オープンハウスに来てくださりありがとうございました。

2024.12.08

暮らし始めて6年目、家具屋の自宅オープンハウスが終了しました。

今回は3組のご家族がいらしてくださいました。

お家づくりはドラマチックだと思っています。

土地探し、その土地で可能なお家の形を考えてくださる設計士さんとの出会い、理想とする仕上がりを叶えてくれる工務店さん探し、その中で可能な予算と用いる材料とのバランス、全体の工期、家族のライフステージとのタイミングなど、すべての条件が重なってそのお家ができているのかと思うと、その時にしかできなかったお家と思えて愛おしく思えます。

家具やキッチンを見てもらうというよりは、自分たちのお家づくりはこういう風でしたよ、とお家全体のことをお話しする場になっていますので、興味はあったけど、今回都合が合わなかったという方はぜひ次回にご参加いただければと思います。

ご参加いただいた皆様、わざわざ我が家を見に来てくださりありがとうございました。

「家具屋の自宅」暮らし始めて6年目のオープンハウスをします。

2024.11.07

「ゆきどまりの庭」をコンセプトにして、福原正芳さんに形を考えていただき、加賀妻工務店さんに建てていただいた我が家も丸5年が経ちました。

前回オープンハウスを開いたのは、2021年5月でしたので、3年半ぶりの開催になります。

(個別の自宅見学には応じておりましたが、けっこう久しぶりなのですね…。)

住宅街の旗竿地に立つ木造2階建ての30坪の小さなお家です。

ここ数年の間でも、プロパンガスから都市ガスに変わったり、サフランさんにお願いして、道路から玄関までのアプローチが草目地の古窯レンガ敷きに変わったり、小さいお庭に高い木が植わったり、暮らしながら変わった部分がありました。

そういうお家の姿を興味のある人たちに見ていただく機会にできたらと思っております。

イマイダイスケ 自宅のオープンハウス
日時:12月8日(日)10:00~17:00

時間:10時~11時(受付終了)、13時~14時(残1枠)、15時~16時(残1枠)、16時~17時の4回です。お話しながらご案内できたらと思っておりますので、1回につき2組の方々をご案内したいと思いますので、最大8組まで受付致します。(どなたも来て下さらなかったりして・・。)
場所:神奈川県海老名市

海老名の相模川にほど近い場所に建つ小さな2階建ての家です。旗竿地に建っているのでそれほど目立たないのですが、気持ちの良い家になりました。
現地から歩いて5分くらいのところには大きな公園がありますので、小さなお子様連れでもお散歩がてらいらして頂いても気持ち良いかと思います。(当日雨だったらごめんなさい。)
どのくらいの皆さんがいらしてくださるかはなんとも想像つかないのですが、私たちが皆さんとおしゃべりできるような時間をきちんと取りたいと思っておりますので、予約制にさせて頂きます。
そして、申し訳ございませんが現地には余分な駐車場がございません。
お車でいらして頂く皆様はお近くのコインパーキングか、公園の駐車場(日曜日は有料、17時閉場です。)をご利用いただければ幸いです。
もし、ご応募くださった方が多数の場合は時間の調整などをお願いすることがございます。

お家づくりを考えている方・オーダーキッチンを取り入れたいと思われている方・造作家具を考えている方に見ていただけたらと思っております。

今まで家具やキッチンを作らせていただいたお客様でも、我が家の興味のある方はぜひこの機会に遊びにいらしてくださいね。

お申し込みは、以下のメールアドレスからお申し込みください。
info@freehandimai.com
お名前、ご住所、メールアドレス、お電話番号、参加人数、希望時間を書いてお送り頂ければ幸いです。折り返しこちらから、空き時間や詳細な住所などをお知らせ致します。

また時期を見て開催していきますので、今回日程が合わない方も次回にご検討いただければ幸いです。
皆様とお会いできるのを楽しみにしております。

馬の博物館へ

2024.12.04

ここ数日、馬の博物館に出かける機会がありました。

前回、ここの収蔵棚の制作に携わらせてもらったのは6年前でしたね。ブログを見返すと今は独立して頑張っているコバヤシ君が写っているのは懐かしい。

この収蔵棚を動かすことになって数日通っていたのでした。

最初にここに来た時はまだ私が入社前で、父の手伝いできていた時かなあ。そうなるともう30年以上も前のことだ。あの当時の収蔵棚は大工さんに入ってもらって現場で棚を組んでもらっていたそうで、家具として本格的に棚を作り始めたのは、手書きでパースを描いてコンペに応募した頃だったなあ。それももう20年も前の話だ。まだコンペがどういうものかもよく分からないまま父に言われて製図版の上で、制作の合間ににわか透視図を描いていたっけ。

