2026.07.08
久しぶりに壁面収納と呼べるくらいの大きな壁一面の家具を作らせて頂きました。
昔に比べると暮らしに必要なものが大きく変わってきているからだと思うのですが、リビングに大きな家具を置くというお話も少なくなってきました。サブスクとかストリーミングとか聞き慣れなかった言葉の登場とともに今までリビングに当然のように置かれていたものものが少しずつ少なくなっていっているのかもしれません。
Mさんの家具はどこか懐かしい印象を持ちながらも大きさでその場所が狭く感じないような抜ける部分をうまく見せながらこうして形がまとまりました。間もなく完成です。
2026.07.06
UKIさんの刺繍を楽しむワークショップ、昨日無事終了しました。
ご参加いただいた皆様が作品をとてもお上手に作られていて、すてきで、出来上がったものをうれしそうに見ている様子もとても良い光景で、ワークショップを開いてよかったなと幸せな気持ちになることができました。
ご参加いただいた皆様すてきなひと時をありがとうございました。
今回ここで開催するUKIさんのWSは2回目でした。私も2回とも実際に作品を作ることに参加させていただいたのですが、
UKIさんがWSの最中に「絵を描くように刺繍してみましょう。」とよくおしゃられているのですが、その意味が今回やっと理解できた気がしています。
今までその絵は、下書きの線を塗り絵のようになぞって描くことなのかと思っていたのです。
でも今回みんな同じデザインをサテンステッチで作っていくという課題だったからか、よく見ると、幅や糸の厚み、花びらの形など縫い方でお花の印象が変わっている様子を見ることができて、「こういうことか。」と実感することができました。
また、ちゃんと糸の準備をしないと一針の表情に現れることも再確認することができました。
刺繍糸をちゃんと1本1本よれをとってから3本にして針に通さないとそのよれが縫い目に出てきてしまう。
針を刺した時に布をすくって通さない、一鉢一針、表に出して裏を通してから縫い進めていく。
こんな基本的なことなのですが、本当にその通りで、基本をきちんとしないと、求める一針の表情、きれいな仕上がりが得られないのだなと、よく分かりました。おもしろいですね。
そして、自分で手を動かしてからUKIさんの作品を観るとよりそのすごさとすばらしさがわかりました。
WSは作家さんとお話ししながら、作品を拝見するだけではわからない部分を知ることができるので楽しいですね。
刺繍針とビーズ針は違うもの。今回使ったビンテージビーズや淡水パールの穴はとても細くて不揃いだから極細張りを使うが、細すぎてよく折れてしまう消耗品だということ、
刺繍はリネン布をよく使うが、UKIさんは今回薄くて扱いやすいローン布を使われたとのこと等、
プロフェッショナルの人から出る専門用語のような会話を聞く機会は、その世界に知る人にしかわからないない暗号のようで、詳しくは分からないけど興味深くて面白いです。またその人が自分の好きなことを話す様子は見ているこちらも楽しくなりますよね。
ご参加いただい皆様の様子を見ているとそう感じていただけたようなのでよかったです。
これからも自分で手を動かしながら「手づくり」の世界を知る機会を作っていけたらいいなと思っております。
WSにご参加いただいた皆さま、UKIさん、ありがとうございました。
次回は、11月22日に日曜日にヒンメリ作家 @itotowaratoさんのワークショップを計画しております。
日程が近くなりましたら詳細を告知していきますので、楽しみにしていてください。
※お写真・動画の撮影と掲載にご了承いただきありがとうござました。
2026.07.03
先日平日の休みをいただいて、二宮へお出かけしてきました。
目的は2つありました。ひとつは二見利節さんの記念館へ行くことと、もうひとつは @cafe_daily2019 のSさんのご飯を食べることでした。
以前二見利節さんの絵を平塚美術館で拝見したことがあり、ダイスケさんが覚えていて、二宮に記念館があるということで行ってみたかったのでした。
展示されている絵は期間によって変わるそうで、平塚美術館に所蔵されているものが多いのかしらという印象を受けましたが、ここでしか見られない作品もあると思うので、拝見することができてよかったです。これは何色と言葉では言えない独特の色味が印象的でした。
そして、朝予約を取って向かった念願の @cafe_daily2019 さん。昨年の8月にクルミのカウンターとテーブルを納めさせていただいたので、その様子も拝見したかったのです。
お食事は写真を見ていただいた通りのごちそうで、お野菜のおかずでお腹いっぱいになる体に良さそうな理想的なランチでした。お一人でこれをどう用意されるのだろうかと尊敬してしまいます。ごちそうさまでした。お腹いっぱいでデザートを食べられなかったので、次はお茶をしにこようと思います。
