蛇腹扉(タンブール扉)

2025.11.07

今度作らせて頂く家具の中に蛇腹扉(タンブール扉ともいうのですね。昔店舗の什器をよく作っていた頃はタンボアという装飾材を使っておりましたが、同じ言葉かしら。)を組み込む予定で、どのようなサイズで納まるのかを確認するために試作。今までこの形の扉の制作はしたことなかったのですが、以前にパーテーションを作ったことがありましたので何となくイメージできるのですが、どのくらいのアールで曲がるのかが知りたくて。

それに今回はワイヤーなどではなく裏に布をあてがう形で納めていこうと思うのですが、布の始末をどのようにしようか悩んでおりましたので、実物を見ながら検討していきます。

どうにかきれいに仕上がりそうで滑りも良くなりそうな形にたどり着きました。

これからこの実測に基づいていよいよ家具の設計です。

ようこそ、二色の器とハオルチア。

2025.11.06

11月の初めに3連休がありましたね。その週末は仕事の予定がありませんでしたので、ゆっくり過ごさせていただきました。(会社としてはいいことではないと思いますが…。)

相模大野クラフトアート市がありまして、器の山本さんと、刺繍のUKIさんが出展されるということで、会いに行ってきました。

山本さんにお会いするのは、1年半ぶりくらいのお久しぶりでした。

「織部の釉薬が、今まで作られていた方が辞められて手に入らなくなってしまって、今までと色味が変わったのだけど、ようやく近い色は出せるようになって。」とお話しされる山本さん。

こういう器の制作にまつわるお話を伺えるのもマーケットの楽しみのひとつですよね。

山本さんの器は、どこかにかわいらしさがある形と色味が好きで、今回の新作を購入させていただきました。

早速夕ご飯に使ってみました。新しい器だといつものメニューが違って見えますね。印材の凹みにマヨネーズのソースが入ると白くはっきり模様が浮き上がって、食べている最中にも異なる表情が楽しめました。(その写真はきれいに撮れなかったので紹介するのは控えさせていただきます。)

マーケットで出会う作品は、その作家さんがその時だけ作っていたり次回に買おうとしてももう出会えなかったりするものもありますよね。大切に使っていきたいと思います。

そして、山本さんの器と多肉植物の寄せ植えでコラボレーションされているカフェらんちゅうさんのハオルチアも購入しました。数年前に購入した多肉植物を枯らしてしまいまして…、それ以来躊躇していたのですが、「ハオルチア」を「ハルオチア」と間違えて言ってしまった時に「ハルチイみたいだな。」と思ったら急に親近感がわきましたので、その勢いで育ててみることにしました。これから冬になりますから、温度と水分管理に気を付けていきたいと思います。 

家族みんなで良く見えるように玄関にぶら下げることにしました。器の色味もすてきです。ハンギングできるように器自体に穴が開いているのがポイントだそうです。

刺繍のワークショップでお世話になったUKIさんにもご挨拶することができました。

(お写真がなくてすみません。)

「ずっと刺繍してます。」とお話しされていてSNSを拝見していても勢力的に活動されていることがわかるUKIさん。彼女の作品のオリジナリティあふれる作風が好きで、彼女とお話ししていると本当に刺繍が好きなのだなとわかり、私も頑張らなきゃと励まされます。

いつもありがとうございます。

来年になってしまいますが、今までイベントクレミルでお世話になっていたお二人には、ショールームでワークショップを開いていただくお話を進めておりますので、楽しみにしていてくださいね。

まもなく

2025.11.04

これは運び込むことができるのだろうか、と不安だった100kgを超えるステンレス5ミリ材をコの字に曲げたアイランドカウンターの天板も我々おじさん4人でフゥフゥ言いながらどうにか搬入できて、ようやく終わりが見えてきた鎌倉山のキッチン。

後日もう一度細かい作業に入らせてもらって完了となる予定です。

明日は職業技術校から生徒さんが3人工房を見に来てくれる予定。

若い人が見に来てくれるとうれしいなあ。

納まりの確認

2025.11.04

Sさんの建築設計のお仕事をされていますが普段は公共建築の設計に携わることが多く、住宅はなかなか手掛ける機会が少ないのだそうで、このご自宅では仕事では試せす機会がなかったいろいろな形の提案がありました。