私にはずいぶん時間が経ったように思えるけれど、横浜競馬場のこの景色は変わらないね。

【10年】

2024.12.03

ダイスケさんが代表になりフリーハンドイマイで10年以上働き続けてくれているスタッフはノガミ君が初めてです。
一人一台家具担当制で制作をしていくので、5〜6年位すると大体全て自分で作れるようになるので、独立したり、他の場所へ行ってしまう人がほとんどでした。
会社としては損失です。何でも作れるようになって任せられる人がいなくなってしまうのですから。新しい人を雇ってまた初めからになりますので生産力が下がります。
でも、そういうサイクルを経て今のメンバーと状況があるので、そういうものなのだろうと思っています。
12年前ダイスケさんが代表になり、私も手伝うことになった時、「売上トップのオーダーキッチン・家具屋になろう!」なんて目標を立てるつもりはなく、(お会いしたことがある方々は私たちの雰囲気をおわかりだと思います。笑)
お客様には、
「フリーハンドイマイにお願いしてよかったよね。」(他の家具屋さんがどういうサービスをしているのか全てを把握してはいませんが)と思ってもらえるようにしていきたいよね。と、
スタッフには、「フリーハンドイマイで働いていて、ここがよかったな。」と思ってもらえる何かがあるようにしていこう。と、実現可能な範囲で色々試みてきました。
10年働いたスタッフができたから、今のやり方が正しいとは思っていませんが、ただうれしいのです。
ありがとうございます。


2枚目の写真は、ノガミ君の初納品の玄関収納。2014年12月に入社して、2015年2月にこれを納めているので、彼も「木工経験者」という肩書きがつく中、頑張ってついてきてくれていたのだなと思います。

6年目からは主任の役もお願いしていて、楽な時なんてない職場だと思いますが、これからもよろしくお願いします。

(文 1枚目写真 イマイアキコ)

タモホワイトオイル仕上げの食器棚

2024.11.30

スカイツリーが大きく見ることができるこのあたりはどこか懐かしい町工場の匂いがするのです。

ここからちょっと離れた文京区の白山にあった祖母の家のそばでも同じような香り(酢酸の匂いだろうか)がいつも漂っておりまして、夏に帰省するたびに弟と「よっちゃんイカの工場だよ、きっと。」って言っていたのを、この香りを嗅ぐと思いだすのでした。

その少し温和な印象の町に住むSさんのところに食器棚の納品に制作を担当したタケイシさん、そして今回はサポートとなるワタナベ君、ヒロセ君の3人で向かってもらいました。

今回のSさんはけっこう大掛かりなリノベーションの中での家具制作を担当させてもらっていたので、現場の状況は解体直後の時に伺わせて頂いて以来です。私はこの日は3人には同行できなかったのですが、食器棚ならスムーズに取付できて日が暮れる前には戻ってくるだろうと思っておりましたが、大きめのタイルが壁に施工されていて、タイルを割らないように取り付けるために家具の固定を工夫したことや、同じく床もタイル仕上げだったので、パネルを立てる方法を工夫したりとなかなか細かい細工を施しての取付作業になったようで、日が沈んでだいぶ経った頃にみんなが戻ってきました。

Sさん、一日ご不便をお掛けしました。

でも、戻ってきたタケイシさんからは、きれいに納まったことと、Sさんにも塗装の色や納まりを喜んでもらえたことを聞いてひと安心できたのでした。

来週末も同じくSさんのところへ出かける予定。今度はワタナベ君が制作を担当した大きなテレビボードとデスクを持って伺います。

ホワイトオークとステンレスバイブレーションのキッチンと食器棚

2024.11.30

内田雄介さん設計のHさんの家。内田さんには内緒でこっそり本日アキコと二人でお伺いしてまいりました。

ここに住み始めてからはもうすぐで1年経つということで、完成してからきちんとお伺いできていなかったので、あらためてお手入れ方法のご説明にお伺いしてきたのでした。

木の表面でも遠慮なく使ってくださっているといううれしいお言葉を頂いていましたが、大きな汚れもなくとてもきれいに使ってくださっている様子が分かりました。

オイル塗装のお手入れとステンレス天板のお手入れなどをご説明したのですが、キッチンに立った時とダイニングからキッチンを眺める時で感じる温かみが違ったりして楽しいのでした。

なぜ内田さんの作る空間はこう温かくて心地良いのかしらってアキコと話していたのですが、良いタイミングできちんと採光があることが一つの要素なのかもしれないって思ったのでした。明るさが温かみになっているというか、切り取られた緑の生き生きした表情がそう感じさせるのか。

Hさんもダイニングの窓を指して、「ここだけはどうしても実現させたかったものですから特注のサッシを作ってもらったのです。」と嬉しそうに教えてくださったその窓からは電車が目の前を静かに行き交う様が見える心地の良い額縁でした。

なるほど、心地よいです。

そうそう

2024.11.30

そういえば、Fさんからとてもうれしい言葉を頂いたのでした。うっかり忘れてしまわないように書き置き。

「イマイさんのようなキッチンメーカーさんはなかなかいないんですよ。」って。

どうしたら私たちらしいキッチンや家具を表現できるのかって悩んでいたのですが、Fさんの言葉はまた私たちの背中を押してくれたのでした。

そういえば、今ノガミ君がキッチンの制作に取り掛かっているNさんにも似たようなことを言われたっけ。「踏み込んでくれる。」って。

大理石シナイパールとブラックチェリーのキッチンに会いに

2024.11.29

鎌倉のFさんのところまでアキコと挨拶にお伺いしてきました。

立地、建物、キッチン自体もどれをとっても「一筋縄ではいかないぞ」という意気込みを感じさせてくれたFさんのご新居は先日無事に引き渡されて、Fさんご自身で手掛ける内装の仕上げもだんだんと終わりつつあるというタイミングでご挨拶。

