2025.03.01
前回、2月中旬に設置工事に入らせてもらったIさんの現場に再び。1階の床が全面タイル張りなのでタイルが施工される前に取り付けられるものをつけておこうということで。
今回の取付はシンプルな納まりのものが多かったので心配は少ないのですが、気になっているのは、次回3月半ばに取付する予定のタイルの壁面に取り付ける家具たち。タイルの穴開けってなかなかおっかなくて、タイル用のキリを使ってもすぐに切れなくなっちゃうし下手すると割れや欠けが出ちゃう。特に磁器のタイルになるので、今までも割った経験のある私から見るとおっかないわけです。
それで、タイル絡みのところだけでも先行してタイル施工前に取り付けられるかなあ、なんて思っておりまして、ワタナベ君がタイル屋さんに相談していたのですが、タイル屋さんとても良いお人柄で、「できるけれども小さな入隅が手でカットすることになるから少しラフになるかもしれないよ。」とおっしゃって、そうだよね‥、私たちが後から付ければタイルはきれいに張れるものねえ、と思い悩んで、やはりタイルが張られてから取り付けすることに気持ちを決めました。いずれにしてもタイル後じゃないと施工できない家具もあるわけなので、気持ちを決めてすべてタイル後に割らないようにやろうではないかと。
でもすぐに切れなくなっちゃうタイルキリのことを思うとやっぱり不安で、タイル屋さんにお勧めを聞いてみることに。
そうしたら、タイル屋さん、手を止めて道具を見せてくださいました。
「キリはね、やっぱりすぐ切れなくなってしまうんですよ。だから、ホールソーがいいんです。」
「ホールソーですか!そんなに小さなホールソーがあるのですか・・。」
「はい、こういう形のものです。これをね、振動掛けないで回すんですよ。ホームセンターでも手に入りますよ。」
「なるほど。力で切削するというんもではなく、研磨して削り取っていくのですね。」
ということで、不安がひとつ消えてほっとひと安心。今度試してみましょう。
2025.03.01
先日、Sさんのタモのコの字型キッチンの設置が終わったばかりですが、3月は納品が続くのです。
こちらは技拓さんからご依頼を頂いていたOさんのナラのコの字型キッチン。ナラはランダム張りの突板を使用し、天板には、シーザーストーンの「4004 RAW CONCRETE MATT」を採用。コンクリートの斑紋が表現された天板で、皆様に好まれるカラーでもあります。
「不思議な順番」のJさんや「素直な家」のIさんのキッチンカウンタトップにも採用したカラーです。
そのシーザーストーンが先日無事に届きまして、ヒロセ君がすべて組み上げて本日家具チェック。上品な仕上がりになりました。いよいよ来週取付です。
2025.02.28
我が家の包丁は結婚当初に買った万能包丁3本セットを研ぎながらずっと使ってきました。
お魚をちゃんとさばけるようになりたいなと思いながら、万能包丁を研ぎながら使ってきました。
お魚用の包丁を使えばもうちょっとやりやすくなるのではないか?と思い、購入することを決めたのですが、お魚用の包丁と調べただけでもたくさん出てきて、どこの何がいいのかは全く分からず困っていたのです。
(実家で父が使っていた刺身包丁と出刃包丁は大きくて立派な包丁なので、我が家の包丁入れには入りそうにはありませんでした…。)
お料理研究家のヒラノさんのお家に伺う機会があり、キッチンを拝見させていただけたので、お魚をさばくのに使いやすいお勧めの包丁を教えていただきました。
我が家の包丁入れにも入る大きさの物でしたので、購入しました。
松井刃物さんの包丁。モリブデンステンレス製で少し重めでかっこいいです。
いつもは刃先を下に向けて立てて収納していますが、これはしばらく箱に入れて収納していこうかと思います。新しいもののえこひいきです。
早速、鯵を捌いてみましたが、よく切れる分、刃先や向きの運びが影響するのですね、難しい…。練習します。そして、盛り付け方も…。鯵一匹一人分だとお腹いっぱいになりますね。量の配分も、勉強します…。
NHK「教えてウエカツさん」のコーナーが好きでよく観ているのですが、
「捌くのがうまくいかなくて骨に身が残ってしまっても、あら汁にすればもったいなくありませんから。」とおっしゃっていた通り、そのおいしさに残念な気持ちが薄らぎました。
これからはこの方法で、目標はイサキくらいまでのサイズのお魚料理にチャレンジしていきたいと思います。
キッチンに新しいアイテムが増えるとうれしいですし、楽しいですね。
2025.02.23
このところかなり慌ただしくしていて、作業をスムーズに進めるために土日でも誰かしら工房で作業をしている状況だったのですが、ようやく3月末までの予定が見えてき始めたところでこの連休は静かな工房。
本日、都内からKさんがキッチンの相談にいらしてくださいまして、「ステンレスカウンターの天板が熱でボワンってならないように。」というお話が出ました。
私たちが使っているステンレス板は通常は1.2ミリのものを使用することが多いです。コストや面取りのバランスなどを考えてこの厚みになったのですが、それでも以前はボワンってなることがありました。ステンレス板自体に厚いものを置くことは全然問題ないですが、その下につける下地合板を接着する接着剤が耐熱用のものを使っていても熱で軟化することがあったからです。
そこで、それからは接着剤を変えてシリコン系の接着剤を使用しています。ただ、それでも特定のキッチン機器を組み込んだ時に熱の影響を受けたことがあったので、部分的にセメダインのスーパーXを併用したりしています。