そして、 @cafe_daily2019 さんではもうひとつの目的がありました。イヌイットファニチャア さんの椅子を拝見することでした。イヌイットさんとは、2016年のオーダーキッチングランプリの表彰式で初めてお会いして、茅ヶ崎と倉見で近いのですね、とご挨拶させていただいたのでした。Sさんの投稿で、椅子はイヌイットさんにオーダーされたと書いてあったので、「すごい!コラボレーションしてる!」と勝手に興奮していたのでした。
そして、最近ダイスケさんが偶然犬塚さんにお会いする機会があったそうで、やはり何かご縁があるのだねと話していたのでした。
お客様が使われていたので、座ることはできなかったのですが、座りやすそうなすてきな椅子で拝見することができてよかったです。
私達が作ったテーブルとカウンターもきれいなままお使いで、よかったです。
Sさん、ごちそうさまでした。また機会を見て伺わせていただきます。
2026.06.29
5月の終わりにキッチンを設置したSさんのところにご挨拶に出掛けたのでした。
リマジナデザインさんからのご依頼で作らせて頂いたタモランダム張り突板を使った壁付けのキッチンです。
35年ほど経つという物静かな空間に馴染むようにと作られたシンプルなキッチン。
「今回はキッチンをメインに改装したのです。」と教えてくださいましたが、きちんと全体の空気が整っているのはリマジナさんの味なのです。
お手入れ方法のご説明のあと趣味でケーキを焼くという奥様がチーズケーキとパウンドケーキを出してくださって、どちらも優しい甘さの美味しい味でした。
「今までのキッチンも使い慣れていたのですが、さすがに35年近く経つといろいろと不便が出てきてしまって。今度のキッチンは引き出しも勝手に閉まってくれるからすっかり使い慣れました。代わりに他の家具の引き出しもうっかり手を離しちゃって、閉まらないままになってしまっていること多いくらいこの新しいキッチンにはもう慣れ親しみましたよ。オーブンもあるから焼き菓子作りもはかどりますし、うれしいことばかりです。」
と、ケーキと同じような優しい甘さのうれしい感想を頂いたのでした。
ありがとうございました、Sさん。
と、ケーキのことばかり考えていたら、うっかり写真を撮らせてもらうのを忘れてしまって、リマジナさんから頂いていた完成写真をひとまず載せさせて頂きます。
2026.06.29
伏木さんの台形日誌を読んでから、「いつか車中で夜更けに焼いたピーマンを食べたい」って思っていたのが、いつの間にか「車を運転している時に夜明けを迎えたい」という気持ちにすり替わっていて、「じゃあ、1ヶ月後の夜明け前にどこかに出掛けようよ。」とアキコと約束していたのでした。
でもお天気はしっかりと梅雨空でさっぱりお日様を望める思いが弱くなってしまったものだから、うーん、どうしようか‥、と気持ちがすっかり沈んでおりましたが、アキコが「古墳が見たい!今こそ前方後円墳が見たい。」と言い出したのでした。
彼女は埴輪が好きなものですから、すこし前に海老名の温故館で埴輪の展示が行なわれていた時に、「前にね、私、チィちゃんと散歩していた時に見たんだ、古墳。」とちょっと鼻息荒めに海老名の秋葉山古墳を見た時の様子を話してくれたのでした。
そして曇天の今日、いつか見たいなあという彼女のリクエストで「さきたま古墳公園」というところでたくさんの古墳が見られるということでいざ埼玉まで。
途中、吉見百穴まで5.5キロという看板をふと見かけて、「百穴っていうときっと山肌に穴がたくさん開いているところだ、言ってみたい。」と急に私がなんだか童心に帰ったワクワク感で寄り道。逗子のまんだら堂ヤグラ群というところに行ってみたいとかねてから思っていたのですよね。
で、到着してみると、おお、すごい。こちらはだいぶ時代が古く古墳時代のお墓なのだそう。岩肌と穴の迫力に圧倒されるのだけれども、どうやってここに穴を掘って、どうやって埋葬したのだろう、と昔の人の技のものすごさが何とも実感できなくていつも別の遠い星の話のように感じてしまうわけです。だから、アキコから古墳が見たいと言われてもいまいちよく分からずにここまでやってきた次第でした。
そのあと観音様をお詣りさせてもらって、古墳公園に到着。
もう駐車場から円墓と呼ばれる大きなお墓がぬぅっと見える様子に圧倒。こんなに大きなお墓が目の前にどんどん見えてくる様は何というか、人間の底力というのか執念というのか、技のすごさに圧倒されたのでした。そして、将軍塚古墳のようにいつしか緑に侵されていくといったらよいのか、自然と大地にまじりあっていく様子を見て霧雨にもかかわらず終始アキコの眼はキラキラしておりまして、私も負けじとキラキラさせてきたのでした。