現地に赴くと、「あれっ、久保田さん!?」「ああ、イマイさん。」「まだ工事が残っていたのですか。」「そうなのです、建物のほうは終わったのですが、この外階段とか外回りをまだ手掛けさせてもらっているのです。」そうなのですね、お疲れ様です。

素朴な石段を上っていると私たちの声を聞きつけてFさんが迎えてくださいました。

お久しぶりです。

おぉ、すごい。視線を移してまたすごい。階段上ってこりゃすごい。という言葉が思わず口をつくくらい、建物の外観同様に間取りの妙と仕上げの素材感がどーんと飛び込んでくるのでした。よく作り上げたものだなあ、なんて偉そうな言葉が出てきてしまいそうですが、それくらいいろいろな場所がとても素晴らしくできあがっていて心地よい。

もちろん、キッチンも同じく、Fさんがブラックチェリーに丁寧にオイルを塗ってくださったおかげで、独特の表情のシナイパールとのコントラストがとても良く、この空間によく合っているのでした。

こういう姿を見られるのはうれしいです。

もうすぐでひと段落されるそうなので、その頃にあらためてすべてが整った様子を拝見させて頂けそうで、また楽しみがひとつ増えたのでした。

Fさん、ありがとうございました。

引き出しのベアリングレール

2024.11.23

Yさんから久しぶりにお声が掛かりました。

小さいけれど頼もしい腕」のYさんです。

11年前にマンションのキッチン対面カウンターの下にデスク付きのサイドボードを作らせて頂いたのですが、その引き出しの一つの動きがぎくしゃくするのだそうで。

11年も経つとベアリングも劣化してきたのかなあ。

そうそう、あのあとに作らせてもらった猫が遊べる本棚のその後の様子も見てみたいのだった、ということで、本日レールを持参してお伺いすることに。アキコに話してみると家具の様子を見てみたい、ということで二人で出掛けたのでした。

藤沢の駅のそばということであのあたりはいつも渋滞しているのが気になっていたので、電車で行こうとさっそく出掛けたのですが、時刻表を平日と読み間違っちゃって、駅についた途端に電車が目の前で通り過ぎていってしまって・・。

いかん・・。

そういえば、Yさんにはなんだか格好悪いというかどうしようもないところばかり見られていたっけ・・。

最初のサイドボードの打ち合わせに行った時には打ち合わせ中に我慢して正座して話を進めていたら、すっかり足が痺れてしまって、「大丈夫ですよ。」なんて言いながら、靴を履いて帰ろうとしたときに足首が動かなくなってしまったそのまま玄関でドォーンという轟音と共にもんどりうってしまったことがあったっけ。

2回目の猫本棚の打ち合わせに行った時も9時の約束をてっきり10時と勘違いしていて、9時になっても到着しない私を見かねてYさんからお電話を頂いてしまったりして。

今日も電車を間違ってしまったのでこれでは10分ばかり遅刻してしまいそうだ・・。

10時にYさんに連絡を入れて、少々遅れて到着。たいへんお久しぶりです。

「わあ、イマイさんお久しぶりです。」

「2回目の猫本棚が納まった様子をきちんと見られていなかったので9年振りですね。今日は妻も家具を見たいということで一緒に来ました、失礼します。」

と、お邪魔させて頂くと、懐かしい2台の家具が迎えてくれました。

「実はイマイさん、修理してもらうのに中身を出してみたら何だか引き出しの動きが良くなったみたいでして。」

なるほど。たしかにレールの故障はないようです。

すると、ははあーさてはあれですね。

この引き出しの側面に取り付けるベアリングレールというのは、おそらくどこのメーカーも共通して起こるのではないかと思われるのですが、普段は引き出しの中の手前のものばかり出し入れしていて、引き出しを毎回全開して使っていないと、レールの摩擦が強くなって、レールが全開しづらくなるのです。

しづらくなるというのは、引き出しを開けていると急にそこで止まってしまうくらい重くなるのです。

なので、もうそれ以上は引き出しが引き出せないと思い込んでしまうことがあるのです。

なぜこうなるかは分からないのですが、全開しないで1年ほど使っているとこういう症状が現れたりします。具体的には、全開したような状態になっているのに引き出しの片側だけもう少し引っ張り出せるようなぐらぐらした感じになります。

こういう時は引っ張り出せない方のレールの摩擦が重くなっているだけなので、こちらの絵のように(拙いものですみません)引き出しの両側を手でつかんでゆっくりと少しずつ引き出せるだけ引き出してみてください。きちんと全開すると両側揃ってきれいに止まるのでどこまで引き出せるかの感覚はすぐに分かります。

一度全開させると、次からは変なぐらつきは出ないのですが、また1年くらい前回しないで使っていると同じような症状になることもありますので、そうなったらまた引っ張り出す。