これでけっこう天板はしっかりするのですが、シンク自体は1.0ミリで作ることが多いので、ここに熱湯を流すとボワンって言うことがあります。でも、排水管が耐熱ものでも熱湯でストレスを受けるので、できれば、パスタをお湯を捨てたりと熱湯を流す時はお水を流しながら湯切りしてもらえると安心です。
Kさんとの打ち合わせでそういうお話が出たのでちょっと思ったことを書いてみました。
そんな日曜日。写真は、ちょうど昨日横浜のSさんのステンレス天板と下地合板をプレスに入れてシリコンで接着していたのでその様子です。
2025.02.19
関西で設計のお仕事をされているSさんの学生時代の先輩が、今回Sさんのご自宅を手掛けることになったという経緯から、「都内で施工してくださる施工会社さんご存じないでしょうか。」と、キッチンだけではなく会社さん探しのご相談も受けることで始まったことご依頼。
ちょうどその時に内田雄介さん設計のH様邸のキッチンを手掛けていたのですが、その工務店さんの仕上がりがきれいだったことと、HさんとSさんのお住まいが比較的近いこともあって、お話をしてみたのです。そうしたら、とんとんとお話が進みまして、その施工会社さんである諫早建設さんがSさんのご新居を手掛けてくださることになったのでした。
そして、昨日と今日でおおよその取付が完了したのがこのタモのコの字型キッチンです。今回はリボスのタヤというシリーズでタモにしっかりとした色を入れています。環孔材なら色も入れやすいだろうと安易に思っていたのですが、突板と無垢では色の染み込み具合が大きく違って、なかなか着色の仕上げに難儀した部分がありましたが、こうしてきれいに納まりました。あとは、細かい作業を終えればすべて完了する予定です。
来月にはお引き渡しになるということで、全体の様子がもうすぐで見られます。
2025.02.19
ちょっと変わった機能金物を組み込んだ食器棚を作らせて頂いたHさんの記事と、
「矛盾した心地良さ」藤沢 H様
ナラのランダム張り突板とグレイジュの化粧板を使ってとても良い表情に仕上がったOさんの食器棚の記事と、
「小さな積み重ねがその人の形になっていく」世田谷 O様
4年ぶりに再会できたKさんのキッチンとそして新たに作らせて頂いたダイニングテーブルの記事の
「懐かしく思い出深く」草加 K様
3つのオーダー家具とオーダーキッチンの制作例をを掲載しました。
お時間ございましたらご覧頂けるとうれしいです。
2025.02.17
先日、設置工事が完了したNさんのキッチン。今日はいよいよそのお引き渡しの日でした。
包丁差しの取付位置をお持ちの一番長い包丁に合わせて取り付けましょう、ということで、無事にお引き渡しが終わったこのタイミングでお邪魔させて頂きました。
私もアキコも完成した姿をきちんと見るのは今日が初めてでしたが、うれしさよりも引き戸の反りが出ていないかどうかが私にとっては一番の心配でした。引き戸を取り付けたのは完成見学会が行われる数日前でしたので2週間ほどこのままになっていたはずですし、今の時期はけっこう乾燥していますからね。
すでに「幅の広いサイドパネルは少し縮んでいました。」って先日引き戸を取り付けてきた後にノガミ君から聞いていたので、取り付けるまで約1か月間ショールームで養生させていた引き戸でもちょっと心配だったのです。
「こんにちは、Nさん。」
「あっ、イマイさん!このたびはありがとうございます!どうぞ入ってください。」とNさんが招いてくださったリビングには試運転ということでペレットストーブがホクホクと焚かれていました。おぉ、これはより乾燥してしまうのでは・・。
と心配したのですが、引き戸は問題なくきれいに納まっておりました。ほっとひと安心したのでございます。
しかし、この環境になじむまで1年間くらいは様子を見てみないといけませんね、とNさんにお伝えしながら、包丁差しを取り付けて、浄水器をつないで無事にすべてが完了。
次はお引っ越し後にお邪魔させて頂きますね。
ありがとうございました、Nさん。
2025.02.16
先日、岡山県からの来客があったのです。私にとって、とっても特別な存在、kitobitoさんです。
kitobitoさんとは、お問い合わせをいただいたお客様の中で私たちでは遠方過ぎて対応が難しい方をご紹介させていただいたり(自分たちが勝手にしていたことなのですけど)、また、kitobitoさんが関東方面からお問い合わせがあり、自分たちの所では対応が難しい場合に私たちを紹介してくださったりする関係でした。
今までお会いしたことは一度もなくて、Website を拝見してご夫婦で運営されているので、勝手に親近感を持ってファンになり、SNS上でもフォローをさせていただいたりしていたのです。
今回奥様が東京まで来る用事があったとのことで、私たちの工房をに寄る時間作ってくださり、お会いすることが実現したのでした。前日にお電話をいただいた時には、自分たちが会いに行くことはあっても会いに来てくれることなんてないだろうと思っていたので、「はい?」と突然のこと過ぎて失礼な対応になてしまっていたかもしれません。すみませんでした。
ショールームと工房をご覧いただいて、制作中のキッチンや家具を見ながら、色々なお話をすることができました。ダイスケさんは現場から帰ってきてその後塗装屋さんへ行かなきゃいけなっかたので、ご挨拶を交わすだけでしたが、工房や現場での具体的な作業の様子はヒロセ君がお話してくれました。
私たちの会社の様子で大丈夫なのだろうか、と心配になったのですが、後日「ありがたい時間でした。」とメールをいただいたので安心しております。
同業者の人がわざわざ会いに来てくれるのってうれしいのです。数年前にsync-furnitureさんが来てくださったときも、同じようにキッチンや家具を作ることを生業として頑張っている人たちがいるのだ、と元気をいただきました。ありがとうございます。