その興奮冷めやらぬうちにその晩はYOUTUBEで古墳時代から飛鳥時代の話を肴に晩酌。夜明けの太陽を見ることはできませんでしたが、日本の暁の様子を感じることができたのでした。
2026.06.21
久しぶりに再会した棚はアルダーとクルミが見分けがつかないくらいに色が焼けていたのでした。
LPACKのオダギリさんから電話がかかってきて、「SSSの椅子を希望している方がいらっしゃって。」とつないでくださりお会いできたのはスタジオテラのイシイさん。
「この椅子には思い出があって、近所にあったSSSに足繁く通っていたので、あのお店が別の形態になるって知った時に、私も家族も座り親しんだ椅子を譲ってもらって事務所でスタッフと一緒に使わせてもらっているのです。」
なるほど。
正直なところ、板座のあの扁平な椅子は作っている当時から座りやすいのだろうか・・と思っていたのだけれど、年とともに腰が痛くなってきた自分のまわりでよく聞くのは、「クッション性の良さだけでは反対に痛めてしまうこともあるのだよ。」という言葉で、なんだかしっくりとイシイさんの言葉が気持ちに入り込んできたのでした。
「座るだけではなくて、座面が広いから資料を奥にもちょうど良くて、そばに置いておきたいのです。」ということで、今回追加の注文を頂けることになったのでした。
「もし、よかったら私の仕事場を見に来て頂いてそこでお話ができればうれしいです。そのあとには良かったらお昼ごはんでもいかがですか。」というお誘いを頂いて、人見知りな私はアキコを引っ張り出して二人で出掛けたのでした。
テラさん、ランドスケープデザインのお仕事をされているので、機会があればぜひと思っていたら、町田で手掛けた場所があるということで、先日内田さんのところにご挨拶に伺った帰りに薬師池公園に立ち寄ったのでした。薬師池公園というと少し古さの混じった公園だった印象を覚えているのですが、その西園は清廉とした印象で風がとても心地よい回廊のような場所だったのです。
そして、このテラさんのアトリエも何というか風が心地よく感じられる清々しい場所でした。そして、そのお二人の人となり、スタッフ皆さんの人となりにすっかり和らいでしまった私は、何だかお酒でも入ったかのようにのべつ幕なしにお話してしまったような気がして、失礼いたしました。しかし、とても興味深い意見を聞くことができて、自分のまわりだけではなく、自分が住む場所のこと、町のこと、そういう中での自分の在り方のようなものをいろいろと教わった気がしました。ありがとうございました。
そして、そのお話というかおしゃべりというかの舞台が、オダギリさんの次のステージでもあるTry Many Times Clubというカフェだったのです。
そして、そこで、元気そうに活躍しているあの懐かしい棚に再会したのでした。
ハロー。
また君のそばに仲間が増えるみたいだ。
(当時、このイスをノガミ君が作った時の制作日記です。興味のある方は是非読んでみてくださいね。)
2026.06.17
台形と呼ばれる少し変わったものすごく魅力的なレストランのキッチンを作らせて頂いた記事と、「カラコルフードネット」という彩り鮮やかなお料理教室を主宰されているHさんのキッチンの記事を掲載しました。
「お互い踏み込んできますね」鎌倉 F様
「添えられたレシピ」藤沢 H様
お時間あります時にご覧いただけますとうれしく思います。
2026.06.15
先日、日曜美術館を見ていて、「昔描いた花の絵を今ならもう少し上手に描けるかもしれないなあ。」「あの時の枝ってとても良い印象よ。」なんて根拠のない自信をもってアキコと話をしていたら、ふとどんなだったっけって思いだして、引っ張り出してきたあの時の写真。
2019年の当時は娘が通う中学校のPTAの役員をしていて、その年は青少年指導員連絡協議会からの依頼で「おあしす」のポスター作りの当番の年だったんですね。良く学校のまわりに張られているあの可愛らしいポスターたちです。てっきり子供たちだけでやるものだと思っていて、それなら写真を選んで作ればよいかななんて簡単に考えていたら、「写真はだめだよー。ちゃんと子供たちと同じで書いてもらわないとね。」と青指連のおじさまに言われてしまって、期限が迫るなか慌てて作ったのがなかなか学芸会気分で楽しかったなあと思い出しました。
写真は、昔子供たちが小さかった頃に出掛けたソレイユの丘で撮ったひまわり。
私の思い描く「ゆきどまりの庭」の写真です。
それを基に絵を描いたのだけれど、全然ひまわりにならなかったなあ。
詩と文章はなんだかふわりと浮かんできた言葉を、当時、塾の先生をされていた女性役員さんが字がたいへん上手で書いてもらって仕上げたのでした。懐かしく思い出されるのだ。
もう中学校に出掛けることはほとんどなくなってしまったけれど、時々学校の前を通るとまだ校舎のまわりに掲げられているから何となくうれしくなるのですよ。
2026.06.15