ということで、Yさんのところでは大きな修理の必要がなくなって、今しばらくはこのレールのままで大丈夫そう。

細かい傷はあってもとても丁寧に使ってくださっている様子がよく分かって、納品当時のままのような印象がうれしかったのです。

Yさん、また何かありましたらいつでもご連絡頂ければと思います。

これからもよろしくお願い致します。

家具チェック

2024.11.22

「今日は朝からN様の家具チェックをしたいのですが。」とノガミ君から声を掛けられて、みんなで家具チェック。

現場の状況を知っているのは私だけで、キッチンの組み上げ方を知っているのはノガミ君だけなので、ここでうまく納まるように付け合わせをしていきます。忘れていることはないか、この組み方で現場に納まるかどうかなどなど。

今回の担当ではないみんなには客観的に良い納まりかどうかを確認もらう時間なのです。

今回のNさんのキッチンはクルミの無垢がふんだんに使われた作り。引き戸もこの造りで反りが抑えられると良いなと思うのですが、茅ヶ崎の海の近くなので納品して様子を見てみないと分からない部分でもあります。

私たちの作りにいつも決まった答えはないので、こうして試行錯誤しながらよい形にたどり着けるように頑張るのです。

タモ柾目のコの字型キッチンに会いに

2024.11.16

最初のご相談が2018年だったか2019年だったかな。ハルはまだ中学生で、チィは小学生だったなあ、箱根彫刻の森の入場ゲートをくぐった時にひょうひょうとした声がスマートフォンの向こうから聞こえたのが始まりでしたね。

その後は、その電話の主である設計士さんを通じてNさんのキッチンを計画することになったわけですが、新型コロナという今までに経験したことがない状況がやってきて、計画は一度ストップしてしまったのでした。

そして、あれから5、6年を経過して、ようやくこの形が実現しました。

Nさんがどのような気持ちでキッチンを依頼してくださったのかをきちんと聞かせて頂けたのは今日が初めてのような気がします。

設計士さんとNさんご夫婦でショールームにもいらして頂いたのですが、お話はそのご年配の設計士さんの手動のもと、そのひょうひょうとした性格のようにとんとんと進んでいったので、Nさんがどのような思いで私たちのキッチンを見ていてくださっていたのかを、その時は深く掘り下げて聞くことができていなかったように思えていたのでした。

でも今日、アキコと挨拶に伺わせてもらって、あらためていろいろなお話を聞くことができたことはなんだか本当にうれしかったなあ。

Nさんのお父様と設計士さんがご友人ということでコのリノベーションが始まったのだということや、奥様うれしそうにコレクションしているマリメッコのカップを見せてくださったり、お茶を頂きながら窓の外を見るたびに、キッチンを計画している時からずっと心配だったL型天板の搬入もどうにか無事に運び込めたことを思い出したり(今では細部が思い出せないくらい素晴らしく軽快にみんなで運び込めたのでした)と、いろいろなことがすべて良いできごとだったなあと思いかえせるのはうれしいこと。

とにかく楽しんで使ってくださっている様子がお二人からも、そして部活が終わって帰宅したお嬢さんからも伝わってきてうれしかったのでした。

Nさん、今日はありがとうございました。

タモホワイトオイル塗装仕上げの家具たちと職場体験

2024.11.14

タモ材をホワイトオイルで仕上げているSさんの家具。導管に色を入れつつ表面の色をさらっていくというのはやはりなかなか難しいところです。今はまだ新鮮に全体的に白みがありますが、時間が経つとタモ本来の色が戻ってくるのでそれがまたおもしろいところでもあります。

今日は、中学生2人が職業体験に来てくれているなか、みんなで家具のチェックを行ないました。

物づくりにとても興味があるという男子二人には、午前中はひとつずつ物を作っていくことがどんなことなのか伝えて、(うまく伝わっただろうか・・)そのコミュニケーションの方法の一つとしてのスケッチがありますが、簡単な二点透視の描き方を伝えたあとは、工房でタケイシさんが木工の作業体験の指導をしてくれました。

学校での技術で教わる制作の授業はこれからということでよい経験になったのではないかと思います。

職場体験学習

2024.11.14

今年2回目の職場体験は茅ヶ崎市内の中学生が2名来てくれました。

「工業・物流・建築」(大きい分け方…)のジャンルにうちの会社があり選んでくれたそうで、ふたりともものづくりが好きということでした。来てくれてありがとうございます。

振り返ると、2016年から受け入れ始めた職場体験学習。

自分が中学生の時には無い学校行事でしたので、経験したことのあるスタッフにどういうことするのか教えてもらったところ、「園芸の仕事に興味があったのでその会社に行ったのですが、一日中側溝掃除をさせられて、嫌になり園芸の仕事はやめようと思いました。」と話していました。

そのスタッフはよくできる人だったので、「ああなんてもったいないことを…。」と感じたので、

ちゃんと私たちの仕事を知ってもらえる内容で「楽しかった。」と思ってもらえる機会にしようと決めたのでした。

体験してもらった内容は、(10月の時と同じですが)

