両方に興味を持ってくださり、ありがとうございました。
本当は5月に「暮らし始めて一年後オープンハウス」とかイベントを考えていたのです。残念ながら叶いませんでした。
夏の木工教室も、冬のイベント【クレミル】も例年通りの開催はもう無理だと思っています。
様子を見ながら、人数を制限して、お客様もスタッフもお互い安心・安全に進められる範囲で進めていきたいと思います。

JKは長袖

2020.06.26

6月中旬に外出自粛制限が解除されて、小学生は毎日登校で次の週から6時間の時間割が始まりましたが、高校生は週に2~3日午前中か午後だけの登校とゆったりした再開モードです。義務教育とそうでないの学校の違いなのでしょうか。
高校の登校日のお知らせがあり、6月からは夏服だから間違えないでね、と長女ハルに伝えていました。
数日経ち、登校日の翌朝の洗濯かごに入っているシャツを見ると長袖。
私「なんで長袖着て行ってんのよ。暑いでしょ。」
ハル「なんかさ、半袖着ている子あまり居なくて。K(同じ中学の友達)も長袖着てたから聞いたら、『JKって、長袖のイメージじゃない?』て言われて。言われてみればそうかなと思って。」
は?ちょっと何言ってんのかわからないですけど。とその時はサンドイッチマンさんのコントみたいな会話をして、
通勤途中に県立高校の通学路横を通るので観察してみました。
なるほど、長袖シャツの袖をまくっている子が多い。
TVを観ていても、JKと呼ばれる子はそうしている。そうだったんだ!と妙に感心してしまいました。
自分が女子高生の頃はルーズソックスが流行っていて、下校の時にこっそり履き替えているおしゃれな子達を見て、履いてみたいなと思ったことはありましたが、自分が履くとモンゴルの相撲選手みたいに逞しくなってしまうのでやめたのでした。
流行りには憧れますからね、でも似合う似合わないもあります。
長袖シャツはどうなのでしょうか、似合う似合わないはない気がしますが。
私「じゃあ、半袖のシャツ3枚も買わなきゃよかったね。」
ハル「これからもっと暑くなったらさすがに半袖着るよ。」

次の登校日の翌朝、洗濯籠かご入っていたのはやはり長袖でした。
この先どういう流行になるのかはわかりませんが、次女チイの入学前にはちゃんと周りのJKの情報収集をしてから制服を購入しようと思いました。

父のパウンドケーキ

2020.06.24

先週末は父の日でしたね。
私の実家は県外ではないのですが、なんだかお出かけしづらかったので、外出自粛が解除され、久しぶりに実家の両親に会いに行きました。そういう方々も多かったのではないでしょうか。
普段は相変わらず忙しくしている両親なのですが、外出自粛を守って、家で元気に過ごしていてくれていました。
私の父は、現役時代遠洋の船乗りの仕事をしていました。
私が生まれた時は日本にはいなかったそうで、1年のうちに3か月くらいしか一緒に過ごせず、「4年でやっと1年過ごしたことになるのかな。」とか幼心に思っていたのです。中学・高校・看護学校時代はほとんどすれ違いで一緒にお出かけやこれといった話もほとんどできていなかったと思います。でも、人より思い出が少ないわけでもないと思っています。
それは自分が家庭を待った今でも元気でいてくれて話をすることができている今があるからかもしれませんが。
父は船で自炊をしていたので、お料理が上手です。食いしん坊の私に、母とは違うものを見せて、食べさせてくれました。
オートミールのミルクがゆに、マーマレードと甘くないピーナツペーストを載せたトースト、マンゴーとかパパイヤとか。
外国からのお土産も、日常生活では目にしないものばかりですべてが魅力的でした。
お料理も、焼き肉や焼き鳥はタレから作ってくれて、しめ鯖や鯛の昆布じめもごちそうでした。
そんな父が、おうち時間でスイーツづくりを始めたそうで、この年になって初めて父の作るお菓子を食べることができました。
母に習っているからか、母の味に似ているのですが、とても美味しかったです。
父の手料理の思い出があることで、一緒に過ごしていた時間を実感できる気がしています。忙しかったと思うのに、そんな環境を作っていてくれていたことを感謝しています。そして、今でもご馳走をしてくれる環境を意識して作り続けてくれていることをとてもありがたく思っています。
自分たちも娘たちに同じことをしてあげられるように、体に気をつけて過ごしていこうと思います。