米戸さんから、お土産にきびだんごと調味料をいただいたのですが、これからもお互いに頑張っていきましょうね、とエールをいただいたと思っています。
桃太郎のサルやキジや犬も、別にきびだんごが食べたいだけで桃太郎について行ったわけではないですよね。桃太郎が鬼退治に行くという目的について行ったと思います。
スタッフみんなで分けていただきました。ごちそうさまでした。
これからもお客様の望むキッチンや家具を形にして届けていくという目的に向かって進み続けていけそうです。すてきな機会を本当にありがとうございました。
次回は私たちが機会を見て伺います!その時はよろしくお願いいたします。
2025.02.16
今年のヴァレンタインデーのメニューは、ハル作成のクッキーシューと3種のチョコ、チイと私で焼いたシンプルチョコレートケーキでした。
ハル「私サークルの合宿行っちゃうからヴァレンタインデーいないんだよね。何がいい?」
ダイスケさん「何でもいいよ。」
私「シュークリーム!」
ということで、聞かれていないのに答えた私の案が採用されました。
チョコは、ラム酒とソルト入り・いちご・マーマレードジャムが入ったホワイトチョコの3種類でどれもおいしかったです。
アルバイトとダンスサークルの練習時間の合間を縫って、動画を見ながらさっと作れるハルの身軽さと技術が羨ましいですね。タイミングが合わなかったので作っている時の写真が撮れなかったのが残念ですが。
そして、初めてチイと焼いたチョコレートケーキ。
ご存じの通り、我が家は長女ハルがお菓子作りが得意でよく作っているの環境なので、次女チイはやり辛いだろうなとは日頃から思っていたのです。機会をみて聞いても「私はいい。」という感じでしたし、ダイスケさんに言わせると、私とハルがキッチンでやんややんやとしている中には入りづらいよ、と言われる環境なのでした。ごめんね…。
チイひとりで家にいる時には台所を使っているようでした。
今回ハルが合宿に出かけて留守でしたので、やってみようと思えたようでした。
その日、材料とレシピ本をテーブルの上に出しておいたのです。
チイ「お母さんケーキ焼くの?」
私「うん。一緒に焼く?」
チイ「ううん。」 一回目断られる。
各材料を計量して、卵とバターを室温に出して置いていると、
チイ「これから焼くの?」
私「うん、やる?」
チイ「…。(うなずく)」 二回目で同意。
うーん…、私はチイの性格やこのペースをわかっているのでよいのですが、高校生活では最初の声掛けで答えられないと色々なチャンスを逃す気がするので心配になりますが、これも彼女の性格なので仕方がないですよね。
今までも興味はあったようなので、参加しづらい環境にしてしまっていて申し訳なかったのですが、今回一緒に作れてよかったです。何より私が楽しかった。チイもできるじゃんと確認できましたし。
これからも機会を見ながら一緒に台所の立つ機会が増えたらいいなと思います。
そんな我が家のヴァレンタインデーだったのでした。
2025.02.15
一昨日から始まったSさんのキッチンの工事。
今回のSさんからの依頼はちょっと変わったものでした。新築の時に作ったキッチンの壁付けのほうはしっかりした収納を作ったのだそうですが、このペニンシュラカウンターのほうは予定していた作りを簡素化して収納を作ることなく今まで使い続けてきたのだそうです。
そしてこうして長年使っていてやはり収納がないと使いにくいと思えてきて、その施工会社さんにあらためて相談したらできないと言われてしまったのだそうです。その理由は聞かせて頂かなかったのですが、Sさんからお送り頂いた写真を見てみてもそれほど難しいことでもないと思えたのですが、少し残念な話です。
でも、おかげでこうしてSさんと私たちの接点ができまして、いよいよ先日から設置工事が行われたのでした。
昨日の日記にも書いたのですが、シンクに独立した洗剤ポケットがついていて、メインの排水管とは別にポケットから細い蛇腹の排水管が来ていたのを私はうっかり見落としていて、初日の作業で、設備屋さんに「あれっ、ここにも排水が来てるね。」と言われてドキッとなったのでした。
伊藤さんに用意してもらったのは通称KITと呼んでいる浅型のトラップで、細い排水管をつぎ足すことはできません。
「どうしようかねえ・・。」と伊藤さんと設備屋さんがいろいろと考えてくださった結果、使われていなかった食洗機の排水管を利用して小型のトラップを経由させることで、問題なく蛇腹の排水管をつなぐことができたのでした。良かった。
良いアイデアがなかったら、家具も一部作り直しになっていたし、工期も延びてしまうところでしたので、お二人のアイデアには本当に感謝しております。
そうして、翌日制作を担当したヒロセ君とノガミ君が無事に収納を据え付けて、その翌日である本日、再び伊藤さんと設備屋さんに来てもらって無事に配管を接続して完了したそうで、伊藤さんからの作業完了の報告よりも早くSさんがショートメールでうれしい言葉を添えて作業完了のご連絡をくださいました。
ありがとうございました、Sさん。
2025.02.14
ご依頼が重なっていろいろと作らせて頂いておりました家具やキッチンたち。昨年から作り続けて今年も1月はひたすらみんなで作り続けて一度の納品に行く機会がなかったのでした。
そろそろ、作業場も、倉庫も、ショールームの半分も、みんなが日報を書く食卓テーブルまでも、できあがった家具たちで埋め尽くされつつあり、そろそろ作業するスペースも無くなってきてしまいそうなタイミングでようやく納品の機会がやってきました。
そしてワタナベ君が手掛けるIさんの家具たちを先日取り付けてきました。