・最初の1時間はショールームで座学。会社の成り立ちや、問い合わせからお見積り・スケッチを作成し、受注できたら図面作成し、担当する制作スタッフに図面を渡し打ち合わせ。その後、必要な材料を見ながら木取り表作成して制作していく、という流れを家具やサンプルを見てもらいながらお話しします。ダイスケさんには、二点透視法を使ったスケッチの書き方と図面の見方を伝えてもらいました。

その後は工房に行き、実際図面を受け取ってから製作スタッフがどう動くのかを木工機械それぞれの説明を受けながら動いていきます。先日に続いて3年目のタケイシさんに指導係を担当してもらいました。

・パネルソーを使い材料を切る。

・平面、直角の部材の作り方

・ビスケットジョイントを使ったナラ材とセン材のスマホスタンドの制作(その中で、紙やすりを使った研磨の仕方、ビスケットジョイントの加工方法、鉄染めの方法、オイル塗装の種類と方法)

今回の学校は1日体験でしたので、時間がぎりぎりでしたが、ふたりとも「楽しかったです。」としっかり私たちに伝えてくれました。

ものづくりを知って、実際に自分で手を動かしてみることで、身の回りにある物の見方を知る機会になってくれていたらうれしいです。

担当をしてくれたタケイシさんも、3年目ですっかり指導係が身についていて頼もしくてうれしいです。

うちは毎年新人が入るような職場ではないので、一番若いといつまでも新人のような印象になってしまいますが、彼女のペースで、着実に経験が身になっているのがわかります。

そういう姿を見ることができる貴重な機会でもあるのです。

正直なところ、事業所にとっては負担でしかない、という厳しい意見を耳にしたことがありますが、何事も、受け止め方次第ではないかなと思います。

今日も一日お疲れさまでした。

お写真の撮影と掲載にご協力いただきまして、ありがとうございました。

洗いもの

2024.11.11

洗って拭き上げたものたちはここでしばらく乾かすのがいつもの光景。

「キッチンを作っている工房なのに食洗機もないなんてけしからん」なんて言われそうだけど、私は手洗いが好きなのだ。アキコもそれに賛同してくれているので、うちはこの先も手洗いだろう。

掃除機もそう。運動公園の横で全自動で芝刈りをする丸いロボットを見ていると健気な姿が愛おしくなるのだけれど、うちにはロボット掃除機はなくて、仕事でも使っている日立のとてもシンプルな掃除機だけ。掃除機をかけるのが好きなのだ。

「そこまで手作業が好きなら洗濯だって手でやったらいいじゃないか」なんてシニカルに言わないでくれたまえ。洗濯物を畳むのは好きだけど、洗うのはちょっとね、苦手ね。

全自動お風呂洗い機があったらぜひ組み込みたいなあ、なんて思ったりして、結局は好きなことしかやっていなくて都合がよい私なのである。

これではアキコは苦労しちゃうかもなあ、いつもありがとう。

微妙なニャンス

2024.11.11

2階の塗装の手すりが剥げてきてしまった。

天気が良くない日には、手摺に容赦なく洗濯ピンチをプランプランとぶら下げていたせいだね。

あまりにみすぼらしくなってしまったので、一度塗り直したのだけど、福原さんが微妙なニャンスの色を作ってくれたおかげで良い雰囲気の壁になったけど、塗り替えの色を用意するのはなかなか大変だったりするのだ。

まあ、いいかな・・なんて市販の近い色のペンキで塗ってみたら案の定色の違いがしっかり現れて、「それはそれでいいや、また塗り直そうぜ。」なんて思いながら毎日が過ぎていくのだ。

ちなみに、ニャンスというのは、ミスターチルドレンの桜井さんの私が好きな歌詞のなかでニュアンスというフレーズがそう聞こえてから個人的に気に入っているのです。

マシュマロのようなカウンター下収納

2024.11.11

今日は朝からアキコと二人でFさんのところにご挨拶。

ゆるい曲線を描いた扉を持つカウンター下収納をFさんはどのように使ってくださっているのかを見ておきたかったのです。

都内でもこのあたりはとても静かでFさんの居間からは鳥のさえずりが聞こえるくらい。北欧のものが好みといういFさんのインテリアの様子と窓から見える緑の借景も相まってどこか避暑地に居るような印象。

「まだこのアールの部分の使い方は定まっていなくて。」と楽しそうにおっしゃってくださる。

そして実際に楽しんで使ってくださっている様子がよく分かる収納の様子。

「やはりイマイさんに依頼して良かったです。最初は別のところにお願いしようと思っていたのですが、どこかしっくりこなくて、ものすごくものすごく調べてたどり着きました(笑)」

「おぉ、そうでしたか、それはうれしいです。」

でも、都内だともっといろいろなお店や工房もあると思うので、私が気になったのは、私たちのような小さな工房にお願いすることに不安はなかったのかなあということ。とくにFさんは工房まで来て頂ける機会がなかったので、メールと写真でやり取りするくらいでしたので。