その一つの給排水管の整理ということで、海外製の食洗機を導入すると通常はシンク下に配管をまとめることが多いのですが、今回は水栓器に電源が必要だったり、浄水野用単水栓を別に立ち上げることもあって、シンク下が複雑になりそうということで、このアイランドのダイニング面に食洗機の給排水を立ち上げる形にしています。

こういう形はなかなか自分では思いつかないので興味深く、大変勉強になります。

そのアイランド側がほぼ完成したので、みんなでチェックしておりました。

ちなみに今回の仕様は、天板はコーリアンの「セージブラッシュⅡ」にナラ板目ランダム張り突板になっています。

このアイランドと一緒に壁付けの長いコンロ側キッチンを並行して制作を進めていて、12月に入ったらいよいよ現場に持ってゆけそうです。

ハロウィンは職場体験

2025.10.31

今日はハロウィンですね。工房に茅ヶ崎市内の中学生2名が、お菓子をもらいにではなく、職場体験に来てくれていました。

職場体験の受け入れは社会貢献のひとつだと思っています。今年で9年目になりますが、お声をかけていただける間は、1校1日でしたら、今後も対応していけたらいいなと思っております。

最初の1時間はショールームで座学です。会社の成り立ちや、問い合わせからお見積り・スケッチを作成し、受注できたら図面作成し、担当する制作スタッフが制作に入るという流れを家具や建材のサンプルを見てもらいながらお話しします。

ダイスケさんには、二点透視法を使ったスケッチの描き方と物の見方を伝えてもらいました。

その後は工房に行き、スマホスタンド作りを通して、木工機械・道具を使いながら、それぞれの説明を受けながら実際に動いて体験をしてもらいました。

今年で勤続8年目になるワタナベ君に指導係を担当してもらいました。

まず最初に、平面、直角の部材の作り方。個人的にこの作業が一番大事だと思っております。ここが狂うとすべてが狂いますので。そこから、家具やキッチン作りのすべてが始まると知ってもらえる機会となったのならうれしいです。

その後は、ビス止めで木栓を使ったナラ材のスマホスタンドの制作をしながら、紙やすりを使った研磨の仕方、鉄染めの方法、オイル塗装の種類と方法も体験してもらいました。

ふたりとも「楽しかったです。」と伝えてくれました。

午前中の座学の際、実際のスケッチと図面と制作例の写真を見せて、

「このキッチンと背面収納でいくらだともう?」と聞いたところ、「30万。」「60万。」と話していましたが、実際は360万円と伝えると、「えっ!」「たかっ!」と驚いていました。

そうですよね、キッチンの値段はまだ中学生ではわからないですよね。

実際に自分で手を動かしてみることで、スマホスタンド1つ作るのにも約3時間かかり、様々な機械・加工が必要なのだと振りかえってみてほしいです。そして自分の身の回りにある物の成り立ちを知る機会のひとつになってくれていたらうれしいですね。

今日も一日お疲れさまでした。

お写真の撮影と掲載にご協力いただきまして、ありがとうございました。

式台

2025.10.29

「変わった形をした板ですね。何だったのですか、この板は。」

「ご自宅を解体した時に出た材はなるべく活用したいというお客様のご要望を頂いてね、式台だったんだよね。」

「なるほど。」

と、いつもお世話になっている20年近いお付き合いの設計士のFさんがいらしてくださって、5枚に切り分けられたツガ(だろうか)の板を置いていってくださった。

「けっこう大きな式台だったんですね。」

「そうなんだよね。でもそのままじゃ使い道がなくなってしまって、それなら玄関先でちょっとみんなで座れる腰掛けにしようか、って話になってね。それで、イマイさんに集成材で脚を作ってほしいんだよね、ほら、イマイさんのところで作業に使っている腰掛けの脚みたいにシンプルなもので良いので。」

と、いうことで、オパオパみたいな形をしたシンプルな腰掛けが5台完成。どんなふうに使ってくれるのだろうか。

たてもの園へ

2025.10.27

日曜日は時間ができたので、アキコと江戸東京たてもの園まで出かけたのでした。

自宅を建てる時にそのアプローチは、前川國男邸のような印象にしたいと設計してくれた福原さんとわいわい打ち合わせしていた時期が懐かしい。

なのに自宅を建てる前にここに来る時間が取れなくて(というのはきっと言い訳)、念願のこの場所をあらためて見に来ることができました。

ほど良く視線が重ならないようになっている塀の印象がとてもすてきで、そこから玄関へ続く道からリビングへの視線も重ならないような印象。いいなあ。

私たちもまねて大谷石の塀を立てたけれど、なにしろ家が小さいので高く立てちゃうと重くなっちゃうから腰高にしたので、なるほどこうも印象が変わるのだなあ。我が家のリビング丸見え状態は、今はモミジとアオダモが頑張ってくれているので、今のところは大丈夫だけれど、冬はすっかり見えちゃうしねえ、なんて思いながらいろいろと見させていただきました。