このIさんの家の設計は、久しぶりにお声掛け頂いたシキナミさん。施工はこの度初めてお世話になります茅ヶ崎の大勝建設さん。監督さんと大工さんがとても丁寧に段取りしてくださったおかげで、まずは無事にタモで作るクローゼット内の収納家具やパントリーの棚などを納めることができました。
Iさんの家具の量がたいへん多いもので、この納品が終わって休む間もなくシンプルな飾り棚をひたすらワタナベ君は作り続けております。新しくなったハーフェレのテープライトをうまく納める工夫がこの飾り棚の難しいところで、配線計画を練りながら作り進めております。
そして、昨日からkotiの伊藤さんにご協力いただいて少し変わった家具の設置を行なっております。昨日、今日、そして明日で工事が完了する予定。
昨日は現状のキッチンシンクの排水管の構造でうっかり私の見落としがあって、「これは作業が遅れてしまうかもしれない‥。」となりそうなところを伊藤さんと設備屋さんが工夫をしてくださってうまく配管のルートが取れるように考えてくださり、ほっと一安心。そして、今日はその家具の取付に制作を担当したヒロセ君とサポートでノガミ君とで作業に入らせてもらいました。私は無事に納まりそうな様子を確認したら先に戻らせてもらいましたが、クライアントのSさんは搬入の時からとてもうれしそうに見ていてくださり、私たちもうれしくなったのでした。
昨日の三鷹はそれはもう寒風が吹いておりましたが、今日は暖かいのでした。
2025.02.10
T-SITEで湘南料理塾を開催していたカラコルフードネットの平野さんがたまたま私たちのキッチンを見てくださったのが最初のきっかけだったのだそう。
カラコルフードネット
https://caracolfoodnet.com/
ちょうどあの時、「湘南料理道具市」にキッチンを出させて頂いていた時でした。私たちにとってはとても大胆でうれしいご提案を頂いて、1ヶ月ほどキッチンをいろいろな皆様に見て頂けたとても良い機会だったのです。
そこで見かけた私たちのキッチンの印象を、家作りが始まった当初、建ててくださる加賀妻さん(素敵な出会い)から私たちの名前を聞いて、そういえば・・と思い出してくださったのだそう。
うれしいです。いろいろなパズルのピースがきちんとその場所に当てはめられていくような不思議な感覚。何も知らなかったのに、こうしてすべてが知っていたところに納まっていくのでした。
そして、昨日はそのキッチンの様子を拝見させて頂きにアキコと二人でお邪魔させて頂きました。
つい先ほどまで教室が開かれていたというそのキッチンはホクホクして見えました。木の表情が良く見えるキッチンと違って無機質に見えがちな単色のキッチンはやはりこうしてその人の色が入ると途端に鮮やかさで圧倒されるくらい美しいのです。
なんというかとても居心地の良い教室。暖かな毛布にくるまれているような空気感というのかな。
平野さん、ご主人、そしてご主人のお母さまもご参加くださって、その3人の様子が丸々映し出されたような温かなキッチンになっているのだなあ、とあらためてうれしく思ったのです。
平野さん、ありがとうございました。
2025.02.10
そうそう、やっと日常に落ち着いたので。先日アイが入院したのでした。
写真の手前のずんぐりしたシルエットはチャロ。まだシロが元気にここに通っていた頃に仲が悪いのによくここにきてはご飯を食べていたっけ。時々撫でさせてくれたけれど、ポンポンと弾力のあるお腹が特長でした。
その奥に映っているのはアイかなあ。でもおでこに一文字の模様がないから、隣の畑あたりに住んでいるアイそっくりの子だろうか。そうするとその奥にぼんやり映っているのがアイかな。
アイはいつからここに来たのか忘れてしまいましたが、この写真は2014年。ほかに写真を見返すとショールームで撮ったものがあってそれは2015年。この頃にはもう生後半年から1年くらい経ったような大きさに見えるから、今は11歳くらいなのだろうか・・。人間でいうと私よりも少し年上なくらいかな。
アイは最近夜通し出かけてしまうことが多く、ネコはネコ、ヒトはヒトでよいと思っているので、放り出したまま工房を閉めて帰ってしまうのですが、翌朝になるといつも元気に帰ってきて、ご飯を食べてひと眠りをしたらまた日なたに向かって歩いて行ってしまう。気ままに様子が私は気苦労無しでよいと思うし、アイもストレス無しのように思える。
しかし、朝、出社するとアイの声がどことなく小さい。鍵を開けるといちおう元気に一緒に階段を上がって行ったのだけれど、よく見ると口の周りがもさもさしている。
なんだ毛束でもくっついちゃっているのか、なんて思ってぬぐってやるとそれはよだれで口の周りがガサガサに濡れていたものだった。
どうしたの、と聞くと、どうやら口が閉じられないらしい・・。なんだろうと思って口の周りを開けてみたり顎を触るけれどよく分からずアイも特に反応しない。しかしよく見ると犬歯の1本が少し内側に曲がっていてそれが口を閉じようとすると下あごに当たってしまう。これか・・、なんて思って犬歯に触れたら「ぎゃっ」と大きな声を出した。「ああ、ごめん!」と謝るとすぐにいつものしずかな様子になったのだけれど、口が閉じられないからご飯がうまく食べられないらしくいつものような食欲を見せずにすぐに眠り込んでしまった。どうしよう・・。
「いやあ、もし事故にあったり病気になったらそれは自分で選んだ道の途中で起きてしまったことだから仕方ない。それよりもここに家の中にかくまってしまうことのほうがネコにとってはストレスのように思えてしまって。だから病院なんてほぼ連れて行ったことないのです、はははっ。」と、ネコもヒトもお互いの深く関らないほうがよいのです、なんて猫と建築社さんにも話したことがありましたが、本当はネコを病院に連れていくことが怖いのでした。