13年前の7月にKさんのダイニングやリビングに家具を作らせて頂いたあの時が加賀妻さんとの初めての出会いでした。あの時の岩本監督の良く通る朗らかな声と笑顔は、つい先日見学会が開かれたIさんのところでも変わらずでしたっけ。
このあたりで名前の知れ渡っている加賀妻さんの現場に、新参の家具屋が出向くことに恐る恐る出掛けて行ったわけですが、そこで迎えてくれた監督のその様子に強張った気持ちをほぐしてもらったのをよく覚えております。
その住まいの面影は今はKさんの思いがすっかり染み込んでいて、あの時一緒に作らせてもらったダイニングテーブルやベンチはすっかり良い色になっていました。
今回作らせて頂いたのは、高さを変えて使えるテーブル。普段はソファに合わせて54センチで使っていて、親戚一同が集まってここを広く使う時は高さ34センチの座卓にして使うということで、脚を付け替えて使ってもらうテーブルになったのでした。(写真の右上に移っているのが低い脚たち)
「今度はね、あれからテレビを大きくしちゃったから、テレビ台を再考したいと思っているのですよ。隣のケージも一緒に組み込めたらいいなあ。」とにこやかなKさん。
またいつでもご連絡ください。楽しみに待っておりますので。
2026.06.07
今日は加賀妻さんからご相談頂いていたIさんの完成見学会でアキコと二人でお邪魔させて頂きました。
Iさんからご相談頂いていたのはL型のオーダーキッチンで、こうして完成した姿を見るとシンプルな佇まいなのですが、この形にたどり着くまではなかなかストイックでシビアなやり取りの連続でした。なんて言ってしまって、Iさんすみません。
ただ、言葉のキャッチボールってこういうことの積み重ねだと思うのです。
ひとつのイメージに対して、その可能性についてお返事することで、そこからさらにイメージが膨らんでいく。そして、時には元に戻ったりして。答えはすぐに出せることなのかもしれないけれど、その答えの成り立ちを実感できないとつかめない感覚って多いと思うのです。そういう時間を経て出てきた答えが、引き出しの隙間だったり、シンク下の棚板だったり、リビングダイニング側の出っ張りだったりするのです。
しかし、今回クルミの色に近づけたいということで着色仕上げにしたタモの色が本当に良い具合に落ち着いて仕上がったのがうれしいところ。よかったよかった。
こうして無事に完成した姿を見ることができて、またIさんご家族にも加賀妻さんの皆さんにもお会いできて温かな時間でした。
とりあえず、ステンレスの天板のお掃除だけさせて頂いたら、あっという間に開始予定時間。
とたんに大勢の皆さんが見学にいらっしゃって、「いいんですよ。ずっといてくださっても。」と加賀妻さんの皆さんにお声掛け頂いたのですが、邪魔になってはいけないので今日はこれで失礼します。
また、お引っ越し後にお邪魔させて頂きますね。
2026.06.07
「今日空いているからパン焼こう。強力粉家にあったっけ?」と朝からハルがキッチンに立っていました。
帰宅するとおいしそうなベーグルとフォカッチャが焼きあがってテーブルの上に置いてありました。
私「おお~、フォッカチオ、おいしそう!」
ハル「フォカッチャね。」と直されていますが。サイゼリアだけの名称ですか。
ハルの焼いたパンが食べたかったので、夕食はシチューにしました。
おいしいものを作れるって素晴らしいことだなと思います。
いつもありがとう。ごちそうさまでした。
そんなハルは大学4年生の就活ガール。
お料理やお菓子作りが好きなのでその道に進めばいのではと話したのですが、接客がしたい、販売に興味があるということです。彼女のアルバイト歴も、ケーキ屋さんの販売、居酒屋さんの店員、パン屋さんの販売と、やっていて楽しく感じられたのでしょう。
確かに、作れても売れないと食べてはいけないので、販売の仕方を学ぶ機会も大切だなと思います。
先日は卒業式に着る袴の予約をしに行きました。
子供が社会に出るなんて、あっという間にその時が来ましたが、彼女は色々な面で逞しいので、どうにかやっていけるのではないかと思える今があることはありがたいことだなと思っています。
応援していきたいと思います。
2026.06.05
プラスマイズミアーキテクトの真泉さんからご相談で葉山の住宅にオーダーキッチンを作らせて頂く予定です。
今回のキッチンは壁付けなのですが、変形した壁に合わせてキッチンを設置するので、ひとまずベニヤで型を取ってきてそれを実測して角度を出していきます。Yが250ミリの時はXが237ミリバックして、Yが450ミリの時はXが135ミリバックするという感じで、それをCADに書き込んでいって点を結んで、というような感じで。
私がこの仕事を始めて数年後に発売されたウィンドウズ95がこの工房にくる以前はCADなんて使っていなかったので、当時は4×8尺サイズのベニヤに原寸書き込んでそれを採寸しながら家具を作っていたくらいなので、今では少しは近代化されたのでしょうけれど、やはり地味な作業の繰り返しでなんです。