そして、やはり細かい部分が可愛らしい。

アキコと二人で「きゃー、かわいい。」と高校生のようにはしゃぎながらぐるぐる巡っておりました。

ステンレスヘアラインとブラックチェリーのキッチン

2025.10.25

「明日はお休みをいただきますのでよろしくお願いします。」と言っていたワタナベ君らしい声が作業場から聞こえてきた。空耳か・・。と思っている間に彼が事務所に上がってきた。

「雨で息子の運動会が延期になってしまいまして。」ということでいつもの朝のはじまりはじまり。

私は昨日の朝ちょっと腹筋をしていたら腰をひねってしまったようで、昼くらいから腰が痛くなってしまって、だんだんと痛みが強くなってきてしまった。

なんだか年のせいかしら・・、と感じながら朝の準備をして、アキコが出社してきたので平塚のFさんのところまででドライブ。

先日お引き渡しが終わって、キッチンを使い始めてしばらく経ちましたのでお手入れの説明にお伺いしてきたのです。

空は雨模様でも、笑顔が晴れ晴れしたFさんとお話ができて元気をいただきました。

「もともとオーダーキッチンにするつもりなんてまったくなくて、いろいろなメーカーのキッチンを見てきたのですが、どこもすべてが実現できるものはない代わりに必要ないものが備わっていたりして、少しもどかしく感じていた時に、どうやって見つけたのかはもう覚えていないのですが、ネットで自分の思うままの形を実現できる工房がまさかこれほど近所の寒川にあるなんて、ってうれしくなったのですよ!」

ありがとうございます。

ちなみにちょっとL型になっているのが今回のポイント。リノベーションで造り付けの収納の位置が動かせなかったので、変に隙間が開いてしまったり、必要以上にキッチンの奥行を増やすのも好みではなかったので、今回はちょっとL型にして隙間を塞いでカウンターが広くなっている、という納まりなのです。

自分たちに何ができるのか今アキコとどう表現していったらよいか悩んでいるところでもありましたので、Fさんの言葉を聞いてやはり気持ちが晴れやかになりました。

また使っていて何かありましたらいつでもお声掛けくださいね。

大雪山のナラ

2025.10.23

ワタナベ君が担当している平成建設さんからご依頼頂いている大きなキッチンがようやく形になりました。

複数の人たちで使うキッチンということで、3500ミリの大きさ。

表面材は安多化粧合板さんの「大雪山のナラ」という白太が流れるように入っている独特の表情。

いよいよ来月納品となります。

プレゼント

2025.10.23

そういえば先日誕生日を迎えました。

最近は、

右肩が痛くなってきました。

老眼鏡が手放せなくなってきました。

頭頂部が涼しくなってきました。

よいしょと言わない日がなくなってきました。

でも、おなかはなるべく出ないように努めております。

でも、気持ちが沈みすぎることが無いように心掛けております。

お花が好きになってきました。

山歩きが好きになってきました。

お酒がより美味しくなってきました。

甘いものがより好きになってきました。

ハルから、ちょっと高めのデュワーズをもらいました。

チィから、ウィスキーによく合う3種類のかりんとうをもらいました。(もう2袋は開けてしまいました)

51歳になりました。ありがとう、がんばります。

実現しなかった家具たち

2025.10.19

たしか、大磯に自邸を建てるというご相談にいらしてくださった設計士さんのキッチンだったろうか。

キッチンまで予算を回すことができなくて実現しなかったけれど、できあがったら雰囲気のある形になっていただろうなあと思いながらよく見ると、つい最近作り上げた川崎のCさんのタモのキッチンの印象がここですでに生まれていたのか。日付を見ると昨年の4月になっている。