もともと、この工房には絶えずネコが出入りしていて、ここに工房を移る前の場所では最盛期は13匹のノラさんが入れ替わり出入りしていた時期もありました。ご飯をあげているだけの間柄でしたが、やはり情も移ってきます。時折来ていたボスネコなんかは、どこでケンカしたのか傷が膿んでそのまま額が割れてしまっているのに元気にご飯を食べくる子だけは貫禄があって誰も寄せ付けなかったのでそのままでしたが、子猫たちが時折具合が悪くなると、やはり苦しそうにしているのはかわいそうでしたので、父と一緒に当時はいろいろな病院に出かけることがありました。
いろいろなというのは、どこの病院で見てもらってもよい結果にならなかったことが多かったからでした。入院中に感染症にかかって無くなってしまった子や診察に連れていったら触診中に痛がってそのまま息を引き取ってしまった子までいました。もちろん先生たちは最善を尽くしてくれたのだと思うのですが、自分がここに連れて来なければもう少し長く生きられたのではないだろうか・・、なんて思ってしまうようになって、病院に連れてくることが怖くなってしまったのでした。
だから、ちょっと具合が悪くなるくらいなら猫だからきっと自然と元気になるさ、と思ってきて、実際にアイは具合が悪くなっても数日でケロッと元気になることが多かったので安心していたのですが、やはりこうして不自由にしている様子を見るとかわいそうだなあ。
そこで、このあたりのネコ事情にも詳しい父に相談して岡田にあるブリスペットクリニックさんに連れていくことに。
「外傷が無くても歯だけがこれほど曲がることもなかなかないので、ひとまず全体を調べてみましょう。」ということで検査をしてもらうとやはり健康な様子。少し食べすぎなくらい。歯が内側に向いてしまった原因は分からないのですが歯茎はやはり少し腫れているようで、悪さをするといけないし、これだと生活しづらいだろうということで抜歯することに。大丈夫だろうか・・
その日の夜はやはり見知らぬネコが夢に何度が出てきました。みんなどこか痛そうに顔をしかめておりました。
翌日は15時頃にはきちんと麻酔も切れるからその頃に来てくださいと言われていたのですが、なかなかね、仕事が手がつかないのです。どうやら私はアイのことが好きだったようだ。
で、迎えに行って結局きれいに歯は抜けて無事に終わったのでしたが、私とアキコの声が聞こえたからなのか、奥のほうから、「おろおろおろー」という声が聞こえてきて。
「とても大人しくて良い子でしたよ。でも全く何も食べなくてちょっと心配していましたが、大丈夫ですね。」と先生も優しく教えてくださって。
そうかそうか、よかったよ、よかったよ。
どうやらアイも私のことが好きなようだ。
無事に工房に戻っておじさん二人は「おろおろおろー」と喜び合ったのでした。
2025.02.08
我が家の食器棚の吊戸棚。
昨年、左側のパントリーとして使用しているキッチン収納棚を整理したのです。
結婚当時、母が嫁入り道具の一つとしてプレゼントしてくれたお重。今まで大事に箱に入れて、お節料理の時にしか使いませんから、パントリーの奥にしまっていたのです。
お客様のお家を拝見している中で、食器棚を開けた時に漆器が見える様子がすてきで、我が家もそうしたいと思い、箱から出して、食器棚の上部にしまうことにしたのでした。
艶っと光が反射する様子と色味が美しいですよね。
収納場所を変えて迎えた今年のお正月。私がお重を探したのはパントリーの中でした。
「あら!お重がなくなってる?」一瞬焦りましたが、すぐ思い出しました。(笑)
せっかく見えるところに置いたのに、普段あまり見ていなかったようです。
今回のことでもう来年からは焦ったりはしないと思います。覚えました。
見えているところにあるのに見ていないまま日々過ごしているのですね。他にもそういうことがある気がしています。
一息ついて周りを見渡しながら過ごす時間を作るようにしていこうと思いました。
2025.01.31
キッチンを作らせていただいたFさんのところにお邪魔させて頂いた時に「イマイさんにテーブルをお願いしたいとおもっているのです。」とお声掛けを頂いておりました。そのテーブルのテーマが「有機的」かつ「天板は一枚板」がよいというお話でした。
私たちの仕事をご存じの人は、一枚板のテーブルの制作例がないことにお気づきだと思います。ダイスケさんに聞くと、接ぎ合わせて天板を作っていく工程と一枚板を削って天板を作っていく工程は違うことも多かったりすることから、なかなかその一歩を踏み出せずにいたのだとか。今回はその良い機会を頂いたのだと思います。ただ、一枚板を取り扱う材木屋さんも限られているし、私たちもあまり詳しくないものですから、どうしようかと思っていたところに日頃お世話になっている北洋木材工業さんから、「銘木をお探しなら三島の谷田木材さんが良いですよ。」と教えて頂いたのでした。
せっかくの機会ですので、Fさんご家族と現地で待ち合わせをして、ダイスケさんに同行して私も倉庫を見学させていただきました。
倉庫に入るやいなや、一枚板が壁を覆いつくすように立てかけられていて、まるで迷路のよう。それぞれの木々が持つ立派な表情には「圧倒的」という言葉しか思い浮かびませんでした。「ここは7~8メートルサイズの倉庫で、あと他にも二つ倉庫があります。」と問い合わせした時に担当してくださったKさんが迎えてくださり、そう説明してくださいました。板の販売だけではなく、加工も請け負ってくださるそうで、テーブル用に契りやレジンで割れを加工したものも見せてくださいました。