「ぜんぜん、そんなことはなかったですよ。安心してお願いできましたよ。」

おぉ、うれしいお言葉です。これからもわかりやすくを心がけてよい形を作っていきたいと思います。

Fさん、また機会があれば、いつでもお声掛けくださいね。

ホワイトオークのL型キッチンと背面収納に会いに

2024.11.09

Kさんのところにご挨拶に伺ってきました。暮らし始めた様子を見せて頂きに来たのです。

完成してからまだきちんと見ることができていなかったものですから。

それにしてもきれいに暮らしていらっしゃる。今日が引渡日か、というくらい。

とてもよちよち歩きのお子さんと猫さんがいらっしゃるように思えないくらいのスゥっとした暮らしぶり。

そのような中で木部表面やステンレスのお手入れ方法をお伝えして、と話している途中で人見知りしないお子さんには足に抱き着かれて、猫さんにはすり寄られて、マスクしたでかいおじさんは怖くないのかい。モテ期なのか。

どんなふうに使っていらっしゃるのだろうと思っていた冷蔵庫を隠すという部分もKさんの様子を見ているととても自然な動作で、収納スペースの扉をスッと開けたら続いて冷蔵庫の扉を開けてという感じで不便はなさそう。

左の角はデッドスペースになりそうな部分をうまく生かした小さなパントリーになっていて、とても工夫されて使っていらっしゃった。

良い勉強になりました。

今度はベンチのような低いカウンターを考えていらっしゃるのだそうで、またお声掛け頂けるのを楽しみしております。

ありがとうございました。

ブラックウォールナットのテレビボード

2024.11.04

先日、間取りに合わせた複雑な形の食器棚を設置したTさんのところに再びお伺いしてきました。

こちらも少し変わったレイアウトで、角部屋ということで窓が多く取られているためかテレビ用のコンセントがこのそばにあるのですがここには出窓があるのです。

でも、長年この位置にテレビを置いてきたTさんご家族にとってはここが定位置。

今まで使っていたものがだいぶ古くなったこともあって、今回食器棚と一緒に新しく作らせて頂いたのでした。

素材は、やはり長年使い続けてきたというサイドボードに寄せてブラックウォールナットを使って、手掛けのデザインもその家具に合わせることで部屋の雰囲気がこれでまとまりました。

次回は使っている様子を拝見させて頂こうと思っております。

楽しみにしております。

Tさんの座卓をテーブルへリメイクしました。:スタッフヒロセ君の制作日記

2024.11.01

最近、家具のリメイクやお客様がお持ちの板を使用し家具を製作する、というお仕事が以前より増えてきている気がします。

住宅をリフォーム、リノベーションすることは一般的になっていますが、家具をリメイクし形を変え再び使用するという選択種もこれからは増えていくのかもしれません。
今回は座卓からテーブルにリメイクするという依頼でした。長い間使われていたであろう座卓の脚は折りたたみ式で、壊れてしまったというわけでもなさそうでした。今の住宅事情を考えますとやはりダイニングテーブルが一般的になっているので、そのような事情でリメイクされるのではと思い作業に取り掛かりました。


リメイクの材料として使用するのは天板と天板にくっついている幕板を使用します。
新たに製作するものとしては、脚です。四隅に脚をつければ良い話しなのですが、それでは十分な強度をだしたり、脚を垂直に立てる事が難しいため、一度しっかりとした脚を作りその脚に既存の天板を被せネジで固定する構造になっています。
既存の幕板は経年によりたわみが出ていたり、各箇所において寸法の誤差が出ていました。そのため新たに製作する材料は僅かに寸法を変えたり、新規の脚と既存幕板の当たる部分がピッタリあたるよう微調整を繰り返し相性を合わせていきました。はめては確認し外すという作業の繰り返しで大変ではありましたがどうにか上手いこと合わせられたのではないかと思います。


今回の仕上げはクリアのオイル塗装になります。そのため天板の塗装を落とさなければなりません。天板厚が15mmほどという薄い物で、反りなども大きかったため、きちんとした平面を出すとなると厚みが大分薄くなってしまい天板としての強度が下がってしまうため塗料のみ落とす事にしました。天板面はベルトサンダーを使い落としていったのですが、天板面はステイン系の塗料のようで想定していたより深く染み込んでいたため、なかなかキレイな木肌が出てきませんでした。小口部分は特に塗料の吸い込みが多いためトリマーを使い、コロ(ガイドベアリング)を0.5mmほどずらし加工していきました。
そしてオイル塗装をして完成となりました。

今回の作業では天板の塗装剥がしや微調整等の時間が新規で製作した脚と同じくらいの時間がかかってしまい想定していた以上に大変な作業になりましたが、私自身リメイク家具に携わった経験がほとんどなく、リメイクの難しさや大変さも学べたと共に、経年変化によりその木が持つ深い味わいや魅力、リメイクする事によりまたキレイな木肌が出てきたりと改めて木という素材の良さを再確認できる作業になりました。座卓からテーブルに形が変わり、またTさんの暮らしと共に長く使われてもらえればと思います。ありがとうございました。