へえ、すっかり忘れていたなあ。

そういえば、先日そのCさんのところにお伺いした時に奥様に聞かれたのです。

「イマイさんってどのくらいキッチンを作られているのですか。」

「だいたい平均すると、月2件から3件くらいですかね。」

「それほど多いのですね。そうなると今回の私のキッチンのように大きくプランが変わったり、細かく設計し直したりしていると他のお客様と混ざってしまったりすることはないのですか。」

「そうですね、そうならないように、打ち合わせが終わったら忘れちゃうことにしているのです。」

「ん・・!?忘れちゃう、そうですよね。」

「はは、忘れちゃうというととても失礼な言い方になってしまいますが、打ち合わせで出た内容は図面やメールに書き留めてたら頭のどこかにしまっておく感じで、次のお客様の図面やメールを見ると、頭の中はもうその次の形でいっぱいになっているという感じで。」

「それができなくなると混ざっちゃうことになりますので。」

少しびっくりした表情のCさんも合点がいったようで、なるほど、とおっしゃって頂けました。

しかし、今のボリュームでいっぱいいっぱいかなあ。最近は結構複雑な形がボリュームの大きい形が増えてきているので、これ以上の内容になると自分一人の頭では抱えきれなくなってしまいそう。

だからと言って、形を考えることを誰かに任せてしまってはこの仕事を自分が担っている意味が薄らいでしまうだろうし。

いい塩梅なのかもしれません。

メラミンのキッチン

2025.10.19

17日からは、野副さんからご相談頂いてた鎌倉山のキッチンの設置工事でした。

フリッツ・エガーの少しマットな印象のメラミン化粧板を採用して制作したキッチンです。スライドレールには、海外では主流になっているというプッシュオープン・ソフトクローズという矛盾した動きをするレールを採用。世の中いろいろと便利になっているみたいです。

今回採用したハーフェレのレールを始め、各海外メーカーのこのタイプのレールは少しクセがあって、個人的には、オープンとクローズのスイッチするポイントに特長のある国産のスガツネが出しているプッシュオープン・ソフトクローズのほうが好きだったりしますが、このあたりは好みによって変わってくると思われます。ただ、スガツネの場合は今のところ引き出し自体を木製(もしくは化粧板)で作る必要があって、海外製のものはスチール製の引き出しになるので、使い勝手と共にデザインやコストでも大きく異なってくる部分があります。

昔の家具作りに比べると、いろいろな知識が必要になってくる時代でございます。

20年か

2025.10.17

たしか2005年の10月15日だったはず。

当時たまたま見つけた自転車に載っていろいろなところに出かけるおじさまのブログを読んでいたら、私もクロスバイクという自転車に恋い焦がれてしまって自転車通勤を始めたのだなあ。

今ではその熱はだいぶ冷めてしまったのですが、当時はそのおじさまと同じジャイアントの「Escape R3」というバイクを手に入れて、ハンドルのところでカチカチとギアチェンジができるメカニカルな感じに驚いて、(小学生の時に乗っていた自転車にはそんなすてきなものはなかったので。)すっかりのめり込んでしまった私は牛の角のようなハンドルに付け替えて、さらにはブレーキとシフトチェンジ(変速)が一体でできるSTIレバーというものの虜になってしまって、「シマノは釣り用品だけじゃなかったんだあ。」なんてつぶやきながら、サイクルベースあさひさんが細かく載せているメンテンナンスのページを熟読しながら、パーツを全交換して、さらには交換できる道具も揃えて、しまいにはホイールの振れ取りできる道具まで買ったりして毎月もらっているお小遣いだけじゃだんだん足りなくなっていったら、いい加減にアキコに説教されたりして。

あのバイクにはいろいろなところに連れて行ってもらったなあ。

お客さんのところにも遠慮せずに汗だくで出掛けてしまったりして、今考えるとなんと失礼な奴なのだろう・・。

富士山も登ったし(ほとんど押したけれど)、丹沢あたりもぐるぐるぐるぐるよく走ったなあ。

そして、あのバイクは今島根で「まる木工所」という屋号で頑張っているテライ君にあげちゃって、まだ彼の手元にあるのだろうか・・。

ちょうどあの頃、工房内でもちょっとしたバイクブームになったことがあって、みんな形の良い小径車に乗って通勤してきていたなあ。

これはバイクラックでも作っちゃおうか、なんて思っていたらみんなここを飛び出てさっさと独立していってしまった・・。

数えると、7人ほどが独立して方々で工房を構えて頑張っているのか。

そうかそうか、あれから20年か。

この季節に走っていると、工房から家に帰る道の途中の田んぼの間から流れてくる焼かれた稲わら(だろうか)の香ばしい匂いと少し肌を刺すようになってきた夜風をよく思い出す。