こんなに木の種類があるのだな、元はこんなに大きな木だったんだ、なんて立派な木目、その自然に現れたなんてきれいな色、立派な枝が出ていたのだろうなとわかる大きな節。
Fさんの小さいお子さんが風邪をひいてはいけないから、と焚火をして倉庫を温めてくださりその火の熱と煙の匂いがこの空間で私を独特の気持ちにさせてくれます。
日々木を扱う家具屋に働いていながらこんなことを言ってはいけないのですが、切られなかったらもっと生きていられただろうにと申し訳ない気持ちにもなってしまいました。今まで木の生き生きした様子を感じにくい挽いた板の状態は、「樹」というよりも「板」という見え方で工房に届いていたので、こういう気持ちが現れづらかったのだと思います。
そうか、一枚板の魅力はその木が自然にあった姿を感じることができることなのか・・と、今回あらためて気づくことができました。ありがとうございます。
そういう思いを抱きながらも、その表情に圧倒されながら倉庫の奥へ奥へ進むとFさんの思い描く表情を持つ板が現れたのでした。それは「有機的」という言葉が良く合う縮んだ杢目が現れ、勢いのある割れが大きく出ていて、大きさも希望によくあった楓でした。
豪放磊落な社長さんと親身にそばに居てくださった担当のKさん、親切に対応してくださりありがとうございました。
これからこの天板を支える脚のデザインと仕様を考えていきます。
ダイスケさんは仕事の悩みが増えて大変ですが、私はFさんのお家にテーブルが完成するという楽しみがひとつ増えてうれしかったのでした。谷田木材さん、すてきな機会をありがとうございました。
最後の写真はお土産にとくださった槙の木の卵です。ショールームのおもちゃとして活用させていただきますね。
2025.01.29
そう、先日Fさんからお声掛け頂いたのでした。
「ようやく壁も塗り終わって、キッチンをお見せできる状態になりましたので、よかったらいらしてください。」
ということでアキコと二人で再びお邪魔させて頂いたのでした。
とても心地よい空間。杉(かな?)の皮張りの外壁に藁すさの表情がやさしい土壁に大谷石敷きの床にこのキッチン。ちょうど緑は勢いを無くしたこの冬のさなかでもまるで巣の中にいるような感じで温かい。というか私は一人で汗を垂らしながら写真を撮らせて頂きました。
そして、私一人ではまるで思いつかないような2階のミニキッチンの姿もあらためて拝見させて頂きました。Fさんがこの石を選んだ時は大丈夫なのだろうか・・、穴ぼこだらけだ・・と思ったのですが、問題なく使えているようです。
しかし、良い表情。石は良いね。
ちなみに1階はシナイパール、2階は琉球石灰岩のどちらも水磨き仕上げ。Fさんが車を走らせてはるか遠くの加工場までに実際に見て選んだ石です。良い表情。
Fさん、またおもしろそうなことを考えていらっしゃるようで、うれしいけれどちょっと頭を悩ませているところです。
2025.01.29
昨年12月の半ばに設置工事に入らせて頂いたNさんのご新居の工事がそろそろ終わりそうです、という連絡を神奈川エコハウスのI監督さんから頂いて、残っていた仕上げ作業にノガミ君に向かってもらったのでした。
前回から約1ヶ月。そしてお引き渡しまではあと半月くらいあるのでちょっと心配なのですが、今回はクルミの無垢を使ってキッチンを作っておりまして、特に引き戸が動いちゃうといけないということで、戸が完成してから今日までショールームで養生していたのでした。
なるべく反りを抑えられるような作りにはしてあるので、だいぶ動きは落ち着いたかと思うのですが、今日現場に行ってみるとやはりサイドパネルなどはこの乾燥である程度縮んでいました、ノガミ君が報告してくれました。
やはり動きますね。丸1年から2年くらい掛けてその環境になじむまでは様子を見ないといけません。
まずはきれいに納まりまして、今度は完成見学会が開かれて、そのあといよいよお引き渡し。楽しみですが、動きがどうなっていくのか少しハラハラした気持ちでいるのです。
2025.01.26
昨年の暮れに内田さんから、「今度Sさんのところに撮影に伺うのですが、ご一緒にいかがでしょうか。」と打診されていたのですが、その日ばかりは予定が合わなくて、その後なかなかお会いする機会が持てなかったのですが、本日アキコと二人でご挨拶にお伺いしてきました。
「早いものでもう半年ですね。」とSさん。
そうか、あっという間だ。よく見てみるとチェリーの色もすっかり濃くなっている。
「早いですね。」
とつぶやいているそばにSさんの家族であるネコたちがやってくる。アイと違ってなつっこいなあ。そこにいると蜜蝋ついちゃうよ。
手早く、オイル塗装のお手入れの方法と(一か所、彼らがツメでひっかいてしまったところも中目のやすりをあててから研磨し直していくときれいになった)、よくみなさんに聞かれる引き出しの外し方の説明が終わると、Sさんのお子さんと一緒に遊んでいたアキコにコーリアンのお手入れ方法を説明してもらって終了。
とてもきれいに使ってくださっていて、Sさんがうれしそうに使ってくださっている様子が浮かぶよう。
よかった。
最近は、仕事でもプライベートでも県西地域に来る機会が増えたように思うのです。このあたりに来るとなぜだかね、風がとても心地よく感じるのです。
この春も平塚や小田原にキッチンを作らせて頂く予定で、楽しみは続くように思えます。
Sさんが、「夜もきれいなのですよ。向こうに通り過ぎる電車の明かりが写って。」なるほど、詩的な風が吹いている。
2025.01.23
Iさんのブラックウォールナットの家具は着々と完成しております。
1階のキッチンと2階のキッチンは昨年のうちにワタナベ君とタケイシさん(頑張っているかな)が完成させてくれて、テレビボードが昨日完成。そしてみんなで検品。