学べること

2020.06.22

Tさん、こんにちは。
お久しぶりです。
Tさんは、「つたえる楽しさむずかしさ」のTさんです。
私たちの自宅のオープンハウス以来ですね、お会いするのは。
久しぶりに向き合った食器棚は、2年前と変わらず(ものの配置までそのままかな。)きれいに使ってくださっていたのでした。
うれしいですね。
「今度はダイニングの使い方をいろいろと計画しているのです。」
こうして、あらためて声を掛けて頂けることは本当にありがたいことです。
家具の形に最良という限りはないわけですし、だれが何をもってして最良と呼ぶのかは、ただただ作り続けているだけではやはり分からない部分ってとても多い気がします。
こうして、皆さんに声を掛けて頂いて、いろいろなことに気づかされて、自分の考えが独りよがりだって思えることもあるし、やはり良かったのだって確信を持てることもあるし、良いこと、悪いことを外からきちんと意見がもらえることはとてもありがたいことです。
そういう心持の良いみなさんの思う良いこと、良くないことを率直に受け止めながらこうして家具作りができることに感謝しております。

今回のTさんの形にはクリアしなければいけない困難がいくつかあって、美しい家具として完成させることができるようにこれから頭を悩ませるのです。

アデニウムの一葉

2020.06.20

一昨年、自宅の新築お祝いにと最初にキッチンをつくらせていただいたKさんからプレゼントをいただいたのです。
初めて目にするアデニウム。うれしくて早速家へ連れて帰り、我が家で一番日が当たると思われる場所に置いていたのですが、みるみる葉が黄色くなり冬にはすべての葉が落ちていってしまいました。
これはいけないと会社に連れていき、日の当たる場所に移動しながら様子を見ていると、春には小さい葉がつき始め元気になりました。
「よかったぁ。」と安心しました。
ちょうど冬にコロナウィルスがはやり始めた頃と重なっていて、葉がすべて落ちた頃に緊急事態宣言が出て、
会社の状況とアデニウムの状態が重なっていたので、O・ヘンリーの「最後の一葉」のようにこの木が枯れたら会社はどうなってしまうのだろう…と思っていたのです。そうはならなくてよかったです。(笑)
6月19日に外出自粛制限が緩和され県外への移動が可能になりましたね。
今朝会社への道中、車も人も多い印象がありました。お天気も良いですし、お出かけ日和です。
ショールームにも午前と午後で一組づつ来客がありました。ありがとうございます。
今までもそうですが、これからも三蜜になる状態を避けるために、事前予約制でショールームのご案内をさせていただきたいと思います。
午前と午後で1組づつ1日2組までを、ご連絡をいただいて日程調整ができた順番に予約を入れさせていただいております。
ご不便をおかけして申し訳ございませんが、引き続きよろしくお願いいたします。

さらば愛しきペニンシュラ

2020.06.17

あらためて、Yさんのところにお伺いすると、キッチンはもうすっかり馴染んでおりました。
なんだい、お澄まししちゃってさ。
すっかりキッチン気取りだね。

約9年、工房の2階で活躍してくれたこのステンレスヘアラインとナラ板目材を使ったペニンシュラキッチンは、はるばるこの寒川の工房を訪ねてくださる皆さんにとてもよく見て頂けて、私が言葉で説明するよりも明快に心地良さを表現してくれたものでした。
冬になるとバックパネルが機嫌を損ねてそっくり返り、この時期になるとおとなしく素直に戻るその様も、シナで作った引き出しに誰かがこぼした何かのシミ(ワインのような)を見ることも、料理教室を開いていてところどころ傷ができたワークトップを磨いて直したあの様子も、洗剤を詰めたワイヤーラックが「カタンッ」と落ちる音に夜な夜な一人で仕事をしていて驚いたことや、そしてバックカウンターのちょっとオープンになったあの場所の使い勝手の良さをお伝えできるのも、もうすっかりさようならです。
でもね、Yさんならいいよね。
もう長いお付き合いですし、おなじ作家さん仲間ですし、そしてなによりもまわりが森に囲まれて美しい場所に建つ心地よい家の中に据えられた。
きっと良い気分でしょうか。お澄まししているし。
今度はそこでたくさん活躍してください。