知る機会

2024.10.31

昨日今日の2日間は茅ヶ崎市内の中学生2人が職場体験学習に来てくれました。

私「ものづくりとか製造のジャンルにうちの会社があったのかしら?どういう風に決まったの?」
中学生「先生から、君器用そうだからここ行けば、と言われて決まりました。」
ほう。面白い決め方ですね。

毎年大体そうです。第3希望まで出すけど、全員が希望通りにはならないですし、みんなどの会社がどんな仕事をしているかなんて表向き、開示されている情報しかわからないです。

でもこれも何かのご縁ですから、うちに来てくれたからにはしっかり体験していってもらいましょう。

体験してもらった内容は、

・最初の1時間はショールームで座学。会社の成り立ちや、問い合わせからお見積り・スケッチを作成し、受注できたら図面作成し、担当する制作スタッフに図面を渡し打ち合わせ。その後、必要な材料を見ながら木取り表作成して制作していく、という流れを家具やサンプルを見てもらいながらお話しします。ダイスケさんには、二点透視法を使ったスケッチの書き方と図面の見方を伝えてもらいました。

その後は工房に行き、実際図面を受け取ってから製作スタッフがどう動くのかを木工機械それぞれの説明を受けながら動いていきます。

今年も昨年に続いて3年目のタケイシさんに指導係を担当してもらいました。昨年しっかり指導してくれている様子は見ているので、今回も安心して任せることができました。

・パネルソーを使い材料を切る。

・平面、直角の部材の作り方

・シナ合板の引き出しの材料に木口張りテープ機を使い、仕上げ磨きをする。

・ビスケットジョイントを使ったナラ材のスマホスタンドの制作(その中で、紙やすりを使った研磨の仕方、オイル塗装の種類と方法、ビスケットジョイントの加工方法、鉄染めの方法)

・SDGsの活動も絡めてということで毎年言葉で説明するだけでしたが、今回は2日間と余裕がありましたので、木くずを再利用していただいている酪農家のオカモトさんの所へ、トラックに積んで持って行くという体験もしてもらいました。木くずは結構重いのでトラックに積んで下ろしてというのは力仕事でしたが二人とも木くずでジャージを白くしながら頑張ってくれていました。

トラックに乗るのは、初めてだったそうで、楽しかったと言ってもらえてよかったです。

将来、家具工房に勤めない限り、まじかで見ることのない光景の数々。

それがわかるのは彼らが大人になって社会の出た時なのでしょう。

私たちの所で体験したことの何かが、彼らの将来の仕事を決める判断材料のひとつになればうれしいです。世の中色々なお仕事がたくさんありますから。

その数々のお仕事があるから社会が成り立っていることがわかると、世の中の見方が変わるのではないかと思います。

今回は来てくれてありがとうございました。生徒さんが「楽しかったです。」と言ってくれることが、何よりもうれしいです。

また、写真の撮影と掲載の許可をしてくださりありがとうございました。

「UKIさんの刺繍ワークショップ」にご参加いただきありがとうございました。

2024.10.27

UKIさん「刺繍はアートですから、絵を描くようにやってみてください。」

そうか、刺繍は布地に色糸で絵・文字・模様を縫い表すことなのか。その表現方法を広げるために、ステッチの技法が100種類以上あるのですね。

刺繍の作品は今まで日常生活の中でもたくさん目にしてきたはずなのに、ワークショップが始まり、手を動かし始めてから改めて気づくことができました。

本当にほんの糸一本分の幅を、手前に刺すか奥に刺すかでラインが変わり、求める仕上がりの印象が変わるのです。

難しい。でも、思い通りに刺せるとできてうれしい、その思いの繰り返しであっという間の3時間でした。ご参加いただいた皆様もありがとうございました。毎回ご参加くださるお客様、初めてのお客様、久しぶりのお客様、お会いできてうれしかったです。一緒に刺繍をすることができて楽しかったです。

(2時間の予定でしたが、足りず、午前も午後も3時間コースになりました。3cm大のモチーフを作るだけなのにと思ってしまいます。奥深い世界ですね。)

みなさん、別々のデザインを選ばれていたので、UKIさんも教えるのが大変だったと思うのですが、

「皆さん楽しかったと言ってもらえて、私も楽しかったです!ワークショップできたよかったです!」

と言っていただけたので、私もうれしかったです。お疲れさまでした。

もう一つ気づいたことがありました。

Sさん「どうしよう、終わらない!皆さん待たせてしまうかもしれないから、私は続きは持ち帰ってやろうかしら。」

UKIさん「いや、持ち帰っていざやろうとしても、なかなか難しいと思います。ここで仕上げて帰りましょう。」

先日、宇宙飛行士訓練の中で、自衛隊の訓練に参加してリーダーシップ研修を行う様子をTVで放送していました。

グループで山に入って降りてくるというミッションをこなしていましたが、その人は、最初はメンバーとよくコミュニケーションを取りみんなの意見を聞きながら歩いていましたが、予定よりも時間がかかってることに気づき、途中から止め、自分の判断だけで先を進めていたら、体調不良者が出てしまい、制限時間内にはクリアできたがひとり脱落者が出てしまったという結果になったのでした。