現場はまだ断熱材の施工中で、プラスターボードが張られる前の状況。
ここからボードが張られると多少誤差が出てくるだろうけれど、その場合はここで逃げられるようにしておこうかな‥、とあれこれ起きてもいない出来事に頭を悩ませて、自分で納得してようやくスタートです。
2026.06.03
お休みを頂いていたこの日は、アキコと二人で国立西洋美術館で開催されているチュルリョーニス展に出掛けてきました。「祭壇」という絵をそこかしこで見かける機会が多く、不思議な絵だと頭の片隅に残っていたのです。
すてきな展覧会でした。絵画と音楽の二つを魅力が伝わるように展示室にはその曲が流れていて、作家の心象が体感できるような空間が心地よくて、それでも鑑賞中なんとなく儚い印象をずっと感じながらもその中に小さく力強く生き生きとしたさまが現れていて、鑑賞しながらもどこかで銀河鉄道の夜が重なり合っていたのでした。
「どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのように本当にみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」
「僕わからない。」
「僕たちしっかりやろうねえ。」
2026.05.30
今回担当させていただいたのは、猫階段収納とテレビボードです。
樹種はナラ材で、板目の突板ベニヤとナラ無垢材を組み合わせて製作しました。
本体外側と猫ちゃんのトイレスペースはウレタンクリアの艶消し塗装、その他の部分はオイル塗装で仕上げてあります。
今回の製作は仕上がり面が多く、本体の接合にはラメロという機械を使用しサネを作り、サネとボンドを使用し組み立てました。接着精度がそのまま仕上がりに直結するため、位置出しやクランプでの圧着時にズレが出ないよう注意しながら作業を進めました。
今回の製作で印象に残っているのは、お仏壇部分の扉がシャッター状になっている所です。私自身初めて製作する扉の形状で一本一本の材料を厚めの布で接着し、その扉が通るレール状の溝を掘り、扉との隙間のバランスを取りながら、スムーズに可動するよう調整しました。
また、板目の突板については、仕上がり面が多いため、家具全体で見たときに木目が揃って見えるよう意識しました。材料の段取りや使用箇所を考え、一体感のある仕上がりになるようこだわった点も個人的なポイントです。
階段収納下段の扉内部は、猫ちゃんのトイレスペースになるためウレタン塗装で仕上げています。丸穴部分の内側には2mm厚の無垢材を接着していますが、そのままでは曲げられないため、水でしっかりと濡らした上で一晩輪っか状にして癖をつけてから施工しました。
癖をつけた後も内側への接着は扱いが難しく苦労しましたが、無事綺麗に接着できたと思います。そしてその穴が出入り口になるという事を考慮し、開口部はやや大きめに面取りしています。
全体的に手のかかる作業が多い内容でしたが、手間をかけた分、仕上がりに反映されやすいとてもやりがいのある仕事になりました。
お部屋の中で階段収納とテレビボードが一体となり、空間に自然と馴染んくれると思います。
この家具がIさん、そして猫ちゃんの生活の一部として使っていただければと思います。
Iさんありがとうございました。
(猫ちゃんが写っているお写真は納品後にIさんが送ってくださいました。すてきな写真をありがとうござました。)
納品時の様子はこちらをご覧ください。
2026.06.01
12月にキッチンを、4月にテレビボードを納品させて頂いたSさんのところにちょっと細かな相談を頂いたので、伺ってきました。
建物の工事は完了して、今日はちょうど駐車場の打設だったようで、現地前が賑やか。いかん、通れなくなる前にと、少しお邪魔させて頂いてご用だけ伺ってきました。
その帰り際に少しだけキッチンやテレビボードまわりを拝見させて頂いたのですが、素材使いと色使いがとても不思議な空間。どこか外国のキッチンに入り込んでしまったようなふわっとした印象。
今の住まいがここから近いということで、少しずつ荷物を運び入れているということで、「このダイニングテーブルも先日ようやく運び込んだのです。」というテーブルの脚もダイニングペンダントのPH5の淡いグリーンに合わせて、Sさんが緑色に塗装したのだそうです。
そして、これから大型テレビを壁掛けにするのだそうで、レーザーやドリルがそこかしこに置かれていて、建築士でもあるSさんがこうしていろいろと手を加えていることで、この空間がより温かみのある印象になっているですね。すてきな具合です。
月末にはご新居での暮らしが始まるということで、その頃に相談頂いていたものをお持ちして、あらためてお伺いしたいと思います。