でもね、天然石とオークのキッチンを新たに招き入れたのは私なんだよね。
ごめんね、そしてごきげんよう。

キッチンを木で囲うことで広がる印象の豊かさ

2020.06.16

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Mさんは新居の工事に合わせて、私たちにキッチン対面のカウンターと収納の制作をご依頼くださいました。
キッチンにはシステムキッチンを導入してもその周りを家具で囲うことで、部屋の印象が大きく変わります。
今回のMさんの場合は、コンロとリビングを仕切る壁からつながってキッチンの背中に建つ腰壁は工務店さんが作ってくださいました。
Mさんに随時現場のスケジュールをお知らせ頂いて、腰壁が立った段階で、工務店さんからの了承を頂いて現場に採寸に入らせて頂きました。
今回施工された工務店さんは古河林業さんで、監督さんも当日立ち会ってくださいました。Mさんだけだと分からない部分もあったりしましたので、こういう関係になると心強いですね。
引き渡し時の巾木の納まり、電気配線の取り出し位置等を確認させて頂いて、製作に入らせて頂きました。
工務店さんとしては、この部分は工事が完了しないまま引き渡しとなるのは不本意な部分があるかもしれませんが、了承いただけるというのはうれしいことです。
後日この取り付けられた状態を担当の方が見てくださったとのことで、Mさんとても好評をいただいたそうです。
良かった、よかった。
今日は、コーキングしようかどうするか迷っていた部分をやはり充填したいということで、その施工と、あとは今回Mさんご自身が塗装をされたので、その確認へとお伺いしてきました。
とてもきれいにオイルを塗られていましたのでそのままでも十分きれいだったのですが、あと少し手を加えるとより良い印象になるヒントをお伝えしてきました。
コストダウンの一環として始めたご自身でのオイル塗装ですが、こうして住む人が家具作りに携われるようになってさらに家具がただのものではなく、一緒に時間を心地良く過ごしていくための道具と思えるようになる、というのはとても気持ちの良いこと。
さらにはうれしいことにMさんのご新居は工房からも比較的近く何かあれば間を置かずにお伺いできるというのはより気持ちが近くなって良いことです。
私が子供時代を過ごした川のそばにMさんの家が建てられているという意味でもなんだかとても心が近いのでした。
Mさん、ありがとうございました。

そう、川はね、30年も前に比べるとてもきれいに見違えるようになっていて、川遊びができるくらいになっていて。
それはうれしいよね。

Oさんの節ありナラ材のダイニングボード:スタッフ カイ君の制作日記

2020.06.16

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このダイニングボードには節の入ったナラ材を使用しています。
最近よく見られる素材の使われ方です。
一般的に私たちの木工の世界では節や割れというのは材が飛びやすかったり刃物が欠けやすかったり、また逆目が起きてしまったりと、きれいに仕上げることが難しい材です。
また、節はもともと枝の名残ですので、板になった時にその部分だけ動きは異なってきますし、割れがあるということは、そこにストレスが掛かっていたが割れたのですから、この先も板が動く可能性が大きかったり、割れが進行する可能性もあり、そういう部分はできれば避けて仕上げたいところではあります。
しかし、最近のクラフトイコール手作りイコールハンドメイドというような印象があるためか、節や割れがあったり、ムラができたり、少しいびつさが残っていたりすることが手の跡が感じられる、もしくはその素材の表情が感じられる、というメリットと捉えて頂けることが多くなってきたためか、このような素材の使われ方をすることが多くなってきましたね。
でもそれがかえって今まで以上に製作に気を使う点でもあったりします。
節を敢えて取り入れるというのがポイントで、隅々まで入ってしまうというのとは違い、節の位置や、節が入ることで落ちる強度への影響を考慮しなければならない分、材料を切り分けるときは節を必要以上に入れない時以上に苦心するのです。
ただ、やはりその仕上がりは独特の表情があり、美しく感じられます。
また、節の入ったナラ材はアイアンとの相性も良く、この家具も脚部は鉄製となっています。
木材同士のパーツを合わせる場合であれば、お互いを削り合わせただけでできますが、アイアンのパーツは木材に合わせて変形なんてしてくれないので、木材の方を慎重に加工し、ぴったり組み合わさるようにしていきました。
今回のデザインは、左側のキャビネットにつく脚は脚単体が独立しているので、脚にから伸びているフラットバーがきちんとはめ込まれるようにキャビネットの上端、下端を削り取ってピタッと合わせています。
右側の本棚はアイアン部分は脚だけでなく、箱状に組まれた形をしているので、棚板の中の2枚だけはアイアンに被さるような加工を施しています。
こうすることで、2台が並んだ時に家具の下面が揃って見えるデザインになっているのです。
できあがってしまうとシンプルな形なので、見過ごしてしまうかもしれませんが(笑)なかなか複雑な加工を施していたりします。
そういう加工において、加工したパーツがそれぞれぴたりと組み合わさった時の喜びは、家具作りをしていて最も楽しくうれしいひと時なのです。

あとは制作の過程においてではないのですが、搬入はなかなか苦労しました。
今回のO様のお宅は旧いとても雰囲気のある集合住宅でしたが、メゾネットの2階がリビングということで、バルコニーを使って荷揚げしたのですが、棚板1枚でも無垢材と突板の場合の重量は大違いです。
特にナラ材は硬い分重さもかなりありますので、小さな荷揚げも大変苦労したのでした。
しかし、それ以上にお客様に喜んで頂けたのでやはりそういうのはとてもうれしかったです。