今回はすべて押して開くという構造なので、見た目はとてもシンプルなのですが、3500ミリ近い長さの突板を目が通せるように用意することや、当初壁掛けの予定だった重さ100kg近いテレビがこの上に置かれることになって急きょ耐荷重を増やす構造にしたりとシンプルながらも手の込んだ作りになっています。
これでブラックウォールナットの作品はひと段落。このあとはタモの作品たちを同じくワタナベ君が手掛けていきます。
実に賑やかだ。
2025.01.21
厳密に言うと、たたき風仕上げの我が家の玄関土間。
暮らし始めて6年間になりますが、約10年前にマンションの一室をリノベーションされた時にキッチンを作らせていただいたTさんご夫婦が新しくお家を建てられるというということで、我が家の見学に来ていたくださった時にお掃除した後の写真です。
本当は毎日ゴミ出しをする前に玄関の掃き掃除をできたりしたらよいのですが、気が付いた時しかできないのが現状です…。
たたき仕上げのメリットは、表面を荒らしてある表情と質感だと思いますが、メリットでもある分、デメリットにも感じられるわけです。クロックスのサンダルは引っかかりますし、普通のほうきで履くと、跳ね返ってほこりが立ちやすいです。
いいほうきはないものかと検索したところ、見つけたのがマーナ(marna)の物でした。
ブラシ部分が短く跳ね返りがほぼなく、立てて収納できるのもよかったです。
見た目や質感お家の材料や仕上げを選んでも、メンテナンスがしづらいとせっかくの表情ときれいさを保てませんから、「こうすれば大丈夫。」という物や方法が見つかると安心ですね。
玄関ドアの下の汚れと、式台の汚れが気になりますね。玄関ドアを開けっぱなしにできる季節が来たら、ここのお掃除をしてみようと思います。その時は、またここでお伝えしていきますね。
2025.01.17
12月にオープンハウスを行なったのですが、その時に都合がつかなくて、それでもどうしても見たいのです、という熱いご要望を頂いていたTさんが先日我が家の見学にいらしてくださいました。
Tさん実は10年前にキッチンを作らせて頂いているのです。
こちらのキッチン。
「オークとステンレスのキッチンの設置がすべて終わりました。」
10年経つとお子さんが大きくなって暮らしかたも変わってきて、もう少ししたらいろいろと考えないと、と思っていたタイミングでとても良い土地に巡り合えたのだそうで、思い切って集合住宅から戸建てへの暮らしに変わるのだそうで、私たちと同じような流れなのだそうです。
巡り会わせなのでしょうね、こういう機会というのは。
そこで設計士さんと一緒にTさんご夫婦がいらしてくださったのでした。うれしいことに、キッチンを作らせて頂いてからずっと私たちの暮らしをブログやインスタグラムなどで見てくれていたのだそうで。
私としてはえんじ色(だったかな)の懐かしい作りのエントランスと広々した間取りの手作りな空間と、そして、目の前にあった床の下に電車の模型が走っているインド料理屋さんでニコニコ微笑む3人の店員さんに見つめられて「おいしい?おいしい?」とにこやかに尋ねてくる中で美味しくカレーを美味しく食べたことを懐かしく思い出します。
そこで出て今度はどのような場所に移るのでしょう。
「またイマイさんにお願いできるようにいろいろと考えております。」とうれしい言葉を頂きました。
10年か・・、あっという間でしたね。
2025.01.17
稲城のSさんのキッチン。
ノガミ君が手際よく進めてくれて今日家具チェックの日。
今回使用した材はタモ。ですが、Sさんのご希望で結構しっかりと色を入れているのです。
当初は、着色の時はいつも塗り慣れているワトコオイルのチェリー色で塗装する予定でサンプルも作っていて「よし、この色で行きましょう。」と話がまとまっていたのですが、いざ塗料を取り寄せるタイミングになったら、長期欠品だそうで北三さんに問い合わせたら、今しばらくは手に入らなそうな気配・・。
ということで、急きょ他の塗料を試すことにして、決まったのがリボスのタヤというシリーズ。かなりしっかり色がのるのですが、なかなか色合わせが難しい。基本的に調色は向かないのがオイル塗料ですので、塗り方で調子を合わせるしかないのであります。
突板のほうはけっこう色が入るのですが、無垢はね、なかなか定着しない。そこで昔よくやっていた方法でひと工夫しながら進めていますがうまくいくといいな。
来月には取付の予定。
ワタナベ君もヒロセ君もそれぞれ大きなキッチンや家具に取り掛かっていて、年始からかなり慌ただしくしております。
2025.01.15
愛しのわが娘ハルは今年二十歳になりますので、成人式の日に市のイベント「二十歳の集い」に参加してきました。どういうものか経験がないので知りたい気持ちもありました。
私は中高一貫校に通ったので、一番仲の良かった友達も引っ越してしまいましたし、もう誰も覚えてはいないだろうと参加はしなかったのですが、
地元のお友達が多い兄がそんな私を気の毒に思ったのか、新宿に住む母方の祖母に七五三の着付けをしてもらい穴八幡宮にお参りに行った経験から、祖母に晴れ着姿を見てもらいたいというリクエストを兄が車を運転してくれて叶えてくれたのでした。今振り返るとそんなわがまま聞いてくれて、兄に感謝しなくてはいけませんね。
さて、ハルの話の戻りますが、
「着付けの予約、遅くなると3時おきになるよ!」とハルのダンス仲間のママ友達が早めに声をかけてくれていったので、1年半以上前には予約を取りました。次女チイの卒業式でもお世話になった地元の「スタジオありがとう」さん。古くからある場所で、そんなに大きい場所でもないので目立たないのですが、「こうしてほしい。」というリクエストを叶えて仕上げてくれる腕は確かで、ハルも「あの人たち、すごいんだけど。初めて見せた写真通りにしてくれた。」と前撮りの時から感動していました。