その時が楽しみです。
2026.06.01
後藤組設計室さんからご相談頂いていたSさんのご新居がいよいよ完成しまして、その見学会の日でした。その日の午前中にお引き渡しが行われるということで、見学会のお邪魔にならないようにお引き渡しの後半に参加するべくアキコと二人で懐かしい町へ。
茅ケ崎と言うと海というイメージがたいへん強いと思うのですが、この北部は里山の風景が残る緑あふれる人よりも緑のほうが濃そうな町並みで、歯がこすれ合う音がすぐそばで聞こえてきそうな通りがそこかしこにあるのです。
私も10代後半から20代前半までこのあたりに住んでいたこともあって、懐かしい町なのでありました。
30年以上前には、駅前で友人が好きな女の子に告白するのをドキドキしながら仲間とケーキ屋さんの陰から見守ったり、あの時駅前のトイレに入っていればよかったと内股になりながら自宅に急いだ日があったり、当時住んでいた集合住宅の隣の大きな空き地に忍び込んで(いけませんね)、盛り土がまるでこんもりと山のようになっているところに友人たちと3人寝転んで夜空を眺めたり・・。そんなどうでもよいことばかりが蘇ります。
そんなことを考えながら、駅から里山のほうに向かった静かな住宅街の一角がSさんのご新居。
すでに後藤さんと工務店の山田さんはいらっしゃっていて、お引き渡しはちょっと早く終わって、Sさんお昼ご飯を食べに行っちゃったとのことで、すみません・・。
そこでSさんが戻られるまで、後藤さんの空間をまじまじと見学。そこかしこがやはり可愛らしい(と言ってもよいかな)空間。温かな巣のような感じというか。そして、どの窓からも借景の緑がきれいに入り込んでいてなお心地よいのでした。
なんてあちこち眺めていたらSさんが戻られて、お手入れのご説明。
でも、またお引っ越しされたら、ぜひ伺わせてくださいね。
暮らしの様子を拝見させて頂く以外に、奥様が猫のための家具を作る作家さんということで、1階にアトリエができるのですが、そこがどのような感じなるのかぜひ見てみたいのです。
楽しみにしております。
2026.06.01
ただいまお話を頂いているなかで大きな施設にシンプルなキッチンを何台か作らせて頂くというお話があります。
今回は、タモ材を使っていて、キッチンとしての機能は最小限で、どちらかというとその表情がよく分かるようなデザインになっています。ランダム張りを使うことで、タモが持つダイナミックな表情がよりよく表現された形になったと思います。
ここにコーリアンが載って優しく、表情のダイナミックさとは対照的に物静かな印象にまとまっていくとおもしろいなあと思っています。
2026.05.30
昨年から新しくなったキッチンカタログを持ってアキコとお世話になった皆さんを訪ねる旅のつづき。
今日は内田雄介設計室さんにお邪魔させて頂きました。
内田さんのご自宅のキッチンを作らせて頂いたことをはじめとして、内田さんの作る空間にいろいろなキッチンを入れさせてもらいました。早いもので知り合ってからもう12年くらい経つのですね。
キッチンは、我が家のキッチンのほうが散らかっているのじゃないかと思うくらい、お世辞ではなくほんとうに変わらずきれいに使っていてくださっているのでした。うれしいです。
お互い子供の年が近いこともあって、本線から外れたお話ばかりしていたら、アキコに「ほらほら」と促されなければうっかりキッチンカタログを渡し忘れるところでした。そんな話のなかで、内田さんは中学生くらいの時から建築の道を考えていたのだとか。その夢がまさに叶っているのですからすごいなあ。自分は高校2年くらいから漠然とこういう道があることについて考え始めたのだっけ・・。
私の子供たちも内田さんのお子さんもそういういろいろな可能性が少しずつはっきりと見えてきて、楽しみであって不安でもある。今の自分には感じづらくなったそういう新鮮な気持ちを持つことができるのは若さだね。
※6月20日、6月21日にこの木漏れ日の家のオープンハウスをされるそうです。お家づくりを考えられている方には内田さんが設計されたお家を体験できる貴重な機会となります。個人的には、できることなら、早朝とか夜とか春とか冬とか一日中過ごしてみたいです。(笑)
2026.05.30
後藤組設計室さんからご相談で実現した国府津のS様のキッチン。少し落ち着いてきたというこの機会にご挨拶にお伺いしてきました。
後藤さんに工務店の山田さん、そして私とアキコで賑やかにお邪魔させて頂きました。
この家は築100年は超えるというのだからすごいね。今年が昭和101年なので、大正期に建った家なのか・・。
もちろん、全部が当時の面影ではないのでしょうけれど、住みながら手を加えてこうしていまだにしっかりとしているのですから、表情は優しいけれど圧倒されますね。