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紫陽花咲く場所へ

2020.06.15

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先日、納品したOさんのお宅へ。
紫陽花とOさんご夫妻がにこやかに迎えてくださいました。
扉の加工を一つだけ忘れていたので、その細工を施して取り付けて完了。
これですべてがきちんと納まりました。
とても美しい形になりました。
私たちが作る木部のほかに、タカハシさんのPHL(パーマネントヘアライン)仕上げのカウンタートップ、KUMAさんの鍛鉄ハンドル、オヌマさんの角パイプ脚。
いろいろな皆さんの協力があって、こうしてひとつの家具ができあがりました。
みんながみんなの腕前を発揮できるから、どんなものでも魅力的な形にできちゃう、それって素晴らしいことです。
そういうニュアンスをOさんも感じて頂けたのだと思います。
「だって、イマイさんに辿り着くのにけっこう時間かかったのです。」って。
そこにたどり着くまでに他にもきっと家具屋さんがあったでしょうけれど、私たちを選んでくださったのですから。

そして、家具がこうしてここに置かれたことで、生まれたすてきなお話を聞かせてくださいました。
本が好きなお二人。
今までの集合住宅(こちらもお邪魔させて頂きましたがすてきな空間でした。)で暮らしていた時には本の置き場に困って、増えていく蔵書はだんだんと平積みされていったのだそうです。
もともと片付けが好きなお嬢さんはその様子があまり好きではなく、どちらかというとお二人の本にはほとんど関心を示さないで、片付かないことばかりが気がかりだったそうで。
こちらの家に移るにあたって、蔵書もいくらか選書して持ってこられたそうで、平積みすることなく、きちんと納まるべきところに納めることができたのだそうです。
よかった。
(タモの本棚はOさんと一緒に考えてとても良いデザインで納まったものですので、活用して頂くことができて大変うれしいのでした。)
そして、その本がきちんと並んだ様子を見て、今までその本たちに興味を示さなかったお嬢さんが、「へぇ、これ読んでみたいな。」と本を手に取るそうになってくれたのだそうです。

家具がそのひとの暮らしに入ってくることで、そのひとの暮らし方が変わるってことは自分でも分かっていたつもりでした。
収納がしやすくなったり、動線がスムーズになったり、気がつくと心地良く木の表面をなでていたり。
そういうことが変わるのだろうなっていうことは分かっていたつもりでした。

でも、このお話を聞いて、本当にハッとしたのです。
だって、私が思っていたことのずっと先のことが実現しているのですから。(要するに思いもよらなかったことが起きているわけです。)
私がこの本棚を考えるにあたって思っていたのは、「ここにすっきりとした形の本棚を作ろう、ということ。その形はカウンターや壁から大きく出っ張って通路を圧迫することがないようにしよう。」そう思っていただけでした。
しかも、(家具を区別してはいけませんが)どちらかと言いうとダイニングの家具がメインで、本棚はあとから出てきたお話だったので、気持ちの思い入れもダイニングのほうが強かったように思えていました。
(結果として、ここにしかできない形ただ一つの形に成ったのは思い入れが強かったからできたのですが。)
お子さんたちが本を好きになるような本棚にしよう、なんてまったく思っていなかったわけで、それが、そういうふうに家での時間の過ごしかたがというか、そのお嬢さんの心持ちが家具ひとつでそれほど大きく変わったことにハッとしたのです。
暮らしを整えていくことがどういうことなのか、Oさんのお話を伺っていて、とても勉強になったのでした。

いやあ、物づくりって本当にいいものですね。

再開

2020.06.15

4月からフリーハンドイマイに参加してくれたヒロセ君。
木工の経験者ということもあって、落ち着いていて、声をかけても「え?」とは言わず「はい。」と答える頼もしい彼なのですが、コロナウィルスによる緊急事態宣言が出たこのタイミングでの入社なので、申し訳ない状況が続いていたのでした。
しばらくは霧に囲まれているような状況だったのですが、止まっていたお話が動き出して、なんとか見通しがつけられるようになってきました。
そう思える今があるのも、スタッフのみんなが日々の暮らしを気をつけて過ごしてくれたからあるわけで、とてもありがたいことだと思います。
ショールームにいらしたお客様も、お取引先のお客様方もご配慮をいただきありがとうございました。
これからも引き続き気をつけながら進めていきたいと思います。