エスケープの次に手に入れたこのFUJIのバイクももう19年になる。

気持ちが良いからね、これからも乗り続けていくと思うよ。もう1台あるしね。

ナラのセパレートキッチン

2025.10.14

マイズミさんからご依頼頂いていたFさんのセパレートキッチンの取付の日でした。

心配だったお天気は、時折、細かな雨粒がフロントガラスをわずかに濡らす程度にとどまり、葉山まで走り終えた頃には変わらず雲はそこに居りましたが、雨がやってくることはありませんでした。

ほっと一安心して、合流のタイミングがずれてひと足先についてしまった私は、取り急ぎ現状を確認しておかないとと思い、さっそく室内に。

「おはようございます。キッチンの取付に伺いました。」

「ああ、イマイさん、おはようございます。」

先日の打ち合わせで顔合わせさせて頂いた佐藤さんが顔をのぞかせました。

「ガス管の位置が干渉しないか、確認してもらえますか。」と佐藤さん。

「分かりました、見ておきますね。」

ガス管も重要なのでしたが、それよりも今回はシンク側のキッチンの奥行が結構大きいので、階段から搬入できないだろうことは分かっていたのですが、念のため真っ先に確認したかったのです。

さっそく階段に向かうと、おお、どうにか行けそうだぞ。と喜んだのもつかの間、掃き出し窓から寝室を通してもその先に寝室の出入り口がちょっと狭くて通すことができないことが分かり、うーん残念・・。ガス管はどうにかなりそうでしたが、搬入は困難になりそうだなあ。

遅い夏休みを取っているワタナベ君が居ないので、3人でバルコニーから荷揚げをしなくてはならないのです。幸い足場が掛かったままだったので、これをうまく利用してあげられるはず。

間もなくノガミ君とヒロセ君を載せたトラックが到着して、若い大工さんが「うちの車を動かすからトラック横付けしてくれてよいよ。」と笑顔で言ってくださって、どこか和む時間。と思うのもつかの間、ヒロセ君は足早に干渉する足場をばらして、ノガミ君と段取りの打ち合わせをしていざ荷揚げ。

けっこうコンパクトなキッチンなのですが、そのシンク側の引き出しのあるキャビネットは、今回ナラの無垢材を使ったサイドパネルがついていて、さらには引き出しのスライドレール(最近のレールは重い)がついているキャビネットはなかなかの重量。荷揚げが困難な場合はそれぞれを外すことも覚悟していましたが、そうすると工房で仮組みした通りに戻すのにかなり時間が掛かってしまうので、このまま上げたいところ。

せーの、で息を合わせてどうにか上げることができて一安心。

ここからは仮組みした通りに戻していく作業で、ガス管を通す穴も問題なく開けられそうなので、あとは二人に任せて私は先に工房に戻ることに。

海岸線沿いも少し涼やかで人通りもまばらな印象。少しずつ秋が深まっているのですね。

夕方、二人が戻ってきて、無事にコンロ側キッチンの設置が完了したとのこと。あとは、頃合いを見てラタン張りの建具を持って、シンク側キッチンの設置に行く予定です。月末あたりには完成するかな。

たのしみです。

そして、今週後半の大きなキッチンの設置に今から少し緊張しております。

タモのペニンシュラキッチンと背面カップボード

2025.10.14

「調理道具の量が多いのですね!」と、アキコと二人で驚きながらCさんにお伝えすると、少し照れくさそうに「そうなんです、ふふふ。」とにこやかにおっしゃっていました。

ダイニング側の収納はまだまだ余裕がありましたが、キッチンとカップボードのほうは使いやすそうにきれいに並べられた道具たちがぎっしり(言葉通りぎっしりと)きちんとしまわれておりました。

おぉ、これほどしっかり使っていてくださると、この複雑な形を作らせてもらった甲斐があるというものです。

「正直、ここまで大きなキッチンなんて普通の家庭に必要なのだろうかってずっと思っていました。」と微笑みながらご主人。

「でもこうして過ごし始めると良いものです。テーブルに座っていてもキッチンに手が届くから、ヒョイってお皿も置けてしまう。便利だし心地よい作りです。ほんとうに良いものを作ってくださりありがとうございました。」