障子のサイズがあっていなかったり、なぜここだけ天井が折り上げにという部分があるのだそうですが、その面影を残しつつ、後藤さんと山田さんの手が加わった猫との暮らしが心地よい場所になっていたのでした。
植えられたばかりの梅が大きくなる頃にはまたここは違った表情になっているかと思うと浪漫だねえ。
雰囲気のある棚の構成だったり、取り外し方法に頭を悩ませたペットゲートだったりと後藤さんのおもしろみが表現されたキッチンになりました。ありがとうございました。
2026.05.27
昨日はMさんのダイニングの家具の納品でした。
Mさんがこちらにいらしてくださった時に、ホワイトオークの大きくうねるような柄を見て、「もう少し繊細に木目が凝縮されたというか迫力が少ないものだとうれしいです。」と言われていて、イメージにあるだろうかと少し心配はあったのですが、
「とてもとてもとても満足です。
いろいろな角度から見てはニマニマしています。
木の目の出かたも手触りも最高で、イマイさんに頼んで本当に良かったと主人と話しております。」
と、うれしい感想を頂いて安心しております。
木の表情はその木が育ってきた様子そのままですので、私たちが良い悪いと選ぶ様は木から見れば「放っておいてくれよ。」という感じなのかもしれませんが、やはり気に入ってもらえたのはうれしいです。
また、少し経ちましたら、使っている様子を拝見させてくださいね。
2026.05.27
Kさんのクルミのテーブルができあがったのでそのチェック。
このテーブル、Kさんのご要望で脚が取り外せる作りになっています。今は高さが普通の座卓よりも高めですが、通常の高さの脚も用意してあって、人が多く集まる時に簡単に交換できるようにと言う形になっています。
そういえば、このクルミ材について材木屋さんから少し寂しいお知らせが先日届きました。
一時的なことなのかこの先しばらく続くのか見えないのですが、ただいまクルミ材は幅の広く長いものが手に入らない状況になってきてしまって今回のKさんでしばらくクルミを使った家具を作ることは難しくなりそうです。いろいろなものが手に入りやすい時代と言われることがありますが、時間を経ないと手に入らないものはやっぱりたくさんあるのです。
Kさんから相談を頂いた時にとても具体的に分かりやすく書かれたカラーの図を頂いたのです。
今までリビングボードを始め何台も家具を作らせて頂いていたので、いまさら他の家具屋さんの図ではないだろうからこれは市販のテーブルの資料かな、と思っていたのですが、Kさんにお話を伺いに行った時に、
「イマイさん、これね実はチャッピーでかいてもらったんですよ。」
チャッピーとは・・?と思っていたら、
「チャットGPTね、仕事でも使うようになってきているのですが、なかなか便利で、こういうふうに自分の希望を書いていくとそれを絵にしたり写真にしたりしてくれるのです。」
と目の前のタブレットで、何やら文字を打ち込んでいくと見る間に情報が返ってくる。
すごいなあ、私もうかうかしていられなくなる・・と感心して見ていると、
「でもね、今のところはここまでで、本物っぽく寸法や形を描いてくれるけれど、それを実現するまではいかない。だから、自分の思いを気軽にアウトプットできる道具として今は使っているのです。実際にはイマイさんのように作り手の方が考えてくれないと実現しないですからね。」
と言ってくださったのですが、それもいつかオートマチックになってしまう世の中が来るのだろうか・・。
私たち作り手がいなくても物づくりが実現できる世の中が来るのだろうか・・。
うれしいような、危機感を感じるような・・。
それでも時間をかけてこの形に辿り着けるというその人らしさのニュアンスをそこに表現できるのはまだ私たちの技だと思っているのですが、時代は変わっていくのだろうね。
2026.03.03
一緒に働いてくださるスタッフを1名募集致します。
私たちと一緒に家具を作ることの楽しさを皆さんにお伝えできる方を望んでおります。
資格・条件等:年齢20~40歳くらいの方(経験者不問)。性別は問いません。私たちの工房は制作だけではなく、そのキッチン・家具の搬入・取付作業もあります。キッチンの天板・20~30kgの食洗機などの運搬・搬入など、他のスタッフと共に重い荷物の持ち運び業務ができる方が望ましいです。普通自動車免許をお持ちのかた。職業技術訓練校で木工科を卒業されているかた。
勤務内容:家具・キッチン製作・取付等/設計補助等
勤務時間:8時~17時30分ですが、状況により異なります。
休日:1年単位の変形労働時間制
給与:弊社規定により決定
待遇:交通費全額支給
応募される方は、info@freehandimai.comまでご連絡ください。
拝見させて頂きましたあとに、こちらから折り返しご連絡させて頂き、工房見学と面接をさせていただければと思います。
お待ちしております。
2026.05.24