部屋の印象を整える-クルミの食器棚-

2020.06.13

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私はやっぱり食器棚を作る時は、キッチンに合わせることなく、リビングから見た時の印象を大切にしたほうが良いと思っているのです。
でも、そこに正解はなくて、1日の中でキッチンで過ごす時間がいちばん多いようでしたらキッチンと素材を合わせて食器棚を作りたいって思う方も多くいらっしゃると思います。でも今のところはやはりダイニングやリビングから見た時の印象を整えると気持ちよく思えるとおっしゃってくださる方が多いのです。
今回のIさんもそう思ってくださった方の一人で、食器棚だけではなく、キッチン自体も印象を揃えたいというご要望を頂いていて、今回はキッチン自体は手を加えずにキッチンの背面に食器棚と同じクルミ板目材を張ることでリビングから見た時の印象をとても落ち着いた形にすることができたのでした。
すごくよいです。

食器棚の扉や引き出しの前板は無垢材で作り、それに合わせてキッチンの背面と側面のパネルも無垢材で作っています。
パネルは無垢材で動いてくると思いますので、接着しちゃうとあとで大変なことになるので、ある程度の伸縮や動きに対応できるように壁に固定する部材が板の動きを矯正するような作りにしています。
このほかに洗面台の引き出しの前板も交換して、かなり遅くまで掛かってしまいましたが、ひとまず今日はここまで。
順調に進むかと思ったクルミの化粧板を鏡に張る作業が、水栓を外さないと板を差し込めないことが分かり、今日は断念・・。
Iさんすみません、次回できちんと終わらせますので、引き続きよろしくお願い致します!

家具を身近に感じられるように

2020.06.13

おおよそ形が決まったらできればスケッチを描いて皆さんにお伝えするようにしています。
図面を見せても分かりづらい部分って多いですので。
以前にも書いたかもしれませんが、一時期はパソコンでパースを描くほうが良いと思っておりました。
そこで、いつも使っているCAD(私はJWを使っています。)についている2.5次元というのをしばらく使っていたことがありました。
そのうちにもっとリアルの表現できるものに挑戦してみようかな、なんて思っておりましたが、何だか覚えることが多くて難しくってね。だんだんと遠ざかってしまっていたのです。

でもそのうちに、手で描くことで伝わることはけして少なくないのだと気づいたのでした。
それを福原さんにも教わったことがあります。まだ私たちが学校を出てまもなくの頃だったでしょうか。
彼の仕事を手伝わせてもらえることになった時に、洗面台の図面を手書きで書いていたのです。
おお、手描きだ、なんて思ったのですが、彼が描く線が自由なのです。
太い線は影やエッジになり、細い線がジョイントになる。
強弱がついた線が陰影になって行くと、洗面台の図は一枚の絵になっていました。
線は自由に走り、いつの間にか家具になってゆくのです。

私が心掛けているのは、二点透視で描くこと。
一点透視で物事を見られる場所って、線路の上とか、北海道の長い直線道路とか、とても限られているように思えて、普段の日常の視点には二点のほうが近いだろうなと思っているのです。
(つい先日は三点透視の絵もここに載せました。気づいた方いらっしゃいますか。)
いつも見ている感じで見られるようなスケッチ。それが良いなと思っています。

先日のT-SITEでのイベントの時に、雰囲気のあるおじさま(と言っても私とそれほど年は変わらないと思えました)が長い時間ブースに居てくれて、家具を見ながらスケッチを見ていってくださったのでした。
なかなか雰囲気があって声が掛けづらいなと思っていた(私は小心者なのです)ので、アキコが挨拶に声を掛けると「いやあ、すてきなスケッチです。」そう言ってくださったのでした。
「しっかり合っているんですね。」と。
そういうふうに感想を言って頂けたことなんて今までなかったので、とてもうれしくなったのです。
「実はイマイさんのファンなのですよ。」
おじさまからそう言ってもらえることもとてもうれしくてね。
そう、今回のこのスケッチはちょっとずれちゃったかもしれませんが、なるべく寸法の感覚が揃うように心がけているのです。
これは460ミリの奥行で、これは1500ミリの幅でって。
感覚が見合っていればきちんと使いやすい形が見えてきます。

あい

2020.06.11

最近暑くなってきたからね。
風通しが良いところは彼が良く知っているよ。

ナラ板目ランダム張りのキッチン

2020.06.11

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Kさんのキッチンも間もなく完成。今回はステンレスのニッチがある形。
本当はカウンターからニッチまでひと続きで作りたかったのですが、今回は少し雰囲気のある集合住宅のリノベーションということで、エレベーターが少し小さめだったり、各住戸の階段から玄関への導入部が少し変わった形になっていたりといろいろと難関がありまして階段から搬入しても回りきらないことが分かってニッチとカウンターとを分割して制作。
室内の空間だけではなくて、そこに至るまでのことを考えたりして、と、その道程があって今ここにこの形があるのです。