オイル塗装のお手入れの方法とステンレスのお掃除の方法などをお伝えした後にお茶を頂きながらいろいろな思いを聞かせて頂いていると、良い風が入ってきました。丘陵地域の集合住宅ということで、気持ちよく風や日差しが差し込んでくるのです。

風の吹いてきたほうをのぞきますと、リビングのそこかしこにはCさんが集めたアンティークなものたちがひっそり心地よさそうに佇んでいます。だから、ここが心地よいのか。

しばらくすると、このタモの淡い色みが少しずつ褐色を帯びてくるでしょうから、その頃の様子もまた楽しみですね。

ブラックチェリーのキッチンアイランドカウンター

2025.10.11

雨が心配でしたが無事に納まったという報告をノガミ君とワタナベ君から受け取りました。

今日は調布のEさんのリノベーション工事が完了したということでチェリーのアイランドカウンターの納品だったのです。

シンプルな形に見えますが、場所によって奥行きを変えてキッチン側からの収納で不便が無いようにと見えない部分で手の込んだ作りとなっています。

本日午前中に打ち合わせにいらしてくださった寒川のKさんがキッチンに選んだ樹種もチェリーで、最近は良く選ばれることが多いのです。

今はまだ若々しいのですが、1年も経つと色みが深く増して、美しい光沢も現れます。それがまた楽しみですね。

itotowaratoさんこんにちは

2025.10.10

しばらく前にお酒が入ってほろ酔いになったまま布団を敷いていたら派手にぶつかって崩れてしまった「」。

ああ、itotowaratoさんに作ってもらったものなのに、しまった・・。

そのようなわけで、修理の相談させて頂きましたら、「端の部分が避けてしまっているので、部分的に直していくのはなかなか難しそうですので、新しく形を作ってみますので、少しお待ちくださいね。」と優しいお言葉。

そして、できあがりのお返事を頂きましたので、本日アキコと二人で久しぶりにお会いしてきたのでした。

itotowaratoさんは、6年前にキッチンを作らせて頂いた「さらさら光る」のMさんです。ちょうど私たちが戸建て住宅に越した時に同じ年にMさんのリノベーションしたマンションで新しい暮らしを始められたのでしたね。

あの時の工事はなかなか大変で無事にお引き渡しが終わった時はMさんと一緒にホッと胸をなでおろしたものでした。その施工会社さんはやはりもうなくなってしまいまして、当時の職人さんたちとも連絡がつかない状態で、そのような状況で上吊引き戸の建具の調子が悪くなってしまったとお聞きしていたので、その調整も一緒に。

運よく破損はしていなかったようで、ソフトクローズのパーツがレールの中で脱落してバラけていただけで、そのパーツもゴロっと一緒に落ちてきたので、あらためて組み直して修理完了。

大ごとにならずによかった。

キッチンは今もとてもきれいに使っていてくださっている様子がよく分かり、ナラの色はもうすっかり赤みがついて濃い色になっております。

そして、隣のリビングには、小さなアトリエがありました。この小さな場所で、あのファンタジックな作品たちが生まれているのかあ、とうれしくなりました。

今度は大切に扱います。でもまた何かあったら相談に載ってもらえるとうれしいです。

Yさんのキッチン対面収納

2025.10.10

ワタナベ君が早々に完成させてくれたYさんのL型カウンター収納ができあがったので仕上がりの確認。

最近木目調のポリエステル化粧板やメラミン化粧板を使って家具を制作する、という機会がとても少なくなってきたので、細部の納まりが見えにくい場合があったりします。

化粧板だと突板や無垢材を使って作る見せ方とは少し違ってくるのです。

同じように作るとかえってチープな印象に見えてしまう時があったりして、今回はそのジョイント部分をこの見せ方で良かったのか・・、と少し心配していたのですが、この完成した形を見てやはり良かったと安心しました。