それに対して、自衛隊の人の評価は、「時間内に課題をクリアするということに集中してしまい、こういう結果になってしまいましたが、課題はグループ全員で山を下りてくるということですから、時間よりもそちらを重視してほしかったです。時間がオーバーしたことよりも課題を達成できたという事実の方が結果として大事です。」というものでした。(生死に関わる場面ではまた話は別だと思いますが)

それを思い出しました。

ワークショップなのでリーダーシップは関係ないのかもしれないのですが、刺繍ワークショップに参加して、作品が先生の元でちゃんと出来上がって帰るのと、未完成で持ち帰るのでは、その体験の思い出と、出来上がったものに対する思いも変わってしまうと思います。

自然とそう相手に伝えられたUKIさんは素晴らしい感覚をお持ちだなと思いました。

そんなUKIさん。「秋冬は刺繍の季節ですから~。」とおっしゃる通り、これからイベントに沢山出店されるそうです。

皆様のお近くのマーケットにもいらっしゃるかもしれないですよ。ぜひチェックしてみてください。

11月3日(日) 相模大野アートandクラフト
11月24日(日) 中央林間手づくりマルシェ

12月14日(土)WSクリスマスマーケット tonarino
12月15日(日) WSマルシェ

次回のクレミルワークショップは、ご縁があって、織物を考えています。お話が具体的になりましたら、告知させていただきますね。お楽しみに。

ブラックチェリーとシナイパールのキッチン

2024.10.25

Fさんのキッチンは本日でようやく完成。

今回は引き戸が多いキッチンでさらにはFさんご自身で塗装をされるということでしたので、お引渡し前に戸をつけてしまうとけっこう日焼けしてしまうだろうと思って、引き戸と引き出しは外したままにしておいたのですが、無事にお引き渡しが済んだということで、本日ノガミ君とヒロセ君に残りの作業に向かってもらいました。

これで私たちの作業はすべて完成。

あとは、Fさんが壁に土を塗って、キッチンにはオイルを塗って完成となります。

暮らしながら仕上げていくというのは、特にお子様がまだ小さいFさんにとってはなかなか大変なことだと思いますが、パスハンティングのような一歩ずつというのは楽しみのひとつでもあります。

また、暮らしが落ち着いたタイミングを見てご挨拶にお伺いしたいと思います。

その時が楽しみです。

間取りに合わせた複雑な形の食器棚

2024.10.22

築30年近く経つという集合住宅にお住まいのTさん。

キッチン周りをリフォームされる機会にお声掛け頂いて、今回はキッチンではないのですが食器棚のご依頼を頂いたのでした。

この食器棚スペースが不思議な形をしておりまして、キッチン入り口すぐの冷蔵庫スペースから勝手口に向かって3段階で奥行きが変わっているのでした。

そうなると、ここに合う食器棚はやはり見つからず、小振りの食器棚とワイヤーパネルを生かして、しまうだけではなく吊り下げたりと工夫して収納してきたのですが、やはりキッチンを入れ替えるにあたって食器棚も使い勝手良くしたいということで、ご依頼を頂いたのでした。

きちんとした奥行を確保した食器棚を作ると、一人で作業するのがちょうどよいくらいの空間になるので、扉は引き戸、あとは引き出しという構成にして、1ヶ所しかなかったコンセントも家電の数に合わせて増やしたり、新しくしたキッチンの表面材に近いウォールナットを白くした印象の化粧板を使って、手掛け部分だけは無垢材で加工したうえに塗装で調色したりと、なかなか手に込んだ食器棚になりました。

そして、このお話の途中でテレビボードのお話に広がっていきまして、次回はリビングまわりの家具を納品にお伺いする予定です。

引き続きよろしくお願い致します。

座卓からテーブルへリメイク

2024.10.20

T さんからお預かりしている座卓です。

鑿や鉋を使い、塗装とシールをはがしているところ。
お母さん「このシールもなくなっちゃうけどいい?」娘さん「いいよ。」とあっさりさっぱりした返事に、お母さんの方が少し名残惜しいのでは、と感じました。


他社さんの座卓からテーブルへのリメイクで、脚を作り、ラッカー塗装と思われるものを剥がし、クリアのオイル塗装をしています。ヒロセ君が元の家具の状態を確認しながら丁寧に仕上げてくれました。

幕板がたわんでいるのがわかりますでしょうか。様子を見ながら脚を制作していきました。

 
木目が美しいです。
ケヤキのように見えますので、木目が似ていると言われるセン材で脚に作りました。
現れた木目。今までも見えてはいましたが、塗膜に覆われ使い込まれた状態で見える表情と、自然に近い表情と手触りでは異なります。

この写真ではわかりづらいと思いますが、先細の脚のデザインに合わせて、よりすっきり美しく見えるように、幕板から足にかけての一部にテーパー加工をしています。


リメイクには時間とお金が必要です。
T さんご家族が、「きれいにしてこれからも使っていきたい。」と思わなければ再確認できなかったかと思うと、とてもドラマチックに感じます。
磨かれたテーブルを見たら驚かれると思いますよ。
納品の日を楽しみにしていてくださいね。