梅仕事

2020.06.10

今年はハルと梅シロップを仕込みました。
このお仕事を手伝い始めてから、毎年手元に梅が届くというありがたい環境にあったのですが、今年は買いに行きました。
今まで梅を買いに行ったことはなかったので値段を知りませんでした。梅の種類にもよりますが、1キロ800円~1980円するのですね。高価なものなのだなと改めて知ることができました。
梅仕事もそうですが、もやしのひげを取ったり、餃子の皮を包んだり、焼売を包んだり、魚の骨を取ったり、こういう下ごしらえをしている時間がちゃんと子供の話を聞ける時間としてある気がします。そう気づいてからこの作業が好きになりました。
娘達もそう思っているのか、私がテーブルに用意をしていると、自然とそばに来てくれるようになりました。
先週から学校や習い事が再開しはじめ、チイは今日から給食が始まり5限授業。
今日は習い事がない日だし、夕ご飯メニューは焼売にして色々お話を聞いてみようと思います。

ここがよい

2020.06.09

やはり工房の2階にあるよりはもっとしっかり使ってもらえる環境に置かれているほうが良いよね。
壁は山本さんがこれから塗ってくれる予定で、あとはつなぎ工事だけなのですが、キッチン解体の時に要不要の部材が混同しちゃって急きょ足りない部材があることが分かりまして、部材が揃うまで少し時間が掛かることに。すみません、山本さん。すぐに準備しますのでしばらくお待ちを・・。

いってらっしゃい

2020.06.08

今日は、愛川町まで。
9年前に工房の2階に作ったキッチン
今年の初めに新しいキッチンを作ったのを機に展示室のキッチンを入れ替えることを考えておりました。
9年経つと作り方も考え方も少しずつ変わってきて、いま私たちが作っている形を見てもらいたいとそう思ったのです。
その時に今あるこのキッチンをこれからどう見せようか、と思い巡らした時に、「イマイさん、ぜひ使わせて!」と言ってくださったのが、もう長いお付き合いをさせて頂いている愛川に工房がある山本陶工房の山本さん。
そして、そのアトリエに置かせて頂けることに。
コロナの影響でお話がストップしておりましたリノベーションが先日から始まりまして本日ようやく設置工事に入らせて頂いております。
「ここはね、ヤモリやクモも多くてね。」
と言ってパタパタキッチンの周りを払ってくださる山本さん。
たしかに周りが緑に囲われたとても気持ちの良い場所です。
生き物が多いことは慣れればうれしいことですものね。
我が家では最近、どこからともなく毛虫たちが集まりだして、代わりに毎日いたヤモリはどっか行っちゃったのですが、近所の猫たちも通り道にしていて、相変わらずにぎやかで豊かな風が流れております。

どうにか2階への荷揚げは終わってこれから据え付けです。
展示室の環境とは変わってくるため多少ここで手を加えながらの作業になるので、ちょっと長丁場ですがノガミ君とワタナベ君が頑張ってくれています。
山本さん、この工房がより温かな空気になりますね。
楽しみです。

おうち時間:おとうさんのハンバーガー

2020.06.07

おとうさんがお休みの日曜日。
せっかくの機会ですが、お出かけするにもまだし辛い日々ですね。
「何か作ろうか。」「そういえばハンバーガー食べてないなぁ。」
ハンバーガーのレシピは、チアキがレッスンを受けた時のkissakoさんのレシピがある。
冷蔵庫をのぞいてみると材料がそろってる!ということでおとうさんの出番です。
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パンを発酵させている間にパテとコールスローとポテトフライを用意しましょう。20200607005
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パンがちゃんと膨らんでくれるとうれしいですね。
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本当はKousha さんに行きたいんですけどね。まだ県外への外出は控えたほうが良いと思うので、飯高さんの器によそって気分を出して、おうちでハンバーガーランチ。先日のスパゲティの残りのミートソースが残っていたのでモスバーガー風に。
コールスローをちょっとしょっぱくしてしまったのですが、とても美味しかったです。お昼からビールが飲めるのも休日ならではの楽しみですね。
10:30から作り始めて食べられたのは13時。トータル2時間半かかりましたね。「ファストフード」と呼ばれるジャンルの食べ物ですがちゃんと作ると手間と時間がかかるものなのですね。良い勉強になりました。ごちそうさまでした。

6月の庭

2020.06.07

202006070152020060701620200607018梅雨入りを前に1年が経過した庭には、ちょっと触りづらい虫たちも生き生きと過ごせるようになって、千両の花も咲いて、見知らぬ草花も増えてきて様子が賑やかになってきました。
うれしいです。
思い描いているのは、もっともっさり木陰が際立つ庭。
ゆきどまりの庭ができあがるまではまだしばらくかかりそうです。