10時半からの式典で、8時半に来店くださいと言うことで、6時起きでしたので、いつも通りに行動できました。
ハルは、前撮りとはヘアアレンジを変えて生花を飾りたいということで、お花屋さんで事前購入して準備しておきました。桜とカラーとラナンキュラス。そのままでは使えませんので、ヘアアレンジにつかえるように、当日の朝ワイヤーとフラワーテープで加工していました。うまくいってよかったね。
会場に行くと、生後数か月からの幼馴染、小中と共にしてきたこの群像。みんな立派に大人っぽくなって、親と一緒にいないと面影がない子もいて驚きましたが、みんなの姿を見て、この日を迎えるまでもみんなそれぞれのドラマがあったのだろうなと思うと、素晴らしいことだなと思い勝手に感動していました。観に行ってよかったです。
午前中で終えた式典から、午後の中学校の同窓会までは時間がありましたので、近くの公園に行って写真を撮りました。通りかかった人に「おめでとうございます。」と声をかけていただきうれしかったです。
同窓会で夕ご飯を食べて帰ってくるだろうと3人で食べていたのですが、
「これから帰ります。全然食べられなかったのだけど、家に何かある?」とハルからLINEのメッセージが入り、普通のオムライスのメニューが記念日ディナーとなってしまいました。
仕上がりにきれいさよりもスピード重視で、自分で卵焼いて、せめて、とでっかく「20」と書いていましたけど。(笑)らしくていいよね。そんなあなたが大好きだよ。
ちゃんと20歳の誕生日にはお祝いディナーにしようね。
そんな我が家の成人の日でした。
2025.01.12
父が居なくなってから初めてのお正月でした。昨年のお正月も父は入院中でしたのでみんな揃ってお祝いすることはできす、命日も1月中旬なので、今までとはお正月を迎える気持ちが変わりました。
やっぱり寂しいですね。
両親ふたりでしていたお正月準備も母一人でするには大変なので、家族が集合する前日にダイスケさんとお手伝いに行きました。
食事の買い出し、神棚を整えること、
飾りの間仕切りやお正月だけ飾る富士山の絵とお屠蘇の漆器の用意は年に一回しか出しませんから、屋根裏収納にしまわれていました。母は気を付けながらまだできるから大丈夫と言いますが、ひとりでやって階段から落ちては大変ですから、兄とも話して、収納場所を変えていくことにしました。そして、もう屋根裏収納は母が使わなくてもいいように片づけていくことにしました。
その収納場所があっても、暮らす本人の状態によっては使わなくなることがあるのだなと改めて感じました。
「もう使わなくたってそこにあるだけでいい。」という母の気持ちもあると思いますから、物をなくすことを目的にせず、ひとつずつ話しながらよい状態に進めていけたらいいなと思います。
新年のご挨拶で家族が集まった時には、母がお節料理を用意してくれて、父が注いでくれていたお屠蘇も、両親の出身の岩手県のソウルフードのくるみ餅もちゃんと用意して食べ、思い出話をしながら楽しく過ごすことができました。
そして、昨日一周忌がありました。母が体調を崩すことなくこの日を迎えられてよかったです。
一昨年に父が体調を崩し実家へ足を運ぶ機会が増えてから、そして、父が亡くなり相続の手続きが始まってから、結婚してしばらく離れて暮らしていた両親の暮らしと、父の79年を知る機会となりました。
生前父がお世話になっていた会計士さんに引き続きお願いできて安心だったのですが、話には聞いていましたが、色々な書類を集めたり、手続きをしに出掛けたり、大変なのですね。
平日に動けないと無理なことが多かったので、勤務の調整が難しい人は厳しいことなのではないかと思いました。どの施設や会社の担当の方も親切に対応してくださったので、本当に助かりました。
「相続税の申告・納付は亡くなられたのを知った翌日から10か月以内。」という決まりで、父が書き残してくれたものもあるし、母もしっかりしていて父の情報も知ってるし、なんて思っていたのですが、結局期限ぎりぎりとなってしまいました…。担当してくださった会計士さんの返事はとても速く、頭の切り替えがうまくない私にとっては費やす時間が少なくて済んで、とても助かったのですが…。
とにかく無事に終えてよかったです。
父は、パソコンでやり取りするIDやパスワードをすべてノートに書き出してくれていたのは助かったのですが、独自のパスワードではなく、推奨するパスワードを選択して父の手書きでノートに残してあったので、アルファベットの小文字のnかhかわからなかったりしてとても苦戦しました。娘も解読不能のある意味最強のセキュリティでしたが(笑)、手書きでは残さない方がよいなと思いました。
父が遠洋漁業の航海士から定年で下船して、小型船舶免許の講師をしていたのですが、日報として書き記してあるノートが何冊かあり、そういうものを目にすると感動します。ただ、「父が船で働いている。」という漠然としたことしか知りませんでしたから、こういうことをしていたのだなとわかって、とてもうれしかったです。
相続の手続きは、資産・金銭の管理がメインなので、とても事務的な印象でしたが、色々な資料を目にすると共に一緒に暮らしている時や生前わからなかった父のことも知る機会にもなり、とても良い機会となりました。
お父さん今まで本当にありがとう。
自分の在り方を考えながら生きていかなくてはいけないなと思いました。
(文・写真 イマイアキコ)
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