シンプルに見せるだけが美しさにつながらない時もあるってやはり思っているのです。

曇り空

2025.10.07

免許の更新があるので海老名警察署まで出かけていた。

今の更新ってスマートなのね。てっきり交通安全協会まで書類を持って歩いていくのかと思ったら、警察署だけで申請、更新が終わっちゃった。

途中でアキコから「少し気分が良くないの。」とラインが入った。

帰宅すると、夜遅いバイト明けで顔がモジャモジャのハルが朝ご飯を食べていた。

「お母さん大丈夫そう?」と聞くと、「うーん。」とハル。

にわかに掃除機をかけながらアキコが降りてくる。

「おかえりー。」うーん、声は明るくつくろっているけれど顔が白い。

「きっと昨晩冷えたのだと思う。」そうかもしれないね。私は昨晩くらいでも夏布団をかけていると汗かいてしまうくらい暑がりなのだが、アキコはもう首巻までしてネルシャツまで着こんで寝ているけれども寒いのだ。すまないねぇ・・。

ハルも学校に出かけた頃には、次第に熱が出てきてしまったので、「上に戻るね。」と再び静かな時間。いつもあれだけ賑やかなリビングなのが嘘みたい。

二人で数日分の買い出しに行く予定だったのをとりあえず一人で明日の分までの食材を買いに近所の食品店に。いつもはアキコと二人来ているところに一人で来ることにドキドキしながら、パスタはあそこで、ひき肉はあのあたりだよね、でもその前にここに豚肉があるのだよ、なんて思いながら支払いを済ませて彼女に教わったようにお肉のパックは表同士で重ねて、保冷のものは保冷バッグに詰めて、なんてやっていたけれど、日々暮らすってこういうことなのだろうね、とあらためて感じる。

この町に住んでいるけれど、私はこの町で暮らしていると言えるのだろうかと時々思いが希薄に感じる時があって、みんなの暮らしに携わる仕事についているのに、毎日をきちんと過ごすことができているのだろうかと。

「お鍋なら食べられそうかな。」とアキコが言っていたので、今日は鍋だ。

家に戻ると、チィが食材の片づけを手伝ってくれた。テスト期間が始まったと言うことで帰宅が早いのだそうだ。

ハルチィが小さな時のほうがもう少し長く家にいる時間があったかなあ。

帰り道、その小学校のそばを通ると子供たちが両手に旗を持って一生懸命ダンスの練習をしていた。そうか、もうすぐ運動会だね。

Mさんのナラの食器棚とキッチンカウンター下収納

2025.10.06

Mさんの最初の食器棚を作ったのが今から約10年前。

いろいろなものを「再発見」 鶴見 M様】

ご夫婦二人とも自宅で仕事をする機会が増えてきて、今までの暮らしだとお互いの仕事がぶつかり合ってしまうかもということでこの丘の上の住まいに移ってきたのだそうです。

ただ、以前のキッチンよりコンパクトになってしまったこともありまして、今回は食器棚と一緒にキッチン対面のカウンター下収納も一緒に作らせて頂いたのでした。

前回はナラそのままの色で仕上げたのですが、今回は住まいの内装に合わせて少し濃い色にまとめて落ち着いた印象に。

奥様が「もう、ミリ単位で考えましたので、ぎっしりですよ。」という引き出しには、高さがすれすれになるくらいにきれいに食器が納まっていたり、カウンター収納の上には息づかいが感じられるようなものたちが鎮座していたりと、朗らかなMさんの暮らしそのままの様子が現れておりました。

Mさん、ありがとうございました。

籐の扉

2025.10.09

Fさんの籐の扉を制作中のノガミ君。いよいよ籐を張っていきます。


水につけて柔らかく扱いやすくした籐シートを張っていきますが、均一なテンションで固定していかないと、この網目の形が変形してしまい美しくありませんので、気をつけなければいけません。
この網目は「カゴメ」。人気がありますよね。
とてもきれいに出来上がりましたので、ショールームでどのような見え方になるかダイスケさんと共に写真を撮らせていただきました。


とてもいい雰囲気です。すてきです。我が家の扉のどこかも変えてみたくなりますね。
Fさんのお家に納められた様子が楽しみです。

古窯レンガの草目地:1年半後

2025.10.06

旗竿地の竿部分をレンガ敷きにしましたが、日陰だからか道路に向かって傾斜があるからか、なかなか根付かず、我が家には合っていなかったのかなと思いかけましたが、土を足して、種を発芽させてから植えて、毎日水やりして、やっとフサフサになってきました。1年半かかってやっとやり方がわかりました。

お家の植物が元気な様子はうれしいですね。

この写真はダイスケさんが撮ってくれました。水やりの後暗くなってくるとつややかに見える様子も雰囲気があって好きです。

表面がつるっとした煉瓦も混じっているので、歩くときは注意が必要ですけどね。