ウォールペイント

2020.06.06

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床を張り替え終わったらしようと思っていたことがあります。
壁の色塗りです。
前回までダークブラウンのパンチカーペットにはグリーンも良いかもと思って、一面だけ緑色にしておりました。
本当はもっと深い緑にしたくて手持ちのペンキを混ぜて塗ってみたら、けっこうまだらになってしまって、それで慌ててちょっと明るめのこの色を塗ったのでした。
2010年1月13日「改装続き

色を混ぜるってそんなに簡単じゃないんだなあと思ってなにかと躊躇していたのですが、床が明るくなったことで緑色がとても際立って見えてしまって。
床があめ色になってくるときっとこの色も良いのでしょうけれど、頭の中にはグレーなイメージがあって、先日定休日の静かな工房の日を利用して塗ることに。
壁塗りって、塗ることよりも塗らない部分をマスキングするほうが大変ってイメージがあるのです。展示室のクロスは結構凹凸があるものなので、前回もきちんとマスキングしていても凹んだ部分から色が染みていて、それをうまくカバーできるだろうか。
マスキングを終えたら、その当時の改装の時に使って余っていた塗料を懲りずにブレンド。「まだらになったらまた塗ればいいのさ。」
白に茶色にちょっと水色。必要以上に攪拌して、「いい色あいに混ざったのではないかな。」と思えてさっそくローラーで塗ってみたのです。
うーん、塗れている時と乾いた時のイメージはやはり少し異なるのだなあ。仕上がりはイメージよりも少し青み掛かったグレー。
相変わらず難しいなあ。
でも、まずは落ち着いた印象になりましたので、これからどう見せようかな。
あとは、ちびっ子たちが遊ぶ部屋も少し変えたくて、窓まわりもこれからすこし変える予定で、少しずつ変わっていく様子をよろしければ見に来てくださいね。

静かなかたちたち

2020.06.05

「ナラと衣類収納チェストのオーダー」

新宿 S様

design:daisuke imai
planning:Sさん/daisuke imai
producer:iku nogami/kouhei kobayashi/onuma kougei
painting:iku nogami

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

テーブルの印象。私たちのショールームにある標準の厚み(26mm)よりも厚くしています。プルーヴェの椅子とも印象はよく合います。

「Facebookでも拝見したのですが、「上品なアイアンの脚の丸テーブル」とても素敵です。
詳細が知りたくてHPを探しましたが見つけることが出来なくて、問い合わせをさせて頂きました。
大きさの詳細や価格などを教えて頂けますか?
また、どこかで現物を見ることは出来ますか?」
と、Sさんからお問い合わせを頂きました。
まだ、「あたらしいかたち」のMさんのことをウェブサイトに掲載する前にご連絡頂いたのです。
すぐにこういう反響を頂けるなんてとてもうれしいことです。
それで、毎年12月に開いている私たちの小さなイベント【クレミル】の時に合わせて、テーブルを見にいらして下さることになったのです。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

このナラ柾の厚みも良いですね。脚は鉄と言うイメージよりは繊細な印象で仕上がっているので、この天板が載ることで、このスタンダードチェアの少し無骨な印象と調和しています。この厚い天板は元から想定していたものではなく、海外でダイニングテーブルを使っていると、高さの高いテーブルが標準なのに対して、日本サイズで考えていた脚のサイズなので、いろいろと考えてみて、脚の治具を新しくするよりも天板を厚くすることで高さを延ばせて、さらに印象を変えることを狙ったのでした。

そして、12月。
【クレミル】の木工のワークショップに参加してくださることに。
ワークショップでは、1年間仕事をしていて余ってしまった板材をみんなで好きな樹種のものを選んで、好きなものを作ろうというものです。
お皿を作ったり、カッティングボードを作ったり、鍋敷きを作ったり。
もの作りの楽しさをみんなにも実感してもらえたらと思って、この教室を開いているのです。
Sさんも、ご主人とお二人で、お皿に作りに参加してくださいました。
それで結局、私が当日バタバタと動き回っていたこととSさんが丁寧にお皿作りをしてくださったこともあって、朝から工房に来て頂いていたのに家具の打ち合わせができたのは日も暮れてからになってしまいました。
「すみません、こんなに遅くなってしまって。」
「ううん、いいんですよ。私たちも楽しかったですし。」
と、その見てみたかったというテーブルに実際に座って頂きながら、打ち合わせです。
そして、テーブルはもちろん作りたいのですが、それ以外にも考えているものがあるということで、そのイメージを教えてくださいました。
うん、おもしろそうなお仕事です。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