曇天のなか北に2時間ほどヒロセ君の運転に揺られて久しぶりにやってきたIさんのところについた時は、途中で窓ガラスにちらちらとたどり着いていた雨粒はこちらのほうまで追いかけてくることなく、この季節にしては涼しげながらもさわやかな陽気でした。
「こんにちは。」とご挨拶させて頂くと、さっそく猫たちが顔を出す。
ご主人もお子さんもネコさんも家族みんなでお迎えしたいと言ってくださっていて、ほんとうにみんなでむかえてくださいました。そうだそうだ、ネコが居たんだ、ネコと一緒に暮らす家具を持ってきたんだった。開けっぱなしはいけない、危なく出て行ってしまう。
さっそく搬入を終えて、取付の段取りをしていると、前回の打合せでは白い子が終始そばに居てくれたけれど、今日はキジトラ(だったかな)の子も顔をのぞかせてくれた。おしりもポンとさせてくれた。
振り返ってみると、Iさんのところにキッチンを作らせてもらってからもう丸3年が経つのでした。キッチンは少しずつ焼け始めていて、ナラは明るさよりも赤茶色い深みが増してきていました。
「お昼ごはんはご用意させて頂きます。」とIさんからうれしいお便りを頂いておりましたので、ヒロセ君と二人、段取りよく進めて無事にお昼の時間に完了。
階段状のシェルフは壁に固定したのですが、テレビボード部分は配線などがやりやすいようにということもあっておくだけの形。お仏壇の照明もあらかじめ仕込んでおいたので、スムーズに終わったのでした。
こうしてできあがるととてもシンプルな形なのですが、もし照明が故障したら、そして、今回初めて取り組んだこの蛇腹扉がもし壊れたらどうやって取り外すか、なんていうことを想定して作っているので結構複雑な構造になっているのです。
ネコトイレを隠す扉の具合も良い感じで、奥様がお昼の準備をしているあいだ、ご主人とお子さんと二人で終始楽しそうに家具を触ってくれていてうれしい時間でした。
「次も何かお願いしたくなりますね。」と奥様。
「彼女はあまり何か欲しいと言うことがないのですが、欲しいというものが現れるとそれが想像以上に大きいんです。だからそういう思いに応えられるように頑張ろう。」とご主人。
うれしい言葉をありがとうございます。そしてお昼ご飯ごちそうさまでした。とても美味しく楽しい時間でした。
そうそう、蛇腹扉が結構重いですから指を挟まないようにお気を付けください。家具チェックの時うっかりアキコの指の上に落してしまったら、けっこう痛かったようで怒られてしまいましたから。
2026.05.24
私がカレーが好きだから週に一度はアキコに作ってもらうことが多い。
かつて、「カレー曜日」という言葉がテレビコマーシャルで流れていて流行した以前から私の家では母が作るカレーがご馳走だったのだ。娘たちは、カレーだよ!と言っても、わーい!と言うほどではないようだけれど、私が好きなのでそれでいいのだ。
そう、以前にも書いたかもしれないけれど、私は母が作るカレーが好きで、結婚してアキコにお願いしたのはそのカレーの味つけだったなあ。
彼女の実家ではもう少し甘いカレーで、お義母さんに会いに実家に行くと時々食べさせてもらうのだけれど、その味もたしかに美味しいのだ。
しかし、イマイのカレーはこうでなくては、というのがあるのだ。
何というか、飲み込んだ後に何かじゃりじゃりする感じ。これが好きで、さらには豚肉をかむごとにほど良く塩っ気が強く感じられるのだ。ルゥ自体は、市販のジャワカレーなのだけれどね。
母が元気だったころに実家に用があってご飯が食べられるときはリクエストをしていたっけ。
そのカレーの夜。
私は洗い物が好きなので、(洗い物が好きというか、何かを大きく散らかした後にそれがきれいになくなっていくさまが好きなのですが)先ほどまで使っていたカレー鍋を洗う。
我が家ではカレーの時はヘイワの片手圧力鍋を使う。(私の実家では、大きなアルミ鍋(よく林間学校などで使っていそうなやつ)を使っていたのですが、アキコの実家ではこのヘイワの圧力鍋なのだそうだ)
てっぺんにベルのようなおもりがついていて、蒸気が上がってくるとこのベルがくりんくりん揺れるやつですね。
その鍋のゴムのパッキンとそれがはまる溝がある重いフタがなかなかの曲者なのだ。
洗い終わった後のフタやパッキンをいざ拭こう、とフタやパッキンをくるくる回しながら布巾で拭いてみても、うーむ、溝はまだしっかり濡れている。
おやっ、と覗くと、溝に溜まった水たちが灯りにギラリと小賢しい目つきで、「お前が拭いても俺たちは行くぜ。」と言い続ける。
「何をこのやろう」と溝に布巾を差し込んでフタを回してさらにぐるぐる2周ばかりやってみるのだけれど、「ふん、まだまだ」と拭いたそばから彼らが流れてきやがる。
むむむっ、手ごわいやつめ、とすでにみんな寝室に向かってしまった静かな夜、遅く帰った私は一人でパッキンと鍋のフタをぐるぐる回すのである。