こちらが寝室。対になった洋風くタンスとベッドサイドキャビネットの印象。

さっそく後日、Sさんのご自宅を拝見して、より細かい部分について打ち合わせさせて頂くことに。
西新宿の駅を降りて、高層ビル街のど真ん中を歩くと辿り着いたのが、Sさんの住むマンション。大きいね。
ホテルのような廊下を抜け、リビングにお邪魔させて頂くと見える新宿の町々と静かな印象のSさんの部屋を陣取る大きな家具たち。
「主人の仕事で海外での生活が長かったから、こうして日本に戻ってきたのは良いのですが、向こうで揃えた家具たちが大きくって。でもね、とても気に入っているものだから、手放すのも寂しいので。」
うんうん、家具たちがこの言葉を聞いているかどうかは静かなお部屋からは分かりませんでしたが、うれしいですよね。
物にも思いが伝わるはず、きっと。
「でも、テーブルだけはずっと探していて、それでイマイさんのウェブサイトに載っているテーブルを見て、はっと思ったのです。」
「そうでしたか。ありがとうございます。」
「丸テーブルでもあのような形って見たことなくて。あれからいろいろ考えて、天板の木の種類や脚の色とか・・。でもやっぱりオリジナルの表情が一番良いって思います。椅子もあのテーブルに合わせて、イマイさんがおっしゃっていたようにプルーヴェの椅子を使おうと思っているのです。」
それは楽しみです。
そして、寝室も拝見させて頂きます。
ご主人と奥様がそれぞれ使う洋服タンスとベッドサイドキャビネット。それをこの場所に置くのです。
いろいろとSさんのイメージを聞かせて頂いて、さらに寝室の印象も分かったので、これで大まかな形がまとまってきました。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

この2台が1セットとして置かれる前提で印象を整えております。

さっそく、会社に戻ってプランをまとめます。
意外に後からご依頼頂いたベッドサイドキャビネットが、かなり複雑な構造になりそうで、きれいにうまくまとめなくては。
そうして、テーブルと寝室の家具たちの詳細が決まっていよいよ製作です。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

ベッドサイドキャビネットの上段の引き出しは浅いのですが、洋服タンスとの印象を合わせるために、内引き出しにして、見た目を揃えています。

テーブルを製作していて、鉄工のタカハシさんがこう言っていました。
「イマイさん、今回で3台目ですね。最初はうちの塗装屋さんの親方も、「これ何になるの?」「テーブルの脚です。」「フーン、脚ねぇ。」なんて言っていたのですが、あのできあがった脚を見ると、「こういうのは良いねぇ。」って言ってくれるようになって。いつもはもっと目立たない部分の仕事が多かったりするから、こういうふうに家具作りに携われると、私も他の職方さんも違った新鮮な気持ちになりますよね。だから、大変だけれど楽しいですよ。」
そう言ってもらえるのはうれしいことです。
こういうパーツって気心が知れていないと、そのイメージやニュアンスを伝えることが難しいですから。こうしてパパ友達が鉄工をやっていてくれて助かります。
天板はSさんの希望で、虎斑の少ないもの(これが反対に探すのが難しいのです。)を選んで作ります。
寝室の収納たちも同じく斑の少ないものを選んでとても静かな印象の家具になりました。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

ここにも仕掛けがあるのです。パッと見よく分からない天板。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

一部が取れるのです。

オーク柾目とアイアンの丸テーブルと、オーク柾目の洋服タンスとベッドサイドキャビネット

中には、照明などの電源が取れて、しかも外からスイッチのオンオフができるような仕掛けと、ボックスティッシュをそのまましまえて横から引き出せるような仕掛けがあるのです。

「イマイ様
本日はムシムシと暑い中、お届け頂きありがとうございました。
楽しみに待っていた家具たちが我が家にやって来て、何度も何度も眺めては、にっこりしております。
あれから荷物も無事に収めることができました。早く見たい!と、夫もめずらしく早く帰ってきました。
お陰様で古いチェストを粗大ごみ置き場に運び出すことも出来きスッキリしました。
チェストは任せた!と言っていた夫も、「いいねー!」「いいねー!」と言って大変気に入ったようです。
テーブルは・・・それはもうご機嫌で夕食の時も「やっぱり木の感触が違うわー!」とずっとご機嫌でした。
プルーヴェのスタンダードチェアもテーブルとの相性もよくホッとしました。
丁寧に、綺麗に、作って頂き本当にありがとうございました。
今はまだ届いた家具たちに気を遣いながらの日々ですが、これでとても生活しやすくなりました。
これからゆっくりと我が家に馴染んでいくんだなーとその時間を楽しみながら大切に使っていきたいと思います。
素敵な家具たちをありがとうございました。作っていただきましたスタッフの皆様にもどうぞよろしくお伝えください。」

Sさん、ありがとうございました。

ナラとアイアンのラウンドテーブル

価格:410,000円(制作費・塗装費)

ナラのチェスト2台

価格:460,000円(制作費・塗装費)

ナラのベッドサイドキャビネット2台

価格:350,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から)